杏子「おばあちゃん!駄菓子ちょうだい!」(121)

~風見野市 とある駄菓子屋前~

杏子「父さん!あれ何?」

杏子父「あれかい?あれは駄菓子屋さんだね」

杏子「駄菓子?どんなお菓子なの?」

杏子父「そうだね、普通のお菓子と比べると味付けや製法がちょっと変わってるけど」

杏子父「とても安いから子供でも手軽に買えるお菓子だね。種類も豊富なんだ」

杏子「ほんと!?じゃぁ欲しい!」(キラキラ)

杏子父「それじゃぁ、寄ってくかい」

杏子「わーい」

杏子母「もう、あなたは杏子に甘いんだから」

ガラガラ

杏子「おばあちゃん!駄菓子ちょうだい!」

店主「あいよ。可愛いお客さんだね」

杏子父「合わせて100円までだからね」

杏子「うん!」

杏子「うわー、いろんなお菓子がいっぱいある!」

杏子「迷うなー。あ、これは10円だ。うんまいぼう?なんだろう…」

店主「それはね、スナック菓子だよ」

杏子「スナック菓子?」

店主「さくさくしてておいしいよ」

杏子「じゃぁこれにする!」

杏子「ガムも欲しいなぁ」

杏子「このひょうたんみたいな袋のジュースも!」

杏子「えっと、10円3つと20円1つと30円1つ。あと20円か」

杏子「あ!アイスも食べたい!」

杏子「がりがりくん50円か…。足りない…。あれ?」

杏子「おばあちゃん、このまんなかでへっこんでるアイスは何?」

店主「チューペットだね。それなら20円だから、お譲ちゃんでも買えるよ?」

杏子「うん!これにする!」

店主「じゃぁ、全部で100円だね。ありがとね」

杏子「チューペット、おいしそう…」

杏子母「杏子、食べるのは帰ってからに…」

杏子「えい!」パキッ

杏子母「…」

杏子父「まぁまぁ、母さん、いいじゃないか」

杏子「あげる!」

杏子父「父さんにくれるのかい。ありがとう、杏子」

杏子「えへへへ」

杏子「♪おいしいね」

杏子父「ああ、そうだね」

===============

杏子「おばあちゃんこんにちは!」

店主「はいはい、いらっしゃい」

モモ「こ、こんにちは…」

店主「あら可愛い。杏子ちゃんの妹さん?」

杏子「うん!モモっていうの」

店主「こんにちは、モモちゃん」

モモ「は、はい」

杏子「今日も駄菓子ちょうだい!」

店主「ゆっくりと見て行ってね」

杏子「やっぱり、うんまいぼうと、ラーメン屋さん太郎は外せないね」

モモ「あう…」キョロキョロ

杏子「モモはどんなのが好き?」

モモ「甘いお菓子がいい」

杏子「それじゃぁ、ヤングドーナツとか、占いチョコがいいかな」

モモ「占いチョコ?」

杏子「ああ、いろいろな運勢がわかるんだぞ?」

モモ「欲しい!」

杏子「じゃぁ、モモはそれな」

モモ「うん!」

杏子「おばあちゃん、これで全部だよ」

店主「合計80円だね」

杏子「あと20円何か買える…あ!」

ごそごそ

杏子「チューペットちょうだい!」

店主「あい。20円ね」

杏子「はい」チャリン

店主「いつもありがとね」

杏子「えい!」ペキッ

杏子「はい、モモ」

モモ「ありがとうお姉ちゃん!」

モモ「わー、つめたーい」

杏子「おいしーだろ?」

モモ「うん!」

店主(仲の良い姉妹だねえ…)

===============

店主(最近杏子ちゃん達来ないねえ)

店主(どうしちゃったのかしら)

ガラガラ

杏子「…こんにちは」

店主「!いらっしゃい、杏子ちゃん、モモちゃん」

店主「どうしたんだい?元気なさそうな顔して」

杏子「うん、ちょっとね」

杏子「モモ、選んでいいよ」

モモ「でも…お姉ちゃんの欲しいのが…」

杏子「私はいいから、選んできな」

モモ「…うん!」

店主(?)

