あかり「未来日記?」(178)
京子「ふわ~あ・・・」
結衣「随分と眠そうだな。また夜更かししてたのか?」
京子「あーうん。ちょっと深夜アニメ見てたらさ」
あかり「へえ~、何ていうアニメ?」
京子「『未来日記』ってのだよ」
あかり「『未来日記』?」
京子「うん。主人公の趣味が身の周りの出来事をケータイに日記としてつける事なんだけど、神様の力で
未来に自分が書き込むはずの内容が記される『未来日記』に変えられちゃうんだよね」
ちなつ「それって、未来が分かるって事ですか?」
京子「まあ、簡単に言えばそういうことかな」
あかり「へえー」
結衣「ったく・・・アニメもいいけどほどほどにしとけよな」
京子「えー」
[夜、あかりの部屋?]
あかり(・・・あれ、ここどこ?夢?)
???「お前は選ばれたのだ」
あかり「えっ、誰?何??」
???「お前に未来日記を与えよう――」
あかり(『未来日記』って、昨日京子ちゃんが話してた・・・?)
あかり「ちょ、ちょっと待ってよ!どうしてあかりが?」
???「・・・・・・」
あかり「ねえってば!」
[翌日、あかりの部屋 AM6:50]
あかり「ハッ」
あかり(何か変な夢見た気がするけど・・・)
あかり「・・・思い出せないや。学校行く支度しないと」
[通学路 AM7:50]
結衣「ほら、渡せよ!」
京子「ゆ、結衣!やめろってば!」
あかり「おはよー!京子ちゃん、結衣ちゃん・・・って、何してるの?ケンカ?」
結衣「・・・はっ!?あ、ああ。おはようあかり」
京子「お・・・おはよー!」
あかり「どうしたの二人とも。何か変だよ?」
京子「そんな事ないぞ!あかりは気にしーだな!」
結衣「・・・おい京子」
京子「・・・ごめん」
あかり「??どうしたの?」
あかり「ええっ、未来日記を手に入れた!?」
結衣「ああ」
あかり「それって昨日京子ちゃんが話してた、あの?」
京子「そうそう、それそれ」
結衣「初めは夢かとも思ったんだが・・・」
[結衣・回想、結衣の自宅 AM6:00]
結衣「ふあ・・・なんか変な夢見たな。昨日京子があんな話するから」
結衣「ん、メールが来てる」ピッ
結衣「何だ迷惑メールか。よし、まだ時間あるし少しゲームでも・・・ん?」
結衣(何かおかしいな・・・)ピッピッ
6:05
学校に行く準備の前にゲームを始める。
「φなるクエスト」を続きからプレイ。
6:30
氷の洞窟の最深部にてボス戦
6:35
全体攻撃のブレスに苦しめられ敗北。
炎耐性の装備をしていなかったのが敗因。
学校に行く準備をするためゲーム終了。
結衣「こ、これって・・・」
結衣(・・・もしかして私、夢遊病だったのか?)
結衣「とりあえずゲームプレイだ」
結衣(氷の洞窟の入り口からか。とりあえず奥を目指そう)
20分後――
結衣「やっと最深部か。もうすぐ6時半に・・・ハッ」
結衣(戦闘前の会話でちょうど半になるくらいか?いや、偶然だ偶然)
結衣「・・・一応炎耐性の装備に変えてみるか」ピコピコ
結衣「装備変更完了・・・って、氷の洞窟で何で炎なんだよ。馬鹿らしい」
(ブゥーンン・・・)
結衣「あれ、ケータイからノイズ?」ピッ
6:31
氷の洞窟の最深部にてボス戦
6:36
全体攻撃のブレスが厄介だったが炎耐性の装備のおかげでボスを撃破。
学校に行く準備をするためセーブしてゲーム終了。
結衣「内容が書き換わってる・・・!?」
結衣「は、はは・・・まったく、京子のいたずらか?『未来日記』とかいうアニメの話してたもんな」
結衣「まあいい、とりあえずボス戦だったな・・・何だって、『凍土の火竜』?
どうしてこんなところに火竜が居るんだよ。卑怯だな」
5分後――
結衣「倒した・・・強かったな、レベル高めのはずなのに」
結衣(もし装備を変えてなかったら・・・)
結衣「――とりあえずセーブして学校に行く準備しよう」
[あかりと会う前、通学路 AM7:35]
京子「おはよー結衣・・・ちょっと話があるんだけど」
結衣「・・・おい京子」
京子「えっ、何?」
結衣「お前私のケータイに変な細工しただろ」
京子「いやしてないよ?細工って何さ」
結衣「嘘つけ!まったく、お前はいつもいつも・・・」
京子「あっ、私の話ってのもケータイの事なんだけど――」
結衣「人の話を聞けよ!」
京子「なんか未来日記になっちゃったみたいなんだよね」
結衣「・・・えっ」
結衣「な、何言ってるんだよお前。そんなものあるわけ・・・」
京子「いや、私も信じられなかったけど本当なんだってば!勝手に内容書き換わったし!」
結衣「・・・マジか」
京子「まじまじ!」
結衣「そうか。実は私も――」
(かくかくしかじか)
京子「なるほどなー。結衣も未来日記所有者になったのか」
結衣「ああ。どうやらゲームのプレイ情報が記されるみたいだ」
京子「なるほど、『ゲーム日記』ってところだね」
結衣「それでお前はどんな内容なんだ?」
京子「うーん、そう言われると自信なくなってきちゃったな」
結衣「どういう事だよ」
京子「だってある意味でどうでもいい内容だったし」
結衣「いいから言ってみろって」
京子「うん、分かったよ」
[京子・回想、歳納家 AM7:00]
京子「もう朝かー、学校行く支度しないとー・・・」
京子「あれ、ケータイどこ行った?」ガサゴソ
京子「あったあった」ピッ
7:05
お目覚めのラムレーズン。今日も一日がんばれそうだ
16:20
生徒会室で千歳と綾乃の目を盗みラムレーズンを拝借する。
ラムレーズンうめえ!今日もいい一日だった!
17:40
結衣の家で『φなるクエスト』のプレイを見ながらラムレーズンを頬張る。幸せだ!
京子「・・・何だこれ」
京子「まあいいや、とりあえずラムレーズンを食べてから考えよう」
京子「いただきまー・・・」
京子(・・・待てよ、さっきのは未来日記?)
京子「・・・・・・」
京子「よし、今日の朝はラムレーズンお預けにしてみよう。
力は補充できないけど、がんばれ私!」
(ブィーンン・・・)
京子「ん?ノイズ?」ピッ
7:05
今朝のラムレーズンはおあずけ。冷凍庫にしまう。
ラムレーズンパワー無しでこの先生き残れるだろうか・・・
9:30
体育の授業。100m走のタイムが普段より0.5秒くらい遅い。
ラムレーズン食べなかったせいで力が出ない・・・
12:40
ランチタイム終了。から揚げおいしかった!
デザートにラムレーズン食べたい・・・
14:20
国語の授業中。二葉亭四迷って面白い名前だよね。
そんな事よりラムレーズンはまだか・・・
16:20
生徒会室で千歳と綾乃の目を盗みラムレーズンを拝借する。
ラムレーズンうめえ!何とか今日一日を乗り切ったぞ!
17:40
結衣の家で『φなるクエスト』のプレイを見ながらラムレーズンを頬張る。幸せだ!
