鷺沢文香「なにか…飛んで来ました」 (20)
文香「……」
文香「…?」
ちょこん
仁奈「…」
文香「…」
仁奈「…」ニヘ
ころころ
もふん
文香「?」
仁奈「文香おねーさんは、なにを読んでやがります?」
文香「……」
文香「…本に…興味があるの?」
仁奈「絵本などをたしなむてーどでごぜーます」
文香「……うん」
文香「絵本も…素敵ですね」
仁奈「はい。さらに羊が出るなら間違いはごぜーません。」コクコクコクコク
文香(……今度は…羊が出てくる絵本を持って来よう……)モフモフ
仁奈「くすぐってーですよー♪」キャッキャッ
P「なにあれまざりたい」
ちひろ「捕まりますよ」カタカタ
・一応シリーズもの
・鷺沢さん
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文香「……」パラ
文香「…?」
ぽとっ
文香「…」
文香「…」ヒョイ
柚「あ、文香サーン。ごめんね、当たってないよね?」
文香「あ……いえ…はい」
柚「よかった。へへ、拾ってくれてありがとー」
文香「いえ…」
柚「お、なんだか分厚い本を読んでるねー。お勉強かな?」
文香「?……べつに、勉強というわけでは……」
柚「べ、勉強じゃないのに本を読むですと……」
文香「あまり…柚さんは、本は…読まないですか?」
柚「うん。雑誌なんかは読むけど、本を読んじゃうと、目が回っちゃうよね!」グルー
文香「??」メガマワルホン…ソウイウエホンカナ…?
柚「文香サンはえらいなー」
文香「……えらい…ですか」
柚「うんっ。だから柚が褒めちゃうよー労っちゃうよっ」ナデナデ
文香「……」
柚「へへ」ニパ
柚「けど好きでも、ずーっと読んでると疲れちゃうでしょ?」
文香「…はい。それは……そうですね」
柚「だよねっ。だから――よっと」タタッ
文香「…?」
柚「よぉし来ーい」
文香「……」
文香「あの……なに……なんですか?」
柚「それそれ。こっちに投げて欲しいかなーって」
文香「……あ……これ…」
文香「……ええと……。」
文香「えい」
柚「お、ナイスパスっ――…よっ、柚スマーッシュ!」パコッ
スパーン
文香「……」
柚「へへっ」
柚「たまには体を動かすのもいいんじゃないかなー♪」
柚「誘ってくれたらバドミントンとか、アタシ付き合っちゃうよ!」
文香「……」
柚「へへ」ニパニパ
文香「……」
文香「……あの」
P「ほう」
柚「」ビクゥ
P「事務所内は危ないから、バドミントンは禁止だと…」
P「つい先日言ったばかりのはずなんだが」
柚「……」ダラダラ
柚「ほ、ほらっ。なにをしても許される、許され系アイドル目指すんだーって、」
柚「それもついこの前話したばっかりじゃないかなーっ…て、てね…てへ?」
P「失敗してもじゃなかったか?」
柚「……」
P「…」
P「…」ジリ
柚「…」サッ
P「…」
柚「…っ――にっ、」
柚「逃げるが勝ちかもっ」ダッ
P「あっこら待てっ」ダダッ
文香「……」
文香「……えっと…はい」
文香(また……バドミントンの指南書でも……見つけておこう)
仁奈「??なにかおっしゃったです?」
文香「……いえ…なにも」
文香「……」パラ
文香「…?」
ぽこん
文香「きゃ」
輝子「あっ」
文香「…?」ヒョイ
輝子「ご、…ごめんねっ、文香さん……私のトモダチが、その…フヒ…」
文香「……いえ」
文香「??友達……?」
輝子「??う、うん…」フヒ
文香「…………」ポコポコ
文香「……どこですか?」
輝子「グヘァッ」
仁奈「会心の一撃ですよ!」
文香「???」
輝子「……フッ…フヒヒッ…お、おけ、おけー……」プルプル…
輝子「ど、どうせ、……私は……キノコは少数派だから…分かってた分かってた……。ぐす」
仁奈「ほーほーのていでやがります」
文香「…難しい言葉を知っていますね」モフモフ
仁奈「えっへんです!」ヘヘー
輝子「フヒァヘアヒア」
比奈「あの、ほのぼのーな会話もけっこうなんでスけど、輝子ちゃんのフォローもしてあげて欲しいっス」
文香「あ……こんにちは」
仁奈「おはよーごぜーます、比奈おねーさん!」
比奈「どもっス」
ひょい
比奈「このキノコが輝子ちゃんのトモダチっス」
文香「…茸が……ですか」
比奈「はいっス。まあちょっと違うかもしれないでスけど」
