まどか「私と契約してマスコットになってよ!」QB「マスコット?」(114)

生ゴミが入ったポリバケツにて──

野良猫「ミャゴミャゴミャゴ」ガツガツ

QB「ぼくにも少し分けてくれないかな?」

野良猫「ミャッ! フゥ~~~~~……ッ!」ギロッ

QB「さよなら」ダッ

QB(ふう、もう三日もご飯にありつけてないや)

ぼくが生まれた場所は、政府直轄の遺伝子工学研究所。

人工的にさまざまな動物を造る場所であり、もちろんぼくも数ある作品の一つ。

ぼくは既存の動物を組み合わせて作られた、いわゆるキメラ生物だ。

人間も混ざっていたらしく、こうしてしゃべることができる。

知恵がついたおかげで、ぼくは研究所で実験動物として生を終える運命に気づいてしまった。

だからある日、ぼくは研究所から逃げ出した。

しかし、研究所の外での暮らしは厳しかった。

目立つことをすれば、たちまち研究所から追っ手が来るだろう。

だからぼくは目立たぬよう、野良猫や野良犬のような生活を余儀なくされた。

キメラであるにもかかわらず、戦闘能力や狩猟能力に恵まれないぼくにとって、

野良生活は困難を極めた。

QB「お腹すいたなぁ……」グゥ~

???「これ、食べる?」

QB「!?」

QBの前には、一切れのパンが置かれていた。

QB「あ、ありが(しまった、しゃべっちゃダメだ)きゅっ、きゅっぷい」ガツガツ

???「ふふっ」

QB「きゅっぷ、きゅっぷい」

???「あなた、本当はしゃべれるんでしょ」

QB「!」

???「お名前は?」

QB(……今からごまかすのは、無理だろうな)

QB「キュゥべえ」

???「私は鹿目まどかっていうんだ。ねぇ、私と契約してマスコットになってよ!」

QB「マスコット……?」

まどか「うん。簡単にいえば、私のそばで色々サポートしてほしいの!」

QB「サポートってどういうこと? わけがわからないよ」

まどか「口でいうより見せてあげた方が早いかもね」

まどかはQBの前で変身してみせた。

QB「!?」

まどか「私、魔法少女なんだ」

QB(え、いつの間に着替え──あ、ありえない……わけがわからないよ!)

まどか「私ね、この格好で魔獣や魔女と戦ってるの」

QB「まじゅう……? まじょ……?」

まどか「魔法少女のマスコットとして、色々なサポートをして欲しいんだ」

まどか「見返りとして、あなたの望みを一つ叶えてあげる」

まどか「どう?」

QB(魔法や魔女って単語に、まだいまいちピンと来てないけど)

QB(これは根なし草のぼくにとっては願ってもない話だ)

QB「うん! ありがたく契約──」

??「ワオォ~ン!」ドガッ

QB「いきなり何をするんだ!」

??「ええい、これ以上新米マスコットなんていらないワン!」

??「あ、まどかちゃん。さっき一人魔女化させてエネルギーをゲットしたワン」

まどか「えらいえらい。ありがとう、ポチ」

ポチ「まどかちゃんに褒められると照れるワン……。でも、浮気だなんてひどいワン!」

まどか「ゴメンね、浮気したわけじゃないんだけど」

ポチ「こいつワンね。ボクのまどかちゃんをたぶらかしたのは……!」ギロッ

ポチ「えいっ、このっ!」バキッ ドガッ

QB「うひぃっ! わけが分からないよ!」

まどか「ポチ、かわいそうだよ!」

ポチ「い~や、ボクのまどかちゃんに手を出した輩はボクが成敗するワン」

ポチ「こっちに来るワン!」ダッ

QB「いたた、離してよ……!」

まどか「………」

ポチはQBを口でくわえて、段ボールでできた小屋にたどり着いた。

ポチ(ここまで来れば大丈夫かな)ドサッ

QB「いてて……ひどいじゃないか!」

ポチ「すまなかったワン。……いや、もうこの喋り方はやめよう」

ポチ「すまなかったっ!」ガバッ

QB「あれだけ殴ってから謝るなんて、わけがわからないよ」

ポチ「あの場ではああする以外に思いつかなかったんだ……!」

QB「とりあえず理由を説明してもらおうかな」

ポチ「もちろんキミとアイツの契約を阻止するため、だ」

QB「阻止……って。ご主人が浮気したからかい?」

ポチ「ちがう。キミのためだ」

QB「やっぱりわけが分からないよ」

ポチ「……さっきの鹿目まどか。君、ヤツが何歳に見えた?」

QB「中学生くらいかな……12~13歳くらい?」

ポチ「………」フルフル

ポチ「オレも正確な年齢は知らないが、軽く数百年は生きているはずだ」

QB「ありえないよ! だって──」

ポチ「どう見ても子供じゃないか、か?」

QB「!」

ポチ「ヤツは……いやヤツらは魔力で生き永らえているのさ」

ポチ「体は若い少女のまま、心もまるで老成しちゃいない」

QB「……詳しく話してもらえるかい?」

ポチ「──かなり長くなるが、よく聞いてくれ」

ポチ「ヤツら魔法少女は元々七人いた。“七つの大罪”にあてがえたかららしい」

QB(たしか、嫉妬、強欲、暴食、憤怒、色欲、傲慢、怠惰、だっけ)