京子「うそっ!?」
[京子の回想終了、通学路 AM7:45]
京子「ってな感じで」
結衣「・・・つまり、お前の未来日記は」
京子「『ラムレーズン日記』!」
結衣(・・・いらねえ)
京子「まったく、これで他の日記所有者をどうしろっていうんだろうね?」
結衣「はっ?」
京子「・・・ん?」
結衣「どうしろ、って何だよ?」
京子「えっ。何って、何が?」
結衣「未来日記の詳しいストーリーを教えろ!」
京子「えっ?わかったよ」
京子「えっと、未来日記は神様から与えられた未来の情報が書かれた日記で」
結衣「うん」
京子「主人公は未来日記を利用してテストで満点取ったり目立つようになる」
結衣「ふむふむ」
京子「それで、3rd・・・あっ、日記所有者は12人居て三番目の人ね。主人公は1st」
結衣「12人、か・・・それでその3rdがどうしたって?」
京子「あー、主人公が3rdに命を狙われる」
結衣「はあっ!?何でだよ!!」
京子「お、落ち着いてって!3rdは殺人犯で所有日記が『殺人日記』なんだよ」
結衣「あ、ああ。なるほどな」
京子「それでまあいろいろあって、ヒロインである2ndと協力して3rdの日記――ケータイを破壊して」
結衣「ふむ」
京子「3rdを消滅させる」
結衣「消・・・滅?日記所有者から一般人に戻ったって事か?」
京子「違うよ、文字通り『消滅』。日記所有者は日記を壊されるとこの世から消えちゃうんだよね」
結衣「・・・お前、それ本気で言ってるのか?」
京子「いや、そういうストーリーなんだってば」
結衣「すると何か?このケータイが壊れたら私は消えてなくなるのか?馬鹿な事言うなよ・・・!」
京子「そうと決まったわけじゃないけど・・・」
結衣「何でだよ!どうしてこんな・・・」
京子「落ち着いてってば!本当にそうなるのかは分からないし、まだ話は途中だから!」
結衣「あ、ああ。そうだな、とりあえず最後まで聞かないとな」
京子「それでえーっと・・・3rdを倒した後に神様から話を聞くんだよ」
結衣「話?」
京子「うん。未来日記所有者同士で戦い合い、最後に生き残った一人が次の神になるって」
結衣「・・・何だそれ」
京子「そして未来日記を用いたバトルロワイヤルが始まるんだよ」
結衣「京子。絶望しか無くなったんだがどうしてくれる?」
京子「お、大げさだよ結衣!アニメの話だって!」
結衣「・・・そうか、そうだよな」
京子「うんうん」
結衣「うん、それならいいよな・・・京子、携帯貸せ。試しに折ってみるから」
京子「はぁっ!?」
結衣「ほら、渡せよ!」
京子「ゆ、結衣!やめろってば!」
[二人の回想終了、通学路 AM7:55]
あかり「そ、そんな・・・」
結衣「・・・さっきはごめん、京子。少し錯乱してた」
京子「まあでも、このケータイが未来の情報を記してる事は確かだから不安になる気持ちは分かるよ。
というか、現実問題として警戒しないとまずいかもね」
結衣「そうだな・・・まったく、どうしてこうなったんだ」
あかり「・・・あ」
京子「どうしたのあかり?」
あかり「あかりも夢で未来日記がどうのとか言われてたこと思い出しちゃった・・・」
結衣「あかりも・・・!?」
京子「ケータイは見たの?」
あかり「いや、今日はまだ一度も・・・ちょっと見てみるね」
7:55
結衣ちゃん、京子ちゃんと物語の大筋に関わるお話をしている。
あかり目立ててるかな?
8:15
ちなつちゃんとお話。主役であるあかりの視点で物語が進んでるよ!
9:40
授業中問題を答えさせられた!正解、さすが主役だね!
11:30
また授業で当てられた。不正解だったけど、これはこれでおいしいよね・・・
あかり(・・・何これ)
結衣「これは・・・」
京子「主人公である自分の活躍を記した『主役日記』?」
あかり「うわぁっ、二人とも勝手に見ないでよー!」
京子「あはは、ごめんごめん」
結衣「しかしあかりも所有者になっているとは・・・」
あかり「確か未来日記所有者って12人居るんだよね?」
京子「うん。まあ原作ではだけどね」
結衣「ふむ・・・この三人が選ばれたとなると、おそらくちなつもだな」
あかり「そうだね」
京子「うーん・・・」
結衣「どうした京子?」
京子「いや、どこまで原作通りかなって思ってさ」
あかり「どういうこと?」
京子「例えば、『未来日記』では未来日記所有者同士で近しいのって主人公とヒロインくらいだし
それを踏まえると、この三人が選ばれてる時点で原作とは少し遠いなって」
結衣「なるほど。原作の情報はそれほどあてにならないって事か」
あかり「それで、これからどうするの?」
結衣「うーん・・・まずは学校で情報を集めるしか無いな」
京子「そうだね、もしかしたら他の所有者も見つかるかもしれないし」
結衣「私たちは綾乃や千歳を当たってみる。あかりはちなつや生徒会の一年生を頼む」
あかり「うん、分かった!」
京子「あんまり直接的な質問は駄目だからね。未来日記と関係ない人の場合困るし」
結衣「了解」
あかり「はーい」
[あかりたちの教室 AM8:15]
あかり「ちなつちゃん!おはよー」
ちなつ「あっ、あかりちゃんおはよー」ソワソワ
あかり「何そわそわしてるの?」
ちなつ「えっ?私、何か変?」チラッ
あかり(露骨にケータイ意識してるんだけど・・・)
あかり「ケータイに何かあった?」
ちなつ「え、ええっ?あーそうそう、実は好きなバンドのライブチケットの当選メールを待ってるの!
まあ、当たるとは限らないんだけどね・・・」
あかり「なーんだ、そういうことかー」
あかり(ちなつちゃんは違うか。次はあの二人だね)
櫻子「ぐぬぬ・・・」
向日葵「さっきから何ですの?」
櫻子「だって、今日の数学の小テストで向日葵に負けるって書いてあるんだもん!」
あかり(か、書いてある!?)
向日葵「そんなの当然ですの。日記を見るまでもない事ですわよ」
あかり(日記!?)
櫻子「何だとー!」
あかり「ちょ、ちょっと二人とも。書いてあるとか日記とか何の話?」
向日葵「あっ・・・櫻子、少し声が大きいですわ!」
櫻子「へっ?聞かれてた?」
あかり「あ~、心配しなくても大丈夫だよ!」
櫻子「なるほど、あかりも日記所有者だったのかー」
あかり「実はそうなんだよ~」
櫻子「ちなみに私の日記は向日葵との競り合いの情報が記される『次期副会長日記』だ」
向日葵「私の日記は生徒会の仕事の情報が記される『生徒会日記』ですわ」
あかり「なるほど」
櫻子「で、あかりの日記は?」
あかり「え、ええっ?それは秘密だよ」
向日葵「あら、自分の日記の情報だけ隠すんですの?」
あかり「しゅ、『主役日記』だよ!あかりの主役としての情報が記されるの!」
向日葵「ああ、そういう・・・」
櫻子「ま、がんばれよ・・・」
あかり「何その反応・・・酷いよ二人とも・・・」
[娯楽部部室 PM3:30]
結衣「なるほど、ちなつは白だったのか」
あかり「そっちはどうだったの?」
京子「生徒会全員が未来日記所有者だってさ・・・」
あかり「ええっ!?」
結衣「マジらしい。まず綾乃の日記は『歳納京子日記』。京子の行動が筒抜けみたいだな」
京子「えへへ、照れるなー」
結衣「次は千歳の日記、『百合妄想日記』だそうだ。京子と綾乃の遭遇・やり取りについて書かれるらしい」
京子「私ってば人気者だね・・・」
結衣「そして会長は・・・よく分からん。ただ未来日記所有者という事は確かみたいだ。
それと一年生コンビは・・・お前も知っての通りだろう」
あかり「あっ、うん。えーっと・・・これで8人?」
結衣「そうなるな。あと4人はどこに居るのか」
ちなつ「遅れましたー!」
あかり「あっ、ちなつちゃん」
京子「ちなつちゅわーん!」
結衣「む・・・」
ちなつ「三人で何の話してたんですか?」
あかり「な、何でもないよ?」
結衣(そうだ、ちなつは未来日記所持者じゃない・・・巻き込むわけには・・・)
京子「『未来日記』の話だよ」
ちなつ「未来日記・・・?」
結衣「ばっ・・・!京子!」
京子「えっ、どうかしたの?」
イ`ヘ
/: :| ヽ
/ : :/ ヽ ___ _,,,:. .-: :´彡フ
_ノ\_∠: : : : : : : : :`: :-: :,:_:/彡 /
( : : : : : : : : : : : : : : `ゝ /
