衛宮低
セイバー「はい?何か言いましたか?」
士郎「いや、だからさ、セイバーは運がいいだろ?それで勝てないかなって」
凛「あんたねえ・・・サーヴァントをなんだと思ってんの?大体ギャンブルなんてのは碌な目に合わないって相場が決まってんのよ」
セイバー「ところでその『すろっと』とは何なのでしょう?」
士郎「まあ遠坂が言った通りギャンブルなんだけどさ」
セイバー「私の時代にも賭け事はありましたが、ギャンブルは身を滅ぼしますよ」
凛「そうそう。それに士郎らしくないじゃない。急ぎのお金でも必要なの?」
士郎「・・・ないんだ」
凛「なに?聞こえないわよ」
士郎「もう食費が、光熱費が、その他諸々の生活費がないんだよ、主に食費が!」
セイバー「・・・」
凛「・・・」
士郎「大勢住み着いてるっていうのにまともに生活費を入れてくれてるのがライダーとバゼットだけじゃ限界なんだ・・・」
凛「た、確かバゼットってかなりのお金持ちじゃなかったっけ?相談してみたらどうかしら?」
士郎「バゼットが此処で生活するにはもう充分な額を貰ってる。これ以上なんて言えないだろ」
セイバー「士郎!やはり私も働きに出ます!マスターである貴方に頼りっきりでは騎士の名が廃る!」
士郎(セイバーに仕事なんて無理だ・・・)
凛(あの性格じゃ仕事なんて無理ね・・・)
士郎「セイバーの仕事の話は置いといて、やはりここはギャンブルしかないと思う」
凛「そうね。で、どうなのセイバー(このままじゃ私にも生活費入れろって言ってきかねないし仕方ないわね)」
セイバー「戦闘以外でも幸運が発動するかはわかりません。そもそも私は自分が幸運だなどと感じたことがないのですが」
士郎「持ってる人間は持ってることが当たり前だから気付かないとか?」
凛(家で食っちゃ寝してるだけで美味しいご飯が出てくる環境に居候出来てるんだから幸運だと思うけど)
士郎「考えててもわからないな。物は試しだ、ちょっと行ってみよう」
凛「ちょっとちょっと、大丈夫なの?これで負けたりしたら・・・」
士郎「試しって言っただろ?これから行くのは5スロだ」
セイバー「・・・5スロ?」
士郎「ああ、普通のスロットは1枚20円で借りるんだが5スロってのは1枚5円で借りるんだ」
凛「負けたとしても4分の1で済むのね」
士郎「ただし勝った時の喜びも4分の1だ」
セイバー「しかし私の幸運スキルを試すのには打って付けというわけですね」
駅前パチンコ店
セイバー「駅前にこのような施設があったのですね」
凛「初めてきたから緊張するわね」
士郎「じゃあここで並んで打つか。俺が説明しながらになるから二人は両隣に座ってくれ」
凛「押忍!番長2・・・なんか男臭い台ね」
セイバー「では私は士郎の左側に」
凛「あーら衛宮くん。両手に花状態じゃない」
士郎「ここは真剣勝負の場だ。そんなこと言ってる場合じゃない、真面目にやりたまえ」
凛「・・・アーチャー?」
士郎「まずはこのサンドに千円札を入れる」ウィーン
士郎「そうするとここを伝ってメダルが出てくる」ジャラジャラジャラ
凛「へー、面白そう。じゃあ私も」ウィーン
士郎「馬鹿、遠坂!」
凛「え?なになに?って、何これ」ジャラジャラチャリーンチャリーン
士郎「早くそいつを下皿に向けろ―!」
セイバー「スロット・・・一筋縄ではいかなそうですね」
士郎「簡単に打ち方の説明・・・というかスロット台の扱い方を説明するぞ」
士郎「と言っても使うのはメダル投入口、MAXBETボタン、レバー、停止ボタン、これだけだ」
凛「思ってたより簡単なのね」
セイバー「そうですね。これなら私にもなんとかなりそうです」
士郎「じゃあ次に番長の打ち方を説明するぞ」
凛「!?」
セイバー「どういうことです士郎。貴方は今さっき打ち方の説明をしたはずだ」
士郎「さっきのはスロット台の説明。スロットってのは台によって打ち方が変わるんだ」
セイバー「やはり一筋縄ではいかなかったか・・・」
凛「あーやばい。覚え切れるかなあ」
士郎「心配しなくても今の台はどれも簡単さ」チャリチャリチャリ・・・トゥルン
士郎「左のリールにはBAR、この黒い絵柄を枠上~上段に狙う」タン
凛「何よ。一番下に止まっちゃってるじゃない」
セイバー「この程度のスピードについて行けないとは・・・私のマスターにあるまじきことです」
士郎「・・・こういう仕様なんだよ」
凛「またまた。言い訳しちゃって。目押しとかビタ押しとか言うのがあるってことくらい知ってるんだから」
セイバー「士郎、失敗は誰にでもあることです。しかしそれを認めないというのは見苦しいですよ」
士郎(説明するの面倒だなあ・・・)
士郎説明中
凛「なるほどね。スロット内部でその役に当選したときじゃないと揃えられないと」
セイバー「狙ってどうにかなるものではなかったのですね」
士郎「そういうこと。じゃあ早速打ってみるか」
凛「待ってました。さあやりましょう」
セイバー「士郎、ご教授お願いします」
士郎「といってもチェリーとかスイカのレア子役を引くまでは何もないけどな」
