智絵里「四葉のクローバー」 (36)


ギャグやハッピーエンドばかり書いていたので、たまには、こんな話も。

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最初は三人、三葉のクローバー。

最初に生えたのは、みんなが大好きお兄ちゃん。

次に生えたのは、おどおどしてる次女ちゃん。

更に元気な三女ちゃんもついてきて、

みんなで仲良く、暮らしてた。

「……新しい、アイドルですか?」

「本当?!Pサン!?」

「ああ、俺がスカウトしてきた」

「少し、心配です……」

「大丈夫!すぐに智絵里ちゃんも仲良くなれるよ、きっと!」

「流石は柚だな。すぐに仲良くなれそうだ。よし、入ってこい!」

突然、四人目が生えてきた。

まだまだ未熟な四女ちゃん。

三人は栄養を沢山分けてあげて、

四女ちゃんも、すくすく育った。

「うう……緊張するなぁ」

「大丈夫だよ、加蓮♪でも、あたしも初ライブは緊張したなぁ……」

「わ、私は……今でも緊張します……」

「おいおい、大丈夫か?」

「大丈夫、この柚ちゃんと智絵里ちゃんでカバーしてみせるから!」

「が、頑張ります」

「そうか……よし、行ってこい!」




みんなで仲良し四人家族。

幸せの、四葉のクローバー。


「けほっ」

「ん?加蓮?風邪?」

「かもしれない……最近は引いてなかったんだけどな」

「大丈夫ですか?」

「ま、大丈夫だよ。このくらいなら、気合でなんとかなる」

「まさか不真面目だった加蓮から気合なんて言葉が出るとはなぁ」

「う、うるさいなー」



でもでも、四葉ちゃんは頑張りすぎ。

栄養もらって、ぐんぐん伸びた。

だけど沢山栄養もらいすぎて、

重さに耐えられなくて、垂れちゃった。


「か、加蓮は?!加蓮は大丈夫なんですか!?」

「お、落ち着いてPサン!」

「ぷ、プロデューサーさん……」

「残念ながら……アイドルを続けることはできないでしょう」

「そんなっ……あいつは、アイツは一番頑張ってたんですよ?!」

「Pサン!!」



一枚垂れて、三葉のクローバー。

垂れてしまったとしても、まだ家族。

四女だって、まだ家族。

まだまだ四葉、みんな幸せ。


「加蓮~。はい、お見舞い」

「毎日毎日、ありがとう」

「気にしないでよ。話、聞いてもらってるんだしさ」

「で、どうなの?」

「うん!凄くいい人だよ!」

「……もしかして、好きなの?」

「えっ……あ……それは……」

「顔、赤くなってる」

「も、もー!からかわないでよー!」




この頃、三女が幸せそう。

好きな人ができたんだって。


「移籍……か」

「うん……」

「どうしてまた?」

「……好きな人が、できたんだ」

「……そうか」

「その人の傍にいたいって……そう思った」

「柚にもちゃんとした意志があるなら、俺は止めないよ」

「ごめんね、Pサン」

「そういうのは智絵里に言ってやってくれ。それと、俺が言うのもなんだが、相手もプロデューサーだ。世間体とか色々あるぞ?」

「それは……気合でなんとかするよっ!」

「……うん、それでこそ柚だ!」



風に乗って、ふわふわり。

三女はどこかに飛んでった。

残った三人は見送って、

三女の幸せ願ってた。


「えと、もしもし?」

「もしもし?智絵里ちゃん!やったよ!」

「柚さん?どうしたんですか?」

「私と、あの人、付き合う事になったの!」

「……本当ですか?!」

「それもこれも、応援してくれた智絵里ちゃん達のおかげだよ!」

「……そっかぁ……」

「これで次は、智絵里ちゃんの番だねっ」

「え?あ、う……///」

「頑張りなよっ♪」

「は、はい……」



幸せいっぱい、三女ちゃん。

だけど飛んでった先にあったのは。

どうも、蜘蛛の巣だったみたい。


「柚!」

「……Pサン、ごめん。帰って」

「柚、さん」

「智絵里ちゃんも、ごめん。今は誰にも会いたくない」

「……柚……」

「帰ってよ!!!」

「……プロデューサー、さん」

「……帰ろう……」



蜘蛛の巣にかかった、三女ちゃん。

繭の中に、閉じこもっちゃった。

風に揺れる、三葉のクローバー。

欠けちゃった、三葉のクローバー。


「はい、もしもし、シンデレラプロダクショ……」

「(誰からの電話だろ……)」

「……え?」ガシャン

「あ、あの。プロデューサーさん?」

「……」

「大丈夫、ですか?」

「……加蓮、が」

「加蓮、さん?」

「加蓮が……死んだ……」



最後まで繋がってたかった四女ちゃん。

だけど、虫に喰まれちゃった。

残った、双葉のクローバー。

たった、双葉のクローバー。


「……プロ、デューサーさん」

「……」

「あの、あの」

「……ごめんな。まだ、仕事、残ってるんだ」

「あう……」



お兄ちゃんの、元気がない。

次女ちゃんは頑張って考えた。


「そう、だ」


次女ちゃんは思った。

昔みたいに、幸せがいっぱいあれば、

きっとお兄ちゃんは、笑ってくれる。




「四葉……あった……こっちにも、あった……」

「待っててください、プロデューサーさん……」


次女ちゃんは幸せを探したよ。

いっぱいいっぱい、探したよ。

両手に抱えるほど、探したよ。

そして、幸せを届けるために、走ったよ。




「もうすぐ、もうすぐですから、プロデューサー、さん!」


だけど、


キキーッ!!

「……へ?」


お兄ちゃんに幸せを届けたかった次女ちゃん。

ぶちっ、と。

誰かにむしり取られちゃった。




残った一枚クローバー。

どんどんしわしわになっていって。

茶色くなって、枯れちゃった。




「ん?なにコレ、智絵里ちゃん?」

「四葉のクローバーの……キーホルダー?」

「が、頑張って作ってみたんです……その、初ライブ成功祝いにって」

「俺ももらったぞ」

「へー!すごいね!あたし、気に入ったよ!」

「うん。私も気に入った。今度からカバンにつけるね」

「は、はい!」

「ちょうど4人……なんだか四葉のクローバーみたいだね!」

「あ……そうですね」

「ふふっ。じゃあ、迷ってたユニット名『Clover』ってどうかな?」

「おお!それいいな!よし、じゃあ今日からお前らは『Clover』だ!」




幸せの四葉のクローバー。

みんな大好き、お兄ちゃん。

おどおどしてる、次女ちゃん。

元気に遊ぶ、三女ちゃん。

まだまだ未熟な、四女ちゃん。

幸せいっぱい、四葉のクローバー。

次は



ずっと一緒にいられるといいな。


お分かりかと思いますが、

お兄ちゃん=P
次女=智絵里
三女=柚
四女=加蓮

です。

それでは、ありがとうございました。

その書き方なら
長男

>>28
おっつおっつ。
あんさんのモバマスもの久々に見たわ。

長男
長女次女三女
じゃないの?

約1ヶ月ぶりにミガサさんの新作を見ましたよ

なんでもいいけどポケモンのやつはよ
飽き性にも程があるだろ

1は、この作品以外にも書いてましたか?

次はってどゆこと?転生でもしたのか?

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