ポチ「ヤツらは全員が絶大な魔力を持ち、若さを保ち、世のために魔法を駆使した」

ポチ「人々はヤツらを尊敬し、ヤツらも感謝されて嬉しい。理想的な関係だった」

ポチ「だが……ヤツらの魔力(エネルギー)も無限ではなかった」

ポチ「ある時、気づいたのさ。このままでは魔に堕ちて、魔法少女でいられなくなる、とな」

ポチ「あらゆる秘術を尽くしても、魔力の減少を止めることはできなかった」

ポチ「そしてヤツらの考えついた方法は──」

QB「………」ゴクリ

ポチ「簡単なハナシだ。食い止められないなら、補給し続ければいい」

ポチ「ヤツらが自分たちのエサとして考えついたのが、少女だ」

ポチ「普通の少女を魔法少女にして、ある程度成長させたら魔力を奪うって寸法だ」

QB「まるで家畜じゃないか」

ポチ「しかし、生粋の魔法少女である七人と違い、インスタントな魔法少女だからな」

ポチ「いくら作って奪っても、魔力減少のペースの方がはるかに早かった」

QB「だろうね。そんなことで解決したら苦労はないよ」

ポチ「──だが、ヤツらは気づいた」

ポチ「たしかに魔法少女のままでは大した魔力にはならないが……」

ポチ「絶望した彼女らが魔女になった時に生まれる莫大なエネルギーが」

ポチ「アイツらにとって非常に都合がいいことに!」

QB「つまり少女を魔法少女にして、さらに魔法少女を魔女にして魔力回収、の繰り返しか」

ポチ「しかも、魔女ってのはとても元が少女とは思えないようなバケモノなんだ」

ポチ「魔法少女でしか倒せない、ひたすら人々を苦しめる悲しい存在さ」

ポチ「人の世に害をなす魔女を、ヤツらが倒す……喜ばれる」

ポチ「魔力の供給源と、名誉欲を満たす材料を、同時に手に入れたんだ」

QB「なるほどね」

ポチ「ところが、この方法でも魔力の現状維持が精一杯だった」

ポチ「減少した魔力を回復し、増強するところまではいかなかった」

ポチ「次に考えたのが、人手を増やすことだ」

ポチ「ヤツらは一連のエネルギー回収の流れを、下請けにやらせることにしたんだ」

ポチ「下請けが誰かは……もう分かるだろ?」

QB「君だね。いや君たち、か」

ポチ「正解。オレは、ヤツらの手駒として、少女をだまくらかす役(マスコット)だ」

ポチ「オレのようなマスコットを大量に作り、世界中に散らばらせた」

ポチ「契約(種まき)と魔力回収(収穫)をひたすらに繰り返す奴隷軍団」

ポチ「これが大当たりだった。かくして魔法少女(作物)の大量生産体制が完成した」

QB「彼女らのエネルギー問題は解決したってわけか」

QB「ところで君は、なぜマスコットに?」

ポチ「オレは元々野良犬でね、死にかけてたところに契約を持ちかけられた」

ポチ「もちろん二つ返事でOKさ。こうしてしゃべれるのも魔力のおかげ」

ポチ「君は元々話せるみたいだがな」

ポチ「ただしヤツらに見限られたら最後、魔力の供給を絶たれ半日も生きられないがな」

ポチ「助けられた恩に報いるため、オレは精力的に働いたよ」

ポチ「いったい何人を魔法少女にしたか……いや、犠牲にしたか数えられないほどに」

ポチ「語尾に“ワン”なんてつけて、マスコットになりきってやったよ」

ポチ「気を許したヤツらがオレに真実を明かした時、本当は噛み殺してやりたかった」

ポチ「でも、オレには笑って尻尾をふって服従するしかなかった」

ポチ「みんなのために、これからも魔法少女を作るワン! ってな……」ギリッ

QB「……彼女らを倒す方法はないのかい?」

ポチ「あの五人は強すぎる」

ポチ「しかも肉体を魂と分離しているから、ほとんど不死身だ」

ポチ「魔力の枯渇も望めない以上、倒すのはほぼ不可能、といっていいだろう」

QB「ん? ちょっと待って、元祖の魔法少女は七人じゃなかったのかい?」

ポチ「七人のうち二人はもう死んでいる」

QB「なぜ?」

ポチ「仲間割れさ」

ポチ「少女や動物を使い捨てにするやり口に我慢ならず、反発したのが二人いたんだ」

ポチ「二人も共犯ではあったが、七人の中ではいい人と呼べる人たちだった。でも──」

ポチ「結果はあっけなかった。30秒とかからなかったよ」

QB「二対五じゃ不利すぎるよ。無理もないさ」

ポチ「いや、二対一だったよ。ちなみに一はさっきの鹿目まどか」

QB「わけがわからないよ」

ポチ「同じ魔法少女とはいえ、実力の差は歴然としていたってことさ」

