結衣「ぼくはくま♪」 (210)

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京子「結衣~、部室行こうぜー」

結衣「ああ」

綾乃「ちょっと、歳納京子!」

京子「およ、綾乃?」

綾乃「このプリント、歳納京子だけ出てないんだけど!」

京子「あちゃー」

結衣「またかよ」

京子「んじゃ、私は生徒会室にプリント貰いに行ってくるから、結衣先に行ってて~」

結衣「はいはい。迷惑かけるなよ」

綾乃「まったくぅ、歳納京子はしかたないんだから…///」プリプリ

京子「ついでにプリンも貰ってくる」

綾乃「まったく、歳納京子は……ってー、あげないわよーっ!」

京子「えー?またまた~」

結衣「……」

娯楽部部室

結衣「……あかりたちもまだ来てないのか」

結衣「ここで一人って、久しぶりかも」

結衣「この部室、校舎から離れてるから静かだな」

結衣「……」ザブトンモフモフ

結衣「……」キョロキョロ

結衣「…………ぼくはくま、くまっ、くまっ、くま~っ♪」ボソッ

結衣「……ちょっと楽しくなってきた」

結衣「車じゃないよ くまっくまっくま~っ♪」

結衣「歩けないけど踊れるよっ」

結衣「しゃべれないけど歌えるよっ」

結衣「ぼくはくま、くまっ くまっ くま~♪」

結衣「ぼくはくま、くまっ くまっ くま~♪」

結衣「けんかはやだよ? くまっくまっくま~っ♪」

あかり「……」

結衣「ライバルは海老フライだよっ」

結衣「前世はきっとチョコレート」

結衣「ぼくはくま、くまっ くまっ くま~っ♪」ヤッホウ!

