櫻子「我慢できない」(78)

櫻子「向日葵っ向日葵っ」

向日葵「どうしたんですの、櫻子?」

櫻子「抱きしめて、お願い」

向日葵「こ、こんな所で!?」

櫻子「我慢できない」

向日葵「もう、しょうがないですわね」ギュ

櫻子「あっ」

向日葵「最近、感覚が短くなってますわよ」ギュウ

櫻子「えへへ」ギュ

向日葵「もう……」

櫻子「ごめんね」

向日葵「いいえ、謝らなくていいですわ、私も櫻子を抱擁したいですもの」

櫻子「うん、知ってる」

向日葵「///」

櫻子「よし、この辺で止めておかないと……ね」

向日葵「そうですわね、さあいつもの私たちに戻りますわよ」

櫻子「うん、すーはーすーはー……ん」

櫻子「向日葵には負けないもんっ」

向日葵「副会長になるのは私ですわ」

櫻子「向日葵っ向日葵っ」

向日葵「どうしたんですの、櫻子?」

櫻子「抱きしめて、お願い」

向日葵「またですの?」

櫻子「我慢できない」

向日葵「流石に感覚が短すぎますわよ」

櫻子「うん……そうだよね、忘れて……」

向日葵「あ……しょ、しょうがないですわね、今回だけ特別ですわよ」

櫻子「えへへ、ありがと」ギュ

ガサッ

さくひま「っ」

\ナッモリーン/

櫻子「なんだ、くらげか……よかった」

向日葵「こんなところ人には見せられないですものね」

櫻子「じゃあ、続き……」

向日葵「櫻子」ギュ

櫻子「向日葵」ギュ

櫻子「向日葵のおっぱい、ふかふかしてて気持ちいい」

向日葵「櫻子のウェーブのかかった髪もふわふわで触り心地いいですわ」

櫻子「えへへ、もっと触って?」

向日葵「ふふ、ブラシでもあればよかったのですけど」サワサワ

櫻子「えへへ、気持ちいいよ向日葵」

向日葵「はい、おしまいですわ」

櫻子「ふう……おっぱい禁止」ポヨン

向日葵「何しやがりますの!」

櫻子「バカ向日葵!」

向日葵「バカ櫻子!」

あかり「二人はとっても仲がいいね」

ちなつ「そうかな?」

あかり「うん、とっても仲良しだよぉ」

櫻子「バカ向日葵!」

向日葵「バカ櫻子!」

櫻子「宿題が終わんないし手伝って」

向日葵「あなた頭悪いですものね」

櫻子「なんだと!」

向日葵「だから私が教えてあげますわ」

櫻子「向日葵……」

向日葵「櫻子」

櫻子「楓がいるから」

向日葵「あ……こほん、櫻子宿題くらい自分でやりなさい」

櫻子「向日葵に言われなくてもわかってるよ」

向日葵「そういえば、どうして櫻子は生徒会に入ったんですの?」

櫻子「……向日葵が生徒会に入るって言ったから」

向日葵「えっ///」

櫻子「むしろ私のほうが向日葵が生徒会に入った理由を知りたいんだけど」

向日葵「それは……」

櫻子「あ、わかった! 受験のためだな、せこいな向日葵は」

向日葵「違いますわよ!」

櫻子「じゃあなんでさ」

向日葵「……秘密ですわ」

櫻子「ケチケチ女、妖怪ケチケチ」

向日葵「その口ねじ切りますわよ」

櫻子「先輩たちが修学旅行に行ってしまった」

向日葵「そうですわね」

櫻子「私も旅行行きたい!」

向日葵「まったく子供ですわね……誰と行くんですの?」

櫻子「向日葵とに決まってるじゃん」

向日葵「わぁ」パァ

櫻子「えへへ」

櫻子「でもお金ないし自分の足で遠くまで行くの」

向日葵「遠足? 櫻子と二人っきりで、ふふ」

向日葵「結構遠くまで来ましたわね」