杏子「はい、おばあちゃん。これで全部」

店主「占いチョコ20円と5円があるよチョコ2つ、あわせて30円だよ」

杏子「えっと…はい」チャリン

店主「ありがとね、杏子ちゃん」

杏子「うん、それじゃぁ、ばいばいおばあちゃん」

モモ「あ…お姉ちゃん」

杏子「モモは気にしなくていいから!」

店主「…」

店主「杏子ちゃん?うんまいぼうとか、ガムはいいのかい?」

杏子「おばあちゃん、ごめんね。もうおこづかいないの」

店主「そうだったのかい、ごめんね」

店主「それじゃぁ、お詫びに」ごそごそ

店主「はい、チューペット」

杏子「え?でももうお金ないし…」

店主「これは、いつもたくさん買ってくれる杏子ちゃん達へのプレゼント」

杏子「い、いいの?」

店主「他の子達には内緒だよ?」

杏子「うん!ありがとうおばあちゃん!」

杏子「よっと」ぺきっ

杏子「はい、モモ」

モモ「あ…ありがとうお姉ちゃん!」

モモ「ありがとう、おばあちゃん!」

店主「また来てね、杏子ちゃん、モモちゃん」

店主(あの子たちのお家は今大変なのかねえ)

店主(今度来てくれた時にもおまけしてあげようかね)

===============

杏子「おばあちゃん!駄菓子ちょうだい!」

店主「いらっしゃい、杏子ちゃん、モモちゃん」

杏子「えーと、うんまいぼうにチロルチョコに、ひょうたんジュースにブタメンに」

杏子「あー、ラーメン屋さん太郎とあんずボーに粉末ジュースも買おうっと!」

杏子「モモはどうする?」

モモ「わたしは占いチョコとわたがしがいい」

杏子「それじゃ、それも一緒に…」

モモ「あ、クッピーラムネもいい?」

杏子「いいよ、かごに入れて!」

モモ「うん!」

モモ「あの…おばあちゃん?」

店主「なんだい?」

モモ「お団子は無いの?」

店主「お団子かい?ごめんね、今は置いてないの」

店主「その代わり、今度来た時にはおばあちゃん準備しておくから」

モモ「うん!」

杏子「あとチューペットとかひょうたんジュースとか。他にも…よし」

杏子「お勘定してください!」

店主「えーっと、これはたくさんだね」

店主「あわせて310円だよ」

杏子「はい!」チャリンチャリン

店主「いつもありがとね」

杏子「早く食べよ!モモ!」

モモ「うん!」

店主(急にたくさんのお菓子を買ってくれるようになったのぉ)

店主(裕福な暮らしになったのかしら)

店主(おばあちゃん嬉しいけど、お小遣いはもうちょっと大切にして欲しいねぇ)

===============

杏子「おばあちゃんこんにちは!」

店主「こんにちは。おや?そちらのお譲ちゃんは初めて見るね」

マミ「えっと…お邪魔します」

杏子「マミさん、何緊張してるのさ!」

マミ「私、こういうところ入るの初めてだから…」

杏子「ほらほら、たくさんあるんだから!マミさんも早く選んで!」

マミ「えっと…この容器に入っているのはヨーグルトかしら」

杏子「ヨーグルだね。おばあちゃん、これいくら?」

店主「10円だよ」

マミ「え!?じゅ、10円!?」

杏子「ちょっとマミさん何驚いているのさ!」

店主「食べてみるかい?」

マミ「え、ええ、いただくわ」

マミ「!10円でこの味が出せるの!?」

杏子「大げさだって」

マミ「こ、こちらののしみたいなのは何かしら」

杏子「焼肉屋さん太郎だね。20円だったと思うよ」

マミ「や、焼肉が20円ですって…!?」

杏子「マミさん驚きすぎ…駄菓子なんだからさ、これは」

店主「マミちゃんは面白いねえ。いろんな表情をして」

マミ「あ…えっと… /// 」

杏子「あとはチューペットも買って…」

杏子「はい、おばあちゃん。これで全部だよ!」

店主「合計で160円だよ」

マミ「あ、私が払…」

杏子「マミさんは払わなくていいの、私のおごりなんだから」

マミ「でも…」

杏子「その代わり、今度来た時はマミさんがおごってよ!」

マミ「ええ、そうするわ!」

杏子「えい!」パキッ

杏子「はい、マミさん」

マミ「このアイスは…?」

杏子「チューペットだよ。二人で半分こ!」

マミ「ありがとう、佐倉さん。頂くわ」

杏子「えへへ、美味しいね、マミさん」

マミ「ええ、佐倉さん」

店主(杏子ちゃんの友達かのぅ。良かった良かった)

===============

店主(最近また杏子ちゃんが来なくなっちゃったねぇ)