あかり「くま~♪」

結衣「!?」

結衣「あ、あかりっ!?」

あかり「こんにちは、結衣ちゃん」

結衣「あ、あかり…聴いてた?」

あかり「うーんと」

結衣「いつから…………?」ダラダラ

あかり「車じゃないよのあたりから」

結衣「ほぼ2コーラス聴いてらっしゃる!!?」

あかり「かわいい歌だねっ、結衣ちゃん!」

   「あかりびっくりしちゃった!」

結衣「あ、あはははは…///」

あかり「結衣ちゃんはクマさん好きなの?」

結衣「も、もうやだ恥ずかしいっ!///」ガバー

あかり「結衣ちゃんお顔隠さないで、とっても上手だったよ!」

結衣「わ、忘れてくれ…///」カァー

結衣「あれを聴かれてたなんて…恥ずかしくて生きていけないよ!///」

あかり「ご、ごめんね……あかりが存在感ないせいで……」

結衣「うああ……///」ジタバタ

あかり「途中で声かけようかなって思ったんだけど、結衣ちゃんがあんまり楽しそうに歌ってるから…」

結衣「ぐああ///」モジモジ

あかり「でも気にしないで!とっても素敵なお歌だったから!」

結衣「私があんな歌うたうなんて、へんじゃない?やっぱり似合わないよね……」

あかり「ぜんぜん!そんなことないよっ!」ブンブン

結衣「……ほんと?」

あかり「うん!ほんとにほんと!」

結衣「あかり…笑ったりしないの?」

あかり「どうして?あかりは結衣ちゃんのこと笑ったりしないよぉ」

結衣「……ありがと、あかり」

あかり「でも結衣ちゃん、あんまりお歌とか歌わないよね。京子ちゃんは部室でも気がつくと歌ってたりするけど」

結衣「人前だと恥ずかしいからな……カラオケとかならまだしも」

あかり「結衣ちゃんは照れ屋さんなんだね。もったいないなあ、せっかく上手なのに」

結衣「あんまり言わないで……恥ずかしいから」

あかり「結衣ちゃんの歌聴いてたら、あかりも一緒に歌いたくなっちゃったんだー」

結衣「だから…///」

あかり「あっ、ごめんね結衣ちゃん」

スパーンッ

京子「七森中のベストカップル登場ッ!」

ちなつ「ちょっと京子先輩、ひっぱらないでください!……って、誰がベストカップルですか!」

京子「私とちなちゅ!」

ちなつ「冗談は顔と性格と成績だけにしてくださいよ」

京子「ひどいっ」

あかり「京子ちゃん、ちなつちゃん」

結衣「あれ、二人一緒に来たんだ」

京子「おー。下駄箱んとこでばったり会っちゃってさー。これってやっぱ運命?」

ちなつ「そんな運命なら豚とカップルになる方がマシです」

京子「口が悪すぎる!」

ちなつ「あかりちゃん、結衣先輩と二人でなにしてたの?」

あかり「あっ、あのね、結衣ちゃんがね~」ニコニコ

結衣「あかり!それ内緒!」ガタッ

あかり「わわ!ごめん!」

ちなつ「!?」

京子「内緒ー?京子ちゃんに隠れておかしなことでもしてたのかー?」

ちなつ「あかりちゃん、まさか私のいないうちに先輩とあんなことやこんなことをっ!?」ワナワナ

あかり「あ、あはは」

結衣「なんでもない、なんでもないから」

ちなつ「まあ結衣先輩がそういうなら、深くは聞きませんけど……」

京子「さーて、じゃあ今日は何すっかなー」

あかり「あかり、トランプがいいなー」

ちなつ「その前に私お茶の用意しちゃいますね」

京子「トランプかー、あかりババ抜き弱いからなー。ちなつちゃん、私お茶濃い目でよろしくぅ」

あかり「今日は負けないよっ」キリッ


結衣「あかり、あかり」コソコソ

あかり「?」

結衣「部活終わったら、私のうちに来て」コソコソ

あかり「結衣ちゃんの?」

結衣「ちょっと話したいことあるから」コソコソ

あかり「うん、わかったよ」

~放課後~

京子「それじゃまたなー」

ちなつ「さよならです」

結衣「うん」

あかり「ばいばーい」

ちなつ「あれ?あかりちゃんそっちの道?結衣先輩と同じ方向…」

あかり「う、うん。ちょっとこっちに用事あって(たぶん内緒にした方がいいんだよね)」

結衣「……じゃあまた明日、ちなつちゃん」

ちなつ「はい、また明日です結衣先輩!」

今回はここまで

結衣「……」

あかり「……」

結衣「急に呼んじゃってごめんな、あかり。予定とかなかった?」

あかり「ううん、大丈夫だよぉ。それより、結衣ちゃんちに遊びにいけるのうれしいよ!」

あかり「ところで、お話って?」

結衣「うん、それは家に着いてから……」


~結衣の部屋~

あかり「お邪魔しまーす」

結衣「いらっしゃい。私飲み物くんでくるから、適当にくつろいでて」

あかり「うんっ」

あかり「結衣ちゃん、お部屋きれいにしてるなあ。でも物が少なくてちょっぴりさみしいかも」キョロキョロ

あかり「あ、京子ちゃんのパジャマが置いてある…」

結衣「あかり。はいお茶」

あかり「わっ。結衣ちゃんありがとう……あちちっ」

結衣「ごめん、熱かった?」

あかり「ううん、ちょっとびっくりしただけ。やけどもしてないし大丈夫だよぉ」

結衣「そっか」

あかり「……」ズズズズズ

結衣「……」

あかり「はふー。結衣さん、これは玉露ですなー」

結衣「スーパーで買った安いお茶だよ」

あかり「そっかぁ」

結衣「なんか今の京子っぽいな……」

あかり「いつも一緒にいるから伝染っちゃったのかなあ」

結衣「へんなとこは真似しないでくれよ?」

結衣「……」

あかり「……」ズズズっ

結衣「それで、今日呼んだ理由なんだけどさ」

あかり「うん」

結衣「まずはあかりに見せたいものがあるんだ」

あかり「あかりに見せたいもの?」

結衣「こっち、着いてきて」チョイチョイ

あかり「そっちって、ウォーク・イン・クローゼット?」

結衣「開けるよ……」

あかり「うん…(なな、なんだろう)」ドキドキ

ギイイイ

あかり「結衣ちゃん、これって……!」

結衣「これ、なんだけど……」

あかり「すごい数のぬいぐるみだね!かわいいー!」

結衣「うん///」カアア

あかり「わああ、クマさんだー!クマさんがいっぱいいるよっ!」

結衣「うん……クマ、好きなんだ……///」

あかり「さわってもいーい?」ワクワク

結衣「あかりなら、いいよ///」

あかり「わっ、わああ、かわいいねえ。パンダさんもいる!この子はタヌキさん?」

結衣「その子はアライグマのマー君、そのとなりがレッサーパンダのパンちゃん。パンダはランラン」

あかり「名前つけてるの?」キョトン

結衣「あっ///」カアアアッ

あかり「ねえねえ、他の子の名前も名前も教えて!」

結衣「う、うん……えっと、この子はリリィだよ」

あかり「わあ、外人さんの名前だ!」

結衣「それからそこで布団に寝てるのがりっちぃとなもり。二人は無理な進行に疲れて眠ってるんだ」

あかり「へええ」

あかり「こっちで三人並んでるクマさんは?」

結衣「あっ……それは……///」

あかり「ん?」

結衣「アカリと、キョウコと、チナツちゃん……///」カオマッカ

あかり「あっ、あかり!?///」

結衣「うん…勝手に名前使って、嫌だった?///」

あかり「ううん、なんだかうれしいよ!ちょっと照れちゃうけど///」エヘヘ

あかり「アカリちゃん、キョウコちゃん、チナツちゃんこんにちはっ」

あかり「キョウコちゃんは頭にリボンしてるんだ……京子ちゃんそっくりだねっ」ニコニコ

結衣「アカリたちのことはもういいだろっ///」

結衣「見せたかったのは、まあ、つまりこの子たちなんだ」

あかり「あかり、結衣ちゃんがこんなにぬいぐるみ集めてるって知らなかったから、びっくりしたよぉ」

結衣「かわいいだろ?」

あかり「うんっ!」

結衣「……よかった」

あかり「え?」

結衣「言うの恥ずかしかったけど……あかりがひとのこと笑ったりしない子でよかった」

結衣「私さ……小さいころは、男まさりっていうか、こういう女の子らしいものってあんまり持ってなかっただろ?」

あかり「そういえば、そうかもねぇ」

結衣「だからさ、大きくなってからもこういうものに漠然としたあこがれみたいなものがあってさ」

あかり「結衣ちゃん……」

結衣「それで一人暮らしをはじめてから、ネットとかで、少しずつ買い集めてみたんだ」

結衣「いつの間にかこんなにたくさんになっちゃったんだけど」

結衣「……京子なんかに知られたら、絶対バカにされるからこっそり隠してたんだ」

あかり「ど、どうかな」

結衣「私にこんな女の子っぽい趣味があるなんて、おかしいじゃん。絶対笑うよあいつは……」

あかり「そんなことないっ!とっても素敵だよぉ!京子ちゃんだって、絶対笑ったりしないよ!」

結衣「……うん、まあ、それはともかく」

結衣「私も笑われるのは怖かったんだけど、誰かと趣味を共有したくてさ」

結衣「私があんなかわいい歌うたってるの聞いても、あかりは笑わずにいてくれたから」

結衣「あかりになら……話せるかもって思って」

結衣「私、ぬいぐるみとか、かわいい動物とか……好きなの」

結衣「あかりが今日、笑わずに聞いてくれてよかったよ」

結衣「ありがとう、あかり」

あかり「えへへ、どういたしまして。お礼言われるようなことじゃないと思うけどね」

あかり「あっ、もうこんな時間!」

結衣「あかり、帰るの?」

あかり「うん、そろそろ帰らなきゃ……」

結衣「……せっかくだから、泊まっていかない?」

あかり「ありがと。でも…今日泊まっていくって言ってないし、着替えもないから…」

結衣「そっか……」

あかり「また、今度泊めてねっ」

結衣「うん。じゃあ、そこまで送るよ」

結衣「あかり、今日はありがとな」

あかり「ううん。じゃあね、結衣ちゃん」

結衣「じゃ」

あかり「そうだ、結衣ちゃん!」

結衣「なに?」

あかり「今度来るとき、あかりのクマさんも連れてきていい?」

結衣「うん。きっとおいで」

あかり「じゃあねー、結衣ちゃーん!」バイバイ

結衣「あかりー!今日はほんとにありがとー!また明日ー!」

あかり「また明日ねー!」

結衣「……」

結衣「……ふふ」

結衣「ぼくはくま、くまっ くまっ くま~♪」


京子「よっ、結衣!」


結衣「!?」ギョッ

京子「なに鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔してんだ」

結衣「きょ、京子、いつからここにっ(さっきの聴かれてないよな!?)」

京子「今だよ今。コンビニ帰りにたまたま、あかりと結衣が話してんの見えたからさー」

結衣「コンビニ帰りにたまたま私んちの近くには来ないだろ……」

京子「冷蔵庫ラムレーズンある?上がってっていーい?」

結衣「いいけどさ……(ぬいぐるみ、出しっ放しじゃなかったよな)」

今回はここまで

京子「あかりと二人で遊んでたの?」

結衣「う、うん」

京子「ふーん」

結衣「なんだよ」

京子「内緒でお家デートかにゃ?」

結衣「なっ、そんなわけないだろ!///」

京子「ラムレーズンうめーっ!」

結衣「聞けよ。ていうか勝手に冷蔵庫開けんなよ」

京子「悪い。ラムレーズン貰った」

結衣「いいけどさ……」

結衣「京子、今日泊まってくの?」

京子「いや今晩はすき焼きだから自分ち帰るっす!」

結衣「そうかよ」

京子「心配すんなってー。また泊まりに来てやっからー、さみしがりやの結衣たん?」

結衣「はよ帰れ」

京子「ああん、冷たい!」

京子「あ、そうだコレ、さっき買った新作のお菓子置いてくから。期間限定わさび味ポテチ!」ガサゴソ

結衣「わさび味っておいおい」

京子「皆で結衣んち集まったとき食おうぜー。お腹減ったら結衣が食べててもいいよ」

結衣「はいはい」

京子「ほんじゃね、また明日」

結衣「ああ。もう暗いから気をつけなよ。変な道は通らない、車や自転車に気をつけて」

京子「わかってるってー!」

結衣「京子は心配だ……」

京子「あ、そうだ」

結衣「なに?」

京子「結衣はさー、もう少し素直になってもいいと思うよー。色々さ」ガチャ

結衣「はっ?」

京子「そんだけ。じゃねー」バタン

結衣「…え?え?」

結衣「あいつなにか気づいてるのか?まさかな……」

結衣「素直に……か」

結衣「あかりのお陰で、今日は少し素直になれたかな……」

結衣「……録画した動物番組でも観ようっと、暇だし」

結衣「ふふふふっふふっふふふふふふ~…」←鼻歌

あかり『その日から、あかりと結衣ちゃんは前よりも、もう少しだけ仲良くなれた気がしました』

あかり『学校やメールで結衣ちゃんの好きなクマさんのお話をしたり』

あかり『あかりは、結衣ちゃんが前よりあかりのことを構ってくれるし、結衣ちゃんが楽しそうな顔をしてくれるので、とっても幸せです』

あかり『だけど京子ちゃんやちなつちゃんに内緒にしてるのはドキドキするし、ちょっと悪い気もします』

あかり『恥ずかしいって言うけれど、好きなもののお話をしてるときの結衣ちゃんはかわいくて、見てると胸がキュンとします』

あかり『結衣ちゃんがこんな顔をみんなの前でも、見せられるようになったらいいな……』

あかり『でも、そうなったら、またあかりに構ってくれる時間は減っちゃうのかな?』

あかり『そんなことを考えちゃう、あかりでした』


あかり『金曜の夜のことでした』

<アーナタノタメニアイノメッセージ♪

あかり「あっ、結衣ちゃんからメールだ!」

あかり「えっと『明日遊びに来ないか?よかったらお昼も一緒にどう?』」

あかり「わぁい、結衣ちゃんとお昼!」

あかり「『よろこんで!あかりのクマさんも連れてくね!』……ハート」カチカチ

あかり「送信……っと!」

あかり「えへへ、何着ていこっかなー」ワクワク


コンコン

あかね「あかり、まだ起きてる?」

あかり「はーい。入っていいよー、お姉ちゃん」

今回はここまで

よく考えたら、1巻掲載の幼少期の写真では結衣ちゃん普通に女の子っぽいかっこしてるし、ヌイグルミも抱いてるのだが。
きっとこのSSの結衣ちゃんは小学校に上がったら過去のことは忘れちゃったのだろう

あかね「あかり……あらあら、なんだか楽しそうね。良いことでもあったのかしら」

あかり「あかり、そんなに楽しそうな顔してる?」

あかね「ええ。夕飯がオムライスだったときくらい幸せな顔してるわ」

あかり「それじゃあかりが食いしん坊さんみたいだよぉ!」プンプン

あかね「ふふふ。お姉ちゃん、明日バイトが休みなの。よかったらあかりが前に行きたいって言ってたパスタ屋さんに行かない?」

あかり「ごめんね、お姉ちゃん!明日はもう遊ぶ用事があるんだよぉ……」シュン

あかね「あらそうなの?それじゃ仕方ないわね」

あかり「ごめんね……」

あかね「いいのよ、また次の機会にしましょう。それより、あかりも楽しんでらっしゃいね」

あかね「帰ってきたら、お姉ちゃんにも話を聞かせてちょうだい」

あかり「うんっ!」


あかね「(あかりのあの嬉しそうな顔……遊ぶ用事)」

あかね「はっ、まさか彼氏とか!」ゾワゾワッ

あかね「いえ、まさかね……そんなはずないわ……」ブツブツ

あかね「そんなこと、あってはいけないの……っ!」ワナワナ

あかね「でも、もし本当にそうなら……?お姉ちゃんとして妹の幸せを祝福するべきでは……っ!?」

あかね「ああああああっ!!かかか神様ーっ!!!!!」

赤座母「あかね、独り言多いわね……勉強に疲れてるのかしら……」

~結衣の部屋~

ピンポーン

結衣「はーい」

あかり「結衣ちゃん、来たよー」

結衣「うん来たな、あかり。いらっしゃい」ガチャ

あかり「おじゃましまーす」

結衣「今日はどうしよっか」

あかり「うん。あっ、まずは……ジャーン!」

結衣「おお……あかりのクマさん」

あかり「こんにちは、結衣ちゃん」ペコリ

結衣「こんにちは(かわいい……あかりもクマさんも)