QB「聞きたいことはもう一つある。“ほぼ”不可能というのはどういうことかな?」

ポチ「実現できるかはさておき、ヤツらを倒す方法自体はある」

ポチ「一つは、スキを見てソウルジェムという魂を奪い取ること」

ポチ「それを砕くなり、肉体と引き離しさえすれば、ヤツらは無力化するはず」

QB「弱点をみすみす奪取されるようなヘマをやらかすとは思えないけど」

ポチ「ああ、分かってる。絶対に無理だ」

ポチ「かつてオレと同じような志を持ったマスコットが何体かいてな」

ポチ「ソウルジェム奪取を試みたが、全員むごたらしい最期を遂げたよ」

QB「だろうね……」

QB「さて本題に入ろうか。君が実現しようとしている案を教えてくれ」

ポチ「オレが考えている案は──」

ポチ「超強力な魔女と魔獣に、ヤツらを倒してもらうことだ」

QB「魔女と魔獣……。鹿目まどかもいっていた、魔法少女の敵“役”か」

QB「でも今の話では、魔女というのはインスタント魔法少女のなれの果てだろう?」

QB「その中で最強なのをぶつけても、とても勝ち目はなさそうだけど……」

ポチ「実はな、強力な魔女については、オレの手で準備が済んでいる」

QB「!」

ポチ「オレたちマスコットの仕事には、さっきもいったがエネルギー回収も含まれる」

ポチ「本来献上すべきエネルギーから少しずつピンハネをして、作り上げたんだ」

ポチ「西欧の魔女にまつわる行事から、オレは彼女をワルプルギスの夜と名づけた」

QB「へぇ、詩人じゃないか」

ポチ「茶化すなよ」

ポチ「だが、まだ完成じゃない」

QB「魔力が足りていないのかい?」

ポチ「いや、最強の魔女である彼女を、最強の魔獣と合体させ──」

ポチ「やっとヤツらに対抗しうる戦力が完成する」

ポチ「この最強の魔獣を手に入れるには、君の協力が必要不可欠なんだ」

QB「わけがわからないよ」

QB「魔女についてはおおよそ理解できたけど、魔獣っていうのはなんなんだい?」

QB「今までの流れからすると、君らマスコットのなれの果てってところかい?」

ポチ「マスコットが変化することはない。死ぬまでヤツらの可愛い奴隷さ」

ポチ「魔獣ってのはね、魔法とか魔力じゃなく科学で造られた存在なんだ」

QB「!」

ポチ「君が生まれたところでね」

ポチ「遺伝子工学研究所は、魔法少女のための魔獣を製造する場所なんだよ」

QB「ますますわけがわからないよ」

ポチ「魔女ってのは一般人には見えないんだ」

ポチ「だから倒しても、活躍が人々に伝わりにくいんだよ」

ポチ「ヤツらは魔女以外の“敵”を欲した。より魔法少女としての名誉欲を満たすために」

ポチ「そして政府を脅迫し、バケモノを生み出す研究所を造らせたんだ」

QB「いくら魔法少女が強くとも、そうやすやすと政府が従うものかな」

ポチ「従うさ。政府も魔女の存在を知っている。それを倒せるのが魔法少女だけなのも」

ポチ「だが、魔女が元々は魔法少女というところまでは知らない」

ポチ「ヤツらにしか解決できない脅威がこの世にある以上、政府は従うしかなかった」

ポチ「政府にも、遺伝子研究に魔法少女の力が加わるというメリットがあるしな」

ポチ「君があそこを脱走したのは、君にとってもオレにとっても幸運だった」

ポチ「脱走していなければ、君はいつか魔獣にされていただろうし」

ポチ「オレとしても、君の協力なしに研究所をどうにかできる気がしない」

QB「じゃあさっき、鹿目まどかがぼくに接近してきたのも──」

ポチ「もちろん偶然なんかじゃない」

ポチ「ヤツは研究所の情報を掌握している。オレも君があそこ出身だと、ヤツから聞いた」

ポチ「これが、オレが君を協力者に選んだ理由のひとつだ」

QB「研究所出身で、最強の魔獣とやらの入手に役立つからだね」

ポチ「ああ、研究所の中に非常に強力な魔獣が温存されていることは間違いない」

ポチ「きっとハロウィンとかクリスマスとか、いかにもな日に市街に解き放つんだろう」

ポチ「ヤツらを楽しませるために──」

ポチ「そしてオレが君を選んだ理由は、もうひとつある」

ポチ「おそらく、オレは近いうちにヤツらに殺される」

ポチ「信頼に足る後継者が欲しかったんだ」

QB「殺されるって……まさかピンハネがバレたのかい?」

ポチ「まだ尻尾をつかまれてはいないけど、かなり疑われているはずだ」

ポチ「ワルプルギスの完成を急ぐあまり、ピンハネ量を増やしてしまった。オレのミスだ」

