兄「これが欲しいのか?」妹「うん」(262)

兄「5800か...あったかなぁ」

妹「......」

兄「...下ろさなくちゃだな」

妹「無理...しないで」

兄「何言ってんだよ、妹が欲しいものは俺の欲しいものでもあるんだからさ、気にするな」

妹「......」

兄「仕方ない銀行行くか?それともここで待って...」

妹「...兄、私...これがほしい」

兄「えっ...でもそっちは劣化版の旧作品...」

妹「これでいい......私、これがほしい」

兄「...ありがとな、妹」

ジャイアン「ジャイ子…ジャイ子…」パンパンパンパン

ジャイ子「お兄ちゃん…お兄ちゃん…」クチュクチュクチュクチュ

兄「ごめんな、折角の誕生日プレゼントなのに...こんな安いもので」

妹「いい、満足だから...ありがとう、兄」

兄「......」

妹「ご飯食べたら、一緒にやろう?」

兄「...ああ」

妹「えへへ、楽しみ」

兄「......」

妹「兄もゲーム強くなってよね」

兄「ああ、努力するよ」

妹「~♪」

兄「......」

兄(ごめんな...妹)

妹「くぅ...くぅ...」

兄「......」

兄「チャーハンに、手作りボロボロケーキ......ごめんな、もっとマシなもの作れなくてさ...俺料理ヘタッピだから」

妹「んっ......えへ」

兄「俺が...母ちゃんたちが生きてたときにちゃんと習っておけばよかったのにな...ほんと大馬鹿野郎だな俺は...」

妹「くぅ...くぅ...」

兄「安心しろ......俺ががっぽり稼いでくるから...そしたらお前が欲しいっていうPS3も買ってやるからさ......楽しみにしとけよぉこの幸せものぉ~」

妹「あ...にぃ...」

兄「じゃあ...行ってくる」

兄「お客様、ご指名ありがとうございます......こんばんわ、女」

女「お、来たなNo.9」

兄「それだけ聞くとかっこいいけどな」

女「でも、ここのホスト28人の中で9番目は結構いい感じだと思うけどぉ?」

兄「まだまだだよ、もっと指名されるようにならないと...」

女「......妹ちゃんのため?」

兄「ああ、アイツのためだ」

女「ふーん...そっか」

兄「......」

女「でも兄、キツくなったらいつでも言ってね、私蓄えだけならそこらの女共よりかは結構あると思うからさ」

兄「......いいよそんな、ここに来てくれて俺を指名して一緒に飲んでくれるだけで十分さ...感謝してる、ほんとありがとな、女」

女「......頑固者」

兄「お、待っててくれたのか」

女「さすがに夜中の3時まで女の子を待たせるのはどうかと思うわよ」

兄「ああ、ごめんな」

女「......そこはお前が勝手に待ってたんだろってツッこんでよ...前みたいに」

兄「はは、悪い」

女「......」

兄「今日さ、気前のいいお客様からお小遣いもらっちゃったんだけど、どっか寄ってくか?」

女「...そんな気分じゃない」

兄「あ、そっか、ごめんな誘っちゃって」

女「!......の、飲みなおすんなら缶ビールでいいわよ、後のり天」

兄「のり天......もたれるぞ」

女「いいじゃない!好きなんだから...のり天」

兄「はは、じゃあコンビニ寄ってくか」

女「......うん」

兄「......寒いな」

女「そうね」

兄「大丈夫か?」

女「大丈夫よ、このくらい......もう慣れたわ」

兄「そっか...ふぅ...」


兄「......はぁ...こっちの酒のがうまいな」

女「そう?」

兄「ああ、あっちは息苦しくて......飲めたもんじゃないよ」

女「アンタ昔っから人と関わるの避けてたもんね~、それがいつのまにやらこんな職業についちゃって~」

兄「はは、女、お母さんみたいだぞ」

女「......お母さん...か」

兄「......おばさんは元気してるか?」

女「うん、アンタのこと話したら自分もホストクラブ行くー!なんて言い出しちゃって、お父さん顔真っ赤になってさー!思わず吹き出しちゃったわよ」

兄「...そっか、元気そうで安心したよ」

女「うん......元気」

兄「もうそろそろ4時か...」

女「早いもんねぇ~......あ、のり天からっぽ」

兄「よし、じゃあ送ってくよ、ほら、立てるか」

女「あたしゃまだ若いよぉぉぉ!一人で立てるわぁぁぁ!」

兄「おいおい、近所迷惑だって、この公園の周りは民家でいっぱいなんだからさ」

女「あはは~、ごめんごめん」

兄「はは......じゃあ行くか、ほら」

女「ん?な、何?」

兄「手だよ、夜道は危ないだろ?」

女「......他意は...無いわよね?」

兄「あったらどうする?」

女「......流れに身を任せちゃうかも...たぶん」

兄「......お前のお父さんの気持ちが分かる気がするよ、これじゃあいつもハラハラしてしまうのも仕方がないな」

女「な、なによぉ!...もう」

妹「......」

兄「よし、アイロン終わったぞー」

妹「んっ...ありがと」

兄「どういたしまして、ほら、ツナマヨ握っといたから行きながら食べとけ...後ほい水、ペットボトル道に捨てるなよ」

妹「あっ...ツナマヨ......ありがと兄」

兄「いいからいいから、ほら体操服入れといたからな、忘れんなよ」

妹「うん...行ってきます」

兄「おう、いってらっしゃい」

兄「......行ったか」

兄「さて、たまには大学にでも顔出すかな」

