しずか「くけけけ」 (95)

ジリリリリン!

ママ「のび太、タケシさんから電話よー!」

のび太「はーい今行くよ~……もしもし?ジャイアン?野球するからすぐ来い?わかった!」ガチャ

のび太「さーて野球行こっと!いってきま…」

ジリリリリン!

のび太「また電話か…もしもし?」

しずか「のび太さん?どう、よかったら今から遊ばない?」

のび太「えっ…うーん、ごめんしずかちゃん!これから試合なんだ、また今度ね」ガチャッ

のび太「じゃあいってきまーす!」タタタ

カキーン

ジャイアン「おお!いけのび太!走れ!!」

のび太「やったやった!ヒットだ!」ダダダ

スネ夫「やるじゃんのび太!1点入ったよ!」

のび太「えへへへ、ヒット打つと気持ちがいいなぁ」ニヘラ

しずか「のび太さーん、すてきー!」

のび太「あっ、しずかちゃん!応援に来てくれたんだ!」ニヘラニヘラ

のび太「……それでね、思いきりバットを振ったらヒットになったんだよ」

しずか「へえ~、のび太さんもしっかり考えて野球してるのね。見直しちゃったわ」

のび太「ほんとに!?ウヒョホホ…」

しずか「あ、ドラちゃん」

のび太「あれっ、ドラえもん。何してるの?」

ドラえもん「やあ二人とも。デパートにドラやき特売の買い出しに行ってたんだよ。一緒に帰ろうか」

しずか「あ、わたしピアノのレッスンがあったんだった。先に帰るわね。バイバイ」

のび太「うん、バイバーイ!大変だなぁしずかちゃん、もう5時なのに今からレッスンかぁ…」

のび太「ドラえもん、ドラやきぼくにもひとつちょうだ~い」

ドラえもん「んもぅ、しょうがないなぁ。はい」

のび太「やったぁ!ありがと」

コツ…

のび太「ン?今、なにか聞こえたような…」

ドラえもん「シッ!静かに…」

コツン!