マ r::/: /: : | : : : : : : : : ::\ /
//: /: : : |: : | |: : |: _: : : :ヽ
ジ {/ 7|`\/i: /|:|/|´: : : : :|ヽ
〉 ,‐-‐、`|7 || |_::|,_|: : :|:::|: |
で / r:oヽ` /.:oヽヽ: :|: | :|
{ {o:::::::} {:::::0 }/: :|N
っ | ヾ:::ソ ヾ:::ソ /|: : |
!? ヽ::::ー-.. /ヽ ..ー-::: ヽ::| r--ッ
-tヽ/´|`::::::::::;/ `、 ::::::::::: /: i } >
::∧: : :|: |J \ / /::i: | /_ゝ
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ちなつ「・・・それって、昨日言ってたアニメの話ですよね」
京子「そうそう」
あかり「う、うんうん」
結衣「あっ・・・」
結衣(そうか、馬鹿は私の方だ。ここで変に隠したら怪しまれてしまうじゃないか。
『未来日記』という作品は存在するんだから適当にごまかせる・・・)
京子「いやあ、『未来日記』が手に入るならどんな日記がいいかなーって思ってさ」
ちなつ「なるほど」
京子「ちなみに私は『ラムレーズン日記』!未来に食べるラムレーズンの情報が記される!」
結衣(だが京子、それは少し言い過ぎじゃ・・・)
ちなつ「それ、あんまり意味ないんじゃないですか?楽しみも半減してしまいますし・・・」
京子「えっ、そうかなー?じゃあちなつちゃんはどんな日記が欲しい?」
ちなつ「私ですか?うーん・・・いきなり振られても思い浮かびませんね」
京子「そういうものかなー」
ちなつ「それはそうですよ。未来が見えるってすごい事だから迷っちゃいます」
京子「なるほどね」
ちなつ「・・・あっ、ちょっと用事を思い出したので今日はもう帰りますね」
あかり「あ・・・うん、また明日ね」
結衣「おう、お疲れ様」
ちなつ「はい、さようなら」トテトテ
京子「またねー」
結衣「おい京子、さっきのは言い過ぎだったんじゃ」
京子「・・・怪しい」
結衣「えっ?」
京子「ちなつちゃんほどの猛者なら『結衣先輩日記』が欲しい!と言いそうなものなのに」
結衣「猛者って何だよ。でも、まあ確かに・・・」
あかり「じゃあちなつちゃんも所有者って事?」
京子「分からないけど、私の中では限りなく黒に近い!」
結衣「ふーむ・・・」
京子「そんなわけで、生徒会室行こうぜ!」
結衣「どんなわけだよ」
[生徒会室 PM4:10]
京子「おーっす!」
綾乃「あ、あら。歳納京子、来たのね」
千歳「来たのね、じゃないやろ~?日記で知ってたはずやんか~」
綾乃「そ・・・そうだったかしら?そういえばそんな事書いてあったかも・・・」
あかり(この二人の日記には京子ちゃんが来る事が記されてたって事だよね・・・)
りせ「・・・・・・」
結衣「おっ。会長も居たのか」
京子「会長、日記見せろー!」
あかり「だ、駄目だよ京子ちゃん。あの、日記見せてもらえませんか?」
りせ「・・・・・・・・・」スッ
16:30
・・・・・・
16:40
・・・・・・
17:00
・・・・・・
17:15
・・・・・・
あかり「うわ・・・」
京子「な、何じゃこりゃー!?」
りせ「・・・・・・・・・」
西垣「自分の身の回りの未来が分かる『寡黙日記』、だと言っている」
結衣「西垣先生!」
りせ「・・・・・・・・・・・・」
西垣「おそらく誰にも読めないと思うが、私には未来の情報が読み取れる。と言っているな」
西垣「それより、どうしたお前ら。生徒会室なんかに来て」
あかり「先生こそどうしたんですか?」
西垣「いや、何となくな。ああそうだ・・・私の日記も見るか?」
結衣「えっ、先生も日記所有者なんですか?」
西垣「うむ。見てみろ」
16:30
調合中に出歩いてしまったせいか、理科室にて爆発。
幸いな事に犠牲者は無し。
17:15
調合中の素材がまだ安定化してなかったらしく、理科室にて爆発の第二波。
松本を巻き込んでしまったが、幸い軽傷で済んだ。
西垣「『爆友日記』だ!」
結衣「おいコラ」
綾乃「まだ時間あるじゃないですか!早く止めてきてください!」
西垣「なに、あと15分ある。ゆっくりして行こう」
結衣「アンタって人は・・・」
西垣「そうそう。この未来日記だが、私が作ったものだ」
京子「へ?先生が?」
結衣「ああ・・・どういう原理かは分かりませんが納得は一瞬で出来ました」
西垣「だから当然ながら、日記が壊れたら所有者が消滅する、なんて事はない」
千歳「消滅~?何やー、そんな物騒な設定あったんか?」
りせ「・・・・・・」
(ブィィンン・・・)
りせ「・・・・・・?」カチャッ
りせ「・・・!」
りせ「・・・・・・」
西垣「おお、そうだな。そろそろ止めに行くか。
日記を作ってるところなんだが、良かったらみんなも一緒に・・・」
あかり「え、ええー・・・怖いよ~・・・」
京子「でもちょっと見てみたいかも!」
りせ「・・・・・・」
西垣「・・・松本も一緒に止めに行こうと言っているぞ」
綾乃「まあ、会長が行くのならついて行くけど・・・」
千歳「そうやなぁ」
[理科室前 PM4:20]
西垣「じゃあ、止めてくるぞ」スタスタ
綾乃「はい」
西垣が理科室へと入っていく。
りせ「・・・・・・」
結衣「・・・ったく。あの先生何とかならないのか?」
京子「無理だと思う」
千歳「うちもそう思うわ~」
綾乃「まあ、ああいう人だから仕方ないわね」
[理科室前 PM4:23]
西垣の声「おーい、もう入ってきて大丈夫だぞー」
綾乃「よし、行きましょうか」
りせ「・・・・・・」
りせがみんなの前に立ち塞がる。
あかり「会長さん?」
りせ「・・・」スッ
16:24
・・・・・・
DEAD END
結衣「・・・はっ?」
1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. ONE ~輝く季節へ~ 茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司のSS
茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司を主人公にして、
中学生時代の里村茜、柚木詩子、南条先生を攻略する OR 城島司ルート、城島司 帰還END(茜以外の
他のヒロインEND後なら大丈夫なのに。)
5. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
6. ファーランド サーガ1、ファーランド サーガ2
ファーランド シリーズ 歴代最高名作 RPG
7. MinDeaD BlooD ~支配者の為の狂死曲~
8. Phantom of Inferno
END.11 終わりなき悪夢(帰国end)後 玲二×美緒
9. 銀色-完全版-、朱
『銀色』『朱』に連なる 現代を 背景で 輪廻転生した久世がが通ってる学園に
ラッテが転校生,石切が先生である 石切×久世
10. Dies irae
SS誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって
京子「まさか・・・みんな伏せて!!」
あかり「な、なになに!?」
りせ「・・・」ポーイ
りせがケータイを理科室の中に放り投げる。
綾乃「会長!?何して・・・」
りせ(先生を、止めてあげて)
(ドオオオオォォン!!)
西垣「やったか!?」
理科準備室から西垣が出てくる。
結衣「先生・・・」
西垣「むぅ。これは・・・」
りせ「」シュゥゥゥ…
あかり「ゆ、結衣ちゃん!会長さんが・・・」
綾乃「消え、て・・・?」
京子「おい、一体どういう事だよ先生!?」
西垣「日記が壊れて所有者が消滅、か・・・やはり本物だったか」タッタッタッ
逃げる西垣。
結衣「待て!!」
西垣(松本は私の嘘に気付いていたようだな。
だがまさか、命を賭してみんなに伝えるとは・・・思いもしなかったよ。
西垣「・・・ふむ」
西垣(あいつは日記が壊れると所有者が死ぬという事実を知ってたのか?