ポチ「鹿目まどかが君に接近したのも、オレがクロだった場合の後釜探しの意味もある」

ポチ「研究所からの資料に、君は優秀な頭脳を持っているとあったからな」

ポチ「そう遠くない未来、オレのピンハネはバレる」

ポチ「バレれば、ヤツらは長年貢献してきたオレをためらいなく処分するだろう」

ポチ「これは日々仕事に追われている他のマスコット連中には荷が重い仕事だ」

ポチ「──だから頼むっ!」

ポチ「オレの後を継いで、ヤツらを倒してくれ!」

ポチ「魔女とマスコットの無念を……晴らしてくれっ!」

QB「………」

QB「ぼくは君を全面的に信用したわけじゃない。今すぐ君を判断することもできない」

QB「なにしろ、つい最近まで研究所暮らしだったわけだからね」

QB「だから、ぼくはさっきの娘と契約してみようと思っている」

ポチ「──バカな! ヤツらに生殺与奪を委ねる気か!?」

ポチ「使えないと判断されたら、半日と生きていられないんだぞ!」

ポチ「それにマスコットはヤツらが滅びれば、同時に滅びる」

ポチ「君までオレの計画の巻き添えにするわけにはいかない!」

ポチ「君がオレを信用できないのは構わないが、せめてヤツらとの契約はやめろ!」

ポチ「ひたすら魔法少女と魔女を生産する日々だ! ノルマと絶望が待つ地獄だ!」

QB「どうせ、ぼくは野良じゃ生きていけない身だ」

QB「それに今までの話を聞いて、君たちに少し興味が湧いた」

QB「五人の魔法少女が本当に倒すべき敵かどうかは、ぼくが決めるよ」

QB「その結果、倒すべきではないと判断しても、君の邪魔はしない」

QB「まどかのところに案内してくれるかい?」

ポチ「……勝手にしろ!」

こうしてぼくは、ポチの仲介で鹿目まどかと契約し、マスコットになった。

叶えてもらった願いは、疲れを知らない体になること。

これからどういう道を選ぶにせよ、忙しくなるのはたしかだったからだ。

この時点ではまだ、まどかたち魔法少女と戦うかは決めていなかったが

ぼくとポチは時折時間を作り、情報交換を行った。

五人の魔法少女の住処は、見滝原にある西洋風の大きなお城だった。

彼女らが蓄えた財を全てつぎ込み建設したとのことだ。

大量にいるマスコットのうち、城に住めるのは成績優秀な数体のみ。

ぼくはポチの指導もあり次々と普通の少女を契約させることに成功し、

早くも城で暮らすことを許された。

意外に天職だったのかもしれない。

ここでようやく、ぼくは五人の魔法少女全員と顔を合わすことになる。

城内、マスコットの部屋──

ポチ「ここが、マスコットの部屋だ」

QB「広いんだね」

タマ(猫)「こんにちは、ポチ。あら新しい子ね」

ネーク(蛇)「ウサギか? いやちょっと違うな……」

ブー(豚)「よろしくな、ブヒヒヒ」

ハート(鳩)「ポッポー、ちょうど今日は会議の日ですね。我らが主人と会えますよ」

QB「会議?」

ポチ「オレたち優秀なマスコットだけが参加できる会議だ」

ポチ「定期的に、魔法少女と直接エネルギー回収戦略について話し合うんだ」

ネーク「みんな、そろそろ会議室に行こうぜ」

城内、会議室──

マミ「さっそく会議を始めましょう」

マミ「まずブー、先月かなり素質があるって少女の話を聞いたけど、どうなったかしら」

ブー「! ──は、はい。な、なかなか口説き落とせず難航しておりますブー」

マミ「今後どうやって攻略するつもり?」

ブー「え、えぇ、あの、明日以降もっとアプローチを……」

マミ「いつまでに魔法少女にできる? 魔女化は?」

ブー「い、いつまで、と申しますと……えぇと……ブー……」

マミ「いつまで?」

ブー「来週中には……なんとか!」

マミ「なんとか?」

ブー「かっ……か、必ず!」

嫉妬:まどか
強欲:ほむら
暴食:杏子
憤怒:さやか
色欲:マミ
傲慢:
怠惰:

こんなかんじか(´・ω・`)

会議は続いた。

マミ「今年度のノルマ50人を、今のペースで達成できると思う?」

ネーク「し、下半期に、挽回して……通期で達成を……」ビクビク


さやか「○○地区はもっと少女がいるでしょ。ちゃんと仕事してんの?」

タマ「人口の、わりに、素質のある子が少なくてですね……その……」オドオド


杏子「要は、やる気が足りねェんじゃねぇの?」

ハート「い、いえっ! やる気はあるのですが……成果がついてこず……ポッポー」アセアセ


QB(う~ん、想像以上にピリピリした会議だ)

