ほむら「超高校級の魔法少女ですって?」(30)

ほむら「(まどかが消えて数年、私は高校生となった)」

ほむら「(それと同時に私は世界の希望と呼ばれる学園、希望ヶ峰学園に呼ばれた)」

ほむら「(最初は断ろうとしたけど、マミや杏子に行った方がいいと勧められた)」

ほむら「気が進まないわね」

QB「ここは高校生達の憧れの場なんだろ?喜ぶところじゃないのかい?」

ほむら「・・・そうかも、知れないわね」

QB「に、しても君の肩書き『超高校級の魔法少女』どうやってこの学園の人達は調べたんだろうね」

ほむら「そう、それも気になるのよ。それも確かめる為に行くわよ」

QB「ああ」

すたっ

ほむら「!?(い、意識が……と、遠く……)」

―教室

まどか「う……う~ん」

まどか「……え……ここは、どこ?」

まどか(教室?)

まどか(どうしてこんなところに?)

まどか(む~ん、よく思い出せないや)

まどか「……あれ?」

まどか「な、何なのこの格好!?」

まどか「コ、コスプレ??」

まどか「どうしよう……恥ずかしいよう」

まどか「で、でも……ここには誰もいないみたいだし」

まどか「あれ……なんだろうこの紙」

まどか「にゅうがく……あんない?」

まどか「8時……集合?」

―学校エリア・廊下

まどか(えっと、こっちだよね)

まどか(あ……人の声がする)

まどか(玄関……この扉の先に?)


―玄関ホール


まどか「!!」


朝日奈「あー!また新しい子が来たよ!」

朝日奈「これで、ひーふーみー……15人目だね」

織莉子「8時集合……でしたわね」

織莉子「これで全員なのかしら」

江ノ島「でさぁ……これからどーすんの?」

江ノ島「てかこの状況何なの?」

さやか「きっとあたしたち集団で拉致られたんだわ!」

さやか「ほらあれ……闇の組織の陰謀とかで」

セレス「それにしましても……」

セレス「随分と奇抜な風貌の方々がいらっしゃいますが」

セレス「仮装パーティーにでも参加なされるのですか?」

杏子「アンタも人のこと言えないっしょ」

杏子「……にしても、腹減らない?」

大神「仮に我らが閉じ込められたいるのだとすれば」

大神「食料の確保が問題となるであろうな……」

仁美「ですが」

仁美「まずは、この入学式の意味を理解しませんと……」

舞園「ですよね……」

舞園「これから何が始まるんでしょうか?」

まどか(……こ、この人たちも私と同じように?)

まどか(何となく……ちょっぴり見覚えのある人が2人いるけど)

まどか(他の人たちは……)

キリカ「……っ」

キリカ「な、何!?」

まどか「え、ううん!……何でも」

腐川「……!」

腐川「な、何よあんた……何見下した目で見てんのよっ……ゴニョゴニョ」

まどか「な、何でもないです!」


ほむら「…………」

ほむら(おかしい……)

ほむら(何故……ここにまどかがいるの…………?)

ほむら(まどかだけじゃない……佐倉杏子と巴マミ)

ほむら(そして、ここにいるはずのない人間が……)

ほむら(当たり前のようにここにいる!)

ほむら(しかも……一様に記憶を失っている?お互いの面識すら?)

ほむら(“魔法少女”という概念自体を……認識できていない?)

ほむら(私だけが……それらの記憶を保ったままでいる?)