いや――どちらか分からなかったからこそ日記を捧げたのか・・・)
西垣「さすが松本だ」
西垣(しばらく秘密基地に身を隠そう)
[生徒会室 PM4:50]
結衣「・・・ごめんみんな、先生を見失ってしまった」
あかり「結衣ちゃんは悪くないよ・・・」
千歳「でも何でやろか?先生の日記には爆発は16:30って・・・」
結衣「操作して爆発の時間を早めたか、あるいはケータイのメモ帳機能で普通に書いたのかもな」
京子「たぶん、私たちの日記もどこかで書き換わってたはず・・・
ノイズが発生して、私たちの中の誰か――或いは全員にDEAD ENDフラグが立ってたはずなんだ」
綾乃「会長が消えた・・・って事はつまり、日記が壊れたら所有者が消えるって事・・・?」
結衣「そうだな。西垣先生の捨て台詞からして、先生が日記を作ったという事自体も嘘っぽい」
綾乃「なんて物騒な代物なの・・・明日大室さんと古谷さんにも伝えないとね」
千歳「千鶴にも教えてやらんとなぁ」
京子「・・・ん?千鶴?」
千歳「あの子も未来日記所有者なんや~」
あかり「な、なんだってー」
千歳「千鶴の日記は『百合妄想日記』っていってな~」
結衣「百合妄想・・・って、あれ?それは千歳の日記じゃ・・・」
千歳「ふふ、それがなー。あの子の『百合妄想日記』はうちと綾乃ちゃんの遭遇情報ややり取りを記すんや~」
あかり「な、なるほどー」
結衣「つまりこれで所有者は・・・私、京子、綾乃、千歳、千鶴、それと先生と会長と、えっと・・・」
あかり「結衣ちゃん、誰か忘れてない?」
結衣「ああ、一年生コンビが居たな。9人か」
あかり「どうして二人が出てあかりが出ないの!?」
結衣「あ、あー・・・悪い悪い。10人だな」
京子「それとちなつちゃんで11人!」
結衣「決め付けるなって。だがもしそうだとしても1人足りないな」
京子「うーん、他にそれっぽい人居たっけ」
結衣「思い当たらんが・・・」
京子「・・・あっ!」
綾乃「歳納京子、何か思いついたの?」
京子「ラムレーズン食べてない・・・そこにあるのは分かってるぞー!」
綾乃「はぁっ!?どうして知ってるのよ!」
結衣「『ラムレーズン日記』か。おい京子、17:40に私の家で食べるんだろ?」
京子「そうだった」
結衣「とりあえず、今日のところは帰ろうか」
千歳「そうやなぁ」
[二日目、あかりたちの教室 AM8:00]
あかり「あれ?ちなつちゃん、櫻子ちゃんと向日葵ちゃんは?」
ちなつ「さあ・・・今日はまだ一度も見てないよ」
あかり「そう・・・」
あかり(どうしたんだろう、二人とも)
[生徒会室 PM0:50]
あかり「えっ、生徒会室にも顔出してないんですか?」
綾乃「ええ・・・昨日の事もあるから忠告してあげようと思ったんだけど」
千歳「心配やわぁ・・・」
あかり「そう、ですか」
[娯楽部部室 PM3:30]
あかり「・・・というわけなんだけど」
結衣「二人とも来てないのか。心配だな」
京子「まさか西垣先生に・・・」
結衣「やめろって」
京子「でも、先生もまだ見つかってないしさ」
結衣「それはそうだが・・・」
あかり「ところでちなつちゃんは?」
結衣「ああ、今日も用事があるって帰って行ったぞ」
あかり「また?」
京子「露骨に避けてる・・・やっぱり怪しい!」
結衣「うーむ。もしちなつちゃんが所有者だったとして、危険性があることを知ってるのかどうか・・・」
あかり「うーん・・・」
まり「うにー!」
あかり「あ、あれ!?まりちゃん??」
結衣「お前、どうしてここに・・・」
まり「うに食べに来た!」
結衣「ねぇよ」
まり「えー、でも日記には・・・」
結衣「・・・日記だと?」
まり「うん。これだ!」
16:00
おねえちゃんたちのへやのおそとでうにはっけん!
17:00
うにぶんがたりない・・・
18:00
ごはんをたべる。うにはなかった
結衣「これは・・・」
まり「うにのことが書かれる『うに日記』!」
京子「うわ、つかえねー」
結衣「いやお前が言うなよ」
[娯楽部部室前 PM4:00]
結衣「部屋の外にうにがあるって書いてあったな」
まり「あっ、あれだ!」
30mほど先の皿に乗ったうにの寿司を指差すまりちゃん。
結衣「うわ・・・露骨に置かれてるな」
あかり「何でこんなところに?」
京子「罠?」
結衣「うーん、少し周りを警戒しつつ近づこう」
[娯楽部部室 PM4:10]
あかり「・・・結局何もなかったね」
結衣「いや、まだ分からないぞ。このうにに毒が盛られてるかも・・・」
まり「そんなばかな!」
京子「まあ西垣先生が敵だもんねー。普通にありそう」
まり「なんだって。ここまできておあずけ・・・」
結衣「仕方ないだろ。あんなところにうに寿司が置かれてる時点でおかしいんだよ」
まり「ぶー」
まり「ところで、おねえちゃんたちも日記もってるの?」
結衣「ん?ああ、まあな」
まり「どんなの?見せて!」
結衣「えっ・・・」
京子(・・・・・・)
京子「おー、いいぞ。ほれ」
まりちゃんにケータイを差し出す京子。
まり「へえ、これが・・・えいっ」バキッ
まりちゃんがケータイを折る。
結衣「なっ!?お前何して・・・!!」
あかり「京子ちゃん!!」
結衣「京子!!」
京子「あー・・・はっはっは!」
あかり「消え・・・ない?」
京子「ごめんごめん、まりちゃん。それ私が用意しておいたダミーだったよー。本物はこっち」スッ
まり「なぬっ」
結衣「おい、まり・・・お前どういうつもりだ?」
まり「こ、これはつまり・・・にげのいって!」ステテテテー
結衣「待て!!」
[七森中・郊外 PM4:30]
結衣「追い詰めたぞ、まり」
まり「うう・・・」
京子「どういうことか説明してもらおうか!」
まり「へんなふくめんをつけた人が・・・」
結衣「うん?」
まり「へんなふくめんをつけた人が、きんぱつかくろかみのケータイをこわせって・・・
そうすればうにをあげるって言ってたんだよ!ほら、日記のここ見て・・・ってあれ?」
16:32
ざんねん、うにを食べることなくばくはつしてしぬ。
DEAD END
(ドオオォォン!!)
あかり「うわあっ!」
結衣「くっ・・・まり!!」
爆発が収まると、壊れたケータイが――消えていくところが見えた。
京子「まりちゃん・・・」
あかり「ひどい・・・こんなのってないよ・・・」
結衣「・・・クソッ!!」
[娯楽部部室 PM4:50]
結衣「・・・・・・」
京子「結衣・・・」
あかり「結衣ちゃん・・・」
結衣(こうしていても始まらない、か・・・)
結衣「なぁ・・・さっきの、誰の差し金だと思う?」
あかり「えっ?」
京子「うーん、それは私も考えてたんだけど・・・」
結衣「あの爆発、やっぱり西垣先生かな」
京子「そうとも言い切れないよ。まりちゃんは『金髪か黒髪のケータイを』って言ってたよね?」
結衣「やっぱりお前もそこが気になってたか」
京子「うん」
結衣「あかりを対象外とした理由は何だ・・・?」
あかり「あかりの『主役日記』が脅威じゃないと考えた?」
結衣「いや・・・それなら京子の『ラムレーズン日記』や私の『ゲーム日記』の方が限定的で使えない」
京子「そうだよねぇ・・・」
結衣「とすると、やはり・・・あかりをかばいたい人物って事になるよな」
あかり「あかりを?」
京子「うーん・・・でも、そんな人居たっけ?」
結衣「怪しいのは、生徒会の一年生コンビだな。今日は誰も目撃していないし」
あかり「櫻子ちゃんか向日葵ちゃんが!?」
京子「あるいは、その両方だね」
京子「あっ、もしかしたら私たちのミスリードを誘っての事かも?」
結衣「なるほど。黒幕はまりちゃんの事を信頼しておらず、ちゃんとケータイを狙うならそれでよし、
私たちに味方して情報を流してもそれはそれで混乱を誘える・・・って作戦か」
京子「そして後者の場合はすぐに始末するつもりだった・・・」
結衣「ふむ。とすると、私たちが最初にまりちゃんの日記を見た時はDEAD ENDフラグは立っていなかったが
最期にまりちゃんが日記を確認した時点では立っていたというのも・・・」
京子「うん。最初はまりちゃんが私たちのケータイを狙うつもりだったから殺す気は無かったけど
それに失敗して私たちに情報を流した時点で用済みになったから・・・ってこと」
あかり「えっと、DEAD ENDフラグって何?」
京子「ああ、あかりには説明してなかったっけ。全ての未来日記共通の予知内容で、
そのまま過ごしていたら持ち主が死ぬであろう時間の記述に『DEAD END』って書かれるんだよ」
あかり「ええっ!?それ書かれちゃったらもう終わりって事!?」
結衣「どうやらそうでもないらしい。持ち主、或いは他の日記所有者の行動によっては回避も出来る」
京子「アニメだと結構回避してたしね。特に未来日記所有者が集まってる場所だとあてにならないよ」
あかり「へえー・・・」
あかり「それで、つまり・・・犯人は?」
結衣「分からんな。どれも推測の域を出ないし」
京子「怪しいのは西垣先生と生徒会の面々・・・それに千鶴だね」
結衣「それ今分かってる全員じゃねーか」
あかり「あ、あはは・・・あっ。そういえば京子ちゃん、ダミーなんて作ってたんだね」
京子「ああ、あのサンプルのケータイ?こんなこともあろうかとね!」
結衣「ったく、あれ壊された時はどうなる事かと思ったぞ」
京子「日記の内容が役に立たないなら他でカバーするしか無いのだ!12thとか催眠術使ってたし」
結衣「何だよそいつ・・・」
[三日目、赤座家 AM7:20]
あかり「寝坊した!早く学校行く準備しないと!」
(ピンポーン)
あかり「あっ、はーい!」ガチャッ
あかりが玄関のドアを開けると、そこに居たのはちなつだった。
あかり「あれ、ちなつちゃん?」
ちなつ「・・・」
あかり「な、何?どうしたの?」
ちなつ「あかりちゃん」ガバッ
突然あかりを押し倒すちなつ。
あかり「いたっ!ち、ちなつちゃん何するの!?」
ちなつ「抵抗しないで」
あかり「嫌、駄目だよこんなの・・・!」
ちなつ「私、日記所有者だよ」
あかり「え――」チュッ
そう言うとちなつはあかりの唇を奪った。
あかり「っ~~!!」
ちなつ「・・・ぷぁっ。フフ、作戦は成功ね」
あかり「ひどいよちなつちゃん・・・作戦?」
ちなつ「私の未来日記は結衣先輩と私の未来を記す『結衣先輩日記』!