QB(最も優秀なはずのマスコットたちが、まだ一度も褒められてないぞ)

マミ「今日も紅茶が美味しいわ」670からの分岐
改変前のマミ生存 OR 改変前のマミ qb 復活
魔法少年オリ主最強ハーレム OR まどか☆マギカの原作知識有りチート男オリ主SS
ヴァンパイア十字界×禁書
スレイヤーズ×禁書
スレイヤーズ×ヴァンパイア十字界
ヴァンパイア十字界×まどか
ヴァンパイア十字界×Fate
Bleach×禁書
ダイの大冒険×禁書
ダイの大冒険×Fate
まどか×Bleach
ダイの大冒険×まどか
blackcat×禁書
ToLOVEる×まどか
ヴァンパイア十字界×まどか
blackcat×まどか
CODE:BREAKER×まどか
吸血殲鬼ヴェドゴニア×まどか
PHANTOM OF INFERNO×まどか
天使ノ二挺拳銃×まどか
鬼哭街×まどか
Claymore×まどか
スレイヤーズ×まどか
dies irae×まどか
式神の城×まどか
鬼切丸×まどか
真・女神転生CG戦記ダンテの門×まどか
鬼畜王ランス×まどか

マミ「ポチ」

ポチ「はいワン」

マミ「契約数はさすが順調ね。でも、魔力量がいまいち振るわないけど理由があるの?」

QB(ピンハネの影響だな)

ポチ「質より数という方針を採ってしまったためワン」

ポチ「魔女化時に生じる魔力が少なく、契約数に比べノルマギリギリの数字になったワン」

ポチ「来月からは素質を吟味した契約を心がけるワン」

マミ「なるほどね」

杏子「しょうがねーな。次からは気をつけろよ」

ほむら「ポチ。まさかとは思うけど、中間搾取なんてしてないでしょうね?」

ポチ「もちろんだワン」

ほむら「ならいいわ」

QB(乗り切った、か……?)

まどか「……んふっ」

マミ「最後にキュゥべえ、だったわね。新入りとして、今後の展望を聞かせてくれる?」

QB「うん、ぼくは××地区と△△地区での、新規開拓を計画してる」

QB「今アプローチをかけてる少女は7人」

QB「うち3人は家庭に問題を抱えているから、一週間もあれば落とせるだろう」

QB「残り4人のうち、2人はイジメに遭うタイプだから彼女らも二週間以内目標」

QB「あと2人は容姿に優れないから、そっちの方面から攻めようと思っている」

マミ「! へぇ……」

杏子「ハハッ、すげぇな。こいつ、本当に新入りか?」

さやか「期待の大型新人! ってやつだねぇ」

ほむら「他のマスコット達も見習うべきね。この調子じゃすぐ抜かれるわよ」

ポチ(やはりキュゥべえはすごい。魔法少女に対抗できる器だ!)

まどか「……ふふっ」

>>54 こまけぇことはいいんだょ

1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. ONE ~輝く季節へ~ 茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司のSS
茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司を主人公にして、
中学生時代の里村茜、柚木詩子、南条先生を攻略する OR 城島司ルート、城島司 帰還END(茜以外の
他のヒロインEND後なら大丈夫なのに。)
5. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
6. ファーランド サーガ1、ファーランド サーガ2
ファーランド シリーズ 歴代最高名作 RPG
7. MinDeaD BlooD ~支配者の為の狂死曲~
8. Phantom of Inferno
END.11 終わりなき悪夢(帰国end)後 玲二×美緒
9. 銀色-完全版-、朱
『銀色』『朱』に連なる 現代を 背景で 輪廻転生した久世がが通ってる学園に
ラッテが転校生,石切が先生である 石切×久世
10. Dies irae

>>62
おう(´・ω・`)

会議が佳境に入った頃、城内に警報が鳴り響く。

『たった今、□□市に魔獣を10頭放ちました! ただちに急行して下さい!』

QB(これは、おそらく研究所からの連絡だな)

マミ「あら、会議に夢中ですっかり忘れてたわ。今日は魔獣の日だったわね」

さやか「マミさん、今日は何人くらいで?」

マミ「そうね、25人くらいにしましょうか。暁美さん、何分後に向かえばいい?」

ほむら「10分後に出れば、ちょうどそのくらいの数になるはずよ」

QB(25人? 10分後? なんですぐ出発しないんだ?)

