本日は夢にまで見た悪戯の日
ではなく、ハロウィンだ
合法的な理由で悪戯ができる
1年の中で稀に見る嬉しいイベントだ
可愛い我がアイドルたちからお菓子を貰えるほか
もしも貰えなかった場合、悪戯することができるわけだ
どっちに転んでもハッピーなのではないでしょうか?
企画とかどうとかあるのかって?
いやいや、こればっかりは小鳥さんも対象に決まってるジャナイデスカ
ふひひ
げふんげふん
さて、悪戯が合法とは言え
いろいろと制約があるのさ
それを破ったらピーポー君に監禁=逮捕されるから気を付けようか
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1383197079
まず、複数に同時にトリック・オア・トリートは禁止だ
そんなことして、つい過激なことをしたらもうひとりに
携帯取り出しポパピプペされちゃうからな
次に、お菓子をもらえた場合悪戯はしないこと
お菓子をもらった挙句悪戯したら、それは制裁が加えられるからな
相手によってお菓子を貰える確率というのがあり
それ以下のコンマだとお菓子が貰えるが、悪戯はできないから気を付けようか
さて、それぞれのお菓子を貰える確率だが
150% 春香
100% 真美、亜美、小鳥、やよい
90% 伊織、律子、響、雪歩
80% あずさ、千早、真
70% 美希、貴音
こんな感じだ……春香はこういうことに興味ある上に
お菓子を作るのが趣味だから悪戯できる可能性は低いと考えていいだろう
さて、まずは俺自身が相手からのトリックオアトリートに備えてるか確かめないとな
「……どのくらい持ってきてるっけ」
トリックオアトリートを見送った場合
相手から、問いが来る可能性があるからな
その時に対応できないと悪戯されちまう
安価下コンマ、Pのお菓子所持率
「一応しっかりと持ってきてるな」
これなら相手からやられても対処できるぞ
よし、まずは誰に悪戯……じゃなかった
お菓子を貰おうか
150% 春香
100% 真美、亜美、小鳥、やよい
90% 伊織、律子、響、雪歩 P
80% あずさ、千早、真
70% 美希、貴音
以下の選択肢から選択
上記の%以下のコンマの場合、悪戯は出来ません
見送る場合、コンマで判定して相手からのトリックオアトリートの有無を判定
1、春香 2、真美 3、亜美 4、小鳥 5、やよい 6、伊織 7、律子
8、響 9、雪歩 10、あずさ 11、千早 12、真 13、美希 14、貴音 15、1回目は見送る
真美=100%-判定83=失敗
「お~い真美」
「ん~? どったの?」
俺が近づいていった瞬間
真美はにやっと笑った……つまり
やっぱり真美は悪戯されるつもりはないようだ
「くっ、トリック、オア……トリート!」
「んっふっふ~残念だったね兄ちゃん。出直すべきだよ~」
その言葉とともに手渡された
一粒といってもいいほどのお菓子
これが、これがッ!
これが悪戯を阻止したのかッ……
100%以上の奴って無理なの?
「くそっ……やられた!」
「な、なにさ……そんな悔しがらなくても」
ハロウィンと言えばお菓子……否ッ!
悪戯だ!
悪戯しないで何がハロウィンだ……
お菓子でもいいのは手作りだった時だけだ!
こんなチロルチョコなんて
バレンタインにもらうのと同じくらい意味がないじゃないか!
21円とか32円とかの友情ってなんだよッ!
せめて溶かして形変えろよ!
