千歳「きよしこの夜」(94)

綾乃「……」ソワソワ

綾乃(10分前ね…。緊張してきたわ…)

綾乃(髪型変じゃないかしら…)

千歳「あっ、綾乃ちゃーん!」タタタ

綾乃「!」ビクッ

千歳「はぁ…ふぅ、もう来てたんやね」

千歳「もしかして待たせてしもた?」

綾乃「ううん、私も今来たところよ」

千歳「……」ジィー

綾乃「な、なに…?」

千歳「……」ギュッ

綾乃「!?」

千歳「……」

綾乃「ち、千歳どうしたの?急に手なんか握って…///」

千歳「…綾乃ちゃんは嘘が下手やねぇ」クスクス

綾乃「え…?」

千歳「顔は耳まで真っ赤やし、手が凄く冷たいで?」

綾乃「…うぅ」

綾乃「し、仕方ないじゃない…」

綾乃「凄く楽しみだったから、その…早く着きすぎちゃって」

千歳「綾乃ちゃん…」ジーン

千歳「どれくらい待ってたん?」

綾乃「い、一時間くらい…」

千歳「一時間も…。寒かったやろー?」ナデナデ

綾乃「…す、少しだけ///」

千歳「ほならはよ暖かいところいこ?」ニコッ

綾乃「ええ、そうね」

千歳「さ、行くでー!」グイッ

綾乃「あ―――」

千歳「手、このまま繋いどってもええよね?」

綾乃「え、えぇ…///」

??「……」コソコソ

*----------

千歳「ここが綾乃ちゃんのよく来るお店?」

綾乃「ええ、吉川さんもこのお店が好きみたい」

千歳「そうなんや」

千歳「確かに可愛い服がいっぱいあるけど…」

千歳「ウチ、場違いやないかな?」

綾乃「そんなことないわよ」クスクス

千歳「ほんまに?良かったわ~」ニコニコ

千歳「それで、今日はどんな服買うん?」

綾乃「そ、そうね…」

綾乃「二人でお揃いの…こ、小物とかどうかしら?」

千歳「指輪とか?」ニコニコ

綾乃「な、ななななな何言い出すのよっ!」

千歳「んふふ」ニコニコ

千歳「お互いに服買ってプレゼントするのもええかもなぁ」

千歳「あっ、これなんか綾乃ちゃんに似合いそうやで!」

綾乃「千歳はこんなのどうかしら?色合いも落ち着いてるし…」

千歳「ええなぁ。…あ、この服なんか綾乃ちゃん好きそうやね」

綾乃「千歳は私の好みも分かるのね…」

千歳「ずっと綾乃ちゃんのこと見てたからね~」クスクス

綾乃「は、恥ずかしいこと言わないでよねっ///」

千歳「照れてる綾乃ちゃんもかわええなぁ」ニコニコ

千鶴「だばー…」コソコソ

*----------

千歳「高そうなお店やねぇ」

綾乃「今日は私の奢りだから、心配はノンノンノートルダムよ!」

千歳「でも…」

綾乃「ちょっとした臨時収入があったのよ」バッキン

綾乃「だから遠慮しないで?」ニコッ

千歳「そ、そうなんや…」

千歳(詳しくは聞かんようにしとこ)