結衣「あかりのクマさんはふわふわもこもこだな」

あかり「うん!気に入ってるんだ~」

結衣「名前は?」

あかり「うーん。あかりはずっとクマさんって呼んでたから、名前とかはないんだ……」

結衣「そうなんだ。ま、それが普通かもね」

あかり「やっぱりこの子にも名前があったほうがいいよね」

結衣「いいかもな」

あかり「……そうだ!今日からこの子の名前は『ユイちゃん』!」

結衣「えっ///」

あかり「だって、結衣ちゃんちにはアカリがいるんだもん。ユイちゃんもいないと変だよ」

結衣「は、恥ずかしいよ……///」

あかり「ユイちゃーん。今日からあなたの名前はユイだよぉ」

結衣「(あ、あかりが私を呼び捨てにして抱きしめてる……)」

結衣「(って、あれはぬいぐるみのクマさんだ!しっかりしろ私!)」パシンパシン

あかり「ど、どうしたの結衣ちゃん。急にお顔叩いて……」

結衣「いや、気合を入れたくなってな」

あかり「へ、へえ?」

……

結衣「それじゃ、今日はどうしよっか」

あかり「結衣ちゃんは、なにか予定とか考えてた?」

結衣「ううん。あかりが来てから考えようと思って」

あかり「えへへへぇ、あかりはね、結衣ちゃんと行きたいところがあるんだよぉ」

結衣「行きたいところ?」

あかり「雑貨屋さん!」

結衣「雑貨屋……」

あかり「結衣ちゃん、クマさんたちはインターネットで買ったって言ってたでしょ?」

あかり「ひょっとして直接見て選んだりしたことないんじゃないかなと思って」

あかり「あかり、ぬいぐるみがいっぱいいるお店知ってるんだ。結衣ちゃん、どうかな?」

結衣「いいかも……」

あかり「ぬいぐるみだけじゃなくて、他にもかわいいものがいっぱい売ってるんだよぉ」

結衣「かわいいもの……」

あかり「行ってみたい?」

結衣「行きたい!」

あかり「じゃあ、決定!」

結衣「でも、誰か知り合いにあったりしないかな……」

あかり「大丈夫だよぉ、ちょっと離れてるし」

あかり「それに、もし会ったとしても別に変には思われないよぉ」

結衣「うん。まあ、そっか……」

あかり「それじゃ、出発進行!」

~バス停~

あかり「それでね、あかり言ってあげたんだよ。『おいおい、それはクマじゃなくてうちのワイフさ』ってね」

結衣「ははは」

あかり「あっ、バスが来たよ!」

結衣「うん(今の話いったい何だったんだろう……)」

あかり「(結衣ちゃん、喜んでくれたよぉ。『人に好かれる会話の本』読んで来ておいてよかった)」ニコニコ

あかり「あれ。席一つしか空いてないね。結衣ちゃ…」

結衣「あかり、座りな」スッ

あかり「あっ」

あかり「わ、悪いよぉ」

結衣「私の方が体力あるし」

あかり「でも、お買い物は私が誘ったのに……」

結衣「いいから。どっちかといえば私があかりに付き合ってもらってる形だろ?」

あかり「それなら、途中で交代しよ?ずっと立ってたら疲れちゃうよぉ」

結衣「いーの。黙って年上にカッコつけさせろって」

あかり「うーん、じゃあ、結衣ちゃんの荷物はあかりが膝に載せとくね」

結衣「うん。お願い」

あかり「(結衣ちゃんのあかりを座らせてくれたさっきの動作、自然でかっこよかったなあ)」ポー

結衣「あかり、その雑貨屋さんって結構広いの?」

あかり「……結衣ちゃん」

結衣「ん?」

あかり「結衣ちゃんは自分で言うみたいに男の子っぽくはないけど……かっこいい人ではあるかもしれないねぇ」

結衣「は?///」

あかり「ううん、優しいところはやっぱり女の子っぽいのかな?」

結衣「うるさい。からかうなよ///」

あかり「結衣ちゃん、ありがとね!」

結衣「……///」フイッ

あかり「(テレ屋さんだな)」クスッ

あかり「(でも、あんな風にスッと優しくされたら、あかりの方が照れちゃうよぉ///)」モジモジ

結衣「?」

車掌「次はー、○○前~」

あかり「ここだよ結衣ちゃん」

結衣「うん」サッ

あかり「(私が立つ前に、当たり前のように手を差し出してくれる……///)」

結衣「あかり?」

あかり「なんでもないよぉ///」ギュッ

ここまで

えっ

~雑貨屋~

結衣「ぬいぐるみだ!ぬいぐるみがいっぱいいるよ、あかりっ!」

あかり「うん、そうだねっ」ニコニコ

結衣「わ、わああっ!!」

結衣「見て見て、あんなに大っきいのも!キーホルダーもあるぞ!すごい!すごいな!わあ!」

あかり「すごいねぇ」

結衣「何から見ていいか……………」ハッ

結衣「(し、しまった……はしゃぎ過ぎて微妙に注目を浴びてしまった……恥ずかしい///)」

あかり「……」

結衣「(あ、あかりも流石に笑ってるよぉ///)」キョドキョド

あかり「……?」←いつも笑顔

結衣「ご、ごほん。あー……実にすばらしいところだな、この店は(落ち着け、落ち着くんだ私)」

あかり「?」

結衣「すばらしい、ほんとにすばらしい……ふふ(だ、だめだ!顔が!)」ニヤニヤ

あかり「(結衣ちゃんのお顔がコロコロ変わってる)」

結衣「(うああああああああ///)」

あかり「結衣ちゃん、こっちにクマさんがいるよ」

結衣「あ、うん」

あかり「この子なんかどうかな」

結衣「かわいい……」

あかり「こっちの子は?」

結衣「いいな……あ、でも……」ギュッ

あかり「どう?」

結衣「抱き心地が……ちょっと違うかな。もっとモフモフして柔らかいのがいい……」

あかり「難しいんだねぇ」

結衣「ご、ごめん……」

あかり「あ、この子は!すっごくモフモフしてるよ!」

結衣「……!いい!」ギュッ

結衣「抱いた感触も最高だ……」

あかり「結衣ちゃん、お顔がほわーんってなってる」

結衣「うっ……///か、からかうなよ」

あかり「結衣ちゃんかわいい」

結衣「うるさい。私これ買ってくるから///」

あかり「うんっ。じゃあ、あかりはお外のベンチで待ってるね」

あかり「ふふふ、結衣ちゃん楽しんでくれたみたいでよかったよぉ」

結衣「あかり、お待たせ。ハイこれ」

あかり「あ、ぴっちょんオレンジ!」

結衣「喉乾いたろ。私のおごり」

あかり「ありがとう、結衣ちゃん!」

結衣「それから……これもあげる」

あかり「わあ、なあに?」

結衣「今日ここに連れてきてくれたお礼。今ついでにこの店で買ったんだけどさ」

あかり「お礼なんていいのに……悪いよぉ」

結衣「私があかりにプレゼントしたかったの」

あかり「えへへ。何かなあ……開けていい?」ワクワク

結衣「だ、だめ。家に帰ってからにして。……恥ずかしいもん」

あかり「はーい。あかり、うれしいよ!」

結衣「ん」

結衣「さて。気がついたらもうこんな時間だな。お昼、どうしよっか」

結衣「私んち戻ってからだと遅くなるし、適当にぶらぶらしながら食べられるとこ探す?」

あかり「そうだねぇ。あかりお腹すいちゃった」

結衣「あかりは何か食べたいものある?」

あかり「あかりは結衣ちゃんのオムライスがいいな!」

結衣「外食じゃないし!……いや、オムライスは今度作ってあげるから、なにか他のを……」

あかり「うーんと、あっ……あのお店」

結衣「あのイタリアン?」

あかり「あそこのお店美味しいんだって!一度行ってみたかったんだよぉ」

結衣「へえ。じゃあ、そこにする?お金も……多分大丈夫だろ」

あかり「わあい、あかりパスタ大好き!」

あかり「(はっ……でも、あのお店はお姉ちゃんと一緒に行くって約束してたんだったよぉ)」

あかり「(あかりだけ先に行ったらお姉ちゃん怒るかな……? で、でも、結衣ちゃんとのお昼ごはん……)」

あかり「どっ、どうすればいいの!?」

結衣「あかり?」

あかり「うううう……あかり、人生の一大事だよぉ……」グルグル

結衣「ど、どうしたのあかり。なにもそんなに悩まなくても」

あかり「あー……うううう…」

あかり「うーん……………」

あかり「………うん。ここにしよ、結衣ちゃんっ!!」フンス

結衣「そんなに力入れなくても」

あかり「(ごめんね、お姉ちゃん……)」

結衣「あ、2名で。タバコ吸いません。って当たり前か」

今回はここまで

あかり「結衣ちゃんの海老のクリームパスタおいしそうだね」

結衣「うん。海老がおっきくて結構いける。あかりのナポリタンは?」

あかり「昔なつかし昭和の味でおいしいよぉ」

結衣「昔なつかしって、何歳だよあかり」

あかり「あはは」

結衣「……」

あかり「……」ジーッ

結衣「あかり、クリームパスタちょっといる?」

あかり「えっ、いいの?」

結衣「なんか物欲しそうな顔してたから……」

あかり「そんな顔してたかなぁ///」カアア

結衣「今にも私の皿に手をのばしそうだった」

あかり「そんなことしないよぉ!」

結衣「あかりって、意外とくいしんぼ?」

あかり「違うよぉ!///」

結衣「はい、あーん」

あかり「あ、あーん///もぐもぐ」

あかり「おっ、おいしい~!」パアア

結衣「(何このかわいい子、食べ物ひとつでこんなに幸せそうな顔……)」

あかり「もぐもぐ」キラキラ

結衣「(もうちょっとあげてみよ)」

結衣「あかり、海老もおいしいよ」

あかり「あーん///って、これなんか恥ずかしいよぉ!……でも海老もおいしぃ~」

結衣「(なんでコイツこんな幸せそうな表情できるんだよ)」ドキドキ

結衣「あ……ごめん、あかりの口元にソースが着いちゃった」

あかり「え、ほんと?」

あかり「(ハッ!これって、ちなつちゃんの練習デートの状況にそっくりだよぉ!)」

あかり「(ということは結衣ちゃんがあかりのほっぺを舐めることに!?)」

結衣「あかり、ハンカチ」

あかり「あかりは自分で拭けるから、結衣ちゃんに舐めてもらわないでも平気だよっ!!!!!」アセアセ

結衣「!?」

ザワザワ

 
<ありがとうございました~

あかり「うう、恥ずかしいめにあったよぉ……」

結衣「あかりが暴走するなんて珍しいな」

あかり「結衣ちゃん、このことは忘れて!」

結衣「よくわかんないけどこのくらい大丈夫だよ、あかり。私も前あかりに恥ずかしいとこ見られたし……」

あかり「ううう~……結衣ちゃん、忘れてね」

結衣「あんなかわいいあかりの姿はちょっと忘れられないかも」

あかり「そ、そんなぁ~!」

結衣「あかりが一生懸命食べてる姿がかわいくってさ」

あかり「そっち!?」

結衣「なんか動物に餌あげてる気分だった」

あかり「あかりは動物さんじゃないよぉ~!!」

結衣「そろそろバス来る時間か。あかり、他にどこか寄りたい場所ある?」

あかり「あかりは特にないよ」

結衣「じゃあ、とりあえずこのまま帰るか」

あかり「うんっ」

結衣「なんでちょっと嬉しそうなの?」

あかり「なんでもないよぉ~っ」ワタワタ

結衣「?」












あかね「………」

今回はここまで
短いから一気に投下しようと思ってたのに、他のことに気を取られてるうちに気がついたらテレビ観始めてた

結衣が歌ってた歌って元ネタあるの?