「に、兄ちゃんその、なんかごめん……」
「いや、良いんだ。お菓子を貰ったことに変わりはない。いたずらはできないッ!」
血涙
悔しいが……真美に手は出せない
>>8
100以上の場合はゾロ目しかできない
150の春香はゾロ目77のみ
見送るか、他のやつを先にやることで
時間経過とともに所持率が減少していくからそうすればできる可能性は上がっていく
「あのさ……」
「なんだよ……俺はもう真美には悪戯できないんだけど?」
「いや、その……トリックオアトリート」
真美はそう言いながら手を差し出してきた
なるほど。
俺には悪戯させないくせに
俺に対しては悪戯をしたいってことか
ところが
俺はちゃんとお菓子を持ってきているんだぞ
安価下コンマ判定
Pのお菓子所持率 90
コンマ90以下で悪戯阻止
所持率の減少値は一桁分
所持率90%-判定94%=防衛失敗
「ん?」
「あれれ~? もしかして持ってないのかな~?」
そんなはずはない
しかし、
ポケットの中でグニャァと歪んだというか
潰れているのは……お菓子、だよな?
「……真美」
「ん?」
「潰れてたりしてもいいか?」
「ダメに決まってるっしょー潰れてるとか崩れてるのはデリバリーないよ?」
デリカシーがない……か
まぁ確かに、そういうものを相手に送るのはどうかしてるよな
「で、どうなのかな~?」
ニヤニヤと笑うのは
今の会話で察したということだろう
「ちょっとカバンから持ってくるよ」
「真美は今すぐ欲しいかなって、ほらっほらっ!」
真美への悪戯を21円に阻まれ
真美からの悪戯の防壁は脆くも崩れ去った……
「くっ……好きにしろ!」
「ほほう?」
「お菓子はない!」
悪戯できずに悪戯される。か
何をされるんだ?
できるだけ優しいものをと望みつつ目を瞑る
襲ってきたのは、優しさではなく
柔らかさと暖かさだった
「ま、真美!?」
「締め付けてやるーっ」
「締め付けって……」
背中には成長途中の柔らかな実りの感触
将来有望であるそれは
押しつぶされていく間にも
その反発する質感が確かな成長を感じさせてくれる
「い、悪戯なんだから逃げちゃダメだかんね!」
「いや、これ」
「真美が悪戯って言ったら悪戯なの!」
た、確かに
煩悩を刺激するって意味で
最悪な悪戯かもしれないけど……
「………………」
「……兄ちゃん、嫌?」
「え?」
「こうされるの、嫌?」
正直に言えば全然嫌ではない
美希がやってくるのだって実に大歓迎である
だけども、理性的な意味で危険極まりなく
タイーホされないために仕方がなく避けているわけで
「別に、嫌じゃないぞ」
「なら、もっとキツクしないとダメだね~」
「は、ちょっ」
さらに強くなった締め付ける力
同時に胸の圧迫感も強くなり、
背後から前に回ってきた足までもが締め付けてくる
足までも締め付けてくるということは
太もももそうだが
子供パンツであろうあの部分までもが密着しているということだ!
もちろん、真美はスカートではないが
布やらなんやら
高々2、3枚の壁など
俺の超感覚の前では無意味ッ
その奥の地肌のぬくもりだって
ほかの部分からの感覚を頼りにまるで直に触れているように味わうことができるんだぞ!
「どうだ兄ちゃん、まいったか~」
「参ってない。参ってないぜ。この程度じゃな」
挑発
そしてさらに締め付けてこい、真美ッ
フハハハハハッ
「って、いやいやいや」
「ん?」
「真美、当たってるぞ色んな所が」
ふと冷静になって
真美にそう告げると
締め付ける力が少しだけ緩くなり
そして離れてしまった
「あ、当ててたのさ……」
「真美?」
振り向いた先で
真美は耳まで赤くして俯いていた
「ま、真美はどうだった!?」
「え?」
「だ、だからっミキミキと比べて……良かった? 悪かった?」
怒鳴るように言いつつ
真美は俺を見つめてきた
「ふむ……」
これはふざけるべきか、
真面目に答えるべきか
もちろん、真面目に答えるべきだッ!
