キョン「SOS団を辞める」(127)
古泉「はい?」
キョン「だーかーら、辞めるっつってんだよ」
古泉「…笑えない冗談はやめてください。この場に涼宮さんが居たら間違いなく
閉鎖空間が…」
キョン「冗談じゃねえよ。マジで辞める」
みくる「…なんでですか?」
キョン「俺がハルヒに何かするとやれ閉鎖空間だ、世界の危機だって行動を制限されて」
キョン「未来人に小間使いされたり将来を決められ」
キョン「宇宙人に殺されかける…辞めたくもなりますよ」
長門「なら、なぜ今まで所属していたの?」
キョン「今までは耐えてたんだがな…もう限界だ」
キョン「という訳で、なんと言われようと俺は抜ける。じゃあな」バタン
廊下
ハルヒ「あれ、キョン?あんた、あたしより先に部室行ってたじゃない。どうしたの?」
キョン「…」スッ
ハルヒ「え?ちょっと!!どこいくのよ!!」ガシ
キョン「…っち」バシ
ハルヒ「きゃっ」ドタ
キョン「…」スタスタ
ハルヒ「キョ、キョン…どうしちゃったのよ?」
部室
ハルヒ「…」ガチャ
古泉「おや、涼宮さん。こんにちは」ペコ
みくる「こ、こんにちわぁ…あ、い、今、お茶入れますね?」
ハルヒ「…うん」
古泉「どうかなされましたか?…気分が優れないようですが?」
ハルヒ「別に。…大丈夫よ」
古泉「…」
ハルヒ「…はぁ」ドカ
古泉「…涼宮さん?」
ハルヒ「なによ」
古泉「やはり、何かおありになったのではないのですか?」
ハルヒ「だから、何もないって…」
長門「…彼がこの部室を出て行った時間と貴女が入ってきた時間から推測すると、部室等の廊下ですれ違っているはず」
ハルヒ「!!…キョン、部室に来てたんだ……」
古泉「やはり、彼と先ほど会っていたようですね。宜しければ詳しくお聞かせ願えますか?」
ハルヒ「…うん。実は…」
古泉「…そんなことが」
みくる「そ、そんなぁ…キョンくんは、そんなことする人じゃあ…」
古泉「ええ、それについては僕も同感です。いくら気が立っていたとしても、女性に当たり散らす人じゃあありませんから」
長門「…手をあげるとしたら、それはその人の為を思っての行動。彼は…とっても優しい人」
古泉「…だから、涼宮さんも戸惑っておられるのでしょう」
ハルヒ「…うん。どうしちゃったのかしら…ねえ、みんなはキョンから何か聞いてない?」
古泉「!!」
みくる「!!」
長門「…」
古泉(これは…正直に話すべきでしょうか…?)
さあ、どうする?
