雁夜「こいつは・・・」アラクネ「問 貴 が我 マ タ か」 (20)

臓賢「どうじゃ雁夜よ。貴様にピッタリな英霊をワシが選抜しておいたぞ」

雁夜「そんなことはどうでもいい。こいつで・・・本当に勝ちぬけるんだろうな」

臓賢「こやつはのう、敵を喰えば食うほど強くなる特性を持っておる。貴様が冷酷になれれば勝ち抜けるじゃろうて」

アラクネ「喰う う 喰 蒼 喰う」

雁夜「・・・俺は負ける訳にはいかない。あの子の笑顔をもう一度見るためなら・・・魂だって売ってやるさ」

臓硯「ほう・・・ならば話は早いのお・・・こっちへこい雁夜。貴様に即興じゃが
ある程度の戦闘力を加えてやる。」

雁夜「またあの悪趣味な蟲を使う気か・・・?」

臓硯「いいや、蟲を媒体にすることには変わらんが・・・
あれとはまた違った力よ・・・バーサーカーを召喚したことで・・・上手いこと回路がつながったのでな」

雁夜「・・・ああ、いいだろう」

臓硯「くくく・・・良い心構えじゃ・・・では喰らわせてやるとするか・・・」

雁夜「グガッ!?ゴハッ・・・」

臓硯「境界の力・・・という奴じゃ。貴様に宿った蟲を媒体に、そこから力を取り入れる。
まぁ・・・後でどんな副作用があるかはわからんがな・・・」

雁夜「構わ・・・ない。全てはこの聖杯戦争が終わるまでだ・・・俺の命も・・・そこまでで良い」

臓硯「ふむ、どうやら全てのサーヴァントが集結したようじゃの。今宵辺り、どこかで
アサシンやキャスター以外の直接戦闘を主とする連中がぶつかり合うじゃろうて。」

雁夜「こいつが喰らえば喰らうほど力を増すというのなら・・・。話はてっとり早い・・・。
そこにバーサーカーを送り・・・一気にサーヴァントを食らわせてやる・・・!」

アラクネ「食う・・・喰う!」

~埠頭~

雁夜「セイバー、ランサー、アーチャー、ライダーが揃っているのか・・・
ちょうどいい、臓硯の言うことが本当なら・・・三騎士クラスを喰らえば・・・もはやコイツに敵はない」

雁夜「喰え・・・バーサーカー!!」


ブワッ

セイバー「!?」

ランサー「これは・・・」

アラクネ「アアアアアアアッ!!」

ライダー「ほう、こいつはまた、奇っ怪な奴がでてきたものだ」

ランサー「なんだアイツは・・・!?英霊なのか・・・!?」

アラクネ「英霊 英・・・。ケヒヒヒ!!我が 霊!違 !我は、我はアアアアアア!!」

ランサー「話の通じる相手ではないようだな・・・。」

アーチャー「フン、見るに耐えん汚物が。早々に我の前からー」シュオン シュオン

ウエイバー「あれは・・・!」

ライダー「アサシンに対して使っていた無数の宝剣か・・・。」

アラクネ「ケヒ・・・?」

アーチャー「消え失せろ!!」

-ビュオオオン!!

アラクネ「麗 き魔力 携 し宝  キヒヒヒ!! 喰う!喰う!」

セイバー「なっ!?」

-ドプウッ!ドロドロ

アラクネ「ご そう ま」

ランサー「なっ!?アーチャーの宝具を・・・!?」

セイバー「吸収しただと・・・!?」

ライダー「ほう、見た目だけでなく能力も中々に面白い奴のようだな」

アーチャー「・・・っ!この汚物がぁぁぁぁぁっ!!誰の宝具をその穢らわしい体内に取り込んだぁぁぁっ!!」

アラクネ「貴 にとって有 無象 宝 とて我 とっての貴 な魔力
よこせ・・・よ せ!!足りない足りない!!」

アーチャー「ほざけ下等生物が・・・!」シュバアア

ウエイバー「ひっ!?」

ライダー「先ほどの比ではない量だな」

アーチャー「その身を持って償え!!」

アラクネ「ケヒヒヒ・・・・!」

アラクネ「宙を飛 交う剣 アアアアアアアッ!!思い出す思い出す!!
今のココ エの傀儡! 蒼の 女が!!かつて我を滅 し 時の様 !! 」

アーチャー「散れ汚物が!ーっ!?」

アラクネ「ケヒ・・!?」

アーチャー「我に引けというのか時臣・・・!いいだろう・・・従ってやる・・・!」フッ

アラクネ「王 て令呪 は逆ら な ・・・か 無様、無様・・・ケヒヒヒ」

ライダー「のう坊主・・・。あのバーサーカー・・・英霊としてはどの程度のもんなんだ」

ウエイバー「お世辞にも強い英霊とはいえない・・・。全てのステータスが並以下だ・・・でも・・・」

ライダー「うん?」

ウエイバー「魔力の桁が見えない・・・!まるで何か・・・別の魔力炉があるみたいに!」

ライダー「あやつの奇っ怪な風貌と何か関係しているということか・・・。」

セイバー(おそらくは奴の体はすべてを吸収することが出来る様になっている・・・。
接近戦は無謀か・・・)

