一夏「昨日ラウラで抜いたんだ」(313)


ラウラ「抜いた?」

一夏「ああ、しかも4回も抜いたんだ」

ラウラ「4回も抜いたのか」

一夏「そうなんだ。ラウラで4回も抜いたんだ」

ラウラ「……」

一夏「……」

ラウラ「で、何を抜いたのだ?」

一夏「そりゃあ……あれだよ」


ラウラ「あれとはなんだ?」

一夏「そんなの恥ずかしくて言えるわけないだろ」

ラウラ「抜くというのは恥ずかしいことなのか?」

一夏「まあ人に見せるものではないな」

ラウラ「刀などを抜くの抜くとは違うのか?」

一夏「全然ちがうよ」

ラウラ「そうなのか」

一夏「……」

ラウラ「……」


一夏「1回目は普通に座ってやったんだ」

ラウラ「どこに座ったんだ?」

一夏「ベットだよ」

一夏「ティッシュボックスを横に添えてね」

ラウラ「ふむ」

一夏「そして一回目が終わったんだ」

一夏「でもまだ臨戦態勢のままだったんだ」

ラウラ「臨戦態勢……それは戦いなのか?」

一夏「まあ戦いとも言えるかな。男の戦い的な」


ラウラ「ISの戦いか?」

一夏「ISは関係ないよ」

一夏「あ、でもそういうのもありかも」

ラウラ「そういうのもありなのか?」

一夏「うん、今度試してみるよ」

ラウラ「で、2回目はどうだったんだ?」

一夏「2回目は1回目の勢いで同じようにやったよ」

ラウラ「ほう」


一夏「2回目も終わった時に今日はもういいやって思ったんだ」

ラウラ「今日は、と言うことは毎日抜いているのか?」

一夏「最近は毎日だね」

ラウラ「そうか……ところで抜くとはなんだ?」

一夏「ごめんなさい、それだけは勘弁してください」

ラウラ「そうか、すまないな」

一夏「うん、分かってくれればいいんだ」


ラウラ「それで、3回目はどうだったんだ?」

一夏「2回目が終わって1時間くらい経った頃……またしたくなったんだ」

ラウラ「ふむ」

一夏「それで3回目は変化をつけて立ってやってみることにしたんだ」

ラウラ「立ってもできるのか」

一夏「また違った面白さがあったよ」

ラウラ「面白いのか」

一夏「うん」


一夏「そしてそのあとお風呂に入ったんだ」

ラウラ「なるほど」

一夏「そしたらまたしたくなったんだ」

ラウラ「4回目か」

一夏「お風呂場でも立ってやったよ」

一夏「でも今回は手じゃなくて腰を動かしてみたんだ」

ラウラ「腰を……何かのトレーニングか?」

一夏「あー、そう言われればそうかもしれないな」

一夏「本番を想定しての予行練習的な」


ラウラ「本番を想定したのか」

一夏「うん、本番を想定したんだ」

ラウラ「……」

一夏「……」

ラウラ「その4回とは多い方なのか?」

一夏「平均的にみるとちょっと多いかもしれないな」

ラウラ「そうか……その抜くというのは私でもできるのか?」

一夏「ラウラにはできないよ」

一夏「でもやり方が違うだけかもしれないぞ」


ラウラ「色々なやり方があるのか?」

一夏「やり方は色々あるけど俺とラウラじゃやり方が根本的に違うんだ」

ラウラ「根本的に……」

一夏「そう、根本的にね」

ラウラ「さっき私で抜いたと言ったな」

一夏「うん、ラウラで4回抜いたよ」


ラウラ「それは誰か人を使ってするものなのか?」

一夏「使うっていうか……想像するっていうか」

ラウラ「想像するのか」

一夏「妄想ともいうかな」

ラウラ「妄想するのか」

一夏「そう、妄想」

ラウラ「……」


一夏「あ、もうこんな時間だ」

ラウラ「そろそろ朝食の時間だな」

一夏「実は今日は休もうかと思うんだ」

ラウラ「ん?なぜだ?」

一夏「実は昨日4回目の時ちょっと腰を振りすぎて痛めちゃったんだ」

ラウラ「結構痛むのか?」

一夏「ちょっと歩くのがきついかな」

ラウラ「そうか……じゃあ仕方ないな」


一夏「みんなにはラウラから言っておいてよ」

ラウラ「わかった」

一夏「じゃあ俺はもうちょっと寝るよ」

ラウラ「……」

一夏「……」

ラウラ「ところで抜くとはなん……」

一夏「早くしないと遅れちゃうよ」

ラウラ「……そうだな」


――食堂

鈴「おはよー」

セシリア「おはようございます」

シャル「ラウラずいぶん早起きだったんだね」

ラウラ「うむ」

箒「ん?一夏はどうした?」

ラウラ「ん、ああ。一夏は今日は休むそうだ」

シャル「え?一夏今日休みなの?」

ラウラ「なんでも腰を痛めたとか言っていたぞ」

セシリア「腰を……心配ですわね」


――朝食中

ラウラ「……」

鈴「でさー」

セシリア「あら、そんなことが」

シャル「一夏大丈夫かなあ」

箒「まったく……一夏とは今日稽古の約束をしていたのに……」ブツブツ

ラウラ「……」

ラウラ「シャルロット、ちょっと聞きたいことがある」