店員「いらっしゃいませー」

綾乃「予約していた杉浦ですが…」

店員「杉浦様ですね。こちらのお席へどうぞ~」

店員「ご注文がお決まりになりましたらお呼び下さい」

綾乃「き、緊張するわね…」ソワソワ

千歳「あはは。いつもはファミレスとかファーストフードやもんねぇ」

千歳「でも変に気取らなくてもええんちゃうかな。ウチらはウチらやで!」

綾乃「そ、そうね…」

千歳「それにしても…、高いだけあってどれも美味しそうやね」

綾乃「ええ、目移りしちゃうわ」

千歳「せっかくのデートやし、食べさせあいっこでもする?」

綾乃「た、食べさせあいっこって…///」

綾乃「ま、まぁ千歳が嫌じゃないなら…その…」

千歳「ふふ、ウチは凄く嬉しいで」ニコニコ

綾乃「…と、とりあえず注文しましょう!」

千歳「そやね~。どれにしよう~」

*----------

綾乃「あ、このお肉柔らかくて凄く美味しい…」

千歳「やっぱり雑誌にのるようなレストランは一味違うなぁ」

千歳「はい、綾乃ちゃん。あ~ん」

綾乃「そ、そそそんないきなり…。心の準備が…///」

千歳「ほらほら、あ~ん」ニコニコ

綾乃「あ…」

綾乃「あ~…ん…///」パクッ

千歳「美味しいやろ~?」ニコニコ

綾乃(恥ずかしすぎて味がわからないわ…///)モグモグ

千歳「綾乃ちゃんのお肉も一口食べてみたいなぁ~」

綾乃「え、…そ、そうね。はい…」

千歳「あ~…ん」パクッ

綾乃「…ど、どう…?」

千歳「うん、美味しい~」ニコッ

綾乃「ふふ、良かった…」

千歳「好きな人と美味しいもの食べられて幸せやわぁ」

綾乃「お、大袈裟ね…///」

千歳「素直な気持ちやで?」

千歳「でも、なんだか…」

綾乃「なんだか?」

千歳「…ううん、なんでもあらへん」ニコッ

千歳「ほら綾乃ちゃん。もひとつあ~ん」

綾乃「あ…あ~ん///」パクッ

綾乃「こ、これいつまで続けるの…?///」

千歳「ウチが満足するまで!」キリッ

綾乃「も、もう…恥ずかしいわ…///」

千歳「!!」ピキーン

千歳(あれ、今…?)

綾乃「千歳…?」

千歳「なんでもあらへんよ~。はい、あ~ん」

千鶴「だばだばー…」

あかり「あれ…池田先輩…?」

ちなつ「あ、ホントだ。レストランなんか覗いて何してるんだろう」

あかり「でも、なんだか幸せそうだね~」ニコニコ

ちなつ「そ、そうだね…」

*----------

千歳「これからどうするん?」

綾乃「え、えっと…その…」

綾乃「じ、実は考えてなくて!」

千歳「…そうなんや」

綾乃「ご、ごめんなさい…」シュン

千歳「あはは、前にも言うたやろ?」

千歳「綾乃ちゃんの行き当たりばったりなところも好きやって」

綾乃「そ、そんなこともあったわね…」

千歳「あ、イルミネーション綺麗やで」

綾乃「本当ね…」ウットリ

千歳「周りはやっぱりカップルが多いみたいやねぇ」

綾乃「ふふ、私達だってカップルじゃない」

千歳「そやね…。でも世間的にはどうなんやろ」

綾乃「世間的には、って…」

千歳「ほら、ウチら女の子同士やし…」

千歳「それに綾乃ちゃんには、ウチやなくてもっとぴったりな子が―――」

綾乃「千歳っ」ガバッ

千歳「あ、綾乃ちゃん…?」

綾乃「前に言ってくれたわよね。私の幸せが千歳の幸せだって」

千歳「う、うん…」

綾乃「私は今、千歳と一緒に居られて凄く幸せよ。…千歳は?千歳は違うの?」

千歳「ウチは…」

綾乃「世間が何を言ったって関係ないわ!」




綾乃「私は千歳と一緒に居たいの!」

綾乃「…千歳が、好きなの」


千歳「綾乃ちゃん…」

千歳「ごめんな、ウチ幸せすぎて不安になってもうたみたいや」

綾乃「ううん、障害が多いのはわかってるつもりだから」

綾乃「でもそれこそ行き当たりばったりでいいと思うの」

千歳「そやね。それにウチらはウチらって、さっき自分で言ったことやしね」

綾乃「うん!」

綾乃「そ、それでその…このあとのことなんだけど」

千歳「うん、ほんまはどこ行くか決めてたんよね?」

綾乃「え、えぇ!?」

千歳「んふふ、ヘタレな綾乃ちゃんもかわええ~」ニコニコ

綾乃「も、もう!からかわないでっ///」

千歳「それで、どこ行くん?」

綾乃「わ、わかってて聞いてるんでしょ…?」

千歳「でも綾乃ちゃんの口から聞きたいなぁ~」ニコニコ

綾乃「う…、えと…」

千歳「ファイトファイトファイファイビーチやで!」

綾乃「うぅ…。わ、私の…」

綾乃「私の家、来てくれる…?///」

千歳「」ブシャァ

綾乃「ち、千歳ー!?」

千歳「あ、あれ…なんで鼻血が…」

綾乃「い、いいからティッシュ鼻に詰めて!」

千歳(う、上目使いは反則やで…)