霧切「…………」


まどか(この人達は……何だか声を掛けたら迷惑そう)

まどか(何か考え込んでいるみたいだし)

マミ「大丈夫?」

まどか「は、はい!?」

マミ「不安げな顔をしてたから……つい声を掛けちゃた」

マミ「迷惑だった?」

まどか「いいえ……あの、大丈夫です」

マミ「そう」

まどか「えっと、あなたは……」


≪キーンコーンカーンコーン≫

≪新入生諸君、希望ヶ峰女学園にようこそ≫

≪早速だけど、今から入学式を始めるよ≫

≪体育館に集合してくれるかい?≫

杏子「だってさ」

舞園「私達以外にも人がいたんですね」

織莉子「ここまで来るのに誰も見かけませんでしたしね」

セレス「ですが、少々怪しげではありませんか?」

朝日奈「ていうか、放送なのに馴れ馴れし過ぎない?」

仁美「皆さん……どうします?」


霧切「このままここに留まっていても、埒が明かないわ」

ほむら「……この状況を理解する上で、情報収集は必要よ」

江ノ島「え~マジ!?行くの?」


ほむら「……別に、誰についてくるようにとも言わないわ」

霧切「私は行くことにする、それだけのことよ」


江ノ島「行っちゃったし……」

舞園「あの2人、息がぴったりですね」

さやか「息が合ってるっていうか……何というか」

朝日奈「お互いに会話はしてないもんね」

杏子「で、どうするのさ?」

セレス「ここにとどまるのか……あるいは彼女達のように体育館へ移動するのか」

織莉子「貴女の言うとおり、現状では……二者択一ですか」

大神「我は行くとしよう」

大神「この場に留まっていても……これ以上の進歩はあるまい」

大神「あの二人の言うことは……理にはかなっている」

さやか「あれだよね、虎穴に入らずんば……何とかってやつ!」

舞園「虎児を得ず、ですよね?」

杏子「ま、どっちにしろこの建物の中調べるに越したことないし」

仁美「確かに……それもそうですわ」

朝日奈「よーし!それじゃ、皆で体育館に行こっか!」

朝日奈「横断歩道も皆で渡れば怖くないしっ」

織莉子「それはあまり良い例えではないのではなくて……」

江ノ島「え~本気で行くワケ?」

キリカ「…………」

腐川「…………」


まどか(皆……体育館に向かうみたい)

マミ「私達も、行きましょうか」

まどか「え、でも……」

まどか「大丈夫なんでしょうか?」

マミ「まさか……いきなり捕って食われるなんてこともないでしょうし」

マミ「今は他の皆と、行動を共にした方がいい気がするわ」

まどか「そうですか……ううん、そうですよね」

マミ「じゃあ」

まどか「はい、行きましょう……体育館に」

―体育館―

霧切「……」

ほむら「……」

さやか「フツーの体育館だよね」

朝日奈「何か仕掛けとか……無いか」

仁美「結局、全員集合ですのね」

舞園「……でも、やっぱり私達だけなんですね」

杏子「!……おい、ステージの上に!」

QB「きゅっぷい」


織莉子「あれは……何でしょう?」

江ノ島「ヌイグルミ?」

ほむら「ッ!!!」


QB「ボクがヌイグルミだなんて……ひどい言いようだね」


大神「なぬ?」

さやか「なんか……しゃべってるし!?」

QB「ボクがしゃべったところで……何か問題があるのかい?」

QB「君達と意思疎通を図るには、君達に理解できる言語で説明をする必要があるだろう?」

QB「ボクの名前はキュゥべえ、この希望ヶ峰女学園の学園長さ」


腐川「何言ってんの、コレ……何なのよぉ」

キリカ(意味わかんない……ここ何処?これ夢?……これ現実?)

