男「デリヘル呼ぶか…」(181)
男「番号…」
受付「もしもし、こちらデリバリーヘルス~~になります」
男「えっと…」
受付「初めてのお客さまでしょうか?」
男「あ…はい」
受付「どのような女の子をご希望ですか?」
男「えっと…お、お任せです」
受付「かしこまりました。それでは、待ち合わせ場所は××ですので、10分後には女の子も到着すると思いますのでお待ちくださいませ」
男「あ、は、はい…」
男「…ここで良かったよな」
女「えーと…男さん、ですよね?」
男「あ…はい」(うわ何この子可愛い)
女「初めましてっ、女って言います。今日はよろしくお願いしますね」
男「こちらこそ…」
女「じゃ、ホテル行きましょうかっ」
女「えーと、じゃあシャワー浴びてきて良いですかね?」
男「あ、はい」
女「行ってきますねー」バタン
男「えーと…テレビでも見るか」ピッ
アンッ…ンッ…
男「うわっ」ピッ
男「驚いた…」
男「…」
男「暇だ…」
女「今あがりましたー、シャワーいかがですか?」
男「っ」ビクッ
女「あれ、驚かせちゃいましたかー?すいません、テレビでも見てればよかったのに」
男「あー、いや…」
女「シャワーどうします?」
男「えっと、あの、その」
女「どうしました?」
男「俺あのその」
女「?」
男「童貞なんですよね」
女「ああ、はい、それで?」
男「ここにきて緊張しちゃったっていうかなんていうか」
女「なるほど」
女「でも男さん…って何歳?」
男「20ですけど」
女「ああ、全然恥ずかしがらなくても大丈夫よ、30、40とかでも童貞のお客さんって多いから」
男「とは言っても」
女「お金無駄になっちゃうよ?こうしてる間にも時間はすぎるわけだし」
男「うーん…」
女「シャワー浴びて早くヤっちゃった方がお互いのためだと思うんだけど」
男「…」
女「インポってわけじゃないんでしょ?」
男「違いますけど」
女「じゃあヤるのに問題無いんじゃ」
男「…」
女「ま、緊張してるのに無理矢理って言うほど私も痴女じゃないんだけどね」
女「大体、男さん…もう男くんで良いかな、男くんってそんな顔も悪くないし若いし彼女の一人や二人いそうなんだけど」
男「いやそんな…」
女「ほんとだって。でもどうしてデリ呼んだの?」
男「今までは、何回はあるんです」
女「そうなの?」
男「でもそのたびに緊張しちゃったり、初めては大切な人としたいって思ったり」
女「女の子みたいな感性してるね」
男「別に本当にヤるわけじゃないって分かってるんですけどね。何か違うって分かるけど、でもなんか無理って思っちゃうっていうか」
女「それって私たちが汚いから?」
男「いえ、そういう訳じゃ…すみません」
女「まぁ…分からなくはないけどね」
女「私だって初めての相手は客に襲われてだったし」
男「え?」
女「よくある話よ、まぁ今になってみるとあの時は油断してた私も馬鹿だったんだけどね」
男「…」
女「あ。そんなに気にしないで、もう気にしてないから」
男「…あの」
女「何?」
男「仕事に、抵抗なかったんですか?それまでその…処女だったのの」
女「ないはずないわよ、私だって女だもの。でも、生きるためだから」
男「え?」
女「私、親が散々な借金残したあとに自殺しちゃったから。取り立ての人たちに脅されてこのまま、ね」
男「…」
女「ま、男くんが気にすることはないわ。良く聞かれる質問だし」
男「おれ・・・じつは」
女「?」
男「パンツどっか行った」
男「…」
ピピピピピッ
女「あ…時間きちゃった」
男「あ、お金…」つお金
女「ん。じゃあ…ちょっと待って…えっと…」メモメモ
女「はい、これ」つメモ
男「?」
女「私のアドレスと電話番号」
男「営業用の、ですよね」
女「ていうか私お金ないからこれしか携帯持ってないし」
男「はぁ」
女「お金もらって何もしないって私の主義に反するから。まぁヤりたくなったら呼んでよ。一回はタダで良いから」
男「ん。…分かりました」
男「はぁ…」
友「よぉ男、ため息なんかついてどうした?」
男「いや、何も。んで、どした?」
友「今晩暇か?」
男「まぁ…バイトもサークルもないけど」
友「飲みに行かね?」
男「良いけど」
友「んじゃ駅前に6時で」
男「了解」
友「よう、待ったか?」
男「いや別に、二人?」
友「あ、ああまあとりあえず行こうぜ」
男「おう」
友「寒いな」
男「冬だからな」
モー トモクンオソイヨー ヤットキタカ トモ!
