まどか「ほむらちゃんが失明した」(98)

まどか「いつから見えなくなってたの?」

ほむら「2、3日前から」

まどか「どうして言ってくれなかったの?」

ほむら「心配かけたくなかったから」

まどか「変なところで気遣わないでよ」

ほむら「ごめんなさいもうまどかの顔がほとんど見えないくらいひどいの」

まどか「いいんだよほむらちゃん、私がずっとそばにいてあげる」

ほむら「まどか…」

まどか(…という事は今私がマミさんに跨ってアヘ顔ダブルピースしてるのも見えてない)

まどか「んっ…あん…」

ほむら「まどか!?苦しそうな声あげて…大丈夫?」

まどか「う、うん…」

ほむら「学校までもう少しだから、学校に着いたら保健室に行きましょう?」

まどか「そ、そうだね。」ハァハァ

まどか(登校中なのにマミさんに駅弁スタイルで犯されてるのもほむらちゃんは気づいていない…)ゾクゾク

ほむら「あっ」

ドサ

まどか「大丈夫?ほむらちゃん」

ほむら「うぅ…平気よ」

まどか「手握っててあげるから一緒に歩こう?ね?」

ほむら「助かるわまどか」

まどか「ほむらちゃんそこ階段あるから気をつけて」

ほむら「え?階段?」

ツルッ

ほむら「きゃあ!?」

まどか「危ない」サッ

ゴロゴロ バタッ

ほむら「いた…くない?」

まどか「なんとか間に合ったね」ティヒヒ

ほむら「まどか?あなたまさか私の下敷きに?」

まどか「大丈夫たいしたことないよ」

ほむら「本当に?」オロオロ

まどか「ちょっと足を打っただけだから…」

ズキ

まどか(痛っ)

ほむら「まどか?どこにいるの?いるなら手を握ってくれないかしら?」

まどか「あ、ごめんねほむらちゃん今立つから…」

ズキッ

まどか(足痛い)

さやか「おっはよーまどか」

さやか「どうしたの今日は元気ないね」

さやか「って足に包帯してるじゃん、怪我でもしたの?」

さやか「なるほど階段からねー」

さやか「まどかって結構鈍臭いとこあるよね」

ガチャ

まどか「ただいま」

ほむら「おかえり…」

まどか「ほむらちゃん元気ないよどうしたの?」

ほむら「だってこんな目になってから私まどかに頼りっきりで」

まどか「気にしないで、ほむらちゃんは過去何度も私を助けて来たんでしょ?」

まどか「次は私が助けてあげる番だよ」

ほむら「その…まどかの助けは嬉しいんだけど」

まどか「けど?」

ほむら「あなたにはどうしようもないことが1つだけあるの」

ほむら「これよ」

スッ

まどか「ソウルジェム…」

まどか(うわ真っ黒…)

ほむら「私には分からないからまどかに見てほしいのだけど、どれだけ濁っているのかしら?」

まどか「うん、ちょっと浄化が必要なくらいかな」

ほむら「ホント?ウソは嫌よ?」

まどか「本当だってば」

ほむら「そう、よかった…」

ほむら「てっきり既に真っ黒になっていて手遅れかと思ったわ」

まどか「あのねほむらちゃん確認なんだけど真っ黒になっちゃうとどうなるんだっけ?」

ほむら「私は魔女になり人々を襲うでしょうね」

まどか(どうしよう、ほむらちゃんのソウルジェム早くなんとかしないと大変なことになっちゃうよ)

まどか「グリーフシードはある?」

ほむら「ええ、その辺にいくつか」

まどか「1つ使うね」コツン

シュウウウウ

まどか(ウソ…1つじゃ足りない)

まどか(もう1個使わなきゃ)コツン

スーッ

ほむら「どう?穢れは取れたかしら?」

まどか「う、うん綺麗になったよほむらちゃん」

まどか(って言っても残りのグリーフシードは少ないしこれじゃ長くはもたないよ)

マミ「それで私にグリーフシードを譲ってほしいと?」

まどか「お願いしますマミさん」

マミ「困ったわね、私もそんなに蓄えがあるわけでもないし」

マミ「暁美さんほどの腕ならグリーフシードが足りなくなるとは思えないんだけど」

まどか「その、ほむらちゃん今は怪我をしちゃって」

マミ「わかったわ可愛い後輩のためもんね、いくつか用意してみるわ」

まどか「ありがとうございますマミさん」

まどか(やった、マミさんからたくさんグリーフシード貰っちゃった)