今日結衣先輩の唇を奪うための作戦を決行するわ。デモンストレーションは完璧・・・」
あかり「うう、あかりをデモンストレーションに使うなんて・・・」
ちなつ「それじゃ、また学校で会おうね」バタン
家から出て行くちなつ。
[赤座家 AM7:30]
あかり「まったく、ちなつちゃんにも困ったものだよ・・・」
あかり「ああっ!!早く学校に行く準備しないと!」
ちなつの声「きゃああっっ!!」
あかり「えっ!!ちなつちゃん!?」
急いで家の外に出てあたりを見回す。倒れているちなつを見つけた。
あかり「ちなつちゃん!」
ちなつ「ぅ・・・日記・・・」
あかり「日記?・・・無いの!?」
そこへあかりを迎えに来た京子と結衣がやってくる。
京子「あれ・・・ちなつちゃん!!」
結衣「おい、どうした!?」
ちなつ「日記・・・取られて・・・」
京子「あっ、ちなつちゃんやっぱり日記所有者だったのか!」
結衣「いやそれより・・・誰に取られた!?」
ちなつ「分からないです・・・急に・・・あれっ・・・?」シュゥ…
ちなつの体が消え始める。
あかり「ちなつちゃん!?」
結衣「日記を壊されたんだ!」
ちなつ「」シュウゥゥ…
ちなつが完全に消える。
京子「ちなつちゃん・・・」
[娯楽部部室 AM8:30]
結衣「さて」
京子「完全に遅刻したわけだが」
あかり「ご、ごめんなさい・・・」
結衣「いやそれはいいよ。それよりちなつちゃんが消えた件だ。授業なんていってる場合じゃない」
京子「えーっと、とりあえず日記所有者は娯楽部の4人、生徒会の5人、先生、まりちゃん、千鶴・・・」
あかり「あっ、12人揃ったね」
結衣「その内すでに死亡が確認されているのはちなつちゃん、会長、まりちゃんの三人だな」
あかり「行方が分からないのは櫻子ちゃん、向日葵ちゃん、西垣先生だね」
結衣「ふーむ」
京子「ちなつちゃんを襲ったのはまりちゃんをけしかけてきた人物だと思う」
あかり「どうして?」
京子「勘だ!」
結衣「まあ、それはともかくやっぱり一年生コンビと先生が怪しいよな」
結衣(だとして、だ。うーむ・・・)
結衣「情報が少なすぎる・・・」
あかり「そうだね、ちなつちゃん自身も誰に襲われたか分かってなかったし」
京子「現状ではどうしようもないねー」
[七森中郊外、西垣の秘密基地 AM9:30]
西垣「ふぅ・・・さすがに地下までは警戒されてないらしいな」
西垣(さて。少し、外の様子を見てくるか)
秘密基地の外に出る西垣。
西垣「・・・ふむ、今日も異常は――むっ?」
少し離れたところに人影を発見する。隠れながら様子を見守る西垣。
千歳「うーん、見つからへんな~」
西垣(誰かを探してる・・・私か?)
千歳「あの人さえ何とかすれば、後は仲良しこよしの甘ちゃんばかりなんやけどなぁ」
西垣(な・・・に?)ガサッ
西垣「しまっ・・・!」
千歳「おやぁ?」
千歳「あらあら。そこに居るのはもしかして・・・」
西垣「クッ」タッタッタッ
逃げる西垣。それを追う千歳。
千歳「やっぱり、西垣先生や~。逃がさへんよ?」タッタッタッタッ
西垣(秘密基地に逃げ込むのはやばいな。一端学校へ・・・)
考えていると、目の前からも誰かが現れる。
西垣「なっ!?」
千鶴「逃がしませんよ」
西垣「妹か・・・!」
西垣(後には池田・・・どうする?逃げ道は・・・)
西垣「くそっ!やっぱりここしかないか!」
地下への扉を開ける西垣。
千歳「そんなところに隠れてたんなぁ。どうりで見つからへんはずやわ~」
秘密基地に逃げ延びる西垣。基地の扉をこじ開けようとする池田姉妹。
西垣「篭城戦か・・・」
千歳「先生。ここ、開けてもらえへんやろか?」ドンドンドン
西垣「それは出来ないな。ああ、一つ言っておくが、その扉は無理やり開けると爆発するぞ」
千鶴「嘘ですね。爆弾が付いているのならば今すぐにでも起爆しているはずです」
西垣(こいつ・・・!)
西垣「・・・よく一瞬で見破ったな。だがこの基地自体に自爆装置が付いている」
千鶴「確かに、それは貴女ならやりかねませんね」
西垣「フフ・・・そこを開けた瞬間お前たちも巻き添えにして自爆するぞ」
千歳「何や、それなら簡単や~。ここを開けたら千鶴一人で突入すればええんやろ?」
千鶴「そうですね、姉さん」
西垣「お前ら・・・!」
千歳「千鶴、ちょっと待っててやー。いま扉開ける道具持ってくるからな~」
千鶴「はい」
西垣(駄目だ、このままでは時間の問題だ。日記によるとDEAD ENDは今日の夕方・・・
ここにある発明品を使えば一端は何とか切り抜けられるということか。
だが、ここを破棄してしまったらもう発明環境が無くなってしまう。
そうなったら私に勝ち目は無い・・・学校は敵だらけ・・・)
西垣「そしてDEAD END、か」
西垣(ここで私が死んだら、ほぼ100%池田の勝利で終わる・・・
こうなったらせめてそれだけは阻止してやるぞ!)
西垣「これまで発明品を使って得た情報によると、まず池田姉妹が『百合妄想日記』。
杉浦が『歳納京子日記』で、大室と古谷は行方不明、松本はもう居ない・・・
歳納、船見・・・ともう一人の一年はいつも一緒に行動してる」
西垣(ここまでの情報でまず池田姉妹の戦力を削ぐ方法は見えているんだ。問題はこの先・・・)
西垣「対抗馬となる歳納と船見の日記が『ラムレーズン日記』と『ゲーム日記』。あと一人のは・・・忘れた」
西垣(こいつらが使えないんだよな・・・)
西垣「いや、よく考えろ私・・・とりあえず池田姉妹のヤバさを伝えるのは必須だ。
だが私では、ここを脱出して命を投げて伝えたとしても信用されるかどうか・・・
それにただ知らせるだけではあの姉妹に対抗できる気がしないし・・・
せめて頼りになりそうな船見がしっかりした日記を持っていれば・・・」
西垣(・・・いや待てよ?そうか、なるほど!)
(ブゥゥン・・・)
西垣「このノイズ・・・」ピッ
日記の内容を確認する西垣。
西垣「クク、これが上手く行けば船見たちの勝利が見えてくるな」
[秘密基地 AM10:00]
西垣「完成した・・・この薬があれば」
千歳「待たせたな、千鶴ー」
千鶴「おかえり姉さん。これで中に入れるね・・・」
千歳「そうやなぁ。待っててや、先生」
西垣「やなこった!」ガチャ
千鶴「出てくる気!?」
身構える千歳と千鶴。西垣は扉を開けると閃光弾を放つ。
千歳「これは・・・千鶴、目と耳!」
千鶴「はい!」
(キイィィィーン)
千歳「くっ・・・」
千鶴「ううっ・・・!」
[七森中・校内 AM10:10]
西垣「ふぅ、やはり逃げ出す事自体は容易だったか」
西垣「そして幸いな事に今は授業中だな」
西垣(目指すは二年教室!)