>>76
宇多田ヒカルの「ぼくはくま」というシングル曲です
数年前にみんなのうたでクマのぬいぐるみが踊る映像とともに放送されてました

あかね「ふ、ふふふ……今日のあかり可愛かったわね。なかなかの破壊力だったわ……」

あかね「こっそり着いてきて正解だったわぁ……あんなに可愛いあかりの姿が見れたんですもの」

あかね「ふふ……ふはははは……我が姉道に一片の悔いなしよ」

あかね「はああああああ……それにしてもまさかの、相手は女の子とはね……」

あかね「ああ……でも、あのあかりの目、あれはもうしょうがないわ……ふふ、うふふふふ……」

あかね「あの子になら任せてもいいかしらね……」

あかね「そうよね、あかりの選んだ子だもの……あかりの……あかりの……」

あかね「あはは、ふふふふふふふ……」

バタリ

~バス車内~

あかり「すーっ、すーっ……」

結衣「あかり、寝ちゃった」

結衣「今日は楽しかったな……あかりのお陰で、新しいぬいぐるみも買えたし……」

あかね「すーっ、すーっ」

結衣「あかり、ありがとう」

結衣「好きだよ」

あかり「むにゃむにゃ」

結衣「……」

結衣「……」

結衣「……」

結衣「い、今、私なに言ったんだ!!???///」ボンッ

結衣「いやいやいや、ありえないだろ、それ!!」

あかり「むにゃ?」

結衣「第一、女の子同士じゃん!」

結衣「幼なじみだし、友達だし……」

結衣「あかりなんて、ただ可愛くって、やさしくって、いつも元気で、明るくって……」

あかり「ゆいひゃん、えへへ……」

結衣「……むちゃくちゃかわいい」

あかり「すーっ、すーっ」

結衣「……」ナデナデ

結衣「……私、本当にそうなのかな」

結衣「……あかりのことが、好き……?」

結衣「『素直になれ』って、そういうことなのか?京子……」

結衣「とりあえずは、あかりが起きる前に、このニヤけた表情戻しておかないと……」

あかり「ん……ごめん結衣ちゃん、寝ちゃってた?」

結衣「まだ降りるとこまでちょっとかかるから、寝てて大丈夫だよ」

あかり「ううん、もう平気」

あかり「もたれかかっちゃっててごめんね」

結衣「いいよ、別に。あかり軽いし」

あかり「えへへ」

結衣「……」

あかり「結衣ちゃん?」

結衣「ん?」

あかり「どうしてそんなにお顔がキリッとしてるの?」

結衣「な、なんでもない」

あかり「なんかかっこいいね!」

結衣「ありがとう……」

……

あかり「もうすっかり夕方だねえ~」

結衣「あかり、もう一度うち寄ってく?」

あかり「う、あ、えっと……」モジモジ

結衣「?」

あかり「あの、うーと……」

結衣「ひょっとして、なんか用事あった?」

あかり「ち、違うの!」

あかり「あのね、今日は、着替え持ってきてるの」ドキドキ

結衣「それって……泊まりたいってこと?」

あかり「……」コクッ

あかり「この時間まで待てば、自動的に泊めてくれることにならないかなー、なんて……えへへ」

結衣「(やばい、これはヤバイぞ……)」

あかり「結衣ちゃん、今度泊めてくれるっていったし、いいかなって……」

結衣「(あかりのことが好きって知ったばかりの今の状態であかりを泊めるとか)」

あかり「結衣ちゃん優しいから、約束してなくても、泊めてくれるかもって」

結衣「(自分がどうなるかわからない!)」

あかり「結衣ちゃん?」

結衣「……」

あかり「……やっぱり、ダメだった?」

結衣「え?」

あかり「ごめんね、勝手に、泊まるとか……約束もしてないのに……あかり、今日は帰るね……」シュン

結衣「あ、あかり待って!」ガシッ

あかり「ゆ、結衣ちゃん、手…」

結衣「あ……ごめん。ダメじゃないよ!泊まってって!」

あかり「ほ、ほんとに?迷惑じゃない?」

結衣「あかりが迷惑なわけないだろ。あかりは遠慮しすぎだよ」

あかり「……じゃあ、いいの?」

結衣「もちろん」

あかり「わーい!お泊りお泊りー!ばんざーい!」

結衣「そんなにうれしいのか」

あかり「うれしいよぉ~!だって、結衣ちゃんと二人っきりでお泊り、初めてだもん!」

結衣「そういえばそうかもな。じゃ、あがって」

あかり「うんっ」

結衣「(……成り行きで泊めることになってしまった)」

結衣「(信じてるぞ、私の理性)」

~結衣の部屋~

あかり「うふふー、えへへー」

結衣「……」

あかり「結衣ちゃーん」

結衣「あかり……そんなに私の顔見ないで///」

あかり「?」

結衣「(可愛すぎるんだよお前!)///」カアアッ

あかり「ゆ、結衣ちゃん?」

結衣「ああ、ごめん。ゲームでもしよっか」

あかり「わーい、ゲームゲーム!」

結衣「(なんかしてないと間が持たない……意識し過ぎだろ私……)」

あかり「わっ、わっ、結衣ちゃんのピカチュウ強すぎるよぉ」

結衣「あかりのネスはめちゃくちゃ弱いな……」

あかり「そんなはっきり言わないでぇ!」

結衣「あかり、さっき使ってたキャプテン・ファルコンは強かったじゃん」

あかり「こっちの方がかわいいんだもん」

結衣「そういう基準?」

あかり「結衣ちゃんのピカチュウもかわいいよね」

結衣「もしかして、私がかわいいかどうかでキャラ選んでると思ってる……?」

あかり「ほえ?……あ、あかり死んじゃったよぉ」

結衣「(反論できない)」


グウウウウ~

結衣「……」

あかり「//////」

結衣「今の動物の鳴き声のような音は」

あかり「い、言わないで~~~」

結衣「……お腹すいてるなら我慢しないでいいんだよ」

あかり「違うの結衣ちゃん!」

結衣「違うって」

あかり「これは、その、そう!一発芸なんだよぉ!」

結衣「……」

あかり「うう////(わけわかんない言い訳しちゃったよぉ)」

結衣「うん」

あかり「あううぅ…///」

結衣「なんか私も急におなか減ってきたし、ゲームやめてそろそろ夕ご飯にしよっか」

あかり「うん……」

結衣「……」

結衣「あかり、夕飯の希望は」

あかり「わぁい、あかり結衣ちゃんの」

結衣「オムライスでいいよな」

あかり「先読みされちゃったよぉ!結衣ちゃん、もしかしてエスパー!?」

結衣「いや、さっき言ってたし……」

あかり「そっかあ」グウウウウ~

結衣「……」

あかり「……」

結衣「鶏肉は……切らしてるから、ライスの具はウインナーでいいかな?」

あかり「う、うん(今度は聞こえなかったのかな?)」

あかり「あかりも手伝うよぉ」

結衣「うん、じゃあ玉ねぎ切るのお願いしようかな。あかり、できる?」

あかり「お安いご用ですぜ、おやびん」

結衣「不安だ……あ、でも結構うまいじゃん」

あかり「えへへ、結衣ちゃんほどじゃないけどね。たまにお家でもお料理手伝ってるもん」

結衣「あかりは偉いな」

あかり「えへへ……」テレテレ

結衣「京子なんか包丁の持ち方も知らないから、危なくって任せられないんだよな……そもそもあいつは手伝おうとしないけど」

あかり「そうなんだぁ。でも京子ちゃん、手先は器用だから慣れればす」グウウウウ~

あかり「ぐに、上手になりそう」キュルルル~

あかり「だよね」

結衣「……」

あかり「……」

結衣「あかりって、やっぱり食いしん坊?」

あかり「あかり違うもん!///」プンスカ

結衣「ライス大盛りにするから怒るなよ」

あかり「もぉっ!///」

結衣「照れてるあかりかわいすぎわろた」

あかり「えっ?」

結衣「なんでもない」

今回はここまで

すみません、訂正です

>>80
×あかね「すーっ、すーっ」

○あかり「すーっ、すーっ」


いつかこうなるんじゃないかと思ってたんだ

あかり「あっ」

結衣「という間に、夕飯ができました」

あかり「わぁい、完成かんせいー!」

結衣「オムライスだけじゃさみしいから、コンソメスープにオニオンサラダ」

あかり「美味しそうだよぉ」

結衣「あかりが手伝ってくれたおかげで早くできたよ」

あかり「結衣ちゃん、早く食べよっ」

結衣「うん。そろそろあかりのお腹も限界みたいだし」

あかり「そんなことないもん///」

結衣「じゃあ手を合わせて」

あかり「いっただきまーす」

あかり「おいしいぃ~~~!ほっぺが落ちるよぉ!」ニコニコ

結衣「そいつはよかった(相変わらずの幸せそうな顔…)」

あかり「あかり、こんなにしあわせでいいのかなぁ」

結衣「何をおおげさな」

あかり「はふはふ、もぐもぐ!」

あかり「この玉子の焼き加減、ライスの絶妙なスパイス!」

あかり「お野菜の甘い味が引き立つシンプルなコンソメスープ!」

あかり「すごいよ結衣ちゃん、星3つだよ!」

結衣「褒めすぎだろ」

あかり「結衣ちゃんはきっといいお嫁さんになるよぉ」

結衣「(私はあかりをお嫁さんにしたいって何考えてんだ私はバーローか)」

あかり「オニオンサラダも辛くなくておいしいね!」

結衣「ああ、うん。もともと甘みの強い玉ねぎだし、水にさらしてあるからな」

あかり「そっかあ、もぐもぐ!はううう~」パアア

結衣「(かわいい……)」

あかり「ぷっふぇー、ごちそうさま~」

結衣「お粗末さま」

あかり「おなかいっぱい!」

結衣「よかったな。あっ、そういや、泊まるって親には連絡したの?」

あかり「ああっ!泊めてもらえるのが嬉しすぎて忘れてたよぉ!」

結衣「じゃあ早く電話しないと。京子ならいざしらず、あかりが無断外泊なんて、家族が心配しちゃうから」

あかり「うん」ピッピッ

あかり「もしもし、お母さん?あかりだよ」

あかり「うん、うん。そうだよー、結衣ちゃんのお家」

あかり「えへへ、あのね今日なんだけどね……」

あかり「…えっ、あれ?お姉ちゃん? 私、さっきまでお母さんと話してたような……」

あかり「そう?うん、うん。それでね、あかり今日結衣ちゃんちに泊めてもらうんだけど、いいかな……?」

あかり「ほんと?やったぁ!お母さんにも伝えといてね!」

あかね『…………………ええ。あかり、しっかりやるのよ』

あかり「しっかり?」

あかね『女は度胸と愛嬌よ。大丈夫、お姉ちゃんは応援してるわ……うふふ』

あかり「お姉ちゃん?お姉ちゃん?……切れちゃった」

結衣「どういう電話だったんだ?」

あかり「わかんない……お母さんと話してると思ったらいつの間にかお姉ちゃんと話してた」

あかり「でも泊まっていいって!わあい!」

結衣「そっか、よかった」

……

あかり「お風呂お先に借りるね~」

結衣「ああ」


ガラガラッ


結衣「……」

結衣「……」

結衣「……」

結衣「……数メートル離れた先で、今あかりが裸に……」モンモン

結衣「や、やめろっ!なに考えてんだ私は!」

結衣「だいたい、あかりの裸なんて見慣れてるじゃないか!温泉の時だって……」

結衣「おんせん……」

結衣「クアアアアアッ///!?鮮明にイメージしてんじゃねぇえええ!!」

結衣「うおおおおおおおおおっ!がんばれ私の理性!」


あかり『わぁい、露天風呂っ』カポーン

あかり『湯気すごいっ』


結衣「理性なんてなかった!」

結衣「ぐあああああ……」ジタバタ

結衣「だめだ、肌色が目の前から離れん……まるでそこにあかりが立っているかのようだ」

あかり「結衣ちゃん?」

結衣「あ、あかりっ!?」

あかり「石鹸なかったから……」

結衣「バスタオル一枚で出てくるんじゃないっ!石鹸は洗面所の戸棚っ!///」

あかり「わわっ、ごめんね!」

結衣「……」

結衣「……」

結衣「……」

結衣「……はだかって、いいもんだな。もっと見とけばよかった……」


<ゴーユールーリトッ ニャニャニャニャーニャー


結衣「!?」ビクッ

ここまで

京子『おっすー、京子だよん』

結衣「なんだ京子か」

京子『結衣がなんか面白いことになってる予感がしたので電話してみた』

結衣「なんだそれ」

京子『具体的にいうとムッツリっぷりを発揮してそうだったから』

結衣「んなっ!?どこかで見てるのか!?」バッ

京子『え……冗談で言ったのに、図星だった?』

結衣「あっ……」

京子『やーん、結衣たんのえっち、すけべー、ブタのケツー』

結衣「う…うるさい!何の用だよ!」

京子『用がなきゃ電話しちゃダメなの!? 結衣、冷たい。ウルウル』

結衣「口で擬音を言うな」

京子『いやさー、今日結衣んち遊びに行ったら珍しくいなかったからさー』

結衣「ああ悪い。出かけてたんだ。…ってか、珍しくとか人を引きこもりみたいに言うな」

京子『てっきりまた暗い部屋で服も着ずに一日中レベル上げしてると思ったのに』

結衣「だから人を引きこもりみたいに……って服くらい着るわ」

京子『仕方ないから郵便受けにラブレター入れといたんだけど見た?』

結衣「は?郵便受けって……」ゴソゴソ

『ラムレーズンくれ!

