大当たり!1等は神権です (24)
妹「お兄ちゃーん?いるー?」
男「居るよー」
妹「お母さんがお遣い行ってきてだってー」
男「」
妹「私は出かけてくるから、メモとお金ここに置いとくからねー」
>ガチャ
男「・・・・・・行くしかないか」
ーーー商店街ーーー
>アリガトウゴザイマシター
男「これで買い忘れはないな」
「福引券をどうぞ」
男「こんなのやってたのか。帰っても暇だし、やってくか」
男「すみませーん」
「はい。3回分、回してくださいね」
>ガラガラ
「残念賞ですねー」
>ガラガラ
「残念賞ですねー」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1364733207
>ガラガラ
「おー!大当たりー」カランカラン
男「お、おー」
男「1等はなんだろう」キョロキョロ
「はい、おめでとうございます!」
男「ん?思ってたより小さいな」
「中身は豪華ですよ」ニコニコ
男「あ、すみません」
「あ、必ず自宅で開けてくださいね」
男「は、はあ」
ーーー帰り道ーーー
男「うーん、なんだろうな」テクテク
男「指輪が入ってそうな箱だな」
男「どうせしょぼい商店街の福引だし玩具だろな、妹にやるか」
男「けど、どうして家でしか開けちゃ駄目なんだろうか」
ーーー自宅ーーー
男「ただいまー」
妹「おかえりー」
男「もう帰って来てたのか」
妹「ついさっき帰ってきたんだよ」
男「そっか。そういえば、これやるよ」
妹「なにっ?お菓子?!」
男「違うよ。商店街の福引で貰ってきたんだよ」
妹「なーんだ。そんなの要らないよー」
男「なんだよ、せっかく持ってきてやったのに」
妹「私はそれよりもお菓子の方が嬉しいの!」
男「そんなにお菓子ばっかり食ってるとまた太るぞ」
妹「お兄ちゃんこそ運動でもして、筋肉でも付けたら?」
男「うるせーよ」
男「これ冷蔵庫にしまっといてくれ」ガサッ
妹「えー」
男「・・・・・・袋の底にポッキー入ってるから」
妹「私に任せて!」ガサゴソ
ーーー男の部屋ーーー
男「それにしても、何が入ってるんだろう」
男「妹は要らないって言ってたし、開けてみてしょぼい物なら捨てるか」
男「・・・・・・なんか変に緊張するな。よし」
>パカッ
男「何も入ってない?あれ?」
男「もしかして騙された?」
男「箱だけ貰ってもしょうがないし、捨てるか」ヨイショ
男「あれ?いつの間に夜になったんだ?さっきまでまだあんなに明るかったのに」
男「っていうかここはどこだ?確か部屋のベッドに座ってたはずだけど」
「ようこそ」
男「っ?!誰っ?」
「あなたが開けたのは『完璧の箱』です」
男「そんな事よりここはどこだよ!」
「ここは、どこでもない所。です」
男「なんだそれ」ポカーン
「あなたはこれから神様の権限を宿します」
男「は?神様?」
「そうです。あなたは神様のちからを手に入れ、この地球を統べるのです」
男「なに言ってんだ?」
男「そうだ、これは夢だな。いつの間にか寝ちゃったんだ」
男「よし、起きよう」
「無駄です。現実のあなたは今は死んで」
男「え?」
「こほん、気絶しています」
男「え?今、死んでるって」
「言ってません。根も葉もない謂れはやめてください」
「話を戻します。あなたは地球の神様になりました」パチパチ
男「それはさっき聞いたぞ?」
「分かっています、これから続きを話そうとしていたんですよ」アセアセ
男「それで?俺を神様にしてどうするつもりだよ」
「どうするもこうするも、あなたが神様なのですからやりたい放題です」
男「やりたい放題?神様がそれでいいのか?」
「良いとも言えますし、悪いとも言えます」
男「けどなんでも出来るんだろ?神様なんだから」
「それでは例え話をしましょう」
「例えばあなたが街を歩いているとします」
男「ほう」
「前から小学生が走ってきます」