①正直に話す ②真実を包み隠す
>>22
1
みくる(…ここで嘘をついても、キョンくんが合わせてくれるとは思えません…)
みくる「あっ、あのっ涼宮さん!!」
ハルヒ「なにか聞いたのね?」
みくる「実はキョンくん…部室に来てすぐに私たちにある言葉を残していったんです」
ハルヒ「言葉?伝言みたいなものかしら?」
古泉「?!朝比奈さん?!」
みくる「古泉くん。…ここは正直に言った方がいいですよぅ…」
古泉「…分かりました」
ハルヒ「…で?キョンはなんて言ったのかしら?」
みくる「はい…『SOS団を辞める』…と」
ハルヒ「…え?」
ハルヒ「…あ、あたし…キョンを追いかけてくる!!」ダッ
長門「無駄」
ハルヒ「っ!!有希?!」
長門「私たちも、彼の説得を試みた。…だが、彼は聞く耳を持たなかった。…貴女がここで追いかけても、逆効果」
ハルヒ「で、でも…もしかしたらあたしのせいで…」
長門「落ち着いて。たとえそうだとしても、貴女には、自分が何をしたのか皆目見当もつかない状態のはず」
長門「そのような状態で彼に誤ったとしても、神経を逆立てるだけ」
ハルヒ「…そうね」
長門「今日だけ、気分を損ねている可能性もある。…彼も人間。こういう日だってある。…だから、今日は様子を見るべき」
ハルヒ「…分かったわ。…でも、今日は団活する気が無くなっちゃったから、このまま解散よ。…鍵よろしくね」バタン
古泉「…」
みくる「…」
長門「…」
prrrrrrrr
古泉「…閉鎖空間が発生しました。…行ってきます」スクッ
長門「古泉一樹」
古泉「何でしょう?」
長門「片付き次第、私の家に来て」
古泉「…了解しました」
長門「朝比奈みくるは、このまま私の家に…いい?」
みくる「はい…」
みくる(キョンくん…どうしちゃったんだろう)
その頃…
ハルヒ(ごめんね、有希…有希の言い分も分かるけど、私、やっぱりキョンと話がしたい)
ハルヒ(もしかしたら私が悪いのかもしれないし、そうだとしても、私は何がキョンをあんなふうにしたのか分からない…でも)
ハルヒ(…あの時…キョンはとても苦しそうな顔をしてた…あんなキョン、見たくない!!)
ハルヒ(…だから、私はキョンと話がしたい。…悩みがあるなら聞いてあげたいし、私が悪いのなら、仲直りしたい)
ハルヒ(着いた…キョンの家、久しぶりだな)
ハルヒ「…」ピンポーン
キョン妹「はーい!!あ!ハルにゃんだ!!こんばんわー」ギュー
ハルヒ「こんばんは、妹ちゃん。…キョンはいる?」
キョン妹「キョンくん?さっきお出かけしたよ~」
ハルヒ「…そう」
キョン妹「ハルにゃん、キョンくんと喧嘩しちゃったの?」
ハルヒ「大丈夫よ、妹ちゃん…キョンがいないなら、また今度にするわ。じゃ、帰るね?」
キョン妹「キョンくんが来るまでおうちに居たら~?」
ハルヒ「いいの、いいの。また今度にするから…それじゃあ」パタン
ハルヒ(…キョン、どこに行っちゃったんだろう。…メールでもしとこうかな…)pi
ハルヒ(あんたと話がしたい。今出かけてるんでしょ?用事が終わったら、連絡して)
ハルヒ「送信…と」pi !
ハルヒ「…今日中に返ってくるかしら?」
ブーッ、ブーッ
ハルヒ「……え?まさか!」
ハルヒ「…うそ……受信拒否されてる?」
ハルヒ「…なんで…なんでよ、キョン…」
ハルヒ「うう…グスッ…ひぐっ…うえええ…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
閉鎖空間
●「!!神人が…増えている?!」
●「うわっ!!…これは…また涼宮さんに何かあったのか?」
長門マンション
古泉「…すみません。遅くなってしまいました」
みくる「ひえぇ!!古泉くん、ボロボロ…だいじょぶですかぁ?!!」
古泉「ええ、心配には及びません…4年前と比べたら軽い方ですよ…あれから、何か進展は?」
長門「一つだけ…その前に、貴方に確認してもらいたいことがある」
古泉「何でしょう?」
長門「…彼にメール、若しくは電話してみて」
古泉「先ほどやりましたが…どうも拒否をなさっているようです…そちらも同じ状況で?」
長門「そう。…恐らく、涼宮ハルヒも同等の扱いを受けていると思われる」
古泉(…なるほど、そう考えると、途中から神人が増えたのも頷ける)