         ___     ///〉
          {//////>=厶=‐┴─‐-=ミ
         ∨//> ´           `´ ̄二ニ=ミ ☆
         r=ァ ´            ヽ   、    `ヽ ☆
.          〉′       i    ヽ  ;. : .\   ヽ\
         /         }  i: .     ∨:}\: :. ヽ   ハ `
       ′     i   .;ハ :人: : .   :ト{  }Nト :ハ  ヽ}
        |    i /' j//`ヽ: . / .ィ巧トv: : } :ト〈
        |      ′ ′    }/} {{ ,ハ Ⅵ∨ ハ!
        |     ‘{ vr ==㍉      V㏍  { レ′
        |: ☆   ! ‘´        ,   、、 : {
    ☆  |:!  |i   ‘, 、、、          从
.        从 :|{:.   ',     ー -    .: :,′ _」`ヽ __
       / : : 八:   |`V ∩           イ :/  ヽ    r'
.      / . : /: : :ヽ.| l | |:ト . __,. </ j:/   し'ヽ.ノ
     / . : 斗=ミ⌒ | |V 从   /、_:_:/_/ /         ☆
.    / :/     >'  、 {/,ハ 'ーv'/// 厶
   /r‐┴      / _ヽノ ∨斗っ|// /ニ}ヘ  ☆
.  /       { └く  ´ x:くハ^|/.′.仁7 }i