千鶴「」

結衣「ち、千鶴!?」

京子「おお、水溜りができてる…」

結衣「言ってる場合か!!」

千鶴(姉さん…幸せになるんやで…)ガクッ

結衣「千鶴ー!!」

*----------

千歳「綾乃ちゃんの部屋、なんだかいつもと違う感じがするわ~」

綾乃「今日は勉強会じゃないからかしら」

千歳「そやね、恋人になって遊びにきたんやもんね~」ニコニコ

綾乃「お、おおおおお茶淹れてくるわねっ///」

千歳「あっ、手伝うで~」

綾乃「え!?えぇ、…ありがと///」

綾乃「……」ズズズ

千歳「このお茶美味しいなぁ~」

綾乃(これじゃあいつもと変わらないような…)

綾乃(どうしよう東照宮…)

千歳「綾乃ちゃん緊張しとる?」

綾乃「そそそそそんなことないないナイアガラよ!」

千歳「んふふ」ニコニコ

綾乃「な、何か気の利いたこと言おうだなんて考えてないんだからね!?」

千歳「いつもどおりでええよ~」

綾乃「わ、わかってるんだけど…」ズズ…

千歳「えっちなことでも考えてるん?」

綾乃「ぶふぉっ!」ビシャビシャ

千歳「じょ、冗談やで…?」

綾乃「ご、ごめんなさい…」フキフキ

千歳「…うん、ウチのほうこそ変なこと言って…」

綾乃「……」ソワソワ

千歳「…な、なにかテレビでも見よ?」

綾乃「そ、そうね!」

*----------

千歳「……」

綾乃「……」

千歳(まさか恋愛物の映画とは…)

綾乃(余計に気まずいわ…)

*----------

TV「イカナイデリッチィ!!」

TV「スマナイ…。ヤラナケレバイケナイコトガアルンダ…」

TV「ドウシテナノ!?アナタジャナクタッテ!!」

TV「オレヲマッテイルドクシャガイルンダ…。アバヨ…」

千歳「……」

綾乃「……」グス

千歳(綾乃ちゃん…)キュン

千歳「このまま終わってまうのは嫌やね…」

綾乃「そ、そんなの罰金バッキンガムなんだから…」グスグス

*----------

TV「リッチィ!!」

TV「アイシテイルヨ…」

TV「ウレシイ、リッチィ…」

千歳「感動的やねぇ」

綾乃「ええ…」グス

千歳「やっぱりハッピーエンドが一番やね」ニコニコ

綾乃「素敵な映画だったわ…」

千歳「そやね~。綾乃ちゃんと一緒に見られて良かったわ~」ニコ

綾乃「千歳…」ジーン

千歳「あ、そういえばお風呂はどうするん?」

綾乃「さっき沸かしてきたからもう入れると思うけど…」

千歳「一緒に入る?」ニコニコ

綾乃「な、何言ってるのよっ///」

千歳「修学旅行でも一緒に入ったやないの」ニコニコ

綾乃「そ、そうだけど…///」

千歳「背中流したるで!ほら一緒に入ろ?」

綾乃「も、もう…強引なんだからっ」



千鶴「ああ、刻が見える…」ダバー

看護婦「先生!容態が!」

医者「いかん!早く水を!」

*----------

千歳「いいお湯だったわぁ~」ツヤツヤ

綾乃「そ、そうね…///」

千歳「もう遅いし寝る?」

綾乃「明日の予定もあるし、そうしましょう」

千歳「今日は綾乃ちゃんと一緒のベッドで寝たいなぁ~」

綾乃「ま、またからかって…!」

千歳「……」ジィー

綾乃「ほ、本気…?」

千歳「…本気と書いてマジやで」

綾乃「……」ゴク

千歳「あはは、綾乃ちゃん変なこと考えてる?」クスクス

綾乃「へ、変なことって…///」

千歳「ウチらにはまだ早いと思うで~?」ニコニコ

綾乃「わ、わかってるわよっ///」

*----------

綾乃「……千歳、まだ起きてる?」

千歳「…なぁに?綾乃ちゃん」

綾乃「今日は本当にありがとう。凄く楽しかったわ」

千歳「ふふ、それはウチもやで」

綾乃「私、いつも千歳に助けてもらってばかりだけど…」

綾乃「これからも、一緒に居てくれる…?」

千歳「…うんっ」

おしまい!

綾乃と千歳がひたすらイチャイチャするSSが書きたかっただけなんだ・・・
支援ありがとうでした!

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