こんなことでふざけるなど男がすたるではないかッ
「大きさ的には美希が勝ってる……が」
「が?」
「成長の楽しみ、希望、夢を考えると、真美の方が上だな」
そう
そして願わくば背中に抱きついたまま過ごし
その成長を刹那の見逃しもなく感じていたい
0.001程度の成長だったとしても
肌で感じていたい
「というわけで、律子に見つからない場所でならぜひ抱きつきたm」
「プロデューサー殿、ちょっと」
「げぇっ律子」
「……ぇへへっ。そっか、そっかぁ」
「ん?」
「なんでもないよ→、ほら逃げないと律っちゃんに捕まっちゃうよ~」
「お、おう」
俺は逃げ出した
残念! 回り込まれてしまった
「逃げるんですね? 罪を認めて逃げるんですね」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ」
目の前が真っ暗になった
「くっ……酷い目にあったな……」
俺は悪戯されていただけで
悪戯したわけじゃない
それだけであんなに怒ることないだろうに……
「くそっ……律子には悪戯したいぞ」
しかし、真美の悪戯はずるかったな
あれのせいで理性が吹き飛ぶかと思った
その点では
律子の説教には感謝するべきだろうな
そのおかげで落ち着いていられるんだから
やわもち……
帰りに雪見大福でも揉もう
120% 春香(-30)
100% 小鳥(±0)
90% 亜美(-10)
86% P
80% 真(±0)、伊織(-10)、響(-10)
70% 雪歩(-20)、美希(±0)、律子(-20)
60% あずさ(-20)、千早(-20)
50% やよい(-50)
20% 貴音(-50 自滅)
以下の選択肢から選択
上記の%以下のコンマの場合、悪戯は出来ません
見送る場合、コンマで判定して相手からのトリックオアトリートの有無を判定
1、春香 3、亜美 4、小鳥 5、やよい 6、伊織 7、律子
8、響 9、雪歩 10、あずさ 11、千早 12、真 13、美希 14、貴音 15、見送る(全員所持率-10)
貴音所持率 20% -判定10 (失敗)
「ここは貴音だな」
律子から逃げてる最中に見ていたが
貴音のお菓子は
使徒(食欲)に侵食されているみたいで
つまり、貴音のAnti Trickフィールドは薄く
いたずらができるッ!?
――と、甘い夢を見ていた時期が俺にもありました
なんて思いながら
貴音の白く綺麗な手の平に置かれたお菓子を見つめる
「えっと、これは?」
「貴方様が申したのではありませんか。とりっくおあとりぃと。と」
「なんと」
チロルチョコではないのは嬉しいし
包みを見るに貴音が自分で何らかの工夫をしたお菓子であるのは確実
しかしながら、貴音の魅惑ボディと比べるとやはり……くっ
「な、なんでお菓子を差し出せる……っ」
「念のため警戒していたからですよ」
貴音の妖艶な笑みが俺の頭に響く
くっ……その声で罵られtじゃなかった
その声で悪戯による悲鳴が聞きたかったッ
止めて下さいませーっ
良いではないか、良いではないかー……はぁ
それもまた夢と散る。か
「これ、食べていいか?」
「ええ、真、美味ですよ」
と、言うので貰った飴を口に入れてみた
甘くなかった
なんだろう、これは舐めるよりも飲むべきものの気がする
「ふふっ、如何でしょうか。豚骨すぅぷで作った飴です」
お母さん不甲斐ない息子ですみません
僕は今日、飴を食べたという情けない死因でこの世を旅立つかもしれません
「た、貴音……お前の味覚はどうかしているッ」
「面妖なっ……」
「何が面妖! この飴が麺用だよ! 人体用じゃないよ!」
「ま、まさかそこまで否定されるとは……」
あぁ、シュンとしちゃって可愛いなぁ
でも、悪戯できないんだよなぁ
ゲテモノで悪戯阻止とか
正直ねぇわーってレベルじゃないんですがそれは
「申し訳ありません……っ」
「あ、いや……何も泣きそうにならなくても」
「な、泣いてなどおりません……ゎ、私の好物が貴方様には合わなかっただけのこと……」
へぇ好物だったんだー
そういえば美味とか言ってたもんねー
おっと
あまりの不味さに冷ややかになってしまった
「貴音、そういうのは良くあることだ。次から気をつければいいんだぞ?」
「はい……」
落ち込んじゃってるなぁ
仕方ない、ハロウィンだからな
真美には負けたが、今度こそやってやらねば
「貴音、来いよ。美味しいお菓子をくれてやるさ」
「貴方様……?」
「今日は何の日だ?」
「……とりっく、おあとりぃと?」
「ああ、そうだ。これを食べて元気を出すがいい!」
安価下コンマ判定
コンマ86以下でお菓子をあげる
所持率 86% -判定57 成功
「ほら、買ったもので悪いけど」
「貴方様……」
割と高いチョコレートで
結構有名なお店のものだ
決して
ひと箱に何粒も入ってるから
一粒で1人分としようとしたわけじゃぁないぞ
「……美味です」
貴音はその綺麗な指先でチョコを摘まみ上げ
口の中へと消した
……消した!?