先輩「お、卒業生くんじゃないか、1ヶ月ぶり」  

兄「おはようございます...先輩」

先輩「うん、おはよう...で、今日は一体どういう用件かな?」

兄「......バイトのことで」

先輩「またそれか...少しは休んでるんだろうね」

兄「......」

先輩「はぁ...紹介先で倒れたらこっちの信用も危ういんだからさ...そこんとこ分かってくれないかな?」

兄「はい...すいません」

先輩「ふぅ...仕方ない、じゃあ今日はこっちで備品移動をしてもらおうかな、相応の報酬はやるつもりだよ、どうだい?」

兄「...はい、喜んでやらせていただきます」

先輩「うん、倒れそうになったらちゃんと言ってくれよ」

兄「......善処します」

先輩「はは、まあ頑張れよ」

妹「......あ、国語の教科書忘れちゃった」

友「えー、妹ちゃん先生に怒られちゃうじゃん...どうするの?」

妹「あの人はこわい...どうしよう」

友「そうだ!妹ちゃんの家学校から近いんだから取りにいけばいいんだよ!」

妹「......でも」

友「大丈夫だよ、昼休みに行けば誰にも見つからないって」

妹「......うん、分かった...行ってくるね」

妹「た、ただいまー」

妹「国語...国語...国語の教科書...」

妹「...あっ」

兄「......」

妹「兄...寝てる」

兄「......」

妹「......」

兄「......」

妹「国語の教科書...持っていかなきゃ...」

兄「......」

妹「......」

兄「で、それでお前も布団に潜り込んだ結果、学校をサボったと...」

妹「...うん」

兄「おいおい妹...お前今年で小学校卒業なんだからさ、しっかりしてくれよ」

妹「......」

兄「小学生も後数ヶ月でおしまいなんだぞ、そしたらお前は華の中学生、立派な半大人になるんだ」

妹「......」

兄「それなのにこんな真似して......お前って奴は...」

妹「ごめんなさい...兄......ごめんなさい...」

兄「...謝ったってなぁ...」

妹「また...兄に迷惑かけちゃう...ね...」

兄「っ...」

妹「ごめんなさい......ごめんなさい...」

兄「......はぁ...しゃあない、とっとと学校に荷物取りにいくぞ」

妹「......うん、ありがと兄」

兄「......いいよ、ほらとっとと行くぞ」

妹「...うんっ!」

兄(...迷惑......か...)

妹「......怒られちゃった」

兄「今時、生徒のためにこんな時間まで待って怒ってくれる先生なんて珍しいんだぞ......感謝しとけよ」

妹「でも...こわい」

兄「はは、時間が経てば分かるさ」

妹「...そうかな」

兄「そうだよ......よし、妹、今日はもう兄ちゃんメシ作る気ないからさ...外食でも行くか?」

妹「えっ......でもお金...大丈夫なの?」

兄「っ......外食するぐらいの金、兄ちゃんが持ってないとでも思ってるのかこやつぅ~」

妹「えへへ~、痛いよ兄ぃ」

兄「で、どこ行きたい?」

妹「えっ......ラ、ラーメン屋さん」

兄「嘘つけ」

妹「う、嘘じゃないもん」

兄「ラーメン屋に行きたいのは俺だ、つかお前、あんまりラーメン好きじゃないだろ?」

妹「...だって」

兄「だって?」

妹「だって......兄が稼いだお金だもん...私じゃないもん」

兄「......妹...?」

妹「だから...私は兄の行きたいところに行きたい...兄が食べたいものを私も食べたいの...」

兄「......」

兄「...はぁ......じゃあ俺はラーメン屋なんかより、妹の行きたいお店に行きたい...これでどうだ?」

妹「!そ、そんなの反則!」

兄「はは、反則ってなんだよ」

妹「......兄はズルイ」

兄「はいはい、それでどうすんの?」

妹「......ファミレス」

兄「ん?」

妹「ファミレスに...行きたい...」

兄「......そっか、分かった、よしじゃあ急ぐぞ!俺は今無性に特大チーズハンバーグが食べたいからな!妹も遅れるなよぉー!」

妹「あ、兄っ!待ってぇ!走るのはやいっ!」

兄「はは、置いてくぞぉー!」

兄「......」

兄(......正直、泣きたくなった)

女「ふーん、そんなことあったんだ」

兄「ああ、あんな良くできた妹がこの世に存在しているなんてな...もはや奇跡だろ」

女「......」

兄「ウチの家計を気遣う優しい心、さらにはこんなダメ兄貴を優先する超優しい心......もうダメだ、俺アイツ大好きだわ」

女「...ちょっとそこの、焼酎二つよろしく」

ホスト「かしこまりました」

兄「はぁ...俺ってどんだけ幸せ者だよ...」

女「......ちょっと兄」

兄「ん?何だよ?」

女「......何でもないわよ」

兄「?」

兄「ふぅ...今日もお疲れぇ」

女「あんたこそ」

兄「はは、どうも」

女「ん」

兄「......」

女「......」

兄「......ごめんな、女」

女「え!?ど、どうしたのよいきなり...?」

兄「俺のために週3でホストクラブに通ってくれてさ...ホント助かるよ...ありがとう」

女「......そ、そんなのいいわよ、私の趣味なんだからさ...それにアンタのためじゃなくて私はただイケメンとお酒が飲みたいだけであって...アンタのことなんて...」