店主(モモちゃんやマミちゃんも来ないし)

店主(どうしたのかのぅ…)

ガラッ

杏子「…」

店主「あ、杏子ちゃん!久しぶりだねぇ」

店主「元気にしとったかい?」

杏子「…」スッ

店主「?」

杏子「…」ジーッ コソコソ

杏子「…」テクテク コソコソ

店主「どうしたんだい?杏子ちゃん」

杏子「…」フイッ

ガラガラ

店主「?何も買わずに出て行っちゃったのかい」

店主「お小遣い足りなかったのかもしれないねぇ」

店主「今度寄ってくれた時は、うんまいぼうあげようかね」

===============

杏子「…」ガラガラ

店主(杏子ちゃん今日も何も買わんかったのぉ)

店主(うんまいぼうもチューペットもあげるって言っとるのに、受け取ってくれんし)

店主(なんにも話してくれんし、どうしたのかねぇ…)

店主の娘「母さん、さっきの子、ちょっと変じゃない?」

店主「杏子ちゃんかい?」

店主の娘「最近、どうもお菓子が万引きされてるみたいなの」

店主の娘「もしかしたらあの子が盗ってるかもしれないから、注意してよね」

店主「やめとくれ!杏子ちゃんはそんな子じゃないよ!」

店主の娘「母さんは子供に甘いんだから!」

店主「…」

店主(大丈夫、杏子ちゃんはそんな悪さする子じゃねぇ…)

===============

杏子「…」ガラガラ

店主「!いらっしゃい、杏子ちゃん」

店主「今日は新しいお菓子が入っているよ」

杏子「…」コソコソ

店主「うんまいぼうの新しい味も出たよ?味見してみるかい?」

杏子「…」コソコソ

店主「…」

杏子「…」てくてく ガラッ

店主の娘「待ちなさい!」

ガシッ

杏子「!ちょっと…離せ!」

店主の娘「そのポケットの中身を出しなさい!」

杏子「クッ」

ばらばら

店主「!(お菓子がたくさん…)」

店主の娘「今日という今日は許しませんよ。ご両親は?家は!?」

杏子「うるさい!」

店主の娘「きゃっ」

ダダダダッ

店主の娘「あの子…。だから言ったでしょ?母さん!」

店主「…」

店主(そんな…杏子ちゃんが…)

===============

ガラガラ

店主「いらっしゃい…!マミちゃんじゃないかい!?」

マミ「ご無沙汰しています…」

店主「久しぶりだねぇ」

店主「杏子ちゃんは一緒じゃないのかい?」

マミ「…佐倉さんとはもう…」

店主「…」

マミ「あの、佐倉さんはこのお店には来てないんですか?」

店主「あの子もね、今もよく来てくれとるんだけどねぇ…」

店主の娘「あの子、万引きの常習犯よ」

マミ「!そ、そんな…」

店主「これ、そんなこと言うでない!」

店主「ごめんしておくれ、マミちゃん」

マミ「いいえ…」

マミ「あの、佐倉さんの分は…その、おいくらくらいですか?」

店主の母「今までの分で、合わせて780円なの」

マミ「それじゃぁ…」ゴソゴソ

マミ「私がお支払いいたします」

店主「マミちゃん、そんなの出さなくていいんだよ」

店主の娘「母さんは黙ってて!」

店主の娘「マミさんでしたか、ごめんなさいね」

マミ「いいえ、私の責任でもありますから…」

ガラガラ

杏子「…!マミ!?」

マミ「佐倉さん!?」

杏子「くっ」

ガシッ

マミ「待って、佐倉さん、話を聞いて!」

杏子「離せ!」

マミ「離しません!」

店主「喧嘩はやめとくれ、杏子ちゃん、マミちゃん」

店主「杏子ちゃん、おばあちゃん何もしないから」

杏子「うるさい!黙れ」

店主「!?」

マミ「佐倉さん!あなた何てことを…きゃっ」ドンッ

杏子「…っ」

ダダダダッ

マミ「ご、ごめんなさい、おばあちゃん」

マミ「おばあちゃん?」

店主「…杏子ちゃん…」

===============

店主(杏子ちゃん、あれから一度も来てくれんようなった…)

店主(…)