シャル「え?なに?」


ラウラ「抜くとなんだ?」

シャル「抜く?」

ラウラ「そうだ、抜くだ」

シャル「抜くって刀とかを取り出したりすることじゃない?あとテストの点で相手よりいい点を取るとか」

ラウラ「うむ……私もそうだと思ったんだがどうやら違うようなのだ」

シャル「え?」

ラウラ「さっき一夏が昨日私で4回も抜いたとか言っててな」

シャル「!?」

箒「ゴフッ!?」

セシリア「!?」ガタッ

鈴「んなっ!?」


ラウラ「ん?どうした?」

シャル「え!?え!?」

箒「ゲホッ!ゲホッ!」

鈴「え、ちょっ、はあ!?」

セシリア「そ、それ本当に一夏さんから聞いたんですの?」

ラウラ「本人が言ってたぞ」

シャル「え!?え!?」


箒「な、なんでそんな話を今するんだ!」

セシリア「そ、そうですわ!食事中ですわ!」

ラウラ「食事中だとまずいのか?」

鈴「あ、当たり前じゃん!」

ラウラ「そうだったのか……すまなかった」

ラウラ「一夏に抜くの意味を聞いても状況の説明をするばかりで教えてくれなかったんだ」

セシリア「じょ、状況の説明……?」


ラウラ「ああ、1回目はベットに座ってやったとか」

箒「ブフォっ!」

ラウラ「2回目も1回目と同じようにやって3回目は立ってやったとか」

シャル「ええ!?」

ラウラ「4回目は手ではなく腰を動かしたとか」

ラウラ「本番を想定したトレーニングだと言ってたぞ」

鈴「はあ!?ほ、本ば……はあ!?」


ラウラ「そして4回目の時に腰を痛めたと言っていた」

セシリア「い、一夏さん……」

ラウラ「ところでシャルロット、その抜くというのはどういう意味なんだ?」

シャル「え!?ぼ、僕!?」

ラウラ「さっきは知ってそうな雰囲気だったぞ」

シャル「そ、それは……ね、ねえ?箒?」

箒「な、なぜ私に振るんだ!」

ラウラ「ふむ……」


――翌日

一夏「おはようラウラ」

ラウラ「うむ」

一夏「実は昨日はシャルで抜いたんだ」

ラウラ「昨日も抜いたのか」

一夏「ここのところ毎日抜いてるよ」

ラウラ「何回抜いたのだ?」

一夏「昨日は2回だよ」

ラウラ「シャルロットで2回抜いたのか」

一夏「うん」


ラウラ「私の方が2回多いな」

一夏「まあね」

ラウラ「ふむ」

一夏「1回目はベットに仰向けになってやったんだ」

ラウラ「仰向けでもできるのか」

一夏「足を伸ばして抜いたらどうなるか試してみたんだ」

ラウラ「どうなったんだ?」

一夏「解放感があってよかったよ」

ラウラ「解放感か……2回目はどうだったんだ?」

一夏「2回目は椅子に座って、さらに机に足を乗っけてみたんだ」


ラウラ「また足を伸ばして抜いたのか?」

一夏「うん、これもまた違った良さがあったよ」

ラウラ「色々なやり方があるのだな」

一夏「まあ十人十色と言うように人の数だけやり方があると思うんだ」

一夏「可能性は無限大さ」

ラウラ「哲学的なのだな」

一夏「永遠に答えのでない哲学さ」

ラウラ「奥が深いのだな……」


一夏「ところで今日も休もうと思うんだ」

ラウラ「今日もか?昨日も休んだではないか」

一夏「新たな方法を模索していたらいつの間にか夜が明けててさ」

一夏「このままじゃ授業中に倒れちゃいそうだよ」

ラウラ「それなら仕方ないな」

一夏「うん、じゃあ俺は寝るよ」

ラウラ「わかった……ところで抜くとは……」

一夏「ぐごー」

ラウラ「……」


――朝食

鈴「でさー」

セシリア「その話昨日も聞きましたわ」

箒「ん?一夏がいないな」

ラウラ「今日も休むとか言ってたぞ」

シャル「え?今日も休み?」

ラウラ「考え事をしていて夜眠れなかったそうだ」

箒「まったくだらしないな……」


ラウラ「そういえば昨日はシャルロットで2回抜いたとか言っていたな」

シャル「ブフォッ!?」

箒「んな!?」

鈴「はあ!?」

セシリア「またその話ですの!?」

シャル「ね、ねえラウラ。それってホントに一夏が言ってたの?」

ラウラ「本当だ」

ラウラ「私より2回少ないなという話もしたぞ」

シャル「え?」ピクッ


ラウラ「私が4回でシャルロットが2回だそうだ」

シャル「へ、へえ~……」

箒「い、一夏のやつ、なんて破廉恥な真似を……!」ブツブツ

鈴「ていうかなんでラウラは一夏とそんな話しをしてるわけ!?」

セシリア「そうですわ!おかしいですわ!」

ラウラ「いや、話すというよりほとんど一夏が一方的に話してくるのだ」

ラウラ「相変わらず抜くの意味は教えてくれないがな」

箒「……」


ラウラ「1回目は仰向けになって抜いたそうだ」

セシリア「あ、仰向け……」

ラウラ「2回目は椅子に座り机に足を上げたそうだ」

鈴(なんなのこの会話……)