杏子「魔獣退治は“客”が盛り上がるから面白いけど、まだまだ魔女に比べて弱くてなぁ」

杏子「なんたら研究所の奴らには、もっと骨のあるヤツを作って欲しいよ」

さやか「魔獣もいいけどさ、あいつらに“あたしらが作らせた”って公表されたら面倒よね」

さやか「口封じの手段も考えておかないと」

まどか「問題ないよ」

まどか「だってあの研究所の人たち全員に呪いをかけてるから」

まどか「一人でも私たちに不利益なことをする人間が出たら──」

まどか「全員消え去るようにって」

さやか「へぇ~いつの間に。さっすがまどか!」

ほむら「むしろ当然の処置でしょ、さやか」

さやか「あんたはいちいち……!」

杏子「おいおいやめとけよ、これから戦闘って時に」

マミ「そろそろ時間だわ、みんな行くわよ!」バッ

五人は城から出撃していった。

ハート「ふぅ~……まだ胃がキリキリしてますよ」

ブー「まったくだブー」

ポチ「まったく君の才能には驚かされる。オレですらあの会議は苦手なのに」

QB「さっき彼女らがいってた、15人とか10分ってのはなんのことだい?」

ポチ「決まってんだろ。15人くらい魔獣の犠牲者が出た頃に到着しようって意味だ」

QB「なぜ、わざわざそんなことを? わけがわからないよ」

ポチ「死人が出ないと、魔法少女のありがたみが減るだろ?」

ポチ「少なくともヤツらはそう考えているのさ」

QB「自分で作った怪物に人々を襲わせ、それを自分で倒して称賛を浴びる、か」

QB「彼女らは本当に気ままな魔法少女として、永久に地球に君臨しようとしてるんだね」

ポチ「ああ、今のうちに手を打たないと本当に手がつけられなくなる」

ポチ「ヤツらはきっと、五人で神かなんかにでもなるつもりなんだ……!」

一週間後、城内廊下──

QB(そういえば、今日はポチの姿を見てないな……)

まどか「キュゥべえ」

QB「やあまどか、どうしたの? こんな時間に城にいるなんて珍しいじゃないか」

まどか「こっちに来て」

QB「?」

まどか「ちょっと見せたいものがあるんだ」

QB「見せたいもの?」

まどか「この扉の向こうだよ」ギィィ…

QB「………?」

QB「!」

ポチの兄貴が・・・

小さな部屋の真ん中に、それは置かれていた。

QB(ポチ……!)

QB(信じられない……!)

QB(これほどまでに一個の生命に対して残酷に振る舞えるなんて)

QB(何をどうやったらあのポチがこんな形状になるのか、ぼくには理解できない)

まどか「ポチね、実は悪いコだったの」

まどか「魔法少女や魔女から回収したエネルギーの一部を、自分のモノにしてたの」

まどか「だから、こうなっちゃったんだよ」

まどか「キュゥべえはポチと仲が良かったけど、もちろんそんなことしてないよね?」

QB「もちろんだよ、まどか」

QB「思い返すと、ポチには色々と不審な点があった。これは当然の末路とさえ思うね」

まどか「なら大丈夫。これからもよろしくね、キュゥべえ」

ポチは死んだ。

あの残酷の極みのような死体は、ポチと親しく、限りなくグレーなぼくに対する

警告だったのだろう。

疑わしきは罰する、としなかったのは、ぼくは“使える”と判断されたからだ。

これでぼくの決意は固まった。

ポチの後を継ぎ、彼女ら魔法少女を倒す、と。

ポチは最期まで口を割らなかったのか、まだ切り札は残されている。

むろん、ポチの仇討ちのつもりなどさらさらない。

彼女たち五人はわけがわからない。

ぼくはわけがわからないのが嫌いなんだ。

ブー「ブヒィッ……ポチが……」

ネーク「ちくしょう……ふざけんなっ!」ガンッ

タマ「ひどすぎるわ……あんな死に方……」

ハート「いい犬でしたが……くっ」

QB「さて、ぼくは仕事に行くよ。もうすぐ落とせそうな少女がいるからね」

ネーク「てめぇっ! 少しくらい悲しんだらどうだ!? 仲間が死んだんだぞ!」

QB「鹿目まどかの話では、彼は不正をしていた。不正に対する罰は当然じゃないか」

タマ「ひどいっ! そんな冷たい言い方しなくても……」

QB「嘆く暇があったら、きちんと仕事して彼女らのご機嫌をとる方が賢いって話だよ」

ブー「見損なったブー! オレたちは心までヤツらのいいなりじゃないブー!」

QB「君たちはいつもそうだ。新入りのぼくがあっという間に成績トップになるわけだよ」

ハート「さっさと行きなさい! これから私たちはポチの死について抗議しますから!」

QB「好きにするといい。じゃあぼくは行ってくるよ」

QB(……やれやれ。ポチがマスコット連中を頼れなかった理由が分かった。浅慮すぎるよ)

次の日から、城の中であの四匹の姿を見ることはなくなった。

マミ「今日から城に住むマスコットは、あなただけになったわ。寂しくなるけど我慢してね」

さやか「期待の大型新人が、瞬く間にエースになっちゃったね」

杏子「少しは腹の足しになったな、あいつら。熟成した肉って感じだったよ」

ほむら「本当に雑食ね、杏子は」

まどか「キュゥべえは仕事熱心だね。ポチの死を無駄にしないでくれて、嬉しいよ」

QB「ありがとう、みんな!」

QB(どうやら信頼は得たようだ。第一関門クリアー。これでだいぶ好きに動ける)