みくる「キョンくん…どうしてこんなことを…」
古泉「…ええ、僕も、引っかかるところがあるんですよ」
みくる「?」
古泉「妙だとは思いませんか?彼がここまで僕たちを避けるのなら、その原因はすぐ分かりそうなものでしょう?」
古泉「あれほど驚異的な堪忍袋の持ち主です…その緒が一回で切れるなら、相当大きな出来事のはずですから」
長門「…だが、我々は、今の時点で全く見当がつかない始末」
長門「…彼は今までは耐えていたと言っていたが、その不満が爆発するにしても、その前兆はみられるはず」
みくる「…キョンくんからは、そんなの感じませんでした…」
古泉「だから謎であり、恐怖でもあるのですよ…考えが読めないほど、怖いものはない」
長門「そうである以上、こちらからの干渉は避けた方が良い」
古泉「でも、こちらから何もしないわけにはいきません…調査は行わせてもらいます」
みくる「わ、私も!」
長門「了解した。不可視シールドが必要な場合は私のところに来て。プログラムを注入する」
古泉「助かります…では、今日はもうお開きでもよろしいでしょうか?…激闘だったので、キズの手当をしなくては…」
長門「その必要はない。キズの手当なら私が行う」パァァァァ
古泉「…忝(カタジケナ)い」
みくる「古泉くんは世界のために戦ってくれてるんです。これくらい当然ですよ。ね、長門さん」
長門「そう。…これから最も苦労するのは、おそらく貴方…頑張って」
古泉「みなさん…ありがとうございます」
長門「いい…もう夕食の時間。夕食を食べていくといい」
みくる「あっ、じゃあ私も手伝います!!古泉くんも食べていってくださいね?」
古泉「んっふ。…それでは、ごちそうになりましょうか…」
長門「…今夜は、カレー」
翌朝
ハルヒ(…結局あれから家には帰ったけど、眠れなかった)
ハルヒ(ああ、もうこんな時間…今日ほど休もうと思った日はないわ…)
ハルヒ(…キョン、学校では口きいてくれるかな?)
ガラ
ハルヒ「…おはよ」
阪中「涼宮さん、お早うなのね」
成崎「おはよ」
ハルヒ「お早う…キョンは、まだ来てないようね」
阪中「そうなのね。まあ、キョンくんはいつも来るのが遅いから…」
阪中「でも、涼宮さんもいつもより遅かったのね…どうしたのね?」
ハルヒ「…寝つきが悪かったのよ。ほら、隈酷いでしょ?」
阪中「だいじょぶなのね?なんか悩み事でもあるのね?」
ハルヒ「うん。大丈夫だから…」
昼休み
ハルヒ(…結局、午前中は来なかったわね。何してるのかしら?)
ガラガラ
キョン「よーっす」
ハルヒ「!!きょ…」
谷口「よお!!お前昼からとか、どんな重役出勤だよ!!」
国木田「そうだね…何かあったのかい?」
キョン「HRで聞かなかったのか?…朝にちょっと体調崩してな…病院に行ってたんだよ」
ハルヒ(…病院?じゃあ、昨日も…?)
谷口「おいおい、大丈夫かよ?」
キョン「ああ、ただの風邪だよ」
国木田「ただの風邪だからって油断しちゃだめだよ?こじらせたら大変なんだから…」
キョン「分かってるよ…じゃあ、そろそろ席に座らせてくれ…」
ハルヒ「!!(こ、こっちに来る!!)」
ハルヒ「お、遅かったじゃない!キョン!!」
キョン「…ああ、すまん」
ハルヒ「あんたはズボラだからね!生活習慣が乱れてるからこんな…」
キョン「はいはい。分かったから、静かにしてくれ。頭に響く」
ハルヒ「…あんた、昨日から変よ?一体どうしたのよ?」
キョン「見て分かんねえのか?風邪だよ、風邪。…ああ、あとお前、昨日俺んちに来たそうじゃねえか」
ハルヒ「そ、そうよ!!でも、あんたがいなかったから携帯でメールしてもty」
キョン「迷惑だ。もう来ないでくれ」
ハルヒ「…キョン?」
キョン「あと、古泉たちから聞いてると思うが…SOS団は辞めさせてもらう」
ハルヒ「!!!ちょっと!誰の許可を得てそんな事・・・」
キョン「お前には関係ねえ!!!」
ハルヒ「…っ」
キョン「…辞めようが何しようが俺の勝手だろ、涼宮。もうあんまり構わないでくれ」クル
ハルヒ「な…!涼宮って…!!」
その頃…
古泉「はっ!!」ピキーン
古泉(…また閉鎖空間ですか…それも大規模な……キョンくん、もういい加減にしてください!!)