ほむら「まどかーまどかー!」

ほむら「見て見て、魔法で引き金を引くだけで撃てる銃を作ってみたの」

まどか「そうなんだ、すごいね」

まどか(でもそんな銃使えないよ、だって銃の形すらしてないんだもん)

ほむら「これで魔女とも闘えるわ」

ほむら「今まで休んでいた分グリーフシードを稼がなきゃ!」

まどか(無理だよ、ほむらちゃんはもう闘えない)

まどか(せいぜい時を止めることくらいしか…)

ほむら「だからそろそろ外に出たいのだけど」

まどか「分かった、ほむらちゃんがそうしたいのなら…」

コケッ

ほむら「きゃあ!」

まどか「ほむらちゃんそこ段差」

ブロロロロロロ

ほむら「え?なに?」

まどか「車だよ、危ないっ!」サッ

まどか(不安だ)

ほむら「魔女の気配が近いわ、気を付けてねまどか」

まどか(でも今はほむらちゃんのしたいようにしてあげたいし)

まどか(それに私じゃ魔女にすら気付けないんだから仕方ないよね)

バン バン

まどか「違うよほむらちゃんもっと右!」

ほむら「こう?」スッ

まどか「行き過ぎ」

ワラワラ

まどか「もう、ちゃんと狙って」

ほむら「しょうがないじゃないよく見えないんだから」

ヌルッ

まどか「ひいっ」

ほむら「どうしたのまどか?」

まどか「いつのまにか足元に使い間がたくさん…」

ほむら「慌てないで、一匹ずつ倒していけばいいわ」

杏子「…何やってんだ?」

まどか「杏子ちゃん」

杏子「さっさと倒さないなら私が倒しちゃうぜ」タッ

カラン…

杏子「グリーフシードは貰っておくぜ」

まどか「ありがとう杏子ちゃん」

杏子「礼はいらねえよ、それより…」

杏子「おいほむら!」

杏子「さっきは何やってんだよ、お前の力ならあんなやつすぐに倒せただろ?」

まどか「杏子ちゃんそんなに怒らないであげて、ほむらちゃんは…」

杏子「うるせえ!どんな理由があろうと一般人も守れねえってんなら最初から魔女のいる空間に連れて行くんじゃねーよ!」

ほむら「……」

杏子「今日のところはアタシがいたからいいものの、次同じことがあったらどうすんだ?」

まどか「杏子ちゃん」

杏子「お前も、魔法少女じゃないんだからこれ以上闘いについてくんな」

杏子「じゃあな」

ほむら「…」

まどか「ほむらちゃん」

まどか「大丈夫私は気にしてないよ」

まどか「次はもっと意思疎通をしていけばいいんじゃないかな?」

まどか「ちょっとくらいの衝突なんて当たり前だよ」

まどか「だからさ…何か喋ってよ…」

まどか「ほむらちゃん」

ほむら「辛いの…」

まどか「辛い…?」

ほむら「視力を奪われて初めて分かったのよ」

ほむら「人はみな、目に見えるものに頼り過ぎているってことに」

ほむら「私の中のまどかはいつも笑っているけれど」

ほむら「今のあなたは泣いているんじゃないかしら?」

まどか「え?そ、そんなこと…」

ほむら「見えなくてもね、視えるのよ」

ほむら「声も仕草も顔の表情だって全部」

ほむら「それでいいの」

ほむら「感情を出してくれないと私には分からないから」

ほむら「だからそんなに声を震わせないで、素直に泣いてちょうだい」

まどか「ほむらちゃんっ!」ダキッ

ほむら「よしよし」ナデナデ

まどか「私ね、決めたよ」

ほむら「聞いてもいいかしら?」

まどか(さやかちゃんは、上条くんの腕を治したんだよね)

まどか(それなら私だってほむらちゃんを
…)

マミ「ワルプルギスの夜?」

杏子「ああ知ってるぜ」

さやか「キュウベえが言ってた最強の魔女でしょ?」

まどか「うん、ほむらちゃんが言うには1週間後ここに現れるって」

マミ「…暁美さんねえ」

杏子「あれから一度も見なかったな」

さやか「学校にも来てなかったし辞めたのかと思った」

まどか「お願い信じて!ほむらちゃんってちょっと誤解されやすいけど嘘だけは言わないはずたよ!」

マミ「急にそんなこと言われても」

杏子「だったら何で当の本人がここにいないんだ?」

まどか「それは…」

さやか「まどかに言わせるより自分で説明すりゃいいじゃん」

マミ「まさか本当に現れるなんてね…」

杏子「時間も位置もピッタリだ」

さやか「後でほむらにごめんなさいだな」

さやか「で、肝心の2人が来てないんですけど」

マミ「鹿目さんはともかく暁美さんが来ないと作戦の立てようもないわね」

杏子「そん時は当たって砕けろ作戦だな」

さやか「はぁ、これだから単純なバカは」

杏子「何だと!?」

マミ「まあまあ」

………

まどか(どこ?どこなのキュウベえ?)