ドラえもん「窓だ。虫がぶつかってるのか、誰かが窓に石かなんか投げてる音だよ」

のび太「こんな時間に?誰だろう…」

ガララ…

のび太「誰かいるよ。あれは…」

?「のび太、おいのび太」

のび太「ジャイアン?ジャイアンなの?」

ジャイアン「シッ!でかい声出すな。ちょっとのび太、お前に用がある。下りてきてくれ」

のび太「なに?なんの用なの?」

ジャイアン「いいから下りてこいっつーの!はやくしろ!」

ドラえもん「なんだいこんな夜遅くに押しかけてきて勝手な。出ることないよのび太くん」プンプン

のび太「ん、そうだね…ふぁぁ…ジャイアン、ごめん、ぼくもう寝るからまた明日ね」

ガララ…ピシャッ

ジャイアン「おい待てのび太!たのむ!のび太!」

ジャイアン「クソッ…」

のび太「ちこくだちこくだ!なんでもっと早く起こしてくれなかったの!」バタバタ

ドラえもん「何度も起こしたよ。毎朝こりないなぁ」

のび太「いってきまーす!」タタタ



しずか「あらのび太さん。おはよう」

のび太「あっ、しずかちゃん!?急がないと遅刻するよ!」タタタ

しずか「え?まだ遅刻するような時間じゃないわよのび太さん。ほら」

のび太「え?……あれ?まだ7時半なの?」

のび太「しずかちゃん、その腕時計遅れてない?」

しずか「遅れてないわよ!」

のび太「あれぇ?おかしいな…でも、遅刻しなくてすむんならいいや。よかったー」

しずか「ふふ、学校まで一緒に行きましょのび太さんも。二人でね」

スネ夫「やあのび太。珍しいね、この時間にのび太がいるなんて」

のび太「スネ夫も…じゃあやっぱりうちの時計が進んでたのかなぁ…」

スネ夫「どうした?朝から変な顔して。ぼくが相談に乗ろうか?」

のび太「いやいいよ。たいしたことじゃないし。しずかちゃ…」

のび太「あれ?しずかちゃん?」キョロキョロ

スネ夫「どうした?しずかちゃんがどうかしたのか?」

のび太「えっ、だってしずかちゃんが急にいなくなって…」

スネ夫「何言ってんだよのび太。君はずっとひとりで歩いてきてたじゃないか。この長い道の向こうから、ずっとさ」

のび太「え…?」

ジャイアン「おいのび太!」

のび太「あ、ジャイアン。ゆうべはどうしたのさ、あんな遅い時間に…」

ジャイアン「シーッ!それを周りに聞こえるような声で言うな!ひそひそ話せ」ヒソヒソ

のび太「な、なに?」ヒソヒソ

ジャイアン「いいか、一時間目は体育でマラソンだ。男女別々になる…」

のび太「ウェ~、マラソン嫌だな~」

ジャイアン「いいから聞け!いいか、いつもより遅いペースで走れ。体力をあまり使うな。俺もお前にあわせて走るからよ。いいな」

のび太「え?ジャイアン?どういうこと?一緒に走りたいの?」

ジャイアン「ああそうだ。ちょっと話したいことがあってな」



しずか「…………」

先生「各自自己ベストを更新できるようにな。よーい、スタート!」

のび太「あぁ~、もうみんなから遅れた」タッタッタ

ジャイアン「のび太…」タッタッタ

のび太「ジャイアン?そっか忘れてた、話があるんだったね」

ジャイアン「あぁ、真面目な話だ。のび太、お前このごろ身の回りでおかしなことが起きちゃいないか?」タッタッタ

のび太「おかしなこと?あ、そういえば今朝、変な出来事があったよ。それがさ…」

タッタッタッタ…

ジャイアン「そうか……時間だけ…なんだな。まだ…」タッタッタ

のび太「そうだよ、うちの時計が進んでたんだと思うな」タッタッタ

ジャイアン「のび太、お前…とんでもないことに巻き込まれてんぞ…」タッタッタ

のび太「へ?どういう意味…」

キュロキュロキュロキュロキュロキュロ

なんか怖いな

先生「各自自己ベストを更新できるようにな。よーい、スタート!」

のび太「あぁ~、もうみんなから遅れた」タッタッタ

のび太「ひぃ、ひぃ、はぁ」タッタッタ

スネ夫「あははは、のびちゃ~ん、さんぽじゃなくてマラソンですよ~?」タッタッ

のび太「うぅ…はぁ、はぁ…」

スネ夫「あーあ、ジャイアンも学校来てれば二人で記録更新出来たのになぁ」タッタッタ

スネ夫「…でも記録更新できる気がしないな。なんでこんな体が重いんだろ」タッタッタ

のび太「はぁ、はぁ、はぁ!い、いつもよりつかれる…なんで…」フラフラ

のび太「はぁ、は、は、もう、だめ…」フラフラ、バタッ

のび太「…………あれ?ここは…?」

先生「おおよかった!気がついたか、よかったよかった」

のび太「先生?ここ…保健室?あれ、ぼく…」

先生「野比くんがマラソン中に倒れたと体育の先生が連れてきてくれたんだよ。軽い貧血でな」

のび太「そういえば、倒れたような…」

先生「もう給食の時間だからな、3時間あまり眠っていたことになる。教室まで戻れそうかね?」

のび太「はい、自分で…ととと」フラッ

しずか「先生、わたしが教室までのび太さんに付き添います。心配しないでください」

先生「!?お、おぉ、びっくりしたな…あぁ、連れていってあげなさい。いやびっくりした…」

しずか「のび太さん貧血なんでしょ、無理しちゃ駄目よ。肩貸してあげる」

のび太「しずかちゃん…?あ、ありがとう…」

先生「骨川くん、今日休んだ剛田くんのぶんのプリントを家までもっていってくれんか」

スネ夫「引き受けました!おーいのび太、一緒に帰ろうか」

のび太「いいよ!」



のび太「それにしても珍しいね、ジャイアンが学校休むなんて」

スネ夫「ほんとにね、ずっと休んでてくれたら学校も平和なのになって思うよ」

スネ夫「お、ジャイアンの家だ。ごめんくださーい。タケシくんにプリントを持ってきましたー」コンコン

スネ夫「ごめんくださーい。……留守みたいだ。仕方ないな、郵便入れに入れとけばいいか」ストン

のび太「学校休んでどこ行ってるんだろうねジャイアン」

スネ夫「まったく、サボりかなんかじゃないの。帰ろ!」

あれ?ジャイアン学校来てたよな?