「た、食べたのか?」
「はい、真、美味なちょこれぃとです。もう一つ頂いても宜しいですか?」
「ああ、それひと箱あげるよ……」
入ってるのは12粒
1粒消えて11粒
その11回で、貴音がどうやって食べているか見抜く!
「……あの、貴方様?」
「どうした、ほら。食べていいぞ」
「いえ、そのようにまじまじと見つめられては……」
貴音は恥ずかしそうに呟き
チョコを摘んだ手を下に下ろしてしまった
「気にするな、食べていいぞ」
「…………………」
俺が貴音を見つめ貴音が俺を見つめる
目と目が合う~……それ以前に惚れてますが何か
「解りました」
貴音は一言呟き
前に座る俺に対してゆっくりと近づき
その手を伸ばした
「ッ!?」
とじた唇に触れる
溶けかけたチョコの柔らかい感触
その双璧を強引にこじ開けて入ってくる
チョコの一部、その甘さが口の中へと広がっていく
それだけでなく
強引な行動のせいか
人肌の温かさのある甘い指までもが口の中へ入り込み
思わず咥えてしまった
「あっ」
「んん~」
これは確かに美味しい
え? 悪戯じゃないかって?
事故だ事故。だからノーカンだ
「んっ、ぁ、貴方様……」
「ん~?」
「ひっ……お、お止めくださ……ぃ」
指紋の本当に僅かなざらつき
それを舌で舐めて感じ取る
今なら貴音の指紋を紙に書けそうなくらいだ
「ぁ……んっ」
くすぐったさを堪える貴音の吐息
漏れる声があまりにも艶かしくて
すでにやばい煩悩と理性が大きく揺さぶられてしまう
「あ、あなひゃ……」
くすぐったいのがあまり得意ではないという新発見
とろけていく貴音の言葉
……やらないで後悔するより、やって後悔したほうがいいって言うよね?
「んっふっふ~」
「ひぁっ……」
エロいエロいよ貴音ぇ
そんな声聞かされたら
襲わないなんて無理に決まっ――
ガシッと誰かが肩を掴んだ
「……何か申し開きはありますか?」
さっきの説教でさんざん聞いた声だった
エロイ、エロイ……レマ、サバクタニ……
まぁ許されないことですからねぇ
解ってますよ、へいへい
「律子」
「なんですか?」
貴音の指を解放し、律子を見つめる
「我が生涯に、悔いはぶなっしぃぃぃぃぃっ!」
空気を裂く強烈な張り手!