櫻子「楽しいね、向日葵」

向日葵「歩くだけでも櫻子と一緒なら」

櫻子「えっへへ」

向日葵「なにか新しい発見はありまして?」

櫻子「うむ、長谷川家が八軒、沼田家が六軒、柴田家が五軒あった」

向日葵「そう……」

櫻子「どうでもよさそうだな」

向日葵「櫻子のこと以外はどうでもいいですわ」

櫻子「知ってる」

向日葵「お腹すいて来ましたわ」

櫻子「じゃあこれ」

向日葵「おにぎりですわね」

櫻子「中はおかかだよ」

向日葵「わぁ」パァ

櫻子「はい」

向日葵「ふふ……ぱくっ」

向日葵「……甘じょっぱい」ダー

櫻子「なに!?」

櫻子「砂糖と塩間違えた」

向日葵「おかかの塩気が混じって、阿鼻叫喚ですわ……」

櫻子「いや、でもこれはこれで現代人に不足しがちな塩分と糖分を同時に摂取できる」

櫻子「総合健康食といえないだろうか、テレビで栄養の大道芸や~って絶賛するレベル」

向日葵「何言ってますの……」

櫻子「向日葵! 抱きしめて!」

向日葵「何誤魔化してますの!?」

櫻子「我慢できない」

向日葵「も、もう……しょうがないですわね」ギュ

櫻子「えへへ」ギュ

向日葵「誰もいない……ですわね」

櫻子「うん」

向日葵「普段出来ない分たっぷり堪能しますわよ」

櫻子「いいよ、向日葵」

向日葵「空腹なんて何のそのですわ」ギュ

櫻子「向日葵の匂いだ」クンクン

向日葵「すー……櫻子の匂いで鼻孔一杯にして……」

向日葵「は……ぁ……くらくらしますわ」

櫻子「私も、私の中で向日葵が一杯になって幸せ」

櫻子「ほっぺたスリスリしていい?」

向日葵「そんなこと聞く必要ないですわよ、櫻子のことは全部受け入れますわ」

櫻子「えへへ」スリスリ

向日葵「櫻子っ櫻子っ」ギュウゥ

櫻子「ちょっと、苦しい」

向日葵「櫻子櫻子、す―――」

櫻子「ダメ、ダメだよ向日葵、それ以上言っちゃダメ」

向日葵「あ……そう、でしたわね」

ガサッ

さくひま「っ」

あかり「あれー、櫻子ちゃんに向日葵ちゃん、何してるの?」

櫻子「あ、あかりちゃん、これはその……」

向日葵「ちょっとした旅行ですわ」

あかり「へー楽しそうだね、二人とも仲良しだね」

向日葵「なぁ!? 別に櫻子とは仲良しじゃありませんわ!」

櫻子「誰が向日葵なんかと!」

あかり「そうかなー? あ、あかりもういくね、バイバイ」

さくひま「……」

向日葵「私たちも帰りましょうか」

櫻子「そうだね」

向日葵「マフラーをですか?」

ちなつ「うん、向日葵ちゃんなら作れるかなって」

向日葵「まあ作れますけど……櫻子にプレゼントしたこともあるし」

ちなつ「え、何?」

向日葵「い、いえ」

ちなつ「結衣先輩に作ってあげたいの、教えてくれない?」

向日葵「私でよければもちろんですわ」

櫻子「向日葵大変なの!」

櫻子「宿題がうおおおおおおお」

向日葵「櫻子、ごめんなさい先約が出来てしまいましたわ」

ちなつ「ごめんね櫻子ちゃん」

櫻子「向日葵?」

向日葵「今日も吉川さんと予定がありますわ」

櫻子「向日葵………………大丈夫?」

…………

向日葵「はあぁぁぁぁ……」

ちなつ「ど、どうしたの向日葵ちゃん、そんな大きな溜め息ついて」

向日葵「櫻子分が不足してますわ……」

ちなつ「ええ?」

向日葵「櫻子分が足りなくなると疲労や集中力思考力の低下等の症状が現れますわ」

ちなつ「櫻子分は櫻子ちゃんに含まれているの?」

