エレン「アニか・・」(25)


アニ「・・・・」


エレン「よう」


アニ「・・・・」


エレン「こんな夜の時間に会うなんて珍しいな」


アニ「・・・そうだね」


エレン「じゃあ『よう』じゃなくて『こんばんは』だな」


アニ「別にどっちでもいいけどさ・・・」



エレン「いいや、挨拶は大切だ。区別を付けんとな」


アニ「別にどうでもいいけどさ・・・」


エレン「どうでも、とはなんだ!アニは朝俺に会って『こんばんは』とか言われたら、どうだ?」


アニ「どう、と言われてもな・・・ばかか?としか思わない。というか、それとこれとは話が違うんじゃない・・・?」


エレン「挨拶の大切さだ」


アニ「もう、どうでもいいよ・・・」



エレン「そうか。というかさ、そんなとこで立ってないで早くこっち来いよ」


アニ「あんたさ・・・」


エレン「なんだ、アニ?」




アニ「ここは女子風呂だよ?」


エレン「おう。俺は赤いのれんをくぐってきたぜ」


アニ「・・・・」


エレン「というか、今は女子の入浴時間じゃないだろ?」



アニ「そうだよ。だからって何であんたがここにいるのさ?」


エレン「今は男子の入浴時間なんだ」


アニ「うん」


エレン「男子の風呂は人が多いから、イヤになってこっちに来た」


アニ「あんた、おかしいんじゃない?」



エレン「問題ないだろ。だいたい女子の入浴時間じゃないのに入ってきた、アニのほうがおかしい」


アニ「入浴時間じゃないからって入らないっていう訳にはならないだろ?」


エレン「お前ならどうだ?女子風呂はパンパンで入るのが辛い。ならガラ空きの男子風呂へ行こうってなるだろ?」


アニ「ならないよ」


エレン「・・まぁどうでもいいだろ?」


アニ「・・・・」



エレン「いい湯だな~」チャプチャプ


アニ「あんたさ」


エレン「なんだ?」


アニ「私は裸だよ?」


エレン「そうだな」


アニ「そっちにはなぜ触れない?」


エレン「え?アニの肌に触るのか?」


アニ「馬鹿なの?私の体見て何も言わないから、その話には触れないのかってこと。というか説明させるな!恥ずかしい・・・」



エレン「つまりアニの体を見て一言言えばいいのか?」


アニ「もういい!ばか!」


エレン「おいおい、何に怒ってんだよ?カルシウム不足か?」


アニ「はぁ・・ばか・・・」


エレン「むぅ・・・なら後で牛乳買ってやるよ」


アニ「ありがと」


エレン「それならアニの胸だって大きあはは、アニ。石鹸は投げるもんじゃねえぞ?」


アニ「あ・ん・た・ねぇ~・・・」ゴゴゴ



エレン「アニが体を見て一言くれっつっただろ」


アニ「言ってないし、もういいって言ったでしょ」


エレン「ハッキリ言ってくれなきゃ伝わんねえよ」


アニ「あんたには中途半端な言葉は通じないようね」


エレン「それより、さっきも言ったがな、早くこっち来いよ?風邪ひくぞ?」


アニ「あんたに下心はないの?」


エレン「あるぞ。そりゃもう」


アニ「・・・・え?」



エレン「巨人を倒したいとか、もっと強くなりたいとかな」


アニ「は?何言ってんの?」


エレン「下心は、心の奥深く思っていることとか本心って意味だぞ?」


アニ「はぁ・・・」


エレン「なんだよ?その溜め息は」


アニ「なんか私が、ばかみたい・・」


エレン「もしかして、いやらしい目で見て欲しかったのか?」


アニ「・・・・・・」



エレン「どうなんだ?ん?」


アニ「クソ!ワカッテタノカヨ・・・殺しても怨んだりしないよな?だってあんたが悪いんだから」


エレン「はは、冗談はよせっての」


アニ「・・・・」ゴゴゴ


エレン「そんな顔すんなって。可愛い顔が台無しだぞ?」


アニ「・・・・え・・」


エレン「なーんて。こういうのが冗談って言うんって、おいおい、石鹸は投げるもんじゃないって、さっきも言っただろ?」


アニ「・・・ッ!!」ゴゴゴ



エレン「まったく・・・湯船に石鹸を投げ込むなんて常識がなってないな」


アニ「湯船に向かって投げたんじゃないよ!あんたに向かってだよ」


エレン「・・・?」キョロキョロ


アニ「はぁ・・」


エレン「アニはいつまでそこに突っ立ってるつもりだよ・・・はぁ・・」



アニ「好きで突っ立ってるんじゃないよ。というか、あんたに溜め息つかれるとか無性に腹立つね・・・」


エレン「あっ」


アニ「どうしたんだい?」


エレン「アニは風呂なのに髪の毛はまとめたままなのか?」


アニ「洗う時に取って、洗い終わったらまた付けるみたいな感じかな・・」


エレン「へぇ・・・」



アニ「うん・・・」



エレン「・・・~♪」チャプチャプ


アニ「・・・・・」



エレン「・・・・・~♪」チャプチャプ


アニ「ちょっと、あんた!」


エレン「なんだよ?」


アニ「髪の毛のこと気にしといて『取ったの見せて』とか言わないのか?」


エレン「なんだでよ。別に興味ねえし」



アニ「じゃあなんで髪の毛のこと触れたのさ!」


エレン「特に理由はない」キリッ


アニ「・・・・・」



アニ「じゃ私は頭洗うよ」


エレン「なんだ?お前はロボットか?俺に許可を得てから動くのか?」


アニ(落ち着け落ち着け・・・)

アニ「・・ふぅ・・・・」髪パサッ


エレン「・・・・~♪」チャプチャプ



アニ「あ、あー!髪留めがどっかに流れちゃったかなー?////」


エレン「・・・・・~♪」


アニ「どこ行ったのかな?ね?エレン分かる?」


エレン「アニかわいい・・・」


アニ「・・・・ふっ・・」


エレン「わざと俺に、髪をといた姿を見せようとして必死になってる姿が凄く可愛らしい」


アニ「クソックソックソッ!!」


ここまで~

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