【戦国コレクション】~悶将伝~ (99)

戦国コレクションのオムニバスSSスレッドです

アニメ版準拠ですが、原作ゲームやノベルのネタもあります

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1382976182

過去に書いたものを再構成して掲載していきます


食材クエスト~信長の花嫁~

光秀「もう……信長様ったら、いくら食欲の秋だからって『定番のテリヤキが最高だけど期間限定の月見もなかなかね。ああグラコロが今から楽しみ』って毎日ハンバーガーばっかりで心配だわ」

光秀「ここはわたしが信長様のために体に超良い食材を用意して……
信長『美味しい!光秀、あんたの作った料理を毎日食べたいわ』
光秀『信長様ったらわたしを毎日食べたいだなんてうへへへ』じゅるり」

光秀「と、とりあえず!夏は海で遊んじゃったし、秋は山で修行しながら食材を探してみよう!」

~山~

光秀「秋の味覚といえば山の幸よね。あっ、これは……マツタケ!ここにも向こうにもいっぱい!この大きいのは焼きマツタケ向きかな」

ガサガサ

??「あれー、もしかして……光秀ちゃん?」

光秀「え?あなたは……卜伝殿!」

卜伝「久しぶりだねー。こんなとこで会うとは卜伝びっくりだよー」

光秀「本当に奇遇ですね。卜伝殿は剣の修行ですか?」

卜伝「ううん、テレビのおしごと」

光秀「あ、わたし観ましたよ。探検隊の」

卜伝「今度のはああいう"ばらえてぃー"じゃなくて"しゃかいはどきゅめんたりー"なの」

光秀「社会派?難しそうですね。どんな番組なんですか?」

卜伝「うん、今はマツタケの季節だよね」

光秀「そうですね。ここにもいっぱい生えてて美味しそうです」

卜伝「マツタケ山にマツタケ泥棒が出るんだって」

光秀「許せませんね!」

卜伝「で、その流通ルートを調査してたんだけど」

光秀「……?」

卜伝「今日辺りマツタケ山に泥棒が出るんじゃないかって情報があって」

光秀「………」

卜伝「窃盗の現場を撮影できるようにモースがカメラを回している所へ見覚えのある人が来て」

光秀「……………」

卜伝「焼きマツタケがどうとか」

光秀「ちがちがちがちがうんです!こここれはマツタケバーガーを毎日むしろわたしが信長様を食べたいうへへへへでっ!」

卜伝「……くわしくきかせてくれるかな?」


光秀「……というわけで、ここに来たのはたまたまなんです」

卜伝「そっかー。驚かせちゃってごめんね」

光秀「いえ。はあ、折角秋の味覚が手に入ると思ったのに」

卜伝「あ、それならさっき栗拾いしたから分けてあげるよ」

光秀「栗ですか?」

卜伝「うん。さっきこの山の持ち主のひとに『ぼくでんまつたけたべたいなー』って頼んだら、マツタケはダメだけど栗なら好きなだけどうぞって」

光秀「助かります!」

卜伝「はいどうぞ」

光秀「ありがとうございます。……この山は早く下りた方が良さそうですね」

卜伝「そだね。あ!光秀ちゃん」

光秀「はい?」

卜伝「この番組今度ゴールデンでやるから観てねっ!」

光秀「……わたしの出番はカットしといて下さいね」

~川~

光秀「さて山での修行を諦めて川に下って来たわけだが。食材が栗だけでは……」

光秀「ん?この渓流は魚が多いみたい。竿は無いから水龍の爪で獲るか、銃の衝撃で気絶させて捕まえるか……うーん」

ガサガサッ

??「あら?……あなたは」

光秀「今川…義元殿に風魔小太郎……」

義元「いつぞや以来ですわね」

小太郎「おいーっす!こんなとこでなにしてんだー?」

光秀「どうも、お久しぶりです……えっと、さっき修行と食材探しで山から下りてきたところで」

義元「そうですか。わたし達はこの間までツアーでしたの」

光秀「ツアー?観光ですか?」

義元「いいえ。『戦国武将×釣り企画!今川義元さんと一緒に渓流釣りしよう!バスツアー第4弾』ですわ」

光秀「今まで3回もやってたんですか……」

小太郎「足利義輝様プロデュースで、売上は戦国武将の支援に使われるんだってさー」

光秀「義輝様手広くやってますね」

義元「それが終わって今は休暇中ですの」

光秀「ははあ。ところでここは魚がたくさんいるみたいですね」

義元「ええ。イワナ釣りの名所ですから」

光秀「どうしたら釣れるでしょうか」

義元「あらそれは無理ですわ。今シーズンの渓流釣りは9月30日で終了しましたもの。……はっ!あなたまさかみ、密漁を……っ」

光秀「ちーがーいますっ!知らなかったし聞いただけです!なんで今日はそんなのばっかりなんですか!」

義元「ふう、禁漁期間なんて常識ですわよ。織田家の方はそんな事もご存知無いのかしら」

光秀「(カチーン)い、いえ。決め付けでレッテル貼りする方ほど無礼ではありませんね」

義元「(ムカチーン)ほほほ。主がああだと家臣もお口がお上手ですわね」

ピキッ

光秀「信長様の悪口は許さない……!」ゴゴゴゴゴ

義元「あなたにはあの河川敷での借りを返す必要がありそうですわね……!」ゴゴゴゴゴ

小太郎「おーい」

光秀「行くぞっ!はッ」

義元「行きますわよっ!ふっ」

小太郎「だめだ義元さまーっ!ここで戦ったら魚の棲みかが荒れてしまうぞっ!!」

義元「ハッ!頭に血が昇る余り釣り人としてのマナーを忘れるところでしたわっ!」

光秀「ちょっと!急に引いたら……ってちょ、わ、き、きゃあーっ!」

ドッポーーーン

パチパチ

光秀「ふぃ……ふぃっっしゅ!」

小太郎「変なくしゃみだなー。もうちょい火強くするか」

光秀「あの、さっきはわたしが悪かったです。すみませんでした」

義元「あらずいぶん素直ですのね」

光秀「頭を冷やしましたから、物理的に」

義元「ああ。……わたしこそカッとなって大切なことを見失いかけてましたわ。小太郎、ありがとう」

小太郎「へへー。義元さまも素直だなあ」

義元「う、うるさい!ところで何故食材探しを?」

光秀「はい。最近信長様の食生活が偏っているので、体に良いものをと思って」

義元「そうでしたの……シーズン中にわたしが釣ったイワナやヤマメが冷凍してありますけど、良かったら持っていきますか?」

光秀「良いんですか!?ありがとうございます!ではこの栗を半分……山で知人から貰ったものですが」

小太郎「栗はうまいよなー。ならオレが採った山菜も分けてやるぞー!」

光秀「!」



光秀「ありがとうございましたーーっ!」

義元「雪斎先生に頼んで今晩は栗ご飯にして貰いましょうか」

小太郎「おー栗ご飯なら何杯でもいけるぞー」

義元「……あなたには栗を多目にしてあげますわ」

小太郎「んー?義元様、栗嫌いなのかー?」

義元「いいえ……ふふっ」

小太郎「?」

~光秀宅~

光秀「さて食材が揃ったところで信長様をうちにお招きしたけれど」

光秀「信長様に見せられる服が無い……いつものと予備のは食材探しの川で濡れちゃったから乾いてないし……」

ぴんぽーん・ぴんぽーん・ぴぽぴぽぴぽぴぽーん♪

光秀「いらっしゃったわ!どうしようどうしよう。えーっとえーっと、お料理するわけだからとりあえずエプロンをっと。はーい」

ガチャ

信長「来てやったわよーみつひ……でえっ!あんたなにその格好!」

光秀「え?変ですか?このエプロン」

信長「じゃなくて!あんたそれ、は、裸エプロン……」

信長「(ちょっと待って。光秀とは温泉や海も一緒に行ってるわけだから、裸エプロンくらいで騒ぐのも変かしらね。当の光秀は堂々としてるし)」

光秀「?」

信長「(そもそもいつもの服でも見せブラしてるから、今さらドキドキする事もないわ。うん)」

信長「何でもないわ。邪魔するわよ」

光秀「はいどうぞ。こちらです」

クルッ スタスタスタ

信長「(んなッ!下も穿いてないから後ろ向きだと、お、おし、……お尻が)」



信長「ごちそうさま」

光秀「お粗末様でした」

信長「栗ご飯に山菜のおひたし、ヤマメの焼き物に土瓶蒸しにイワナの骨酒。ずいぶん飲み食いしたのね。堪能したわ」

光秀「デザートもどうぞ」

信長「あんたってさー、結構家庭的よね」

光秀「そうですか?」

信長「料理巧いし、飾りの人参とかモミジ形に切ってあったし。デザートのリンゴはウサギだし」

光秀「ええ。どうせなら楽しんでいただけたらと」

信長「かわいいとこあるじゃない」ショリショリ

光秀「(いやいやいや!リンゴのウサギさんを両手で頬張る信長様の方がずーっとずーっとかわいいですよぉーっ!ハアハア……おっといかん本能が炎上してしまう)」

信長「あんた顔赤くない?」

光秀「き、気のせいですよ?それより信長様。食生活には気をつけてくださいね」

信長「そうね。今日みたいな料理はいつも食べられないし、これからは心がけるわ」

光秀「の、信長様がよろしければわたしが料理を、ま、まいにひ……ひ、ひっ、ひかしゃっ!」

信長「すごい変なくしゃみしてあんた大丈夫?やっぱ顔赤いわよ」

光秀「あれ?目眩が……」

どさっ

信長「光秀!」

光秀「ん?わたし……」

信長「気がついた?急にふらついてびっくりしたわよ」

光秀「(そっか、水に濡れたり裸にエプロンだけでいたから……)」

光秀「あれ?わたし、服着てる?」

信長「あんたが寝てる間にコインランドリーで乾かしてきて、その」

光秀「あっ……」

信長「あんた記憶無くしてた時、蘭丸に世話して貰ってたんでしょ?わたしもやってみたくて……」

光秀「すみません信長様。わたし、迷惑を」

信長「わたしのために、だからでしょ?わかってるわよ」

光秀「信長様……」

信長「……今日はここに泊まるわ。そろそろ公園で野宿も寒くなってきたことだし。良いわね?」

光秀「はいっ!……ん?なんかねむくなって」

信長「ゆっくり休みなさい」

光秀「はい。信長様、あの、お願いがあるんですが」

信長「なに?」

光秀「眠るまで信長様の手を、握っていてもいいですか?」

信長「こう?」

きゅっ

光秀「うふふ。……のぶながさま……だい……す、す」

信長「?」

光秀「すーっ。すーっ」

信長「なにごとよ、もう」


信長「はぁー。私も少し眠いわね。どこで横に……あ」

光秀「すーっ。すーっ」きゅっ

信長「いいわ。このままここで寝ちゃお。おやすみなさい」

信長「ありがとね。光秀」


~Fin~

みんなでくるくるしよう
?ヽ(・ω・`ノ?
  (ω・`?
  (・`?)
  (?ヽ )
 ?ヽ  )?
?ヽ(   )ノ?
?ヽ(   )ノ?
?ヽ(  ´)ノ?
  ( ´・?
  ( ノ?)
  ( ?´・)
  ?ヽ´・)
 ?ヽ´・ω)?
`?ヽ´・ω・)ノ?

みっちゃんスレから
期待

>>9
ありがとうございます


光秀ブルマ~放課後のヤンデレズ~


光秀「秋といえばスポーツの秋ね。今度の戦国武将達の運動会、どんなウェアで参加しようかな。できれば信長様とおそろいで……」

光秀「そうだ!ブログに書いてコメントでオススメを教えて貰おっと」

カタカタ

光秀「日記のネタにもなって一石二鳥よね。光秀の策士ぃ!」

カタカタターン

光秀「あら、早速コメントが」


■1.キメェw
SARU50@※米喰LOVE

そんな優柔不断だから腹も秘宝も黒くなるんだよww


光秀「……削除、と」カチカチ


■433.無題
ブルマでハミ尻してるみっちゃんが見たい

■434.無題
ブルマの光秀ちゃんいいな

■435.無題
ブルマの光秀ちゃんハァハァ…


光秀「閲覧者もコメントも増えたなあ……でもブルマって何?」

検索中……

光秀「ふむふむ。こっちの世界の運動着か。インナーにもなりそうだし良いかも」

光秀「通販でもいいけど、実際に着用感を確かめてみたいわね」

~スポーツ用品店~

店員「いやー、うちじゃ扱って無いですね。この辺の店には無いと思いますよ」

光秀「そうですか……」

義光「こんにちわー。最上ですけど注文したブルマ取りにきましたー」

店員「あ、義光ちゃん。これだよ。中学の体育祭頑張ってね」

義光「はい!ありがとうございましたー」

トテトテ

光秀「……今のは?」

店員「ああ、あの娘は戦国武将だからね。戦国武将は武器の所持の他に、服装の自由も認められてて」

光秀「ええ」

店員「だから学校も指定の制服じゃ無くて良いんだ。あのブルマは特注品だよ」

光秀「なるほど……彼女に履き心地とか注文方法を聞いてみようかな」

店員「ありがとうございましたー」

ウイーン
ピュウー

光秀「ふ、ふくしゅっ!……寒いからマスクを着けよう」

ガサゴソ

光秀「これでよし、と。さて早く声を掛けないと。すみませーん、ちょっといいですか?」

義光「はい?……ひっ!痴漢っ!?」

光秀「え?……あ、これ普通のマスクじゃなくて変装用のだった」

義光「な……なに……?」

光秀「わたしは怪しいものではありません。その、ブルマが欲しくて」

義光「ブブ、ブルマ欲しがるなんてやっぱりヘンタイじゃない!このヘンタイ仮面!」

光秀「いえ。ヘンタイ仮面ではなくて、仮面の高僧マスク・ド・天海です」

義光「わたしから奪ったブルマをか、か、か被ったりするんでしょっ!?」

光秀「それはさすがに……(いや、信長様着用済みなら)アリかも……ハアハア」

義光「いやあぁぁーっ!助けてーーっ!!」
タッタッタッ

光秀「あっ!ちょっと待ってぇーっ!」
カッカッカッカッ

義光「来ないでよぉーっ!」

光秀「あ!ブルマ落としましたよ!ブールーマーっ!」

義光「うぅっ……もういやぁ」シャキン

キュイィィィィン

光秀「あ、そんな近距離から射ったらあぶな」

義光「ばかあーーーっ!!」

ちゅどーーーん

~光秀宅~

光秀「ふー、なんとか逃げ帰れた。どさくさに紛れて何故かブルマを持ってきてしまったけど……」

光秀「……ちょっとだけなら試着しても、良いわよね?」

しゅるしゅる

光秀「んッ、体に張り付く感じで脚が動かしやすい。機能性は合格ね」

くいっくいっ

光秀「でもちょっとサイズが小さくて食い込む……」

ぴっちぴちっ

光秀「……うーん、やっぱりちょっと恥ずかしい……ウェアの事はもう少し考えよう」

~数日後・光秀宅~

ピーンポーン

光秀「はーい。どなたですか?」

日暮「警察庁戦国武将対策室の日暮です。明智光秀さんにお話が」

カチャリ ガチャ

光秀「はい。何でしょう」

日暮「最近、戦国武将を狙ったと思われる犯罪が多発してまして」

光秀「まあ」

日暮「先日は帰宅途中の戦国武将が、強盗に遭う事件が発生しました」

光秀「ええっ!」

日暮「被害者はわいせつな言葉を浴びせられ追いかけられた上に、所持品を奪われました。犯人は被り物をした変質者だったそうです」

光秀「なんてひどい!わたしがいたら変質者なんて成敗してやったのに!!」

日暮「他にも、戦国武将が通う教育施設へ不審者が侵入し、凶器を振り回した事案が。これは子供達に撃退されたそうですが」

光秀「怖かったでしょうね。そんな変態、きっとろくな人間じゃないわ!」

日暮「なので戦国武将の皆さんに注意を促しているんです」

光秀「今のところわたしに被害はありませんけど気を付けますね」

日暮「何かありましたら、お近くの警察か戦国武将対策室へご連絡下さい」

光秀「はい。ご苦労様です」

ガチャン

光秀「ぶっそうだわ。信長様は大丈夫かしら。未だに公園暮らしだし……」

光秀「ここはわたしが影ながらしっかり見守って差し上げないと!」



プルルルル、プルルルル

信長「あ、戦国武将対策室?わたし織田信長だけど。最近誰かにずっと見られてる気がするのよね……」


~Fin~

戦コレ劇場ネタ
光秀メモリアル~For ever with you~

光秀「蘭丸が信長様にお仕置きされたらしい……記憶喪失中のわたしの世話が原因らしいけど……」

光秀「はっ!もしかして、わたしが誰かと仲良くすれば、信長様の気を惹けるのでは!」



光秀「家康殿。わたしと付き合っていただけませんか」

家康「えっ!?付き合って信長さんに噂とかされると恥ずかしいし……(ってそんな事したら信長さんに恨まれて何されるかわかんないよ~)」



光秀「義輝様。わたしと付き合っていただけませんか」

義輝「つきあう……?ほう様々な剣を学んだわたしと突き合いをお望みですか。では卜伝ちゃん直伝!一の太刀いぃぃ!」

光秀「きゃー!服がー!」



光秀「ふう、酷い目にあった……」

利休「どうしました光秀さん」

光秀「実はかくかくしかじかで」

利休「なるほど……ではうちのバーで働きませんか」

光秀「義輝様の気まぐれ……もとい、プロデュースで出来たバーですか?」

利休「ええ。夜のお仕事ですから信長様も心配して下さるかもですし」

光秀「働きます働きますお願いします!」

利休「フフフ……」



信長「利休ー。"ばあ"開店したって聞いたから来てやったわよー……って光秀あんたなんでここに?ってなにその格好!」

光秀「利休さんに働かないかって誘われて……この服はバニースーツといってこの店の制服なんですよ」

信長「(かわいい……なにこのかわいい光秀。お持ち帰りしたいかわいさ!)」

光秀「信長様、どう……ですか?この服……」

信長「(……でもわたし以外にこんな姿見せるなんて!しかも何かちょっとエッチな感じだし)」

信長「ふ、ふん。まあまあね」

光秀「まあまあ、ですか……」

信長「で、でもあんたがそんな格好でちゃんと働けるか気になるから、これから毎日来てあげるわ!」

光秀「信長様……!」

利休「ふふふ」


~Fin~

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小ネタ
~もし戦国武将が利休のバーで注文したら~

信長「鬼ころし」

光秀「山崎」

蘭丸「美少年」

謙信「とりあえずビール」

政宗「いつもの」

卜伝「スピリタス」

義輝「唐辛子入りウォッカを石舟斎さんに」

石舟斎「芋虫入りテキーラを義輝様に」

秀吉「米だけの酒」

雪斎「コラーゲン入りのやつ」

久秀「ヴァージン」

歳三「スコッチを少っちだけ」

総司「養命酒」

義光「キングサーモン」

経久「シャンメリー」

それぞれのハロウィン

~主従編~

信長「トリックオアトリート?」

光秀「トリックで!」

信長「ト、トリックオアトリート?」

光秀「イタズラして下さい!!」

信長「…………」



~主従編2~

清水「ハロウィンおめでとうございます経久様」

経久「清水君、ハッピーハロウィン」

清水「魔女の仮装、とってもよくお似合いです。まるで本物の魔女みたいです」

経久「ありがとう。実はね、わたし魔法が使えるんだよ。お菓子を出す魔法を」

清水「え!?本当に?」

経久「うん。今見せてあげるからちょっと待っててね」

トテトテ

経久「おにいちゃーん」

オタ「うほっ!向こうから幼女がやってきたでござる」

経久「おにいちゃん。とりっくおあとりーと!」

オタ「ハアハア。と、と、トリックで!いたずらを所望でゅふふふ」

経久「おにいちゃん……わたしにお菓子くれないの……?」うるうる

オタ「え?あ、今お菓子は持ってないでしゅ」

経久「あそこのこんびににハロウィン用のがうってるよっ!」

オタ「あ、ああ、ちょっと待ってるでござるよ」

ダッダッダッ

オタ「ハアハア……これで良いですかな?」

経久「うん!ありがとうおにいちゃん!ばいばーい」

オタ「ハアハア……」


経久「お待たせ清水君。これがわたしのハロウィンの魔法だよっ!」

ナレーション「戦争に於いて兵站は最重要課題である。それを舌先三寸でいとも容易く為した経久の姿は、まさに魔女であった。」

ナレーション「『余りに鮮やかな作戦に崇敬と畏怖の念を抱いた。私まで魔法に掛けられた様だった』と後に清水君は語っている」

~友人編~

真緒「ハロウィンは死者の霊がこの世にやってくる日といわれていますの」

義光「へぇ~……知らなかったよ……」

由美「案外この近くにいたりしてな。ほら、義光の後ろ!」

義光「もうー、変な事言わないでよ……」

村田「はあっぴいぃ~はろういぃぃぃんん」

義光「は、はひいぃぃいっ!って……村田さんか。おどかさないでよっ」

村田「学校には結界を張りましたから、悪い霊は入ってこれないはずです~」

義光「そ……そうなんだ……」

村田「もっとも入ってきたって、それはそれで私的にアリなんですけどねぇ~」

義光「(霊より村田さんの存在感の方が怖いっての!)」



~友人編2~

工員「おや、かわいいミイラ男がいるぞ。ハロウィンの仮装かい?」

吉継「え、ええ(これ普段着なんだけどな……)」

工員「じゃあ、はい。お菓子あげるからいたずらしないでくれよなっ」

吉継「あ、ありがとう(今さら言えない……)」

吉継「そっか、ハロウィンだから仮装の人達が街にいっぱいなんだ」

……フワリ

吉継「?……エンジェル!?」

天使「ハッピーハロウィン。ミイラ男さん」

吉継「あ……(天使の仮装をエンジェルと見間違えるなんて)」

天使「今日は街が賑やかね」

吉継「そうですね」

天使「知ってる?今夜は亡くなった人が親しい人に会いに来るんだって」

吉継「え?」

天使「これだけ人がいたら幽霊が混じってても判らないわよね」

吉継「ふふっ。そうかも」

天使「あなたも会いたい人に会うのかしら?」

フッ

吉継「え?……あれ?」

吉継「会いたい人、か。お迎えの準備してみようかな。貰い物だけどお菓子もあるし」



キンコーン

??「トリックオアトリート」

吉継「ハッピーハロウィン」


~Fin~

俺の芋がこんなに甘いわけがない


いーしやーきいも~
おいもーおいもーおいもだよ~~~

光秀「一つ下さい。中くらいのやつ」

芋屋「はいよっ。お姉さん可愛いからおじさんおまけしちゃうよ!」

光秀「まあ。うふふ。ありがとうございます」


光秀「はー、お芋が美味しい季節だわ。焼き芋ってしっとり甘くてしかもヘルシーな和スイーツよね」もぐもぐ

光秀「ふう、ごちそうさまでした」

蘭丸「あ、光秀さん。こんにちは」

光秀「あら、久しぶり」

蘭丸「そこで焼き芋買ったんですけど、光秀さんも一本どうぞ」

光秀「ありがとう。わたし大好きなのよね」

蘭丸「食物繊維豊富で体に良いですしね――あ! もうすぐ小包が届くんだった! すみませんが急ぐのでまた」

光秀「ええ、またね……お芋美味しい」もぐもぐもぐもぐ

??「あら光秀じゃない」

光秀「んっがっぐっぐっ」

??「あんた何やってんの?」

光秀「ふー、窒息して死因が芋になるところだった――って信長様!」

信長「そこで焼き芋買ったんだけど、あんたも食べる?」もぐもぐ

光秀「は、はあ」

信長「あんた芋好きじゃなかった?」

光秀「(3本目はキツいけど、信長様のご好意を受け取らない訳にはいかない……)で、では、戴きます」

信長「んー、ハロウィンのかぼちゃスイーツもなかなかだったけど、この時期の焼き芋は格別よねー」はぐはぐ

光秀「(信長様幸せそう。可愛い信長様と2人っきりで光秀胸が一杯です……まあお腹も一杯なんですがうう)」

信長「美味しいわね光秀!」

光秀「は、はいっ! ううう」もぐもぐ

信長「ところで利休の家にお茶しに行く所だったんだけど、あんたも一緒に行かない?」もぐもぐ

光秀「はい。お供します」

~利休宅~

光秀「(今、わたしの目の前には本日4本目の焼き芋が置かれている)」

利休「焼き芋の美味しい季節になりましたのでお茶請けにしてみました」

光秀「(戦国武将の間で焼き芋ブームでも起きているのかしら……)」

信長「いただきまーす。んっ、ねっとりとした官能的な舌触り」

利休「これは安納芋です。甘くてトロリとした食感が特徴なんですよ」

光秀「(しかも濃厚そうな代物……)」

信長「焼き芋はさっき食べたばかりだけど、いくらでもお腹に入っちゃうわ」はぐはぐはぐはぐ

利休「本場種子島から取り寄せた甲斐がありました」

光秀「(茶を嗜む者として利休殿の心尽くしを食べない訳にはいかない……うう)さ、さすが本場物ですね」もぐもぐ

信長「ふー、お腹いっぱい」

キュピーン!

光秀「(――うッ! 下腹部から臀部にかけて膨張感と緊張感が! この感じは芋を食べれば避けられない宿命の……)」

利休「粗茶をどうぞ」

信長「んっ。芋の繊維が洗い流されてさっぱりするわ。芋とお茶の組み合わせ、やるじゃない利休」

利休「恐れ入ります」

光秀「(わたし明智光秀は、今――おならがしたい)」

利休「光秀さんもどうぞ。粗茶です」

光秀「(でも茶席の最中に中座なんてできないーっ! こっそりなんてここじゃ無理だし我慢よ我慢)結構な御点前です」

利休「お粗末様でした」

光秀「さて、ちょ」

信長「もう11月なんて早いわよねー。この分だと年末もあっという間ね」

利休「ええ。信長様はクリスマスとかどうなさるんですか?」

光秀「(――信長様のクリスマスですってッ!? これは信玄……もとい真剣に聴かないと)」

信長「今年はバケツに入ったチキンを食べてみたいのよねー。ケーキはどうしようかしら」

利休「フフフ。クリスマスはチキンとケーキを食べるだけの日ではありませんよ」

光秀「(信長様のクリスマスの予定はフリーね! わたしの腸内の予定は詰まってますけどってああああ)」

信長「あんたはどうなの、光秀」

光秀「へ? と、特に決めてないですね」

信長「そっか。皆でパーティーでもやる? よっしーの所でやったら盛大になりそうね」

利休「義輝様はご自身主催のクリスマスパーティーがありますよ」

光秀「(ううう、盛大に切羽詰まってきた……頑張れ光秀、ここが天王山よ!)さすが義輝様ですねー」

利休「先日はハロウィンパーティーもやりましたからね。わたしはクリスマスもお手伝いするかもしれません」

信長「そうなの。あ、利休。ちょっとトイレ貸して」

利休「はいどうぞ」

光秀「わ、わたしもお借りしますっ!」



光秀「ふー、やれやれ。一時はどうなるかと思ったわ……ん、この小包は?」

利休「お二人が中座された間に届いたんですよ。義輝様からです。噂をすれば、でしょうか」

信長「ふーん、中身は何なの?」

利休「えーっと、同封のお手紙によるとハロウィンパーティーのお手伝いをしたお礼の品、だそうです」

信長「へえー」

利休「品物は――お芋ですね」

光秀「!」

利休「たくさんありますから、宜しければ信長様と光秀さん少しお土産に」

光秀「あはは……は、は」


 ――明智光秀。その名は稀代の焼き芋ガールとして天下に轟く事になるのであった。


~Fin~

※オリキャラ登場注意

─ブラックジャックによろちくわ─


~源内宅・夕刻~

源内「さーてそろそろ晩御飯を……あー、冷蔵庫に残ってるちくわ食べなきゃ」

トントントントン

源内「秋祭りでちくわの蒲焼きの屋台をやった時の残りがまだあるのよね……」

ボッ

源内「この町内でわたしほどちくわを食べてる女は多分居ないだろうなー」

ジュー

源内「ちくわの神様がいたらわたしご褒美貰えるんじゃないかね、ははは」

ジュージュー

源内「ちくわの神様ちくわの神様、わたしに美味しい晩御飯を食べさせて下さいな」

パンパンッ

源内「なーんてねっ」


(その願い、叶えてしんぜよう)


源内「ん? 今、声が……」

??「ここじゃここじゃ」

源内「あら? お嬢ちゃんだあれ? どこから入って来たの?」

??「ご挨拶じゃのう。お主に呼ばれて来たというに」

源内「わたしがお嬢ちゃんを呼んだ? あなた、お名前は?」



??「ちくわ大明神じゃ!」

源内「大明神……? 神様なの?」

ちくわ「そうじゃ。余は神様じゃ」

源内「お嬢ちゃんが? ホントにー?」

ちくわ「やれやれ。信じない者は救われんぞ。とりゃ」

ポムッ

源内「わ、何もない所からちくわが」

ちくわ「ほれ。食べてみい」

源内「はあ、いただきます。むぐむぐ……美味しい!」

ちくわ「そうじゃろう! これで信じたか?」

源内「うーん、でも手品かも──そうだ! 神様ならわたしを有名な発明家にしてお金持ちに」

ちくわ「無理」

源内「即答!?」

ちくわ「神様にも専門分野があっての。余にできるのはちくわ関係のみじゃ。他は己で何とかせい」

源内「狭い専門分野だ……。ところであなた何しに来たの?」

ちくわ「じゃから、お主が呼んだのではないか。ちくわの神様美味しい晩御飯が食べたい、と」

源内「まあ、言ったけど」

ちくわ「それで美味しいちくわ料理を食べさせようと出てきたのじゃ」

源内「しまった! それならうなぎの神様を呼べば良かったー!」

ちくわ「ん? あの方ならうなぎが絶滅しそうだと言うて今は忙しいぞ。とても来られまいて」

源内「そっかー切実だ……」

ちくわ「なんじゃ、お主うなぎが好きなのか?」

源内「うん。ちくわはわたしにとって、うなぎの代用食だからねー」

ちくわ「ガ─────ン! ちくわは……ちくわは駄目か? 嫌いなのか?」

源内「あー! ちくわはちくわで好きだから! 涙目にならないで!」

ちくわ「ぐすっ。というわけで、ちくわで晩御飯を作るぞ」

源内「よろしくお願いします」

ちくわ「ところでお主は何を料理しておったのじゃ?」

源内「ちくわの蒲焼きだよー。食べてみる?」

ちくわ「いただきます……む、なんじゃこれは。ちくわが固すぎるぞ」

源内「冷蔵庫に何日も入れっぱなしだったからね……」

ちくわ「おまけに蒲焼きのタレを入れすぎじゃ。ちくわを食べてるのかタレを食べてるのか分からん」

源内「おー手厳しいー」

ちくわ「では冷蔵庫のちくわを使うか……煮込み料理なら柔らかく食べられるの」

トントントン ボッ

源内「ちくわを出汁で煮込んで、味噌とみりんと醤油をタレに……これは田楽?」

ちくわ「うむ。少しくらいなら冷蔵庫の匂いもごまかせるでな」

源内「あはは。そっちのはすまし汁だね」

ちくわ「そうじゃ。菜っぱと切ったちくわを入れて出来上がりじゃ」

源内「へー。かまぼこみたいな使い方だね」

ちくわ「そりゃちくわとかまぼこは、元々は同じ物じゃからの」

源内「衝撃の事実だよ!」

ちくわ「なので似たような使い方ができる。椀物や麺類の具、卵とじにして丼にも良いぞ」

ジャージャー

源内「便利だねー。あ、そういうのも作ってくれるんだ」

ちくわ「汁物煮物炒め物やサラダに何か一味足りないな、と思った時にはちくわじゃ」

源内「ちくわ万能説だ!」

ちくわ「魚のすり身が原料じゃからダシも出るしの。それ、ちくわ天が出来上がったぞ」

ジュー

源内「おー。ちくわ料理の定番だね」

ちくわ「注意点は火が通りすぎると固くなってしまうことじゃな」

源内「そうなんだよねー。見極めが肝心」

ちくわ「手間をかけたくない時は、ちくわの輪切りを醤油炒めにして七味をかけただけ、という物もなかなかオツじゃぞ」

源内「酒のつまみっぽいね。ていうか、料理が手早いねー。話しながら次々完成していくよ」

ちくわ「何しろ余はちくわ大明神歴400年じゃからの。ちくわ料理は嫌でも上手になるわえ」

源内「超ベテランだった!」

源内「おー! ちくわ丼にすまし汁に田楽にちくわ天、炊き合わせに醤油炒めにサラダに……」

ちくわ「ちと作り過ぎたかの」

源内「ありがとう。おかげで冷蔵庫のちくわが全部使いきれたよ」

ちくわ「うむ! 久しぶりに腕が振るえて、余は満足じゃ! ……さて、そろそろ帰るかの」

源内「え? 食べていかないの?」

ちくわ「余の務めは、お主に美味しいちくわ料理を食べさせる事、じゃからの」

源内「えー……」

ちくわ「なに、お主がうなぎからちくわへ宗旨変えすればまた会えるかもしれん」

源内「それは無理だわ!」

ちくわ「ふふふ……あ、お主に美味しいご飯を食べる方法を、もう一つ教えてやろう」

源内「なんなの?」

ちくわ「それはの──誰かと一緒に食べること、じゃ」

源内「え……」

ちくわ「さらばじゃ、源内」

サアアァァ……

源内「消えた……本当に神様だったんだ……」

助手「こんばんはーっ! 源内ー! いるー?」

源内「おお。こんな時間にどうしたんだね助手?」

助手「クラブの練習で遅くなっちゃってさー、お腹ペコペコ……うわ、すごい料理だね!」

源内「──ちょうど良かった。今から晩御飯なんだけど食べていかない?」

助手「いいの!? やったー!」

源内「(誰かと一緒に食べること、か)」

~明くる日・源内宅~

助手「げーんーなーいー! 源内ー!!」

源内「んー、なんだね助手? そんなに慌てて」

助手「大変なんだよー! 助けてー!」

源内「一体何があったの?」

助手「おでんのちくわを食べてたら変な女の子が出てきて!」

ヒョコッ

ちくわ「また会うたの」

助手「神様だとか訳わかんない事言ってるし、どこまで逃げても付いてくるし助けてよー!」

源内「あははっ……世話が焼けるなあ」



─ブラックジャックによろちくわ─


~Fin~

【華麗】片倉小十郎誕生日記念SS


~政宗宅~

小十郎「ただいま帰りました」

政宗「おかえり小十郎」

小十郎「うわー……すごい料理ですね」

政宗「今日はお前の誕生日だからな。少しはりきってみた」

小十郎「政宗様……(温泉宿でメイド修行して政宗様に歓んでいただこうと思ったけど)」

政宗「ケーキもあるぞ」

小十郎「あ、ありがとうございます(料理はもっと努力しなくてはいけない様ね……)」

政宗「そういえば今日はポッキーの日でもあるそうだな」

小十郎「ええ。数字の1がポッキーに見えるから、だそうですね」

政宗「ポッキーゲームという遊びがあるそうだが、小十郎、やってみないか?」

小十郎「はい。教えて下さい」

政宗「では用意したこのポッキーを……」

小十郎「ポッキーを?」

政宗「胸に挟む」もにゅん

小十郎「ふむふむ」

政宗「この状態で相手に食べさせるそうだ。さあ、小十郎」

小十郎「では失礼して」カリカリカリカリ

むにゅん

小十郎「ごちそうさまでした」

政宗「どうだ小十郎、面白いか?」

小十郎「面白いかと聞かれますと……政宗様の胸は弾力がありましたが」

政宗「はて? ミドリ組にいた時に『政宗姐さんならこれで相手はイチコロですぜ』と教わったのだが」

小十郎「ではわたしも試してみましょう。こうやってポッキーを挟んで……と」ふにゅん

小十郎「どうぞ政宗様」

政宗「いただきます」カリカリカリカリ

ぽにゅん

小十郎「如何ですか?」

政宗「ふむ……別に面白くはないな。小十郎の胸は柔らかいが」

小十郎「もしかしたら裏社会でのみ通用する符丁のようなものかもしれませんね」

政宗「かもしれんな」

小十郎「……政宗様、胸元にチョコレートが付いてますよ」

政宗「ん? この褐色の肌は生まれつき……いや、小十郎、取ってくれないか」

小十郎「はい、政宗様……」

政宗「おいで小十郎──」


こうして2人の夜は更けていく──。



~Fin~

ポッキーの日


~上杉家の場合~

兼続「謙信様、ポッキーゲームしましょう」

謙信「なあにそれ?」

兼続「二人でポッキーを端から食べていくゲームです」

謙信「へえ。でもポッキーじゃ清酒のつまみにはならないわねぇ」ぐびぐび

兼続「……飲み過ぎですよ」

謙信「あ、このチータラでだったら良いわよ。やり方教えて兼続。ん──」

兼続「えと……それぞれ両端を口に加えてですね。はむ」

謙信「むー……」

兼続「ほれから同時に食べていひまふ。むぐむぐ」

謙信「……」

兼続「先に離ひはほうは負ひぇ……けんひんひゃま?」

謙信「くー。くー」

兼続「もう……」

謙信「かねつぐぅ……くー」

兼続「謙信様ったら」

~暗殺者たちの場合~

アゲハ「お腹減ったね……」

善住坊「そうだな……」

アゲハ「オリンピックが開催決定して以来」

善住坊「清掃局や警察がうるさくなって、路上や公園での寝泊まりが難しくなって」

アゲハ「どこにも居場所がない……」

善住坊「食べ物も無い……」

アゲハ「お腹減ったね……」

善住坊「そうだな……」

アゲハ「最後の食糧はポッキー1袋……」

善住坊「次は食べ物をいつ確保できるか……」

アゲハ「すぎっち。ポッキーゲームって知ってる……?」

善住坊「いや。聞いたことが無い……」

アゲハ「二人で両端からポッキーを食べていってね、先に口を離した方が負けなの……」

善住坊「そんなゲームがあるのか……」

アゲハ「ポッキーゲームしながら二人で分けて食べましょ……」

善住坊「ふ……勝負事なら負けないぞ……」

~織田家の場合~

光秀「信長様。今日は何の日かご存知ですか?」

信長「11月11日? 知らないわ」

光秀「ポッキーの日です。ポッキーが並んでる様に見えるからだとか」

信長「へえ」

光秀「こちらの世界では今日、ポッキーゲームをするのが習わしだそうです」

信長「ふーん。どんなゲーム?」

光秀「一本のポッキーを二人で両端から食べていく遊びです」

信長「面白いのそれ?」

光秀「是非やってみましょう是非」

信長「私、今お腹空いてるのよね。ポッキーじゃお腹に溜まらないからいいわ」

光秀「(ああああぁ……今日なら信長様と合法的にお近づきになれると思ってポッキー買い占めて修行したのにっ!)」

光秀「おや? それはなんですか?」

ガサガサ

信長「これ? コンビニの巻き寿司よ。自分で海苔を巻くタイプだからパリパリなのよねー」

光秀「(はっ! これをポッキーの変わりにすれば!)」

信長「いただきまーす」はぐっ

光秀「信長様。私にも一口いただけませんか?」

信長「ひーわよ?」まぐまぐ

光秀「では失礼して」はぐっ

信長「!」

光秀「(ああ信長様のお顔が段々近くに……)」はぐはぐはぐはぐはぐ

信長「!!」

光秀「(もう少しあと少……うッ)」

光秀「んがんッぐっ! ぶえっほげっへげほげほ」

信長「大丈夫!? ほら! お茶飲んで」

光秀「んぐっぐっぐっ……ふぅ、落ち着いた。慌てて喉に詰まらせるなんて。すみません信長様」

信長「びっくりしたわよ。あんたそんなにお腹空いてたの? ごくごく」

光秀「え、ええ(あ、信長様がわたしの飲んだお茶を……これって……)」

信長「じゃあこれから一緒にご飯食べに行きましょ」

光秀「はい! お供しますっ!」

信長「あ、巻き寿司半分以上食べたあんたのおごりよ」

光秀「えー」

信長「あはは。ついてきなさい! 光秀!」

光秀「(失敗しちゃったけど……今日も信長様と一緒!)」

~アイドルの場合~

家康「この両手の紙袋いっぱいのポッキー、どうしよう……」

テクテク

家康「ポッキーのCMの撮影で余ったからって貰ってきたけど、食べきれないよ……」

テクテク

家康「三食ポッキーっていうのもちょっと……あれ? 道端に何かうずくまってる。狸?」

善住坊「ううん……腹が減って目が霞む……」

アゲハ「あ、パトラッシュ……君の顔を食べさせてくれるの……?」

家康「わーっ! 大変! お腹空いてるの!? えっとえっと……あ、このポッキーで良ければ」

善住坊&アゲハ「ガフガフガフガフガフガフガフガフガフガフガフガフガフガフガフガフ」

家康「うわー、よっぽど腹ペコだったんですね……」

男A「あ、家康ちゃんだ!」

男B「ホントだ! おーい、家康ちゃんがいるぞー!」

家康「いけない、騒ぎになっちゃう! あ、ポッキー全部食べて良いですからっ!」

タッタッタッタッ

アゲハ「……ふーっ、お腹いっぱい」

善住坊「ああ、助かった。しかし誰がこれを?」

アゲハ「わかんない。食べるのに一生懸命で、気が付いたらいなくなっちゃってたし」

善住坊「ふむ、不思議な事も有るものだな」

アゲハ「もしかして神様かな? ポッキーの神様!」

善住坊「なんだそれは? まあ八百万の神の中には、そんな神もいるかもしれんがな」

アゲハ「絶対そうだよ! 今日はポッキーの日だから、良い子のアゲハちゃん逹を助けてくれたんだよ!」

善住坊「ふふっ、そうだな」

アゲハ「ありがとう! ポッキーの神様!」



【ポッキーの日】


~Fin~

─DIETマシーン あんたにゃ勿体ないわたしは本当ナイスバディ?─


~広場~

源内「さーて、新発明品のダイエットマシンを宣伝するぞー! ダイエット好きそうな女の子は……と」

源内「ちょいとそこのお嬢さん! ダイエットに興味無い!?」

義光「え? わ、わたし?」

源内「ハードな運動や辛い食事制限とはもうオサラバ! 普通に生活してるだけで痩せる機械だよ!」

義光「へー……」

源内「対象者の周囲にだけ重力異常を発生させて、通常の数十倍の負荷を掛けることにより、普段と変わらぬ行動をしているだけで消費カロリーを格段にアップさせるってゆー仕掛けなんだよ!」

義光「それにしても、機械がちょっとおっきすぎない?」

源内「重力を最大400倍にまで調整できる様にしたからね」

義光「なんかの修行に使えそうだね……」

源内「購入してくれたら金利手数料と送料は源内が負担するよー」

義光「んー、でもいらないかな。わたし太らないし」

源内「なんとっ!?」

義光「好きなものいくら食べても増えないんだよね。あ、今から友達とケーキバイキング行くんだ! じゃーねーお姉さん」

源内「うーん、中高生くらいだと代謝が良いから必要ないよねー。失敗失敗。じゃ、もう少し年上の女性を……」

源内「ちょいとそこのナイスバディなお姉さん! ダイエットに興味無い!?」

慶次「ん? 何か用か?」

源内「ハードな運動や辛い食事制限とはもうオサラバ! 普通に生活してるだけで痩せる機械だよ!」

慶次「いらん」

源内「あーちょっと待って! 話だけでも聞いてってば!」

慶次「仕方ないな、なんだ?」

源内「対象者の周囲にだけ重力異常を発生させて、通常の数十倍の負荷を掛けることにより、普段と変わらぬ行動をしているだけで消費カロリーを格段にアップさせるってゆー仕掛けなんだよ!」

慶次「長いな。分かり易く三行で説明してくれ」

源内「重力発生装置
   普段の生活でウェイトトレーニング
   ちくわは立派な食文化」

慶次「余計なのが混じってたぞ」

源内「どう? 興味湧いてきたでしょ!?」

慶次「……虎はなにゆえダイエットしないと思う?」

源内「ん?」

慶次「もともと痩せているからよ。さらば」

源内「うーん、ナイスバディな人は常に体型維持に気を遣ってるだろうから駄目かな……もっと普通っぽい人に……」

源内「ちょいとそこの可愛いお姉さん! ダイエットに興味無い!?」

光秀「はい? わたしですか?」

源内「ハードな運動や辛い食事制限とはもうオサラバ! 普通に生活してるだけで痩せる機械だよ!」

光秀「へえ、便利ですね。どうやって使うんですか?」

源内「対(中略)ってゆー仕掛けなんだよ!」

光秀「はあ、鍛練はそんなに必要ないんですが……」

源内「あー、他にも発明品はあるから、お姉さんの役に立てるかも?」

光秀「最近体調が優れないんです。お腹をすっきりさせたくて、焼き芋をたくさん食べてるんですけど……」

源内「どのくらい?」

光秀「この間は1日4本食べる機会がありましたね」

源内「そりゃ食べ過ぎだわ。食物繊維は摂り過ぎると却ってお腹が張っちゃうよ」

光秀「えっ!? 食べれば食べるほど体に良いと思ってました」

源内「バランスが大事だよ。焼き芋を減らして、他の物を食生活に取り入れたらどうかな?」

光秀「そうですね、試してみます。ありがとうございました!」

源内「しまった、普通にアドバイスしちゃって発明品を売り込み損ねた。さーてどうしたもんかねー……」

雪斎「すみません……その機械なんですが」

源内「はい? ダイエットマシンですか?」

雪斎「ええ。わたしの──上司なんですが、最近お取り寄せスイーツの食べ過ぎでなまってしまって」

源内「トレーニングにはピッタリの機械ですよ! 重力の微調整が可能ですから、体力に合わせて使用できます」

雪斎「ではそれを下さい」

源内「あ、ありがとうございます! 送料手数料は源内が負担……」

雪斎「いえ、お持ち帰りで。小太郎! この機械を持っていって頂戴」

小太郎「えー!? 滅茶苦茶重そうじゃないかー」

雪斎「(配達を頼んで秘密基地の住所がバレたら困るでしょう!)」ひそひそ

小太郎「雪斎様は人使いが荒いなー。よっこらせっ、と」

雪斎「ではこちらが代金です」

源内「は、はい。ありがとうございましたーっ!」


源内「ふー、何とか売れたよ。今日は久しぶりに助手と鰻重を食べるかねー」


~今川家秘密基地~

雪斎「義元様! まだ重力は10倍ですよ!」

義元「う……動けませんわ……」

雪斎「打倒信長の為です! まだまだいきますよ! 重力20倍っ!」ポチッ

ズウゥゥン

義元「おにへえぇぇぇ……」



~Fin~

~将棋の日~

光秀「信長様、今日11月17日は将棋の日だそうですので将棋を指しませんか?」

信長「そうなの。良いわよ」

光秀「普通に指してもつまらないですから、何か賭けましょう」

信長「えーと、ちゅうちゅうたこかいな、と」

光秀「いやいや! お金を賭けるのは現代では違法ですから!」

信長「じゃあどうするのよ?」

光秀「駒を取られる度に身に付けているものを一枚脱ぐ、というのはどうでしょうか」

信長「ふーん、面白そうね。それでいきましょ」

光秀「(策士と呼ばれたわたしに掛かれば信長様を……うへへへへ)」

パチリ

光秀「はい。歩いただきます」

信長「あら。仕方ないわね。じゃティアラを」スッ

光秀「(ふ、まあ最初はこんなものよね)ではもう一枚歩を」パチリ

信長「あら、やるわね。んじゃブレスレットを」シュッ

光秀「(ふふ、まだまだ)角もいただきです」パチリ

信長「是非もないわね。チョーカーを取るわ」

光秀「(信長様の首筋! うなじ! 少しずつ脱いで頂くのっていいわねハアハア)」

信長「うーん、ここをこうして……と」

光秀「(物思いにふける信長様も可愛い……考えさせてるのは、わ・た・し。うへへへ)」

信長「はい、歩もーらい」パチリ

光秀「あら、ではリボンを」しゅるっ

信長「角返して貰うわ」パチリ

光秀「じゃあ鈴を」ちゃりん

信長「桂馬いただき」パチリ

光秀「うっ、で、では上着を……」しゅるりら

信長「あら、あんたって意外と薄着だったのね」

光秀「え、ええ、まあ」

信長「それ。香車取ったわよー」

光秀「(しまった! いつの間にか振り飛車囲いの形が……)も、もう脱ぐものが……」

信長「わたし達2人しかいないんだし脱いでも良いじゃない。それにあんたの上、見せブラでしょ」

光秀「う、鬼ですね信長様」

信長「鬼じゃなくて魔王って呼ばれてるわね」

光秀「(今、わたしは信長様の目の前に生まれたままの姿で座っている)」

信長「じゃあ飛車取り!」パチリ

光秀「さて、すっかり脱ぐものが無くなった訳ですが」

信長「んー……じゃあ脱ぐ代わりに、わたしの言う事を聞くってのはどう?」

光秀「わたしが持ち掛けた勝負ですから……し、仕方ありませんね」

信長「一発ギャグやって」

光秀「へ!? ギャグですか?」

信長「面白いの見せてよ」

光秀「で、では『信玄と謙信が病院で真剣に検診を受けていた』……なんちてー」

信長「あんたセンス無いわね」

光秀「一刀両断ですね!」

光秀「(結局、玉を一枚残して丸裸にされてしまった……まあ実際、裸にされてますけど)」

信長「はあー、光秀のギャグも飽きたし王手、っと」パチリ

光秀「ま、参りました……信長様がこんなに強かったなんて……」

信長「わたし将棋は見るのも指すのも好きよ。あっちの世界でも人集めて指してたし」

光秀「そうだった……忘れてた」

信長「じゃあ最後の言う事を聞いて貰おうかしら」

光秀「もう好きにして下さい……」

信長「また──あんたと遊んであげても良いわよ」

光秀「え!?」

信長「だから! もっとわたしの所に遊びに来なさいっ!」

光秀「は、はいっ!」

信長「さーて、頭を使った遊びをしたから、次は体を使った遊びをしたいわね」

光秀「今度は何を?」

信長「卓球とかビリヤードなんて良いわね。その後は利休のバーでも行こうかしら」

光秀「休日って感じですね」

信長「じゃ行くわよ! 光秀、付いてきなさい!」

光秀「はいっ! 信長様!」



~Fin~

信長様!信長様!信長様!信長様ぁぁああああぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!信長様信長様信長様ぁああぁあぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!小悪魔王・織田信長様の桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
水着の信長様かわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
ピンズも発売決定されて良かったですね信長様!あぁあああああ!かわいい!信長様!かわいい!あっああぁああ!
コンプティークでノベルも発表されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!ノベルなんてわたしの扱いがひどい!!!!あ…CDドラマも原作ゲームもよく考えたら…
信 長 様 は わ た し に 興味 が な い ?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!復讐の牙ぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!ガチレズなんかやめ…て…え!?見…てる?温泉の信長様がわたしを見てる?
バスタオル一枚の信長様がわたしを見てるわ!信長様がわたしを見てるわ!SDキャラの信長様がわたしを見てるわ!!
ボイスカードの信長様がわたしに話しかけてるわ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないのねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!わたしには信長様がいる!!やったよ利休さん!!ひとりでできるもん!!!
あ、アニメの信長様ぁああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあ義輝様ぁあ!!ひ、秀吉!!蘭丸ぅうううううう!!!義元殿ぉおおお!!
ううっうぅうう!!わたしの想いよ信長様へ届け!!公園暮らしの信長様へ届け!

─雪見だいふくの日─

~深浅寮・総司の部屋~

総司「ふんふふーん♪ 今日のスイーツは雪見だいふく! しかもいちごミルク味! いっただきまー……」

コンコン

歳三「総司ー、ちょっといいかー?」

総司「……はーい、どうぞー」

ガチャ

歳三「数学の問題で聞きたいことが……おや、良い物があるじゃないか」

総司「ええ、今から食べようとしてたところですので……」

歳三「今日11月18日は雪見だいふくの日だそうだな。わざわざ副寮長のわたしのために用意するとは感心感心」

総司「全然違います……まあ2個入りですから1個ずつ食べましょう」

勇「総司ー、コンビニでスイーツ買ってき……あら、わたしのために雪見だいふくなんて用意いいじゃなーい♪」

総司「厄介な人が増えてしまいました」

勇「あらご挨拶ね。その雪見だいふくで手をうつわよ」

歳三「カッちゃん、2個あるから1個ずつ分けよう」

総司「いや、その理屈はおかしい。もともとわたしのおやつです!」

勇「んー、仲良く3人で食べるには今晩のお鍋の具に……」

総司「寮長!?」ギラリ

勇「……というのは冗談で──誰が食べられるかゲームで決めない?」

歳三「面白そうだしわたしは構わんぞ」

総司「……なんか納得いかないですけど、お鍋で遊ばれるよりはマシですかね、はあ」

勇「雪見だいふくいちごミルク味取りゲームでどう!?」

歳三「なんだそれは?」

勇「椅子取りゲームの要領で、音楽が鳴り終わった時に雪見だいふくの前にいた人が食べられるの」

総司「まあそれぐらいなら……では準備しましょう」

勇「じゃあ使う曲はスマホでダウンロードして……んー、この歌なんか面白そうね。これにしよっと」

歳三「曲はどうやって止めるんだ?」

勇「タイマーを使うわ。歌が無音バイブに変わったら雪見だいふくゲット開始よ!」

総司「ではいきましょうか。わたしの雪見だいふく、待ってて!」

勇「じゃあ、ミュージックスタート!」

♪~

総司「聞いたことのない歌ですね」テクテク

歳三「ノリの良い出だしだな」テクテク

勇「回れ回れー!」テクテク

♪~1分経過~

総司「まだ続きますか」テクテク

歳三「いつ止まるか分からなくてなかなかスリリングだな」テクテク

勇「それそれー」テクテク

♪~3分経過~

総司「……いつまで続くんですか、これ」テクテク

歳三「というかこの歌、何番まであるんだ?」テクテク

勇「誰よこんな歌選んだのー?」テクテク

歳三「あんただよカッちゃん……この歌何て曲だ?」テクテク

勇「えーっと……『鉄道唱歌フルコーラスバージョン』」テクテク

総司「その歌、確か377番まである、すっっっごい長い曲ですよね……」テクテク

勇「えーそうなの? 知らなかったわ」テクテク

歳三「タイマーの設定時間は?」テクテク

勇「明日遅刻しないように朝7時にかけといたわ!」テクテク

総司「やめた」

歳三「そうだな」

勇「うーん、ウケると思ったんだけどなー」

総司「雪見だいふく溶けちゃうじゃないですか! 何を考えてるんですかまったくもうっ!」

勇「でもカチカチだった雪見だいふくが、柔らかく食べ頃になったからいいじゃない」

総司「そういう問題でもありませんが……一体どうするんですか?」

歳三「食べ頃を逃してはいかんな。三等分して3人一緒に食べよう」

勇「異議なーし」

総司「異論はありません」

歳三「では任せろ」

名 刀 和 泉 守 兼 定

総司「最初からこうすれば良かったんじゃ……」もぐもぐ

歳三「この時期のアイスもたまに食べるとうまいな」もぐもぐ

勇「やっぱり3人一緒がいいわよねー」もぐもぐ

総司「最初わたしから巻き上げる気まんまんだったじゃん……ところで副寮長、何のご用でしたっけ?」

歳三「数学で球体の体積の求め方が解らなくてな、参考書の問題が解けんのだ」

総司「それは微積分を使うんですよ……ん? その割には雪見だいふく、うまく三等分できてますよね?」

勇「見た感じぴったりよ」

歳三「それはなんとなくだ。兼定を使う時は自然と綺麗に等分に斬れる」

総司「その才能を少しでも勉強に向けて下さいよ……」

歳三「そうか! 答えは『なんとなく』だな!」

総司「なんでですかっ!」

勇「あはははははっ!トシってば今日も面白ーい!」



~Fin~

~ボジョレー・ヌーボー解禁日~

~イベント会場~

司会「本日は『戦国武将とボジョレー・ヌーボーを楽しもう!』にお越しいただきありがとうございます。ではゲストの登場です!」

キャー!

謙信「こんにちは。上杉謙信です」

家康「徳川家康です! よろしくお願いします!」

司会「今日はお二方とボジョレーを一緒に楽しむという企画ですが、謙信さんはお酒好きだそうですね」

謙信「大好きっ! 日本酒ならかけつけ一升ねっ!」

司会「……え!?」

家康「(謙信さん、今日のお仕事はワインのイベントなんですよ! 台本に『ワインを良く飲みます』と答えて、って!)」ヒソヒソ

謙信「(しまった、うっかりしてたわ)えーと、ワインも好きです! 汗がワイン色になるくらい」

司会「……そ、そうですか。女優さんみたいですね。家康さんは、ワインにまつわるエピソードとか思い出ってありますか?」

家康「はい。戦国世界では周りの武将が皆お酒を飲んでいたので、ボジョレーって興味があります」

司会「なるほど。では家康さんも興味津々の、今年のボジョレー・ヌーボーを早速体験していただきましょう!」

司会「本日ご用意したのはボジョレーの皇帝、ジョルジュ・デュノア氏が醸したヌーボーです」

謙信「(まだ飲めないのかしら……)」

司会「アルコールの苦手な方や未成年の方には、同社製のスパークリングジュースがございます。家康さんにはこちらをお渡ししてます」

謙信「あら? 飲めないの?」

家康「一応未成年(事務所発表)でアイドルやってるので……」ヒソヒソ

司会「グラスは行き渡りましたか? では乾杯!」

謙信「おかわり」

家康「早っ!」

司会「……ご、豪快ですね。お味のほうはどうですか?」

謙信「うーん、もう一杯飲まないと解らないわね!」

家康「(謙信さーん! 台本には『フルーティさとフレッシュさのバランスが良い』ってコメントをって!)」ヒソヒソ

謙信「(やっちゃったわ、慣れてないのよねこういうの)えーと、バランスが取れてますね。平均台みたいに」

司会「……えー、今年のフランスは寒暖の差が激しくバランスの良い味わいに仕上がった、という評価と一致しますね」

うさぎ巫女「おかわりお持ちしましたー」

謙信「ありがとう」ぐびぐび

司会「……い、家康さんのグレープスパークリングジュースのお味の方は?」

家康「なんというか、繊細な味で美味しいですっ! ワインも早く飲めるようになりたいな」

謙信「いいじゃん飲んだって。実はサバ読んでましたってことにすれば」ぐびぐび

家康「わー! もうこんなに飲んじゃったんですかっ!?」

うさぎ巫女「謙信さんが、まどろっこしいからまとめてフルボトル何本か持ってこいって……」

家康「謙信さーん、酔ってますかー?」

謙信「らいじょぶらいじょぶー」

司会「だめだこりゃ」

謙信「この世界いるとさあ、誰それが実は何歳だの整形したのって嫌でも耳に入っちゃうのよねー、イヤーだけに」ぐびぐび

家康「危ない話題はそのあたりで……」

謙信「歳だの顔だの誰と誰が付き合ってるだのなんてどーだって良いじゃないのー。あ、わたし同棲してまーす!」

家康「わーっ! 誤解を呼ぶ発言ですよそれ! ルームシェアしてるのは昔から謙信さんのお世話してる直江兼続さんですよねっ!?」

謙信「そー。かねつぐ! かわいくってだーいすきっ! 料理がとっても上手なの!」

家康「か、兼続さんって家庭的な女性ですよねっ! (なんでわたしが謙信さんのフォローしてるんだろ……)」

謙信「なーにー? あなた兼続好きなのー? 兼続はわたしのものだからあげないわよー?」ぐびぐび

家康「(タチの悪い絡み酒……ふえーん)」

謙信「でも最近、兼続の料理が美味しすぎて、ちょっと太ってきちゃったのよね……」ぐびぐび

家康「(酒のせいもあるんじゃ……)そ、そうは見えないですよ」

謙信「ううん、お肉がついちゃったのっ! ほら、ここ見てここっ!」

家康「わーっ!? こんなところで脱いじゃ駄目ーッ!」

司会「……えーと、謙信さんはお疲れのようなので楽屋でお休みいただきましょう……コンパニオンさんお願いします」

うさぎ巫女「はーい! せーのっ!」

うさぎ巫女&きつね巫女&ねこ巫女「わっしょい! わっしょい! わっしょい! わっしょい!!」

~明くる日・光秀宅~

光秀「えーっと、昨日は信長様と一緒に利休さんのバーでボジョレー・ヌーボーを飲みました、美味しかった……と」

カタカタ

光秀「ブログのアップ完了、っと……ん? 話題の記事に『上杉謙信ご乱心? イベントで爆弾発言の嵐』……どれどれ?」

カチカチッ

光秀「なになに『ボジョレーイベントでモデルの上杉謙信さんが泥酔。芸能界の内情を告白し騒動に……』」

光秀「大変ねー。有名人は迂闊なことできないわね」

~同時刻・謙信宅~

兼続「謙信様ッ! 外でお酒を飲まれる時は気をつけてくださいってあれほど言ったじゃないですかーっ!」

謙信「あ゛た゛ま゛い゛た゛い゛……ちょっと兼続、静かに……うー、赤ワインって結構効くわね……」

兼続「事務所からも怒られちゃったし! しばらくお酒抜きですからねっ!」

謙信「反省してますー……う゛う゛ー」

兼続「……スポーツドリンクありますからたくさん飲んでください」

謙信「うん……」

兼続「お腹減ってますか?」

謙信「今はいい……」

兼続「じゃあお粥作っときますから後で食べてください」

謙信「……兼続、側にいて」

兼続「え?」

謙信「なんか心細いの」

兼続「……仕方ないですね」

謙信「もうちょっと横になってる」

兼続「はい、どうぞ」

謙信「兼続、わたしが寝るまで側にいてね」

兼続「ええ、わかりました」

謙信「……」

兼続「ずっとお側にいますよ、謙信様」



~Fin~

─11月22日 いい夫婦の日─

~織田家の場合~

光秀「信長様! 今日はいい夫婦の日だそうです!」

信長「ふーん」

光秀「結婚しましょう!」

信長「はあ!? あんた何言ってるの!?」

光秀「あなたと合成したい!」

信長「そんな事いきなり言われても……だってあんたは大切なともだ…………か、家臣よっ! 家臣が何言ってるのっ!」

光秀「ガ──ン! やっぱり信長様はわたしのことがお嫌いなんですねえぇぇぇ──っ!」
タッタッタッタッ

信長「ちょっと! 光秀ーっ!」

~上杉家の場合~

兼続「謙信様、今日はいい夫婦の日だそうです」

謙信「へえ。でも夫婦ってどうすれば夫婦っていえるのかしら?」

兼続「婚姻届を出せば?」

謙信「それは形式じゃない。中身の話よ」

兼続「そうですねえ……一緒に暮らして一緒にご飯食べて、一緒に人生を送る……とか?」

謙信「もう兼続とやってることばかりね」

兼続「な……っ!」

謙信「次は一緒に寝る?」

兼続「けっ……けんしんしゃまっ!」

謙信「うふふっ」

~発明家の場合~

源内「できた! 新発明品っ!」

助手「今度は何ができたの?」

源内「ホクホク焼き芋くん一号! 何を隠そうこの機械の驚愕の使い道は……」

助手「焼き芋が焼けるんでしょ?」

源内「おっ! 良くわかったねー。さすがわたしの助手!」

助手「いや、まんまだし……」

チーン!

源内「早速焼けたよー。一緒に食べよう。はい、はんぶんこ」

助手「ありがとう……あちぃっ!」

源内「あらま。温度調整に改良の余地があるみたいだね」

助手「ひりひりするよー」

源内「困ったねー……そうだ!」

ふー ふー

源内「これで少しは冷めたかな?」

助手「あ……うん。美味しい……」もぐもぐ

源内「良かった! 助手と一緒に食べると美味しいねっ!」もぐもぐ



─いい夫婦の日─

~Fin~

完結作(過去ログ)

【戦コレ】勇「乙女は局長に恋してる」【新撰組】
【戦コレ】勇「乙女は局長に恋してる」【新撰組】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1384341412/)

─信長人形の館─

~光秀宅~

♪ぴんぽーん ♪ぴんぽーん ♪ぴぽぴぽぴぽぴぽーん

光秀「はーい」

ガチャ

信長「ハンバーガーのクーポン券取りに来たわよー」

光秀「いらっしゃいませ。中にどうぞ」

スタスタスタ

光秀「今、お茶お入れしますねー」

信長「ホットでねー……あらこれ……私?」

光秀「ええ。信長様のぬいぐるみです」

信長「どれどれ……あら、毛糸なのね」

光秀「はい。編み物で使ったので作りました。あ、粗茶ですがどうぞ」

信長「ずずー……ふーん、よく出来てるじゃない」

光秀「利休さんが、お弟子さん達から手作りのぬいぐるみをプレゼントされたと聞いたので、私も、と……」

信長「んー、ここに置いといて。私、公園暮らしだし。ちらっ」

光秀「そうですか………って信長様! ご自分のぬいぐるみのスカートをめ、めくるなんてっ!」

信長「だって気になるし……やだ、穿いてないじゃない!」

光秀「あ、あの、そこで毛糸が無くなってしまって……(シ、ショーツを作って穿かせるのが恥ずかしかったなんて言えない……)」

信長「もう、ちゃんと作りなさいよね」

光秀「はあ……(信長様のって白だったわよね。いや、作るから今見せて下さいとお願いするべきかしら)」

信長「光秀?」

光秀「(そうすれば部屋で下着姿の信長様と2人っきり……じっくりしっかり観察して、裏地も確認させて下さいねー、と言って中までうへへへへへへ)」

信長「光秀! あんた聞いてるのっ?」

光秀「はいぃ! すみませんっ!」

乙です

>>67
ありがとうございます

昨夜は投下の最中に寝落ちたので続きを投下します

信長「作ったのは私の人形だけ?」

光秀「はい。そうですが?」

信長「……私だけってなんか寂しいわね」

光秀「そうですか?」

信長「光秀! 今度来る時までに、寂しくないようにしときなさい!」

光秀「わ、わかりました」

信長「あ、クーポン券はこれね。貰ってくわ。お茶ごちそうさま」

光秀「はい。またいらして下さい」

ガチャン

光秀「寂しく無いように……?」

光秀「じゃあこの信長様人形に、仲間を作れば良いのよね」

くるくる

光秀「誰にしようかしら……そうだわ! 妹の有楽様なら、信長様のご家族だしぴったりよね!」

あみあみ

光秀「ピンクの毛糸で髪の毛を、っと。有楽様の髪型ってぬいぐるみにしても違和感無いわ」

チクチク

光秀「下着……信長様と一緒で白でいいかしら」

ハキハキ

光秀「できた! もふもふピンクの有楽様人形! 中々可愛い出来ね」

ポンッ

光秀「信長様ー、仲間が増えましたよー。妹の有楽様が来ましたよー」

~明くる日・光秀宅~

信長「光秀ー、お餅のお裾分けに来たわよー」

光秀「いらっしゃいませ。中へどうぞ」

スタスタスタ

信長「あら、このふわふわ頭……もしかして有楽?」

光秀「はい。信長様そっくりで可愛く仕上がりましたよ。お茶どうぞ」

信長「ずずー……この餅、有楽と一緒に住んでる母上のとこから送ってきたのよね。はい、あげる」

光秀「ありがとうございます。お正月はご家族と過ごされるんですか?」

信長「一応顔は出すけど、母上は勝手だし有楽は泣き虫で相手するの面倒だから、すぐ帰ると思うわ」

光秀「はあ……(似た者家族……)」

信長「ぴらっ……うん、2人ともちゃんと穿いてるわね」

光秀「信長様、こだわりますね……」

信長「……まだ寂しいわね」

光秀「え?」

信長「まだ足りないわ」

光秀「と、おっしゃいますと……?」

信長「……な、何かよ! 良くわかんないけど、何かが足りない気がするの!」

光秀「そうですか……じゃあ人形に仲間を増やしますね」

信長「そう。また見に来るわ」

光秀「はい。お餅ありがとうございました」

ガチャン

光秀「さて、足りないのって何だろう……」

光秀「……じゃあご家族を増やしましょう! 信長様のお母様の土田御前様!」

くるくる

光秀「あっちの世界にいた時は、楽市SALEでお買い物しすぎて、信長様がびっくりなさってたっけ。ふふっ」

あみあみ

光秀「行動力も気の強さも信長様そっくりなのよねー」

チクチク

光秀「よし、土田御前様出来上がりっと……もう少し作ろうかな」

くるくる

光秀「じゃあ信長様の昔からのお知り合い、家康殿にしよう」

あみあみ

光秀「家康殿は、信長様の小さい頃をご存知なのよね……信長様ってどんな子供だったのかしら?」

チクチク

光秀「よし! 緑の毛糸で結構巧く仕上がったわ!」

ぽふぽふっ

光秀「信長様ー。仲間がふえますよ! やったね光秀! お母様と家康殿ですよー」

~そのまた明くる日・光秀宅~

信長「邪魔するわよー。これお土産」

光秀「ありがとうございます……わっ、高級和牛セット!?」

信長「商店街の福引きで当たったのよ。後で一緒に食べましょ」

光秀「はい。今夜はすき焼きにしますね」

信長「……あら、増えてるわね」

光秀「ええ。だいぶ賑やかになりましたよ!」

信長「……まだ足りないわ」

光秀「じゃあ家臣も作りましょうか。柴田殿に丹羽殿に滝川殿」

信長「……一番大事なのが足りないのよ」

光秀「え?」

信長「──もう! あんたのことよ光秀! あんたが私の隣にいないじゃないの!」

光秀「……自分の人形を作るっていう発想はありませんでした」

信長「一番のともだ──家臣がいないと、私が寂しいじゃない!」

光秀「信長様……」

信長「わ、私の『人形が』寂しいんじゃないかって意味よっ!」

光秀「──では作ってみましょうか」

信長「すぐ出来るの?」

光秀「今からですと3~4時間かかりますが……そうだ! 信長様、せっかくですから一緒に編んでみませんか?」

信長「私、編み物なんてやった事無いわよ」

光秀「大丈夫です。指編みなら道具無しで簡単にすぐ編めます」

信長「ふーん、ならやっても良いわ。でも面倒なのはちょっとね」

光秀「それなら人形本体は私がやりますから、信長様はリボンの部分をお願いしますね」

光秀「まず太い毛糸を親指に三回巻き付けてから、交互に指の間を通していって下さい」

信長「えーっと、こう?」

光秀「そうです。小指まで行ったら、また交互に親指まで戻します」

信長「ふんふん」

10分経過

光秀「信長様、手際が良いですね」

信長「そ、そう?」

光秀「私も頑張りますよ……」

信長「あっ! 通す指を間違っちゃったわ」

光秀「指編みは間違っても一つ前の指に戻せば良いだけなので、修正も簡単ですよ。ほら」

信長「ああ、こうやるのね」

光秀「はい。その調子です(信長様の手と指を触り放題触り放題! 編み物得意で良かったぁー!)」

30分経過

信長「ふー。だいぶ形になったけど、なんかちょっとよれよれね」

光秀「引っ張れば形は整えられますよ。仕上げまではあまりこだわらなくて大丈夫です」

1時間経過

信長「出来たわ! どう光秀?」

光秀「素晴らしいです信長様!」

信長「あんたの人形の下着も作ってあげようか?」

光秀「の、信長様っ!」

数時間経過

光秀「ふー、出来ました。光秀人形」

信長「じゃ毛糸のリボンをピンで留めて、と。うん、良く似てるわ」

光秀「(私の人形に信長様お手製のリボン……ああ、うらやましい)」

信長「これはオマケね」

光秀「ん? それは?」

信長「あんたの出来上がり待つ間に暇だったから、人形のマフラーも編んでみたわ」

まきまき

光秀「これを作ってたんですか……にしても、ずいぶん長いですね?」

信長「こうするのよ」

まきまき

光秀「あ、信長様人形と私人形の2人用マフラー……(ますますうらやましいぃー!)」

信長「うん、ちょうどいい長さね」

光秀「暖かそうですね」

信長「暖かくて……もう寂しくないわ」

光秀「ええ……ずっと一緒です」

信長「……なんかお腹空いたわね」

光秀「そうですね。じゃあすき焼きの準備でもしましょう」

信長「私も一緒にやるわよ! 光秀っ!」


─信長人形の館─



~Fin~

─謹賀新年─

~光秀宅~

光秀「アケチましてオダめとうござイエヤス!」

信長「……なにそれ?」

光秀「ネットで有名な作曲家の新年の挨拶ですが……ご存知ないんですか?」

信長「知らないわ。公園住まいじゃネット環境無いもの」

光秀「そうでした」

信長「新しい年だし心機一転でやーるーわーよー」

光秀「信長様、新年の抱負は?」

信長「天下布武!」

光秀「相変わらずですね」

信長「もしくは天下統一ぅ♪」

光秀「いつも通りですね」

信長「あんたの抱負は?」

光秀「私は……信長様の第一の家臣として、信長様のためなら牛馬の労もいといませんっ!」

信長「家臣、ね……」

光秀「何か?」

信長「……別に。牛馬っていえば、あんた年賀状用の写真で馬になってたわよね」

光秀「ええ。織田家と家康殿と一緒に写真を撮った時ですね」

信長「ああいうのもたまには楽しいわね」

光秀「(信長様を乗せて馬に扮した甲斐があったわ! ああ、信長様のぽよんぽよんのお尻に敷かれた私……思い出しただけでうへへへへ)そうですね」

信長「あの時は三巫女もいたわね。初詣行くの寒くて面倒だからあっちから来てもらおうかしら」

光秀「え!?」

信長「光秀! あんたの秘宝貰い受けるわよ!」

きつね巫女「ん?」

光秀「あ、来た」

ねこ巫女「戦いの気配を感じませんね」

信長「そりゃそうよ。初詣行くのが面倒だからわざと呼んだんだもの」

うさぎ巫女「あら。でもー、私達は巫女で、神様じゃないですからご利益は無いですよー」

信長「……それもそうね。巫女といえば神社だから、セットだと思い込んでうっかりしてたわ」

きつね巫女「それよりですね、私達、今日誕生日なんですよ!」

光秀「あら。おめでとうございます」

ねこ巫女「せっかくなのでプレゼント下さい」

うさぎ巫女「ついでにお年玉もー」

信長「嫌よ! いきなりプレゼントとお年玉一緒に要求するなんてぶしつけじゃない!」

きつね巫女「初詣が面倒だからって人のこと呼び出した人が言うセリフでしょうか……」

うさぎ巫女「では私達と勝負しませんか? 私達が勝ったらお年玉とプレゼントを貰う」

信長「こっちが勝ったら?」

うさぎ巫女「神様に信長様達の今年の幸せを、確実にお願いしておきます」

信長「……ふーん、面白そうね。勝負の方法は?」

うさぎ巫女「野球拳なんてどうでしょう?」

信長「……やきゅうけん? 柳生石舟斎なら知ってるけど」

ねこ巫女「柳生の剣ではありません。野球拳とは脱衣じゃんけんの事です」

信長「良いわ、受けて立とうじゃない。ね、光秀?」

光秀「……はいぃ!? 私ですかっ?」

信長「あんた私のためなら何でもするって言ったばかりじゃないの」

光秀「ううぅ、言いましたが……」

信長「負けたらプレゼントとお年玉はあんたの自腹よ」

光秀「信長様……新年早々鬼の様な酷い仕打ち……」

信長「鬼じゃなくて小悪魔王って呼ばれてるわね」

うさぎ巫女「では……」

光秀「いざ尋常に、勝負っ!」

♪野球ーすーるならー
こーいう具合にしやしゃんせー
アウト! セーフ!

光秀&うさぎ巫女「よよいのよい!」

光秀「勝ったー!」

うさぎ巫女「では下駄を脱ぎますー」カラコロ

光秀&うさぎ巫女「よよいのよい!」

うさぎ巫女「では足袋をー」ヌギヌギ

光秀&うさぎ巫女「よよいのよい!」

うさぎ巫女「では首のリボンをー」はらり

信長「結構しぶといわね……」

~数十分後~

光秀「うう……ショーツ一枚に……」

信長「あんた意外と薄着なのよねー。リボン、鈴、ブーツ、上衣、見せブラ、マジブラとそれにショーツ」

光秀「恥ずかしいから数えないでくださいっ!」

うさぎ巫女「うふふ。光秀さん、後が無いですねー。追い詰められましたねー」

光秀「貴女もショーツ一枚ですから人のこと言えないですよ。というかそのウサミミや尻尾って本物だったんですね」

うさぎ巫女「ええー。もふもふなんですよー」ピコピコ

光秀「……お互い最後の勝負ですね」

うさぎ巫女「ですねー」

光秀「……いきますよっ!」

光秀&うさぎ巫女「よよいのよいっ!」

◇◇◇

うさぎ巫女「負けちゃいました……」

きつね巫女「お年玉とプレゼント貰い損ねちゃいましたね」

ねこ巫女「こいつは春から縁起が悪いぜ」

信長「約束よ。私達と光秀の幸せを神様にちゃんと伝えておきなさいっ!」

うさぎ巫女「はーい。それでは今年もよろしくですー……」



光秀「行っちゃいましたね」

信長「そうね」

光秀「信長様のお役に立てて良かったです」

信長「……光秀」

光秀「はい?」

信長「今年もよろしくね」

光秀「はい! 今年もよろしくお願いします信長様っ!」


─謹賀新年─



~Fin~

─一月十一日・鏡開き─

~謙信宅・居間~

謙信「うーん、兼続の作ったお汁粉は美味しいわー!」もぐもぐ

兼続「そろそろ正月気分も抜けてきましたね」もぐもぐ

謙信「兼続のご馳走とお酒が楽しめるなら、一年中正月でも良いわね」とくとくとく

兼続「あー、お酒! お正月にあれだけ飲んだんですから、少しは控えないと体に悪いですよ!」

謙信「いいじゃない。今日は樽酒の日でもあるのよ」ぐびぐび

兼続「そうなんですか?」

謙信「酒樽の蓋の部分を鏡板って云うのよ。それを割って開けるのも鏡開きっていうからですって。だから今日は飲んでもいーの」ぐびぐび

兼続「もー……昼間のお酒は四合までですよ。それにしてもお汁粉がつまみですか」もぐもぐ

謙信「あら、私はお塩さえあればお酒はいくらでも飲める女よ。お汁粉をつまみになんて川中島を越えるより簡単だわ」もぐもぐ

兼続「普通の人には結構大変ですけどねそれ……」もぐもぐ

謙信「そう?」もぐもぐぐびぐび

兼続「そういえば信玄に塩を贈ったこともありましたね」

謙信「ああ、そんなこともあったわね……兼続、お塩ある?」

兼続「はい。どうぞ」

謙信「ありがと。お汁粉にちょっと入れると甘味が引き立つのよね」パッパッ

兼続「あ、私も入れますっ」パッパッ

謙信「うん。もっと美味しくなったわ」もぐもぐ

兼続「そうですね」もぐもぐ

謙信「塩があるとお酒も進むわ」ぺろぺろぐびぐび

兼続「体には悪そうですけどね……」

謙信「あら、つまむ塩によってお酒の味も変わってくるのよ?」

兼続「ホントですかぁ……?」

謙信「ホントよぉ。ミネラル分の多い塩は、お酒の旨味も引き立たせるのよ」

兼続「あー、お料理でも塩の加減は一番大事ですからね」

謙信「テキーラなんかはライムと塩をつまみにして飲むのがポピュラーね。海外産のピンク色の塩とかハーブ入りの塩と飲むとなかなか味わい深いわよ」

兼続「あー! 見慣れない酒瓶があると思ったら、あれテキーラですね謙信様っ!」

謙信「付き合いでクラブ行った時に飲んだら美味しかったのよー」

兼続「付き合いはいいですけどハメは外しすぎないで下さいね」

謙信「まあ一本くらいあっても良いじゃない。ビールや日本酒をぐびぐび飲むよりは、ああいう度数の高いお酒って家計に優しいんだし」

兼続「もう、お酒の話になると口が上手くなるんだから……」

謙信「んふふー」ぐびぐび

キーンコーン

兼続「あら、誰かしら?」

きつね巫女「お届けものでーす。上杉謙信さんのお宅ですか?」

兼続「はい。そうです」

きつね巫女「武田信玄さんからのお荷物です。こちらにハンコお願いしまーす」

兼続「よいしょ」ポンッ

きつね巫女「どうもありがとうございましたー」バタン

謙信「なーに? 誰から?」

兼続「信玄さんからだそうですけど……何でしょうね?」

謙信「信玄? とりあえず開けてみましょう」

ベリベリ

兼続「ん? 鶏の手羽先?」

謙信「手紙が入ってるわね」

『この間はプールでうちの手羽先を褒めてくれてありがとうございました。新商品ができたのでお送りします 信玄』

兼続「手羽先の炭火焼き塩ダレ味……信玄さんがこんなことするなんて意外ですね」

謙信「ふうん。兼続、早速温めて食べてみましょ」

ジュー

兼続「できましたー」

謙信「いただきます……あら美味しい」

兼続「いけますね。ご飯のおかずにピッタリです」

謙信「お酒のおともにもピッタリだわ」ぐびぐびぐびぐび

兼続「あー! 飲み過ぎですよ謙信様ー!」



~Fin~

─もし戦国武将たちがエイプリルフールにウソをついたら─


~信長の場合~

信長「光秀、あんたもうわたしに仕えなくていいわよ」

光秀「な! やっぱり信長様はわたしのことがお嫌いなんですねえぇぇーッ! うわーん!」タッタッタッ

信長「わー! ちょっと待って! 今日はエイプリルフールっていってウソをついて良い日なのよ!」

光秀「……そうなんですか? ではわたしのことお嫌いじゃ……?」

信長「そ、そんなわけないじゃない」

光秀「ではずっと側にいて欲しい、というプロポーズの言葉だったんですねっ!」

信長「いやそこまでは」

光秀「信長様が 側にいてと言ったから 四月一日は結婚記念日 光秀心のRefined Bard」

信長「もしもし?」

光秀「では今から役所で婚姻届貰ってきますね!」シュタタタタッ

信長「待ちなさーい! 光秀ー! そこまでは言ってないわよーっ!」カッカッカッ

光秀「それは『行きなさいマドンナ! 早くわたしを迎えに来て!』という意味ですねっ! 信長様ったら照れ屋さん♪ うふふっ」シュタタタタタタタタ

信長「あー、行っちゃった……なんなのよあの脚の速さは……」

~新撰組の場合~

勇「総司ー、いちご大福食べるー?」

総司「いりません」

勇「あら珍しいわね」

総司「去年のエイプリルフールには、いちご大福と偽っていなごの佃煮入りの『いなご大福』なるものを食べさせられましたからね」

歳三「おーい総司。煎餅買ってきたんだけどいるかー?」

総司「はい。土方さんのなら」

勇「ぶー、なによそれ」

歳三「ほい、ゴマ煎餅」

総司「いただきまーす……ん? なんですかコレ? ぐにゃぐにゃしてますけど」

歳三「フッ、引っ掛かったな総司! それはシリコンゴム製の食品サンプル『ゴム煎餅』だ!」

総司「……まさかこのダジャレのためにわざわざ用意したんですか?」

歳三「うむ。去年はダジャレを思い付いたは良いが品物が見付からなくてな。仕方なくいなごの佃煮を作った」

総司「あれ土方さんの仕業だったんですか!?」

歳三「カッちゃん、こっちの本物の煎餅食べるか?」

勇「うん。貰うー」

総司「ごまかさないで下さいっ!」

~伊達家の場合~

義光「政宗。わたし、伊達家の家督を狙うのはもう諦めたわ」

政宗「そうですか。私はそろそろ叔母上にお譲りしようかと考えていたのですが残念です」

義光「え!? ホントに?」

政宗「ウソです」

義光「んなッ!」

政宗「フフフッ」



~義元の場合~

義元「信長! あなたの家が火事ですわよっ!」

信長「いや、私公園住まいだし」

義元「」



─もし戦国武将たちがエイプリルフールにウソをついたら─


~Fin~

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