友「おー、みんな揃ってる?」
男「おい何だ友この状況」
友「何って…合コン?」
男「帰る」
友「まぁまぁ、待てよ」
男「何だうそつき」
友「嘘じゃねぇし飲みに来てるじゃん!しかもお前、今彼女いるか?」
男「いないけど」
友「じゃあちょうどいいじゃん、今日お持ち帰りしちゃえよ可愛い子多いぞ!」
男「いやそういうの良いから」
友「もー…じゃあ今度昼飯おごるからさぁ…」
男「…」
友「飲んだらすぐ帰って良いから!頼む、人数集まんなかったんだよ」
男「…貸し一つな」
友「恩にきる!」
男「…」(にしても男のメンツ酷いな。友はまぁ置いとくとして、ボストロールみたいなやつと土偶みたいなやつって…)
友「自己紹介ターイム!いぇー!」
ボストロール「初めましてボストロールです!趣味は…ギターかな、盛り上がっていこうぜ!」
男「」(うるせぇな…)
土偶「こんにちは、土偶です。趣味は読書。よろしく」
男「」(人が集まらなかったってのは本当なんだろうな)
友「友っす!絶賛彼女募集中っす!」
男「男です。よろしく。あー…趣味は海外サッカーかな」
友「んじゃ、女の子たち自己紹介よろしくっ」
看護女「どうもぉ、看護師やってます、看護です。趣味はぁ…ピアノかなぁ」
ボストロール「音楽やってるんだ?」
看護女「はい」
ボストロール「いいねぇ!」
男(ボストロールも看護もうぜぇ)
司書「図書館司書の司書といいます。よろしく」
土偶「本お好きなんですか?」
幹事「幹事ですっ。仕事は…内緒!うふふ」
友「えー、気になる気になるぅ!」
幹事「うふふ。あ、もう一人は遅れてくるってメールがあったわ。ごめんね!」
男「で、俺一人余ったわけか」ボソッ
友「いぇー!」
男「あいつも完全に出来上がってるし…ってかいつもあんなのか」
男「友、悪い俺そろそろ帰るわ…」
友「なーに言ってるんだよ男! ヒックよるはぁ…これから、だぜ?」
幹事「やだー、男くんったらー!」
男「…トイレ行ってくる」ガララ
男「あー、めんどくせぇ」
男「あー…もういい加減時間だろ…遅れてくるって言ってた子も来ないから俺暇だし」
男「帰って一人で飲んだのがマシだったかな」
店員「おひとり様ですかー?」
「いえ、先に連れが…って」
男「女さん?」
女「あら、偶然ね」
男「ども。えっと…もしかして合コンですか?」
店員「こちらのお客様がお連れ様でしょうか?では、失礼します」
女「え、何で分かるの?勘?」
男「たぶんそれ、俺たちが相手ですよ…」
女「あら、そうなの?その割にはずいぶん退屈そうだけど」
男「まぁ…苦手なんですよね、合コン」
女「何で来ちゃったの?」
男「友達に会場まで嘘ついて連れてこられて、懇願されたからですよ」
女「友達思いなのね」
男「まさか、ただの貸しですよ」
女「今から戻るの?」
男「面倒ですけど」
女「抜けちゃわない?」
男「え?」
女「私だって無理矢理誘われた側だもの」
女「…よし、メール打った」
男「お仕事お疲れ様です…あ」
女「あはは、いいわよー、友達にはOLって言ってるからあのまま戻って変にバレてもあれだし良かったわ」
男「すいません…」
女「いいって言ってるんだから気にしないの。で、どうする?」
男「どうするって…」
女「飲みに行かない?」
男「いいですけど。何か食べたいものとかは?」
女「任せるわ」
男「おしゃれなバーとか知らないんですけど」
女「任せるって」
眠い
男「生二つと…焼き鳥盛り合わせで」
女「あとポテト」
カシコマリマシター!