アラクネ「・・・」

セイバー「・・・!?」

アラクネ「アアアアアアアッ!!蒼!蒼!いや違 !だがこの魔力 !
それ 拮抗す 程の! 多大な 力の器!!」

セイバー「何・・・!?」

アラクネ「喰う!喰う!喰わせろおおおっ!!」ダダダダダ

アイリ「セイバー!!」

セイバー「アイリスフィール、下がって!!」チャッ

(アラクネ「麗 き魔力 携 し宝  キヒヒヒ!! 喰う!喰う!」

セイバー「なっ!?」

-ドプウッ!ドロドロ

アラクネ「ご そう ま」 )

セイバー「くっ、奴に直接剣を振るう訳にはいかない・・・!ストライク・・・」

アラクネ「ケヒイイイッ!!」

-ブウウウウン!!

セイバー「なっ!?蟲だと・・・!?くっ、腕に噛み付いて・・・!」

アラクネ「ケヒャアアアアッ!!」

セイバー「しまっ・・・!」

-ズバアッ!!

アラクネ「ー!!ケ、カァァァッ!!」ドシャアアッ

ランサー「悪いがバーサーカー・・・セイバーは俺の敵だ。貴様のような訳の分からない異物に
くれてやる訳にはいかない。」

アラクネ「アガッ!アガアアアアアッ!!」

ランサー「やはりな・・・。敵の回復を封じる我が宝具は、お前のような流動系の生物にも相性がいいらしい」

アラクネ「アアアアッ!!」バシャッドロドロ

ランサー「トドメだ、バーサーカー!!」

アラクネ「アアアッ!!寄 な!! 体が っ! アアアッ!!」ギラッ

ランサー「なにっ!?」

-ドシュウウッ!!

ランサー「くっ!」ビュンッ

アラクネ「ケガッ!アアアアアアアッ!!」

ランサー「先ほど吸収したアーチャーの宝具か・・・!」

ライダー「中々に芸達者な奴のようだな・・・ハハハ!!」

ウエイバー「笑ってる場合か!?相手の宝具を吸収するどころか、それを撃ちだす事もできるなんて!」

ライダー「ハハハ、そう不安がるな、坊主。しかしあのバーサーカー・・・
言葉を扱うとはな・・・。だがあの言葉は・・・バーサーカーが故のものか・・・?」

アラクネ「ゲッガッ・・・・」

雁夜「ちっ、ここまでのようだな・・・戻れ!バーサーカー!!」

アラクネ「セ バー!! その 力、必ず が手中 ・・・・!ケヒイイイ!!」フッ

臓硯「こりゃあまた、派手にやられたもんじゃのお」

雁夜「黙れ爺・・・。次こそ確実に奴らを取り込ませてやる・・・。」

アラクネ「アガッ・・・ケヒッ・・・!」

臓硯「ククク・・・精々足掻くが良い・・・。じゃがその前に・・・バーサーカーをなんとかせんとな」ブウウウン

雁夜「蟲を召喚してどうするつもりだ・・・」

臓硯「傷が治らんと言うのなら・・・こうするだけのことよ・・・いけ」

ブウウウン!!

アラクネ「ギヒイイイイッツ!?」

雁夜「なっ!?喰わせ・・・!?」

臓硯「コヤツの体がドロのような流動性ならば・・・傷ついた箇所を虫に食わせ、
後から補修すれば良いだけのこと・・・」

アラクネ「アガッ!ケヒイイイ!!」バタバタ

雁夜「うぐっ・・・。」

臓硯「どうした雁夜よ、言ったはずじゃぞ、残酷にならなければー」

雁夜「わかっている!」

雁夜(助けるんだ・・・桜ちゃんを・・・そのためならば・・・)

雁夜「ハァッハァッ・・・ゲホッ・・・!」

雁夜「臓硯の言っていたこの境界の力・・・。たしかに圧倒的な魔力を感じるが
奴の言っていた副作用とやらが気になる・・・この体は蟲共の仕業だが・・・。
ケヒ・・・」

雁夜「!?い、いま俺はどうしていた!?頭が一瞬空っぽに・・・
わからない・・・ワカ ナイ・・・ぐっ・・・!これが・・・奴の言っていた副作用か・・・!?」

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