さやか「ネコ型ロボット……いやどっちかというとネズミ?」

セレス「いずれにせよ、誰かが遠隔操作しているのでしょうね」

織莉子「それにしましても……誰が、何の目的で?」

霧切「単刀直入に聞くわ」

霧切「あなたは一体、何者なの?」


QB「何者もなにも、ボクは学園長だよ?さっき言ったじゃないか」


ほむら「ここは……この学校……いいえこの世界は一体どういう状況下に置かれているのか」

ほむら「私達だけが、この場に集められている理由は何なのか」

ほむら「はっきりさせてほしいところね」

霧切「つまり、目的は何なのか……ということよ」

QB「簡単なことさ」

QB「君達にはいまから……殺し合いをしてもらう」

QB「コロシアイ学園生活を、ね」


一同「!!」


QB「刺殺、殴殺、絞殺、毒殺……手段は問わないよ」

QB「どんな方法であれ、誰かをコロすことに成功した場合のみ」

QB「この閉ざされた学園から、外へ出ることができるんだ」

QB「君達が夢と希望を追い求めてやまない、外の世界にね」

まどか「な……何言って」

マミ「どういう……意味なの」


QB「言った通りの意味さ」

QB「君達はここから出られない……後で確かめてみるといい」

QB「ここから出ることができるのは、誰かをコロし遂せることができた“クロ”のみ」

QB「詳しい条件については……折々説明する機会があるだろうから、今は省いておくよ」

QB「その他の諸規則については……この電子生徒手帳を確認してもらえれば十分だ」

QB「各自に一通ずつ配布するから、紛失しないようにしてほしい」

QB「ここでボクから説明することは……これくらいかな」

杏子「……待ちな」

杏子「黙って聞いてりゃ……わけのわからないことをペラペラと」

杏子「あたしたちにコロシアイをしろって?」

杏子「ふざけるのも大概にしなっ!」


QB「……ボクに暴力を振るう気かい?」

QB「暴力行為は校則違反に該当するよ?」

QB「違反者には罰を与えることになるけど覚悟はいいかい?」


杏子「覚悟?……減らず口叩いてんじゃねぇ!」


QB「やれやれ……仕方ないね……ピコーンピコーンピコーン」

杏子「!?」


霧切「!……危ない!」


杏子「は!?」


ほむら「それを投げるのよ!……早く」


杏子「チッ……!」


\BOMB!!/

杏子「ッ!?」

朝日奈「なっ……」

さやか「バ、バクダン?」

仁美「あのまま掴んだままでいたら……」

セレス「少なくとも片手を失っていたでしょうね、下手をすれば命も」


QB「まったく、もったいないじゃないか」

QB「きゅぷぷぷ、これからは気をつけるようにね」

江ノ島「も、もう一匹!?」

織莉子「代用品があるようね……」

舞園「ど、どうすれば……」


QB「どうするも何も……説明したじゃないか」

QB「コロシアイ学園生活を送ること……それが君達に課せられた今後の人生のすべてさ」

QB「勿論、コロシアイを拒否するというのなら……それはそれで構わない」

QB「一生を、この学園内で過ごすという選択肢も君達には残されている」

QB「衣食住には事欠かないことはすぐに分かるだろう」

QB「コロシアイによる脱出を選ぶか、飼い殺し学園生活を素直に受け入れるか」

QB「これでも君達への譲歩は……充分にしているつもりだけれど」


さやか「ふ、ふざけないで!」

さやか「何であたしたちが……あんたなんかに」

さやか「そんなこと強制されなきゃいけないのよ!」

霧切「落ち着いて」

霧切「今は、反抗するべき時ではないわ」

さやか「……でも」

霧切「皆も分かったでしょう?」

霧切「あれが……キュゥべえが、得体の知れない相手であることに」

腐川「……」

大神「……」

キリカ「……」

霧切「無闇に抗うのはかえって危ないわ……この場はキュゥべえの言に従うほうが得策」


QB「その通りさ、霧切響子」

QB「それじゃ、ボクはひとまずお暇するとしようか」

ほむら「待って……最後に一つだけ」


QB「まだ何かあるのかい?……暁美ほむら」


ほむら「私達にコロシアイをさせておいて、あなたは唯、傍観者に徹するというのなら」

ほむら「つまるところ……あなたが得をすることなんて何もないはずよ」

ほむら「あなたの本当の目的は何なの?……答えて」


QB「……」

QB「本当の目的も何も、ボクが君達に与えたいのは」




QB「          絶望          」



QB「ただそれだけだよ」



一同「…………」



QB「それじゃ」


一同「…………」

まどか(何なの……これ)

まどか(いきなり……閉じ込められて)

まどか(しかも……)

まどか(ここにいる皆と……コロし合え……だなんて)

まどか(こんなの絶対…………おかしいよ)

                            (TO BE CONTINUED)

……みたいなのを読んでみたいと思った

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