男「で、こんな居酒屋で良かったんですか?」
女「私好きよー居酒屋」
男「じゃあ良かったですけど」
女「どんな感じだった?」
男「え?」
女「合コン」
男「ボストロールと土偶と友達が良い感じに騒いでました」
女「何それ」クスクス
男「まぁ、そんな感じで。あれ、女さんたち側ってどういうグループだったんですか?」
女「高校の同級生。あの子たちはみんな私がまっとうな仕事してるって思ってるわ」
男「はぁ」
女「まさか合コンの自己紹介で風俗嬢やってます、みんな指名してね!とか言うと思った?」
男「いやそれはまさか」
女「でしょー、どこでボロ出すか分かんないのにそんなところ行ってられないって」
男「大変ですね」
女「ま、結局行かなくて済んだから良かったんだけどね」
女「それでそのおっさん…ヒック、なんて言ったと思う?」
男「さぁ…」(だめだこいつ…早く何とかしないと)
女「お前らみんなヤりたいだけの雌犬だろって!ばっかじゃないの!」
男「女さん!声大きいですよ!」
女「何なのアイツぅぅぅ!」
男「もう…分かりましたから…」
女「ったく!……」
男「お、女さん?」
女「…」
男「寝てるし…」
男「もう…結局こういうハメに…」
女「えへへー」
男「で、どこに送ればいいんですか?」
女「男くんちー」
男「は?」
女「だって終電終わっちゃったし―」
男「普通に時計も見てなかったから歩いて帰れる距離かと」
女「それが普通なんだよー」
女「お持ち帰りされたいときはねー」
男「はいはい」
女「むぅ、本気にしてないでしょー」顔プニプニ
男「女さん落ちますよ」
女「男くん力持ちー。やさしー」
男「おだてないでください」
女「もう…そういうところ直さないとモテないわよ?」
男「別に不特定多数にモテたいわけじゃないですし」
女「私は不特定多数なの?」
男「あ、着きましたよ」
女「そうやってはぐらかすー」
いけるとこまでいく、寝落しちゃったらまた後日スレ立てるかも
男「んで、女さんはここで」
女「ありがとー…」
男「んじゃ、おやすみなさい」
女「男くん一緒にねよーよー」
男「いや女さん俺がどんなんか分かってるでしょ?俺はこたつで寝ますよ」
女「じゃ私もこたつで寝るー」
男「意味ないじゃないですか」
女「私がお持ち帰りされたのは男くんと寝たいからだよー」
男「いやだからそういうのは」
女「嫌?」
女「私が風俗嬢だから?」
女「私が汚いから?」
男「…そんなんじゃ」
女「じゃあ何で?」
男「だから…」
女「いいじゃない、今日はヤろうって言ってるんじゃないのよ、一緒に寝ようって」
男「…」
女「嫌なの?」
男「違うんです」
女「違うって…じゃあなんでなのよぉ…。汚いなら汚いって言ってよ!」ジワ
女「そっちの方がまだ楽なのよぉ・・・!」ヒック
男「…あのですね」
男「俺、前も言ったけど初めては好きな人が良いって思ってたんです」
女「知ってる…」ヒック
男「でも今もし女さんと寝たらなんていうかそれが壊れちゃうって言うか…」
女「どういうことなのよぉ…」
男「…」
女「…ねぇ…何でぇ…?」
男「…」
男「あああああああああああああ!もう!なんていうか!」
男「女さんのことが!好きって言うか!気になってるっていうか!」
男「一緒に布団に入っちゃって何もしない自信がないから!」
男「…だから。無理なんです」
女「…」ヒク
男「すいません、そんなに会ってもないし俺みたいなのにこんなん言われても困りますよね」
女「…」ヒック
男「す、すみません、だから、泣かないでください」
女「あやまらないでよ!」
男「はぁ?」ビクッ
もう無理だ…朝残ってたら書く、だめだったらまた。
お休み
ただま
女「なんで謝られないといけないのよ!」
男「いやだって女さん泣いて…」
女「男くん、そんなのだからモテないんだよっ」
男「はぁ…」
女「何で嬉しくて泣いてるのに謝られなきゃいけないのよ!」
男「え…」
女「私も男くんのこと、好きよ」
男「は、はぁ…て、ほ、本当ですかっ?」
女「くどいっ」グスッ
男「だってそんなに会ってもないし話したのだってこの間と今日くらいだし…」
女「そんなこと言ったら、男くんだってそうでしょ?」
男「…」
女「理由なんて、いらないのよ」
男「そうなんですかね」
女「…ってことで。寝ましょ。もういい時間よ」
男「あ…は、はい」
男「一緒の布団なう」
女「何つぶやいてるの?」
男「いえ何でも」
女「そ。狭いわね」
男「まぁ…そうですね」
女「寒いし」
男「ですね」
女「…お休み」
男「お休みなさい」
男「…って」ボソ
女「すーすー…」
男(眠れるはずないじゃあああああああああああああああん!)