兄「それでもだよ、ありがとな」

女「......どういたしまして」

兄「でもさ女、結構高くつくだろ?......正直なところ、大丈夫なのか?」

女「だ~いじょうぶ、心配ないわよ、何せ私は安定した収入もあるし、蓄えも十二分にあるんだから」

兄「...そっか」

女「そういうこと、だから、あんたが飽き飽きしたとしても私はアンタの面拝みに何度でも出向いてやるから覚悟しときなさいよね」

兄「おう、承知した」

女「ふふ♪承知されました♪」

女「ね、ねぇ...男」

兄「ん?」

女「今日ってもう土曜じゃない?そんで土曜はお休みなんだ...私」

兄「......そうか」

女「それでさ...アンタ...午後空いてる...かな?」

兄「......」

女「......どう?」

兄「ごめん、土日は妹の側にいてやりたいんだ」

女「っ...そっか...ごめんね、変なこと聞いて」

兄「...いや、いい」

女「うん...じゃ、送ってくれてあんがと、おやすみ」

兄「ああ、おやすみ」

兄「......悪いことしちゃったな」


女「...ただいまー...はぁ...」

女「......少しくらいいいじゃない...私はこれだけしてるのに...あの馬鹿」

妹「ふぁあ~...」

兄「お、おはよう妹ちゃん」

妹「ちゃんはやめて、おはよう兄」

兄「はは、ごめんごめん...お前は俺のことちゃん付けで呼んでいいんだぞ」

妹「顔洗ってくるね」

兄「スルーか...ああ妹、顔洗い終わった後でいいからさ、皿とかの準備してくれないかぁー?」

妹「わかった」

兄「ありがとー......よし、今日はうまく出来たな」

兄「......」

兄「......後でメールしとくか」

妹「ごちそうさまでした」

兄「ん、残さず食べたな」

妹「片づけは私がする、兄は座ってて」

兄「あ、いいのか」

妹「うん、私もできることはするから...兄のために」

兄「...ああ、じゃあ頼むわ」

妹「うん、任せて」

兄「よしじゃあお兄ちゃんは座ってメールでも打ちましょかね、どっこいしょっと」

兄「......」

兄「...また泣きそうになったっと...」

兄「......」

兄「いやこれは無いな、消し消しっと...」

妹「兄、今日は暇?」

兄「ん?おお、暇だぞー、つか俺はいつも暇だぞー」

妹「じゃあ、これしよ?」

兄「...前に買ったゲームか」

妹「うん、全部クリアしたから対戦しよ」

兄「......」

兄「わかった、女キャラは俺が使うからお前男な」

妹「兄、気持ち悪い」

兄「女の子の方が使いやすい気がするんだよ」

妹「......変態」

兄「小学生の妹に変態呼ばわりとか...燃えるな」

妹「もう...じゃあやるから」

兄「はいはい」

兄「うっわ...この妹容赦ねぇ」

妹「兄が弱すぎるから」

兄「いや、だってこのキャラ足わざだけじゃん、俺もビームみたいなやつ出したい」

妹「だったら、この魔術師使えばいい」

兄「あー、ダメそれ、その男なんか俺イカしてます~?感がイラっとくるから」

妹「......兄は男が嫌いなだけでしょ」

兄「へへ、正解」

妹「...女たらし」

兄「!?お、おまっ!どこでそんな言葉覚えたっ!?」

妹「サンデーで立ち読み」

兄「......サンデーなら仕方ない、許そう、俺も昔は読んだ...今は全くだが」

妹「......女たらしは次も女の人使うの?」

兄「おうよ、今度はこの斧使いのワイルド姉ちゃん使おっかな」

妹「......変態」

兄「おいおい、俺の喜ぶ言葉何度も言うなって」

妹「...兄は女の子だったら誰でもいいんでしょ」

兄「何言ってんだよ、俺が好きなのは可愛い娘だけだからな」

妹「......最低」

兄「ま、俺が女の子で一番好きなのは妹だからなぁ~安心しろー」

妹「...暑い、抱きつかないで」

兄「照れるなって、ホントお前は可愛いなぁ~」

妹「んーーー!!!早くするのぉ!」

兄「おう!?......じゃあやるか」

妹「...ばか」

兄「やっぱり男が女に勝てるわけがなかったんだよ、うん」

妹「......」

兄「ん?どした?......どっか悪いのか?」

妹「違う、何でもない」

兄「そっか...じゃあ次何する?マリカー?スマブラ?テトリス?」

妹「......寝る」

兄「えぇー!俺妹ちゃんともっと遊びたいぃ!」

妹「...おやすみ」

兄「マジで寝るのかよぉー!妹ちゃんの極悪非道ー!」

妹「......うるさくしないでね」

兄「!?......心が折れるわ」

妹「じゃあね」

兄「......ああ」

妹「......」

パタンッ...

兄「はぁ...妹の奴...俺がじゃれあった時からなんか変だったけど......俺のせいかなやっぱり」

兄「俺が妹にひっついたら...妹が変になった...」

兄「......妹ってもしかして...俺のこと嫌い......なのか?」

兄「......」

兄「いやそんなことあるか!妹ちゃんは俺のこと大好きに決まって...!」

妹「兄、うるさい」

兄「......はい」

兄「...自信無くなってきた」

兄「さて、暇になったな、これからどうするか」

兄「うーん......あ、そうだ」

妹「......」もぞもぞ

「ま、俺が女の子で一番好きなのは妹だからなぁ~安心しろー」

妹「......」ぎゅっ

「照れるなって、ホントお前は可愛いなぁ~」

妹「......えへへ」

妹「......ダメ、にやけちゃう...」

妹「えへへ...可愛い...一番好き...」

妹「......」

妹「えへへ...」

兄「......アイツ出るかなこの時間」

妹「ん?...兄、誰かと電話?」

兄「お、つながったか、もしもし」

妹「......」

兄「おう、俺だよ俺、つかよくこんな時間に起きてたなぁ~、女」

妹「......えっ...女...?」

兄「おう、暇になったんだけど、今日の奴はまだ有効か?」

妹「......今日?...どういうこと?」

兄「ああ、そっか...じゃあ迎えに行くわ」

妹「......」

兄「うん、うん、分かった...それじゃあ妹の昼飯作り終わってから行くわ」

妹「......」

兄「おう、はいはい、了解...じゃあまた後でな」

妹「......」

兄「よし、今日は妹の麺嫌いを直すためにもカルボナーラにしよっかな」

妹「......」

兄「うぃ、完成っと」

妹「......」

兄「サランラップ、サランラップっと......もう切れそうだな」

妹「......」

兄「まぁ帰り買ってくればいっか、よし、じゃあ準備準備っと」

妹「......」

兄「財布に携帯...ってそれぐらいか持っていくものなんて」

兄「じゃあ、行ってきまーす」

ガチャ...バタンッ...