男「ふむふむ」
「その小学生はよそ見をしていたせいで、あなたにぶつかってしまいます」
「あなたはこの時にどんな言動を取りますか?」
男「別にどうもしないよ、ちょっとぶつかったぐらいで怒らないし、相手は小学生だし尚更だな」
「普通はそうでしょう。しかしあなたはその小学生の顔面を殴打する事もできるほどの腕力があります」
「なぜそうしないのでしょうか」
男「そんな攻撃的な奴はそうそういないだろ」
「神様の、なんでも出来るというのも似たようなモノです」
男「・・・・・・え?」
「察しが悪いですね」
「もう1つの例え話をしましょうか」
男「例え話が好きなんだな」
「あなたは街を歩いています」
「銀行の前を通りかかった時に、鞄を大事そうに抱えながら銀行から出てくる老人が居ます」
「あなたはどうしますか?」
男「さっきと同じでどうもしないよ」
「しかしその鞄をひったくって逃げられる、脚力と腕力があります」
「簡単に現金を手に入れるチャンスなのに、なぜそうしないのですか?」
男「それは後から警察とかに捕まるっていうのもあるけど、何よりその被害者に悪いだろ」
「けれどあなたの体に傷が付くわけでもないし、どこかが痛むわけでもないですよ?」
男「そうかもしれないけど、後で警察に捕まったら金を得るどころか色々と失うし」
「じゃあ警察が居ないとしたら?もしも世界中の人が自分に逆らうことの出来ない立場だとしたら?」
男「それでも相手に悪いから、俺はやらないな」
「けどあなたの考えとは逆に、咎めが無いのなら躊躇いながらもやるという人が居るとは思いませんか?」
男「まあ居るかもしれないな」
「神様はなんでも出来ます。けれど何でもかんでも好きにしてしまえば世界はおかしくなってしまいます」
「もしも神様が女好きなら、男性の総人口が減ってしまうかもしれない」
「そうすると繁栄ができなくなっていまい、人類は滅びるかもしれない」
男「極端だな」
「だからこそ、すごく平凡で平和的なあなたが選ばれたのです」
男「俺が?この箱に?」
「そうです。完璧の箱は選ばれし者しか開けられないようになっています」
男「・・・・・・へー」
「信じられないのも分かりますが、これからは神様として頑張ってくださいね。では」
男「え?神様のマニュアルとか無いの?」
「ありません」
男「ちょ!」
>ピカーン
男「ん?」
男「ベッドで寝て・・・・・・た?やっぱり夢だよな」アハハ
妹「おにいちゃーん、ご飯だよー」
男「はーい」
ーーー夕食中ーーー
妹「そういえば、お兄ちゃん?」
男「なんだよ?」モグモグ
妹「さっき福引で当たったって言ってたの、やっぱり頂戴!」
男「いいけど、急にどうしたんだよ」
妹「貰える物はとりあえず貰っておこうかなって」
男「あんまり友達の前では、貧乏性を発揮するなよ」
母「そうよ。うちの中だけにしときなさい」
妹「はーい」
妹「それで何が当たったの?」
男「えーっと、なんだったけなー」
妹「忘れちゃったの?老化?」
男「そんな訳ねーだろ。食べ終わったら持って行ってやるよ」
妹「じゃあ私の部屋まで持ってきてねー」
男「はいはい」
ーーー男の部屋ーーー
男「さーて、どこにあるんだっけ」ガサゴソ
「何かお探し物ですか?」
男「あ、うん。あれ?俺は何を探してるんだっけ?」
「お手伝いしましょうか?」
男「いや、無ければ無いでいいよ。妹に断ればいいだけだし」
男「というか、誰っ?!」
「どうしました?私の事は忘れてしまいましたか?」
男「忘れたも何も、見たことないから。誰?」
「仕方ないですね」コホン
「私は付人(ツキヒト)という者ですよ、神様」
男「神様?誰が」
付人「あなたですよ」
男「え?」
付人「もう忘れちゃったんですか?老化ですか?」
週一更新を目指します。
今回はここまで
神様と運命革命のパラドクスのパクり…?