ラウラ「あ、私が4回でシャルロットが2回と言うのも聞いた」

シャル「……」

シャル「ねえラウラ……どうしてそこを何回も言うの?」

ラウラ「ん?私は真実を言っただけだぞ」

シャル「……そうなんだ」

ラウラ「う~ん……抜くとはいったいどういう意味なんだ……」

シャル「……」


――翌日

ラウラ「昨日も抜いたのか?」

一夏「抜いたよ。セシリアで3回抜いたんだ」

ラウラ「昨日はセシリアだったのか。しかもシャルロットより1回多いな」

一夏「そうなんだ。しかも昨日は初めて道具を使ってみたんだ」

ラウラ「道具?」

一夏「うん。ネットで取り寄せたんだ」

ラウラ「ネットで取り寄せられるのか。世の中便利になったものだな」

一夏「本当だよな」


ラウラ「で、その道具でどのようにしたのだ?」

一夏「通常の使用法に則ってやったよ」

ラウラ「どうなったんだ?」

一夏「新しい世界が開けたよ」

ラウラ「新しい世界だと?」

一夏「何というか……明治維新が起こった当時の人たちの心境が分かった気がしたんだ」

ラウラ「そんなに歴史的なことだったのか」

一夏「そうなんだ」


ラウラ「それで?そのあとは?」

一夏「1回目が終わったあと2回目、3回目と続けてやったんだ」

ラウラ「連続でやったのか」

一夏「うん、でもちょっと刺激が強すぎたみたいでさ」

一夏「それ以上続けることができなかったんだ」

ラウラ「その道具にそこまでの力が……」


一夏「ほんとびっくりしたよ」

一夏「下半身の震えがいまだに収まらないんだ」ガタガタガタ

ラウラ「だからさっきから震えていたのか」

一夏「これじゃあ授業に出てもみんなに迷惑がかかるから今日は休もうと思うんだ」

ラウラ「それなら仕方ないな」

一夏「しばらく休めば大丈夫だと思うよ」

ラウラ「そうか……ところで」

一夏「ぶあーっくしょい!!!ちくしょっ!!」

ラウラ「……」

つうかこんなに休んだら千冬さんに何か言われそうな気もするのだが
一夏大丈夫なのだろうか


――食堂

鈴「でさー」

セシリア「しつこいですわ」

箒「一夏は今日もいないのか!?」

ラウラ「なんでも震えが止まらないとか言ってたな」

シャル「震え?風邪かなあ?」

ラウラ「おもに下半身の震えだそうだ」

箒「え?」

ラウラ「あと昨日はセシリアで3回抜いたとか言ってたな」

セシリア「ええ!?」

シャル「さ、3回!?」

>>127

千冬「一夏、最近たるんで……」

一夏「昨日は千冬姉で一六回抜いたんだ」

千冬「」


ラウラ「ああ、今回は初めて道具を使ったそうだ」

鈴「ど、道具!?」

箒「一夏め、いつの間にそんなものを……!」

セシリア「い、一夏さんが私でさ、3回……」

ラウラ「ああ、私が4回でシャルロットが2回、そしてセシリアが3回だ」

ラウラ「私が一番多いな」

セシリア「ぐぬぬ……」

シャル「ぐぬぬ……」

セシリア(で、でもシャルロットさんよりは上ですわね……)