古泉「失礼…家の方で用事が入ったので、今日は早退させてもらいます。…先生に伝えてもらえますか?」
女子「う、うん」
古泉「…さて、行きますか…」
――――――――――――――――――――――――――――――
校門
キキィ!!
森「古泉、乗りなさい!」
古泉「…ええ」
古泉(帰ってきたら、話を聞かせてもらいますよ?キョンくん。)
古泉(僕は貴方ほど堪忍袋は強くないんですから…)
放課後
みくる(メール…涼宮さんから?…団活中止……キョンくん、いったいどうしちゃったんですか?)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
長門(…団活の中止……ならば、放課後は彼の追跡に回すことにする)
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そのちょっと前
キョン「…さて、と」ガタ
ハルヒ「ちょっと…帰るの?」
キョン「だから、俺が何をしようともうお前には関係ないだろう。俺とお前は赤の他人だ」
ハルヒ「……」
キョン「もういいか?じゃあな」ガラ
ハルヒ(…キョンがいない団活なんて、楽しくないよ…今日も休みにしちゃおう…)
帰宅時
キョン「…」テクテク
古泉(…来ましたか)スッ
キョン「…古泉か」
古泉「ええ、僕です。…少し、お話をしませんか?」
キョン「俺から話すことは何もねえよ」
古泉「…僕はありますから。話だけでも聞いてください」
キョン「生憎、話を聞く暇などない」
古泉「…貴方に関係することなんです。お願いですから…」
キョン「どうせ涼宮の事だろう。だったら俺には関係ない」
古泉「…っ!!何故そうまでして邪険に扱うのですか!!」
キョン「SOS団を抜けた時点で俺たちは赤の他人。その赤の他人にしつこく呼び止められてんだ。そりゃあ…」
古泉「いい加減にしt」
ドス!
古泉「?!…がはぁ」 ドサ
キョン「…やっと来たか。遅いんじゃないか?」
???「これでもすぐに来たつもりなんですがね…如何せん、貴方を追跡している『機関』構成員が予想以上の数でしたので」
キョン「いたのは、機関の人間だけか?橘?」
橘「いえ…長門有希も、貴方の後をつけていたので…九曜さんに足止めしてもらっています」
古泉(…た、橘京子?!…もしかして彼は佐々木さん側に寝返ったとでも?!…あ、もう意識が…)ガク
キョン「…こいつはどうするんだ?」
橘「そうですねえ…二度と貴方と接触できないようにもできますが…」
キョン「いや、やめてくれ。あまり手荒い真似はするな」
橘「はあ…佐々木さんの指示がなければ、貴方の言葉を無視して消去するのですが…仕方ありませんね」
キョン「…それで?例の件は?」
橘「準備は整ってますよ。後は貴方次第です。」
キョン「…そうか。分かった。なるべく早く片付けるさ」
機関の寮
森「古泉?…古泉!!しっかりなさい!!」
古泉「…あ?森さん?」
森「気が付いた?よかった…貴方、この寮の前で気を失ってたのよ?一体何があったの?」
古泉(…あの時、確か何者かに手刀で…あ!!)
古泉「大変です!!彼が…『鍵』が敵対勢力の手に渡ったかもしれません!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
長門のマンション
長門「…く」バタ
長門(…肉体損傷率、65%……これ以上やられていてら、機能停止していた)
長門(まさか古泉一樹の敵対組織のみならず、天蓋領域まで彼を取り巻いていたとは…うかつ)
長門(取り敢えず…今は肉体の損傷を回復しなければ…)
長門(…今後の対策も考えなくては……仕方ない)
長門「…パーソナルネーム『朝倉涼子』の再構成を申請する」
長門(…これで、天蓋領域には対抗できるはず)
深夜
ハルヒ(…キョン、ねえ…どうして?なんであんな目でわたしを見るの?)