男「全く…女さんは結局寝てるし…」
女「えへへー…おと、こ、くぅん…」ムニャムニャ
男「…可愛いし、いっか」
女「んー…」
男「お休みなさい」
男「…ふわぁ…」
女「おそよう」
男「って…女さん?!」
女「近所迷惑よ」
男「何でここに…?」
女「昨日のこと忘れちゃったの?」
男「昨日…あ、そ、そっか」
女「そういうこと。あ、冷蔵庫勝手に借りたわよ」
男「どうぞご勝手に…って、あ。朝ごはん」
女「あんまり上手くないけど」
男「いやいやいやいや、ありがとうございます!」
女「喜んでくれたなら何より」
男「美味しいっ」
女「本当?」
男「はいっ…って、女さん、食べないんですか?」
女「ん…私朝は食べない人だから」
男「そうなんですね」
女「で、今後のことだけど」
男「はい」
女「私たち、えっと、その、付き合う、ってことで…」
男「いいんですか?」
女「いいの?」
男「えーと…よ、よろしくお願いします」
女「で、今日暇?」
男「ま、まぁ暇ですけど…」
女「じゃ、デートしない?」
男「でぇと?」
女「嫌?」
男「そんなはずないですけど…。い、いいんですか?」
女「私も今日は仕事入ってないから。じゃ、食べたら行きましょ。もういい時間だし」
男「はいっ」
女「あー、買った買った!」
男「デートって要するに荷物持ちってことですか」
女「あら、嫌だった?」
男「いえ、全然。…で、お茶でもしますか?」
女「そうね、それくらいの時間かしら」
男「じゃああそこの喫茶店で」
女「ん。行きましょ」
イラッシャイ
男「えーと…ブレンド二つ」
女「あとミルフィーユ」
カシコマリマシタ
女「なんか…落ちついてるお店ね」
男「そうですね」
オマタセシマシター ゴユックリドウゾ
男「あつっ…」
女「あ、美味しい…。ミルフィーユも美味しいし」
男「あー…」
女「どしたの?」
男「いや、本当に女さんと、その、付き合ってるんだなぁって」
女「ふふ、本当に、って」
男「だって…こういうの夢でしたし」
女「夢って、男くんって本当に女の子みたいだね」
男「あはは。少女マンガの世界とかに憧れてました」
女「今日は男くんに大事な話があります」
男「はぁ」
女「これ見て」
男「えーと…一、十、百、千…なんですか、これ…」
女「借金の明細。この半分くらいまだ残ってるわ」
男「…」
女「真っ当な仕事で返すならあと何年かかるか分からないレベルなの」
男「はぁ…」
女「だから、あの仕事は辞められない。それでも…良いの?」
男「…はい」
女「え、即答?本当に?本当に良いの?」
男「だって…どうしようもないことじゃないですか」
女「どうしようもないって…」
男「まぁ、なるようになるしなるようにしますって」
女「なるようにするって…」
男「とりあえず、その件については電話しますね」
女「…え?」
男「任せてください」
女「いやだってそんな…どういうこと?」
男「まぁまぁ。珈琲冷めますよ?」
女「えーと…」
男「さて、じゃあ今日はこんな時間だしそろそろ帰りますか?」
女「ん、うち来ない?」
男「ちょっとやることがあるんで。でもまた明日電話しますね」
女「そ、残念。電話楽しみにしてるわ」
男「あはは、じゃ、また」ハグ
女「ちょっと…人前で…」
男「失礼しました。それじゃ、また」
女「ばいばーい」
男「さて…大学入って久しぶりに実家に電話するな…」ピポパ
男「もしもし、親父?」
男「あのさ、ちょっと相談があるんだけど…」
男「~~ってことでさ、まぁそういうことなんだけど…」
男「明日ぁ?…ほんとにやってくれるんだろうな」
男「分かった分かった、それで良いよ。じゃ、そういうことで」
男「…サンキュ、じゃあまた」ピッ
男「…一件落着、か?」
男「それにしても明日って…。とりあえず寝るか」
男「眠い…10時か。もう起きてるかな…」ピポパ
男「もしもし、女さんですか?」
女『おはよ、電話ってこんな早くに?』
男「ま、今から会えません?」
女『こんな時間に?…どこで?』
男「んじゃ女さんの最寄で。…12時で良いですか?」