妹「......」

妹「追わなきゃ...」

妹「じゃないと...兄が...兄が女の人に...」

妹「......あっ」

カルボナーラ作っといたから昼になったら食べてくれ、後、兄ちゃんちょっと隣の隣の隣町まで買い物しに行くから留守番任せる
俺のこの世で一番可愛い妹ちゃんを一人にさせるのは俺にとっても悲しいことだが、ゲームか宿題でもやっててくれ、できれば後ろを
じゃあ留守は任せるぞー 兄

妹「......」

妹「本当に私が一番なの...兄」

妹「......食べなきゃ...兄が作ったんだから」

妹「おなかへってないけど......いただきます」

妹「うっ...走りにくい...」

妹「けど...けど兄が...」

妹「はぁ...はぁ...」

妹「......」

妹「どこ...兄...」

妹「どこにいるの......兄」

兄「よっしゃ女よ、どこ行くんだ?」

女「んー?どうしよっかー」

兄「え...決めてないのかよ」

女「私がアンタを遊びに誘うときそんなメンドイことしてた時あった?」

兄「確かにそうだったな......じゃあさ女、今日はゆっくりできるところにでも行こうぜ、お互い疲れてるだろうし」

女「ん、いいわよ別に」

兄「よし、じゃあぶらぶらしながら探すか、ゆっくりできそうなところ」

女「おっけー」

女「それにしても、どうしたのよ今日は......私からの誘い断っておいて」

兄「いやさ、ウチの妹ちゃんが拗ねちゃって......俺を見捨てて一人で眠っちゃって...」

女「はっは~ん、また何かしたんでしょ」

兄「違う!ただのスキンシップだ!」

女「はいはい......でもわざわざありがとね、誘ってくれて」

兄「いいよ、それに俺も誘い断って悪かったな...ほんと」

女「いいわよ、もう...気にしてないから」

兄「......お、あの公園良さそうだな」

女「アンタ公園好きだよね、いっつも飲むところといったら公園だし...」

兄「いいからいいから、早く行くぞー」

女「はいはい...ふふ♪」

妹「結局...戻ってきた」

妹「......」

妹「ゲーム......いや、宿題しよ」

妹「算数ドリル...ドリル...」

妹「......」

妹「算数なんてわかんないよ...兄がいなきゃ...」

妹「......」

妹「社会...しよ」

支援

兄「いいなここ...遊具なんて一つもないけど木がたくさんあるから......落ち着く」

女「ほんとねー...気に入ったかも」

兄「......今度は妹の奴連れてきたいな」

女「...アンタってホント口を開けば妹妹ばっかりよね、妹脳なの?」

兄「ああ、そうかもな、アイツは俺のすべてだからさ」

女「......昼間っからこんなところでそんな恥ずかしい台詞吐いて死にたくならないの?」

兄「妹に嫌われてると知った時点でもう死んでるよ」

女「はは、じゃあ今のアンタはゾンビってこと?」

兄「そのゾンビに付き合うお前も中々だな」

女「私...好きな人が怪物になっても愛せるぐらい良い女なんだから......さ?」

兄「はは、何じゃそりゃ」

女「......気づけニブチン」

妹「ハァ…ハァ…兄…どこ…?」
DQN「おっ君かわいーね!ちょっと付き合ってよ」

こうならなくてよかった

兄「いやぁ、今日は悪かったな、買い物に付き合ってさらには荷物まで...」

女「いいよいいよ、アンタが卵持つと割れそうで心配だし」

兄「いや、俺そんなドジ今までした覚えないぞ」

女「ふふ、調理実習の時に卵割っちゃったドジッ子さんはどこの誰かしらぁ~」

兄「言うな、学校生活のことは地中の奥深くに埋葬したんだ」

女「はは、アンタ昔すっげー冴えなかったもんねー」

兄「うるせぇ、どうせ俺は今も冴えない微妙男ですよ」

女「......今は...」

兄「あ?まだ俺に何か言いたいことでもあんのか?」

女「無いわよ......別に...もぅ...」

兄「?」

兄「たっだいまー」

妹「......」カキカキ

兄「おお!偉いぞ妹!宿題なんて!」

妹「......兄」

兄「ん?何だ?」

妹「今日...どこ行ってたの?」

兄「どこって...ほら、紙に書いてただろ?隣の隣の隣の隣町に買い物しに...」

妹「隣...一つ多いよ」

兄「え?マジ?...まぁ、そういうことだから」

妹「それで......女って人...誰?」

兄「......へ?」

兄「いや...何だよいきなり...」

妹「電話...私が寝てる時兄が電話してた人でしょ...その女って人」

兄「そ、そうだけど......寝てなかったのかよ」

妹「そ、その後寝た......うん」

兄「......」

妹「それで...その女って人......誰?」

兄「はぁ...仕方ない、話すよ」

妹「クラスメイト...」

兄「そうだよ、その中で特に親しかったんだよその女が」

妹「そうだったんだ......友達」

兄「そう、友達、分かったか妹?」

妹「うん、ごめん兄...変なこと聞いて」

兄「いいっていいって、でもまさか妹ちゃんが嫉妬するなんてなぁ~...あぁ、幸せってこういうことを言うんだろうな~」

妹「?...兄、しっとってなに?」

兄「ああ、分からないか...嫉妬っていうのは焼きもちと同じ意味の言葉だ?これなら分かるな」

妹「焼きもち......ち、違うもん!別にしっとなんてしてない!」

兄「はいはい、可愛いなぁ~妹ちゃんは~」

妹「ち、違うもん!ホントに違うもん!私、兄のことなんて何とも思ってない!」