ガラガラ

マミ「お邪魔します」

店主「!いらっしゃい、マミちゃん」

まどか「わー、すごーい」

さやか「駄菓子がいっぱいじゃないですか!マミさん!」

店主「…この子達は、マミちゃんのお友達かい?」

マミ「ええ、私の学校の後輩です」

まどか「はじめまして、鹿目まどかです」

さやか「美樹さやかです!よろしく!」

店主「いらっしゃい、まどかちゃん、さやかちゃん」

さやか「おー、さやかちゃん的にはビッグカツとチョコバットは外せませんな~」

まどか「私はミンツかなぁ。あ、普通にお団子なんかも売ってるんだ!」

マミ「うふふ、好きなの選んでね。今日は私のおごりだから」

さやか「やった~、さっすがマミさん!」

まどか「ありがとうございます」

さやか「これとこれと…あ、これも!」

まどか「さやかちゃん、ちょっとは自重しようよ」

店主(この二人、なんだか杏子ちゃんやモモちゃんを見てるようだよ)

マミ「ヨーグルも2つお願いします。合計おいくらですか?」

店主「360円だよ。ありがとね」

店主「さやかちゃん、まどかちゃん」

さやか「何ですか?」

まどか「はい?」

店主「初めて来てくれたから、プレゼント」ぺきっ

さやか「ああ、これチューペット!」

まどか「つめたーい」

店主「これからもよろしくしておくれ」

まどか「うん!ありがとうおばあちゃん!」

さやか「おばあちゃんありがとう!」

店主「これで杏子ちゃんもいてくれたら、良かったのにのぉ」

マミ「…ごめんなさい、私の力不足で…」

店主「んにゃ、マミちゃんは悪うない。おばあちゃんが杏子ちゃんを怒らせちゃったんだよ」

マミ「…(おばあちゃん…)」

===============

シーン

店主「…」

店主(毎週来てくれてたマミちゃんが、来なくなっちゃったね)

店主(まどかちゃんやさやかちゃんも来なくなっちゃった)

店主(どうしちゃったんだろうねぇ)

店主(杏子ちゃんも、モモちゃんも、もう一度でいいから会いたいのう)

店主「…」

店主の娘「母さん」

店主「…」

店主の娘「ちょっと買い物行ってきますからね」

店主「…」

店主の娘「母さん?」

店主「ああ、ごめんよ」

店主の娘「…もう」

===============

シーン

店主「…」

店主(最近はもう子供達が来てくれんようになった)

店主(もう駄菓子が好きな子供達は、いなくなってしまったのかのぉ)

店主(あたしももう、しんどおなってきたし)

店主(お店をたたむときなのかねぇ…)

ガラガラ

店主(あら、お客さんかい?)

店主「いらっしゃ…!きょ、杏子ちゃん!?」

杏子「…おばあちゃん、こんにちは…」

店主「大丈夫だったかい?病気とかにはなっとらんかったかい?」

杏子「あ…うん、大丈夫」

杏子「おばあちゃん…」

店主「何だい?杏子ちゃん」

杏子「今まで…、ごめん」

店主「杏子ちゃん?」

杏子「これ、今まで盗って来た分のお金」

杏子「こんなことで許してもらえるかわかんねーけど」

杏子「もし良かったらもう一度…」

ぎゅうぅぅっ

杏子「お、おばあちゃん??」

店主「よがっだ…杏子ちゃんに何も無くて、本当よがっだ…」

杏子「そ、そんな…あたしはそんな風に心配してもらえる資格なんてないよ…」

杏子「おばあちゃん悲しませて、先輩悲しませて、友達悲しませて…」

店主「そんなことないよ」

店主「杏子ちゃんは本当は優しくて良い子」

店主「おばあちゃんは、ずっと杏子ちゃんのことを見てきたんだから」

杏子「おばあちゃん…」

杏子「ありがとう…」

杏子「…今日はね、今から友達を助けに行くんだ」

店主「そりゃぁ杏子ちゃん、えらいねぇ」

杏子「だからその前に、お菓子を買っていこうと思ってね」

杏子「誘いたい子も、いるからさ…」

店主「ゆっくり探しとくれ」

杏子「このうんまいぼうと…」

杏子「!」

杏子「…団子なんて、あったんだな」

杏子(モモ…)