�
>>9
逆に日本一がSSクオリティで企画作っちゃってるとも言えるなww
日本一ってそんなもんだろ
ーーー朝ーーー
男「はっ!」
男「・・・・・・やっぱり夢だよな」アハハ
付人「スースー」
男「あれ?なんでこの人、俺の隣で寝てるの?」
付人「むにゃむにゃ」
男「なんで裸なの?」
男「・・・・・・どうしよう」
妹「おにいちゃーん?遅刻しちゃうよー」
男「お、おう」
妹「ちゃんと起きてるー?開けるよー?」ガチャ
男「ちょ、ちょとっちょっっと待て!」
妹「どうしたの?そんなに慌てて」
男「い、い、今はその、着替えてるから!」
妹「そう、起きてるならいいや。お母さんが早く朝ごはん食べてだって」バタン
男「わ、分かった。今すぐ行く」
>タッタッタッ
男「・・・・・・セーフ」
付人「あ、もうすぐ朝ごはんですか?」
男「おい」
付人「どうしたのですか?」
男「なんでここに居るの?っていうかなんで裸なの?」
付人「おっと、失礼しました」
>ピカーン
付人「神様の前でお見苦しい姿をお見せして、申し訳ありません」パッパッ
男「よし、じゃあなんで俺の部屋に居るのか答えろ」
付人「神様の付き人だからです」
男「そうか、じゃあ俺を助けてくれるんだな」
付人「そうですね。神様補佐兼監視役ですね」
男「監視?」
付人「新しい神様は、その強大すぎる力に振り回される方がほとんどですから」ブォー
男「なるほど。じゃあ1人前になれば、前に言ってたやりたい放題になるんだな」
付人「そうですね。神様は万物の最高位ですから、咎められる事もありません」ブォー
男「ところでお前はなんで、ドライヤーで髪の毛をセットしてんだ?」
付人「女性が綺麗な長髪を維持するのは、大変な事なのですよ?」ブォー
男「確かに。確かにお前の銀髪はとても綺麗だ」
付人「有難うございます」ブォー
男「ところで俺は誰だ?」
付人「ご自身の名前も思い出せないほどに、脳の萎縮が進んでしまったのですか?」ブォー
男「俺は神様だろっ!なんで俺に背中を向けて、髪の毛整えてるのっ?」
付人「髪は女の命ですよ?」ブォー
男「それは分かるけど!じゃあ神様の俺より、自分の髪の毛の方が大事なわけ?」
付人「そうですね」
男「即答かよ」
付人「・・・・・・神様はまだまだ半人前ですから」ニコニコ
男「笑顔で罵倒された気がする」
付人「神様を罵倒するとは、不届き者の鑑ですね」
男「あれ?脳が萎縮し始めたの?」
付人「神様といえど、聞き捨てなりません」
付人「私にこの刀を抜かせないでください」チャキ
男「ごめんなさい」orz
付人「素直な神様は、大好きですよ」ニコニコ
男「あら可愛い」
付人「」チャキ
男「なんでっ!?褒めたじゃん!」
付人「神様は誰かに肩入れをしてはいけません!」
男「まあそうだろうけどさ。口に出すのも駄目なの?」
付人「私の耳の届かない所で、やってくださいまし」
母「早くご飯食べなさい!」バンッ
男「あ」
付人「おはようございます」ペコリ
母「え」
ーーー朝ごはん中ーーー
付人「」モグモグ
母「それで?どうしてこの子は、男の部屋に居たのかしら?」
男「えーっとそれは・・・・・・」
母「それは?」
付人「私からお話させていただいても、宜しいですか?」チラッ
男「お、おい!」
付人「昨晩、男さんの家の近くで暴漢に襲われているところを、たまたま通りかかった男さんに助けてもらったのです」
付人「私はとても怖くなり、自宅はここから少し遠いので、男さんのご好意で部屋に泊めてもらったのです」
母「それなら一言ぐらい声かけてくれても」
付人「私がお邪魔した時には既に深夜だったので・・・・・・」