[七森中・京子たちの教室前 AM10:13]
西垣(ここだな・・・)スゥッ
少しドアを開け、教室内を覗き込む西垣。
西垣(歳納と船見は居ないか・・・だが杉浦が居るなら上出来だ)
綾乃「歳納京子・・・はぁはぁ・・・」
西垣(ケータイ見て何やってるんだあいつ。まあそっちの方が都合がいい)
西垣「失礼します!」ガラガラガラ
西垣が教室に入り込む。
授業中の教師「に、西垣先生!?」
綾乃「えっ!?」
綾乃の元へ駆け寄る西垣。
西垣「杉浦、授業中にケータイ使うな!没収だ!」パシッ
綾乃「あっ!!」
西垣「では、失礼しました!」スタスタスタ
綾乃「ちょ、ちょっと待って!」タッタッタッ
綾乃から携帯を取り上げ教室から立ち去る西垣、綾乃はそれを追う。
[七森中・玄関前 AM10:20]
西垣「ふむ、やはり歳納たちは部室か」
綾乃「先生!!突然現れて何なんですか?私の日記を使わないでください!」
西垣「まあ落ち着け。世界の平和のためだ」
[西垣の秘密基地前 AM10:20]
千鶴「姉さん、大丈夫?」
千歳「大丈夫や・・・」
(ブゥゥーンン・・・)
千鶴「ノイズ?」
千歳「・・・私の日記やな。5分後に歳納さんと綾乃ちゃんが遭遇?」
千鶴「えっ?今は授業中のはず・・・」
千歳「ふむぅ。先生、何か仕掛けてきおったなぁ」
[娯楽部部室前 AM10:22]
西垣「さて、と。少し離れろ杉浦」ポイッ
爆弾を放り投げ、部室の入り口脇に身を隠す西垣。
綾乃「な、何を・・・!?」
(ドオオォォォン・・・!)
爆発音を聞いてあかり、京子、結衣が部室から出てくる。
京子「何だ何だ!?」
結衣「あれ、綾乃・・・うっ!?」ガバッ
西垣「おっと、動くな」
結衣は西垣に後ろを取られ拘束される。そしてそのまま10mほど離れる。
西垣「動いたら船見にこの薬を飲ませる」
あかり「な、何その薬・・・?」
西垣「さーて。とっても面白い薬なんだが、ちょっと言えないな」
綾乃「どうしてこんな事を・・・!」
西垣「おっと、杉浦の日記もこっちの手にあるんだぞ」
京子「卑怯な!結衣を放せ!」
結衣「・・・目的は?」
西垣「さすが船見は話が早いな。私の話を聞いて欲しいんだ」
結衣「話だと?」
西垣「ああ」
西垣「まず最初に聞くが――日記所有者は全員判明したのか?」
京子「ちゃんと12人見つけたぞー!」
西垣「そうか、それは良かった。ちなみに私の真の日記内容は『発明日記』だ。
自分の発明品についての情報が記される。これで容易に発明品が作れたよ」
京子「なに、『爆友日記』はブラフだったのか!」
結衣「それで?どうしてそんな事を教える?」
西垣「ここからの話をするに当たって少しでも信用を得たかったんだ。
それで本題だが・・・池田姉妹は神の座を狙っている」
杉浦「神の座って・・・」
結衣「・・・まさか、他の日記所有者を殺してるって事か?」
西垣「その通り。行方知れずの大室と古谷もあいつらにやられたのかもしれん」
あかり「二人が・・・!?」
西垣「池田姉妹は危険だ。私はお前たちにあいつらを止めて欲しい」
結衣「・・・その話が本当だという証拠は?」
京子「そうだ!そんな事言って同士討ちさせる寸法だろ!」
西垣「証拠、か・・・そんな物は無いが、私の命を賭けよう」
あかり「えっ?」
千歳「先生!」
どこからか千歳と千鶴が駆け寄ってくる。
千歳「先生、また変な嘘言うのやめてや・・・」
千鶴「そうですよ。こんなの、酷すぎます」
西垣「フフ・・・お前らは本当に優秀だな。だがそんな茶番には付き合ってられん」
西垣「さあ、ショータイムの始まりだぞ。船見!」グイッ
結衣「うぐっ!?」
西垣は結衣に謎の薬を飲ませると、その場を離れた。
西垣「そしてさらばだ!私と杉浦の死を無駄にするなよ!」カチッ
綾乃「えっ・・・」
(ドオオォォォン!!)
あかり「自爆した!?」
綾乃「あ、あああ・・・」シュゥゥ…
京子「綾乃!!」
綾乃「」シュゥン…
千歳(くぅ・・・うちと千鶴の『百合妄想日記』はそれぞれ「歳納さんと綾乃ちゃん」、「綾乃ちゃんとうち」の
二人両方が居ないと効果のない日記・・・綾乃ちゃんが欠けた時点でうちら姉妹の日記の価値は無くなる・・・)
千鶴(そして、娯楽部の三人が共に行動する事を考えると、その内の一人の情報が分かる『歳納京子日記』は
是非とも利用したい日記だった・・・それを失うなんて・・・)
[娯楽部部室前 AM10:40]
結衣「う、うう・・・」
京子「・・・はっ。大丈夫か、結衣!」
結衣「ああ、何だか頭がおかしくなった気がするが・・・何だこれ。これ現実か?」
あかり「結衣ちゃん!やっぱり変な薬飲まされちゃったんだね・・・」
結衣「ああ。人が死んでいってる重い状況なのに実感が無いっつーか・・・」
結衣(そうだ――まるで、ゲームでもやってるかのような)
(ブイィィン・・・)
結衣「このノイズは・・・?」ピッ
10:45
千歳が騙し討ちを仕掛けてくる。どうやら先生の攻略情報通り敵だったようだ。
まあ、善人面した悪役なんてよくある話か。
10:47
千鶴が助けに入ったことで千歳に逃げられる。今回は勝てないイベント戦闘か。
結衣「これって・・・」
結衣(なんて事してくれるんだあの先生は!)