兄「はは、それぐらい分かってるって、妹も好きな奴いるんだろ?学校に」

妹「......えっ」

兄「いやぁ~、お前がガキの頃はこ~んな大きさだったのに、もう恋なんてする歳にまでなっちゃったか......嬉しいのやら悲しいのやら」

妹「......ち、違うよ」

兄「でも兄ちゃんに出来ることがあったら何でも言ってくれよ?あ、でも家に男を招くのはNGな、その男ぶん殴りそうだから」

妹「...あ、兄...違うよ......違うって...」

兄「よし、それじゃあ飯でも作るか...妹、今日は何が食べた...」

妹「っ!」

妹「違うってばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

兄「......」

妹「はぁ...はぁ...」

兄「...え?......何が?」

妹「...違うよ......兄」

面白い④

妹「私...学校に好きな人なんていないよ...」

兄「あ、そうだったのか...悪い、バカみたいなこといって...」

妹「うん、いいよ...もう気にしてない」

兄「そっか、ありがとな、で、今日何食べ...」

妹「あ、後ね兄」

兄「お、おう何だ?」

妹「私...兄に嘘...ついた」

兄「は?嘘?」

妹「うん......嘘」

兄「...よし分かった、言ってみろ妹、怒んないからさ」

妹「へ、変な子だと思わない?」

兄「思わない思わない」

妹「......嫌いにならない?」

兄「俺が妹を嫌いになるわけないだろ?世界で一番好きなんだからさ」

妹「そっか...じゃ、じゃあ......言うね兄」

兄「おう、言ってみろ」

妹「ホ、ホントはね」

兄「うん」

妹「ホントは私...」

兄「うんうん」

妹「女って人に...その...兄をとられて...し、しっと...した......それだけ」

兄「うんうんう..................え?」

妹「それだけだから!ご、ご飯になったら呼んで」

バタンッ

兄「......」

兄「......」

兄「......」ぱかっ

兄「......」

兄「俺、今人生で一番幸せだ...っと」

兄「一斉送信...」

兄「......」

兄「はぁ...妹ぉ...」

兄「おいおいあんまり飲み過ぎるなよぉ~、お前が吐く姿なんて俺見たかないぜ~」

女「......アンタ、今日は妙にテンション高いわね」

兄「え?そうか?いやぁ~、参ったなぁ~えっへへ~」

女「今日は約束の日じゃないのに私が来てくれたことがそんなに嬉しかったの?」

兄「いやぁ~、どうだろうなぁ~」

女「......」

兄「あ、ショウく~ん、フルーツ超盛り合わせ一つ~」

ショウ「へーい」

兄「いっやぁー!今日は楽しもうぜ女ー!」

女「......」

俺「何言ってんだこいつ。」

兄「フルーツ超盛り合わせがあんなにするとは...」

女「半分出してあげた私への感謝の言葉は?」

兄「はい、本当にありがとうございました、女様のおかげで今も私めは生存していられるのです」

女「うん、よろしい」

兄「はぁ......今日は色々とホントにごめんな女」

女「いいわよ、私の暇に付き合ってくれた分を返しただけなんだから、気にしないで」

兄「そっか...じゃ、今日も飲みに行くか?」

女「今日も公園?」

兄「いや、今日はいい飲み屋だ、異論はないな?」

女「......飲み屋ね、いいわよ早く行きましょ」

兄「よし、こっちだ」

女「おでん屋の屋台...これまた古風な」

兄「ほら、座れよ」

女「う、うん...」

兄「おっちゃん、焼酎二つに...がんもと牛スジとちくわ......女は?」

女「わ、私もそれで」

おっちゃん「おっけおっけ、よっしゃ!おっちゃんおでんみたいにお熱いカップルが好きでねぇ、たまごサービスしたげるよ」

兄「お、太っ腹ぁ~」

おっちゃん「だろ~、この腹は独身生活の表れ、俺の人生そのものだからな、いい丸みだろ?」

兄「いやそっちじゃないっすよ、まぁきれいな丸みですけど」

おっちゃん「お、間違えチッタ......手入れは怠ってないんだぜこれが」

兄「なんだそりゃ」

兄・おっちゃん「はっはっはっはっは」

女「......ふふ」

女「いいところだったね」

兄「ああ、あのおっちゃんとは気が合うし、あそこのおでんのダシは俺好みでさ......結構お気に入りなんだぜあそこ~」

女「......そっか」

兄「ああ、今度は妹ちんを連れていきたいなぁ~」

女「...またそれ?」

兄「ん?あれ、俺前にもこんなこと言ったっけ?」

女「言ったわよ、公園の時に」

兄「あ...あぁ~...言った気がするぅ~」

女「......」

兄「よし、じゃあ明日は妹ちゃんをデートに誘っちゃおうかなぁ~...なんちゃって~」

女「......やっぱりそのテンションって妹ちゃんの...」

兄「ん~?どしたぁ~女~?」

女「...アンタ酔っぱらってるわね、酒臭いわよ」

兄「え!?マジでぇ!?」

兄「たっらいまぁ~...妹ちん起きてる~?」

兄「......ま、寝てるか」

兄「そんじゃ妹ちんの可愛い寝顔はいけー...ん?何だこれ?」

兄「チャーハン......そんでこの手紙...何々...」

兄へ
今日も兄は私に何も言わないで仕事に行くんだね
なんでか兄は私にその仕事のことを言ってくれないけど、無茶だけはしないでね、一緒にゲームできなくなるから
後、仕事終わったらおなかへると思って、兄の真似して作ったんだチャーハン
ちゃんとチンして食べてね 妹より

兄「......」パカッ...