ハルヒ(この間まで…普通に話してたじゃない…ハルヒって呼んでくれてたじゃない…)
ハルヒ(寂しいよぉ…キョン…)ゴソゴソ
ハルヒ「はあ、はあ…」クリクリ
キョン『ハルヒ…』
ハルヒ「ああ…ん…キョン、キョン…んんっ!」クチュクチュ
ハルヒ「キョン!…キョン…!アッー…ふう」クタァ
ハルヒ「…何やってんのかしら、あたし……グスッ」
ハルヒ「…これも、キョンのせいなんだから……グスッ」
ハルヒ「バカキョン…」
翌朝…
キョン「…」ガラ
ハルヒ「あ…!」
キョン「…」ギロ
ハルヒ「うう…」
国木田「キョン…もう風邪は大丈夫なのかい?」
キョン「おう。すっかりな…」
谷口「そうか、なら今日は遊びに行くか?SOS団、やめたんだろ?」
ハルヒ「…」ピクッ
国木田「ちょっと、谷口…涼宮さんの前で…」
キョン「すまん…ここ最近はずっと予定があるんだ……悪いな」
谷口「そうか…なら仕方ないな」
キョン「すまんな、今度誘ってくれ」
国木田「…はあ、もう…谷口が持てない理由、今わかったよ…」
ハルヒ「……」ジワッ
放課後
キョン「…」ガタ
ハルヒ(…キョン、用事ってなんなのかしら……後をつけてみよう…)
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部室棟裏
ハルヒ(…あ、あれは……みくるちゃん?)
キョン「…」
みくる「~~?」
ハルヒ「…何言ってるか聞こえないわ……でも、これ以上近づいたらばれちゃうし…様子見しましょう」
みくる「~~~?!…!!」
キョン「~~~」フルフル
みくる「~~~~!!」ポロポロ
キョン「~~~!!」クルッ
みくる「!!」ガシッ
キョン「…!」バシッ
ハルヒ「あっ!!キョンがみくるちゃんを…打った?!」
ハルヒ(これはもう…!!)ダッッ
みくる「うえ…ひっく…」ポロポロ
キョン「…もう、これ以上ついてこないでください……」
ハルヒ「…こんの……!!」
キョン「!!」
ハルヒ「バカ!!」バキイ
キョン「がはっ!!」ズシャア
ハルヒ「あんた、女の子に……しかもみくるちゃんに手をあげるなんて、何位考えてんのよ!!!」
キョン「…しつこく付きまとわれたんだ…これくらいしなけりゃ…」
ハルヒ「あんたはっ!!何がそんなに気に食わないか知らないけど!!人に当たり散らすなんてサイテーよ!!」
キョン「…」
ハルヒ「…あたしは…あたしは、あんたの事が好きだった」
キョン「…!!」
ハルヒ「でも、あたしの好きなキョンは、こんな奴じゃない!!」
ハルヒ「あんたを何としてでもSOS団に戻そうと思ったけど…もういいわ。あんたみたいな奴、こっちから願い下げよ」
ハルヒ「悪かったわね。しつこく話しかけて。もう、あんたには構わないから」クル
キョン「…」
ハルヒ「…みくるちゃん、行きましょう。最低男に何されるか分かんないわ」
みくる「う…ううっ」ポロポロ
ハルヒ「…頬、冷やした方がいいわね…氷嚢もらえるかしら」テクテクテク
キョン「……行ったか」
男子A「おい、お前」
キョン「…」
男子B「お前…朝比奈さんに手えあげたな?」
キョン「…誰だよ?てめえら…」
男子C「誰でもいいだろうが…おい、みんな出てこいよ」
男子D~Z「…」ゾロゾロ
キョン「…」
男子A「朝比奈さんに暴力をふるうなんて言語道断だ…その制裁、受けてもらうぜ?」
キョン(成程…こいつら全員、朝比奈さんのファンクラブ員ってわけか…やれやれ)
1時間後
キョン「ぐはぁ…はあ…はあ…」
男子J「ちっ…てこずらせやがって…!!」バキィ!