あかり「結衣ちゃん、大丈夫?」
千歳「大丈夫か~?」
結衣「ああ、ばっちりだよ。把握した」
京子「把握?」
千歳「しかし、綾乃ちゃんの事は残念やったなぁ・・・あの先生、むちゃくちゃやわぁ」
結衣「そうだな、無茶苦茶だな」
千歳「せやから、うちらが変な事企んでるなんて嘘、信じひんよな?」
結衣「ああ」
千歳「あっ、ケータイ汚れとるで~。貸してみぃ」
そう言うと千歳はハンカチを取り出す。
結衣「おっと、すまないな」スッ
千歳(いただきや!)ニィッ
千歳の持っていたハンカチに隠されていたナイフが顔を出す。
だが結衣はそれを読み、ケータイを引っ込める。
結衣「・・・なんて、騙されるか!」サッ
千歳「何やて!?」
京子「ち・・・千歳!?」
あかり「まさか・・・」
千鶴「姉さん!」
京子「うおっ!?」
千歳の元に駆け寄る千鶴。
そして千歳を抱き寄せると結衣たちから離れた。
結衣「お前ら・・・」
千歳「フフフ・・・ああ、そうや。うちは神の座を狙ってるんや。
ここで船見さんを始末できれば楽やったんやけどなぁ・・・」
京子「千歳、やっぱり敵だったのかー!」
千歳「せやけど、うちの攻撃を見破るとはどんなマジックや?」
結衣「それは、この『ゲーム日記』に書いてあったからだ」
あかり「ええっ!?」
京子「うそっ!」
千鶴「そんな馬鹿な!その日記はゲームに関する情報を記すだけの日記のはず・・・」
結衣「その通り。でも、ゲームってテレビゲームだけじゃないだろ?」
千歳「まさか・・・この未来日記を使った争いを『ゲーム』とでも言い張る気なんか?」
結衣「私だってとてもそうは考えられなかったさ。でも西垣先生に飲まされた薬によって、ね」
京子「あの薬にはそんな効果があったのか・・・」
千歳「・・・アホらし。今回はここまでにしとこか・・・千鶴!」
千鶴「はい、姉さん」
そういって立ち去る千歳と千鶴。
京子「あっ、待てー!」
結衣「お前が待て。深追いはやめろ」
[生徒会室 AM10:40]
千歳「ふーむ・・・」
千鶴「どうしたの、姉さん」
千歳「船見さんの『ゲーム日記』、厄介やなぁ」
千鶴「・・・はい」
千歳「でも、日記の情報は他の所有者の行動によって変わったりもする・・・
何とか逆手に取れそうな気もするんやけどな。決め手に欠けるわぁ」
千鶴「私たちの日記ももう役に立たないし・・・」
千歳「そうやなー。もはやDEAD ENDフラグしか書かれへん、足かせのような物やから・・・
・・・いや、DEAD ENDフラグ・・・やから、つまり・・・」
千鶴「姉さん?」
千歳「・・・行けるかもしれへんな」
[娯楽部部室前 AM11:30]
娯楽部部室前にて待ち構える結衣、京子、あかり。
そこに千歳が一人でやってくる。
千歳「待っててくれたんか?嬉しいわぁ」
結衣「・・・来たな」
京子「あれ、一人?千鶴は?」
結衣「大丈夫だ京子。何を企んでようとこの『ゲーム日記』で見破るさ」
千歳「ふふ・・・企むだなんて人聞き悪いこと言わんといてや~。うちは話し合いに来たんよ」
あかり「い、今さら話し合いだなんて・・・」
千歳「仕方ないやろ?うちには『ゲーム日記』を破る方法は思い浮かばへん。よくて相討ちや」
結衣「相討ちまで持っていけると?」
千歳「どうやろなぁ。実は、うちには既にDEAD ENDフラグが立っとるんや。ほれ」
11:35
DEAD END
京子「ずいぶん寂しい日記だなー」
千歳「元々は歳納さんと綾乃ちゃんの事を記す日記やから、DEAD ENDにもうちの死因が書かれへんのやな」
結衣「・・・そうか。で、それを教えてどうするつもりだ?」
千歳「ゲームをしようや。うちが勝ったら三人の日記情報にDEAD ENDフラグがあるかどうか見せてもらう。
うちが攻撃する事でどれくらい被害を与えられるか知りたいんや。負けたら・・・そうやね・・・
まあ、どっち道死ぬ運命やから日記を差し出すわぁ」
あかり「ほんとに?」
千歳「ゲームの内容は、21を言ったら負けというゲームや。1からスタートして、お互いに数字を最大3つカウントし合う。
数字を言い合っていき、最終的に21をカウントしてしまった方が負け・・・」
結衣(聞いた事あるな。確か必勝法があったはずだが・・・)
(ブゥゥーン・・・)
結衣(ノイズ・・・?)ピッ
11:34
21を言ったら負けゲーム開始。先攻では勝てない、後攻をもらう。
後攻側は4の倍数をキープしていれば最後に20を確保できるので負けない。
千歳→1,2,3、私→4、千歳→5,6、私→7,8
11:35
千歳→9,10,11、私→12、千歳→13、私→14,15,16
この時点で千歳が思考をめぐらし負けを悟る。私の勝ち。
千歳「ニィッ・・・今や、千鶴!」
千鶴「はい、姉さん!」
結衣たちの背後から千鶴が襲い掛かる。
京子「なにぃ!!」
結衣「しまった!?」
(ブゥゥーン・・・)
11:34
千鶴のバックアタック。体勢を整えられない。
11:35
千鶴の攻撃、自爆。私に即死ダメージ。
DEAD END
結衣「自爆・・・!?」
千鶴「うおおぉぉ!!」ギュッ バタン
千鶴が結衣を押し倒す。
あかり「結衣ちゃん!」
結衣「駄目だあかり、離れろ!!京子も!」
京子「え、ええっ!?」
千鶴「姉さん、後はがんばって」
(ドオオォォォン!!)
京子「うおっ!?」
あかり「うわぁっ!!」
千歳「あーはっはっはっは!やっぱり『ゲーム日記』にはゲームで対抗するのが一番やったみたいやなぁ」
あかり「そんな・・・結衣ちゃん・・・」
千歳「いやー、船見さんが『未来日記』初心者で助かったわぁ。日記なんて所有者の集まる場所では
そこまでの信頼性はあらへんのや。所有者たちの行動でころころ変わるからなぁ。
せやけども、無視できるレベルってわけでもないってところが難しいんやけどな~」
京子「千歳!お前、DEAD ENDフラグはどうしたー!」
千歳「ああ、あれか?あれは千鶴の日記や。そっちを油断させる材料が少しでも多く欲しかったからなぁ。
千鶴の体に時限爆弾をセットしてあったんやわ。発明品類を残してくれた西垣先生に感謝せんと」
あかり「妹を道具のように使うなんて、ひどい・・・」
千歳「あらあら、そんな事あらへんよ?どの道最後に生き残るのは一人だけ・・・
うちが生き残るなら千鶴がいつ犠牲になってもかまわへんわ」
あかり「でも・・・!」
千歳「千鶴も了承済みや。最後に二人で生き残ってもどの道殺さなあかんやろ?それも嫌やん」
京子「むぅ・・・」
千歳「まあ何にしても、船見さんが消えてくれてありがたいわぁ。残りが雑魚二人なら・・・
・・・ああ、そういえば他の日記所有者知っとるん?12人にはあと2人足らんのよ。
うちの知ってる限りだと、生徒会5人と先生、千鶴・・・それと娯楽部の3人だけや」
あかり「・・・3人?ちなつちゃんは?」
千歳「ほお、娯楽部は4人ともそうやったんかいな」
京子「ちなつちゃんは千歳がやったんじゃないのか!?」
千歳「知らんなぁ」
あかり「って事は、まりちゃんをあかりたちに差し向けたのも違うの?」
千歳「誰やそれ・・・まあ、それはおそらく西垣先生やろなぁ。その子はどうなったん?」
京子「・・・死んだよ」
千歳「ほうほう」
千歳「ふむ。これで12人やなぁ」
京子「こっちも聞きたい事がある!生徒会の一年生2人はどうなった!」
千歳「さあなぁ。まあ、ここまでまったく音沙汰がないという事は西垣先生に消されたんやろうけど」
あかり「あ、あれ?でも先生は池田姉妹が消したと思うって言ってたよ?」
千歳「そうなんか?なら、もしかしたら千鶴がやったんかもなぁ。それか吉川さんか、まりちゃんって子か・・・
どちらにしても残るはうちら3人だけやな。安心したでぇ」
あかり「うう・・・」チラッ
11:50
主役なのにいいところが無いまま殺されちゃう。
DEAD END
あかり(あかり、死んじゃうの・・・?)
京子「諦めるな、あかり!たとえDEAD ENDフラグが立っていても所有者なら未来を変えられるぞ!」
千歳「あらあら・・・どうやって変えるつもりやろか?そのゴミ日記二つで」
あかり「あ、あかりに出番があればゴミじゃないもん!」
京子「それに今は千歳が一番ゴミだろー!?」
千歳「あはは、せやったせやった。でもこっちにはDEAD ENDフラグが立ってへんし、どうやらそっちには立ってるみたいやよ?」
京子「ふ・・・フッフッフ!こいつを受け取れー!」ポーイッ
京子はポケットから何かを取り出すと千歳へと投げる。千歳はそれを反射的に受け取ってしまう。
千歳「何やっ・・・!?」パシッ
千歳「これは・・・」
あかり「ラムレーズン??」
千歳「何や、つまらんジョークかいな。冗談きついわー」ポイッ
そう言うと千歳はラムレーズンを投げ捨てた。
(ブゥーンン・・・)
千歳「さて、そろそろおしゃべりは終わりや」
京子「・・・・・・」ピッ
京子は日記を確認する。
千歳「そんなゴミ日記見たところで何も変わらへんわ!覚悟しぃ!」
千歳がどこからかナイフを取り出し、京子に襲い掛かる。
あかり「京子ちゃん!」
京子「喉元狙いか・・・」スッ
スウェーで千歳の攻撃をかわす京子。
千歳「はっ・・・?」
京子「そして右のわき腹に僅かな隙が出来る!」デュクシ!
千歳「ぐはぁっ!!」
京子が千歳のわき腹にパンチを叩き込むと、千歳はその場にうずくまった。
あかり「ええっ!?」
千歳「ば、馬鹿な・・・何でや・・・?」
京子「私の日記はゴミ日記じゃなくて『ラムレーズン日記』だ!」
千歳「ら、ラムレー・・・・・・ま、さか・・・」
京子「フフフ・・・見ろ!」
11:45
千歳が我が愛しのラムレーズンを無碍にする。絶対に許せねえ!