箒「……」

鈴「……」

ラウラ「う~ん……謎は深まるばかりだ」


――翌日

一夏「おはようラウラ」

ラウラ「おはよう一夏」

ラウラ「それで、昨日は抜いたのか?」

一夏「実はそのことなんだけどね……」

ラウラ「ん?どうした?」

一夏「昨日は箒で抜こうと思ったんだ」

ラウラ「昨日は箒か」

一夏「でも……抜いてる途中でちょっと具合が悪くなっちゃったんだ」

ラウラ「なんだと?」


一夏「だから最後までできずに途中でやめちゃったんだ」

ラウラ「そうだったのか……前にもこういうことはあったのか?」

一夏「いや、はじめてだよ」

一夏「だから俺もちょっと驚いてるんだ」

ラウラ「何が原因なんだ?」

一夏「俺にも分からないんだ……」

ラウラ「原因不明か……」

一夏「なんか怖いよな……見えざる力がはたらいているのかもしれない……」

ラウラ「うーむ……」

一夏「まだちょっと体調悪いから今日は休もうと思うんだ」

ラウラ「それならしかたないな」

一夏「じゃあ俺は寝るよ」

ラウラ「……」


――食堂

箒「……」ソワソワ

鈴「……」ソワソワ

セシリア「い、一夏さんは今日もいないのですわね」

シャル「ね、ねえラウラ」

ラウラ「ん?なんだ?」

シャル「今日は一夏と話したの?」

ラウラ「話したぞ。昨日は箒で抜いたとか言ってたぞ」

鈴「はあ!?」

箒「ほ、本当か!?」


箒「他にはなんて言っていた!?」

ラウラ「それがいつもとちょっと様子が違くてな」

シャル「様子がちがう?」

ラウラ「うむ、具合が悪くなって途中で抜くのをやめてしまったそうだ」

箒「は!?」

箒「な、なんだそれは!?」

ラウラ「箒で抜いたら具合が悪くなったそうだ」

箒「本当に一夏がそういったのか!?」

ラウラ「私が話していることはすべて真実だ」


箒「ふ、ふざけるな!!なんで私で具合が悪くなるんだ!!!」ガンガン

シャル「ほ、箒落ち着きなよ」ニヤニヤ

セシリア「そうですわ、食事中ですのよ」ニヤニヤ

ラウラ「途中でやめたとすると箒は0回ということになるのか?」

箒「うわあああああ!」

シャル「あははっ」

セシリア「あらあら」

ラウラ「私が4回でセシリアが3回、シャルロットが2回、そして箒が0回だな」

シャル「……」ムカッ

セシリア「……」ムカッ

箒「うるさあい!」

鈴「……」


――翌日

一夏「ラウラ……大事な話があるんだ」

ラウラ「なんだ急に改まって」

一夏「実は……抜くのをしばらくやめようと思うんだ」

ラウラ「抜くのをやめる?」

一夏「そうだ」

ラウラ「どうして急にそんなことを?」


一夏「この前抜くというのは哲学的なものだと話したのを覚えているか?」

ラウラ「もちろんだ。永遠に答えの出ないものだと」

一夏「そう……答えは永遠に出ない……」

一夏「でもそれに近い何かをつかむことはできるかも知れないんだ」

ラウラ「ほう」

一夏「しばらく抜くということから距離を置いてみるんだ」

一夏「そうすれば今まで気付けなかったことに気づけるかもしれない」

一夏「そして再びステージに立ったとき、新たな世界が広がるかもしれない」


ラウラ「もしそれが果たされた時には何が起こる?」

一夏「正直いって俺にも予測はつかない」

一夏「もしかしたら俺はパンドラの箱を開けようとしているのかもしれない」

一夏「でも……やらないで後悔するよりやって後悔したい」

ラウラ「一夏……」

一夏「と言うわけで俺はしばらく抜くのをやめる」