兄「......」カシャッ...

兄「俺の可愛い妹が作ったチャーハン...一斉送信」

兄「......」

兄「い、いただきます......じゃなかった...チンしないとなチン...」

兄「......」

兄「やばい......本気で嬉しい...くっそ...」

俺「こんな時間に腹減る画像おくんな、食うぞ」

「宇宙キター!」

妹「......変な頭」

兄「なぁ妹、今日一緒に出かけないか?」

妹「ん!?ど、どこ?」

兄「いや、どこって訳じゃないけど......いいか?」

妹「えっ!?......う、うん...いいよ」

兄「そっか、ありがとな」

妹「別に...いい」

兄「......」

兄(妹のやつ......やっぱりいつもと何か違うな)

妹「......」もじもじ

妹「......」

兄「妹はどっか行きたいところないのか?」

妹「え!?え、えっと......分かんない」

兄「ふーん...じゃあゲームショップでも行くか?」

妹「え!?い、いいの?」

兄「ああ、俺が今日は無性に行きたいからな」

妹「じゃ、じゃあ...行く」

兄「よし、じゃあはぐれないようにな」ギュッ

妹「!」

兄「あ、ごめん妹...嫌だったか?」

妹「......嫌じゃない」

兄「そっか、よかった」

妹「......は、早く行こ」もじもじ

兄(うーん、反則的に可愛い)

疲れた
よし風呂

寝る
朝まで残っててくれ

妹「......」ぼー...

兄「ほら、好きなの見てこいよ、俺もブラブラしとくからさ」

妹「うん...分かった」

兄「なんかあったらすぐお兄ちゃん呼べよー」

兄「ふぅ...アイツホントにゲーム好きだよなぁ...女の子とは思えん」

兄「......」

兄(もしかして両親の死のショックから逃げるため...)

兄「......」

兄「そうだ、PS3探さなきゃだな」

兄「くぅ~、俺ってホントいい兄貴」

店員「24800円になります」

兄「」

店員「?...お客様、どうかされました?」

兄「え?に、にみゃん?」

店員「ああ、はい2万4800円ですね」

兄「おいおい、俺プレツー五千円で買えたんだけど、どういうことよ」

店員「さ、さぁ...」

兄「これってプレツーよりちょっとグレードアップしただけでしょ?それでなに?二万五千?」

店員「は、はい...」

兄「いやお姉ちゃん、冗談はやめてくれ」

店員「冗談なんかじゃ...」

兄「......マジかよ」

店員「マジ...です」

兄「はぁ...なんとか買えるっちゃあ買えるけど...昨日のフルーツがここで響いたかぁ」

兄「もう少し余裕持ってからにするか...ん?」

妹・姉コーナー

兄「......なんだこれ...ん?」

妹との愛の爆発~俺が持ってたスイッチは爆弾のスイッチだった~

兄「......これは」

妹「兄...どこ?」

妹「もう...帰っちゃったのかな...」

妹「...ん?」

妹・姉コーナー

妹「......」

妹「いるわけ...ないよね...」

妹「......」

妹「でも...行ってみなきゃ」

妹「......いたらどうしよう」

兄「くっ...なんで俺の家にはパソコンの一つもないんだ!」

兄「いや...今月の生活費をどうにかすれば買えないことも...だ、だが...」

兄「あー!迷うぅぅぅぅぅぅ!!!」

妹「何に?」

兄「何って、妹モノの......あ」

妹「......変態」

兄「あーーーー!!!この変態は嬉しくねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

妹「...もう......帰る」

兄「そ、そうだな......帰ろっか」

妹「......」もじもじ

兄「はぁ...」

女「どした?すごい顔してるけど」

兄「もう俺...妹にどう接したらいいかわかんね」

女「......何しでかした?」

兄「俺の尊厳に関わる...深くは追求しないでくれ」

女「...あっそ、じゃあ今日はとことん飲みましょ?」

兄「ああ、そうする...」

女「......あと兄、私以外の前でそんな態度はとっちゃダメだよ」

兄「分かってる...お前だけだよ、本当の俺で接してるのは女だけ......特別だから」

女「うえっ!?そ、そう!?」

兄「ああ......はぁ...」

兄「さて、明日から月曜日...またバイト探さなきゃな」

女「......やっぱりキツイの?」

兄「ああ、ほしいものができたからさ...」

女「...ふーん」

兄(ゲーム機と妹ギャルゲとは言えない、後PC)

女「で、今日はどこいく?昨日と同じ場所?それとも公園?」

兄「いや、今日は帰ることにするわ」

女「な、なんでよ!この私が今日も特別に来てあげたっていうのに!もう終わりな訳!?」

兄「え!?ご、ごめん...もう飲む気分じゃねーんだ」

女「......そう」

兄「ごめんな、また今度の夜に頼む」

女「...分かったわよ、絶対だからね」

兄「......おう」

兄「ただいまー...」

兄「......まぁ寝てるよな、寝てなきゃ困るし...もう明日からどういう顔で会えばいいのか...」

兄「...悩んでても仕方ない、よし、俺も寝るか...」

ガチャ...

兄「ん?」

兄「布団畳んでなかったのか......いや畳んだはずなんだけどな」

兄「まいっか、おやすみなさーい」ゴソッ...