比奈「本も生きてるっスよね。そんな感じっス」
文香「…………」
文香「…そう……ですね。なんとなく……分かるような、気はします…」
比奈「それはよかったでスー」
輝子「おお……また育ててしまった……やっぱキノコの友情パワーは世界共通だぜぇ!比奈サァン!」
比奈「プロデューサーたちはお仕事中なので静かにっスよ」
輝子「あ、はい。はい」
文香(…………気のせいだったかも…)
P「今日は茸グラタンだな」ブチブチ
輝子「あっあっ、そ、その辺は食べる用じゃないから……やめ、ちょ、ホント勘弁してください……あっいや、また繁茂させたのは、その、出来心で……スイマセンスイマセン…」
文香「……」パラ
文香「…?」
楓「…」
文香「…」
楓「……」フフ
楓「文香ちゃん宛ての文が来たそうよ?」
文香「……」
楓「……、ぷ、ぷふっ…」プルプル…
仁奈「楓おねーさんは自分にあめーですね」
比奈(さらっと辛辣っス)
文香「??」
文香「あ……手紙、ですか?」
P「ああ。ファンレターだな。読むか?」
文香「…………」
文香「……」
P「?」
文香「……」
文香「…思ったより……勇気がいりますね…自分が、勇気がないのに、少し……分かってはいたんですが。改めて……驚いたというか」
P「そっか」
P「まあ、初めてのファンレターを少しも怖がらずに読める子なんていないと思うよ」
文香「そう…でしょうか」
P「うん。それがフツウだよ」
文香「…」
文香「?」
柚「よっ♪」パコン
仁奈「なんのでごぜーます!」ズサー パコッ
柚「おおっやるな仁奈チャンっ」
比奈「プロデューサーに怒られないくらいには収拾がつくようにしとくっス」ポコポコ
輝子「あ、……ありがと比奈さん…フヒ」ポコポコ
比奈「いえいえ。トモダチでスし。私もキノコが飛び交ってると原稿できないし」フフ
楓「……」
楓「…!」ピコーン
楓「文香ちゃん、…フミカー、…伸ばすとなんだかミニカーみたい……ふふっ」フフフ…
文香「…………」
P(楓さんはまたなんかしょうもないことを…はは…)
P「…、?」
P「…なあ文香」
文香「?はい」
P「いま…笑ったか?」
文香「…………。」
文香「……さあ…どうでしょう」スッ
P「あ、隠れるなよ。そんな本の使い方ずるいぞ」
文香「……ふふ」
文香「……」
文香「……アイドルになると」
文香「きぐるみだったり羽根だったり、茸だったり……笑い声だったり、誘いかけだったり……ダジャレだったり、ファンレターだったり」
文香「……自分からなにもしなくても、いろいろなことが飛んで来て……不思議です」
P(大半がうちの事務所に限定された話のような気もするが)
文香「??」
P「いや、なんでもない」
P「不思議……か」
P「困ったりはしてないか?」
文香「初めは…戸惑いました。でも」
文香「それこそ不思議と……楽しいです。今まで通り、」
文香「ときには書と立ち止まる時間を持てるなら……こうして目まぐるしいのも……悪くないかも、と」
P「そっか」
P「じゃあ、よかった」
文香「…はい……よかった、です」
P「…あ」
文香「?」
P「いま笑ったよな?」
文香「さあ」サッ
P「なっ…くそー」
文香「ふふふ」
文香「……ありがとうございます。頂いたファンレターは……また…そのうち」
P「うん。無理しないで、ゆっくり見るといいよ」
文香「はい」
文香「なにか……プロデューサーさんや、みなさんに、お礼ができると……いいんですが」
P「いやいや、そんな気を遣わなくても」
文香「…!」
文香「栞を作って、事務所中に飛ばすというのは……」
P「仕事にならないからやめて!」
文香「……冗談です……ふふふ…」
文香「少しずつでも変わるのは、楽しい…ですね。プロデューサーさん」
P「そっか」
文香「はい」
P「あ、今度こそ笑ったよな?」
文香「どうでしょう」サッ
文香「…………ふふ…」
・・・・おしまい
おわりん
古書店ってあんま行ったことないんですけど行けば文香さんに会えますかね
乙
文香さんは俺が攫ったから会えないけどゴーリキーになら会えるよ
あいかわらずみんな可愛い
乙
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