プロデューサーは……星になった
まさかの悪戯回数0
律子の説教2回
なんでだ、なんでなんだよ畜生
これはまさに神様が悪いとしか言い様がない
働けよ神様……
魔王だってマクドでバイトする時代なんだぞ
まったく……
怒られているあいだにいろいろ確認したからな
その集計をもとに
今度こそ悪戯できる相手を選ぶんだ
貴音はまぁ……運がなかったんだよ
90% 春香(-60)
80% 小鳥(-20)
79% P(-11)
70% 律子(-20) 亜美(-30)
60% 伊織(-30)、響(-30)
50% 真(-30)、雪歩(-40)
40% 千早(-40)
30% やよい(-70)、あずさ(-50)、美希(-40)
以下の選択肢から選択
上記の%以下のコンマの場合、悪戯は出来ません
見送る場合、コンマで判定して相手からのトリックオアトリートの有無を判定
1、春香 3、亜美 4、小鳥 5、やよい 6、伊織 7、律子
8、響 9、雪歩 10、あずさ 11、千早 12、真 13、美希 15、見送る(全員所持率-10)
雪歩 所持率 50% -判定69 悪戯
「おーい雪歩」
「ひっ」
「おいおい、逃げるなって」
「だ、だって――」
「trick or treat?」
知っているんだぞ
雪歩がさっき一気に迫られたせいで
手持ちのお菓子はないということを
取りに行かなければならないということをなッ!
「ぁ、その……今、持ってき」
「おっと何処へ行くんだ?」
「れ、冷蔵庫に……」
「そんなこと言って逃げるつもりだろ? それはいけませんなぁ?」
「うぅ……そんなつもりは……」
男が苦手である雪歩は
俺に迫られて怖かったらしい
今にも泣きそうである
……が。
が、しかしだ
だからといってこの巡り巡ってきた
3度目の成功
無碍にするわけには行かないじゃないか
「今日はハロウィンだって知ってるよな?」
「ぁ、ぅ……はぃ」
「で、雪歩は今?」
「持ってません……」
「よし、じゃぁ悪戯だな」
「え、えぇっ!?」
安価下 雪歩への悪戯
「耳かきしてやろう、俺が満足するまでな!」
「ぇ、ゃ」
「ほいっ」
「きゃぁぁっ」
有無を言わせずにソファへと並んで座り
自分の膝上に引き倒した
「ぁ、ぁっ、ぉ、おと……」
「おっと、動いたら鼓膜が破けるぞ?」
「!」
「大人しくするんだ。こうなった以上、逃げることは不可能だ」
耳を人質ってどうなんだろうね
まぁ、雪歩は震えてるけど
大人しくなってくれたし良いか
「ほれほれ、雪歩の穴をほじほじ」
「へ、変なこと言わないでください……」
真っ赤になりながらも
雪歩は鼓膜が破れてしまうのが怖いらしく
動こうとはしない
「汚れてないな」
「ぁ、当たり前です……」
女の子は見えないところまで気を遣う
さすがだな
「あの……」
「ん?」
「綺麗ならやる必要もないですよね……?」
「いや、雪歩の穴を弄りたいだけだから。満足するまで」
「そ、そんな……」
よく見えないからと言いつつ
雪歩の顔に顔を近づけてみると
茶色い滑らかな明るさを持つ髪から
花の優しい香りが漂ってきた
「………………」
「……プ、プロデューサー?」
「いや、いい匂いだなぁって」
耳かきする手を止め
雪歩の頭を撫でると
匂いが拡散して俺の体を包むように広がっていく
「雪歩、やっぱり怖いか?」
「え?」
「男の人も、犬も」
「……………」
雪歩はしばらく黙り込んで
それから小さく答えた
「まだ、怖いです」
「そうか……」
左側の耳かきを終え
強引に雪歩の体を反転させてまた鼓膜を人質に取る
けれど
そんなことをしなくても、雪歩は抵抗しようとはしなかった
「怖いんじゃないのか?」
「……プロデューサーは信頼してます」
「え?」
「だから……大声出したりしないなら、平気です……」
雪歩の顔は俺の体の方を向いていて
だからこそ
下から横目で見上げる雪歩の瞳と
雪歩を見ていた俺たちは目が合い
照れくさくて思わず笑ってしまった
「ふふっ、男の人に膝枕されてるのに……」
「前なら話すこともできなかったのにな」