キョン「あがあ!!」
男子A「おらあ!!」ゲシ
キョン「おぶっ…おえええええ」ビシャア
男子B「汚えんだよ!!この屑!!」ガッ
キョン「」ピクピク
男子D「…べっ」
キョン「」ビチャ
男子E「…行こうぜ。倒れてるやつは、建てる奴で運ぼう…」
ゾロゾロゾロ・・・・・・
キョン(…行ったか……ははっ。こいつは予想以上にきついな)
キョン「…」ズルッ…ズルッ
橘「!!キョンさん?!大丈夫ですか?!」
キョン「お、おお。橘か……つつっ」
橘「ひどい怪我…九曜さん」
九曜「―――了解―――した――」
九曜「mkjdcfhvgjsukad,kn567898$%&'&」ブツブツ
キョン「…サンキュー。九曜、橘」
橘「もしかして…あの件のためにこのようなことになったんじゃないでしょうね?」
キョン「…すまん、だが、上出来だ」
橘「…もうっ!!無理はしないでください!!あんな姿になったのを見たら、佐々木さんは悲しみますよ!!」
キョン「…仕方ないだろ。俺にはもう、時間がないんだ。」
橘「…それは、そうですけど」
キョン「今日のおかげで、おそらく今週中には実行できそうだ。」
橘「…分かりました。では、転校の手筈は此方にお任せください」
キョン「ああ、頼んだ…」
翌日…
キョン「よー…」
キョン(机がねえ…始まったか)
ハルヒ「…」ギロ
キョン「おお、怖い怖い。さて、机を取ってきますかね…」
男子1「…」ヒョイ
キョン「…!」ガッ
ドテ
女子「ぷーっ…クスクスwwwwww」
キョン(…惨めだぜ)
昼休み
キョン(俺が朝比奈さんをぶったっていう噂はもうすでに全校に出回ってるようだな…)
キョン(…これで、立派ないじめの対象だ……だが、まだ足りない…)
古泉「…」スッ
キョン「…なんだ?」
古泉「貴方という人は……バカですか?!」
キョン「俺と口を聞くなよ。嫌われるぜ?」スイッ
古泉「待ってください!!なぜあなたはこのようなことを…ぐあっ!!」
キョン「黙れっつってんだ」
女子「きゃあああああああああ!!古泉くん!!」ダダダダッ
女子A「ちょっと!!あんた、古泉くんに何すんのよ!!」
キョン「…」ドカ
女子B「きゃあ!!」
キョン「へっ…」スタスタ
女子「…なにあいつ、サイテー!!」
女子A「大丈夫?古泉くん?」
古泉(…いったい、彼に何があったっていうんだ?)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それから1週間
すまん、休憩20分くれないか?