女『分かった、それじゃまた後で』
男「失礼します」ピッ
男「さて…帰るか…」
男「ちょっと早く着きすぎたかな」
女「ごめん、待たせた?」ハァハァ
男「いえ、まだ12時前ですし」
女「えっと…どうしたの?」
男「とりあえず行きますか」
女「どこ?」
男「はいこれ、切符」
女「ありがと…って、こんなとこまで行くの?何しに?」
男「まあ、行かなきゃいけないんで。うちの実家です」
女「ええっ!」
男「早くいかないと今日中に帰ってこられませんよ」
女「ちょ、ちょっとぉ…!」
男「はい、出発ー!」
男「さて着きました」
女「ここ…?」
男「はい…まぁ、ここって言えばここなんだけど…」
女「なんていうか…大きいよね」
男「まぁ…細かいことはあがって説明しますから。どうぞあがってください」ガララ
男「ただいまー」
使用人「お帰りなさいませ、お坊っちゃまー!」
女「お、お坊っちゃま?」
男「その呼び方は止めろって。あ、親父いる?今日帰って来いって言われたんだけど」
使用人「旦那さまは書斎にいらっしゃいます、お嬢様も、どうぞおあがりください」
女「お邪魔します…」
男「こっち来てください」
女「わ、分かった…」
男「よう親父、帰ったぞ」ガチャっ
父「男ぉぉぉぉぉぉぉ!やっと帰ってきたかぁぁぁぁぁ!」ガシッ
男「ばか、暑苦しいんだよ!離せ!」
女「」
父「おお、君が女ちゃんか!男から話は聞いてるぞ!」
女「は、初めましてっ、お、おんにゃと言いますっ」(か、噛んじゃった)
男「おんにゃって」
父「ははは、かわいらしいのぉ、じゃ、こっちに来なさい。」
男「適当にその辺座って」
女「し、失礼します」
男「…で、電話で話した件なんだけど」
父「ああ、まぁ、小さいころから儂の仕事のせいでお前には嫌な目にあわせてしまったからな。あれくらいは」
男「助かるよ」
父「跡をついでくれると儂も助かるんじゃがのぉ」
男「つがねーよ。そのために大学に入ったんだから」
女「え、えっと…」
父「ん?何だ、男、お前まだ話しとらんのか」
男「なんて説明すればいいんだよ」
父「全く…」
男「えーと、女さん、あんまりドン引きしないで聞いてもらえたら助かるんだけど」
女「全然状況が分かってないから分かりやすくお願いします」
男「えーと、まぁうちの実家はなんていうか…俗に言う…ヤの職業なわけで」」
女「えぇ?」
男「あ、ここはあれだよ、あの…コイツの趣味の家。隠れて作家気取ってるから」
女「…」
男「んで、まぁ親がそんな仕事のせいで俺も恐れられたりしてあんまり良い目をみたことがなかったわけ」
女「はぁ…」
男「で、今回の件で今までの借り…っていうか、親父の仕事のせいでそんな目にあってたんだから、今回くらい助けろと」
父「可愛い跡取り息子の頼みは断れんわ、がっははは」
男「跡取りではねぇよ。ま、そんな感じで、本業の方はどうか知らんけど作家としてはそこそこ売れてるみたいだから、その金くれって話」
女「…え?」
男「ま、早い話その金で借金払ってしまおうぜ、みたいな」
男「…はぁ」
女「えーと…男くんの家は要するに…」
父「まぁ…俗にいうヤ○ザなことをしておりますが」
男「んで、借金は返させてもらう」
父「あとあのデリヘルのバックしてるところもちょっと潰させてもらう」
男「別にそこまでしろとは…」
父「遺産相続しなきゃ済んだのに脅されて無理矢理働かされてたんじゃろ?まあ当然の報いじゃ」
女「えーと…」
父「女ちゃん、うちは確かにこういう家だし男は儂の息子じゃ。女ちゃんは儂みたいな仕事のせいで嫌な目にあった」
女「…」
父「だから、儂のことは嫌ってくれて構わん。でも、男は無関係なんじゃ。だから、男のことは嫌いにならんでやってくれ」
女「…」
男「ま、まぁそうだよね、嫌だよね、うん」
父「まぁ、時間も時間だし、今日は泊っていきなさい、男も明日日曜日なら暇じゃろ?部屋は使用人に聞きなさい」
男「おう、分かった。女さん、行きましょ」
女「…うん」
女「失礼しました…」
男「また後でな」ガチャ
男「で、まぁそういう訳なんだけど…」