大股で3歩は離れなくちゃいけなかった昔
それが今では膝枕しても平気とは
頑張ってきた甲斐があったってことだろうな
「……プロデューサー」
「ん?」
「私がなんで平気だか解りますか?」
「それは……結構長く居たからじゃないか?」
思いついた答えだったのにも関わらず
雪歩は笑って違います。と、
否定してしまった
「じゃぁなんだ?」
「それは……」
赤くなっていく表情
聞いたくせに答えないつもりなのかと急かそうとも思ったが
それよりも早く、雪歩が口を開いた
「それは私がプロデューサーのこと……」
「 プ ロ デ ュ ー サ ー 殿 」
あぁ、出たよ
また出たよ
「り、律子さん……」
「雪歩も雪歩よ、何甘んじてるの?」
「うぅっ……あと少しだったのに……」
「なに?」
「なんでもないですーっ!」
雪歩は律子に怒鳴るように言い捨てて何処かへと駆けていく
これは俺ではなく律子が悪いな
「なんなのよ……まったく」
「雪歩がなにか言おうとしてたんだよ。せっかく落ち着いて話してたのに」
「プロデューサー殿が変なことしているから止めたんでしょう!」
「俺は耳かきしてただけだもんね~」
「ぐっ……それも十分変なことです!」
雪歩のおかげ? で、
律子の説教は回避することができた
いや
今回は全面的に律子が悪いからな
説教は俺がするべきかもしれない
次の相手への悪戯は
もしかしたら律子からの邪魔が入らないかもしれないな
79% P(-11)
70% 春香(-80)
60% 小鳥(-40)
50% 亜美(-50)、律子(-40)
40% 響(-50)、千早(-40)、伊織(-50)、
30% 真(-50)
10% やよい(-90)、あずさ(-70)、美希(-60)
以下の選択肢から選択
上記の%以下のコンマの場合、悪戯は出来ません
見送る場合、コンマで判定して相手からのトリックオアトリートの有無を判定
1、春香 3、亜美 4、小鳥 5、やよい 6、伊織 7、律子
8、響 10、あずさ 11、千早 12、真 13、美希 15、見送る(全員所持率-10)
千早 所持率40% - 判定74 成功
「ち~ちゃん」
「止めてください、気持ち悪いです」
「うわっ、冷たい」
「不愉快です、下がってください」
だが、知っているぞ
やよいや春香にちょっかい出されてお菓子を奪われているということをな
お菓子がないからこそ
わざと罵倒して離れさせようとしているってこともな
だが、残念だ
罵倒はご褒美なんですよ
「さて、千早今日は何の日?」
「知りません」
「そっか、ハロウィンなんだよな」
「……それが何か?」
「トリック・オア・トゥリーィトゥ」
魔法の言葉でポポポポ~ン
さぁ、お菓子を出すか?
出せないだろう、出せないだろう?
「どうした?」
「……お菓子は持っていません」
「そぉぅかぁ、助手よぉ」
「殴っていいですか?」
「おっと、まだ俺のバトルフェイズは終わってないぞ」
安価下 千早への悪戯
「千早、ちょっといいか?」
「手短にお願いします」
千早は警戒しているようだが
甘い、甘すぎるぞ
俺の素早さの個体値は100を超えているッ
勢いよく腕を伸ばし千早の胸を軽く叩く
「っ……なにをっ」
「おい、なんだこの壁は」
「……は?」
「いや、だからこのかb」
律子の平手打ちよりも
圧倒的に強力なグーパンだった
「ぐはぁっ」
「最低です、見損ないました」
「げふっ」
倒れ込むのをなんとか堪えたというのに
追撃のボディーブロー
「ま、待って、くれ……」
千早の方が身長は低いはずなのに
見下ろされているということは
体がどんどん崩れていっているってことじゃ……
その間にも
3回目の千早の拳が向かってくる
「もう、近づかないでください」
その言葉が耳に届いた瞬間
グーパンが顔面に直撃し俺は気を失ってしまった
その後、プロデューサーの意識が回復することはなかった……
完!
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