母「それは大変だったわねー」
付人「はい、大変でした」モグモグ
男「俺、昨晩はずっと家に居たんだけど」
付人「人の記憶など、曖昧なモノですよ」ニコニコ
男「お前は人の母親に何したんだよ!」
母「ほら、早く食べて学校に行きなさい。あなたも同じ学校かしら?」
付人「はい、今日から転入します」
男「えええええ!?」
付人「男さんも早くご飯食べないと、遅刻しちゃいますよ?」
男「今日はちょっと・・・・・・いいや」
付人「箸の持ち方を忘れてしまいましたか?」
ーーー登校中ーーー
男「ところで本当に転校してくるのか?」
付人「そんな事はありません」
男「じゃあなんでウチの学校の制服を着ているんだ?」
付人「高校生ぐらいの女の子が、平日の昼間から私服で出歩いていたら変だと思いませんか?」
男「まあ、そうかもしれないな」
付人「私はこの世に出来るだけ干渉しない事が、鉄則ですからね」
男「というかいつの間に着替えたんだよ。俺の部屋に居た時は、白のワンピースだったろ」
付人「女性の着替え姿を見たかったんですか?」
男「違うっ!単純に疑問なんだよ」
付人「神の力、即ち神力(シンリョク)を使いました」
男「あれ?お前も神様なの?」
付人「違いますよ?何を世迷言をおっしゃっているんですか」
男「じゃあどうやって神様の力を使ったんだよ」
付人「私は監視している神様の力を、自由に行使することが出来るのです」
男「へー、じゃあお前が神様に成れよ」
付人「外から無理やり力を引き出しているので、あまり多用すると」
男「どうなるんだ?」
付人「神様の肉体が形を保てなくなり、原子分解します」
男「へー・・・・・・え?」
付人「だからあまり多用できないですし、使うのは緊急時のみですね」ニコニコ
男「お前が制服に着替える事が緊急だったと?」
付人「・・・・・・そうですね、緊急事態でしたので、やむなく」
男「ちょっと血の気が引いてきた。貧血かも」
付人「それはいけませんね。病院まで飛んで行きましょう」
男「あ、治った」
男「それで?いつまで付いてくるんだ?」
付人「私は監視役ですから、神様が1人前になるまではずっと付いて行きますよ」
男「いや、そうじゃなくて、転校しないのに教室まで付いてくるのか?」
付人「そろそろ人通りが多くなってきましたね」
男「ん?」
>ピカーン
付人「これでどこまでも付いていけますよ」
男「なんだ?そのナビィみたいな妖精チックな姿は」
付人「この状態だと他の人には見えませんし、声も聞こえません」
男「へー。俺は今日、無事に家に帰れるのだろうか」サァー
付人「大丈夫ですよ。人型になったり、光になったりするのは私自身の力ですから」
男「なんだ、良かった」ホッ
ーーー教室ーーー
ガラガラガラ
男「」
付人「どうしたのですか?元気よく挨拶しないのですか?」
男「うるせぇ」ボソ
付人「・・・・・・もしかして、ご学友がいらっしゃらないのですか?」
男「」
付人「そうですか。コミュ症でしたか」クスクス
男「違う!」ガタッ
>ザワザワ
男「俺は、コミュ症じゃねーよ」ボソ
付人「へー」ジー
男「他のクラスには、ちゃんと友達ぐらいいるよ」
付人「じゃあクラス内では、ぼっちなんですね」
男「お前は俺に悪態をつく為に、ここまで付いてきたのか?」
付人「そんな事があるわけないじゃないですか!」キリッ
ガラガラガラ
先生「おーい、席に着けよー」
付人「あれ?これでクラス全員ですか?」
男「そうだよ」
付人「男性が見当たりませんね。遅刻ですかね」
男「このクラスに男子は俺だけだよ」
付人「へー、珍しいですね」