「痛っ」

兄「......」

兄「......何でここにいるんだ?妹?」

妹「......寝るため」

兄「いや、お前の部屋にはちゃんと布団だってあるはずだろ?」

妹「......」

兄「はぁ...俺も入っていいか?」

妹「......うん...兄の布団だから兄も入っていいに決まってる」

兄「じゃあ、お邪魔するぞ」

妹「......」

兄「ん...暖かいな」

妹「...兄......冷たい」

兄「おお、わりぃ」

妹「別にいい...」

兄「そっか...」

兄(あれ?割と話せてるぞ普通に)

妹「ねぇ...兄」

兄「ん?何だ?」

妹「......」もじもじ

兄「どうした?早く言えよ」

妹「その...ゲームショップのことなんだけど...」

兄「!...それがどうかしたか?」

妹「あれ...その......兄が見てたゲームって...きょ、兄妹の...」

兄「......」

妹「その...えっと...」

兄「......」

妹「...ごめん......分かんない...」

兄「お、おぉ...そうか...」

兄「......」

妹「......ねぇ...兄」

兄「ん?何だ?」

妹「その...ね...えっと...」

兄「......」

妹「な、何でもないっ!」

兄「そ、そうか...」

兄(このやりとりこれで何回目だ...?)

妹「えっと...うぅ...」

兄「......」

兄(やっぱり...言わなきゃだよな)

兄「あー、妹?」

妹「!?...な、何?」

兄「えっとな...俺はたしかにああいうゲームには少し...興味はある」

妹「!......うん」

兄「だ、だけどな...それはゲームだけの話であってだな」

妹「......うん」

兄「現実は...そうじゃないというか...その...」

妹「......」

兄「だ、だからな...俺は決してお前にその...そういう感情は抱いていないから...安心してくれ」

妹「っ...」

兄「そういうことだからさ、お前も変に悩まないでくれよ、妹」

妹「......」

兄「よし、じゃあこれでこの話は終わりだ」

妹「......」

兄「夜更かししすぎると明日に響くからな、もう寝る...」

妹「兄は言ったよね」

兄「え!?...何をだよ...」

妹「...兄は...私が好きだって...こと」

兄「......」

兄「確かに言ったけどさ...」

妹「私が一番って...言った」

兄「......」

妹「私のこと...可愛いって言った...」

兄「......」

妹「あの言葉は...嘘...なの?」

兄「......」

妹「......」

兄「嘘じゃ...ない」

妹「......!」

兄「けどそれは...家族として...妹としてだ」

妹「......」

兄「それ以上でもそれ以下でも...ない」

妹「......」

兄「...寝るぞ妹」

妹「......嫌だ」

兄「......妹」

妹「嫌だよ...嫌だよ...だって言ったじゃん!兄言ったじゃん!私が世界で一番好きって!」

兄「......ああ、好きさ、大好きだ...けどお前は妹なんだ」

妹「妹でも...好きなんでしょ......なら...ならそれでいいじゃん!」

兄「...妹、お前の言ってる好きっていうのと俺の好きは...」

妹「一緒だもん!兄は私のことが好きなんだもん!」

兄「......妹」

妹「兄は私のことが世界で一番好きなんでしょ!私も!私も兄のこと世界で一番好きなのぉ!」

兄「......」

妹「これは嘘じゃないもん!ホントのことだもん!」

妹「兄のこと......好きなのぉ」

兄「分かった...分かったから」

妹「ホントだよ...信じて兄...」

兄「分かってる、俺はいつもお前のことを信じてるから」

妹「......じゃあ...兄は私のこと...好き?」

兄「......ああ、好きだ」

妹「妹じゃないほうの...好きのことだよ...」

兄「っ......それは...」

妹「......」

兄「...あ、ああ...好き...かもしれん」

妹「!」

兄「けど...お前は俺の妹だ、それは絶対に変わらない」

妹「......変わるよ」

兄「いいや、変わらないよ......それにな妹」

兄「お前のその好きは......多分、間違ってるほうの好き...なんだ」

妹「......間違ってるほう?」

兄「ああ......数年前、俺たちの親が亡くなったのを覚えているよな」

妹「......うん」

兄「その前のお前は親父にひっついてばっかの子供だったよな」

妹「......」

兄「その頃のお前に俺と親父、どっちが好きか聞いたらお前なら迷わず親父と言うだろうな......ちょっと悲しいけど」

妹「......」

兄「それに俺もあの頃は大学生活で色々とはっちゃけてたからな、家族なんて眼中にもなかったさ」

妹「......」

兄「けど両親がいなくなった、その頃のお前はホントに暗くなったな......まともに見れないくらいに」

妹「......」

兄「そしてその時やっと俺は妹の存在に気がついた......何の支えもない妹の存在にな」

妹「......」

兄「そして俺は妹、お前の面倒を見ると決意した...俺だけの力で」

妹「......」

兄「そんでお前も俺っていう新しい支えが出来た...それと同時に俺がお前に異様に優しくしてしまった...多分これが原因なんだろう」

兄「お前の、俺へのその勘違いの感情の」

妹「......」

兄「俺だってお前のことは好きだ、大好きだ、愛してさえいる......けどな、俺はお前のその嘘の感情を弄びたくないんだ...絶対に将来お前が後悔するはずだから」

妹「...嘘なんかじゃ...」

兄「お前にとっては嘘じゃないかもな、いいや、お前にとっては本当のことだろう......けど、俺にはそれが嘘にしか思えないんだ」

妹「......分かんないよぉ...兄の言ってること分かんないよぉ!」

兄「ああ、分からなくていい......近い将来、気づくはずだからな...そのお前の心の正体に」

妹「ひっぐっ...そんなの...気づかっ...んぐ...ないっ」

兄「いいや、気づくよ......俺がちゃんと気づいてるように、お前だって...」

妹「だったら...気づかないほうがいいよぉ...兄ぃ...」

兄「......」

妹「私は兄が好き...兄も私が好き......それでいいもん」

兄「......」

妹「私は兄と...もっと仲良くなりたいだけなんだもんっ......それだけなんだもんっ」

兄「...妹」

妹「えぐっ...ひぐっ...」

兄「......」

妹「もう私...どうすればいいのか分かんないよ...兄ぃ」

兄「......妹、こっちに来てくれ」

妹「ひぐっ...う...うん」

兄「いい子だ...お前は本当にいい子だよ......妹」

妹「...んっぐ......」

兄「だから俺も...お前のことを好きになったんだろうな」ぎゅっ...