キョン「…そっちの手筈は?」
橘「大丈夫です。佐々木さんももうあちらの学校に…」
キョン「…分かった」
キョン「じゃあ、今日付けをもって、そちらに転校する。…護送は頼むぞ?」
橘「ええ…と言ってる傍から……」
長門「…」
朝倉「こんにちは!久しぶりね!キョンくん!」
喜緑「…」
キョン「なんとまあ、豪勢なお出迎えだな」
長門「…貴方の行動について推測と吟味を重ねた結果、ある結論をはじき出した。」
橘「あら…」
長門「…貴方は、間違っている。まだ彼女の力が発動していない今ならやり直せる。…考え直して」
キョン「…断ると言ったら?」
長門「…力ずくでも止める」
キョン「…九曜。頼む」
九曜「―――――――来なさい。三人―――――まとめて―――」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
長門「あ…」ドサ
朝倉「うっ…」バタ
喜緑「」チーン
九曜「――――格の――違い―――」
キョン「悪く思わないでくれ。長門…もう、決めたんだ」
長門「…っ」
キョン「…九曜、事後処理は任せた…」
九曜「―――終わった―――この後は?」
キョン「機関については、橘たちが止めてくれているから問題ないだろう」
橘「ええ。貴方の指示通り、全員死なない程度に片付けてます」
キョン「ありがとう。…じゃあ、仕上げだ。橘、お前は佐々木を呼んでくれ。九曜、お前は――――」
九曜「―――――了解」
橘「…本当に、いいんですね?」
キョン「今さらだな……やってくれ」
橘「…佐々木さんが、かわいそうです…」pi
ハルヒ(キョン。虐めが原因で転校することになったんだろうな……)
ハルヒ(…なんで、こんなことなっちゃったんだろう……キョンがあんな風になっちゃった理由も分からずじまいだった…)
ハルヒ(みくるちゃんが打たれたときはかっとなっちゃってあんなこと言っちゃったけど…)
ハルヒ(キョン…やっぱりもう一回だけ……話がしたい…ん?あれは……キョン!!)
キョン「~~~」
ハルヒ「キョ…!!」
ハルヒ(…キョンの隣にいるのって…佐々木さん?!)
ハルヒ(…一緒の制服着てる)
ハルヒ(……ああ、そうか。キョンの目的って…これだったのね)
ハルヒ(親が転校に反対しないように…あんな態度取って、暴力振るって……)
ハルヒ(……キョン、あんたって、やっぱり最低よ………自分の為だけに、人の気持ち踏みにじるなんて…)
ハルヒ(もう、本当に……好きにしなさい)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^
キョン「あれは、ハルヒ…うまくいったようだな。…ありがとう。佐々木」
佐々木「これくらいはたいしたことないさ…だが、約束は守ってもらうぞ?」
キョン「ああ、もちろん」
2か月後…
古泉「………はい?」
森「…事実よ」
古泉「…嘘でしょう?」
古泉「彼が、亡くなった?」
森「ええ。」
古泉「…死因は?」
森「…すい臓癌。余命を宣告されたのが、2か月と半月前、だったそうよ」
古泉「……彼がSOS団の退団を言い始めた日…ですね」
森「…ええ。おそらく、彼は『涼宮ハルヒに嫌われることで世界の崩壊を防ごうとした』んでしょうね」
古泉「…あ、あはははははは……あ、あの方は…本当に、バカだ…」
森「…誰に相談するか、相当迷ったそうよ。涼宮さんなんかに相談したら、世界が…。でも、他の仲間も悲しませたくない…で、彼が頼ったのは」
古泉「…親友の佐々木さん、ですか」
森「ええ。そして、彼女を信望する組織を利用し、噂が涼宮さんの耳に入らないような場所に転校」
森「しかも転校当日に、涼宮さんに佐々木さんといるところを見せ付けて、幻滅させる抜け目のなさ……」
古泉「……」ポロ
森「最期を看取ったのは、佐々木さんだそうよ。そして、彼女の体の中には…」
古泉「…それが、彼女の提示した、協力の際の条件、だったんでしょうか?」
森「……」
古泉「…その子供は、能力を持って生まれるのでしょうか?」
森「十中八九、そうでしょうね。何せ、鍵との子だから…」
古泉「…佐々木さんと結ばれても、涼宮さんと結ばれても、結局世界の崩壊の危機はすぐ隣り合わせ…ですか。」
古泉「…困ったものです。」 終
最期メチャクチャ。
ていうか全部メチャクチャ。
もういや
ねるは。
おやすノシ
鬱ものは好きですか?嫌いですか。そうですか
ささっきーエンドかとおもた
乙
読了済みです
>>117
どうも。
なんか眠くなくなってきた。逆に
このSSまとめへのコメント
キョンが辞めると言って話が展開していくSSの中で、群を抜いて良作。
オチが普通に読めなくて面白かった