QB(あとは研究所からの魔獣の奪取と、魔女と魔獣の合体、か)

QB(あんまりモタモタしていると、この五人はどんどん強くなる)

QB(決戦は一ヶ月後、だ)

一ヶ月後──

大勢の人間を従えたQBは、故郷である遺伝子工学研究所にやって来ていた。

QB「さぁ、ここを破壊すれば、みんなは正義のヒーローになれるよ!」

一般人A「ありがとう、キュゥべえ様!」

一般人B「よし、行くぞ! みんなーっ!」

一般人C「おおーっ! 悪のアジトを叩きつぶせ!」

一般市民数十名を扇動し、研究所正門に突撃させる。

マスコットとしての仕事で鍛え上げた話術があってこそできる所業だ。

QB(おそらく彼らは7~8分で警備兵に全員射殺されるだろう)

QB(7~8分もあれば十分だ)

QB(最強の魔獣入手には──)

ドギューン ウワー ヤレー ギャー ドサッ バキューン ウワー ギャー ヒー

QB(警備兵は全員正門に向かっている。所員はパニックだ。狙い通りだね)タタッ

QB(ここを右に曲がって)タタタッ

QB(この階段を下りると)トトトッ

QB(よし、着いた)

QB(セキュリティか)ピポパッ

ガシャン

魔獣「グォォォォ……」

QB「君がポチのいってた最強の魔獣だね? さすがに強そうだ」

魔獣「ゴォルルゥゥ……」

QB(営業の基本は明るく元気に、誠意と熱意を込めること)

QB「ぼくと契約して、魔女と合体してよ!」

魔獣「ギャォォォン!」

正門の一般人を全滅させた警備兵や研究所員が集まってきた。

所員A「ひぃぃぃ! な、なんで外に出てるんだ!?」

所員B「背中に乗ってるアイツは、たしか前にここを脱走した──!」

QB「よく覚えてたね。でももう手遅れだよ」

QB「さぁ、彼らを殲滅してくれ」

警備兵A「うわっ、こっち来たぞ!」ドギューン

警備兵B「銃が効かない!?」バキューン

ギャオオオオン メキメキ ウギャアア ヒイイイ タスケテー ギュオオオン ワー ギャー

研究所は壊滅した。

QB「あとは君とワルプルギスの夜を合体させれば、舞台は整う」

魔獣「グォォォォォ……!」メキメキ

QB「羽根を生やせるのか」

バッサバッサ



ポチ「ワルプルギスの夜は──」

ポチ「城の地下の地下に安置してある」

ポチ「ヤツら、互いの魔力がデカすぎるから、余りに近くにいる彼女に気づけないのさ」

ポチ「へへっ、灯台もと暗しってやつだ」

ポチ「時が来たら、城の真上から彼女を呼んでやれ!」



QB「行ってくれ、見滝原の城へ」

城近くの上空には、すでに五人の魔女が待機していた。QBの反逆は露見していた。

ほむら「ここまでよ」

ほむら「ずいぶんと強力な魔獣を味方につけたみたいだけど」

ほむら「私たち一人一人の力にすら遠く及ばないわ」

QB「やってみなきゃ分からないよ」

QB(やはりこんな巨大な魔獣が飛んでくれば、察知されてしまうか)

QB(城の真上といえる地点まで、あと20メートルはある。彼女らをすり抜けなければ)

マミ「残念ね……。あなたは史上最高のマスコットになると思っていたのに」

さやか「あーあ、なんでわざわざ死にたがるのかねぇ。仮にあたしらを倒せたって死ぬのに」

まどか「ひどいよ、キュゥべえ……」ウルッ

まどか「私の信頼を……」ポロッ

まどか「裏切るなんて……!」ゴゴゴゴゴ

QB(まっ、まずい! このままじゃ合体前に一瞬で消し飛ばされる!)

杏子「まあまあ、待ちなって」

まどか「なに、杏子ちゃん」ギロッ

杏子「(アンタは城を壊しかねないから)あたしがやるよ、最近なまってたからね」

杏子「アンタの信頼を裏切ったヤツ相手に、わざわざ手を汚すこともないだろ?」

まどか「うん……そうだね。じゃあお願い」

QB(しめた! 佐倉杏子ならなんとか──)

ならなかった。

ガシュンッ ドズッ ドシュウッ ザンッ

魔獣「ギャッ! ……キィヤォオオン!」

杏子「なんだつまらない、この程度かい?」

QB(全く本気を出していない杏子にすら、まるで歯が立たない……!)