妹「......兄」

兄「妹ごめんな...難しい話しちゃって...」

妹「......いい」

兄「今日はもう寝よう...妹も眠いだろ?」

妹「......うん」

兄「よし、じゃあ今日はお兄ちゃんがずっと一緒にいてやるから安心して眠ってくれ」

妹「...どこにも行かない?」

兄「ああ」

妹「夜...私を置いてどこかに行ったりしない?」

兄「ああ、行かないさ...って気づいてたのか...まぁ気づくか」

妹「うん......すごく寂しかった」

兄「......ごめんな」

妹「ううん...いい.........ねぇ、兄」

兄「...何だ?」

妹「私...兄のこと大好きだよ......世界で一番」

兄「......」

妹「......兄は?」

兄「......俺は」

数日後
兄「ん?どうした妹」

妹「......」ぼー...

兄「ん...6000かぁ...こりゃまたキツそうだ」

妹「......」

兄「まいっか、よし妹、これがほしいんだ?じゃあちょっと買ってくるわ、今日は財布に余裕あるし...」

妹「いい、早く帰ろ?」

兄「え!?、な、何でだよ?」

妹「私はこんなのいらない」

兄「は、はぁ!?妹、お前いきなりどうした?ゲーム好きなくせに...」

妹「だって...」

妹「こんなのよりもっと欲しいものがあるんだもん...世界一欲しいモノが」

兄「......」

兄「はぁ...」

女「......アンタこの頃ため息多いわよね」

兄「いやさ、ちょっと身の危険が...」

女「身の危険?」

兄「ああ、もうな...もっていかれそうな気がするよ」

女「...よく分かんないけど、今日は飲む?No.1」

兄「ああ、そうするよ」

女「アンタ...よくそんな状態で頂点まで上り詰めたものよね」

兄「もう必死だったからさ...」

女「何が必死なのよ?」

兄「ある現実から逃げるために必死で接客してたら......こうなったんだよ」

女「良かったじゃん」

兄「良いわけないよ......オバサンたちが俺の逃げ道とか...笑えない」

女「......相談なら乗ったげるわよ」

兄「いい、こんなこと...言えるわけない」

女「......ふーん...あ、そういえばアンタこの頃妹ちゃんのこと話さないわよね」

兄「」

女「うまくいってるの?」

兄「あ、あぁ...妹はすっげーうまくいってると思うよ」

女「妹は?そ、そう...ならいいわ」

兄「ああ...妹のほう...だけな」

女「?」

兄「ただいまー...」

妹「おかえり、お兄ちゃん」

兄「......」

妹「ほら、そんな酒くさいの早く脱いで、ね?お兄ちゃん」

兄「やめろ...前みたいに呼び捨てにしてくれっ...」

妹「?妹がお兄ちゃんのことをお兄ちゃんって呼ぶのは普通のことだよ?」

兄「......風呂...入ってくる」

妹「あ、じゃあ私もー!」

兄「な、何でお前が入るんだよ!」

妹「えー、私もお兄ちゃんと入りたーい」

兄「くっ...そんなの...」

妹「ダメじゃないよ、別に、兄妹が一緒にお風呂入るぐらい」

兄「っ...」

妹「ね?一緒に入ろ?お兄ちゃん♪」

兄「......負けました」

兄「はぁ...」

妹「お兄ちゃん、ご飯チンしておいたから早く食べよっ!」

兄「お前...まだ食ってなかったのか...?」

妹「うん!」

兄「今何時か分かるか!?2時だぞ2時!明日も学校だろうが!」

妹「大丈夫だよ、私の入った中学校サボってる人とかいっぱいいる学校だから」

兄「何でそんなとこ入ったんだよ...」

妹「そんなの決まってるよぉ~」

妹「お兄ちゃんともっと一緒にいるため~」

兄「っ...!」

妹「私もお兄ちゃんのこと世界で一番...ううん、宇宙で一番大好きだよー♪」
兄「......」

妹「それにお兄ちゃんも言ったよね、お前以外何もいらない、それぐらいお前のことが好きだって」
兄「......」

妹「だから私もお兄ちゃんと同じだよ!お兄ちゃん以外何にもいらないよぉ~」
兄「......俺は何であんなこと言っちまったんだ...妹相手に」

妹「~♪」
兄「今更こんなこと言うのも間違ってるかもしれないけどさ...妹...前に言ったよな...その感情は...」

妹「勘違い?だよね、だったらお兄ちゃんがちゃんと私と接して向き合って勘違いだってことを自覚させなきゃ、でしょ?私何もおかしいこと言ってないよね?」
兄「......」

妹「私はもうお兄ちゃんしか考えられないよ、ねぇ、早く気づかせて、この勘違い......お兄ちゃんの愛で」
兄「...なぁ、妹...一つ聞いていいか?」

妹「なあに?」


兄「お前はそんなに......この俺が欲しいのか?」

妹「うんっ!」

fin.

やっと終わった
支援と保守ありがとございました

最初はこんな妹にするつもりはなかったけどこうなってしまいましたすいません
それじゃあおやすみなさい
お疲れさまでしたー

俺「コレが欲しいのか?」ボロン

妹「いや…!いやぁ…!」ポロポロ

俺「遠慮はするなよ、俺たちのナカじゃねえか…そんじゃ、いただきま~す」

ヌププ パンパンパンパン

妹「きゃぁぁぁぁ!!!!抜いて!抜いてぇ!!!!お兄ちゃん助けてぇぇぇぇ!」

俺「おめぇのアニキはこねぇよ!オラ!」パンパン

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