女「…いや、ちょっと唐突すぎて話についていけないんだけど…」
男「ですよねー」
女「何で…私なんかをそういう風に助けようとしてくれたの?」
男「いや…なんていうかさ」
女「?」
男「女さん、言ったじゃないですか、風俗嬢だから嫌なの?って」
女「…うん、言った」
男「俺、親父があんな仕事だから。媚うってくるようなやつか恐れて近づいてこないかのどっちかだったんです」
男「それが嫌で、実家から通える距離の大学にはどうしても通いたくなかったし、高校出てすぐ家を継ぐ気もなかった」
女「…うん」
男「家のことを凄い引け目に感じてたって言うか…まあ何だかんだ大学にも通わせてくれてる親父には感謝してるんですけど」
男「で、まぁもちろん俺のこと知ってるやつも何人か大学にはいるから完全にではないけどなんだかんだ高校みたいな状況で」
女「…」
男「彼女なんてできるわけも無ければ友達も少ないし」
男「で、女さんに会った」
女「私?」
男「他のデリも呼んだって言ったけど、なんか違うって言うか…」
男「まぁ、そこは置いとくとして。とにかく、まぁ元々は俺と何のつながりも無かったから当然なんですけど、普通の男子として扱ってくれた女さんが嬉しくて」
男「だから、たぶん俺、気になってるとか言っちゃったけど本当はべた惚れしてるんです。もう好き。大好き」
男「だからできることは何でもしたい、それだけです」
男「俺の家のこと嫌っちゃったならもう今日っきりでもいいですから。だから、女さんは好きにしてください」
女「…」
女「好きにして、良いの?」
男「あ…は、はい」
女「本当に?」
男「いや、だってうちこんな仕事ですし…嫌なら嫌って言われても仕方ないですよね」
女「うん…じゃ、驚かないで聞いてね」
男「はい…」
女「男くんにお願いがあります」
女「あのね」
女「私を家に入れて」
男「家に入れる…って」
女「結婚して」
男「ああ、結婚ね、はいはいはいはいってなんでやねーん!」
女「本気よ」
男「ななななな何言ってるんですか俺まだ大学生っすよ」
女「私だって男くんより1歳上なだけよ、変わらないわ」
男「だだだだって社会人じゃ…」
女「男くんの好意に甘えたらただのニートよ」
男「でも…」
女「私じゃいや?」
男「嫌って言うか…」
男「むしろ、良いんですか?」
女「何が?」
男「仮にも俺ヤの息子ですよ。継ぐ気はないけど、そういうところで嫌な目あったり…」
女「風俗嬢だって似たようなもんよ。それに、男くんだって父さんだって、良い人じゃない。それで十分」
男「はぁ…」
女「だから、一緒にいさせてください…あ、ちゃんと風俗以外の仕事も探すわよ?寄生しようとかそんなんじゃないから!」
男「…良いんですか?」
女「だから、良いって。しつこいと嫌われるよ?」
男「…よろしくお願いします」ハグ
男「女、さん…」
女「呼び捨てで良いよ」
男「女…好き…」チュッ
女「私も…」
男「えーと…」
使用人「珈琲おもちしました」コンコン
男「っ…!///」
後は想像力で頼む
俺に濡れ場は無理だ
男「…で、まぁ結局結婚って発想は突拍子がなさすぎですし、同棲、ってことでもいいですかね?」
女「私は全然。ま、男君もまずは大学出ないとだしね」
男「無事出たら、その時は…」
女「その時は、ね」
男「…よろしくお願いします」
女「いえいえ、こちらこそ」
男「さて、寝ますかー」
女「もちろん一緒のベッドで、ね?」
男「はい///」
女「初めてこの家に泊らせてもらった時も実家に泊めてもらった時も男くん何もしてくれなかったんだもん、今日は、ね?」
男「は、はは…」
終わろう。
濡れ場書きたいけど書けなかった…!
一応続編の構想はあるんだけどそれ書くなら濡れ場書けないと無理だから諦めた!
もし濡れ場書けそう、もしくは上手く書き貯めれたらまたスレ立てます。
保守、支援してくれた皆さんありがとうございました。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません