純一「みんなと、イチャイチャしよう!」(848)

【棚町 薫】

自宅 夜

純一「……ふぅ、いいお風呂だったなぁ。やっぱり寒い冬には、
   あつーいお風呂にかぎるよ───」

がたがた!

純一「──って、えっ!? なんだ!? 急に窓が震えだしたぞ……!」

純一「ものすごく揺れてる……こ、これが遅れてきた怪奇現象ってやつなのか……っ!?」

がたん!

純一「ひっ!」

薫「はろー! 棚町さんの登場よー!」がらり!

純一「へっ……なっ……薫!? どういうところから現れるんだよ!」

薫「よいしょっと……いやーちょっと、アンタを驚かせてみたくって
  こんな夜中に窓から入ってみたのよー。あ、靴はここに置かせてもらうわね」

純一「そ、それだけかよ……というか身体はり過ぎだよ! ここ二階だぞ!」

薫「ふふふ。アタシは冗談のためにだったら命だってかける女よ!」

純一「やめてくれ……朝起きたら玄関先に、お前の亡骸なんてものがあったらトラウマもんだから…」

薫「だーいじょうぶよ。今だって無事にこれてるじゃない。もーまんたいもーまんたい」

純一「ちょっと待て。つまりなんだ、またこれから先もこうやってくるつもりなのか……?」

薫「あたりまえでしょ? だって、こんな夜中に訪れちゃ家の人に迷惑かけるじゃないの」

純一「僕に迷惑をかけるという考えはないのかお前には……」

薫「つまんないこといわないの! ほら、アタシがせっかく来てあげたんだから。
  茶の一つぐらい出しなさいよね~」

純一「……はぁ。わかったよ、お腹は減ってるのか?」

薫「おっ。なにか食べさせてくれるの?
  というかよくアタシがお腹へってるってわかったわね……」

純一「カップラーメンしか無いぞ……どうせ、バイトの帰りに直接ここに来たんだろ?
   だったらお腹の一つぐらい減ってるだろうと思ってさ」

薫「ふふっ。てんきゅ! できれば豚骨がいいわね」

純一「うちは塩派だ」

薫「えー! それだと食べた気がしないじゃないの~……もっとこう、どん!
  ってくるもんじゃないとアタシやぁだぁ~」ぐだぁ

純一「あー……もう、へばりついてくるなって……わかったわかった。
   そしたら、晩御飯の余り物の豚丼でいいんだな」

薫「んっ。おっけー!」

キッチン
純一「はぁ~……急に家に来やがって…
   親にバレたらどうするつもりなんだよ。というか僕だけが怒られるだろこれって」すたすた

純一「えっと…残り物の豚肉は……あったあった。ご飯に乗せて、あとはチンだな」

美也「…あれ? にぃにキッチンで何してるの?」

純一「っ!?───や、やぁ美也! ちょ、ちょっと残り物を食べようかなって思ってさ!」

美也「晩御飯の? もうにぃにったらこんな時間に食べたら太っちゃうよ~」

純一「だ、大丈夫だよ!ほら、僕ってば太りにくい体質だし………」カチャカチャ…

美也「……手が震えてるけど、大丈夫にぃに? 具合でも悪いの?」

純一「えっ!? あ、ああ大丈夫大丈夫! と、というか美也はキッチンになにかようなのか!?」

美也「みゃーは牛乳のみにきたのだ! さえちゃんみたいに大っきくなるためにね~」ごくごく…

純一「……それは、なんというか無謀じゃないだろうか……」ぼそ…

美也「むっ。にぃに! なにか今、いった……!?」

純一「な、なんでもない! なんでもないから…あはは…」ちーん!

純一「──よし、チンできた! それじゃあな美也! 頑張っておっぱい大きくなれよ!」だっだっだ

美也「あ、こら! 言われなくてもおっきくなるよ! ばかにぃに!」

自宅

薫「おぉ~! 美味しそうな匂いねぇ~……いっただっきまーす」もぐもぐ…

薫「おいひぃ~……!」

純一「味わって食べろよな。苦労してとってきてやったんだからさ」

薫「わかってるわかってる……もぐもぐ…それにしても、アンタって本当に兄弟の仲いいわよね…」もしゃもしゃ

純一「ん、なんだよ。聞こえてたのか?」

薫「ごくん……んまぁ、ほんの少しね。アンタが妹に対してセクハラ発言したところとか」

純一「セクハラいうなよ。あれはいつも通りの会話だっ」

薫「ごくっ…ごくっ……ぷはぁ──それがすごいってアタシは言ってるのよ。
  フツーは兄妹でもあんな会話なんてしないもんだと思うわよ?」

純一「それはあれだよ……お前が兄妹いないからであって。どこの家庭も一緒なもんさ」

薫「……そうかしらねぇ。ま、でも。アンタもしアタシの兄だったらとしたら…アタシもああ言う風に
  おおっぴろげな会話をしそうだわ、うん」

純一「……褒めてるのか、それって?」

薫「うん? ふふふ、自分で考えなさい~」

純一「絶対にバカにしてるな…その笑顔は」

数分後

薫「ふぅー……食べた食べたぁ。ごちそうさまでした、純一ぃ!」

純一「うん。ちゃんと僕のもお礼をいってくれ」

薫「はいはい、持ってきてくれてあんがとね~」

純一「どうして持ってきた僕に対してはぞんざいなんだよ……まったく」

薫「あははー! 気にしないきにしな~い」

純一「……んで、お前はこんな夜中に何しにきたんだよ。
   ただたんに飯を食いに来たってわけじゃないんだろ?」

薫「えっ?」

純一「………まさか、それだけなのか?」

薫「あ、これってアンタのアルバム? ちょっと見せて~!」

純一「話しをそらすなよ! 薫、お前本当に…!」

薫「……もう、なによ? はいはいそうです、アタシはご飯をもらいに純一の家にきました。
  これで文句ないってわけ?」

純一「あーはいそうですか。なんて返すわけないだろ!
   おいおい……てっきり何か用事があるって思ってれば……」

薫「……………」

薫「……ねぇ、純一」

純一「なんだよ、タダ飯ぐらい。お別れの言葉か?」

薫「ちっがーうわよ。そうじゃなくて、アンタにちょっと言いたいことがあんのよ。
  とりあえず、アタシと一緒に……そこに正座しなさい」

純一「……急に改まってどうしたんだよ。まぁ、聞くけどさ」すっ…

薫「うむ。よろしい」

純一「………」

薫「………」じぃー

純一「………はやくいえってば」

薫「………───」

薫「とぅるぅやー!」がばっ!

純一「おっ、おま……どぅあ!?」ばたん!

薫「んっふっふっふ~……」ニヤニヤ

純一「ちょ、薫…ッ……なんだよ急に飛びついてきて…!おもい…!」

薫「こらっ。乙女に向かって思いなんて言わないの純一!」

純一「だって本当のこと……おふっ!? 肘をみぞおちに入れるなよ!」

薫「アンタが失礼なこと言うからでしょ……それよりも、ふふっ…!
  ねぇ、純一ぃ……」

純一「な、なんだよ……ちょ、息を耳に吹きかけるな…っ…!」

薫「なによ…くすぐったいの? ふふ、んじゃもっとふきかけてあげる…ふぅ~」

純一「お、おふぁ~!? ば、ばかやめろってば…!」

薫「んもう、大げさねぇ……これぐらいのことでウダウダいわないの」

純一「僕にとっては強がるものじゃないぞ…これって…!」

薫「耳が弱いってことを、アタシにバレたことは…後々後悔するんじゃないかしら?」

純一「それは……たしかにそうだけど、急にやられたら僕としても対処ってもんができないだろ…!」

薫「急にやるからいいんじゃないの。まぁ、それは今後にとっておくとして……純一。
  今、アタシの心臓の音……聞こえる?」

純一「な、なんだよ……急に」

薫「いいから。これだけ密着してれば耳に届くよりも、身体で感じない?」

純一「ま、まぁ……確かに。聞こえるし、感じるよ。薫の心臓の音」

薫「でしょ。んで、その聞こえる心臓の音は……今はどんな感じかしら」

どくっ…どくっ…

純一「……速い、かな?」

薫「……そそそ。当たりよ純一……今、アタシはものすごく鼓動が速いの。
  それはなんでかしら?……純一にはわかる……?」すっ…

純一「それは……というかま、まて。それよりも……か、顔が近いぞ…薫…」

薫「答えになってないわよ…? それとも、答えたくないのかしら…?」す……

純一「こ、答えるから! 答えるから顔を近づけのを辞めるんだ薫……!」

薫「ん? どうして純一…?顔を近づけたら、アンタは何が困るっていうの…?」すす…

純一「そ、それはー……い、色々とだよ! 色々と!」

薫「そう、色々……色々と困るね。アンタは……」すすすっ……

純一「わ、わかってて…どうして更に近づけるんだよ!」

薫「だって、困ってるアンタの顔は……アタシは、大好物だもの。知ってるでしょ?」

純一「し、しらないよ…!」

薫「うそおっしゃい。ほら、ちょっと口の端がにやけてるじゃないの」

純一「え、本当にか……!?」ばっ

薫「う・そ」

純一「だ、騙したな薫…!」

薫「騙してないわよ? ただ事実を言っただけよ、ほら……アンタがアタシの心臓の音が聞こえると同じで、
  アタシにも純一の心臓の音は聞こえてるの……」

薫「だから、ね? 口でなにをいっても……アンタが、ナニカを期待しているのはお見通しってワケ」

純一「むぐぐ……」

薫「うん? あはは、悔しそうね純一ぃ……ふふっ」

純一「な、なんだよ…笑うなって! こ、これは男としては普通の反応であってだな…!」

薫「はいはい、わかってるわかってる。アンタは紳士でかっこいい男なんでしょ…?」

純一「そ、そうだよ! ちゃんと紳士らしく…こうちゃんとやってるつもりだよ!」

薫「へぇ~。耳に息を吹きかけられただけで悶えてたのにぃ?」

純一「そ、それは………!あれだよ……」ゴニョゴニョ…

薫「あはは。アンタって本当に単純ね~」

純一(く、くそぅ……なんだか薫に手玉に取られて悔しいな…ちょっと仕返ししてやるか…)

薫「──あー面白かった。うん、からかってごめんね純一。
  アンタが釣れない事言うから、ちょっとからかってやろうって思ってさ───」すっ…

純一「……薫、ちょっとまて」ぐいっ

薫「えっ…ちょ、なに──」ぼふっ…

純一「………」ぎゅう…

薫「ちょ、ちょっと…! なによ引っ張って…は、離しなさいよ…!」

純一「…………」ぎゅう…

薫「な、なに純一…? 怒ってるの…? ま、まぁ…ちょっとやりすぎたって思ってるけど…
  というか、抱きつく理由はなにかあるっていう───」

純一 ふぅ~……

薫「──ひゃぁいっ!?」

純一 ふっふっふ~……

薫「っっ~~~~!!! ひゃうっ……じゅ、じゅんいちっ…アンタっ…!」

純一 ふぅ~……

薫「や、やめて……ッッ~~~~………い、いやっ!……あ、ちょ…だめだから…!」

純一 ぺろぺろ

薫「ひゃあああああう!?」

薫「あ、アンタ…! 今、ちょっと舐め───」

純一 はむはむ

薫「ッッ~~~!!」びくん!

純一(───どうだ! 思い知ったか薫!
   お前がいつもジャングルに隠し持っているその耳……それがちょっと弱点だってことは実は僕も知ってたんだよ!)はむはむ

薫「や、やめてっ──ほんとっ……それは、だめ──ひぅっ…!?」

純一(いいややめないね! 男心を弄んだお前には……ちょっと躾が必要だよ!)ぺろぺろ

薫「ひっ…! な、なめるのは…反則でしょ……ッ…!純一ぃ……っ」びくびく…

純一(反則なんかじゃないさ……これは紳士の行いだ!
   紳士且つ紳士の為の荒業……全てはここにある!)ぺろぺろぺろぺろぺろぺろ

薫「─────」びくんっ…!

純一「……ぷはぁ……ふふ、どうだ薫……思い知ったか!」

薫「っ……っはぁ……っはぁ……あ、あんた……本当に、馬鹿よね……!」ぐたぁ…

純一「馬鹿じゃないさ! これは正当な反撃なのさ!」

薫「っはぁ……はぁはぁ……もう、ばかに馬鹿だといっても無意味ね……耳がべとべとじゃないの…!」

純一「これぐらいしないと、勝った気がしないものでね。
   ……というかかおる相手じゃないと、ここまで僕も反撃できないよ」

薫「あ、当たり前でしょ…! 他の人にやってみなさい……いの一番でお縄になるわよ……!
  ……はぁー……疲れた、ほんっとにつかれたわ……よくもやってくれたわね純一……」

純一「ああ、僕も舌が疲れたよ……」ぎゅう…

薫「でしょうね……というか、いつまで抱きついてるのよ」

純一「もう少し?」

薫「どうしてよ……?」

純一「だって、離したら薫から反撃が来るだろ?」

薫「……あら、わかってたのね。それはいい覚悟ね」

純一「う、うん…だからさ、ほら…薫がどうでもよくなるまで、こうやって抱きついておこうかなって」

薫「…悪化する一方だと思うけど?」

純一「なら、また舐めるだけだよ」

薫「っ……そ、そしたら今度はアタシが舐め返すわよ?」

純一「っ……そしたら、こ、今度は僕がおかえしに舐め回すぞ?」

薫&純一「…………」

薫「不毛な戦いよね……これって」

純一「……そうだな。確かに」

薫「──でも」

純一「うん?」

薫「…………」

純一「…どうした、薫」

薫「……まだ……まだ──」

薫「──まだ、こうやって抱きついてても……いいわよ。純一」

純一「……いいの、か? こうやって抱きついてても」

薫「……うん。こうやって、アタシのことを止めててもいい。
  暴れださないように、仕返ししないように、逃げ出さないように……ね?」

純一「そ、そっか…そしたら抱きついておこうかな。うん」

薫「…………」

純一「………さ、寒くないか?」

薫「…うん、あったかいわよ。純一」

薫「…………」

純一「…………」ポリポリ…

薫「──……ん。純一、やっぱり寒いわ」

純一「…え?」

薫「確かにアンタあったかいけど……よく考えたら、普通にこの部屋さむい」

純一「そ、そうだな……暖房つけるか?」

薫「……」ふるふる

純一(もじゃもじゃが当たって痛い…)ぺちぺち…

薫「……暖房はいいの。だって、アンタ寝るとき暖房つけっぱにしないでしょ?」

純一「う、うん。まぁそうだけど……?」

薫「だ、だから……そのっ……あれよあれ!」

純一「あ、あれじゃわかんないよ……なんだよ、薫」

薫「……も……」

純一「も?」

薫「っ………も、毛布とかに包まれば……いいんじゃないかしら……っ?」

純一「……毛布? ということは、布団に一緒に───ふぐっ!?」ぼすっ

薫「み、みなまでいわないの…!
あ、アタシは寒いから……!そのっ、毛布にくるまりたいっていっただけよ…!」

純一「お、おう……毛布にくるまりたいだけ……なんだよな?」

薫「そ、そうよ? なんか文句でもあるっ?」

純一「い、いや。ないけど……それじゃあ、その……布団、行くか…?」

薫「っ…………」こくっ…

純一「わ、わかったよ……それじゃあ…」すっ

薫「…あ、まって純一…!」

純一「ど、どうした薫…?」

薫「と、とりあえず……アタシから離れないでくれないかしら……ッ?
  あ、あたし…そうじゃないとに、逃げ出しそうで…!」

純一「逃げ出しそうって……」

薫「あ、アンタがそれでいいっていうんなら……アタシはとやかく言わないけど……っ…」

純一「………」

薫「とにかくアタシは…その……」ごにょごにょ

純一「──わかったよ、ほら」ぐいっ

薫「きゃっ……!?」

純一「お姫様抱っこだ。これでくっついたまま動けるよな?」

薫「えっ? あ、うん……そうね、そうよね! た、たしかに……!」

純一「……さっきは思いって言ってごめん。めちゃくちゃ軽いな薫」

薫「そ、そうでしょ…! アタシはこれでも体調管理はやってるほうなんだから…!」

純一「そうか、そしたら……布団の上におろす、からな?」

薫「あ、うんっ……おねがい、純一…」

純一「…よいしょっと」

薫「…………」ぽす…

純一「………」

薫「……な、なによ…純一、じっと見つめて…?」

純一「い、いや……自分のベットに他人が寝てるのを見るのって……なんかちょっと新鮮で…」

薫「そ、そうかしら……? と、とにかく毛布…お願いできる…?」

純一「わ、わかった……ちょっと押入れに入れてるから……」どきどき…

薫「て、てんきゅ……」どきどき…

純一「──ほら、これでいいか?」ふさ…

薫「う、うん……いい毛布ね! うん、すごいいい毛布!」

純一「そ、そうか……ありがとう」

薫「……じゅ、純一も…べっとに座ったら…っ?」

純一「えっ!? あ、うんっ……わかった。よいしょっと……」ぎしっ…

薫「っ………」

純一「………っ」

薫「──そ、その……も、毛布をさ、じゅんいち…その…アタシにかけてくれない…?」

純一「う、うん……わかってる──……こう、か?」ばさぁ…

薫「…………」

純一「えっと……薫…?」

薫「………お、おっけよー!」ぴょこ…

純一「よ、よしっ…それはよかった、よ」

薫「………」じぃー…

純一「な、なんだよ…薫…毛布から顔半分だけだして……?」

薫「……純一は?」

純一「えっ……?」

薫「……純一は、入らないの?」

純一「えっと、その毛布にか……?」

薫「………」こく

純一「あ、あはは……えっと僕あせかいてるし、汚いかなって…うん…!」

薫「……あたしは、気にしない」

純一「ぼ、僕が気にするんだよ…!」

薫「……大丈夫よ。だってアタシは今、純一の匂いに包まれてるし」

純一「……そ、そういうこと……いうなよ、薫……」

薫「どうしてよ? くさくないわよ、ほら……」すっ…て

薫「おいで、純一……一緒に、入りましょ?」

純一「おいでって……薫…」

薫「……ほら、熱気が逃げちゃうじゃないの…はやく、純一」

純一「………………………わ、わかった。入るよ…」ごそっ

薫「…………」

純一「よいしょっと……」もぞ…

薫「う、うんんっ……」もぞもぞ…

純一「あ、ごめん…髪の毛頭に敷いちゃったか…?」

薫「っ! ち、違うわよ…? ちょっとその…あれだけよ! わ、わかるでしょ…?」

純一「えっ? あ、うん……そ、そうだな! あれなだけだよな! うん!」

薫「…………」

純一「…………」

薫「……ねぇ、純一ぃ…」

純一「ひゃい!?」

薫「……どういう声を出すのよ…」

純一「す、すまん……なんだよ、薫…?」

薫「……なんとなくだけど…その、手……繋がないかしら…?」

純一「……手をか…?」

薫「そ、そそ……っ…というか、その……これはお願いっていったほうがいいかしらね…うん」

純一「…えっと、その…薫。お前は……僕に手を繋いで欲しいってこと、か…?」

薫「そ、そうなるわねっ……」

純一「お、お安い御用だ……う、うむ……」ごそっ

薫「………」すっ

純一「…………」すっ…

すすっ……ぴと……ぎゅ…

薫「──アンタ、手のひらあっついわね」

純一「……薫こそ、ものすごく熱いな」


薫「……ねぇ、そっち向いてもいい?」

純一「え、う、うん……どうぞ…」

薫「………」ごそっ……

純一「っ……ち、近いな。薫……」

薫「───そうね……近いわね」ぎゅっ…

純一「…そ、そんなに手を握らなくても、逃げやしないって…」

薫「うん、わかってる……わかってる純一」

純一「そ、そうか……」

薫「…………」じっ…

純一「……か、薫…?」

薫「……純一、ありがと…」

純一「ど、どうした。急に…」

薫「こんな我侭なことを聞いてくれて……ありがとうね、純一」

純一「い、いいっってことさ…!だって、薫と僕だよ?
   そんな遠慮なんて、いらないだろうさ」

薫「……そう、ね。アタシとアンタ。遠慮なんていらない」

純一「…うん、そうだよ」

薫「いつだって…素直に話して、いつだって一緒にいる」

純一「…こうやって、ベットの中にはいったりな」

薫「ふふふっ…そうね。そして仲良く手を握り合って」

薫「……顔が触れ合いそうな距離で、こうやって話してる」

純一「そう、だな」

薫「……ねぇ、純一。いってもいい?」

純一「…うん? どうした、薫」

薫「好き」

純一「……と、唐突だな…薫…」

薫「ふふっ…もう一回ってあげる」

薫「好きよ、純一。大好き」

純一「う、うん……ありがと。薫」

薫「…純一は?」

純一「え、僕は……」

薫「アタシのこと、嫌い?」

純一「嫌いじゃないよ!」

薫「…じゃあ、好きなのね?」

純一「………ま、まぁ…そうなるな。うん…」

薫「…………」じっ…

純一「…………わ、わかったよ…ちゃんと言えばいいんだろ…?
   ご、ごほん……」

純一「好きだよ、薫」

薫「──アタシも、大好き。こんな単純なことしか言えないぐらいに、
  アンタのこと……もう好きでしょうがない」

純一「…………」

薫「どうしよもないの…今日だって、アンタに会いたくて会いたくてしょうがなくて…
  こんな夜中にきちゃったんだもの」

純一「…そっか。そしたらごめん…色々と迷惑がってさ」

薫「なにいってるの。あれが当たり前の反応よ、あれはアンタが正しいの」

薫「…でも、それでもこうやって招き入れてくれたアンタは…どうしよもなくお人好し」

純一「…確かにな、それもそうだよ」

薫「でもそれが、そのお人好しが……アタシだけに向いてくれてるなら。
  ……そうね、もしかしたらアタシ……発狂しちゃうかも」

純一「…嬉しすぎて?」

薫「…そそそ。純一がアタシだけに優しくて、かっこよくて、好きだって言ってくれてる。
  それが現実になったのなら、アタシはアタシでなくなっちゃうと思うわ」

純一「そこまでか…」

薫「そこまでよ。そこまでのことを………アンタに今、アタシは思ってる」

純一「そっか。素直に……そうだね、嬉しいよ薫の気持ち」

薫「うんっ……てんきゅ……純一、ねぇ、純一…」

純一「…どうした、薫」

薫「今、アタシは純一の前にいるかしら?」

純一「…ああ、いるよ。薫の顔が目の前にある」

薫「てもつないでる?」

純一「ああ、つないでるさ。ついでに言うと一緒に毛布にくるまってるぞ」

薫「……そう、なの。それってどんな夢なのかしら、まるで現実じゃないみたい…」

純一「…そうだな。確かに夢みたいなことやってるな」

薫「……」ぎゅ…

純一「……」ぎゅ…

薫「───……純一、好き」

純一「…うん、僕も好きだよ。薫」

薫「…………」

純一「…………」ごそ…

薫「……純一…?」

純一「好きって入ってくれたから、お返しだよ」

薫「おかえし…?」

純一「さきにいわせちゃったからな……だから、お返しだ」

薫「……ふふっ。そう、お返しね…」すっ…

純一「ああ、これはお返しだ薫…」

ちゅ

すっ……

薫「──……仕返し、出来たかしら?」

純一「──……ばっちりだ、うん」

薫「それじゃ、次はアタシの番ね」

純一「え?」

薫「言ったでしょ? 仕返しを受けたら、やりかえすって」

純一「え、あ、うん…言ってたな。うん、確かに」

薫「でしょ。だから、ほら……今度はアタシの番」ぐいっ…

純一「か、薫……そんな強く引っ張らなくても…!」

薫「純一…純一……大好き、本当に大好き……」ちゅっちゅ

純一「あ、ちょ、き、キスじゃないの…っ? そこは、首筋っていうか──おおう!?」

部屋の外

美也「…あ、あわわわ……に、にぃにが…にぃにが……」

美也「ベットで独り言をいってる……!?」

美也「……そ、そっとしておこうっと……うん……みゃーは…いつも味方だからね……」ほろり…

はい、薫編終わり。
これから書く全員エロはないのでご勘弁を

目標はアマガミ登場人物全員とイチャコラです

ではうんこいってきます
十分で戻る

麻耶ちゃんは今回はなしになる可能性大で

もし麻耶ちゃん見たい方は
純一「…えっと、高橋先生?」でぐぐっていただければ

ヒロインではなく、アマガミ登場人物です
よろしくお願いします。郁夫もやります

【橘 美也】

美也「にぃに……にぃにってば!」

純一「う、うーん……なんだよ美也…今日は学校休みだろ…?」

美也「それは知ってるよ! とりあえず起きってってば!」

純一「う~ん……むにゃむにゃ……寒い! え、なんだこの寒さは……!」

美也「も~うっ! にぃに、昨日おかあさんがいってたでしょ? 明日は寒くなるからって」

純一「いってたっけそんなこと……ふわぁ~…寒いから、もうちょっと布団の中に……」

美也「ふんにゅるぅ~!!」がばぁ!

純一「う、うわぁ!?」ごろん

美也「っもう! にぃに、今日はみゃーと遊んでくれるっていったでしょ!」

純一「え……いったっけ…?」

美也「いった! いったもん!」

純一「…えー……」

美也「えーじゃないよ! ほらほら、早く着替えてにぃに!」

数十分後・歩道
純一「さっむい! 今日は格段とさむいよ…!」

美也「今夜は雪降っていってたよ、明日が楽しみだねっ」

純一「え~……寒いの嫌だよ、僕……」

美也「雪だよ、雪なんだよにぃに? 」

純一「だからどうした…」

美也「白いのがふわぁーって舞って、いっぱいっぱい積もるんだよ?
   そしたら積もった雪をざくざくって踏んで歩くの」

純一「……で?」

美也「……もう! にぃにってばロマンチックのかけらもないんだね…。
   こりゃ彼女もできませんわ~」

純一「あ、こら! 彼女ができないのは関係無いだろ!」

美也「あっりますよーだ。みゃー一人えすこーとできないにぃになんて、
   一生彼女なんてできっこないよ!」

純一「……いったな、美也」


美也「ふんだ。あたりまえでしょっ……にぃにってばいっつも、ぐーたら
   ぐーたらしてるだけなんだから」

純一「わかった。それじゃ見せてやるよ」

美也「えっ……?」

純一「そこまでいうのなら、みせてやるっていったんだ。僕の、本気をな…っ!」

美也「に、にぃにの本気だなんて…たかがしれてるよ…っ!
   どうせ牛丼屋なんか連れてって、肉大盛りでいいよ。なんて言うんでしょ?」

純一「これを見ろ。美也」ぴらっ

美也「なにそれ?」

純一「とあるレジャー施設の…カップル招待券だ。ついでにいうと期限は今日まで」

美也「へ~! なんでそんなのもってるのにぃに?」

純一「……聞くな、美也。これは色々と事情があってだな…うん」

美也「…よくわかんないけど、とりあえず深く聞かないでおくことにするよ…」

純一「そんでもって美也! 行くぞ!」

美也「えっ? どこに?」


純一「このレジャー施設に、だ!」

美也「え、え~!? で、でもそれってカップル専用って…にぃに…」

純一「エスコートしてやる」

美也「……ま、まさかにぃに…みゃーと行くつもり…?」

純一「この際、色々と思うことは全て無くすんだ美也。
   お前は今から、全て僕に任せて……全力で楽しめばいい」

美也「楽しめばいいって……にぃに、本気で言ってるの?
   えすこーとできないっていったのは謝るからさ……」

美也「素直に公園に行って、バトミントンとかしようよ」

純一「だめだ……美也、僕のハートには火がついてしまったんだ。
   連れて行くったらつれて行くからな!」

美也「え、ちょ、にぃに……!?」ずりずり…

一時間後

純一「さて、チケットも渡したし……行くぞ美也!」

美也「……はぁ。本当にきちゃった…」

純一「えっとなになに……イベント中らしくて、カップル御用達のイベント盛りだくさん…
   これはちょうどよかった! 美也、どうやら僕のアピールチャンスがいっぱいあるようだぞ」

美也「妹のみゃーにアピールチャンスがあってどうするのにぃ───」

純一「こら、美也!今はにぃにじゃない、純一だろ?」

美也「えっ……そこまでするの…?」

純一「当たり前だろ。入るにはまず形から、にぃにだなんて呼ばれてたら…僕、変態扱いされちゃうし…」

美也「で、でも……名前で呼ぶなんて、ちょっと恥ずかしいよ…っ」

純一「にぃにって呼ばれる方がもっと恥ずかしいよ…っ!」

美也「ぐむむっ~………」

純一「その…なっ? 中で好きな食べ物買ってやるからさ、お願いだ美也!」

美也「………」

純一「………」ちらっ

美也「──はぁ…わかったよ、そしたらにぃにはやめればいいんだね…」

純一「ありがとう美也! そしたらまずは練習だ……純一、ほらいってみ?」

美也「…っ……じゅ…じゅんちい…」

純一「誰だよそれ! 僕の名前はじゅ・ん・い・ち。ほら、繰り返して」

美也「じゅ、じゅ・ん・い・ち………っ」

純一「そうそうそう。そしたら今度は、呼びかけるようにいってみな」

美也「………じゅ、じゅんいち……」ぷいっ…

純一「こら、そっぽを向くんじゃない。ちゃんと僕の顔を見ながら言うんだよ、さんはい!」

美也「っ……~~~っ………」くる

美也「じゅ……」

美也「───できっこないよ!!!ばかにぃに!!!」がりがりがり!!

純一「ぎゃああああああああああ!!」

数分後

純一「そ、そうだそれでいい……それなら、僕も文句はないから…!」

美也「純にぃに……これで、本当にいいの…?」

純一「ばっちりだ! ……よし、それじゃあ色々とあったけど、
   早速中に入ろうか……」すたすた…

美也(大丈夫かなにぃに……本当に、みゃーのことえすこーとできるのかな…?)

純一「──よし、さっそくだが今回はこれだ美也」すっ

美也「嘘発見器…? なにこれ、純にぃに」

純一「えっと、パンフレットによるとだな……恋人同士の信頼度を図るための機械らしいよ。
   二人席に座って、手首に機材を巻いて……」まきまき

美也「うんうん」まきまき

純一「真ん中にあるボタンを、押す」ぽち

美也「押したよ?それからどうするの?」

純一「それから……前方の画面に映る質問に答えつつ、計測を待つだけ…だってさ」

美也「…なんだかウソっぽいね。嘘発見器なのに。にししっ」

純一「まぁ、とりあえずやってみるか…」

ぱらぱぱー

『第一問 二人の間に隠し事はない いえす・のー』

純一「イエス。隠し事すらないな僕」

美也「イエス。みゃーもない……なんだかニィにと一緒だなんてやだな…」

純一「純にぃにだよ!」

『第二問 二人の関係性は家族よりも厚い』

美也「これはどうこたえるべきなの……」

純一「……ふ、普通にイエスでいいんじゃないのか…?」

美也「実際家族だもんね。イエスー」

『第三問 お互いに思う気持ちは、いつまでも一緒』

純一「うーん……とりあえず、イエスだな」

美也「イエスなの?」

純一「うん、だって妹だし」

美也「それ、いっちゃだめだとみゃー思うんだけど……」

『最終問題』

純一「速い…!? もう、質問終わりなのか…!?」

美也「…パンフレットを見ると、十五問はあるってかいてるけど……どうしてだろうね」

『ぶっちゃけ、好きで好きでたまらない』

純一「ぶっちゃけってなんだ……」

美也「これ作った人、絶対に頭悪い人だよ…みゃーでもそう思うもん」

純一「美也に言われたらオシマイだな……とりあえず、イエスで」

美也「こ、これも…イエスなの…?」

純一「思い出したんだけど、これって美也を恋人に置き換えて質問に答えなきゃいけなかったよなって思って」

美也「今更だよ純にぃに…じゃあみゃーも、い、いえすで……」

ぴろろーん

『集計しています──しばらく、お待ちください。機材を取り外しお待ちください』

純一「いったい、どうなるんだろう…」べりべり…

美也「どうせ、ろくでもない結果が出るにきまってるよ。みゃー占いとか信じないし」

ぴー ぴー

『集計結果がでました。中央に出た紙をお取りください──』

純一「ん。出たみたいだ……なになに──」

純一「──なん、だと……?」

美也「ん? どうしたの純にぃに……よいしょっと」ひょい

美也「えっとー……なになに…
   『二人の関係は──兄妹。仲がよろしいことは素晴らしいですが、この機会は恋人同士の観測機です。
    ですが特別に集計した結果を下記に載せておきます』って…えー! ばれてるよにぃに!」

純一「侮ってた……まさか、ここの嘘を見破ってくるとは……だから質問が少なかったのか…?」

美也「でも、結果はあるって……ふぇ~…ちゃんと二人の愛情度ってのも乗るんだね。ふむふむ……ッ!?」

純一「意外とすごい機械だった…それだと、結果も信用するしかないよな。なぁ、美也──」

美也「だ、だめっ……!!」ささっ

純一「──え? どうしたんだよ、美也。僕にもみせてくれよ…」

美也「だめったらだめ! にぃには呼んじゃダメ!」

純一「え、え~……なんでだよ。いいからみせろって!」

純一「よいしょ!」ぱしっ

美也「あっ……!」

純一「なになに、女性側の観測結果……彼女は、男性のことをベタ───」

美也「ふにゃぁああああああああ!!!!!」がぶっ

純一「ぎゃあああああ!!! み、美也!! 手にかみつくなよ痛い痛い!!」

美也「ふしゃあああ!!にゃあああ!!」ぶんぶん!

純一「ごめん、ごめん!!返すから!!返すから離してくれ…!!」

美也「ふしゃー……にぃに、にぃに! これはみゃーが預かるからね!絶対だよ!」

純一「わ、わかったよ……何だよ急に…いてて…」

美也「っ……」ぺら…

『女性側の観測結果、彼女は男性のことをベタ惚れしています。
 だめなところや、いいところ。全てを知っている貴方は、こわいものなし。いつでも男性をとりこに出来ますよ』

美也(こ、こんなの見せられないよ……た、例えそう思ってなくても……う、ううっ…よかった、にぃにに見られなくて…っ)

美也(やっぱり、占いとかこういうのは信用出来ないっ……なにがベタ惚れしていますーっだ。
   やっぱり嘘っぱちなんだよ……!)

純一「いてて…歯形がびっしり……」

美也(──それに、にぃにも全然だめ。もっといいイベントとか、あったと思うのにこれだもん……ダメだね、にぃにはやっぱり)

美也「……はぁーあ…こなきゃよかったなぁ…」ぼそ…

純一「──………」

美也「……ふぅ。ねぇ、純にぃに」

純一「……うん、どうした美也?」

美也「みゃーお腹へっちゃった。あっちに良い匂いがするお店あるから、お昼ごはん食べよ」

純一「ん、そだな。食べようか」

レストラン

美也「うわぁー……高級そうなところだねぇ~」

純一「だな。でも、チケット半券を見せれば半額になるらしいぞ」

美也「ほんとに!? じゃ、じゃあ美也これたべたいな!」

純一「どれどれ……お子様ランチ…って美也…お前…」

美也「ち、違うよ! そのとなり! とろとろオムライスのほうだよ!」

純一「あ、そうか。ごめんごめん……そしたら僕はその隣りのハンバーグにしようかな」

美也「あ。それも美味しそうだね~」

純一「そしたら、あとで分け合うか?」

美也「いいねっ。いいねっ! そしたらこのデザートも良いかな!」

純一「いいよ、好きなの食べな。すみませーん」

「はい、ご注文をどうぞ」

純一「えっと、このオムライスをひとつ。それとこのハンバーグセット。
   あとはー……このデザートをひとつ」

「かしこまりました。それではご注文はこれで?」

美也「はい、おねがいしまーす」

純一「──あ、すみません。さっきのオムライス…少し冷ましてから持ってきてください」

美也「え、にぃに……?」

純一「彼女が、猫舌のものでして。あ、ほんのすこし冷ますだけでいいんで」

「かしこまりました。少々お待ち下さい」


純一「お願いします」

美也「…………」じぃー

純一「…ん? どうした、美也。僕の顔をみつめてさ」

美也「……別によかったのに、にぃに」

純一「よくないだろ。猫舌のくせして、火傷したら痛いんだぞ?」

美也「べ、べつにみゃーは子供じゃないし…慌てて食べたりなんかしないよ…っ」

純一「知ってるよ。お前はもう高校生だからな、そういうことはしないってわかってる」

美也「…なら、どうしてあんなこといったの?」

純一「……うーんとだな、お前がちょっとつまらなそうな顔をしたからだよ」

美也「えっ…?」

純一「だって、お前がそんな顔した時って必ず……相手のペースに合わせようとするだろ?
   自分が楽しくないのなら、他の人を楽しませて…一緒に楽しくなろうってやつ」

美也「……よくしってるね…にぃに」

純一「一応、美也とは付き合い長いしな。ははは、まるで恋人みたいなだな、このセリフ」

美也「っ~~~……で、でもそれがなんの関係があるっていうのっ?
   その癖はあるけど、オムライスとは関係無いように思うんだけど…!」

純一「うん? だって、食べ終わったらまた色々と回るんだろ?
   そしたらここで時間を取る暇はないって思うお前は、とりあえず二人して遊ぶ時間を優先するはずだ」

美也「…………」

純一「個人で楽しむ時間を少なくして、二人の時間を増やそうとする。
   ……いつもの美也なら僕に対してしない気遣いだけど、今日は特別だって思ってくれてるみたいだし」

純一「まぁ、つまりはオムライスを急いで食べようとする姿が目に見えてたからってわけだよ」

美也「………」ぼー…

純一「なんだよ、不満か?──あ、僕のハンバーグセットもちゃんと冷ましてからあげてやるから、心配すんなって」

美也「……ち、ちがうよっ……もう、ばかにぃにっ…」ぷいっ

純一「な、なんだよ……あ、ほらきたぞ。速いなぁ……」

美也「………」

「おまたせしました。こちらハンバーグセットと、注文を通り少し覚ましたとろとろオムライスでございます」

純一「ありがとうございます」

「では、ごゆっくり」

純一「よし、じゃあたべようか……ん?」

美也「…………」

純一「どうした、美也。たべていいんだぞ?」

美也「……食べるよ、ちゃんと食べる。でも」

純一「でも?」

美也「……もうちょっとだけ、冷ましてから食べるから…いんでしょ、純にぃに」

純一「……ああ。好きなときに好きな熱さで食べろ美也。ちゃんと味わって食べろよ」

美也「う、うん……にぃには食べないの?」

純一「…うん? ああ、僕もどうやら今日は熱いのはダメみたいでさ。ちょっと冷ましてから食べるよ」

美也「それ、みゃーに気を使ってじゃ……ないよね?」

純一「当たり前だろ。ははは、面白い事を言うなぁ美也は」

美也「──にししし。そうだね、そうだよねっ」

数十分後

純一「あー…美味しかった。すごいなまた来たいよ」

美也「デザートも美味しかったね~!」

純一「よし、そしたら次はどこにいく? 美也が好きなところに行っていいぞ」

美也「うんとねー、そしたらここがいいかなっ」

純一「ここって……おいおい。そこは出口じゃないか美也…」

美也「うん、そうだよ。美也、もう満足したもん」

純一「満足って……ほら、まだもっともっと楽しそうな施設がいっぱいあるぞ?
   ここのおさかな天国っていうやつ、すごく楽しそうじゃないか」

美也「ううん、いいの。みゃーはちゃんとわかったから」

純一「わかったって……なにをだよ?」

美也「………にぃにのすごい所!」ぎゅっ

純一「あ、こら急に抱きつくなって……!それとにぃにはやめろ…!」

美也「にぃにはにぃにだよ? もう、純にぃにとかやめやめ!」

美也「今日はにぃにのえすこーとできるところを見たかっただけでしょ?
   それはもう十分みれたよ!」

純一「見れたって……まだろくになにもやってないぞ?」

美也「……ん、まぁそれを言われるとそうだけどね」

純一「おいおい」

美也「でもね、にぃに……」

純一「なんだよ?」

美也「……美也はべつに、にぃにのえすこーとが見たくてここにきたんじゃないんだよ」

純一「そうなのか…?」

美也「うん…今日は、本当ににぃにと……遊びたかっただけ。一緒に遊んで、楽しんで。
   いっぱい笑ってそれだけで…よかったの」

純一「………」

美也「もともとの約束は、一緒に遊ぶってことだったでしょ?
   だからみゃーが満足したら今日の約束はおしまいってことだよにぃに」

純一「……なるほど。そういうことか」

美也「だから、みゃーはもっとお気軽な所がいいなぁ~。にぃにと遊ぶんだったら、こんなところじゃなくてさ。
   もっともっと楽しいことがいいよ」

純一「…………」

美也「今度は、一緒に映画とか見に行こうよ! パンチキックとかアクション映画!」

純一「そうだな。今度は映画でも見に行こうか、それだったらお互いに無理せず遊べるもんな」

美也「にしししっ。そしたらにぃに……おうちに帰ろっ」

純一「おう。そしたら帰るか」

帰宅路

美也「……夕日が綺麗だね、にぃに」

純一「うん? そうだな、確かにそうだ」

美也「…………」

純一「……なぁ、美也」

美也「うん? どうしたのにぃに?」

純一「今日は──楽しかったか?」

美也「もうっ。何度も言わせないでよにぃに……楽しかったってば!」

純一「本当にか?」

美也「ほんとうに、本当にだよ。ちゃんと楽しかったって逢ちゃんの交換日記にも書くよ?」

純一「……そうか。それならいいんだ、うん」

美也「にしし、にぃにも心配性だなぁ~」

美也(……本当に、楽しかって思ってるのになあ。
   にぃにってば…本当に編に鋭い所あるよね~……はぁ、楽しかったけど)

美也(……やっぱり、信用出来ないよね。占いとかそういうのって)かさっ…

美也(……さっきの嘘発見器の紙のつづき…『特に検査を行った今日、貴方はとても頑張れることを理解できるでしょう。
   それは貴方の人生を深く変えるものであり、今後を左右するほどのものです』)

『──理解は簡単ですが、認めることはたやすくない。ですがその壁を乗り越える力を与えてくれるのは……男性の方です。
 今日という日を必ずお忘れにならぬよう、ご注意ください』

美也(なーんて仰々しく書いてあったけれど、なんともなかったしね……)

美也(……でも、なにが欲しかったんだろ…にぃにに、みゃーは…)

美也(人生を深く変えるもの……そんなこと、まったく考えたことなかったけど…でも、今のみゃーは、ちょっぴりがっかりしてる)

美也「……今日は、にぃにと出かけられて…嬉しかったのになぁ…」

純一「よいしょっと!」ぐいっ!

美也「にゃぁあ!? え、なになに!?」

純一「なにって、お姫様抱っこだけど?」

美也「……えっ?!どうして急にそんなことするのっ…!」ばたばた!


純一「あ、こら暴れるなって。ちゃんとだっこできないだろ」

美也「暴れるにきまってるよ…! どうしてこんなことするの!」

純一「エスコートだよ、決まってるじゃないか」

美也「えすこーとって……もう終わったんじゃないの…?」

純一「確かにお前は満足したかもしれないけど──僕は満足してない」

美也「満足も何も……とにかく誰かに見られたら恥ずかしいよっ…!」

純一「我慢するんだ。僕も、がんばってる」

美也「に、にぃに……?」

純一「………な、なんというかその…あれだよ、あれ…」

美也「な、なに……?」

純一「──すまん、実は嘘発見器の紙……全部読んでたんだよ、最初に」

美也「えっ………」

純一「えっとその、な……? 美也の集計のところも、全て読んでしまったんだよ…うん」

美也「そ、それって……つまり、あれってことなの…?」

純一「あ、ああ……その、お前が隠そうとしたところとか…さ。全部わかって」

美也「……────」

純一「たんだけどって美也!? 顔が真っ赤だけどどうした!?」

美也「に、にぃに……の…ばかっ……」ぐすっ…

純一「え、あ、ちょ……どうして泣くんだよ!? ごめんごめん…悪かったって!」

美也「ぐすっ……ばかばかっ……にぃにのばかぁっ…!」ぐしぐしっ

純一「わ、悪かったよ……盗み見してさ! ほら、でも……あれだろ?
   所詮は機械がだしたもんじゃないか! 勘違いだって!勘違い!」

美也「でもっ……ぐしゅっ……にぃに、あの機械すごいって言ってた…っ!!」

純一「そ、そうだけどな……確かに」

美也「ひっく………」ぷるぷる

純一「あーごめん! 違う、違うから……もう、なんでこうなるかな……!」

純一「と、とりあえず! 美也!」

美也「うぇーん……にぃにのばかぁ…!」

純一「ばかばかいうなって……聞けって美也!」ぐいっ

美也「ひっく……なに?……ひっく…」

純一「お前は悪くない! 全然悪くないからさ!」

美也「え……?ぐすっ…どういうこと…?」

純一「お、お前が……その僕の事をす、すす好きだって……思ってても。
   まったくもって、それは悪いことじゃないんだよ!うん!」

美也「で、でも……兄妹、だよ……? 悪いことじゃないの…?」

純一「そうかもしれない! でも、だ!」

純一「……僕と美也、二人はいっつも笑顔だ。満点が付くぐらいにな、それはもう大きな満点だ」

美也「う、うん……」ぐすっ…

純一「言ってたろ? 僕らは笑顔でいることで、満足だって。
   だったらずっと笑ってればいいんだよ、ずっとな!」

美也「どういうこと……?」

純一「美也、お前がどうして僕と一緒にいると……笑顔になれるんだ?正直に言ってみろ」

美也「それは、ぐすっ……それなね……にぃにが、にぃにが…」

美也「にぃにが……好き、だから…だよ?」

純一「お、おう。そうか、好きだら……お前は笑顔になれるんだな?」

美也「うん……」こくっ

純一「だったら、もしお前がその好きだって気持を否定されて…ダメだって言われて。
   なくさないとダメだって言われた時…お前は僕といるときに……笑っていられるか?」

美也「それは……できない、と思う……」

純一「だろ? だけど、僕と一緒にいるときは……いっつも笑顔じゃないと駄目だ。
   でも、それはお前の気持ちを否定してしまったらできない……」

純一「ここで僕の意見だ。僕はだな、美也……お前と一緒にいて、笑顔がなくなるのなんて嫌だ」

美也「……に、ぃに…?」

純一「何度だって言ってやる。僕はお前の表情から笑顔がなくなるのは、とてもつらい」

純一「だから、お前のその好きって……気持ちは、悪いことだって思いたくない。むしろいいことだって思いたい!」

美也「そ、それって……にぃに…普通にきくと……」

純一「っ……え、エスコートだ! 女性の気持ちを促すのは、いつだって男の役目だからな!うん!」

美也「…………」

純一「──美也。僕はお前の気持ちは、否定しない。むしろ快く思ってるし、心からの本心だ」

美也「ほんとうに…こんなみゃー、きもちわるくない…?」

純一「きもちいいさ! よくわからないけれど、いいってことにしろ美也!」だっだっだ!!

美也「きゃ…!」

純一「お互いに気持を知りあっても、簡単に関係が崩れるとは思わないよ美也…!」だっだっだ!

純一「──それでも、不安なら。今ここで言ったっていい」

美也「にぃに……?」

純一「美也、にぃにはお前のことが……好きだよ」

美也「っ……それ、ほんとうに…?」

純一「ああ、だけどまだ……兄弟の好きってものだ。恋人かじゃない」

純一「でも、気持ちは知った! なら、覚悟はできる!」だっ…!

美也「っ………!」

海辺

ひゅうう~………

美也「…………」

純一「──もう一度言ってやる、美也。この夕日に誓って、お前にやくそくしてやろうじゃないか」

美也「……」

純一「好きになる覚悟は出来た、美也。次はお前が僕をエスコートしてみろよ」

美也「───……手n」

純一「そしたら……その、もしかしたら美也のこと……好きになるかもしれないしな!」

美也「……なにそれ、にぃに。かっこわるい」

純一「自分でもそう思ってるよ、ああ、かっこわるいだろうな」

美也「……でも、そんなにぃにが好きだよ。みゃーは」

純一「ん、ん? そうか……照れるな…っ」

美也「……やっぱり占いは信用出来ないけど、にぃにことばは…信用するね」

純一「うん…?」

美也「あ、にぃに。あそこに逢ちゃんがいるよ?」

純一「な、なにっ!? 例のゴミ拾い中か……!?」ばっ

美也「………にしし──」

ちゅ

純一「なっ───」

美也「──美也も、覚悟は出来たよ」

純一「お、おう……」

美也「妹にキスされたぐらいで照れない照れない……ま、でもね!」

美也「ありがと、にぃに。大好きだからね」

美也編終わり。

なんか異様に疲れたのでうんこしてくる
キャラ安価したほうがいいかな?

>>173
ヒロインのみ?

書きたい順に書きなさい
その方がモチベ保てるでしょ

自分が書けないキャラ指名されたら困るだろ

>>174
ヒロイン以外でもいいよ
ファラオとか誰得でもいい

>>175
次の一個は安価やってみようかなって感じです
モチベは大丈夫多分

とりあえず>>185を書いてみる

ksk

梨穂子はかわいいなぁ!!!

では梨穂子で
十五分にくるうんこ

いてら

もうすでにみんなの分書き溜めてるのか?

>>190
ごめんながら
速攻で考えてるよ

今から書く

【桜井梨穂子】

梨穂子「じゅ、純一……ひぅっ…だめだよ…そんなところ、舐めちゃ…ひゃぁう!」

純一「どうしてだよ、なんで舐めちゃいけないんだ?」ぺろぺろ

梨穂子「だ、だってぇ~……き、きたないもん……んっ…!」ごそっ…

純一「汚くなんか無いさ……ほら、こんなにも綺麗じゃないか」

梨穂子「や、やぁっ……み、みないでぇっ……そんなに、やぁ…!」

純一「こらこら、閉じるなって。ちゃんと開かないと、見えないだろ」ぐいっ…

梨穂子「きゃっ…!?…じゅんいちっ……やだ、見ないで……お願い…!」

純一「なにいってるんだよ。こんなにも濡らしてるくせに……ほら、もうこんなにトロトロだぞ?」

梨穂子「やぁっ…見せないで…っ…は、はずかしいから…tね!」

純一「…ったく。梨穂子はかわいいなぁ……ほら、もっと感じてもいいんだよ?」すっ…

梨穂子「や、やだっ!…これ以上なめらちゃ…おかしくなっちゃうよぉ……っ!」

純一「───じゃあ、おかしくさせてやるから。覚悟しときな梨穂子……」

梨穂子「や、やぁっ……やぁ……あっ……んっ!…じゅ、純一…っ…!」

じりりりりりりりりりいりりり

がばぁっ

「…………!?」

じりりりりりっばん!

「…………」

「…………」(回想中…)

「……!?……!?」

「───な、ななななっ………」

梨穂子「なんてハレンチな夢を、みてっ……みてっ……!!?」ドキドキドキ…

梨穂子「…………」(回想中…)

梨穂子「ぎゃわわわぁあああー!!」ぼっ

梨穂子「これはヒドイよ! なんというかその、全部ひどいっていうか……っ!」あたふた…

梨穂子「こ、こんな夢を見るような私じゃ……えー!?なんでだろう!? どうして!?」

梨穂子「じゅ、じゅんいちにっ……じゅ、じゅじゅじゅじゅいじゅっじゅじゅj」

梨穂子「しゅないだぁあー!!」ぎゅう!

梨穂子「ひっく…えっぐ……梨穂子は…梨穂子は…しゅだないだー…とってもハレンチな子になってしまったようですよ…ぐすん…」

梨穂子「…………」ぎゅう…

《や、やぁっ……やぁ……あっ……んっ!…じゅ、純一…っ…!》

梨穂子「っ~~~~……!!!」ぽこぽこぽこ!!

梨穂子「!!~~~……………」ぽこぽこ……

梨穂子「…………」ぽこ…

梨穂子「………今日、どんな顔して純一に合えばいいのかわかんないよっ…これじゃあ…」

梨穂子「……学校、休もうかな…」

学校・教室

純一「えっ。梨穂子休み…?」

「そうみたい。風邪を引いたとか何とか……って先生がいってたよ」

純一「そ、そうなんだ…どうもありがとう」すたすた…

純一(梨穂子が……風邪で休み?んな馬鹿な、あのお花畑の梨穂子が風邪…?)

純一(……ちょっと心配だな。学校を休みぐらいだし、ちょっと帰りによってみるか…)

純一「…………」

純一「……駅前の、シュークリームも買っていってやるかな」

>ぽこぽこ……


>>204
地団太みたいなノリで拳をぽこぽこ叩きつけてる音じゃね
床壁にか自分の頭にかはわからんが

櫻井家

純一「………」ぴんぽーん

「はーい……あら、純一くん? あらあらあら久しぶり大きくなったわねぇ!」

純一「え、あ、この前合ったばっかりですけど…?」

「あららそうかしら? ふふふ、ちょっとぼけでもはいっちゃったかしら?ふふふ!」

純一「い、いや…まだまだ梨穂子のお母さんはお若いですよ!」

「あらまぁー嬉しいこと言ってくれるじゃない! あがってく? お菓子食べる?」

純一「えっと上がらせてもらいたいんですけど……その、梨穂子は?」

「梨穂子? ああ、そういえば具合悪いっていってたわね……お見舞い?」

純一「はい。一応、梨穂子の具合が悪かったら…これだけでもおいて帰ろうかなって」すっ

「まぁ! 気が利くわね橘さんとこの子供はやっぱり教育がなってるわぁ!」

純一「あ、いえ…そこまで…」

「とりあえずあの子に聞いてくるわね。あがってまってらっしゃい」

純一「え、でもお邪魔に鳴るんじゃ……」

「いいの、いいのよ。ほら、新しいお菓子とかあるから。食べていきなさい」

>>206
なるほど
血が沸き立ってるのかと思った

桜井家 居間
純一「………」もぞもぞ…

純一(き、きまずい……小さい頃はよく来てたけど、最近はとんと来てないからなぁ…
   あ、あの柱の傷は……よく梨穂子と背比べしてたよなぁ)

純一「……とりあえず、梨穂子のお母さんの返事を待ってみるか…うん…」ぱりぱり…

純一「…あ。このお菓子うまいなぁ!」ぱりぱり

「──おかあさーん……」

純一「ぱりぱ…うごっごほっ!……梨穂子っ……!?」

「あれ、おかあさーん…? どっかいったのかなぁ……ま、いいや。オヤツは自分でも取れるしねぇ~」

純一「や、やばい……確実にこっちに来る感じの───」

「うんん? あれ、この匂いは……貰ったお菓子のやつ、お母さん! それ私が食べるっていったじゃないっ!」がらり!

純一「………」びくっ

梨穂子「………いい?」

純一「………や、やっほ。梨穂子ー」

梨穂子「……………………………」

がらら……すとん

純一(……ものすごく、キョトン。とした表情だったな……そりゃびっくりするだろうな、うん)

純一(というかパジャマ姿かぁ……久しぶりだな、ああいう姿を見るのも)

「あらあらごめんなさいね~ちょっと、電話がきちゃって。今からあの子に聞いてくるわね~」

純一「あ、はい。よろしくお願いします」

純一「……とにかく、まぁ。元気そうだったな、お菓子食おうとする気力はあるみたいだしな」

純一「とりあえず、顔を見れたからそれでいいかな」

純一「………」

「はいはいはいおまたせ~」

純一「…どうした? 会えそうですか?」

「うーんとね、なんかあの子純一くんに会いたくないそうなのよ~」

純一「えっ……僕に会いたくない…?」

「そうなの。なにかあの子、純一くんにしたかしら?」

純一「い、いえっ……なにもされてませんけど…?」

純一(まず梨穂子を疑うっていうのは…流石は梨穂子の親だなぁ…)

           /              |            `ヽ ヽ
             / /  /     j     !              ∧
             ,' /  /     イ      ト、   `、    ',    l !
            ,l l  /     / | |ト、      | ∨   、        l  |
           | l      /  ! ! \   l  \   ヽ     l    |  |
          |N| l     / ̄下l¬  \  |    ヽ 丁l\  l   リ ¦
          l l l   ∧ イ元下ミ   ヽノ  ,r介トlミ、 Ⅵ |   /  l
           V  小レ'  { し'リ         | l」 } Y N  /    !
            } l j川    ゙ニ"           ゞー'    |  ∧    |
           人从刈            }            ノイ /  } 八j  もういっぺんゆうてみぃ?
                  V|           ′             ノ'  / /
                ',        {           /  /V
                 、                 厶イ
                 \     _,. - 、         /| }ノ
                     }\   ` ̄ ̄`    /  レ′
                   Ⅵ|ヽ         /   |
                    人 `、      ´ ,. -‐'ト、
                   イ   \`ー "´, -‐'´    l \
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           _  -‐    ノ   /⌒二⌒ヽ       /     ヾー- 、
    -‐  ´ ̄         |   /       }     /        }     ̄ ¬ー-  、

「ま。とりあえず、あの子に会いに行ってきてくれる?」

純一「えっ。いいんですか?」

「どうせ仮病だと知ってるし、純一くんが会いに行ってくれれば元気もでるわよ。うんそうだわ」

純一「は、はぁ……」

「部屋はわかるわよね? それじゃあ不甲斐ない娘をどうかよろしくね」

純一「は、はい……わかりました……?」

梨穂子べや

梨穂子「っ………!!」

梨穂子(じゅ、じゅんじゅんじゅんいち……がいたよぉ!!どうして!?)

梨穂子(こんな時に限って……お、お見舞いにきたのかな…?
    いつもだったらこないくせにぃ~~!!)

梨穂子「で、でも大丈夫だよ……ちゃんとお母さんに、今日は会えません。って言っておいてっていったし…」こんこん

「おーい、梨穂子ー! 入るぞー!」

梨穂子「ちょ、ええええええ!?」

梨穂子(う、うそっ!? どうして、なんでなんで……!)

「お母さんが入っていいって言うから、とりあえずはいるなー」

梨穂子(もうっお母さんのばかぁああー! ど、どうしよう…っ…ど、どこか隠れる場所っ…!)

廊下

純一「……返事がないなぁ。とりあえず入るか…」

純一「梨穂子ぉ…入るぞ…?」がらり

純一「…………」

純一(……なんだ、あの部屋の隅っこに置かれた……異様に盛り上がってる掛け布団は)

純一「…………」ぽりぽり…

純一「おじゃまするぞー……」がらり…ぴしゃ

毛布 ぴくんっ!

純一「………。どうやらだれもいないみたいだなぁーうんー」

毛布「………」

純一「せっかく、駅前のシュークリームを買ってきて……梨穂子に食べさせようって思ったのになぁ」

毛布 もぞっ…

純一(……毛布の隙間から、ランランと光る眼が見えるんだけど…気のせいだな、気のせいだ!)

毛布「…………」

純一「……ふんふふーん♪……あ、そうだ。とりあえずここに箱をおいておくかな」すと

毛布「………!」

純一「落として崩しでもしたら、大変だもんなぁ。もうちょっと部屋の端においておくかな」すすっ…

毛布「………!!」

純一「……ふふーん♪……おっと、そういえばトイレにいっておきたかったんだ。
   梨穂子は居ないみたいだし、その間にトイレに行っておこうかな」がらり… すたすた…

毛布「………」

梨穂子「………」ばさぁ!

梨穂子 くんくん…

梨穂子「──これは確かに、駅間の伝統シュークリムだよ……純一すごくいいのかってきたんだ…ごくり」

梨穂子「………ちょっとだけ。ちょっとだけ味見を…」こそりこそり

純一「してどうするんだ、梨穂子」

梨穂子「きゃうっ…!?じゅ、純一……っ!?ふ、襖の隙間から見てたの……っ?」


純一「ああ、全てな。まるっきり全てを見てたよ……」すぅー……

純一「やあ、梨穂子。元気そうだな?」

梨穂子「…………っ…!」ばっ

純一「そんなに元気そうで──…っておいおい、そんなに遠ざかんなくてもいいだろ…?」

梨穂子「えっ…!? あ、うん…ごめんね純一…! その、悪気があってやったことじゃなくてね…?」

純一「そ、そうか…? なんだか避けられてるような感じがしたんだけど……何か僕、したか?」

梨穂子「し、舌かぁ……っ!? 」

純一「え、うん? ……僕、お前になにか悪いことでもしたかなぁっておもってさ…」

梨穂子「あうあうあ……ち、違うんだよ純一…っ! ごめんなさい、ちょっと私…急にお見舞いに来て戸惑ってて…!」

純一「…そうなのか? いや、それは僕も悪かったなって思ってるんだけさ」

梨穂子「う、うん……びっくりしたよぉ…本当にぃ……」

純一「そ、そうか………」

梨穂子(──う、うぅ……気まずいよぉっ…ちゃんと純一の顔がまっすぐ見れないよ……っ)

純一「…………」

梨穂子(と、とりあえず……このまま純一には帰ってもらわなきゃ…せっかくお見舞いに来てくれたけど、
    こんな態度を続けてちゃ…もっと失礼だよ…明日にはしゃきっとして、謝りに行けば大丈夫…だよね?)

純一「…………」

梨穂子(──ふぅ。心を落ち着かせて、よし!)

梨穂子「じゅ、じゅん───」

純一「梨穂子、少しいいか」

梨穂子「…ふ、ふぇっ!? なに純一っ!?」

純一「え、あっ、ごめん! 梨穂子からいっていいよ…!」

梨穂子「あ、えっと…純一からさきにいいよ…?」

純一「…………」

梨穂子「…………」

純一「……えっとさ、梨穂子。また謝っておくな、急に見舞いに来てすまなかったよ」

梨穂子「い、いいんだよっ……私もうれしかったし…うん、嬉しいからね?」

純一「そ、そっか……それはよかった」

純一「それでさ…もうひとつ、いいたいことがあるんだけど……」

純一「ああ、いいたいことがあるんだけどさ……でも、それは…」

梨穂子「……? どうしたの、純一…? 言いにくいこと…?」

純一「……えっと、ちょっとな。でも、今日の梨穂子に言うってのもあれかなって思うしさ。あはは」

梨穂子「…………」

梨穂子(……あれ? なんだか純一、今日は余所余所しい感じがする……どうしてだろう)きらっ

梨穂子「あっ………」

梨穂子(──なに、この鏡に写った私の表情……こんな顔しながら純一と喋ってたのっ…?
    ものすごく、迷惑そうな顔してる…純一が気を悪くしちゃうのも、あたりまえだよ~~~~!)

梨穂子(……しゃ、しゃきっとしなきゃ! 全部、私のせいなんだから…!
    勝手に恥ずかしがって、純一の気を悪くしちゃってるんだもん……ここはしっかりしないと…!)

梨穂子「……じゅ、純一……!」

純一「え? どうした、梨穂子」

梨穂子「えっとぉ…その、ね……!」

純一「う、うん?」

梨穂子「わ、わたしはっ……その! べつに純一のことがじゃ、邪魔に思ってるとかじゃなくてね…!?」

純一「え? あ、うん…そうなのか?」

梨穂子「だ、だからっ……私がかってに変な夢を見ちゃったせいで…!
    あ、あれ? これは別に言わなくてもよかったかなっ……?」

純一「り、梨穂子……? とりあえず落ち着けって!な?」

梨穂子「う、うん…わかった~…すーはーすーはー……」

純一「……なんというか、わかったよ。梨穂子、別に俺は…ここにいてもいいんだな?」

梨穂子「そ、そうなんだよ! それが言いたかったの!
    お見舞いに来てくれたことも嬉しいし、こうやって一緒に部屋にいることもいいと思うよ!」

純一「──そうか、梨穂子……お前の寛大な心の広さ。素晴らしいと思うよ僕は」

梨穂子「え、うん。ありがとう~…って、あれ? どうして私がほめられてるの?」

純一「えっ? またまた御謙遜なさるなって梨穂子──……だって、あれだろ?」

純一「さっきから汗でパジャマが透けて上に……その下に、何も履いてないってのを…僕にならいいっていってくれたんだろ?」

梨穂子「………」

梨穂子「え?」

純一「え? だから、ずっとそれが気になってたんだけど…お前が何も気にしてないようだったから早く部屋を出ようかなってさ…」

純一「って最初はそう思ってたんだけど……あれ? 梨穂子?」

梨穂子「ひゃ」

純一「……ひゃ?」

梨穂子「ひゃ…ひゃ…」

純一「……ひゃひぁ?」

梨穂子「ひゃ───」

梨穂子「ひゃぁああぶしょんっ…!」ばたーん

純一「お、おおう……なんて豪快なくしゃみだってオイ!梨穂子!!?
   どうした急に倒れて……!」

梨穂子 きゅー…

純一「ちょ、おま……身体ものすごく熱いじゃないか! 本当に風邪ひいてるなら早くいえよ…!」

梨穂子「……ふぇ…? ずんいち…? はれぇ~…なんでここにいるろ?」

純一「なんでって…さっきまで会話してただろうがよ…!
   どうしよう、とりあえずお母さんを読んでから…ああ!でも今の梨穂子の姿見たら誤解される気がする!ぜったい!」

梨穂子「ずんいち~ かたぐるまして~」

純一「ちょ、くっつくなってば……今から布団引き直すから、ちょっとまってろ…!」

梨穂子「ああ、だめだよずんいちー……にげちゃだめぇ~!」ぐいっ

純一「う、うわぁあ…!?」どさっ…

梨穂子「えっへへ~……くんくん。あ、ずんいちのにおいだぁ~…こしょこしょー」

純一「なっ、ちょ……あはは! や、やめろってくすぐるのは反則…あはは!」ばたばた

純一(病人相手だから下手に抵抗出来ない…!なんだこれ、梨穂子いきなりどうしたっていうんだよ…!)

梨穂子「ん、んん~……えへへ。純一ぃ……ここ、あっついよねぇ~…」ぱたぱた…

純一「え?ま、まあ確かにな…」

純一(くすぐる手が止まった……今がチャンスだ!)ばっ

梨穂子「──あ、そうだ。服をぬげいいって話だったよー!」がばっ ぐいっ

純一「え、あ、まっ───」ずぽっ ぽにょん

純一(……えっ? なにこれ、ものすごく良い匂いで…やわらかくて、しめってて…)

純一「まるで、大きな谷間みたないな───谷間だこれ!」

梨穂子「…んー? あれぇ、純一……どうして私の服の中にいるのぉ…?うん?」

純一「もがふぐもがもが…っ」(ちょっとした不注意でだな!とりあえず手を離してくれ!)

梨穂子「ひゃうっ……もう、純一ったらぁ…えへへ、くすぐったいよぉ~」

純一「もがー! けほっ、もがもが!」(あ、ちょっと身体動かすな! おっふ、柔らかい!)

梨穂子「もうっ……純一は甘えん坊さんなんだから~…ほら、いいよ?」すっ

純一「もがが!?」(なにが!?)

梨穂子「──純一なら、ね? わたしは……いいんだよ…?
    こうやってべったりくっつきあって、汗まみれになってね」

梨穂子「もう、どっちの汗なのかわかんないぐらい……べったべたになって…そしたらもう、
    お互いに……気持ちよくなるだけなんだよ……?」

純一「もががっ……もが!」(だめだこいつ……完全に頭いってる!)

梨穂子「ふふふっ……えへへ~……ずんいちぃ~……………なめてあげよっか…?」

純一「もがが、もが……ふぐもがが…」(しかたない、これは……これはやりたくなかったけど…)

梨穂子「例えばほら……おでことか」ぺろ

純一「もが!?」

梨穂子「しょっぱいね……えへへ、おいしいよ純一……うふふ」

純一「……………」

梨穂子「……うん? 純一、急におとなしくなったよ…?どうかしたの…?」

純一「もがが……」(いくぞ……)

梨穂子「………えっと、それってたしかシュークリームが入った箱じゃ──」

純一「もがが、もがっがが!」(そうだな、それをこうする!)ぶん!

ぐしゃぁああ!!びちぁぁああ!!

梨穂子「…………」ぱたた ぱた

梨穂子「…顔に、なにかかかったよ…?」ぺろ…

梨穂子「これ、シュークリーム……崩れ落ちた、シュークリーム……?」

梨穂子「………」ぱたん…

もぞもぞ…

純一「……ふぅ、やっと抜けれた。どうやら成功したみたいだな」

梨穂子「シュークリームがっ…シュークリームがっ…!」

純一「梨穂子はいつだって、食べ物は美しくあってほしいと思ってる。
   それが壊されるというのは心から嫌うやつだ」

純一「暴走した状態の時、この光景を見たら……どうにかなるんじゃないかっておもったら…ふう。
   どうやら成功したみたいだな」

梨穂子「う、う~ん……クリームが……すやすや……」ごろり

純一「……はぁ。都合よく眠りについてくれたかな、よかった。いや、全然よくないけど。
   この部屋の状況をどうにかしないと…!」あたふた…

梨穂子「うーん……純一、ごめんなさい…許して……へぷちっ…ぐすっ…」

純一「───……ったく、お前ってやつは……よいしょっと」

純一「うっ──よ、よし。だいじょうぶだ、ちゃんと運べるさ目的地までな!」ずりずり…

梨穂子「うぅん……けほっ…」

純一「よ、よし……これでとりあえずは暖はとれるな。ちゃんと毛布をかけてっと……
   あとは部屋の片付けだ!」

梨穂子「さ、さむいよぉ……」がたがた…

純一「えっ……梨穂子、なんでそんなにも震えて──汗が、冷たくなってる…?」

梨穂子「かちかちかち……」がたがた…

純一「な、なんだよ…普段は暖かそうなボディしてるくせに……くそっ! もうやけっぱちだ!」

がらり!だっだっだ…!

純一「梨穂子のお母さん! ちょっといいですか!」

「あら、どうかしたのかしら?」

純一「え、ええ…ちょっとシュークリームを……少しだけ、こぼしてしまって。それでなにか、
   拭くモノはないかなって思って……!」

「あらあら、そしたらおばさんが拭きに行くから……」

純一「い、いえ! 大丈夫です! あとそれと、梨穂子のパジャマにもこぼれちゃったんで、
   雑巾とかじゃなくて……フェイスタオルとかそういうのを、ちょっとお湯で湿らせたのが欲しいんですけど!」

「あらまぁ、色々と要求が……」

純一「って全部、梨穂子が言ってました! 本当ですよ?」

純一(許せ、梨穂子。これもお前のためだ!)

「あらそうなのあの子ったら本当に……すぐに用意するわ。まっててちょうだいね」

純一「よろしくおねがいします!」

数分後

「本当に一人で大丈夫かしら? おばさんもいったほうがいいんじゃない?」

純一「だ、だだ大丈夫ですから…! ちゃんと僕が掃除しておきます!はい!」

「そおう? それじゃあよろしくね」すたすた…

純一「………。よし!」ぱたん

梨穂子「っ……っ……」がくがく…

純一「梨穂子……まってろよ、今楽にしてやるからな」すっ

ぷちぷち…ばさあ …ぷるんっ

純一「………大丈夫だ。眼は閉じてる、見てない見てない」すすっ…

ずりずり……

純一「…ちょっと、おしり持ち上げるぞ…よいしょっと…」ずりり…

純一「ふぅ……大丈夫だ。僕はダイジョブ……平常心平常心…」

純一「体を拭くだけだ。見ないでふくだけ、汗を拭きとって、
   あとは裸で放っておいて大丈夫だろ…一応、布団に寝かせるけどさ」

はらへってしにそう
ちょっとご飯くう

純一「よ、よし……じゃあ行くぞ…っ」すっ…

梨穂子「んっ……」ぽにょ

純一「………」ぐっぐっ…

梨穂子「んっ…んんっ…」ぽにょぽにょ

純一「………」

純一「………」すっ

純一(生を受けて早十数年……今、橘純一。一つ現実を知りました)

純一(……胸は、拭きにくい!)

純一(柔らかさがすごすぎるよ……何ら抵抗もなく流れてっちゃうもん!
   ……これは、がっつりやんないとダメなのか……?)

梨穂子「へくちっ……ぐすっ…」

純一「……よし。いくっきゃない!」

数十分後

純一「ぜはぁー……ぜはぁー……つ、疲れたー…精神的に、ものすごく疲れた…!」

梨穂子 すやすや……

純一「……はぁ。幸せそうに寝やがって、こっちの苦労も知らないでさ」

純一「…………」

梨穂子「むにゃむにゃ……えへへ、純一…大好きだよ……むふふっ…」

純一「……そうか、それを聞けただけで頑張ったかいがあったってもんだよ、梨穂子」

純一「……ふぅー…さて、どうすっかなぁー…」

純一(──この頭の中に沸き起こってる、煩悩。
   ああ、やっぱり途中で諦めて目を開けてやったのがわるかったのかなぁ…へへっ。男って辛いぜ!)

純一「でも、ま。家に帰ればお宝本あるし……それで間に合わせようっと」

梨穂子「すやすや……」

純一「…よし、じゃあ帰るな梨穂子。もう風邪なんかひくなよ?」なでなで…

梨穂子「……えへへっ…うん、純一…!」

純一「……はは。なんだよ、タイミングのいいねごと言いやがって。
   というか本当は起きてるんじゃないのか…?」

純一「…なんてな。さて、帰ろうか…ちゃんとおばさんにお礼行っとかないとな……」

がらり… ぴしゃ すたすた…

数分後 梨穂子べや

すぅー…ぱたん

「……あら、ぐっすり眠ってること」

梨穂子「……むにゃむにゃ…」

「どれだけあの子が素晴らしく介抱してくれたかわかるってものね。ふふふ」

梨穂子「ずんいち~……」

「……それにくらべて、アンタはなにも発展させないんだから。お母さん、毎晩毎晩頑張ってるのよ?」すっ

「この、エロ小説を寝ているアンタに聞かせて……登場人物を純一くんにしてあげてるんだから」

梨穂子「う、う~ん……」

「ちょっとはそれで、女性の魅力ってものを出すように頑張りなさい。今度は、既成事実よ!」

梨穂子「う、う~ん……純一…逃げてぇ…だめだから…!」

「───ふふふ。将来は、アンタのことを橘さんって呼べる日が来るかしらね…?」

梨穂子終わる。

次は決めてないけどとりあえず愛歌先輩か七咲
うんこ

とりあえずメインヒロイン終わらせるか
今から書くよ

【飛羽愛歌】

愛歌「………」すたすた がらり…

愛歌「───……」

愛歌「どうやら一番乗り」

愛歌「………」すたすた…

愛歌「………」かちゃかちゃ… こぽぽっ…

愛歌「………」すたすた…こと

愛歌「………ずずっ…」

愛歌「おいしい」

愛歌「………?」

愛歌「ほお……これは珍しい」すっ…

愛歌「二人羽織の用の……ちゃんちゃんこだとは」

愛歌「るっこかりほっちの忘れ物か」

愛歌「…………」すすっ…すっ…

愛歌「装・着」

愛歌「……………」

愛歌「ふふ、ふ……これでりほっちたちを驚かそう」

愛歌「…………」ごそごそ…

しーん…

愛歌「…………」ワクワク…

がらり…

純一「しつれいしまーす……あれ? だれもいないのかな…?」

愛歌(……! この声はりほっちの幼なじみ)

愛歌(橘 純一……)

純一「茶室……にもいないか、ってうおお!?」

愛歌「…………」

純一「な、なんだこれ……あー、なんだ。ちゃんちゃんこか…それにしても大きいなぁ」

愛歌(!……しまった。出るタイミングを逃した)

純一「ま、それはいいとして……えっと梨穂子はまだ、こなさそうだな…」

愛歌「…………」

愛歌(これがりほっちが惚れているという……男か)

愛歌(見れば見るほど普通の人間だ、な)

純一「……寒いなぁ。というか、そういえばここってこたつがあったんじゃないか…入らせてもらおうっと…」

愛歌(残念無念)

純一「よいしょっと……あれ? スイッチが見当たらないぞ…あれっ!? コードもない!」

愛歌(先日にてobの泥酔状態の山口亜弓が持っていった……非常に素早い行動だった)

純一「えー……どうしてだよ…まったく、ここの茶道部はちゃんとなってないなぁ」

愛歌 ぴくっ…

純一「まったく……あたっ!?」げしっ

愛歌「…………」

純一「…えっ!? なんで茶筅が急に頭に…!? えっ!?」

愛歌(ふ・ふ・ふ)

純一「………」じー

愛歌(む……ばれてしまったか)

純一「……」きょろきょろ…

愛歌(………?)

純一「よいしょっと……ふぅー」こきこき…

愛歌(去っていくのだろうか。だが、またそれも人生……)

純一「よし、じゃああのちゃんちゃんこを着ようかな!」

愛歌「…………えっ?」

純一「ちょっと誰かのかなって迷ってたけど…よくよく考えたら、これだけでかいのは学校の
   備品だろうしさ……僕がきても大丈夫でしょ!」

愛歌(自由奔放なことを……いつか必ず天罰が下るぞ)

純一「こたつに雪崩かかってるだけみたいだし……ひっぱれば、どうにかっ…」ぐいぐいっ

愛歌「………」ぎゅぅ…

純一「あれ、とれない…?」

愛歌(……はぁ…はぁ…すこしばかり、疲労を隠せない)

純一「うーん…? なんかにひっかかってるのかな…? そっちにいってみるか……」ごそっ…

愛歌(っ……なん、だと…こっちにくるな。姿がばれる…)

純一「……ん? 今、ちょっと動いた…?」

愛歌「…………」じっ…

純一「………気のせいか。当たり前だよ、まさか誰か入ってるわけでも無いだろうしさ」

愛歌(実にその通り)

純一「しかたないや、とりあえず……」ごそごそ

愛歌「………? なにを───」

純一「……よいしょ。僕からちゃんちゃんこへ潜り込んでみようっと」ごそごそ…

愛歌(なっ……馬鹿な。どこからそんな発想が生まれる…っ)

純一「……よし、これでおっけー。あれ? なんだかすっごく暖かいぞ…?」

愛歌「……っ」

愛歌(どうにか中央部分に収まることで事無きを得た……)

めずらしー

人が少ないな…
五分紗江ちゃん

いじわるだな
五分紗江ちゃん

>>1が戻ってくるまで
五分紗江ちゃん

みんなまってる
五分紗江ちゃん

         ナ ゝ   ナ ゝ /    十_"    ー;=‐         |! |!
          cト    cト /^、_ノ  | 、.__ つ  (.__    ̄ ̄ ̄ ̄   ・ ・
ミミ:::;,!      u       `゙"~´   ヾ彡::l/VvVw、 ,yvヾNヽ  ゞヾ  ,. ,. ,. 、、ヾゝヽr=ヾ
ミ::::;/   ゙̄`ー-.、     u  ;,,;   j   ヾk'! ' l / 'レ ^ヽヘ\   ,r゙ゞ゙-"、ノ / l! !ヽ 、、 |
ミ/    J   ゙`ー、   " ;, ;;; ,;; ゙  u ヾi    ,,./ , ,、ヾヾ   | '-- 、..,,ヽ  j  ! | Nヾ|
'"       _,,.. -─ゝ.、   ;, " ;;   _,,..._ゞイ__//〃 i.! ilヾゞヽ  | 、  .r. ヾ-、;;ノ,.:-一'"i
  j    /   ,.- 、  ヾヽ、 ;; ;; _,-<  //_,,\' "' !| :l ゙i !_,,ヽ.l `ー─--  エィ' (. 7 /
      :    ' ・丿   ̄≠Ξイ´,-、 ヽ /イ´ r. `ー-'メ ,.-´、  i     u  ヾ``ー' イ
       \_    _,,......::   ´゙i、 `¨ / i ヽ.__,,... '  u ゙l´.i・j.冫,イ゙l  / ``-、..- ノ :u l
   u      ̄ ̄  彡"   、ヾ ̄``ミ::.l  u   j  i、`ー' .i / /、._    `'y   /
              u      `ヽ  ゙:l   ,.::- 、,, ,. ノ ゙ u ! /_   ̄ ー/ u /
           _,,..,,_    ,.ィ、  /   |  /__   ``- 、_    l l  ``ーt、_ /  /
  ゙   u  ,./´ "  ``- 、_J r'´  u 丿 .l,... `ー一''/   ノ  ト 、,,_____ ゙/ /
        ./__        ー7    /、 l   '゙ ヽ/  ,. '"  \`ー--- ",.::く、
       /;;;''"  ̄ ̄ ───/  ゙  ,::'  \ヾニ==='"/ `- 、   ゙ー┬ '´ / \..,,__
、      .i:⌒`─-、_,....    l   /     `ー┬一'      ヽ    :l  /  , ' `ソヽ
ヾヽ     l      `  `ヽ、 l  ./  ヽ      l         )  ,; /   ,'    '^i

って本人じゃなかった

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄
  バン    はよ
バン(∩`・д・) バン  はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
 ̄ ̄\/___/
      ; '     ;
       \,,(' ⌒`;;)
       (;; (´・:;⌒)/
     (;. (´⌒` ,;) ) ’
(  ´・ω((´:,(’ ,; ;'),`
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|LIVE      【保守中】||LIVE              【保守中】||LIVE    【保守中】|
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|         埼玉支部 ||(  つ/ 旦       旦 NY支部||       火星支部 |
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|  | U |   lと  | ( ´・ω・)(´・ω・`)(・ω・`) ―┘ ̄ (  ´・)∧,,∧ (・`  )  ( ´・ω)|
| (   ´・) (・`   ) | U| ( つと ∧,,∧ と)       | U (    ) |と |   (    ) |
└──────────────────────────────────┘




寝過ぎワロタ
ごめん今から書く

愛歌(数センチ横には橘純一の両腕がある……今は奇跡的にばれていない)

愛歌(だが、バレるのも時間の問題………少しでも上半身を下げられると正体がバレる)

愛歌(……身体が小さくてよかった)

純一「うーん……まるで、誰かが入ってたようだよ…」

愛歌(入ってるぞ……早く何処か行け)

純一「………」もぞもぞ

愛歌(…………っ!)びくん!

純一「……あれ? なんだろうこれ…」さわさわ

愛歌(なっ───どこ、さわ……!)

純一「やわらかい……っ!? あっ!まさか…!」

愛歌(っ……とうとう、正体が見破られたか───)

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純一「……人型のクッションが入ってるのか……!すごいなぁ!」

愛歌(……馬鹿だろう、貴様)

純一「すごく暖かい……まるで本物みたいだ」

愛歌(生を受けた人間だ……当たり前だ)

純一「……ちょっとこれで、暖をとってみるかな…」ぎゅう…

愛歌「っ……!?」びくっ

純一「おおっ………細い体だけど、しっかりと柔らかさがある…まるで女の子みたいだ…!」

愛歌(み、耳元で……喋るなっ……!)ぴくん…

純一「……えっ、今震えた?」

愛歌(もういいだろうっ……もう、正体が見破られても───)ごそっ…

純一「……まさか、バイブ機能もあるのか……!?」

愛歌(我慢の限界だっ……大声を出すまで、三秒後。一、二…)

がらり

梨穂子「こんにちわ~」

純一「おっ?」

愛歌「っ……!」

梨穂子「あれ~…この上履きは…」がらり

梨穂子「やっぱり、ずんちいだ~。やっほ~」

純一「おう。ちょっとあそびにきてるぞ」

愛歌(し、しまった───これでは、余計出られなくなった……!)どきどき…

愛歌(この状況で出てしまったら……りほっちに誤解される)

梨穂子「そうなんだ~えへへ~……純一は何を着てるの?」

純一「これか? これはちゃんちゃんこだよ。さっき見つけたから来てみたんだ」

愛歌(のんきに説明している場合か……この脳天気野郎)

純一「よいしょっと……」ぎゅう…

愛歌(っ……や、やめろ……そんなに抱きつくな……!)

愛歌(り、りほっちが……見てる…のだから…!)

純一「膝の上に載せてみるか……」ぽすん

愛歌「っ……」

純一「おおっ、良い感じ良い感じ」

梨穂子「?」

純一「そして抱きつく……あったかいなぁ~」ぎゅう

愛歌「っっ~~~~~……!」ぐるぐる

梨穂子「さっきから、なにをしているの~?」

純一「ん? それはだなぁ……あた!」ぐりっ

愛歌(ば、馬鹿野郎っ……言っては駄目だ。りほっちにはバレては駄目だ……!)

純一「えっ………ふともも抓られた…?」

愛歌(この際……この馬鹿野郎にバレてしまってもかまわない。だが、りほっちだけは…)

純一「まさか……」ごそごそ

純一「………」

愛歌「………」じぃ…

純一「………」ばっ!

純一(───な、ななななななんで……!?
   どうして、飛羽先輩が……僕に抱きつかれながらちょっと涙目で上目遣いをしているんだ…!!?)

愛歌(流石に気づいたか……だが、それでいい…)ごそごそ…

純一「……!?……!?」あたふた…

愛歌(少し、移動を)ごそ…

純一「えっ…あっ…ちょ……!」

愛歌(……ふぅ。聞こえるか、橘純一)ぎゅう…

純一(え、あはい……聞こえます…というかなんで僕に抱きついてる体制になってるんですか…?)

愛歌(体積を少なくするためだ……こうすれば、一人だけに思えるだろう)

純一(そ、そうですか……)

愛歌(だからもう少し、膝を広げろ……その間に座る)

純一(は、はいっ……)ごそっ…

愛歌(よろしい。では……さっきまでの不祥事は忘れてやる)

純一(は、はぁ……ありがとうございます)

愛歌(感謝するのだな。ここで叫んでは…りほっちにバレる)

梨穂子「ふんふふーん♪」かちゃかちゃ

純一(……今、梨穂子は台所でお茶の準備してますから…その間に出るっていうのは…?)

愛歌(駄目だ。上履きを隠しているから……居ないことは証明済みだ)

純一(あっ、そうか…でもいつまでこの状況に…?)

愛歌(どうにかしてりほっちを……部室から出て行かせろ)

純一(どうにかって……)

愛歌(バレてしまっても…構わないというのなら)

純一(が、がんばります…!)

梨穂子「茶菓子はちゃっぱぱぱ~♪…純一もお茶のむ~?」

純一「え、ああ、うん…! 飲む飲む…!」

愛歌「…………」

純一(……と、と言ってもっ……この状況はっ…ものすごく精神的に悪いよ…!)

愛歌(……こら、もっとちゃんと抱きしめろ。この体制は少々きつい)

純一(は、はい…!)ぎゅう…

愛歌(っ……よ、よろしい)

梨穂子「できたよ~…よいしょっと…」かちゃかちゃ…

純一「あ、ありがとう……」ずずっ…

梨穂子「えへへ~…お菓子もあるよ?」

愛歌「………」

純一「お、おう……食べる食べる…」

純一(さ、さて……どうするか…片手で人一人を抱きしめて…
   もう一人の人と会話をするなんて……どんな経験だよ…っ!)ごそっ

愛歌「っ………」ぴくん

純一(あ、やばい…ちょっと触ってしまった……!)

愛歌(き、きにするな……仕方ないことだ)もぞもぞ…

純一「っ……すみません…!」

梨穂子「? どうして謝るの?」

純一「あーいや! なんでもないよ! あははは!」

愛歌(……ふぅ。この調子で行けば、どうにかいけるだろう──)ぴく

愛歌(……!? なんだこれは……まさか、まさか……)

愛歌(………なんということだ、トイレに行きたい…!)

愛歌(先ほどの緑茶が……今になって尿意になったのか……っ?)もぞもぞっ…

純一(……ん?どうしたんだろう、先輩……なんだかもぞもぞと…)

愛歌(っ……なんたることっ…んっ……!)ぴくぴく…

純一「えっ……そんなに動いたら、ばれる……!」

梨穂子「ずんいち? どうしたのもぞもぞして……トイレ?

純一「い、いやーそうかもね…!」

純一(…トイレ!? まさか、先輩トイレ行きたいのか……!?)

愛歌(う、うう……っ……)もぞもぞ

純一「あ、あれー? ちょっと上着が熱いなぁ……ちょっと脱ごっかなぁ…」もぞもぞ

純一(……せ、先輩…!? どうしたんですか…!?)

愛歌(た、たちばなっ……じゅんいちっ……!)

純一(顔真っ赤じゃないですか……! ま、まさかトイレですか…?)

愛歌(っ……そう、だ…)ぷい

純一(そ、そうですか……ど、どうしようっ…このままじゃ…まだ梨穂子をどっかいかせられるとは思えないし…!)

愛歌(っ……すまない、不甲斐ないばかりにっ……)ぷるぷる…

純一(い、いや…そもそも僕がこんな所に入ったのが悪くて……)

愛歌(も、もういいぞ……)

純一(えっ……?)

愛歌(もう、貴様だけが……ここからでていけば…それでいい…)ぷるぷる…

純一(なにを、いってるんですか…?)

愛歌(そうすれば、どうにか自分だけでっ……んっ……どうにかするつもりだ…)

純一(…………)

愛歌(確かに貴様も悪いが……はやくバラさなかった自分もわるい……っ…)

愛歌(この状況は、もはや己だけの過ち……)

純一(飛羽先輩……)

愛歌(迷惑かけて、すまなかった……あとはこのまま、トイレでも行くといい……)ぷるぷる

愛歌(わたしみたいな……貧弱の身体に抱きつかれて、迷惑だったろうしな……)

純一「──そんな、ことはないです…!」

愛歌(……え…?)

純一(……そんなに、自分を悪く言わないでください。飛羽先輩…!)

愛歌(橘、純一……?)

純一(とってもやらかくて…女の子の体って…こんなにも、触り心地のいいものだって思いました…!)

愛歌(……そっち、なのか…?)

純一(ええ! 当たり前です! 女の子が……どんな体型だって、男が反応しないわけがないですよ!)

愛歌(あ、あまり恥ずかしいことをいうな……っ)

純一(僕も恥ずかしいです……! でも、今の先輩の表情を見て…決めました…!)がたっ

愛歌「きゃ……っ」

梨穂子「じゅ、じゅんいち…?どうしたの急に立ち上がって……」

純一「梨穂子!」

梨穂子「は、はい…っ! な、なにかな?」

純一「うんこいってくる!」だっ!

梨穂子「え、えええ!? 言わなくてもいいよそんなこと~!」

愛歌(……行ってしまったか。最後に何やら言っていたが…)

愛歌(所詮は人間……仕方ないことだ。さて、あとは……くっ…どうにかして───)

純一「ただいま!」

愛歌「っ……!」

梨穂子「えー! 速いね純一……本当にトイレ言ってたの…?」

純一「いってたよ! いやーやっぱ寒いなぁ…」ごそごそ…

愛歌(な、なんでもどってきた……っ…)

純一(……先輩。もう少しまっててください…)

愛歌(……え…?)

純一(もう少しで、来ますから……)

愛歌(なにが──)

「やっほー。櫻井いるー?」

梨穂子「……え。この声は…香菜ちゃん?」

伊藤「お、いたいた。櫻井、ちょっと先生が呼んでるよアンタのこと」

梨穂子「えっ……本当にっ?」

愛歌(……行ってしまったか。最後に何やら言っていたが…)

愛歌(所詮は人間……仕方ないことだ。さて、あとは……くっ…どうにかして───)

純一「ただいま!」

愛歌「っ……!」

梨穂子「えー! 速いね純一……本当にトイレ言ってたの…?」

純一「いってたよ! いやーやっぱ寒いなぁ…」ごそごそ…

愛歌(な、なんでもどってきた……っ…)

純一(……先輩。もう少しまっててください…)

愛歌(……え…?)

純一(もう少しで、来ますから……)

愛歌(なにが──)

「やっほー。櫻井いるー?」

梨穂子「……え。この声は…香苗ちゃん?」

伊藤「お、いたいた。櫻井、ちょっと先生が呼んでるよアンタのこと」

梨穂子「えっ……本当にっ?」

伊藤「そうそう、んだから探してたからきたってワケ。……ん、橘くんじゃん」

純一「や、やあ!」

伊藤「……おんやぁ~…? どうやらおじゃましてしまったみたいだねぇ~」

梨穂子「ちょ、ちょっと香苗ちゃん……!」

伊藤「あっははは! まぁ、そんなわけだから! まったね~」

梨穂子「っもう……そういうことみたいだから、ちょっといってくるね~」

純一「お、おう。いってこい」

梨穂子「はいは~い」すたすた… がらり ぴしゃ

愛歌「ど、どういうことだ……橘純一…?」

純一「あ、いや。今日の用事を思い出して……それで梨穂子を探してたんですよ」

純一「アイツ、提出するはずのプリント出してないって……それで先生を呼びに行ったんですけど、
   だけど途中で伊藤さんをみかけて、行き先がどうやら茶道部だったみたいででして…もしかしたら、と」

愛歌「……結局は、橘純一はなにもしてない」

純一「あ、あはは…結局はそうみたいですね…! でも、早くことが終わってよかったじゃないですか」

純一(あ、でも……元からそのことを言えば、最初からことは進んだんじゃないだろうか…?
   ……でも、先輩気づいてないしそれでいいかな!)

愛歌「…………」ぎゅう…

純一「……えっと、先輩? とりあえず梨穂子はいなくなったし…もうそろそろいいんじゃないですか…?」

愛歌「っ………」ぎゅう…

純一「せ、先輩……?」

愛歌「……きゅ、急に安心したら……そのっ……」ぷる…

純一「……ま、まさか…も、漏れそうとか…?」

愛歌「………」ぎゅっ……

純一「え、ええ!? ちょ、ちょっとまって……いや、どうしよう…!」

愛歌「……──…だめだ、もう……」ぴくん…

純一「あっ………」

俺が

純一「……うぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」がっ だっ ばっ…!!

愛歌「ふぇ……?」

純一「おおおおおおおおおおお!!」だだだだだだだ!!

愛歌「た、たちばなっ……!」

純一「が、がまんです! とにかくがまん!ほら、もう見えた! トイレ見えた!」だだだだだ!

がちゃん!

純一「勢い余って女子トイレに入ってしまった……まぁいいや! 先輩!はやく!」

愛歌「わ、わかった……」すた…

純一「開けられますか? 自分でドア開けられますか?」

愛歌「あ、あけられる……っ!」ぎぃ

がやがや…

純一「……えっ!? 誰かと入れに来ようとしている……!?」

愛歌「っ……こ、こっちにこい橘純一…!!」ぐいっ

純一「えっ……!?」

ばたん がちゃん

純一「せ、先輩……!?」

愛歌「み、みるな……っ…と、とにかく…あっちむいてろ…!」

純一「は、はい……っ!」

すすっ……ぱさっ…

純一「っ……せ、先輩……まさか…!」

愛歌「き、きくな……しょ、しょうがないだろう…っ!」

ちょろ…ちょろろ

純一「っ!?……は、はい……!」

愛歌「っ………」ぴくぴく…

純一「っ………」どきどき…

愛歌「に、匂いも……嗅ぐんじゃ、ないぞ……!」

純一「は、はい……っ!!」

数分後 茶道部

愛歌「…………」

純一「…………」

愛歌「今日のことは……互いに忘れる必要がある」

純一「そ、そうですね……はい…」

愛歌「なにもなかった。それでいい」

純一「はい……」

愛歌「…………」

純一「…………」

愛歌「……すまなかった」

純一「えっ……どうして、先輩があやまるんですか…?」

愛歌「………。迷惑しか、かけていなかった。それを謝りたい」

純一「そ、それこそお互い様じゃないですか…!」

愛歌「…………」

純一「と、とりあえずですね……僕はその、大丈夫ですよ」

愛歌「…………」

純一「先輩が……色々とやってしまったこと。忘れて欲しいって言うなら、忘れますし…」

愛歌「…………」

純一「ですから、そんなに落ち込まないで……いつもみたいな、その…
   不思議な雰囲気をだしてください…お願いします」

愛歌「………」

愛歌「……了解した。橘純一の願いのどおり…いつも通りに接することにする」

純一「は、はい…よろしくお願いします」ぺこ…

愛歌「………」

純一「……? えっと、僕の顔になにかついてますか…?」

愛歌「っ……な、なんでもない…!」ぷい

純一「……?」

「……わかってないねぇ。橘純一…」

夕月「あの子が……愛歌が、いつも通りに接するということを言ったという、意味を」ごそっ

夕月「……いやー。まさか押し入れの中に隠れていれば……とんだ状況を見てしまったもんだよ」

愛歌「………」じぃー

純一「…?……??」

夕月「……知っているかい。橘純一、愛歌はいつも通りに接しないことを…モットーにしているんだよ」

夕月「だから突拍子も無いことも言うし、抜け目ないことを言うし、それにとらわれないことを言うんだ」

夕月「他人が理解できる人間に成り下がらない……それを生きたかにしている愛歌に対して、そんなことを言わせた
   アンタは……どれだけのことをやってしまったのか……ははっ、いつになったらわかるのかねぇ」

夕月「……応援したいけど、ここはやっぱり……りほっち優先だよ。愛歌」

夕月「ま。一応は応援しとくけどさ!」

愛歌「……橘純一」

純一「な、なんでしょうか飛羽先輩…?」

愛歌「…………」

愛歌「……あまり、性的な目で見るな」

純一「み、みてませんよ……!!ほんとうにですって!!」

愛歌おわりです。はい。

次は七咲かなー

とりあえずうんこ

とりあえず他のヒロインとのイチャイチャが見たい方は
美也「にぃにー! あっさだよー!」をぐぐってくれるといいかも

暇つぶしには鳴ると思います多分

今から書くよ

【七咲逢】

七咲「…………」

純一「……ん? どうしたんだ、七咲?」

七咲「あの雲……なんだか先輩に見えて、面白くありません?」

純一「まってくれ。何処をどう見ても僕に見えないし…面白い要素がないんだけど…?」

七咲「ふふっ。言ってみただけですよ、先輩」

純一「……はぁ。本当に七咲は、僕をからかうのが好きだなぁ」

七咲「そうですか? そこまで先輩をからかうのは……あ、やっぱり好きです。すみません」

純一「……からかってるのか、七咲」

七咲「はい、そうですよ?」

純一「……はぁ。まぁ、そんな七咲も好きだけどさ」

七咲「そうやって、すぐに順応してくれる先輩も大好きですよ」

純一「…………」

七咲「ふふっ」

純一「そっちのゴミは拾えた? 七咲」

七咲「はい、先輩もだいぶ拾ったみたいですね」

純一「そりゃーねぇ……頑張ったし、なんといってもご褒美があるからさ!」

七咲「…やっぱり、それが目的だったんですね先輩は」

純一「えっ!? い、いやー……うん。そうじゃないんだよ? ちゃんとゴミ拾いも大好きさ!」

七咲「…………」じぃー

純一「……あっ、うんっ……ごめんなさい。ちょっとたのしみにしてました…」

七咲「……はぁ。でも、確かにおかしいって思ったんですよ。先輩からゴミ拾いがしたいって
   行って来ましたから」

純一「で、でもっ……予めそんな事言われてたら、誰だって期待しちゃうよ…!」

七咲「…そうですか? 先輩は、そんなにもご褒美が……わたしからの欲しいんですか?」

純一「う、うん……!」

七咲「わかりました…それじゃあゴミの数を教えて下さい、先輩」

純一「えっと……大きものだと、十七個ぐらいかな。空き缶とか大きものばっかだったし」

七咲「15,16……そうみたいですね。ちゃんと十七個あるみたいです」

純一「う、うん」

七咲「そしたら──…先輩。ご褒美は十七回、でいいですか?」

純一「えっ!? ほ、本当にしてくれるの……?」

七咲「……あ、当たり前です。一応、先輩の楽しみを無下にするつもりはありませんから」

純一「そ、そっか……そしたら、その…」おろおろ…

七咲「うろうろしないでください。ほら、先輩…背が高いんですから。少し屈んで…」

純一「こ、こうかな……?」

七咲「はい、おっけーです。 それじゃあ行きますよ……」

純一「っ………」どきどき…

ちゅ

七咲「──まずは、一回目。あとは十六回です、先輩」

純一「…………」ぼー…

七咲「……先輩?」

純一「はっ!? あ、いやいや……えっ!? あと十六回もしてくれるの!?」

七咲「ええ、そういう約束でしたし……嫌でしたか?」

純一「っ…っ…っ…」ぶんぶんぶん

七咲「ふふっ…そうですか。そしたら後、十六回分のキスですよ?」

純一「う、うんっ……お願いするよ!」

七咲「せっかちさんですね、先輩は……」ちゅ

純一「お、おうっ……!」

七咲「……あと、十五回。まだまだ先は長いですよ」

純一「ね、ねぇ…七咲」

七咲「はい、どうかしましたか?」

純一「これって、僕からしても……いいのかな?」

七咲「え、えっと……それはもちろん、です」

純一「そ、そっかー……そしたらその…いいかな?」

七咲「…ふふっ、なんで確認を取るんですか。いつでも先輩のタイミングでいいですよ」

純一「……わかった。じゃあ七咲……」

七咲「はい……」すっ…

純一「んっ……」ちゅ

七咲「……はい、十五回目おわりで──」

純一「………」ちゅ、ちゅっ

七咲「──え、ちょ先輩……!キス、しすぎですって…!」

純一「七咲っ……ごめん、我慢できないや…!」ちゅちゅ

七咲「あっ、もう先輩ったら……ちょ、んむっ……!」ちゅ

純一「………」ちゅうぅ……れろ

七咲「んっ……んんっ!?」ぴくん!

純一「ぷはぁ……はぁはぁ…ごめん、七咲…!」

七咲「っ……せ、先輩…っ……ちょっと、強引すぎますよ…!」ぐいっ

純一「いや、ちょっと我慢できなくて……!」

七咲「い、今のでだいぶ消費しちゃいましたよ……っ!
   もう、ゆっくりやっていこうと思ってたのに……」

純一「だって、七咲と……キスが出来るって思うと。こう、弾けちゃうんだよ色々と」

七咲「だからって、これはやりすぎです! 首筋までキスして…跡が残ったらどうするんですか」

純一「え、残しちゃダメなの?」

七咲「だ、だめにきまってます! もう、先輩は本当に変態なんですから……!」

純一「ご、ごめん……」しゅん…

七咲「……はぁ。そしたら、今のは三回分ってことにしておきます」

純一「……えっ? 三回分でいいの? よくよく数えてみると、十回ぐらいキスしたような…」

七咲「い、いいんです。私がいいといったんですから、それで構いませんから!」

純一「う、うん…わかったよ。それだとあと十一回、かな?」

七咲「はい、そうですね。あとそれぐらいです」

純一「…………」

七咲「……どうかしましたか?」

純一「あっ、いや……なんだか幸せすぎて。ぼーってしてた」

七咲「そ、そうですか……」

純一「……七咲も、幸せかな?」

七咲「えっ…?」

純一「ぼ、僕と…その、キスできて……七咲も幸せになれてるかなって…思ってさ」

七咲「そ、それはもちろん……」

純一「もちろん?」

七咲「せ、先輩と……き、キスできて……幸せですよ?」

純一「……そっか。それを聞けて安心したよ、うん」

七咲「は、はい……」

純一「………」すっ

七咲「んっ……」ちゅ

純一「──……ちょっと寒くなってきたね。浜辺からでようか、七咲」

七咲「……はい、そうですね。何処か行きますか?」

純一「そうだね。とりあえず拾ったゴミを僕の家に持って帰って……
   それから何処かご飯でも食べに行く?あ、でも郁夫がいるか…」

七咲「あ、今日はお母さんがいるので大丈夫だと思います。
   ご飯も連絡すれば、いけるかと」

純一「そっか。それじゃあ行こうか、七咲」

七咲「はい、先輩」

数十分後 自宅玄関

純一「よし、これでゴミはおっけーだね」

七咲「はい、そしたら……」

純一「な・な・さ・き」

七咲「え、何ですかせんぱ……んっ!」ちゅ

純一「ん~……びっくりした?」

七咲「も、もう…先輩たら……美也ちゃんにバレたらどうするつもりですか…!」

純一「大丈夫だよ。アイツは居間でテレビ見てたしさ」

七咲「そ、それでも…こういった人通りが多い所でするのは…っ」

純一「七咲は心配性だなぁ……」

七咲「先輩が無神経なだけですっ」

純一「じゃあ、ほら。もっかいしようよ、そしたら大丈夫だってわかるはずだし」

七咲「なにがですか…!?」

純一「んー…七咲…」ぐいー

七咲「あ、ちょ、せんぱいっ……や、やめてください…! んんっ!」ちゅ

ばたん

美也「にぃにー! 逢ちゃんがいるってほんとー?」

純一&七咲「……っ!?」

七咲(せ、先輩……!?)

純一(だ、大丈夫だ……! 一応、七咲の姿は僕の背中で死角になってるはずだから…!)

美也「……にぃに、そこにつったってなにしてるの?」

純一「あ、美也!? ちょっとお腹がいたくなってだな…!ちょっと我慢してたんだ…!」

美也「それなら家ですればいいでしょ……というか、逢ちゃんは?帰っちゃったの?」

純一「う、うん。まぁね! ちょっと用事があるってさ!」

七咲「………」どきどき…

純一「ほら、美也。そろそろビーバー三国志の始まる時間だぞ…!」

美也「えっ! あ、ほんとだ! いそがなくちゃ……にぃに、ちゃんと録画しとくからねー!」

純一「ああ、たのむ…!」

がちゃん ばたん

純一「……ふぅ…びっくりした…」

七咲「もし、バレてたら……学校でからかわれること間違いなしでしたよ…」

純一「……よし、それじゃあ気を撮り直していこっか」

七咲「……あと、八回ですからね。先輩」

純一「わ、わかってるよ……」

ファミレス

純一「……よし、これでいいかな」

七咲「わたしもこれで」

純一「七咲とファミレスに来るのって初めてじゃないか?」

七咲「そうですね。確かに」

純一「いやー…ここの焼きそばがおいしいんだよ。今度食べてみな七咲」

七咲「焼きそばですか…でも、わたし麺類には少しうるさいですよ?」

純一「ラーメン好きなだけじゃなかったの?」

七咲「いえいえ、麺という料理にこだわりを持ってるんですよ」

純一「そうなんだー…そしたら今度は、七咲の作ったご飯食べたいなぁ」

七咲「……そしたら、今度は私の家に遊びに来ますか?」

純一「えっ、いいの…?おじゃまにならない?」

七咲「……こ、今度…郁夫が修学旅行に行くんです。
   それでその、両親もいなくなる時期がかさなって…ですね」

純一「え、ええっと……うん。そしたらいい時期だね!」

七咲「はい……出来れば、その時に来てくだされば…嬉しいです」

純一「そ、そっか……わかったよ…」どきどき…

七咲「はい……」

純一「………」

七咲「………」きょろきょろ

純一「……ん? どうかしたの、七咲。周りを見渡して…」

七咲「あ、いえ……」

七咲「………」じっ

純一「……?」

七咲「こほんっ……こ、これはお返しですからね…!」すっ

純一「えっ……んむ!」ちゅ

七咲「っ……ふふっ……やってやりましたよ、せんぱい」

純一「な、七咲……! こ、こんな人がいっぱいの場所で…!」

七咲「さっきの先輩のおかえしです。これで懲りましたか?」

純一「う、うん……」

純一(だ、大胆だなぁ……七咲…もし、誰かに見られたらどうするつもりだったんだろう…!)

七咲「………」テレテレ

純一(あ、でも七咲も恥ずかしかったのかな…ちょっと顔赤いや)

「おまたせしましたー」

純一「あ、きたきた」

七咲「わ~…美味しそうですね、ファミレスですか本当に…?」

純一「でしょ? そこがここのすごいところなんだよね。豪華っていうか」

七咲「それでいて格安みたいですしね」

純一「それじゃあ食べようか、七咲」

七咲「はい、いただきます」

数十分後

「ありがとうございましたー」

純一「ふぅ、お腹いっぱいだよ」

七咲「そうですねぇ…私もお腹いっぱいです」

純一「……えっと、あと何回ぐらい残ってたっけ?」

七咲「あと、七回ですよ」

純一「そっか、七咲の7か。これは縁起がいいね」

七咲「……なにが、ですか?」

純一「言ってみただけだよ、それじゃあちょっと…夜風に辺りにでも行く?」

七咲「散歩ですか、いいですね。いきましょう」

純一「…………」すたすた…

七咲「…………」すたすた…

純一「…ねぇ、七咲。ちょっと聞いていいかな?」

七咲「はい、なんでしょうか?」

純一「七咲って、声いいよね。なにか秘訣でもあるの?」

七咲「……はい?」

七咲「なにいってるんですか、急に……」

純一「あ、いや。ちょっと思ったんだよ。
   七咲の声って……ちょっとエロいなって」

七咲「はいっ!? 本当に急になにいってるんですか先輩…!?」

純一「だ、だってさっきのキスの時とか……ちょっと凄くえっちかったし。
   七咲わざとやってるのかなって……」

七咲「わざとってなんですか…! ちょ、ちょっと…声はわざともなにもないでしょう…!」

純一「そ、そうなの? いやー、もしかしたらって思ってたんだけど…」

七咲「もしかしてもないです! 変態先輩!」

純一「ご、ごめん……でも、思ったことだったからさ」

七咲「……そ、そんな風に思っているんでしたら、もう一回キスしましょうか…!?」

純一「え…?」

七咲「わ、わたしの声が…え、エッチっぽく聞こえるんでしたら…っ…
   それが空耳だって証明するために、キスをするんです!」

純一「ん、まぁ…回数は残ってるし。いいけど…でも、本気でやるよ?」

七咲「え、本気…ですか?」

純一「うん、とりあえず本気で……するつもりだよ。
   そうしなきゃ、声だってでないだろ?」

七咲「本気って……なに、するつもりなんですか。き、キスだけですよ…先輩…?」

純一「当たり前だよ! キスだけ、キスだけを本気でするつもり」

七咲「キスの…本気…?」

純一「そうそう、ちょっとここじゃなんだし……あ、そうだ。あそこの公園とかどうかな」すたすた…

七咲「えっ、ちょ…先輩!」

公園 べんち

純一「…よいしょっと」

七咲「………」

純一「ほら、七咲も座りなよ」

七咲「…えっ、あ、はいっ……」すとん…

純一「…どうして離れて座るのさ。もうちょっとこっちに来なよ」

七咲「っ……そ、そうですよね、わかりました…」すすっ…

純一「うん、いいね。なんだか恋人っぽいなぁ」

七咲「……そうじゃなかったら、どうするつもりなんですかっ」

純一「だね。あははは」

七咲「…………」

純一「──七咲……」ぎゅっ…

七咲「っ……な、なんですか先輩……」

純一「…急にどうしたの? 静かになったけどさ。
   こうやって手をつないだだけでも、びっくりしてるみたいだし」

七咲「そ、それは……そのっ……」

純一「……キス、恐いの?」

七咲「っ……そ、そんなことありません…っ」

純一「だって…僕が本気で、なんていってから静かになってるじゃないか」

七咲「ち、違います…!私は別に、怖くなんて…」

純一「…いきなり温泉で抱きついてきた七咲は、どこいったんだろうね?」

七咲「あ、あれは……っ! その、告白がうまく言って……嬉しくて、つい…!」

純一「あ、そうなんだ……てっきり七咲はえっちな子だと思ってたよ」

七咲「せ、先輩に言われたくありません…!」

純一「そうだね、確かに」

七咲「………き、キスしましょう…先輩」

純一「……いいの、七咲?」

七咲「い、いいんです。先輩が……先輩の好きに、してください…」

純一「好きに、していいの?」

七咲「だ、だってわたしは……先輩の、彼女なんですから! 
   先輩の…その変態な部分も全部、好きなんですから……大丈夫ですよ!」

純一「ほほー…それはありがとう、七咲。
   凄く嬉しいけど……容赦しないけど、大丈夫かな」

七咲「か、回数には限りがありますからね…っ」

純一「大丈夫大丈夫。ちゃんと後、7回分……いや、七回分するぐらいの本気で、
   七咲に本気のキスをしてあげるよ。頑張って」

七咲「が、頑張ってください…!」

純一「うん、頑張る」

純一「あ、そうなんだ……てっきり七咲はえっちな子だと思ってたよ」

七咲「せ、先輩に言われたくありません…!」

純一「そうだね、確かに」

七咲「………」

純一「………」

七咲「──………き、キスしましょう…先輩」

純一「……いいの、七咲?」

七咲「い、いいんです。先輩が……先輩の好きに、してください…」

純一「好きに、していいの?」

七咲「だ、だってわたしは……先輩の、彼女なんですから! 
   先輩の…その変態な部分も全部、好きなんですから……大丈夫ですよ!」

純一「ほほー…それはありがとう、七咲。
   凄く嬉しいけど……容赦しないけど、大丈夫かな」

七咲「か、回数には限りがありますからね…っ」

純一「大丈夫大丈夫。ちゃんと後、7回分……いや、七回分するぐらいの本気で、
   七咲に本気のキスをしてあげるよ。頑張って」

七咲「が、頑張ってください…!」

純一「うん、頑張る」

七咲「……ふぅ。……よし…!」どきどき

七咲「っ……ど、どうぞ…先輩…!」ぐぐっ

純一「っ!……七咲……」

七咲「せん、ぱい……」ぶるぶる…

純一「………」ちゅ

七咲「んっ………」ぎゅっ…

純一 ちゅ、ちゅっちゅぅ

七咲「んっ……んん……せん、ぱい……」

純一 ちゅるちゅる…ちゅ、れろ…

七咲「んっ!……んむぅっ……ぷはっ…せん、ぱい息がくるっ…んむ!」

純一 れろっ……ちゅっちゅ……じゅるる…

七咲「んんっ…んっんっ!…………レロ…」

純一 !……ちゅるる…ちゅっ

俺「………」ちゅ

俺「んっ………」ぎゅっ…

俺 ちゅ、ちゅっちゅぅ

俺「んっ……んん…………」

俺 ちゅるちゅる…ちゅ、れろ…

俺「んっ!……んむぅっ……ぷはっ…息がくるっ…んむ!」

俺 れろっ……ちゅっちゅ……じゅるる…

俺「んんっ…んっんっ!…………レロ…」

俺 !……ちゅるる…ちゅっ

七咲「っ……っはぁー…っはぁー…! せ、せんぱいっ…もう、あたまが…」

純一「くらくらする…?…僕もだよ、さっきからくらくらしっぱなしだよ」

七咲「はぁっ……はぁっ…せ、先輩もですか…はぁっ……?」

純一「……うん、ずっと…七咲とキスしていると弾けちゃうって言ったろ?
   こうやって、鼻と鼻が触れ合ってる距離で…会話してることが…」

純一「僕にとっては、ものすごく嬉しいことなんだよ…七咲…」

七咲「……せ、せんぱい…」

純一「ほら、今度は七咲かやってごらん……唇あわせて、そう、舌を伸ばすんだ」

七咲「んっ……ひょう、でふか…?」れろ

純一「ぷはっ…そうそう、それから…相手の舌と合わせて…んむっ」

七咲「ちゅる……れろ…ちゅうぅ…」

純一「い、いひゃいいひゃい…! ななひゃひ、いひゃい!」

七咲「……っ! す、すみません…! 痛かったですか…っ!?」

純一「だ、だいじょうぶ…ちょっと舌が持っていかれそうになっただけだから…!」

七咲「す、すみません……はじめてですから…そのっ……」

純一「そ、そっか…僕も初めてだから。一緒にがんばろう、七咲」

七咲「は、はいっ……でも、変に手馴れていませんか?先輩……」

純一「え? そりゃーもちろん、お宝本で頑張って妄想してるからね!」

七咲「……そうですよね、ちょっと心配した私が馬鹿だったみたいです…」

純一「気にしちゃ負けだよ七咲! ほら、続きと入ろうじゃないか…!」

七咲「わ、わかりました……つ、次はどうしたらいいんですか?」

純一「そ、そうだね……そしたら、もう──好きにしようか?」

七咲「好きに、ですか…?」

純一「うん、もうお互いにやりたいことをやって……やりまくるんだ!
   難しいことを考えずに、やりたいことだけをするんだよ!」

七咲「やりたいことだけ……」

純一「う、うん……だめかな?」

七咲「……。いえ、大丈夫です。それで行きましょう先輩」

純一「そしたらそうなだなぁ…」

七咲「…よっこいしょっと」とすっ

純一「……え? 七咲、どうして僕の膝の上に…?」

七咲「好きな事を、していいんですよね先輩?」

純一「う、うん……そうだけど。それでもこの体制はちょっと…」

七咲「……だめ、でしょうか?」

純一「い、いや! だめじゃないよ!」

七咲「それはよかったです。では、やりますね……」すっ

純一「え、なにを……おふっ!?」ちゅぅうう

七咲 ちゅっ ちゅぅうう…ぷはっ

七咲「──はい、これでキスマーク……出来上がりですよ、先輩」

純一「な、七咲…! 首筋にまさか…!?」

七咲「はいっ…くっきりついちゃったみたいですよ? それはもうくっきりと」

純一「な、七咲…っ」

七咲「だって、お互いにすきなことしてもいいんですよね?
   だったら、わたしは……先輩にたくさんのキスマークをの残したいです」

七咲「今度は、ほっぺたにしてあげましょうか…? ふふっ、それとも肩にしてあげましょうか?」

純一「ちょ、ちょっとそれは……っ」

七咲「先輩も…やってもいいんですよ?」ぎゅっ

純一「えっ……僕も…?」

七咲「ええ、お互いに好きなこと……好きなところにキスマークを残しましょう。
   先輩が好きな場所に、大きく残してください……ちゅっ…」

純一「っ………」ぶるるっ…

七咲「……だめ、ですか…?」

純一「………わかった。明日後悔してもしらないからな…?」

七咲「そうですね。お互いに、後悔しないよう……いっぱいいっぱい残しましょう、せんぱい?」

純一「じゃあ、お返しに……首筋に」ちゅ

七咲「んっ……せんぱい、くすぐったいですって……」

純一「ぷは……ほら、くっきりのこったぞ。七咲」

七咲「ふふっ…そうですか。そしたら今度は、ほっぺたに……」ちゅ

純一「……そしたら今度は、僕は……」ちら

七咲「……ここ、にしたいんですか?せんぱい?」

純一「っ……あ、いや…無理ならいいんだけどさ…うん」

七咲「いえ、好きにしてください。せんぱいにならいいですよ…?」もぞもぞ…じりり…

純一「さ、寒くないか…七咲?」

七咲「ちょっとだけですから。よいしょっと……」ぷちぷち…

純一「……ごくり…」

七咲「……はい、どうぞ。せんぱい──ここに、キスをして……いいですよ?」

純一「…………っ」すっ

七咲「………っ!………せん、ぱいっ…そこは、ちがっ……!」ぴくん!

純一「っ………」ちゅうう

七咲「……っもう…せんぱいったら、甘えん坊さんなんだから……んっ!」

純一「七咲……僕、もう……!」

七咲「……ふふっ。それじゃあもっと…いいですよ、せんぱい…好きなだけ……センパイが満足するだけ……」

七咲「キス、してください……ね?」

七咲おーわり
>>530ワロタ

次は決めてないけど安価しようかな?
誰得でもいいよ
>>548を書きますです

ちょいうんこ

梅原

ラブリー

じゃあ先輩で
このままヒロイン制覇かな嬉しい

三十五分に戻る

【森島はるか】

森島「ふんふーん……できたぁー!」

純一「……出来ましたか、先輩?」

森島「もう、ばっちぐーよ!素晴らしすぎる出来だわぁ!」

純一「そ、そうですか……ちょっと鏡を見ても…」

森島「あ、それはだめっ」

純一「えっ……どうしてですか?」

森島「その前に! まずは響ちゃんに見せてあげなきゃ!
   おーい、ひびきちゃーん!」

塚原「……できたの、はるか?」がらり

森島「そうなのそうなのっ! それはもうす~~~~ごっくキュートにできたわよ!」

塚原「えらく上機嫌ね。それほどまで──……あら、誰かしら貴方?」

純一「えっ!? 僕ですよ! 橘です!」

塚原「………………」

森島「ん~……やっぱりびっくりしたでしょ? ひびきちゃん、この子……いや、違うわね!」

森島「この娘は……橘純子! 正真正銘の女の子よ!」

塚原「違うわね」

純一「違いますよ…っ!!」

森島「…もう、ノリが悪いぞ二人共っ!」

塚原「でも──女の子だって言われたら、普通に信じてしまいそうだわ。うん、本当に」

純一「それほど、までですか……?」

塚原「うん。素晴らしいぐらいに女の子してるわ、橘純子くん」

純一「ちょ、塚原先輩…!」

森島「えへへ~! これも響ちゃんの化粧道具のおかげね!」

塚原「まぁ、演劇部から借りたものだったけれど……」

森島「あとはあとは~…このかつらを、よいしょっ」ぽす

純一「わわっ……こ、これでいいんですか…?」

森島&塚原「…………」

純一「え? どうかしましたか先輩たち…?」

塚原「……はっ! そうだったわね、橘くんだったわ……」

森島「う、うん……自分でやったことだったけれど…びっくりして何がなんだかわからなくなったわ…」

純一「ど、どういうことですか…?」

塚原「えっとね……橘くん、可愛すぎるわ」

純一「えっ…!?」

森島「た、橘くん……抱きついていい?というかもう、抱きつくわねっ!」だっ

純一「え、えええ!?」

塚原「待ちなさい、はるか」ぐいっ

森島「たちばなくぅーん! だっこさせてー!」ずりずりっ

塚原「とりあえず橘くん……はるかの機嫌はよくなったみたいだから、感謝するわね」

純一「は、はぁ……まさか女装させられるとは思わなかったですけど…」

塚原「……はぁ。私もそうだとは思わなかったけれど、ただ単に化粧がしたいからって話だったのに」

森島「だっこだっこ~!」

純一「でも、これでいいんですよね? ……けっこうこれ、恥ずかしいんですけど…」

塚原「そうね。はるか、これで満足したんでしょ?」

森島「ん~? え、でも~これでおしまいってのはちょっともったいなくないかなぁ…」

塚原「……まぁ、ここまできれいにできたのだから。それは、ちょっともったいないわね」

純一「……えっと、先輩方…?」

森島「そうねぇ……こういうのはどうっ? ひびきちゃん…」ごにょごにょ…

塚原「……ふむふむ。なるほど、なるほど……」

純一「………?」

森島「ってのは、どうかしら!」

塚原「……ときどき、はるかの発想は驚かされるわね…いいと思うわ」

純一「つ、塚原先輩……? 何を言われたんですか…?
   何か嫌な予感しかしないんですけど……」

塚原「……とりあえずは、私は用済みのようだから教室に帰るわね。
   化粧道具と、その着ている女子生徒用の制服はこの部室に持ってきてちょうだい」

森島「あいあいさー」

ピアイ才だと思う
ごめんちょっと仕事の電話はいった

純一「ちょ、塚原先輩……!?」

塚原「…頑張ってね、純子くん」がらり…ぴしゃ

純一「そ、そんな……っ」

森島「──橘くん、うふふ。橘くん!」

純一「ハッ……せ、せんぱい…?」くるっ

森島「だっこさせて~!」ぎゅうう…

純一「う、うわぁああ! せ、せんぱい…! そ、それはちょっと…!?」

純一(や、やわらかい…!)

森島「ん~~っ……いいわぁ! すごくいいわね! 本当に橘くんって男の子なのっ?」

純一「お、男ですよ! がっつり男の子です!」

森島「うそうそ! そんなこといっても、ここは騙せ無いぞ~」ぽにょん

純一「い、いや…それは先輩が詰めたパッドじゃないですか……!」

森島「d……いや、Eはあるわね……恐ろしい子ね橘くん!」

純一「……もう、好きにしてください……っ…」

森島「──はぁ~…堪能したわ。ありがと橘くん!」

純一「そ、そうですか……」ぐたー…

森島「こらこら、男の子がそんなんじゃダメよ?
   もうちょっとしゃきっとしなきゃね!」

純一「こういう時だけ男の扱いするんですね……いいですけど…」

森島「さーて、そしたら橘くん。これから校舎の中を歩くわよ~」

純一「……え? この格好でですか…?」

森島「当たり前よっ。じゃなきゃ意味ないじゃないの、ねっねっ?
   いきましょ~よ~」ぐいぐい

純一「い、いやですよ! 他の人に見られたらどうするんですか…っ!」4

森島「だいじょうぶよー! だってだってバレやしないわ!ぜったいに!」

純一「ぜ、ぜったいにですか……?」

森島「うん、それはもう……この美少女はだれ!? ってぐらいによ?」

純一「そ、それじゃあ……行きましょうか…?」

森島「グゥート! いい心意気ね、橘くん!
   それじゃあさっそくだけど……よいしょっと」ぐいっ

純一「えっ…なんで腕を組むんですか…!?」

森島「え? いや、かな?」

純一「ぜ、全然嫌じゃないですけど……でもどうして…」

森島「だってだって、このほうが雰囲気でていいじゃない。
   ほらほらいくわよ~」ぐいぐい…

純一「なんの雰囲気ですかっ……って、森島先輩っ…そんなに引っ張らないでください…!」

廊下

森島「さーて、さっそく何処に行きましょうか? 橘くん?」

純一「僕は着替えて帰りたいです……」

森島「そんなツレナイこといわないの~……ほらほら、さっそくだけど前方から人よ!」

純一「人って……な、七咲!?」

森島「やっほー。逢ちゃん! 元気してるかな~?」

七咲「…あ。森島先輩、こんにちわ」

森島「うんっ。今日も逢ちゃんはクールね!」

七咲「ありがとうございます。……えっと、そのかたは?」

純一「っ!……」

森島「あ、この人? この人はねぇ~…うーんと…」

七咲「随分と仲良くされてるみたいですが…えっと、はじめまして」

純一「……ハジメマシテ…」

七咲「……?」

森島「──うん、そうね! この子は私の友達の純子ちゃん! 同じ年なのっ」

七咲「そうなんですか、そしたら先輩だったんですね」

純一「っ……っ……」こくこくっ

森島「うふふっ~……可愛いでしょ? この娘?」

七咲「…………」じっ

純一(そ、そんなに見つめないでくれ七咲ぃ~……ううっ…)

七咲「───……はい、可愛らしい方ですね。先輩に向かって、これは失礼かもしれませんが…」

森島「よかったわね純子ちゃん! 可愛いって言われたわよ?」

純一「……っ……」こくっ

七咲「……………」じっ

森島「それじゃあ逢ちゃん、また会いましょう! ひびきちゃんなら教室にいるわよー!」

七咲「わかりました。ありがとうございます……」

純一(な、なんだか七咲……ずっと僕の事を見つめてるな……ま、まさかバレてるとか…!?)

森島「行くわよ純子ちゃん! 早くしないとおいてっちゃうぞ~」すたすた…

純一「あ、まってください……」

七咲「──すみません、純子先輩」

純一「えっ……ど、どうかしたノカナ……?」

純一(や、やばいっ……やっぱりバレてたか……!!?)

七咲「…………その、髪にゴミがついてますよ?」

純一「えっ……ほんとうに…?」

七咲「はい、それがずっと気になってて……すみません。失礼でしたよね」

純一「い、いえ……アリガトウゴザイマス……」どきどき…

純一(な、なんだそういうことだったのか……焦って損したよ…)

純一「あれ、どこかな……ここ…?」さわさわ…

七咲「──あ、もうちょっと右です。はい、いや行き過ぎで……」すたすた…

七咲「……これですね、とってあげますよ」ぐいっ

純一「あ、ありがとう……」ずりっ!

ぱさ………

純一「えっ………」

七咲「えっ………」

純一(………か、かかかかかかかつらがぁー!?
   外れて七咲の手の中に────)

びゅん

塚原「──七咲、ここにいたのね」

七咲「っ!? え、塚原先輩…!? いつのまに…!?」

七咲「──って、あれ……さっき衝撃的な光景がいま……?」

塚原「? どうかしたの? さっきから一人でここにいたじゃないの」

七咲「えっ……だって、さっきまでそこに人が……あれ?」

物陰

純一「はぁっー……はぁっー……た、たすかった……っ!」

森島「さすがひびきちゃん! ものすごい早業だったわね~」

純一「なにがなんだかわからなかったんですが……えっと、とりあえず塚原先輩がたすけてくれたと…?」

森島「そうなのよ。まず、橘くんを突き飛ばして私に渡してね?
   そのあと意表を突かれた逢ちゃんの手からカツラを奪って、こっちに投げ渡したってコトなの」

純一「なにものですか、塚原先輩……」

森島「すごいでしょ! あれ、わたしの友達のひびきちゃん!」

純一「しってますよっ……はぁー…とにかくあぶなかった…」

森島「ほらほら、かつらをかぶって……そうそう。じゃあ次に行くわよ!」

純一「ま、まだどこかにいくんですか……っ?」

森島「あたりまえよ! ほらほら~ つぎつぎ~」

純一「次ってどこですか……てここは…」

森島「うふふっ……わかるかしら? ここはねぇ」

純一「……文化祭実行室?」

森島「ぴんぽーん。ほらほら、ここに入るわよ~」

純一「え、ちょ…なんでですかっ……?」

森島「いいからいいから~…うふふっ」ぐいぐい

がらり

森島「こんにちわ~」

純一「……っ……!」

「───あら、こんにちわ。森島先輩」

絢辻「ここになにかごようですか?」

えーもばいるだから変わるんだ
六時間経つと

森島「そうなのっ、ちょっとあのイベントで……ちょっと参加者を連れてきたのよ!」

絢辻「……参加者? というと、その隣にいる方ですか?」

純一(あ、ああああ絢辻さん……!? これはだめだ……バレる以外の結果が見当たらないぞ…!)

森島「うん! そうなんだけど、ちょっとわけありでねぇ~」

絢辻「はあ……ワケあり、というのは?」

森島「うんとね、この娘……実は他校の子なのよ。
   だからここの文化祭に参加できるのかなって思って」

絢辻「他校の……なるほど。すみませんが、すこしばかりその人と話しをさせてもらってもいいですか?」

純一「っ……」

森島「えっ? いいけど…乱暴に扱っちゃだめよ?」

絢辻「……はい? えっと……わ、わかりました。乱暴に扱いませんから」

森島「おっけーよ! それじゃあ純子ちゃん、ちょっと廊下に出てるわね~」

純一「えっ…あっ……森島せんっ……」がらり ぴしゃ

絢辻「…………」

絢辻「えっと、純子さん。で構わないのかしら?」

純一「は、はいっ……!ど、どうも……!」

絢辻「……もしかして、先輩の方でした?」

純一「い、一応……」

絢辻「なるほど。わかりました……では、純子先輩。
   貴方は文化祭当日、本校でイベントをこなす時間を割くことは可能なのでしょうか?」

純一「い、いべんとですか…?」

絢辻「はい、今回の文化祭では……女子のランキングを決めるイベントがあります。
   それに参加の希望ですよね?」

純一「…………」

絢辻「……純子先輩?」

純一「えっ……あ、はいっ…とりあえず……は…?」

純一(な、なんだそれっ……そんなこと全然聞いてないよ…!)

絢辻「…………」じぃ

廊下

『えっ……あ、はいっ…とりあえず……は…?』

森島「………ふむふむ…」

森島「うふふっ……ふふっ…困ってる困ってるっ」

森島「このままいけば、どうにか橘くんをイベントに……
   引き入れることができるんじゃないかしらっ?」

森島「……いいわぁ!どきどきしちゃう!」

森島「押しに弱い橘くんなら、絶対に参加するって言い出すわ……
   ひびきちゃんの後押しもあるし、頑張ってね橘くん!」

室内

純一(ど、どうしよう…ともかくここは、絢辻さんに疑われる時間を少なくするために、
   とりあえず…いいですって言っておくべきなのかもしれない…!)

絢辻「…………」じぃ…

純一(ううっ…ものすごく見てるっ……はやく、いわないと…!)

絢辻「──橘……」

純一「………っ!?!?」

絢辻「……あら、どうかなされました?」

純一「えっ……今、なにか……」

絢辻「いえ、ちょっと参加者メンバーで橘美也さんの名前を見かけたものですから…」

純一「そ、そそそうですか…っ…」

純一(び、びっくりしたぁー! ば、ばれたのかと……!?)

絢辻「……………」じっ

純一「っ……えっと、その…なにか…?」

絢辻「すみませんが、ちょっと失礼なことを言ってもかまいませんか?」

純一「は、はい……」

絢辻「胸のパッド、どこで手に入れたんですか?」

部屋

森島「っ………」ぴくんっ…

森島「むむむ…あれをパッドだと気づくなんて、この娘只者じゃないわね…」

森島(なにか、嫌な予感がするわ…もしかして、私が出ていったのは間違いだったかしら?)

絢辻「…………」

純一「そ、それはその……森島せん、はるかちゃんが…つめろって…その…」

絢辻「そうだったんですか、それもイベントのための工作とかですか?
   ……いささか不正というのは、こちらとしても見逃せないのですが」

純一「す、すみません……」

絢辻「……まぁいいです。それでは、純子さん。さきほどの質問に戻りますが…
   時間を間に合わせることは可能なのですか?」

純一「えっとその……」

純一「はい、だいじょうぶです…よろしくお願いします…」

廊下

森島「わぁお! やったわひびきちゃん! 橘くんの参加を成功させたわ!
   うふふっ…これでイベントは大波乱よ~…バッチグーね橘くん!」

『わかりました……では、そろそろ茶番も終わりにしましょうか』

森島「……んっ? 何か今、聞こえたかしら…」そっ

『私も、こんな茶番に時間を咲いてる余裕はないの……』
『えっ…あっ…ちょ、あれ…?!』

森島「っ!? こ、これってもしかして……!」

このスレで納まらないだろ

室内

純一「あ、絢辻さんっ……!?」

絢辻「……あら? どうして私の名前を知っておられるんでしょうか…純子先輩?」

純一「っ……!? そ、それは……!!」

絢辻「……ったく。誰か連れてきたと思えば、こんな変態な人を連れてくるなんて…」

純一「…っ……!」

絢辻「こっちはこっちで文化祭の仕事で忙しいっつーの……
   ちょっとはストレス発散になるかとおもって虐めてやろうと思ったけど…もういいわ」

絢辻「──なにしているの、橘純一くん?」

純一「っ…や、やっぱりきづいて…!」

絢辻「当たり前でしょう? 私を誰だと思ってるの?ばかなの?」

純一「ば、ばかじゃないです……」

絢辻「馬鹿じゃなかったら、女装癖の変態野郎ね。貴方はっ」

純一「ひっ……」びくん

廊下

森島「た、橘くんっ……これはいけないわ! た、助けなきゃ…で、でも……!」

森島「ど、どうやって助ければいいのか……まったくわからないわ…!
   こんな時、ひびきちゃんがいればいいのだけれど……」

『おらおら! その下はどうなってるんだこの!』
『や、やめて絢辻さん…! あ、いやっ…!』

森島「っ! こ、このままじゃ…橘くんが汚されちゃう……!」

森島「……た、橘くんを女装させたのは私……責任をもって、最後まで面倒を見なきゃ…だめじゃないの!」

森島「っ………!」キリッ

室内

絢辻「……ふーん。えらく詰め込んでるのね、橘くん。巨乳が趣味なのかしら?」

純一「ち、ちがうよ……僕はどんな大きさでも…っ!」

絢辻「んなこと聞いてないのよ! 変態!」ばしん

純一「…ああっ…ひどいっ…」しくしく…

絢辻「なにをめそめそないてるのかしら……この変態は。もう切り落としちゃえば?」

純一「ひっ……!」

がらり!

「まつのよ! そこの強姦者!」

ちゃらちゃちゃー!

絢辻「──な、なにやつ…!?」

純一「えっ……?」

「私の名前は──……イナゴライダー!愛と正義の味方よ!」ばーん!

絢辻「いなご…ライダー…?!」

純一(絢辻さん、えらくノリがいいな……)

イナゴ「……そこの火憐な美少女ちゃん。待ってるのよ!いまたすけてあげるわ!」

純一「えっとその……はい、わかりました…!」

イナゴ「とうっ!」がたっ

イナゴ「いたっ……」ずさ…

イナゴ「よくも……良くもやってくれたわね! 怪人裏表!」

絢辻「なにもやってないけれど……うるさいわ!このイナゴライダー!!」

イナゴ「しかたないわね……こうなったら、こうよ!」ばさぁ!

絢辻「なっ……それは…!イベント用で使われるはずだった、弾幕用の煙…!こほっ…こほっ…」

純一「こほっ…こほっ…!」

イナゴ「げほっ…ごほっ……ごほっ…!」

ずさぁ……

イナゴ「………」

絢辻「…………」

純一(さ、さっきと何も変わってないけど……なんだろう、このお互いのノリは…!
   なんだか一つの戦いを終わらせたような雰囲気を漂わせてるけど…なにもしてないよね!)

絢辻「……やるわね、イナゴライダー」

イナゴ「ふふっ……でしょう。でも、戦いはこれからよ!」

絢辻「あら、どうかしら? こっちには……人質がいるのよ?」ぐいっ

純一「きゃっ……」

イナゴ「なっ……貴方! なんという卑怯なことを!」

絢辻「くっくっく……あっはっはっは…! どうかしら、惨めなものねぇ…正義の味方さん?
   一人の命すら守れない…正義のイナゴライダー……ここでオシマイよ!」ばっ

イナゴ「くっ……ここまでなのっ……!」

イナゴ「っ……!?」

イナゴ(あ、あれはっ──)

純一「………先輩っ…」キラキラ…

イナゴ(ッ……か弱い女の子のため、わたしは正義に尽くすと決めた……!!
    ここでまけてしまっては、正義の名が泣いてしまうわ……!!)ぐっ…

絢辻「しねぇえー!」がっ

純一(死ねって絢辻さん!?)

イナゴ「………───チェンジ…」

イナゴ「イナゴォオオオオオオオオ!!」きゅいんきゅいん!

絢辻「なっ……それは、まさか……!?」

イナゴ「……スピードタイプよ。ついてこれるかしら?」ひゅん

絢辻「なに、そんな馬鹿なことは……きゃん!」がたん! ばたん!

純一「え、絢辻さん……!? どうしたの急に倒れこんで…!」

イナゴ「…………怪人裏表。強敵だったわね……」キリッ

純一(え、ええええー!?先輩、一歩もそこから動いてないけど……!?)

イナゴ「………イナゴ、解除」すぽっ

森島「──橘くんっ! 大丈夫だったかしら!?」

純一「え、あっ、はいっ…だ、大丈夫でしたよ……?」

森島「……そう、どこかの正義の味方がたすけてくれたようね……よかったわ」

純一「あ、はい……?」

森島「ここは危ないわ。はやく、逃げましょ!」ぐいっ

純一「は、はいっ……森島先輩…!」だっだっ…

だっだっだ……

「……………」

絢辻「……ふぅ。疲れたわ」

絢辻「…………」こきっ こきっ

絢辻「──そろそろいいんじゃないでしょうか……先輩」

「──そうみたいね。あの二人の姿も見えないみたいだし」

塚原「ありがとう、感謝してるわ。絢辻さん」

絢辻「ええ、これぐらいのことでしたら」


塚原「これでばっちり、文化採用ビデオ……森島はるかの日常が取れたわ、ばっちりね」

絢辻「……毎回それが大ヒットを起こしているなんて、不思議に思ってたのですが…
   なるほど、そういった影の努力があったんですね」

塚原「普通にとっても面白みが欠けるもの。とにかく参加をありがとうっていいたいわ」

絢辻「……ふっ。いえいえ、ですが約束は守って頂きますよ?」

塚原「わかっているわ……このビデオを作った関係者含め、上映を見た人全員に…
   生徒会長の投票を貴方に推薦するという、約束でしょう」

絢辻「ええ、ありがとうございます」

塚原「……だけど、推薦でいいのかしら? 強制にしても構わないと思うのだけれども…」

絢辻「いいんです。だって、これに参加するだけで……ここは投票を手に入れたと思ってもいいんですから」

塚原「……なるほど。ギャップ戦略か」

絢辻「…このようイベントの参加に快く参加をする絢辻 詞……素晴らしいと思いませんか? ふふっ…」

塚原「……心底、貴方を敵に回さなくてよかったとおもってるわ」

絢辻「いやですよ、先輩……後はとにかくよろしくおねがいしますね」

塚原「わかったわ。それでは」

とある場所
森島「……………」

純一「はぁっ……はぁっ……せ、先輩……」

森島「ん? どうかしたかしら?」

純一「あのっ……今日は、なんで僕と……」

森島「うん?」

純一「──僕と、こうやって……遊んでくれたんですか…っ?」

森島「あら、どうしてかしら?
   だっていつもこうやって遊んでるじゃない橘くん」

純一「そ、そうですけど……でも、今日は……」

森島「……うふふっ。今日はなにかしら?」

純一「だって、先輩が転───」ぴっ

森島「だーめっ」

純一「むぐっ」

森島「それは言わない約束よ? 言ったじゃない、そのことを言った日に……
   ……いなくなるまで、そのことは口にしないこと!ってね?」すっ…

純一「……せ、先輩…」

森島「ん~~~っはぁー……今日も楽しかったわ~!
   なんというか、橘くんと一緒にいると本当に飽きないわね!」

純一「…………」

森島「やりたいことはできるし、わぁお!これだと橘くんに悪いわねっ。
   ……でもでも、感謝してるし嬉しく思ってるのよ?」

純一「はい、僕も楽しいですよ……先輩と一緒に遊ぶの」

森島「わお! 嬉しいこと言ってくれるじゃない……ふふっ、そうね。
   ──橘くんに、そんなこといってもらえたら…私は本当に、嬉しいわ」

純一「………」

森島「──うん、決めた! ねぇ橘くん……ちょっといいかしら?」

純一「は、はい…? なんでしょうか?」

森島「──キス、しましょうか……?」

純一「……………んっ? はいっ!?」

森島「き、キスよキス! しちゃだめ…?」

純一「へっ!? あ、いや、そのっ……だめじゃないです!……けど…!」

森島「じゃ、じゃあしましょう!んん~~~~~…」ぐぐっ

純一「あっ…ちょ、ちょっとまってください…!」

森島「あら? どうして?」

純一「えっと、その……と、とりあえずこの格好をどうにかしたいです僕…!」

森島「え~! かわいいのにぃ……」

純一「で、でも……せ、先輩との……さ、最後のき、きっききすをするのにこういう格好というのは……」

森島「でもでも、この格好のほうが……すっごく思い出に残ると思うよ?」

純一「がっつり残るでしょうね……でも! いい思い出のほうが僕はいいですよ!」

森島「……これは、いい思い出じゃないのかしら?」

純一「うぐっ……そ、それは……!」

森島「…橘くん、ひとつだけ言わせて」

純一「は、はい…?」

森島「わたしはどんな橘くんだって……好きよ?」

純一「あ、ありがとうございます…」

森島「うん! でもね? そうやって……意固地になってる橘くんは、嫌い」

純一「えっ!? そ、そんな…!」

森島「うふふっ……でも、そうやってすぐに悲しむ橘くんは、好き」

純一「そ、そうですか…!」

森島「うふふっ……ふふっ。いいわぁやっぱりいいわぁ!橘くん…本当に素敵な女の子だわ!」

純一「男の子です!」

森島「………ふふっ。それじゃあ橘くん、いい?」

純一「っ……やっぱり、この格好でですか?」

森島「うん、その格好で」

純一「………わ、わかりました…それじゃ、その…」

森島「…………」じっ

純一「…………」

森島「──最後の、本当に最後の……キスだからね? 
   ちゃんと、思い出に残すように……しっかりとすること、いいかな?」

純一「は、はい……しっかりと、しっかりとします…!」

森島「橘くん……」すっ…

純一「っ………」ぎゅうっ…

ちゅ

森島「──……ふふっ、ちゃぁんと…あたまに残せたかしら?」

純一「……は、はい……先輩。ちゃんと残せました…!」

森島「……橘くん、好きよ。大好き」

純一「ぼ、ぼくも……先輩のことが……」

純一「大好き、です…!」

…………
……


キーラキーラキラメークユーキガー セイヤヲスベーテヲツーツムヨーナー

塚原「──ここまでのご視聴ありがとうございました。みなさま、どうか盛大な拍手を!」

ワァアアアアアアアアアアアアア!!88888888888888888888!!!!

塚原「今回の『森島はるか の 日常』……これにてファイナルでございます!」

美也「すごいね!すごくおもしろかったよ!」

紗江「そうだね美也ちゃん……最後のところとか、ものすごく感動的だったね…!」

絢辻「……フフフ」

薫「いや~……今回のクオリティはすごかったわね。毎回すごいと思ってたけどさ」

田中「だよねぇ~!……ファイナルだけあって、ものすごいできだったよ~」

梅原「俺はぁ……すっげぇ感動してるぜぇっ……!」

伊藤「ちょ、梅原くん泣きすぎ! 梨穂子みてよこいつ~」

梨穂子「わ、わわ! 梅原くん泣き過ぎだよ~!」

夕月「……なかなかのもんだったなぁ。愛歌、こりゃー茶道部も負けるわぁ~」

愛歌「無念惨敗」

七咲「………わたし、取られてたんだ…」

高橋「ひっぐ……ぐっす……いいはなしねぇ……ひっく…」

純一「…………………………」ポカーン

森島「わぁお! すっっっっごい、いいできだったわぁ!!
   もう胸がどっきどきよ! ねぇ橘くん!橘くん!」

純一「……………先輩、これは…?」

森島「んっ? これはね! なんとなんと……全てお芝居でした!ちゃんちゃん!」

純一「……じゃ、じゃあ…転校のはなしは……?」

森島「うそよ?」

純一「な、ななっ……えぇえ……?」

森島「もーうっ! こんな変な時期に転向するわけ無いじゃない!
   ……えっ。もしかして、本当に転向するって思ってた……の?」

純一「…………」

森島「……あ、その…ごめんなさい…わたしたたらてっきり、全部知ってて乗ってるのかと…」

純一「…………」だっ

森島「た、橘くん……!?」

美也「すごいね!すごくおもしろかったよ!」

紗江「そうだね美也ちゃん……最後のところとか、ものすごく感動的だったね…!」

絢辻「……フフフ」

薫「いや~……今回のクオリティはすごかったわね。毎回すごいと思ってたけどさ」

田中「だよねぇ~!……ファイナルだけあって、ものすごいできだったよ~」

梅原「俺はぁ……すっげぇ感動してるぜぇっ……!」

伊藤「ちょ、梅原くん泣きすぎ! 桜井みてよこいつ~」

梨穂子「わ、わわ! 梅原くん泣き過ぎだよ~!」

夕月「……なかなかのもんだったなぁ。愛歌、こりゃー茶道部も負けるわぁ~」

愛歌「無念惨敗」

七咲「………わたし、取られてたんだ…」

高橋「ひっぐ……ぐっす……いいはなしねぇ……ひっく…」

グラウンド

純一「くっ………ぐすっ……!」だっだっだ!

純一「けほっ……ぐしゅっ……!」だっだ……がっ

純一「あっ──いたっ……」ずさぁ…

純一「っ………」むく…

純一「……………」

森島「──た、橘くんっ…はぁっ……はぁっ……!」

純一「……………」

森島「そ、その……だ、だいじょうぶかしら…?」

純一「…大丈夫です、ぐすっ……」

森島「っ……な、ないてるの…?」

純一「な、ないてなんかいないですよっ……男ですから、泣いてなんか居ないです…!」

森島「………」

純一「………森島先輩っ…ぐすっ…」

森島「っ!……なに、橘くん…?」

純一「その、僕は……」

森島(……すごく、彼を傷つけてしまったわ…どうしよう…!
   また、また……こうやって橘くんを傷つけてしまった…)

純一「………」

森島(……前に告白された時も、その場の感情でふって…もう、そんなことしないって決めたのに…
   適当にやらないって、ちゃんと心に決めたのに……また、橘くんを傷つけた…)

森島(…あの時は、橘くんがしっかりしてたから……よかったけれど。
   今回ばかりは、もう、もう………)

純一「──先輩、森島先輩……」

森島「っ──……なに、かしら……橘くんっ…」

純一「…転校が、嘘でよかったです…先輩」

森島「えっ………」

純一「だって、僕はその……もっと、先輩といっしょにいたいですし…それに」

純一「もっともっと、先輩と……キスがしたい」

純一「えへへ、あの…やっぱり少し、傷つきましたけど。それが先輩ですもんね!
   そんな先輩が僕はだって──……」

純一「大好き、ですから」

森島「…………」

純一「あはは………あ、あれ…? 森島先輩…どうかしました?」

森島「──怒らない、の?」

純一「え? なんでですか?」

森島「なんでって……貴方を、君を…また傷つけて私……」

純一「………。あの、森島先輩……」

森島「っ……なに、かしらっ?」

純一「僕、大丈夫ですよ?」

森島「で、でもっ……」

純一「確かに傷つきましたけど……でも、先輩と一緒に入られる。
   それでチャラってさっき、転んだ瞬間に思いました」

森島「チャラって…」

純一「あはは、だって……転んだ時。すぐに森島先輩が…心配そうにきてくれて」

純一「こうやって、僕のところに来てくれた。これがなによりも……僕にとっては、
   一番の幸福ですから」

森島「っ……た、たちばなくん……!」だっ

純一「ちょ、森島せんむぐっ!?」ぎゅうっ

森島「たちばなくんっ……たちばなくんっ…!」ぎゅううう

純一「あ、ちょ、本当にどうしたんですか先輩……っ?」

森島「大好きよ、本当に大好き……こればっかりは、本当のこと……!」

純一「え、あ、はい……そ、そうですか…っ?」

森島「信じて、お願いっ……橘くん……!」

森島「だいすき、だからねっ……?」

純一「…………」

純一「……はいっ!」

とある場所

「……すべて、うまく行ったわ。はるか」

塚原「これで懸念なく……卒業できるわ、ふふふ」

塚原「………今日もいい天気ね」

塚原「…………」 ひゅうぅ…ざぁああ……

ラブリーおわりんこ

次は塚原先輩かな…多分

ちょっと三十分ぐらい休憩
落ちちゃったら、今度いつか立てて書くよ

復活 いけるところまでいくさ!
やっぱり次は安価で

>>700を書きます
遠いかな

裡沙ちゃん

はあく
ここでスト子か

今から書くよ

【上崎裡沙】

上崎「………」

上崎「………」チラッ…

上崎「………まだ、かな…」

上崎「…………あっ…!」

「──お、おまたせ…!もしかして、またせちゃった…?はぁ…はぁ…!」

上崎「う、ううんっ! ぜ、ぜんぜん! ぜんぜんまってないよ…!」

「そ、そっか……ふぅ~……よし、じゃあ…いこっか?」

上崎「う、うんっ…!…いこう、橘くん……!」

純一「うん、いこうか」

上崎「っ…………」ドキドキ…

上崎(────し、しあわせすぎるよぉおおー!!きゃああああー!!)

上崎(えっ!?……お、おまたせって……いわれちゃった…おまたせだよ!?
   待ってないのに…全然構わないのに……心配してくれたんだひょ……噛んじゃった…)

上崎「っ………が、がんばろうっ……今日はっ…!」

純一「?」

上崎(きょ、今日は念願の……初デート!
   橘くんとっ……初デートなんだよ…!)

純一「………」すたすた…

上崎(ちゃ、ちゃんと……ちゃんとちゃんと日記にかかなくちゃ…!
   花丸もして、蛍光ペンでおっきく書くんだから…!)

純一「……あ、そういえば裡沙ちゃん…」

上崎「……それでそれで……」ぼそぼそ…

純一「……ん? おーい、理沙ちゃーん…?」

上崎(この日の思い出として、眼に見えるもの全て覚えておくの…!
   脳内ハードディスクに保存!保存だよ裡沙!)

純一「──りーさちゃん」すっ

上崎「ひゅぅわぁっ!?」

純一「お、おう……ごめん、そんなに驚くとは思わなくて…!」

上崎「えっ、たっ、たひばひゃくん…!?きゅ、きゅうに顔ちかづけちゃ……!
   びっくりしちゃうから…!」

純一「う、うん……ごめんね?」

上崎「あっ……ち、ちがうの! あたしこそっごめんなさい……!!」

上崎(あ、あたしのばかばかっ……! 橘くんを困らせてどうするの…!
   しっかりしなきゃ!うん!裡沙しっかり!)

純一「……えっと、今日は本当にありがとね」

上崎「……えっ? どうして?」

純一「えっと、その……僕となんかとで、デートしてくれて…いやー、すっごく嬉しいんだよ」

上崎「っ!……わ、わたしも……う、うれしいんだよ…っ!」

純一「そ、そうなの?……あはは、そっか…ありがとう、理沙ちゃん」

上崎(そ、その笑顔は卑怯だよぉおー! 保存!保存!)

純一「あはは、それじゃ……そうだね。映画でもみようか?」

上崎「はぁはぁ……う、うんっ! 映画あたし見たい!」

純一「本当に? よかった~……裡沙ちゃんが映画嫌いだったらどうしようかと…」

上崎「そんなことないよ! ぜんぜん大好きだから…!」

上崎(人ごみとかちょっと苦手だけど……橘くんとだったらなんだっていい!
   そ、それに映画館だったら……暗くて、二人の距離も近くて……きゃああー!)

上崎(それにそれにっ……それがもし、ホラーものだったりしたらっ…
   ちょっと抱き、つい、ちゃったり…ごほっ!けほっ!……ちょっと興奮しすぎ…けほっ…)

純一「……?」

上崎(と、とにかく…! 映画を見に行く!しっかりとね!)

映画館

純一「色々とあるみたいだなぁ……えっと、裡沙ちゃんなにかみたいのある?」

上崎「あ、あたし…っ?え、えっとその……」

上崎(たしかにいっぱいある……動物感動モノはだめ。嫌いだし。
   それに…恋愛物……橘くんが暇になっちゃう可能性もあるからダメだよね…!)

上崎(そしたら、このホラー物でいいかなっ…これなら橘くんも暇にならないだろうし、
   ちゃんとアタシも楽しめる……そ、それに…っ…うふふ、ふふっ……)

純一「うーん、けっこう面白いのたくさんあるけどなぁ…」

上崎「た、橘くん……!あたし、あれが見たいかなっ…?」

純一「うん? どれどれ……ホラーものだけど…裡沙ちゃん、こういうの平気なの?」

上崎「だ、だいじょうぶだよ…! ほ、ほらっ…女の子ってスプラッター物って平気とかいうでしょ?」

純一「たしかに……わかった。そしたらチケット買ってくるから、ここでまっててね」

出来るなあ

上崎「うんっ! まってる!」ふりふり…

上崎「…………」ふり…

上崎(っはぁああ~……っ! な、なんという破壊力なの……!
   妄想で色々とっ…予行練習したのにっ…動機が収まらない…!)

上崎(……もうっ、橘くんが好きで好きでたまらないよっ……
   一緒のことをしているだけで、一緒の時間を過ごしているだけでっ…!)ぶるぶるっ…!

上崎「………ふぅ…」

純一「──おまたせ裡沙ちゃん」

上崎「──……うん、ありがとう橘くん。ちょっと、その…いいかな?」

純一「え、どうかした?」

上崎「ちょ、ちょっとトイレに……行きたいんだけど、い、いいかなっ?」

純一「あ、うん! いいよ!いってらっしゃい…!」

上崎「ご、ごめんなさい…! すぐ戻ってくるから…!」たったった…

上崎(か、替えの下着もってきてよかった…!)

上崎「……お、おまたせっ…橘くん…!」

純一「あ、うん。大丈夫だよ、それよりもほら……」すっ

上崎「…あ、ありがとう…! 買ってきてくれたんだ?」

純一「うん、飲み物とポップコーンだよ。飲み物が迷ったんだけど……オレンジジュースでよかったかな?」

上崎「うんっ……! ありがとう橘くん!」

純一「そこまでのことはしてないよ、ほら。もうすぐ始まるみたいだし、なかにはいろっか?」

上崎「だね、入ろう」

館内

純一「うわー……大きいね。さすが町内最大の映画館だよ!」

上崎「わぁ…ほんとだ、おっきぃ……」

純一「っ……」

上崎「っ?……どうか、したの?橘くん?」

純一「い、いや…! なんでもないよ!うん!」

純一「d18……うん、ここだね。座ろっか?」すっ…

上崎「う、うんっ……!」

上崎(…あ、あたしにわかってるよ橘くん…!
   放映中に出ても、迷惑にならないよう端の席をとったんだよねっ…?)

純一「よいしょっと…うわぁ!なんだか椅子がふかふかだよ裡沙ちゃん!」

上崎「本当だね…! ふかふかしてるっ」

上崎(……それにそれに、トイレが近くならないようにお茶とかじゃなくてオレンジジュースにしてる…
   もうっ…もうもうなんてっ……気が利いててかっこいいのかなっ……!!!)

純一「……もう少しで始まるみたいだね、でも、本当に大丈夫?」

上崎「っ……映画のこと?かな?」

純一「うん、恐いのだけど……ほら、美也とかこういうの苦手だし。いや、妹を理由に言うのもあれだけどさ…!」

上崎「……ううん、大丈夫だよ? 心配しなくても、ちゃんと大丈夫だから…!」

純一「……そっか。そしたらよかったよ…うん、よかった」

上崎「…………橘くん…」

びー!

純一「おっ! はじまるみたいだよ!」

上崎「…………っ…うんっ! 楽しみだね!」

数十分後

キャァアアアアアアアア…!

純一「…………」

上崎(わ、わわっ……! すごい迫力…なかなだけど、でも恐いってほどでもないなぁ…)

上崎(それよりも、いつもの橘くんを追っかけてて…
   …夜の墓場に潜り込んだ時のほうがこわかったし…あれはもう、すごかったもん…!)

上崎「………」ちらっ…

純一「………」

上崎(…はぁはぁ……って、横顔で興奮してる前にっ……橘くん、こういうの得意だったんだ。
   すごく冷静にみてるね……楽しくはない、ってわけじゃなさそうだけど)

純一「……ん、裡沙ちゃん?」

上崎「っ! あ、ごめんなさい…! 見てるの邪魔しちゃったかな…っ…?」

純一「ううん、大丈夫だよ。……もしかして、映画つまらなかった?」

上崎「えっ!? ぜ、ぜんぜんそんなことないよ…っ! すっごく面白いから!」ぶんぶん!

純一「そっか、でも僕の顔見てたみたいだし……もしかしたらって思ってさ」

上崎「だ、大丈夫だから…! ぜんぜんそんなことない、ないよ本当に…!」

純一「…うん、そっか。ありがとう、裡沙ちゃん」

上崎「………っ…」

上崎「……ほ、本当に楽しいんだよっ……」とん…

純一「!……り、裡沙ちゃん…っ?」

上崎「──ご、ごめんなさい……でも、ちょっとだけでいいから…よりかからせて…くれないかな…?」

純一「う、うん……別大丈夫、だよ?」

上崎「うんっ……ありがと、橘くん……」

純一「…………」ポリポリ…

上崎「…………」

上崎(…さっきの橘くんの笑顔……あれはダメっ。
   これから先、今日のデートでは……あの笑顔をさせちゃいけないんだから…!)

上崎(……させちゃ、いけないんだから…)

放映後

純一「い、いやー! すごくおもしろかったね~!」

上崎「う、うんっ……!cgだって思えないぐらいに、すっごくリアルだったし…!」

純一「そうそう! それにあの骸骨とか……すっごくこわくてさー!」

上崎「うふふっ……えっと、それじゃあ橘くん。これからどこいくのかな…?」

純一「あ、そうだね。そしたら……ちょっとゲーセンでも行ってみない?」

上崎「ゲーセン……あたし、行ったことがないけど…大丈夫かな…?」

純一「大丈夫だよ! 二人用の機材とかあるしさ!」

上崎「そうなんだ…橘くんがそういうのなら、あたし…行きたいな…!」

純一「っ……」

上崎「? どうかしたの?」

純一「う、ううん! じゃ、じゃあいこっか!」

上崎「う、うん……?」

ゲーセン

純一「あ、ほら。ああいうのってどうかな?」

上崎「えっと、これはどうやって遊ぶの?」

純一「こうやって、拳銃を持って……重いから気をつけてね?」

上崎「う、うんっ…よいしょっと…」

純一「よし、こうやって前に出てくる画面に映る敵を……こうっ!」ばんばん!

上崎「うわぁ~…!橘くん、かっこいい…!」

純一「そ、そうかなっ…! ほら、裡沙ちゃんもやってみなよ」ちゃりーん

上崎「わ、わわ…! これを打てばいいの…っ?」ばんばん

純一「そうそう! 良い感じ良い感じだよ!」ばんばん!

上崎(こういった遊びがあるんだ~……はじめてしったなぁ。
   橘くんがゲームセンターが好きってのは最初からしってたけど……)

純一「それそれ!」ばんばん!

上崎(……ふふっ…こうやって無邪気にはしゃぐ橘くん。
   昔の彼を思い出しそうになるよ……可愛かったなぁあの頃の橘くん)

上崎(今の彼も……可愛いけれど、かっこいいほうが目につくもんね。
   あたしだけがしってる橘くんの過去……きゃああー!なんだかちょっと恋人っぽいかな…?)

純一「あっ! り、裡沙ちゃん! やられてるやられてる!」

上崎「……えっ! あっ、うそ…!」ばんばん

純一「そうそう、そうやって…おっけー! 持ち直したよ!」

上崎「ご、ごめんね…! ちょっとぼーとしちゃってて…」

純一「あ、大丈夫…? 面白くなかった?」

上崎「っ…お、面白いよ! ほら、こうやってうつんでしょ?」ばんばん

純一「お、おお……うまい…!」

上崎(いけないいけない…! またあの笑顔をさせるところだった……
   ちゃんと目の前のことに集中しなくちゃ!うん!)

上崎(そうだよ……ためにし敵を誰かに置き換えてみたらどうかな…?
   ──このおっきい奴は、あの同じクラスの子!)ばん

純一「おおっ! すごいなぁ!いっぱつで弱点をつくなんて…!」


上崎(次にこの……もじゃもじゃした敵は、橘くんをいじめてる子!)ばんばん!

純一「え、ええっ…!?こいつ二発で倒せたのか…!?」

上崎(このふっかふかした……いやらしい敵は一年の子!!)ばばばばばばば!

純一「武器転換がすばやい……!?」

上崎(あとは……この、くるくる裏表になってる敵! 粉砕!)ばかーん!

純一「裏が弱点の敵のタイミング……難しいのに、一発で……!」

上崎(そこの…素早く動いてる奴! 水泳部のあの子!)しゃきん!

純一「えっ!? なに今の効果音…!?」

上崎(そして最後に……このキラキラ無駄に光った……ヤツ!!)

純一「あ、ラスボスだ…! ワンコインでここまでこれるなんて…!」

上崎(こいつはぁー……無駄にエロい身体しててむかつく先輩…!!)ずががががががががが!!

純一「人差し指打ちっ……!? しかも全て正確に弱点をついて……!!」

fin

上崎「っ……ってあれ? おわり、かな…?」

純一「す、すごいっ…! 裡沙ちゃん、このゲーム本当にはじめてだったの?」

上崎「えっ…うん! はじめてだったけど……だ、だめだったかな…?」おろおろ…

純一「全然だめじゃないよ! むしろ凄くて……ほら、後ろ見てみなよ…!」こそっ…

上崎「えっ……えぇえっ…! 人がいっぱいいるよ橘くん…っ?」

純一「裡沙ちゃんのプレイがうまくて、人が見にきたんだよ……それぐらい、すごいんだよ!」

上崎「そ、そうなんだ…えへへ~」

純一「まさか裡沙ちゃんにこんな才能があったなんて……また今度、街のゲーセンでも行こうよ!」

上崎「え、本当にっ……? 梅原くん、とかおじゃまにならない…?」

純一「なんでアイツの名前が出てくるのさ! 置いていくよあんな奴!」

上崎「そ、そうなんだ……うんっ! じゃあその時、またさそってね…!」

純一「当たり前だよ! それにしてもすごかったなぁー…あいつ、二発で死ぬのがびっくりしたよ~」

上崎「……」

上崎「………よしっ! 約束ゲットだよ!」ぐっ

数十分後

純一「そろそろお腹すいてきたと思うんだけど……どうかな?」

上崎「うん! あたしもちょうど、おなかすいてきたよっ!」

純一「そっか、そしたらどこか……」

上崎「っ……たち、ばなくん…!」

純一「……ん? どうかした裡沙ちゃん?」

上崎「えっとあのねっ……これ、作ってきたんだけどっ…!」ぐいっ

純一「これって……」

上崎「──お、おおお…お、おべんとう……なんだけどねっ!? うまく出来たと思うからっ…その!
   たべないかなっ……って、思うんだ……ううっ…!」

純一「…まさか裡沙ちゃんが、作ってきたの…?」

上崎「そ、そうなのっ……た、たべてほしくてっ……が、頑張って…つくってきたんだ…よ…?」ぷるぷる…

純一「──あ、ありがとう! たべよう!」

上崎「……ほ、本当に…?たべてくれる、の…?」

純一「うん! 食べるよ、むしろ食べたい! 
   うわーまさか作ってきてくれなんて…嬉しくて、泣きそうだよ…!」

上崎「お、大げさだよ…! そ、そこまで…豪華なものじゃないし…」

純一「いいや、裡沙ちゃんが作ってきてくれた。それだけで…ものすごく豪華だよ!」

上崎「っ……あ、ありがとう…橘くん…」テレテレ

純一「それじゃあ…あそこに座って食べよっか?」

上崎「うんっ!」

ベンチ

純一「…開けていいかな?」

上崎「ど、どうぞっ……!」

純一「──うわぁあー! すごい! 僕の好物なものばかりだよ!」

上崎「ほ、本当に…っ? すっごい偶然だねっ…!」

純一「うんっ! すごいや……裡沙ちゃん僕のことまるでわかってるみたいだね!」

上崎(やったっ……なんてったって、そこら辺の情報はばっちりだもの!
   橘くんの好きなおかず、ご飯のふりかけ、飲み物!)

上崎(好きなタイプに、好きなお宝本! 橘情報通と歌われたあたしに…死角はないの!)

純一「それじゃあ、いただきます」

上崎「うん。美味しくできてると思うからっ…ゆっくり食べてね?」

純一「味わって食べるよ!……もぐもぐ……」

上崎「…っ…っ……」ドキドキ…

純一「ごくん………」

上崎「ど、どうかなっ……? お、美味しいかな…?」

純一「……美味しいってはなしじゃないよ、旨すぎる…!」

上崎「っ……ほ、本当に…!?」

純一「い、いや……なんというか、痒いどころに手が届きまくってるっていうか…
   からあげとか…味付けが濃い所が好きなんだけど…このからあげは、ベストすぎる…!」

上崎「いっぱい、いっぱい揉んだんだ、それ。だから味が濃くなってるんだよ?」

純一「へ、へー……すごいや。この卵焼きは……もぐもぐ…甘くて美味しい…!」

上崎「えへへ…ちょっと焦げちゃったけど、大丈夫だったかな…?」

純一「いや、実は玉子焼きの焦げって好きなんだ……それも素晴らしいと思うよ!」

上崎(うん。知ってる!)

純一「すごいなぁ…ご飯のふりかけも僕の好きなたらこのやつだし…文句のつけようがない…!」もぐもぐ!

上崎「…………」じぃ…

純一「……あれ? 裡沙ちゃんは食べないの?」

上崎「あ、うんっ……あたしはいいの!」ぶんぶん

純一「え、でも……」

上崎「えっと……あのね? 橘くんが、そうやって美味しそうに食べてくれるだけで…」ごにょごにょ…

上崎「あたしは、おなかいっぱいだよ……?」

純一「そ、そうなんだっ……あはは…!」

上崎「っ……っっ……」テレテレ

純一「………」もぐもぐ…

純一「──そ、そしたらさ…裡沙ちゃん…」

上崎「……うん? どうかしたの、たちばなくん?」

純一「…………」どきどき…

上崎「………?」

純一「……よし、じゃあ……あ、あーん…」すっ…

上崎「えっ……えええ!? そ、それって…!」

純一「う、うんっ……!ぼ、僕の箸でってのがいやだったら…あれだけどさ…」

上崎「それはダイジョブだよ!……そのっ…い、いいの…かなっ…?」どきどき…

純一「い、いいよっ…! たべてくれるとうれしかな、うん!」

上崎「っ………!」

上崎(き、きたぁああー!! あーん、きたよぅ!
   この時を……この時をまってたんだよ!!)

上崎(アタシが食べないってしったら、ぜったいに橘くん……こうやってくるはずって思ってた!
   あ、でも…弁当を半分こしよっか。なんて言ってくることも可能性として考えてたけど!)

上崎(……わざと弁当の中身を少なくさせて、わけあうのを未然に防いだんだよ……!
   ……はぁああっー……なん、て…幸せ……)

上崎「ハッ…!」

上崎(う、浮かれ過ぎちゃダメよ裡沙…!
   またあの笑顔を浮かべられちゃ身も蓋もないんだから…!)

上崎「っっ……」チラッ…

純一「っ……ど、どうぞ…!」

上崎「う、うんっ……それじゃあ……あーん……」ぷるぷる…

上崎(もう目の前…! 夢に見た、夢に見続けてきた……橘くんからの…あーん…!
   それが現実で前にあるっ……あるんだよ裡沙……───)

ぱく

上崎(────………ひんっ…!)びくんびくん

純一「……えっ!? どうかしたの裡沙ちゃん!?」

上崎「っ……っ……」ぷるぷる…

純一「え、あちょっ……大丈夫…っ?」ぽんっ…

上崎「ひゃぁああうっ!?」びくん!

純一「え、ええ!? 本当に大丈夫!?」ふぅっ…

上崎「ッ……み、耳元でっ……んっ……ひっ!……」ぴくっ!

純一「り、裡沙ちゃん……!?」

上崎(……なんて、ことなの…っ…!
   あーんされただけなのにっ……だけなのに…!)ぴくん…

上崎(──や、やばいよぅ……これはだめだよ…!
   死んじゃうぐらいにしあわせだよっ……というか身体が、しんじゃう…!)

上崎(このままだと、本当に頭がばかになっちゃうっ……ううっ…!)

純一「ど、どうしようっ……!」

上崎「っはぁー…っはぁー……だ、だいじょうぶ…たちばなくん…平気、だから…」

純一「あ、裡沙ちゃん…本当に?本当に大丈夫……?」

上崎「う、うんっ……大丈夫、大丈夫だから…ちょっと、舌噛んじゃってね…!」

純一「そ、そうなの…? ものすごく肩とか背中、震えてたけど…?」

上崎「び、びっくりしちゃって……それで色々と…!」

純一「背中さすろうか…?」さすさす…

上崎「っ~~~~~!!!」びくんびくん!


上崎「っ……っっ…!……!!」びくん!

純一「だ、大丈夫……?」さすさす…

上崎(だ、だめひゃぁ……このまま、橘くんの虜にされひゃう…!
   背中なでられてるだけ、らのり……!)

純一「………」おろおろ…

上崎(っ……もう、グショグショだよっ……どうしよう、スカート大丈夫かな…!)

上崎「た、たちばなひゃくんっ……!」

純一「え、うんっ? どうかした? お水飲む?」

上崎「っ……」ふるふるっ…

純一「そ、それじゃあなに裡沙ちゃん?」

上崎「……お、おトイレに…いかせて…くだひゃい…!」

純一「えっ、うん…! かまわないけど、大丈夫?一人で立てる?」

上崎「た、たてるよ……うん!がんばれるから…!」

純一「そ、そっか…それじゃあ行ってらっしゃい」

上崎「い、いってきます……っ」とととっ…

純一「………だ、大丈夫かな…裡沙ちゃん」

純一「あれ?もどってきた…?」

上崎「……か、かばんもっていくねっ……」とととっ…

純一「う、うん! 転ばないようにね…!」

純一「………」

純一「───あーんが、だめだったのかな…?」

数十分後

上崎「ご、ごめいわくをおかけしました……」ぺこ…

純一「い、いや……いいんだよ。そうやって無事そうだったら、それでね」

上崎「うん…途中で何度も抜けだしてごめんなさい…」

純一「いいんだよ! 裡沙ちゃんだって、ほら……女の子出しさ。
   色々とあると思うし!」

上崎「うっ…うぅ……ごめんね、橘くん…」

純一「僕は気にしてないよ。ほら、元気出して!」

しえん

上崎(ううっ……こうなるはずではなかったのにぃ……ばかばか!
   もっともっとっ……あーんとか、お互いにしあいたかったのにっ…!)

純一「………今日は、裡沙ちゃん。楽しかった?」

上崎「……えっ? うん、楽しかったよ…?」

純一「そっか。うん……」

上崎「……えっと、まだまだ時間はあるから…楽しかったってのはおかしいけどっ…!」

純一「そ、そうだよね! あはは、ははっ……」

上崎「っ……た、橘くん! 今度はこれ見ましょ!」

純一「えっ……これは、室内プラネタリウム…?」

上崎「そ、そうなの…! さっき、ちょっと気にになってて…! ほら、橘くんって星、好きでしょ…っ?」

純一「よく知ってるね。好きだよ」

上崎「だ、だからどうかなーって……いいかな?」

純一「…うん、行こうか。僕も見てみたいしさ」

上崎「うんっ…! じゃあさっそく行きましょ…!」

プラネタリウム 室内

純一「はじまるみたいだね」

上崎「うん、楽しみだね……」

きらきら…

純一「おぉ…」

上崎「綺麗……すごいね、本物とはちがった…綺麗さがあるね…!」

純一「うんっ…本当だ、すごいよ……!」

上崎「うんっ……!」

きらきら…

純一「…………」

上崎「…………」

純一「……今日は、ありがとう理沙ちゃん」

上崎「……え?」

純一「……えっと、そのね。僕となんかデートをしてくれてさ」

上崎「……ううん、こっちこそ…あたしとデートに誘ってくれて…」

きらきら…

純一「……色々な偶然が重なってさ、裡沙ちゃんと出会って、
   こうやってデートに誘えて…」

上崎「うん…」

純一「こんな僕は、とっても……幸せなんだと思うんだ」

上崎「………」

純一「……あはは、なんだか変なこといってるかな…?」

上崎「……ううん、変じゃないよ。ぜんぜん…へんじゃない」

純一「そっか。でもね───…こうやって星を見ていると、思い出してしまうんだ」

純一「……色々、前にやってしまったこととかさ」

上崎「………」

純一「……ちょっと、思ってることいってもいいかな?」

上崎「うん、いっていいよ。橘くん……」

純一「ありがとう、理沙ちゃん……実はね」

純一「僕は今年に入ってから……色々と、頑張ってたんだよ」

純一「……クリスマス、誰かと過ごせるよう…色々とさ」

上崎(──しってるよ、たしかに。貴方は頑張ってた…)

純一「それでね。この人だ!って人を見つけたんだけど……その、結局振られちゃって」

上崎(それも知ってる。だって、邪魔をしたのは──…あたしだもの)

純一「でも、振られた理由が……あれなんだよ、僕の過ちのせいなんだ」

上崎「…………」

純一「僕が……優柔不断なばかりに、その人を…怒らせてしまったんだ」

上崎(──そう、それも知ってる。結局は、貴方が悪かった)

上崎(あたしが邪魔をしたって言っても、それはただの邪魔でしか無い……障害には生ったかもしれないけれど。
   それでも、恋が実らないようになるってことは……ありえない)

上崎(貴方が振られたのは……貴方のせい。自分がやった過ちが、全ての元凶)

上崎(……あたしはそれを、知っている)

純一「それはもうっ…ものすごく反省したよ。取り返しの付かないことをしてしまった、どうにかしようって、思ったけど。
   全ては後の祭りでさ……僕の回りには、もう誰も居なくなってた」

上崎「…………」

これだけみると酷いなスト子

純一「一つの過ちが、全ての関係を……ぐしゃぐしゃに壊してしまったんだ。あはは…
   まぁすべて、自業自得だけどね……」

上崎「…橘くん……」

純一「…ごめんね、いきなりこんな話しをしちゃってさ。迷惑だったよね…」

上崎「……迷惑じゃないよ。続けて橘くん……」

純一「そっか……うん、ありがとう…」

純一「……だから、さ。こうやって何かをつかもうとしている自分…裡沙ちゃんとこうやってデートをしている自分が…
   なにかこう、間違っているんじゃないかって…いっつも不安になるんだ」

上崎(……だから、そんな笑顔をするんだよね。橘くん)

純一「僕は……また間違いをしてしまうんじゃないかって。
   君を…裡沙ちゃんを傷つけてしまって、前みたいに……壊れた関係になってしまうじゃないかって…」

純一「……思ってしまうんだよ、馬鹿みたいに…ね」

上崎「…………」

純一「でも、ね? こうやって裡沙ちゃんがデートしてくれて…僕は本当に嬉しかった!
   もともとこんな事言うつもりはなかったんだけど……あはは、どうしてかな。口がすべったみたいだよ」

純一「……ありがとう、最後まで聞いてくれて。感謝してる」

上崎「……ううん、橘くんが…その、よかったのならそれでいいんだよ」

純一「そっか……すごいね裡沙ちゃんは、なんでも受け止めてくれるんだ」

上崎「…………」

上崎「───……なんでも、じゃないよ?」

純一「え……?」

上崎「……うん、今の橘くんの表情を見て──決めたよ。
   あたしは、何でもは受け止められない……全部が全部、受け止めることはできないよ」

純一「裡沙、ちゃん…?」

上崎「橘くん──……いい? きいてくれるかな?」

純一「う、うん……どうしたの?」

上崎「あたしは──……貴方のことが好きです」

純一「っ……ほ、本当にっ……?」

上崎「はい、本当です……でも」

純一「……でも…?」

上崎「……あたしは、あの人の代わりじゃないです」

純一「っ……!」

上崎「貴方が振られた……あの人の代わりじゃない。代用でも無いです……
   貴方の心の隙間を埋めるための、代用品でもない……」

上崎「──……ちゃんとした一人の、女の子です」

純一「……そ、それはっ…」

上崎「……ううん。わかるよ、橘くん。あたしにはわかってる…
   ──そうじゃないって思ってても、そう思ってしまうんだよね…?」

純一「………」

上崎「優しい橘くんは、そう思わないよう……気をつけてるんだと思う。
   でも、そう思ってしまう自分がいる……どうしようもない、自分が」

上崎(……その卑しいところがあるって、わかってながら今日のデートに来たのはあたしだけど…)

上崎「……でも、あたしは。そんな気持ちを少しでも…思ってる橘くんは、いやです」

上崎(……あたしなら、昔のあたしなら…そこをついて突き進んだと思う。絶対に)

上崎「そんな気持ちで、あたしと…これからさき付きあうってことになったら…耐えられないと思う」

上崎(でも、あたしはもう……子供じゃない)

上崎「……橘くん。あたしは、何でもはうけとめられない。今の貴方は……あたしは、好きではありません」

上崎(子供じゃない……橘くんはもう、卒業間近で。あたしも卒業)

上崎(今まで通り…やってきたことは全て、続くとは思わない…だってもう、大人なんだもん)

上崎「……橘くん。あたしは…貴方に変わって欲しいの」

純一「っ……僕が、かわる…?」

上崎「そう、かわってほしい。今日のデートは……それを含めたことでもあったんです…」すっ…

純一「り、裡沙ちゃん……」

上崎「橘くん、貴方は……すごいひとなんだよ?」

純一「僕がすごい、ひと…?」

上崎「はい、貴方は……一人の女の子を…ものすごく、強くしてくれたんです」

上崎「どんなつらいことがあっても、この人のために頑張れる……嫌なことがあっても、この人のためにならめげずに頑張れる。
   そんな強い心を持たせてくれた……すごい、すごい人なんです」

純一「それって…もしかして…?」

上崎「……くすっ…だれでしょうね?…案外、近くにいるかもですよ?」

純一「…………」

上崎「──……その強くしてくれた人は、必ずこういうと思います……」

上崎「貴方は、とっても強い人。誰にだって優しくて、かっこよくて、素晴らしい人。
   ──……だから、めげずに頑張って…ってね?」

純一「…………」

上崎「……橘くん、あたしは…その人と同じように、頑張って欲しいと思ってる…!」

純一「…裡沙ちゃん……」

上崎「あたしは、そんな橘くんが……大好きなんです。
   頑張ることの大切さ……それをしってる、貴方が…」

上崎「……だいすき、なんです」

純一「……………」

上崎「…こわい、よね?」

純一「……うん、すごく怖いよ」

上崎「うん、頑張るって言葉って……ものすごく恐いものだと思う」

純一「そうだね…簡単に言えるけど、頑張ることは……とても難しいよ」

上崎「……」

きらきら…

純一「──……でも」

上崎「…でも……?」

純一「……がんばることを、見守ってくれてる人が…ううん、そうじゃないな」

純一「頑張った先に、待っててくれる人がいるっていうなら……僕は、頑張れるかもしれない」

上崎「……橘くん…」

純一「……あはは、なんて簡単なことだったんだろう。裡沙ちゃん、あのさ」

上崎「うんっ…なにかな?」

純一「僕は君のことが……絶対に、心から好きになる」

上崎「…うんっ…ありがとう、橘くん」

純一「えっと……まってて、くれるかな…?」

上崎「………ずっと、ずっとずっと…待ってるよ」

上崎「貴方が、好きだから……!」

純一「……うん、ありがとう。裡沙ちゃん」

上崎「いいんだよ、橘くん……それでいいんです」

きらきら…

純一「……でも、あれだよね。待ってて、というのはあれだし…」

上崎「うん……?」

純一「──少なくとも、今の気持ちは…確かに裡沙ちゃんが好きなだから…
   今後また先で、不安定になる前に……」

純一「……うん。そうしようかな」

上崎「どうしたの? 橘くん…?」

純一「……え、えっと…その裡沙ちゃん…」すっ

上崎「た、たちばなくん…!? か、顔がちかいよ…!」

純一「う、うん…近いと思う…! でも、そうしなきゃ…できないしさ」

上崎「な、なにをするつもりかなっ…!?」

純一「こ、ここまで相談に乗ってくれた……その、お礼と言うか…お礼になるかはわからないけれど…!」

純一「き、キス……しようかなって…さ!」

上崎「え、ええぇー! そ、そそそそれはぁー…!?」

純一「だ、だめなかな…?」

上崎「ふぇっ!? だ、だめじゃないよっ! い、いいけど…すごくいいけど…!」

純一「じゃ、じゃあ……その、うん……」すっ…

上崎(ひゃ、うひぁぁああー! た、たちばなくんっ!?
   なんてことなのっ……き、ききききすって……!?)

上崎(ど、どうしよぉー! こ、これってあたしがっ……もう少し、顔を近づけろってことだよね…!?
   そうだよね!? ええぇー! ひぁぁ~!)

上崎「っ……ごくっ……い、いくっきゃない…!」

上崎「ん、んー……」ぷるぷる…

ちゅっ…

俺「………」ちゅ

俺「んっ………」ぎゅっ…

俺 ちゅ、ちゅっちゅぅ

俺「んっ……んん…………」

俺 ちゅるちゅる…ちゅ、れろ…

俺「んっ!……んむぅっ……ぷはっ…息がくるっ…んむ!」

俺 れろっ……ちゅっちゅ……じゅるる…

俺「んんっ…んっんっ!…………レロ…」

俺 !……ちゅるる…ちゅっ

数十分後

純一「……ん、上映終わったみたいだね。裡沙ちゃん」

純一(……あれから、だいぶ大人しかったけど大丈夫かな…)ちらっ

上崎「…………」ぽけー…

純一「……!? 裡沙ちゃん!? なんだかすごい顔に……!」ゆさゆさっ

上崎「……あれぇ? にぃに…?」

純一「えっ……?」

上崎「あー! にぃにだー! きぁはは! にぃにー! にぃにー!」

純一「え、あっ、ちょ……裡沙ちゃん!?」

上崎「っ……っ…」ちゅっちゅ

純一「あ、裡沙……んむっ…ぷはっ…それはダメだって人が……んむぅ!?」

上崎「ぷはっ……大好きだよ、にぃに!」

裡沙ちゃんおわりっしょ
理沙ちゃんは一番書くのがにがてだった

ここでご報告
しごとの時間となってしまいました。
今回はここまでとさせていただきます

ご保守、ご支援、本当にありがとう
残りのキャラはいつか立てて書くよ

質問があったら受け付けます
ない場合はお好きにどうぞ

ではではノシ

乙すぎた

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