>>41
来てないよ

>>41
幻覚を見たんじゃないか?

のび太「ただいまー」

ママ「のび太、宿題が終わるまで遊びに行っちゃいけませんからね」

のび太「わかってるよ、もう!」

ジリリリリン!

のび太「…もしもし?あ、しずかちゃん?今から遊ばないかって?えーと…」

ママ「……」ギロ

のび太「ご、ごめん、宿題が終わるまで遊べないんだ。また今度ね!」ガチャ

>>42
>>43
そ、そうだな…

ドラえもん「うぅ~いたたた…」ヨロヨロ

のび太「ドラえもん!?どうしたの?」ガタッ

ドラえもん「それが、ドラやき買った帰りに暴走ダンプカーにはねられちゃって…買ったドラやきがぜんぶ潰れちゃったんだ」ヨロヨロ

のび太「それどころじゃないだろ!大丈夫なの!?傷だらけじゃんか!」

のび太「救急箱持ってくるね!」

ドラえもん「いや、ぼくのお医者さんカバンで…」

キュロキュロキュロキュロキュロキュロキュロキュロキュロキュロキュロキュロ

のび太「ただいまー」

ママ「のび太、宿題が終わるまで遊びに行っちゃいけませんからね」

のび太「わかってるよ、もう!すぐ終わらせて空き地に遊びに行こうっと」

のび太「ドラえも~ん!宿題がすぐに終わる道具出して!」

のび太「…なんだ、いないのか」

のび太「う~ん、宿題はかどらないなぁ…」

ブロロォォオオオ、ドンッ!?
『ウギァ!!』

のび太「な、なんだ今の音!?」ガラッ

のび太「あっ、事故だ…ド、ドラえもん!?ドラえもん!!」ダダダダッ

ガチャ!

のび太「ドラえもんしっかりしろ!!うちの目の前でひき逃げされるなんて…ドラえもん!ドラえもんってば!!」ユサユサ

ドラえもん「………」

のび太「ドラえもん、起きろってば…んしょっ、重い…とりあえずぼくの部屋に…」ズルズル

ドラえもん「………」



のび太「ドラえもん、生きてるの?壊れちゃったの?返事してよ、ねぇ!」

ドラえもん「……のび太、くん…」

のび太「あっ!気づいたね、よかったー」

ドラえもん「しっぽを…引っ張って、ぼくのスイッチを、切ってくれ……自分じゃもうできないんだ…」

のび太「え?え?何を言い出すんだよ…」

ドラえもん「お願いだのび太くん、言うとおりにしてくれ……またタイムバックをかけられて…ひかれたら、確実に壊れちゃう…」

のび太「???」

ドラえもん「しっぽを引っ張ってくれ!ぼくがまだ動いてるのを感知されないうちに…」

のび太「で、電源を切れって?でもその前に、何があったのかくらい…」

ドラえもん「はやく…はやく!さっきの時間までもう時間がないんだ!お願いだのび太くん…」

のび太「わ、わかったよドラえもん。変なやつ…」カチッ

ドラえもん「」ゴトッ

のび太「電源を切ってどうするんだろう?わけわかんないこと言ってたし、どこか壊れちゃってるのかなぁ…」

のび太「まぁ、自分で治したりする機能もあるのかもしれないし、押し入れに入れとこう」ズルズル

パタン

のび太「ふぅ。あー疲れた。宿題なんてできやしないよ、昼寝しようっと」

支援

のび太「宿題おわった!遊びに行くからね~!!」タタタ


のび太「あれっ、空き地に出来杉がいる。珍しいなぁ…」

出来杉「あ、のび太くん。ちょうどよかった、タケシくんが呼んでるよ。裏山に来てくれってさ」

のび太「ジャイアンが?どうして裏山に?」

出来杉「なんでかな、スケッチしに行ったぼくを見てすごく焦ってたけど…」

出来杉「のび太くんかドラえもんを呼んでくれって、必死に頼んできたよ。心当たりあるのかい?」

のび太「いや、うーん…なんだろう…?なんにもないなぁ…」

のび太「でも行ってみるよ、ジャイアンにさからうとあとがこわいし…」

出来杉「うん、千年杉の近くで待ってるってさ。じゃあね」

支援

マダカナー

保守目安忘れた(`・ω・´)

マダカナー

ほす(`・ω・´)

マダカナー

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