ラウラ「よし!よく覚悟した!それでこそ私の嫁だ!」

一夏「ああ!ありがとうラウラ!」

一夏「と言うわけで俺はしばらく休むよ」


――食堂

シャル「……」

セシリア「……」

箒「……」

鈴「……」ドキドキ

ラウラ「……」モグモグ

ラウラ「そういえば一夏がな」

シャルセシリア箒「!?」

鈴(きたっ!)

ラウラ「抜くのをしばらくやめるとか言っていたぞ」

鈴「は?」


シャル「し、しばらく……」

セシリア「やめる……?」

箒「な、なんだと……」

鈴「え?なにそれ」

ラウラ「そのままの意味だ。しばらくやめるそうだ」

鈴「へ、へえ~……」


鈴「ところで私のことはなにか言ってなかった?」

ラウラ「ん?いや、特に何もいってなかったぞ」

鈴「へ?あっ、ふ~ん……?え?え?」

箒(え?私のせい……なのか……?)

ラウラ「私が4回でセシリアが3回、シャルロットが2回で箒が0回だ」

シャル「……」ムカッ

セシリア「……」ムカッ

ラウラ「相変わらず抜くの意味は分からんがな」

鈴「……」


~3日目~

一夏「まだ大丈夫……」


~1週間目~

一夏「くっ!抜きたい!!」ソワソワ

ラウラ「大丈夫か?」

一夏「あ、ああ。なんとか……」


~2週間目~

一夏「おお……お、おお……」

一夏「まだだ……まだだ……」


~3週間目~

一夏「ひょ……」

ラウラ「ひょ?」

一夏「ひょおおおおおおおおお!」ガンガン

ラウラ「お、おい一夏……?」

一夏「ひゅうううぅぅぅぅううううぅぅぅぅぅぅ」

ラウラ「な、なんだこれは……」


~1ヶ月目~

一夏「ら、ラウ……ラ……」

ラウラ「どうした?」

一夏「お、俺は……もう……限界だ……」

ラウラ「相当辛そうだぞ」

一夏「近いうちに……抜いてしまうかもしれない……」

ラウラ「抜いて楽になるならそうしたほうがいい」

一夏「そ、そうか……はは……はははは……」


――数日後

ラウラ「おい!一夏!中にいるのか!?」ガンガン

鈴「どうしたの?」

ラウラ「鈴か!一夏が部屋から出てこないんだ」

ラウラ「鍵も閉まってる」

ラウラ「返事も全くない!」

鈴「な、何かあったのかな……?」

シャル「ラウラ!合鍵借りてきたよ!」

ラウラ「よし!開けるぞ!」


――――

シャル「一夏!」

ラウラ「う!なんだこの匂いは!?」

鈴「奥で倒れてる!」

ラウラ「おい!一夏!返事をしろ!」

シャル「ぼ、僕先生を呼んでくる!」

鈴「ちょ、ちょっと一夏!」バシバシ

ラウラ「し、死んでる……」

鈴「え?」


ラウラ「脈がない……し、心臓も……」

鈴「そ、そんな……」

ラウラ「よ、嫁ええええええええええ!」

鈴「一夏あああああああああ!」


一夏は自室で死亡していた。

しかしその死因は公開されることはなく、一夏と親しかった人物もそれに触れることはなかった。

目撃者の証言によると白く濁った粘り気のある液体でダイイングメッセージが残されていたという。


        「千冬ねえ 34」


この事件をきっかけにラウラは「抜く」と言う言葉に恐怖の念を抱くようになった。

意味も分からないままその言葉におびえて暮らすことになったのであった


                               終劇

ISSS難しかった……
付き合ってくれてありがとう


やはりアネニーか……

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