まどか(急がないとほむらちゃんが)

QB「呼んだかい?まどか」

まどか「キュウベえ」

QB「今忙しいのはまどかにも分かるだろ?話なら手短にお願いするよ」

まどか「私…契約する」

QB「本当かい?」

まどか「こんな時に冗談言えるほど私バカじゃないよ」

QB「そうか、君もこの惨事を見てようやく決心したようだね」

QB「いいだろう願いをいってごらん、どんな願いだって叶えてあげるよ」

まどか「ほむらちゃんの目を治して…」

まどか「ほむらちゃんに光を与えて!」

まどか「絶望じゃない希望を、深い闇じゃなく明るい光を」

まどか「ほむらちゃんに与えてあげて!」

QB「いいのかい?自分のためじゃなく他人のために捧げる祈りなんて」

QB「やれやれ人間というのは理解し難い生き物だね」

まどか「さあ叶えてよ、インキュベータ」

ほむら(ん…眩しい)

ほむら(ここは私の部屋…よね)

ほむら「えっ見えてる!?」

ほむら「ど、どうして急に」

まどか「ほむらちゃん」

ほむら「まどか?」

まどか「よかった、見えるようになったんだね」

ほむら「あなた…その格好」

まどか「ごめんね、契約しちゃった」テヘ

ほむら「そんな…」

まどか「ほむらちゃんは嬉しくない?私がキュウベえも契約したこと」

ほむら「それは」

まどか「私後悔なんてしてないよ、だってほむらちゃんの力になれたんだから」

ほむら「まどか…」

まどか「行こう、みんなワルプルギスの夜と戦ってる」

…………

さやか「終わった」

マミ「鹿目さんと暁美さんが来てからあっという間だったわね」

杏子「っていうかいつの間に契約したんだよ」

まどか「やったねほむらちゃん」ダキッ

ほむら「そうね……」

まどか「あんまり嬉しそうじゃない…」

ほむら「ち、違うの!ワルプルギスの夜を倒せたのはこれが初めてだったから」

まどか「冗談だよ、ちゃんとわかってるって」ダキッ

ほむら「まどか…」

さやか「なんか私達お邪魔?」

マミ「みんなでお茶でもと思ってたけど、やめときましょうか」

杏子「アタシら何のために出てきたんだろうな」

さやか「ホントに見せつけてくれちゃって」

マミ「帰りましょうか」

ほむら「…」

まどか「さっきからどうしたの?」

ほむら「本当にこれで良かったのかなって」

まどか「そっか…ほむらちゃんはまだ納得してないことがあるんだ」

ほむら「そういうことじゃないのだけれど」

まどか「じゃあ何?私が魔法少女になっちゃったから?」

ほむら「それもあるわね」

まどか「うーん、じゃあ戻しちゃう?」

ほむら「え!?」

まどか「今ならまだ間に合うと思うよ」

ほむら「ち、違うわそういうつもりで言ったんじゃないの…」

まどか「私は構わないよ、ほむらちゃんが戻りたいなら止めない」

まどか「ううん、ほむらちゃんに黙って契約した私に止める権利なんて無い」

まどか「時間はないよほむらちゃんどっちにするの?」

ほむら「私は…」

ほむら「決められない」

ほむら「今のまどかも、過去のまどかも全部好き!」

ほむら「分からないよ…私どうすればいいの?」

まどか「ほむらちゃん」

まどか「そんな風に悩むのはね、きっとこんな結末に納得していない証拠だよ」

まどか「だから私はこの時間を無かったことにしたほうがいいと思う」

まどか「いつか私が契約せずにほむらちゃんが納得する結末が来たらその時は」

まどか「バカなわたしを抱きしめてあげてね」

ほむら「約束する」

ほむら「今度こそ絶対に守ってみせるから」

ほむら「私忘れないよ、あなたに助けられた私がいて初めて今の私がいることを!」

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