/⌒丶.   斗‐ァ-{  ノ  /∨//} |/{  {ア  八ヘ

 by すてきな京子たん』


結衣「買って食え」

京子『結衣んちで食べるラムレーズンが一番美味いんだよー』

結衣「そうかい」

京子『で、どこ行ってたん?』

結衣「バス乗って買い物」

京子『ひどい、私を置いて一人でそんな……!』

結衣「なんなんだよ今日のそのキャラは。あかりと遊んでたんだよ」

京子『ふーん、ほー。へえええ』

結衣「な、なんだよ。おかしいか」

京子『…デート?』

結衣「違う!」

京子『違うの?』

結衣「違う……あかりはそういうんじゃ、ないよ……」

京子『そうなん?』

結衣「……」

結衣「なあ、京子?」

京子『なんだい』

結衣「私、さ…………あかりのこと、好きみたいなんだ」

京子『……』

結衣「京子?」

京子『プッ!』

結衣「わっ、笑うなよ!冗談で言ってんじゃないぞ!」

京子『わかってるよ。っていうか知ってるし。結衣は今ごろ気づいたん?』

結衣「え?し、知ってるって……」

京子『おー。結衣があかりのこと好きだなんて、はっきり言ってバレバレです』

結衣「う、嘘……マジ?」

京子『結衣のこと見てればわかるよ』

京子『普段から、あんな飢えたケダモノのような顔つきであかりの身体を見てるんだもん』

結衣「そんな顔はしてないだろ! いや……して、ないよな?」

京子『自分の顔は鏡を覗かないと見えないからなー』

結衣「してないよな? な、してないよな!」

結衣「…どう、って?」

京子『告白!すんの?』

結衣「こ、告白うううう!?」

京子『そんな意外そうな反応されても』

結衣「いや、だって、そんなのおかしいだろ」

京子『おかしくないよ、好きなんでしょ?』

結衣「だって……そんな……っていうか、女同士だし……」

京子『おかしくないよ』

結衣「ほんとにおかしくないかな?」

京子『おかしくない。ちなみに一説によればうちの学校の生徒、80人に1人は彼女がいるという話です』

結衣「ま、マジか」

京子『さあねー。少なくとも付き合ってる子たちはいるらしいよー』

京子『っつーかさー、私に向かって』

京子『あかりのこと、好きみたい』ボソッ

京子『……とか女の子みたいな声だしてる暇があったら、本人に直接言えっつ―の!』

結衣「やめろ真似すんな恥ずかしいやめてマジでおねがい忘れろ」

京子『「あかりのこと」……』

結衣「うわああああああッ!!!」

京子『面白いな今日の結衣』

結衣「ほんと……マジ、勘弁して、切るぞ」

京子『あ、待って切んないで。一つだけ』

結衣「なに?」

京子『へたれてねーで、告白するならとっととした方がいいよ? 振られたら京子たんが拾ってあげるから』

京子『じゃねっ』

プツッ ツーツーツー

結衣「……うるさい」

~京子の家~

京子「じゃねっ」ピッ

京子「ふーっ」

京子「っつっても、すぐには告白しないだろうなー。結衣さんあれで結構ヘタレだし」

京子「ヘタレ……か」

バタッ

京子「なんだよ、今さら、もう……」

京子「あかりのことが好きだなんて、知ってるよ」

京子「結衣のことなんて、全部知ってる」

京子「結衣は私の気持ち、知らないけど……」

京子「それでいいって、決めてたんだ、ずっと」

京子「なのにどうしてかな、こんなに胸が痛いのは……」

京子「結衣ぃ……」

今回はここまで

~結衣の家~


結衣「(告白、か……冷静になってみたら、なにをはしゃいでたんだろ、私)」

あかり「わあ、パンダさんかわいいね~」

結衣「(告白って言っても、恋なんかしたことないからどうしたらいいかわかんないし…)」

あかり「あかりもパンダさん触ってみたいなあ~」

結衣「(あかりだって、私に急に告白されても困るだけだろうし……)」

あかり「結衣ちゃん?」

結衣「(第一、この気持ちがほんとに恋なのかも……)」

結衣「(ぬいぐるみを可愛がるみたいに、ただあかりのことを可愛いと思ってるだけ)」

結衣「(友達だって思う気持ちを、恋だと勘違いしてるだけだとしたら……)」

あかり「ゆいちゃーん!」ユサユサ

結衣「あっ……ごめん、なに?」

あかり「パンダコパンダのDVD、終わっちゃったよ?」

結衣「あ、うん」

あかり「パパンダさんとパンちゃんかわいかったね~」

結衣「うん……」

あかり「結衣ちゃん」

結衣「ん?」

あかり「……あかりと一緒にいるの、楽しくない?」

結衣「そ、そんなことないよ」

あかり「だって、結衣ちゃんさっきからずっとボーっとして……」

結衣「! ごめん、あかり。ちょっと考えごとしちゃってさ。ほんとにごめん、あかりがそばにいるのに…」

あかり「そうなの? 悩んでることがあるなら、なんでもあかりに話してよ!」

あかり「結衣ちゃんのことなら、なんでも相談に乗るよ」

結衣「ありがとう。でももうちょっと自分で考えてみるよ」ナデナデ

あかり「あ、頭……」

結衣「嫌?」ナデナデ

あかり「頭くしゃくしゃになっちゃうよお~///」

結衣「あかりの頭ちっちゃいから、私の手でつかめそうだな」

あかり「ええっ!?」

結衣「わしづかみにしてやろう」

あかり「やめてー、勘弁なすってーっ!!」キャーキャー

結衣「あはは」

結衣「(私、バカだ。あかりを不安にさせるなんて)」

結衣「(私は、あかりの友達だから。あかりよりお姉さんだから)」

結衣「(私のことを好きでいてくれる、あかりの気持ちを裏切っちゃダメだ)」

結衣「(だから、あかりを不安にさせるような、こんな気持ちは……)」

結衣「(全部忘れよう)」



結衣「と、もうこんな時間か……あかり、歯は磨いた?」

あかり「うん。結衣ちゃんは?」

結衣「私も。そろそろ布団敷いて寝よっか」

あかり「うんっ」

……

あかり「結衣ちゃん、まだ起きてる?」

結衣「ん?」

あかり「今日は楽しかったね」

結衣「うん。あかりのおかげで、ぬいぐるみいっぱい見れたし」

あかり「新しいぬいぐるみさん、名前決めなきゃねぇ」

結衣「そうだね。何がいいかな」

あかり「美味しいものも食べれたね」

結衣「食べ物の話かよ。あかりってやっぱり食いしん坊?」

あかり「えへへ……あかり、結衣ちゃんのオムライスが世界で一番好きだよ」

結衣「大げさな。でもありがとう」

あかり「結衣ちゃん、今日は泊めてくれてありがとね! あかり、結衣ちゃんが大好き!」

結衣「私も、あかりが……」

結衣「……」

あかり「結衣ちゃん?」

結衣「なんでもない。あかりは素直でいい子だなって思って」

あかり「……あかりが素直ないい子じゃなかったら、結衣ちゃんはあかりのこと嫌いになる?」

結衣「ん?」

あかり「あかり、いつもいい子じゃないよ。」

あかり「今日だって、約束してないのに、無理に泊めてもらったし……」

結衣「ばか、私たちの間に約束なんていらないよ。変なこと気にしないの」

あかり「あかりがいい子じゃなくても、あかりのこと嫌いにならない?」

結衣「ならないよ」

あかり「あかりが素直じゃなくても?」

結衣「ならない」

あかり「そっかぁ。よかった……結衣ちゃん、大好き……」

結衣「うん…」ズキッ

あかり「……」

結衣「あかり、寝た?」

あかり「……」

結衣「あかり」

結衣「……」

結衣「(今日は、色々なことがあったな)」

結衣「(幸せなのに、悲しい)」

結衣「(素直ないい子じゃないのは、私の方だ)」

結衣「(私を信用してくれてる幼なじみを、抱きしめたいと思ってる)」

結衣「(あかりのことを私の好きにしたいと思ってる)」

結衣「(こんなの、抱いちゃいけない気持ちなのに)」

結衣「(忘れようと思うほど、胸が痛くなる……)」

今回はここまで

~月曜日の通学路~

結衣「もう平日か。なんかあっという間だったな……」

ちなつ「結衣せんぱーい!おはようございまーす!」

あかり「結衣ちゃん、おはよう」

結衣「ちなつちゃん、あかり。おはよう」

あかり「京子ちゃんは?」

結衣「まだ来てない。あとは京子だけなんだけど…また寝坊とかしてないかな」

ちなつ「あかりちゃん。そのカバンにつけてるストラップ、どうしたの?」

あかり「えへへ」

ちなつ「ちっちゃいテディベアがついてるんだ。かわいいねー」

結衣「(あ…あれ、私がプレゼントしたやつ。つけてきてくれたんだ……)」

あかり「……」ニコッ

結衣「!///」ドキッ

ちなつ「結衣先輩、どうかしたんですか?」

結衣「なんでもないよ。(あかりと目があった……)」

結衣「(なんだろ、すごい嬉しい)」

結衣「(何でもないようなことなのに)」

結衣「(そうだよ。今、この瞬間だけで幸せなんだ)」

結衣「(だから。もっと欲しいなんて思うなよ、私)」



京子「おーい!ちなつちゃーん、結衣ー、あかりー!」タッタッタッ


ちなつ「あーっ、京子先輩!遅いですよーっ!」

京子「ごめんごめん、寝坊しちゃってさー!」ハアッハアッ

あかり「京子ちゃん、大丈夫?」

京子「うん。皆、わりーわりー。ふー、やれやれ」

結衣「まったく。ちょっと走らなきゃ間に合わないかも。京子、走れる?」

京子「うん!オッケーです。たぶん」

結衣「……京子、なんか元気ない?」

京子「バレた? 実は昨日ちっとばかし遅くまで漫画読んじゃってー」

ちなつ「もーっ、それで寝坊ですか!しっかりしてください!」プンプン

京子「あはは……(元気ないとか、そういうのは気づくのかよ)」ボソッ

ちなつ「?」

あかり「……」

京子「やっぱ、私息整うまでちょっと休んでくから、皆先行っててよ」

結衣「はあ。そんなわけ行くか。ほら、走るぞ」ギュッ

京子「あっ……ちょっ、結衣///」

結衣「行くよ、みんな!」

ちなつ「なっ、京子先輩ばっかりズルいです! 私も結衣先輩と手をつなぎたいですーっ!」

京子「よし、ちなつちゃんは私が手をつないであげよう」

ちなつ「いらないですー!」

あかり「み、みんな待ってー! あかりはー!?」

結衣「あかりーっ! 早く来ーい!」

あかり「わーん!」

結衣「なんとか間に合ったな……」

あかり「じゃあ京子ちゃん、結衣ちゃん。あかりたち教室行くねー」

ちなつ「結衣先輩、またです!」

結衣「うん。また放課後に」

京子「……結衣、もう手掴んでないでいいよ」

結衣「あ、そうだな」パッ

結衣「京子、あのさ」

京子「手なら私じゃなくて、あかりの手を掴めばよかっただろ」

結衣「なに怒ってるんだ?」

京子「別に怒ってないけどさ。行こうぜ」

結衣「……もしかして、あのこと気にしてるのか?」

京子「そうじゃないよ」

結衣「わ、私があかりのこと好きとか言ったから?」

結衣「やっぱり、同性を好きとか言うのって……気持ち悪いか……?」オドオド

京子「違うよ! そんなこと思ってない!」ガシッ

結衣「わっ。きょ、京子」

京子「結衣は気持ち悪くなんてない。つまんないこと言うな!」

京子「ただ、私がちょっと朝から機嫌悪かっただけだから……ほら、教室行こ」

結衣「そっか……ありがと、京子」

京子「ん」

結衣「あとで、話聞いてもらってもいい?」

京子「うん。聞く」

今回はここまで

~放課後~

綾乃「ちょっと、歳納京子ー!」

京子「はい。綾乃、プリント」ピラッ

綾乃「プリントまた歳納京子だけ……って、あるんかい!!」

京子「それであってるよね?」

綾乃「え、あ、うん……め、珍しいわね、歳納京子が言われる前に用意してるなんて」

京子「えー? 私だってやるときはちゃんとやるよー」

綾乃「え、ええ…?」

千歳「あ、歳納さーん。ウチと歳納さん、今日は教室のゴミ捨て当番で」

京子「あ、ゴミ捨てならやっといたから」

千歳「部活行く前にー……え、そうなん?」

綾乃「と、歳納京子が自主的にゴミ捨て……」

京子「黒板も消しといたよ。黒板消しも綺麗にしたし、チョークも確認した」

千歳「へ」

京子「他には何かある?」

千歳「ほんならウチはもうないけど……」

綾乃「私も……」

京子「じゃ、二人ともまた明日ねー。行くよ、結衣」スタスタ

結衣「待ってよ京子!」

千歳「さよなら、歳納さん……」

綾乃「ち、ちとせぇ……歳納京子が、歳納京子がこわい」ガクガクブルブル

千歳「せやなぁ……歳納さんどうしたんやろ……」


結衣「ちょっと、京子!どこ行くんだよ!」

京子「体育館の裏」

結衣「体育館裏って」

京子「話、するんでしょ?」

結衣「あ、うん」

京子「部室だとあかりたちがいるからまずいでしょ?」

結衣「あ、そっか」

京子「しっかりしてよ、結衣ー」

結衣「ごめん」




ちなつ「あれ?先輩たち、どこ行くのかな」

ちなつ「待ってくださーい、結衣せんぱーい」テテテ

~体育館裏~

京子「……………………告白しない?」

結衣「うん。いろいろ考えたんだけど、告白はしないから」

京子「…………結衣、私ら、友達でしょ」

結衣「うん」

京子「マブダチでしょ」

結衣「マブって……うん」

京子「前世はともに闇の勢力と戦った光の戦士だよね」

結衣「それは知らない」

京子「なら親友の私に向かって、正直な気持ちで、もう一度話してみて。はい、どうぞ」

結衣「告白はしない」

京子「アホかー!!」

結衣「なっ、誰がアホだ!」ムッカー

京子「アホじゃなきゃバカだ!バカバカバカバカ!」

結衣「バカバカ言うな!」

京子「結衣のバカ!ムッツリスケベのくせに!」

結衣「それは関係ないだろ! っていうかムッツリじゃないし!」

京子「あるよ、ムッツリだよ!……っはあああああ、あかりに告白しない理由、もう一度言ってみて」

結衣「だって、あかりを困らせちゃうだろうし……」

結衣「あかりのこと、友達として好きなのか、恋人として好きなのか、わからないし……」

京子「アホかああああああああああああああっ!!!!」

結衣「な、なんだよ、私だってまじめに言ってるんだぞ……アホとか言うことないじゃん…」グスッ

京子「柄にもない落ち込み方すんなーっ!」