杏子「団子、2本お願い」

店主「あいよ。ありがとね」

杏子「あと、ヨーグルを1つ、お願い…」

店主「…はいはい」

店主「100円だよ」

ちゃりん

店主「あと、これはおまけだよ」

杏子「チューペット?」

店主「お食べ」

杏子「うん、ありがとう…」ペキッ

杏子「半分は、次に来たときに食べるから、置いといてくれないか?」

杏子「助けた友達に、食べて欲しいからさ…」

店主「…それじゃぁ、ちゃんと残しておくよ」

杏子「…」

杏子「ありがとう、おばあちゃん」

杏子「あたし、頑張ってくるね」

店主「うんうん。それじゃぁ、行ってらっしゃい」

杏子「うん、行ってきます」

===============

店主(杏子ちゃん、ちゃんとお友達のこと助けられたかのぅ)

ガラガラ

店主「あら、いらっしゃい」

ほむら「…」

店主「お譲ちゃん、どうしたの?」

ほむら「佐倉杏子は、よくこのお店に来ていたのかしら」

店主「!あなたが、杏子ちゃんの言ってたお友達?」

ほむら「…」

ほむら「…ええ、そういうことになるわね」

店主「それは良がった良がった」

ほむら「…」

ほむら「あなたに一つだけ、佐倉杏子から伝言があるわ」

店主「!杏子ちゃんはなんと?」

ほむら「『遠くに引っ越すから、もうこのお店には来れない』とのことよ」

店主「…そうかい」

店主「それは、残念だね…」

ほむら「それじゃぁ、伝言は伝えたから…」

店主「待っとくれ」

ほむら「?何かしら」

店主「これを、食べていってくれんかのう」

ほむら「…チューペット、の片方?」

店主「杏子ちゃんが昨日ね、出て行くときに半分残していったんだわ」

店主「助けたお友達に食べてもらいたいって」

店主「だから、あなたに食べてもらえると、杏子ちゃん喜ぶと思うの」

ほむら「…」

ほむら「いただくわ」

店主「ありがとね…」

ほむら(杏子…)

ほむら「…」

ほむら「それじゃぁ、さよなら」

店主「はい、さようなら」

===============

店主「…」

店主(杏子ちゃん、遠くに行っちゃったんだね)

店主(今までありがとね、杏子ちゃん)

店主(でも、またちゃんと帰ってきてくれるって、おばあちゃん信じとるからね)

店主(さて、それじゃぁおばあちゃんは一足お先に休ませて貰うよ)

店主(杏子ちゃんが戻ってきたときに、元気になってなくちゃ、いけないから、ねぇ…)

店主(…)

店主(おやすみ、杏子ちゃん…)




店主の娘「母さん、もうお店閉めるわよ」

店主の娘「母さんったら、聞いてるの?」

店主の娘「…」

店主の娘「…母さん?」






店主(もうどのくらい眠ったのかのう)

店主(今日は何日なのかねえ)

店主(杏子ちゃんももういないし)

店主(起きとうないのぉ)






まどかの声『おばあちゃん、起きて。もうお店が始まっちゃうよ!』



店主「…はっ。今さっきの声は、どこかで聞いたことのある声じゃのう」

店主「何だったんじゃろうか」

店主の娘「母さん、起きて下さい…って、もう起きてたの?」

店主「さっき誰か、起こしに来たかい?」

店主の娘「やだなぁ母さん、私と母さん以外にこの家には誰もいないでしょ?」

店主の娘「ぼけてないで支度してださいな」

店主「???」

店主「…」

店主(なんだろね、不思議な気分だよ)

店主(まるで夢を見ていたみたい)

店主(…)

店主(だけど、なんだかあの子の顔が頭から離れないねぇ)

店主(いつも笑顔でお菓子を買いに来てた赤髪の女の子)

店主(元気いっぱいの声で…)

さやか「うんまいぼう、っていったら、たこ焼き味よねー!」

マミ「あら、私はサラミ味だと思うわ」

ほむら「コーンスープ味に決まっているでしょう、常識的に考えて」

杏子「奇遇だな!私もコーンスープ味が一番だと思うぞ!」

店主(そう、こんな声で…)

ガラガラッ

店主「いらっしゃい」



杏子「おばあちゃん!駄菓子ちょうだい!」



~Fin~

読んで頂いた方々、ありがとうございます。
OPのチューペットと9話のうんまいぼうから広がって行ったお話です。
杏子がまどかにうんまいぼうを渡すまでの背景には、こんなドラマがあったらいいなって、思うのでした。
まぁ、杏子といえばポッキーのイメージがかなり強いんですが…。
改変後の世界で、店主のおばあちゃんに幸あれ…。
※私はサラダ味が一番好きです。どの種類も美味しいですけど。

どうもありがとうございました!

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