向日葵「当たり前ですわ」

ちなつ「……わかる、わかるよその気持ち、私も定期的に結衣先輩分が不足するもん」

向日葵「わかってくれますの? ふふふ……」

ちなつ「ふふふ……」

ちなつ「向日葵ちゃんは櫻子ちゃんのことが好きだったんだね」

向日葵「すっ……ち、違いますわ」

ちなつ「違うの?」

向日葵「そうですわ、違いますの、そうじゃない、そうじゃないんですの」

ちなち「うーん、そんな事ないと思うけどな、気付いてないだけとか」

向日葵「そんなことあってはいけないんですのよ……」

ちなつ「どうしてそんなに否定するの?」

向日葵「だって、私と櫻子は……」

ちなつ「嘘、無理してるよ向日葵ちゃん」

向日葵「そんな、無理だなんて」

ちなつ「櫻子ちゃん分が不足するぐらいだもん」

ちなつ「きっと私が結衣先輩を好きなぐらい、向日葵ちゃんは櫻子ちゃんが好きなんだよ」

向日葵「……」

向日葵「……でも、それはいけないこと何ですのよ、女のコ同士なんて」

ちなつ「女のコ同士だったらいけない?」

ちなつ「私は、結衣先輩が好き……それに、京子先輩も私のこと好きって言ってくれてる」

ちなつ「向日葵ちゃんにそんなこと言われたら、それを全部否定されてるみたい」

向日葵「あ……」

ちなつ「そんなにいけないことなのかな、女の子が女の子を好きになって、何がいけないの?」

ちなつ「他のことなんてどうでもいい、大切なのは自分の気持だよ、私はそう思う」

向日葵「自分の気持ち……だったら私は、私は櫻子を好きでもいいんですの?」

向日葵「櫻子に好きだと伝えてもいいんですの?」

ちなつ「うん!」

向日葵「私、しないといけないことが出来ましたわ」

ちなつ「いってらっしゃい、頑張って!」

向日葵「ありがとう」

婚姻届を二人で書いた

さくらこ「夫になる人だって、妻になる人に書き換えちゃえ」

親に見せた

あなたたち仲がいいわね

両方共妻になる人なのね

ひまわり「さーちゃんと結婚するの」

優しく諭される、女同士では結婚は出来ないと

ひまわり「そうなの……だめなことなのかな……?」

私は櫻子に―――

ひまわり「さーちゃん……」

さくらこ「どうしたのひまちゃん?」

ひまわり「あのねさーちゃん、これからはさーちゃんのこと櫻子って呼ぶようにするね」

さくらこ「え、どうして?」

さくらこ「わかった、マタニティブルーって奴だ!」

ひまわり「違うと思う……あのね、私たち結婚出来ないって言われた」

さくらこ「そうなんだ……ひまちゃんと結婚出来ないんだ……」

ひまわり「うん、気持ちの整理をしたい……だから、さ、櫻子も私のことは向日葵って呼んで?」

さくらこ「うん、わかった向日葵」

その日から私は好きを封印した

櫻子「向日葵がいないと暇だな」

櫻子「することない……勉強でもするか」

櫻子「面白くない……」

花子「櫻子、ちょっと勉強見て欲しいし」

櫻子「待ってて今行く、テレビ見ながらでもいい?」

花子「別にいいし」

櫻子「あ、ドラマの再放送だ、懐かしいな」

翌日

私と向日葵が顔を合わせたのはほんの数分

家の前でばったりと、その瞬間向日葵は踵を返し自宅へ戻った

その短い間、何度も何度も振り返り、私をちらちらと覗いては数歩、また数歩、繰り返す

初日でこれだ

二日目

向日葵は泣いていた

ひまわり「さーちゃん……さーちゃん……」グス