京子「あー、もう、お前、結衣、お前、めんどくさいな! いいか、よーく聞けよ!」

京子「私が今『ウチの今日の下着、セクシーやねん……』って言ったら、どう思う?」

結衣「反応しにくいよ。なんで関西弁だよ」

京子「あかりが『えへへっ、今日は結衣ちゃんのために、かわいい下着履いてきたんだぁ~』って言ったら?」

結衣「//////」

京子「反応してんじゃねーか!」

結衣「なんで京子そんなにあかりの真似うまいんだよ!」

京子「話そらさないの、結衣のスケベ!」

結衣「う、うるさい///」

京子「わかっただろ、今のが答えだよ。あかりとキスしたいと思ってるんだろ、あわよくばs」

結衣「うわわわわわわわ!! 何言うつもりだよ、そ、そういうの、中学生には早いだろ///」

京子「うっさい、結衣こそ何考えてんだよ!」

京子「それから、なんだ、『あかりを困らせる』~?」

結衣「だって、そうだよ、きっと……」

京子「アホかーっ!」

結衣「だから私はアホじゃない!」

京子「ヘタレっ、あかりを言い訳に使うな!」

結衣「い、言い訳だと」

京子「ヘタレヘタレヘタレヘタレヘタレスケベヘタレヘタレヘタレヘタレ!」

結衣「ヘタレヘタレ言うな、スケベでもない、よくそんな口が回るな」

京子「ヘタレ結衣は振られるのが怖くってあかりを言い訳にしてるだけだよ」

結衣「な」

京子「そういうのおためごかしっていうんだよ?」

結衣「クッ…なんで京子にそんなことがわかるんだよ」

京子「わかるよ、バカ」

結衣「……」

京子「……それからもう一つ」

結衣「なんだよ」

京子「いつまでも今のままでいられるなんて思うな」

結衣「どういうこと?」

京子「はあ……あかりがさー、ずっと一人でいると思う?」

結衣「ど、どういう意味?」

京子「あかりは可愛いからなー、結衣の知らないうちに恋人の一人や二人」

結衣「あかりに……恋人……?」ワナワナ

京子「百人や二百人」

結衣「あかりは何者だよ」

京子「ツッコミで話しそらそうとすんな。いいの、結衣? あかりと一緒にいられる時間、なくなっちゃうかもよ」

結衣「…………」

京子「あーあ、あかりほんとにかわいいよなー」

結衣「うん、かわいい……こないだなんだけどさ、あかりがさ」

京子「今ノロケタイム違う」

結衣「すまん。頭のなかがあかりでいっぱいになっちゃって……」

京子「(なんなのこの幼なじみ)」

京子「……私がさ、あかりのこと、好きって言ったら、どうする?」

結衣「は? そ、そんなわけないだろ」

京子「絶対って言い切れる?」

結衣「……」

京子「どうしよっかなー。あかりに告白しちゃおっかなー」

結衣「だ、だめっ!」

京子「結衣?」

結衣「やだ。あかりを、渡したくない」

京子「結衣のものじゃないだろ」

結衣「うっ」

京子「恋人になったらー、私がキスしてって言ったら、してくれるんだろうなー」チラッチラッ

結衣「う、うううううううっ」

京子「今のは全部冗談だよ。でも結衣がこれ以上バカなこと言うならほんとにしてやる」

結衣「わ、私は……」

京子「結衣、電話で言ったこと覚えてる? 私のアドバイスはあれだけだよ」

京子「わかったらヘタレてねーで、とっとと告白しろ。バカ結衣」

結衣「……うん。京子、ありがとう」

京子「ダチだろ。気にすんなー」

結衣「うん」

京子「ほら、行け」

結衣「うんっ」


タッタッタッ

今回はここまで

京子「ふーっ……」

京子「あーあ。ほんっと、バカだ……」


ガサッ


京子「結衣?」

ちなつ「……」

京子「ち、ちなつちゃん!? いつからそこにっ」

ちなつ「結衣先輩が、こっちに向かってるのを見て……」

京子「あ、あははははは……何か聞いちゃった?」

ちなつ「あは、あははははは。今のって、お芝居の練習かなにかですよね」

京子「えっと……」

ちなつ「結衣先輩があかりちゃんのことを好きとか、聞こえたような気がしたんですけど。そ、空耳かなー」

京子「……ごめん、事実」

ちなつ「京子先輩の新作紙芝居?」

京子「現実」

ちなつ「っ!」

京子「待って、ちなつちゃん!」ガシッ

ちなつ「放してください!」

京子「ね、念のため聞くけど、どこに行くつもり?」

ちなつ「こうなったらコトが起こる前に結衣先輩を私のものにしてやるんです!!」

京子「だめ! だったら行かせない!」

ちなつ「なんでですか!」

京子「結衣があかりに告白するまで、結衣のことはそっとしときたいの」

ちなつ「で、でも私はっ」

京子「結衣のことが好きなんでしょ。わかってる、でも……だから、ごめん。ちなつちゃんは行かせられないよ」

ちなつ「どうして京子先輩にそんなこと言う権利があるんですか!放してっ!」グイッグイッ

京子「権利、なんか、ないよ……でも結衣には、自分の恋叶えてほしいもん」

京子「結衣はバカだからさ……今ちなつちゃんに告白なんかされたら、きっと混乱して、あかりに告白できなくなっちゃう」

京子「結衣が、あかりに告白したあとなら、いいよ。でも、いまは、だめ」

ちなつ「そんなっ、そんなの」ジタバタ

京子「結衣には、くやしいから言わなかったけど、たぶんあかりも結衣のこと好きだと思うんだよね」

ちなつ「それじゃ私にチャンスなんてないじゃないですか! 放してくださいーっ!」

京子「ごめん、ちなつちゃんにはひどいこと言ってるとは思うけど……」

京子「わ、私は、結衣の気持ち、まもりたいから」

ちなつ「……………」ピタッ

京子「ち、ちなつちゃん?」

ちなつ「……………どうして震えてるんですか?」

京子「ふ、ふるえてなんかないよ」

ちなつ「めっちゃ震えてますよ」

京子「今日けっこう寒いから」

ちなつ「この季節としては暖かいと思いますけど」

京子「ち、ちなつちゃんの顔がちょっと怖いからだよ」

ちなつ「あ?」

京子「」ブルブル

ちなつ「私ちょっとすごいこと考えちゃったんです」

ちなつ「先輩、質問してもいいですか」

京子「……なに?」

ちなつ「もしかして、京子先輩は結衣先輩のこと……」

京子「言わないで!!!」

ちなつ「……好きなんですね?」

京子「ちがう! そんなことない!」

ちなつ「じゃあなんでそんなに震えてるんですか?」

京子「ふるえてないもんっ」

ちなつ「泣きそうじゃないですか」

京子「ないてないもん……」

ちなつ「半泣きじゃないですか……」

京子「ち、ちがっ……だめ、やだ……ちがうの」

京子「結衣のことなんか、結衣のことなんか……」ブルブル

ちなつ「……」

京子「しょ、しょ、しょ、しょうがないじゃん……」

京子「だって、だって、結衣だよ?」

京子「ずっと一緒にいたら、あんなの好きになっちゃうに決まってるじゃん……」

ちなつ「そうですね、しょうがないですよね」

京子「私、悪くないもん……」

ちなつ「悪くないですよ」

京子「でもでも、結衣はあかりのことすきで、あかりは、あかりは結衣のこと好きで」

京子「結衣は私のこと友達って言うからぁ………」

京子「しょうがないじゃん……私悪くないもん……」

ちなつ「悪いなんて言ってないですよ」

ちなつ「というか勘違いしないでください、私の方がもっと結衣先輩のこと好きなんですから」

京子「なんでツンデレ口調ではりあうの……」

ちなつ「事実ですから」

京子「私のほうが好きだもん……」

ちなつ「やっぱり好きなんだ」

京子「ううう……」

ちなつ「京子先輩はどうして、告白しないんですか」

京子「だって、私が好きなんて言ったら、結衣が困っちゃうもん……」

ちなつ「言ってること違いますよ」

京子「ちっちゃいころから結衣には世話ばっかりかけてきたから、今度は私が世話してあげたの」

ちなつ「京子先輩……」

京子「ふ、ふふふ、すごいよね。私たち、私も、ちなつちゃんも、たぶんあかりも」

京子「みんな結衣のことが好きなんだもん」

ちなつ「結衣先輩、かっこいいですもん」

京子「でもあれで可愛いとこもあるんだよ」

ちなつ「……なんかむかついてきました」

京子「なんでさ。……ちなつちゃん、私もう捕まえてないけど、行かなくていいの?」

ちなつ「先輩こそ、本当にいいんですか?」

京子「うん。ちなつちゃん、このことは誰にも内緒にしてね」

ちなつ「なら、しょうがないから私も付き合います。少なくとも、結衣先輩があかりちゃんに告白するまでは」

京子「ごめんね、ちなつちゃん……」

ちなつ「別に先輩のせいじゃないです」

京子「そ、そっか……」てくてく

ちなつ「先輩はどこ行くんです?」

京子「私いまカッコ悪い顔してるもん……後輩にカッコ悪いとこ見せたくないからさ」

ちなつ「泣きければ泣けばいいじゃないですか」

京子「え?」

ちなつ「……」ぎゅっ

京子「ち、ちなつちゃん?」

ちなつ「ほら、こうすれば誰も京子先輩の顔なんて見えないですから。」

京子「っ、う、うううううううううう」

ちなつ「そもそも京子先輩がカッコ良かったことなんてないですから、安心してください」ぽんぽん

京子「ううう、ひどいよちなつちゃ~ん。慰めてくんないのー?」グスッ

ちなつ「誰が恋敵を慰めるもんですか」

京子「そういえば一応そうか……」

ちなつ「でも私も失恋しちゃうかな……」

京子「ごめんね……」

ちなつ「いざとなったら、あかりちゃんごと結衣先輩を奪ってみせるもん」

京子「(ほんとにやりそうで怖い)」



~娯楽部部室~

あかり「皆まだかな~」

あかり「……」

あかり「ぼくはくまっ、くまっ、くまっ、くま~っ」

結衣「あかりーっ!」ガラガラ

あかり「わっ、結衣ちゃん///」ドキドキ

結衣「あ、あかりっ!」

あかり「今の聴いてた?」

結衣「え、なに?」

あかり「ううん、なんでもないよっ(確かにこれは意外に恥ずかしいよ~)」

結衣「ちなつちゃんは?」

あかり「教室で別れてから会ってないの。京子ちゃんは?」

結衣「京子はまだ来ない、んじゃないかと思う、たぶん」

あかり「そっかぁ。二人とも早くこないかなぁ……」

結衣「あかりっ、あのっ……」

あかり「あかり、とりあえずお茶淹れるねぇ」

結衣「あ、うん……」

あかり「ぼくはくまっ、くまっ、くまっ、くま~♪」←無意識

結衣「……」ソワソワ

今回はここまで

あかり「はい、結衣ちゃんどうぞ」

結衣「ありがと」

結衣「……」ズズズッ

あかり「お菓子は……うすしおしかないや。これは皆が来てから開けたほうがいいよね」

結衣「そういえばこないだ京子がわさび味のポテチを置いてってさ」

あかり「わさび味!? 辛そうだよぉ~」

結衣「だよな」

あかり「京子ちゃん、そんなの食べられるのかなぁ」

結衣「いや、たぶん京子も食べられないのに買ってる」

あかり「ちなつちゃんは大人っぽいから辛いのも平気かも!」

結衣「あかりの大人のイメージってちょっと面白い」

あかり「ええ~っ、そうかなぁ……」

結衣「ふふ」

結衣「……って!こんなこと話してる場合じゃない!」ガタッ

あかり「結衣ちゃん、お茶!こぼれてるよぉっ」

結衣「あかりっ」ガバッ

あかり「結衣ちゃんっ!?///」どさっ

結衣「……(うわああああ、勢いで何故か押し倒してしまった!)」

あかり「//////」

結衣「(なんで顔を赤らめる!くうう、かわいいぃぃぃっ///)」

あかり「ゆ、結衣ちゃん……? どうしたのかな、急に……」

結衣「…あかり、今から大切なこと言うから、聞いて」

あかり「え…?」ドキドキ

結衣「あのね……私、あかりのこと」

あかり「わ、わあああああああああああっ!///」ドンッ

結衣「えっ!?」

あかり「結衣ちゃん、ごめんっ!///」

結衣「えっ」

あかり「あ、あ、あ、あかり、用事あるの思い出したよっ///」

あかり「きょきょきょ、今日は先に帰るねっ///」

結衣「待ってよあかり!」

あかり「京子ちゃんとちなつちゃんによろしくねぇ~///」

ガラガラッ

ピシャッ

タッタッタッタッ……

結衣「えっと」

結衣「これは一体……」

結衣「ああ、そっか」

結衣「…………振られた?」バタンッ





……

ちなつ「ちょっと、京子先輩。どういうことですか」

京子「わかんないよ私にも」

ちなつ「あかりちゃんも結衣先輩のこと好きなんじゃなかったんですか」

京子「そうだと思うんだけど」

ちなつ「ぜんぜんハッピーエンドになってないじゃないですか……」


結衣「あかりー、あかりー」シクシクシクシク


京子「うっ……」

ちなつ「どうするんですか、この状況」

京子「こんな負のオーラ発してる結衣初めて見た」

ちなつ「私もですよ。どうするんですか……」

京子「わかんないよ私にも……」

結衣「あかりー……オムライス……クマちゃん……」

ちなつ「あ、ちょっと笑ってます」

京子「たぶん現実逃避だ……」

ちなつ「結衣先輩……」ホロリ

~赤座家~

あかり「急に逃げ出して来て、変な子って思われちゃったかな……」

あかり「……ユイちゃん、ユイちゃん」ぎゅーっ

あかり「あのね、あかりね、結衣ちゃんのこと……」


コンコン

あかね「あかりー、入るわよ~」

あかり「ひゃ、ひゃいっ///」

あかね「あらあら、ぬいぐるみを抱いてお昼寝してたのね。あかりはかわいいわね」

あかり「えへへ」

あかね「今日はいつもより帰りが早かったみたいだけど、どうかしたの?」

あかり「う、えっと……」

あかね「ひょっとして学校で結衣ちゃんに押し倒されて告白されそうになったとか」

あかり「!?」

あかり「ど、どうしてわかるの!?」

あかね「お姉ちゃんはいつもあかりのこと考えてるから、そのくらいわかるのよ」ニコニコ

あかり「お姉ちゃんすごい!」

あかね「うふふふふふふ」

あかり「そうなの。あかり……怖くなって逃げて来ちゃったんだよぉ」グスッ

あかね「あかりも結衣ちゃんのことが好きなんでしょう?」

あかり「そんなことまで……」

あかり「うん、お姉ちゃんだけにはほんとのこと教えてあげるね。あかり……結衣ちゃんが好きなの///」