バンチョーカミズモー
凛「!?・・・セイバーもう何か引いたの?」
セイバー「はい、チェリーを引きました」
士郎「ちゃんと全リール目押ししたか?」
セイバー「もちろんです。左から下段、中段、下段にチェリーが止まりました」
士郎(おいおいおい早速強チェリーかよ。これは幸運スキルに期待できそうだな)
アタイノカチサー
セイバー「負けてしまいましたね。私の約束された勝利の剣ならあんな紙屑など木っ端微塵にできるのに」
士郎「いや、まだわからないぞ。MAXBETを押したときに復活パターンになったり特訓モードに行ったりするからな」
セイバー「そうなのですか?では諦めずに・・・」パシッ
トックンカイシー
凛「セイバーのところだけ楽しそうねー。私なんてベルとリプレイしか来ないわよ」
士郎「俺のところもだ。というかこれが普通だ」
セイバー「士郎、なにやら女性が出てきました」
士郎「ああ、マチコ先生は鉄骨降らしてくれるから期待度うp・・・それ操や」
ボーナスカクテイヨ
士郎「ボーナス中は押し順ナビが出るからそれに従うだけだ。ナビが無い場合は通常時と同じ打ち方で大丈夫」
セイバー「わかりました」
凛「ねえねえ士郎。スイカまで滑ったのに揃わなかったんだけど」
士郎「それはチャンス目だな」
凛「こっちもボーナスが来るってこと?」
士郎「どうだろうな。俺はあんまり期待しないようにしてるけど・・・遠坂それ・・・」
凛「えっなに?確定?確定なの?」
士郎「スイカ取りこぼし・・・目押しミスってる」
凛「・・・」
士郎「セイバーの方もARTは引けずに終了か」
セイバー「申し訳ありません。私の力が及ばなかったせいで」
凛「台が悪いのよ台が!私の台なんていまだにレア子役が1回も来ないわよ」
セイバー「凛、落ちついて下さい」
凛「落ちついていられるわけないでしょ。卓球も紙相撲も椅子取りもカルタも水泳もみんなみんな負け続きじゃない」
凛「番長だったら拳で語りなさいよ!」
士郎「無茶苦茶言うなよ・・・」
士郎「でも俺の台もダメだな。まあここはセイバーの引きに期待しよう」
凛「そうね。3人のトータルで勝ってれば問題ないんだし」
セイバー「あまり期待されても困るのですが・・・あれ?」
士郎「どうした?また何か引いたのか?」
セイバー「い、いえ、レバーを叩いたのにリールが回らなくて」
凛「セイバー、お店の物を壊すなんて・・・」
士郎「ふ、ふ、ふ・・・」
凛「なに変な笑い方してんの?どこかのラスボス?」
士郎「フリーズだよフリーズ!約16000分の1だ!パネエ!セイバーさんパネエ!」
凛「士郎キャラ変わってるわよ、落ち着きなさい」
セイバー「こ、これは一体何が起きるんですか?リールが逆向きに・・・回ってる?」
士郎「超番長ボーナス・・・400毎オーバーのボーナス+ART+天国確定・・・最低でも2000枚は期待できる」
凛「最低でもって・・・もっと出たりするの?」
士郎「あとはART中の引き次第だが・・・セイバーなら万枚も狙えそうだな」
セイバー「そんなに出ることもあるのですか?」
士郎「オープンから閉店までずっとARTに入ったままなんて台も稀にあるくらいだ」
凛「本番は1枚20円とか言ってたわよね・・・それって1日で20万以上の勝ちってこと?そんなに美味しい話があるの?」
士郎「自分の台の状況を見て物を言えよ・・・」
凛「なによ、士郎だって何もいいとこないくせに」
セイバー「まあまあ落ち着いて。凛もすぐに引きますよ。ギャンブルと言っても遊戯なのだから全く引かない筈はない」
凛「そうよね。そうじゃないとお客さん来なくなっちゃうもんね」
士郎(全く引けないのに懲りずに打ちに来るんだよ・・・スロッターって奴らは)
閉店30前
士郎「8000枚か、午後から来たこと考えたら充分過ぎる結果だな」
セイバー「士郎、スロットとは楽しいですね!是非また連れて来ていただきたい」
凛「900・・・バケ・・・900・・・バケ・・・そんなにハマるなら天井まで行きなさいよ・・・」
士郎「遠坂、気をしっかり持て。よくあることだ」
凛「あんなことが・・・よくある?スロット怖い、スロット怖い・・・」
セイバー「重症ですね」
士郎「セイバーが出してただけに余計きつかったんだろうな」
衛宮家
凛「結論から言ってギャンブルはやっぱり身を滅ぼすと思うわ」
士郎「自分が大ハマリ喰らったからってそんな・・・」
セイバー「士郎、凛の言う通りです。私が今日勝ったのも偶然。ギャンブルの勝利は偶然として受け止めるべきです」
凛「どこぞの金ピカだったら常勝でしょうけどね」
士郎「そうだな。やっぱりギャンブルに頼って生活するなんて良くないよな」
セイバー「そうです。大体この掲示板は18歳未満の利用者が多い。変に興味を持たれても困ります」
凛「スロットに行くなら18歳になってからね」
士郎「>>1は明日有給を使って朝一から北斗を打ちに行くのでそろそろ寝るそうです」
おしまい
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