このままでは向日葵が壊れてしまう

でも向日葵は自分から求めるのが苦手だ

だから

さくらこ「我慢できない」

私から誘う

ひまわり「さーちゃん……?」

さくらこ「ひまわり」ギュ

ひまわり「あ……さーちゃんさーちゃん」

ひまわり「さーちゃんの匂いだぁ」クンクン

さくらこ「違うでしょ?」

ひまわり「ふぇ?」

さくらこ「櫻子」

ひまわり「あ、櫻子……そうだった」

少しずつ慣れさせていけば向日葵はきっと安定する

でもそうするといつか向日葵が私を忘れてしまうのでは無いかと懸念してしまう

最近見たドラマで言っていた

人は他人に自分には無いものを求め、惹かれると

だから私は、向日葵が変わろうとするなら今のまま変わらずにいようと

馬鹿のままの私でいようと決めた、向日葵とずっと一緒にいたいから

さくらこ「私って天才じゃん」

ひまわり「さくらこ?」

向日葵「櫻子、話がありますわ!」バァン

花子「うわぁ! ビックリしたし!」

櫻子「どうしたの、向日葵?」

向日葵「櫻子……私、私」

櫻子「……待って、場所変えよう」

向日葵「え、ええ」

櫻子「というわけだから、ごめん花子」

花子「どういうわけだし」

櫻子「それで、どうしたの向日葵?」

向日葵「櫻子」ギュ

櫻子「ちょ、向日葵、急になに!?」

向日葵「好きですわ」

櫻子「い、今なんて!?」

向日葵「大好きだって言ったんですの」

櫻子「やっぱり大丈夫じゃなかった」

櫻子「約束したよ、そういうのは……」

向日葵「もういいんですのよ……」

櫻子「もう、いい……?」

向日葵「ええ……」

櫻子「気持ちの整理、ついたんだ」

向日葵「ええ……」

櫻子「私も、大好きだよ向日葵」

向日葵「聞かないんですの?」

櫻子「いいよ、わかってる……向日葵のことなら何でも」

向日葵「櫻子……そうですわね」

千歳「二人ともえらい機嫌ええな、何かあったん?」

向日葵「ふふ、実はですね……」

櫻子「私たち、付き合うことになりました」

綾乃「え、ええー!? そ、そうなんだ、おめでとう!」

千歳「ありがとうな」ボタボタ

向日葵「どうして池田先輩がお礼を言ってるんですの?」

綾乃「千歳、鼻血鼻血!」

櫻子「えへへ」

向日葵「私がどうして生徒会に入ったか秘密にしてましたわね」

櫻子「そうだね」

向日葵「教えてあげますわ」

櫻子「どうして入ったの?」

向日葵「私、杉浦先輩に憧れてましたの」

櫻子「えっ!?」

向日葵「違いますわ、そういう意味じゃなくて」

向日葵「杉浦先輩は歳納先輩が好きで、でもそれを知って咎めない池田先輩がいて」

向日葵「私は櫻子との関係に少々悩んでましたから」

櫻子「それで先輩と自分を重ねちゃったんだ」

向日葵「ええ、近くにいれば私も何か得られる物があると思って」

櫻子「そうだね、私たちにも池田先輩みたいな人がいたら、少し違っていたかも」

向日葵「いやですわ、私今の櫻子との関係に満足してますもの」

向日葵「長かった想いを伝えられてとっても幸せですのよ」

櫻子「えへへ、そう言ってもらえると私も頑張ってきた甲斐があったってもんだ」

向日葵「ずっと待たせててごめんなさい……その……」

櫻子「我慢できない?」

向日葵「ええ、大好きですわ櫻子」ギュウ

おしまい

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