あかね「うふふ(落ち着け、あかりはお姉ちゃんのことも大好きお姉ちゃんのこと大好きあかりは)」グググ

あかり「お姉ちゃん?」

あかね「はっ、なんでもないわ」

あかね「それより、あかりはどうして逃げちゃったのかしら? よかったら、お姉ちゃんに聞かせて」

あかり「それは……」

あかね「隣に座ってもいい? 悩んでるようなら、お姉ちゃんが相談に乗ってあげるわ」

あかね「それで解決できなくても、気持ちが楽になるかもしれないわよ」

あかり「うん……あのね、あかり知ってるの」

あかり「結衣ちゃんを好きなのはあかりだけじゃないってこと」

今回はここまで

放置気味でごめんなさい
数レスだけ投下します

あかね「それは…」

あかり「京子ちゃんと、ちなつちゃん」

あかり「ちなつちゃんはね、いっつもあかりに恋のこと相談してくれるんだ。だから、知ってる」

あかり「京子ちゃんは、一番長く結衣ちゃんと一緒にいて、結衣ちゃんと一番の仲良しで……」

あかり「ちっちゃいころからずっと、京子ちゃんの『大好き』って気持ち、そばで感じてきた」

あかり「それが恋だって知ったのは最近のことだけど……」

あかり「あかりも結衣ちゃんのこと好きって気付いた瞬間、わかったんだよ」

あかね「……あかりは優しいのね。京子ちゃんとちなつちゃんのことを考えて、告白を受けなかったのね」

あかり「あかり……あかりは、卑怯なんだよ」グスッ

あかり「あかり、みんなの気持ち、知ってるけど知らないふりしてきたの」

あかり「京子ちゃんやちなつちゃんなんて知らないって」

あかり「結衣ちゃんが、あかりだけの結衣ちゃんになってくれたらって」

あかり「いつの間にか、ぐすっ……そんなこと考えてたんだよ……」

あかり「友達なのに……こんなあかりに、結衣ちゃんのことを好きでいる資格なんてないよね……」ヒック

あかね「……よしよし」

あかね「あかりは卑怯なんかじゃないわ。好きな人のことをひとり占めしたいって思う気持ちは、誰にでもあることよ」

あかね「お姉ちゃんだって、いつもそんな風に思っちゃうんだから」

あかり「お姉ちゃんも……?」

あかね「ええ。それは当たり前のことなの。だから、恥ずかしく思うことはないわ」

あかね「あかりはまだ子供だから、はじめてそんな気持ちを感じて、びっくりしちゃったのよね」ナデナデ

あかり「あかり、子供じゃないもん」

あかね「ええ、そうね……」

あかね「だけど、ちょっとだけおバカさんね。大事なこと忘れてるもの」

あかり「大事なこと?」

あかね「あかり自身の気持ちと……それから結衣ちゃんの気持ちよ」

あかり「あ……」

あかね「結衣ちゃんはあかりに告白しようとしたんでしょう? きっと今頃振られたと思って傷ついて泣」

あかり「うわあああああーーん! あかり結衣ちゃんにひどいことを……」ボロボロ

あかね「うわったああああああ!今のは口をすべら…じゃない! 大丈夫よ、あかり!大丈夫だから!」

あかり「だ、大丈夫…?」グスグス

あかね「ええ、傷ついたりしてないわ。……まあ、それはともかく、結衣ちゃんの気持ちも考えてあげなくちゃってことよ」

あかり「結衣ちゃんの……きもち……」

あかり「////」

あかね「(ああ…愛され自覚アリアリのあかり可愛いわ…)」

ここまで

あかり「あかり、どうすればいいかな……」

あかね「大丈夫よ、お姉ちゃんがちゃんと作戦を考えてきてあるから」

あかり「あかりの気持ち……結衣ちゃんの気持ち……」

あかね「たまたま、ほんと偶然に、ちょうどここに動物園のチケットがあるのよ」

あかり「うん……そうだ……だから……」

あかね「お休みの日にでも、これで結衣ちゃんを誘ってデートしてらっしゃい」

あかね「実は七森動物園でデートをして、告白すると絶対に結ばれるという伝説があって……」

あかり「うん。あかり、告白してくる」

あかね「あかりは結衣ちゃんとデート、私はその様子を写真に納めてハッピー…うん?」

あかり「あかり、今から結衣ちゃんに告白してくるね」

あかね「え? え?え? 動物園のチケットが…」

あかり「お休みの日まで待てないもん!」

あかね「よ、夜なのよ?」

あかり「うん、だから気をつけていくね。」

あかね「はい?」

あかり「お姉ちゃん、相談に乗ってくれてありがとね。お姉ちゃん、大好き!」

あかね「お姉ちゃんもあかりが大好きよ……え?」

あかり「じゃあ、行ってきまーす。あ、たぶん泊まってくるから、お母さんにご飯いらないって言っといて」

あかね「ええ、行ってらっしゃい…………って、えっ!? ちょっ、待っ」














あかり『あかりは結衣ちゃんに告白をしました』

あかり『えへへ。その日から、あかりと結衣ちゃんは恋人同士になったのです』






あかね「え?」


エピローグ


~動物園~

あかり「ほんもののパンダさんかわいいね、結衣ちゃん」

結衣「うん」ボーッ

あかり「でもあんまり動かないね」

結衣「うん」

あかり「お昼寝してるのかな」

結衣「うん」

あかり「そういえばパンダさんって何て鳴くのかなぁ?」

結衣「うん」

あかり「結衣ちゃん?」

結衣「あかり。好き」

あかり「ふぇっ?///」

結衣「好き。大好き。愛してる」

あかり「結衣ちゃ」

結衣「私の彼女になってください」

あかり「……」

結衣「……あかり?」

あかり「ふ、ふふっ……くふふふふっ」

結衣「笑うなよー!///」

あかり「だって、結衣ちゃん今日これで16回目の告白だよ?」

結衣「うるさい」

あかり「結衣ちゃん、あかりに先に告白できなかったのがそんなに悔しかったんだね…」

結衣「生意気なこと言う子はお団子をほどいてやるぞ」

あかり「ご、ご勘弁をっ!」

結衣「あかり」

あかり「?」

結衣「返事…くれる?」

あかり「あ、うん……ごほん」

あかり「すーっ……あかりも、結衣ちゃんのことが大好きです」

あかり「好き。大好き。大大大好きです」

あかり「あかりを結衣ちゃんの彼女にしてください」

結衣「あかり!」ぎゅっ

あかり「えへへ、これで16回目のお返事だね」ぎゅーっ

結衣「あかり、夢じゃないんだよな?」

あかり「夢みたいだけど、夢じゃないよ、結衣ちゃん」ナデナデ

結衣「まだ信じられないんだ、あかりと付き合えるなんて」

結衣「ていうか、なにもかも夢みたいで、こないだのこともよく覚えてないんだ」

あかり「あかり、一生懸命告白したのに……」

結衣「こうやってあかりを抱いてても、まだ夢みたいで……」

あかり「夢じゃないよ、結衣ちゃん。あかりは結衣ちゃんの彼女だもん」

結衣「うん」

あかり「結衣ちゃん」

結衣「ん?」

あかり「好きです。結衣ちゃんのことを愛してます。どうかあかりと付き合ってください」

結衣「……///」

あかり「えへへ、あかりも、2回めの告白だよ」

結衣「あ、あかりから言うのは禁止!」

あかり「えー?……ふふ。結衣ちゃん、今日は何回あかりに告白してくれるのかな?」

結衣「うるさい、ほら、行くぞ」

あかり「はーい」

結衣「手、つなご」

あかり「うんっ、結衣ちゃんが迷子にならないように」

結衣「生意気さんめー」グリグリ

あかり「やーめーてー」




ちなつ「………………なんですか、あれ」

京子「結衣、あかり……しあわせになるんやで」

ちなつ「なんで関西弁ですか。ていうかなんですかあのバカップルは。なんで私は京子先輩と二人でそのデートを追っかけてるんですか」

京子「ちなつちゃんが誘ったんじゃん……」

ちなつ「だって気になるんですもん!」

京子「たしかにね」

ちなつ「でも、これって思ったより苦行ですね」

京子「そう?私はけっこう楽しんでるけど。動物園おもしろいし、結衣の奇想天外な照れ顔もおもしろいし」

ちなつ「ほんとにそう思ってます?」

京子「お、二人が移動するみたいだぞ」

ちなつ「はいはい」

京子「なによりこれってちなつちゃんとのデートだしね~~」

ちなつ「セクハラで殺しますよ」

京子「いまだかつて体験したことがないほど冷たいツンだ……」

ちなつ「失礼。京子先輩なんかに優しくしてるほど心の余裕がないので」

京子「そっか」

ちなつ「先輩だってそうなんじゃないですか?」

京子「……どうかな」

ちなつ「……そろそろ切り上げましょうか」

ちなつ「どうやら人混みに乗じてあかりちゃんから結衣先輩を奪う隙はなさそうですし」

京子「(そんなこと考えてたんだ……)」

ちなつ「この後、どうします?」

京子「このあと?」

ちなつ「せっかくだから、私たちも普通に動物園回りません?」

京子「………そだね」

今日はここまで たぶんあと一二回で終わりです

アニメの新作が決まったという噂をきいたのですが本当ですか
ゆりゆららゆるゆり大事件を聴いたのがゆるゆりとの出会いだったので、新作制作はうれしい


……

結衣「ふー、ひと通り見て回ったな」

あかり「子グマさんかわいかったね~」

結衣「うん。おみやげのぬいぐるみも買えたし」

あかり「あかり、飲み物買ってくるね」

結衣「私が行くよ」

あかり「ううん、結衣ちゃんは荷物みてて~」

結衣「行っちゃった……」

結衣「ふう……」

結衣「楽しいな、すっごく」

あかね「そうでしょうね」ボソリ

結衣「!?」

あかね「こんにちは、結衣ちゃん」

結衣「あ……あかりの……お姉さん……!?」ドキドキ

あかね「うふふ、こんなところで会うなんて偶然ね~」

結衣「(う…うそだ、絶対偶然じゃない……)」

あかね「ところでこういうときは無理にでもあなたが飲み物を買いに行くべきじゃない?」

あかね「あ か り は 疲 れ て る か も し れ な い わ よ ?」

結衣「(なぜあのあかりのお姉さんから、こんなに攻撃的なオーラが発せられてるんだ…?)」

あかね「お返事は? ふ な み ゆ い さ ん?」

結衣「は、はい!気をつけます!」

あかね「よろしい。じゃあ、そろそろあかりが戻ってくるから行くわ」

結衣「(何しに来たのだろう……)」

あかね「……キスまでなら許す」ボソッ

結衣「えっ?」

あかね「なんでもないわ。あかりのことよろしくね、結衣ちゃん?」

結衣「………はい」

あかり「結衣ちゃんと同じコーヒー買っちゃったよ~。あかり、飲めるかなぁ」

あかり「苦くて飲めなかったら、結衣ちゃんの唇で甘くしてもらったり……///」

あかり「うひゃ~~っ!あかりったら、なんてことをー!?///」ブンブン

京子・ちなつ「あ」

あかり「…京子ちゃん、ちなつちゃん!!どうしてここに!?」

京子「ち、ちげーし! 結衣とあかりのデートが気になって監視に来たとかじゃねーしっ!」

ちなつ「あっ、京子先輩!なにバラしちゃってるんですか!」

京子「誤解するなよ、あかり! 私はただちなつちゃんとデートしに来ただけだぞ!」

ちなつ「考えていいことと悪いことがあるってお母さんから教わらなかったんですか?」

京子「考えるだけで罪なの!?」

あかり「京子ちゃん、やっぱり結衣ちゃんのこと……」

京子「……あかり」

あかり「ちなつちゃんも、結衣ちゃんのこと……なのに、あかり」

京子「あかり!」ぎゅっ

あかり「きょ、京子ちゃん?」

京子「あかり……私は、結衣が好き」

あかり「…………」

京子「だけど、あかりのことも大好きなんだ」

京子「結衣もあかりも。ふたりとも、私の大切な幼馴染だから」

あかり「京子ちゃん……」

京子「だから……だからさ、あかりはしあわせになれ。ふたりで。ぜったい」

あかり「きょ、京子ちゃ~ん……」

京子「ほら、そんな顔してると結衣が心配するぞ」ナデナデ

ちなつ「はあぁ……こんなんじゃ、文句の一つも言えないじゃない」

あかり「ちなつちゃん……」

ちなつ「いーい? 少しでも結衣先輩を悲しませたりしたら、すぐ奪っちゃうんだからね!」

あかり「うんっ」

京子「あかり、そろそろ戻んないと」

あかり「うんっ」タッタッタ

あかり「京子ちゃーん、ちなつちゃーん!ありがとぉー!」

あかり「あかり、ぜったい結衣ちゃんをしあわせにするからねー!」

京子「あかりー!」

あかり「なーにー?」

京子「デートなんだから、ちゅーぐらいしとけよー!」

あかり「ふぇっ!?///」

ちなつ「はあっ!?」

京子「……行ったか」

ちなつ「ちょ、京子先輩、キスって、あかりちゃんはまだ中学生なんですよ!?」

京子「え……ちなつちゃんがそれ言うの」


……

あかり「結衣ちゃーん」

結衣「あかり、お帰り」

あかり「えへへ、おまたせー」

結衣「なにかあった?」

あかり「ううん、なんにも」

結衣「そう?」

あかり「……」

結衣「……」

結衣「あかり、き……キスとか、してみない?」

あかり「んん!?」

結衣「(し、しまったー!!先走りすぎたーっ!!)///」

あかり「結衣ちゃん、もうちょっと雰囲気とか考えて欲しいな……///」

結衣「ご、ごめん……今のなし!///」

あかり「そんなこと言われても……///」

結衣「うわあああああっ///(は、はずかしい!!変なやつだと思われた!)」

あかり「……結衣ちゃん。こっち向いて」

結衣「?」

あかり「」ちゅ

結衣「!?」

あかね「!!??」パシャッパシャッ

あかり「」ちゅー

結衣「……///」

あかり「えへへ……キス、一回目だね///」

結衣「あ、あかり……///」

あかり「は、はずかしい~~~っ///」タタターッ

結衣「待ってよあかり! も、もう一回!」

あかり「やだよ~、結衣ちゃんのえっち~///」

結衣「えっちってなんだよ、あかりー!!」

あかり「あかりのこと捕まえたら、結衣ちゃんからしていいよー」

結衣「!?」

結衣「……よし、私の脚を見せてやるぞ」

あかり「キャーっ、結衣ちゃんのえっちー///」

結衣「待てー!」


おわり

これで終わりです 付き合ってくれた人ありがとう
アニメ新作は夢じゃなかった

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