QB(こうなったら、やられながら頑張って城へ近づくしかないな)

さやか「なぁんだ、ゴツイ体のわりに期待外れじゃん。すぐ終わっちゃうよコレ」

ガスッ ゴシュッ ガンッ

マミ「久々の強敵かと少し胸がときめいたけど……佐倉さん一人で十分そうね」

ドゴッ ドバッ ズシャッ

ほむら(おかしい……槍を受けるたびの吹き飛び方がどこか不自然……)

杏子「そらっ!」ザシュッ

ほむら(ダメージを受けながら、城に近づいている──!?)

ほむら「杏子! そいつを城に近づけてはダメ!」

杏子「え?」

QB「きゅっぷい。危なかったよ、もう少しで魔獣が死んでしまうところだった」

QB「来るんだ、ワルプルギスの夜!」

ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ぼくの呼び声に応え、“彼女”は地下の地下からやってきた。

巨城を崩壊させ地上に現れた、絶望に歪んだその姿は、ある種の神々しささえ放っていた。

瞬く間にぼくが乗っていた魔獣を飲み込んで、魔力の結晶と科学の結晶が

歴史的な融合を遂げた。

ワルプルギスの夜・完全体の完成だ。

QB「想像以上だ……!(というかぼく、このまま乗ってて大丈夫かな)」

杏子「くっ……! まさか、あんなのが城の地下にいやがったとは……」

ほむら「どうやらこの前まどかが始末したマスコットの作品のようね」

マミ「仕方ないわ。こうなったら五人総がかりで倒しましょう!」

QB(ポチ、ついに切り札が始動したよ。あとはもう彼女に任せるしかない)

さやか「あたしらが複数でないと危うい相手なんて何百年ぶりかねぇ、まどか──」

まどか「……せない」

さやか「まどか?」

まどか「絶対に許さないっ!」

ドンッ!

さやか「うわっ!」

まどか渾身の一撃が炸裂 ──が、無傷。

杏子「あれを喰らってノーダメって……冗談だろ……?」

QB「これは勝てるかもしれない……!」

まどか「私の心を弄んでっ!」ドドドドドドッ

さやか(こうなったら、もう手がつけられないな)

杏子「さやか! あたしらは逆側から切り込もう!」

さやか「わかった!」

ほむら「力を温存して勝てる相手じゃなさそうね」ズドドッ

マミ「五人そろった私たちに敵はないわ。ティロ・フィナーレ!」ズオッ

QB「こっちも応戦しよう! ワルプルギスの夜!」ズァオッ

激闘は一時間ほど続いた。もはや城など影も形もない。

QB(これはまずいな、序盤こそ勢いでこっちが押してたけど)

QB(戦闘経験に長けた彼女らが、徐々にペースを握り始めている)

QB(たしかに完全体は強力だけど、力だけでは彼女らには勝てない!)

QB(せめてもう少し知能があれば、勝機が見えてくるはず)

QBは瞬時に、彼女の頭脳となりうる素材に気づいた。他ならぬ自分だ。

QB「ワルプルギスの夜よ、ぼくと契約してぼくに全てを委ねてよ!」

カッ!

夜「よし、同化成功!」

杏子「ちぃっ! 急に動きが変わったぞ、なんか賢くなった!」

ほむら「あのマスコットが魔女の“頭脳”になったのね。あなどれないわよ」

まどか「関係ないよ、全て消し去ってあげるからっ!」ドドドドドドッ

魔法少女 vs 魔女+魔獣+マスコット の最終決戦


三日三晩にも及ぶ壮絶な死闘の後、地に伏せっていたのは──

ワルプルギスの夜だった。

夜「……む、むぐぐ……!」

杏子「や、やった……! ざまあみろってんだ!」

さやか「ここまで手こずるとはね……魔力を消耗しすぎちゃったよ」

マミ「大丈夫よ、この地球には魔力の供給源がまだまだ沢山あるんだから」

まどか「この戦いで使った分も──」

まどか「キュゥべえやポチが台無しにしてくれた分も──」

まどか「いっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱい」

まどか「吸収しないとね」

ほむら「終わりよ、ワルプルギス。いえ、キュゥべえ」

ほむら「あなたは強かったわ。でも私たちが五人そろっていたことが不運だったわね」

夜「逆だよ」

ほむら「!」

夜「いくら君たちでも、ぼくの最後のプレゼントを防ぐ力は残ってないはずだ」

夜「五人そろっていてくれて、ありがとう。短い間だったけど、楽しかったよ」

ズオッ─────







              見滝原は魔女の炎に包まれた。






闘いは終わった。

大爆発から生じた光の矢は、世界中の作られた魔法少女と魔女を貫き、全てを浄化した。

世界中で活動していたマスコットたちも、主人たる五人の魔法少女が天に召されたことで

運命を共にすることになった。



恐るべき五人の魔法少女に勇敢にも立ち向かい、散っていった救世主、キュゥべえ。

決して歴史に残ることのない彼の功績を称え、あえてここでは彼をこう呼びたいと思う。

救べえ、と……!

                       
<おわり>

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