11:46
ラムレーズンをゴミのように扱った千歳が襲い掛かる。
初撃は喉元狙い。その攻撃によりラムレーズンを馬鹿にした輩の右わき腹に死角が生まれる。
11:47
カウンター気味に入ったパンチによりラムレーズンを粗末にした千歳をKO。
ラムレーズンは正義!
あかり「す、すごい・・・」
千歳「んな・・・アホな・・・それは、卑怯、やろ・・・?」
京子「ところがどっこい!これが現実だ!」
千歳「は、はは・・・歳納さん、らしいわ・・・う、うちの負けや・・・」
京子「うむ。策を練り、みんなを陥れ、私たちを追い詰めた数々の行動、
ご苦労だった・・・と言いたいところだがお前には消えてもらう!」
千歳「今まで堪忍な・・・二人なら、きっといい世界を築けるわ・・・」
京子「・・・死ぬがよい」バキッ
千歳「」シュゥゥン…
京子は千歳の日記を破壊した。
[娯楽部部室前 PM0:00]
あかり「終わったね・・・」
京子「・・・・・・」
あかり「京子ちゃん?」
京子「あかり、私はラスボスだぞ?」
あかり「えっ・・・」
京子「あかりが神になる上での最後の障害だ」
あかり「あ、あかりはそんなつもりないよ?」
京子「じゃあ私が神になってもいい?」
あかり「えっ、それって・・・」
京子「この戦いって勝利者は一人しか生まれないんだよ」
あかり「だからあかりを・・・?」
京子「私も気乗りしないけどさ。勝った方は神になる」
あかり「・・・あかり、そんなの興味ない」
京子「私も、そこまではね。でも神になれば世界は思うまま・・・」
あかり「だから、興味ないってば・・・」
京子「本当に?みんなを生き返らせて、また平穏な日常を送れるかもしれないのに?」
あかり「あっ・・・」
京子「そうだよ、あかり。このままだとみんな死んじゃったままだ。
だったら一時的にでも戦い合って、神になった方がみんなの居る平穏な世界を作ろう」
あかり「それは、確かに・・・それがいい」
京子「よし、それじゃ『主役日記』と『ラムレーズン日記』、どちらが優れてるか勝負しよう!」
あかり「ええっ!?じゃ、じゃんけんとかじゃ・・・」
京子「えー、それじゃつまんないよ」
あかり「つまらなくていいから早く平和な世界に戻りたいんだけど・・・」
京子「まったく、あかりはあかりだなー。せっかく未来日記手に入れたんだよ?」
あかり「こんな日記もううんざりだってば!」
???「嫌だわ、早くすり潰さないと」バキッ
京子「・・・へっ?」シュゥゥ…
京子の背後から何者かが現れケータイを破壊する。
あかり「京子ちゃん!?」
京子「」シュゥン…
――京子は消滅した。
[娯楽部部室前 PM0:20]
あかり「そんな、京子ちゃん・・・一体誰が!?」
あかね「・・・あかり」
あかり「お、お姉ちゃん!?どうして・・・」
あかね「このゲームの勝利者は神になれる」
あかり「なんでお姉ちゃんがそれを・・・」
あかね「私は神になってあかりと二人きりの世界を作り出すのよ」
あかり「えっ」
あかね「ふふ、そうよあかり。私も未来日記所有者・・・」
あかり「お・・・姉ちゃんが・・・?」
あかね「あかりにとっては13人目の日記所有者になるのかしらね」
あかり「そんな!所有者は12人のはずじゃ・・・」
あかね「それは原作の話でしょう?」
あかり「・・・お姉ちゃん、『未来日記』知ってたの?」
あかね「そうよ。前からずーっと、欲しいって思ってたのよ」
あかり「何を・・・?」
あかね「この未来日記。あかりに近づく虫どもを教えてくれる『妹日記』を、よ!」
あかり「そ、そんな・・・」
あかね「まず私はあかりと親しそうな二人を消したわ。あのちんちくりんと妙に胸の大きい」
あかり「櫻子ちゃんと向日葵ちゃんはお姉ちゃんが・・・!?」
あかね「そしてうにうに言ってる子供を使ってさらに数を減らそうとした・・・失敗したけどね」
あかり「まりちゃんも・・・あっ、それで私を狙わなかったのか・・・」
あかね「後はあのにっくきピンク髪ね・・・」
あかり「ちなつちゃんも?」
あかね「当然よ。あの子はあろう事かあかりの唇を奪った・・・だからあかりにも死に様を見せてあげた」
あかり「そういえばケータイ取られたって・・・わざわざあかりが駆けつけてから壊したんだね・・・」
あかね「うふふ、その通りよ。あとは勝手に潰し合ってくれたし・・・残るはあかり一人だけ」
あかり「お姉ちゃん・・・こんなの絶対おかしいよ・・・!」
あかね「おかしくなんて無いわ。あかりと私の理想郷を築くためよ!
そしてそのために私は一度だけあかりを手にかける・・・自らの手でね」
あかり「やめようよ、お姉ちゃん!」
あかね「どうして?あかりはお姉ちゃんの事好きじゃないの?」
あかり「そ、それは好きだけど・・・でも、こんなの嫌だよ!」
あかね「うふふ、怖いのね。かわいいわ。大丈夫、痛みは一瞬だから・・・」
あかり「そ、そうじゃなくって・・・いやそれもそうだけど・・・」
あかり(そうだ、日記は・・・)ピッ
12:30
主役が姉に殺されちゃうなんて・・・
DEAD END
あかり(駄目・・・なの?)
あかね「うふふ・・・日記には何かいい事書いてあった?」
あかり「うう・・・」
あかね「ほら、私の日記の方にはもうあかりに近付く悪い虫は居ないと・・・」ピッ
12:30
あかりに赤座あかねという虫が近付く。あかりのために排除すべし。
あかね「えっ」
(ブゥゥーン・・・)
あかり「ノイズ・・・?」チラッ
12:30
さすが主人公!千歳ちゃんが使ってたナイフで最後の日記所有者を倒し、見事エンディングを迎える。
HAPPY END
あかり(これは・・・!)
あかね「そ・・・そんな・・・」
あかり「お姉ちゃん、ごめん!」ベキョッ
その場に落ちていたナイフを使い、あかねのケータイを傷つける。
するとあかねの体が消え始めた。
あかね「ああっ」シュゥ…
あかり「お姉ちゃん・・・」
あかね「私は・・・間違って・・・」シュゥウン…
あかねは完全に消滅した。
[娯楽部部室前? PM0:30?]
突然あかりの周りの風景が変わる。
あかり「あ、あれ・・・?ここ部室だったよね?」
???「おめでとう。お前は見事勝ち残った・・・」
あかり「あなたは・・・」
神「我は神・・・今は、だが」
あかり「今は・・・?」
神「我はもうすぐ滅びる・・・お前はこのゲームに勝利した。次はお前が神になる」
あかり「あかり、神になんてなりたくない!みんなを返して!」
神「そう言われてもな・・・もう決まった事だ。お前が神になってから変えればいい」
あかり「あかりが・・・?」
京子「っていう同人誌を描こうかと思ってたのにー」
結衣「なげーよ」
ちなつ「・・・私が全然活躍してなかった気がしますけど?」
あかり「あかり、殺し合いなんて嫌だよ・・・」
京子「あはは、最初は適当にみんなの未来日記がどんな感じになるか考えてただけなのに
気付いたら本当に戦い始めちゃってたよ。ごめんごめん」
結衣「お前なぁ・・・」
京子「だけど、あれだよね。未来は分からないからこそ面白い、だから人は生きる・・・みたいな?」
ちなつ「いい事言ったみたいな感じで締めくくろうとしないで下さい」
京子「何だとー!そんな事言ったら落ちがつかないだろー!」
ちなつ「よし、じゃあ結衣先輩が締めくくってください!」
結衣「えっ、私か?そうだな・・・やっぱり平凡な人生ってのが一番ってことなんじゃないか?」
ちなつ「キャー!先輩かっこいい!しびれます!」
京子「薄っぺらさでは私と大差ないじゃんか!えこひいきするなー!」
あかり「あ、あはは・・・でも、『平凡が一番』か。そうだよね!
きっとあかり、そこで神になったら・・・平凡で平穏で平和な、そんな世界を願ったと思う」
京子「おお、あかりがそれっぽい事を!」
結衣「・・・まああかりは平凡じゃなくて空気だけどな」
ちなつ「ですよねー」
あかり「ええっ!?みんなひどいよー!」
END
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