男「まあ、商業科だからな。それでも男子が俺だけなのは、少しおかしいと思うが」
付人「あれ?もしかして、女の子と話すのが苦手な人ですか?」ニヤニヤ
男「」
付人「まったく。神様は中学生ですか?」
男「家族とは喋れるよ」
付人「ご家族は対象外に決まってるじゃないですか」
付人「むしろ家族の誰とも喋れない人が、神様に選ばれるわけがありません」
付人「それに私とは、普通に話せているではありませんか」
男「そう言われてみれば、そうだな」
男「あ、もうすぐ授業が始まるから、話しかけるなよ」
付人「仰せのままに」
女「せんせーい!男くんの独り言がうるさいです」
付人「あ、良い忘れましたけど」
男「俺の声は周りに聞こえているんだな」
付人「ご名答。さすが神様です」
付人「では、私はこれで」
ーーー昼休みーーー
付人「いい匂いがしますね」
男「昼休みだからな。弁当は無いけど」
付人「学生食堂という所に行くんですか?」
男「そうだよ」
付人「お母様の手作りお弁当は無いのですか?」
男「朝はバタバタしてて、持ってくるの忘れたんだよ」
付人「せっかく作っていただいてるのに、勿体ない」
付人「明日からは、余裕をもって起床しないといけませんね」
男「誰のせいだよ、まったく」
付人「なんですか?私のせいだと言いたいんですか?」
男「そうだよ。急に神様なんて押し付けられたせいだよ」
付人「押し付けたなんて、人聞きの悪い事を言わないでくださいよ」」
付人「ちゃんとした選考委員によって、選ばれているんですから!」
男「へー」
付人「まあ、今は信じなくてもいいでしょう」
男「なに、その余裕」
付人「約1週間後には、その選考委員の方々にお会いしますから」
男「へー」
付人「随分と悠長ですね。1週間で実力を付けないと、駄目なんですよ?」
男「うん、分かってる分かってる」
付人「ちなみに選考委員に認められない場合は、首になりますよ?」
男「神様を首になるなら、俺としては願ったり叶ったりだよ」
付人「言い直しますね。神様の首が飛びます」
男「言い回しが変わっただけじゃねーか」
付人「物理的に」
付人「まあ、私はお説教程度で済むのでいいんですけどね」
付人「やる気が無いなら強要するのもアレなんで、私は次に選ばれそうな人でも見に行くとしますかね」
男「ちょっと待て!」
付人「どうかしましたか?」
男「俺はまだ死にたくないんだけど」
付人「そんな事を私に言われても」
男「・・・・・・どうすればいいんだ?」
付人「やっとやる気になってくれたんですね!私は信じていましたよ」
男「神様が1番偉いんじゃなかったっけ?」
付人「正確にはまだ神様もどきですから」
付人「神様でもない、人間でもない。半端者ってことですね」
男「半端者のところは、本当に言う必要があったのか?」
付人「じゃあ未熟者ですね」
男「もういいや」
ーーー放課後ーーー
男「早速だけど、何をすればいいんだ?」
付人「あなたが神様にしてほしいと思ってる事を、実現してあげればいいのですよ」
付人「単純明快でしょう?」
男「けど力を使うと俺の体が・・・・・・」
付人「そんな簡単に分解されるわけないじゃないですか」ケラケラ
男「そ、そうか。良かった」ハアー
付人「風邪をこじらせると最悪死ぬ、っていうのと一緒ですよ」
付人「さあ、ちゃっちゃっと実績をあげちゃってください!」
男「お、おう」
男「簡単に言ってるけど、今まで神様とか信じてなかったから、具体的にどうしたらいいのやら」
付人「使えないですね」ボソッ
男「え?」
付人「いえ。じゃあ、彼女の願いを叶えてあげましょう」
男「そんな適当な人選でいいのか?」
付人「いきなり、世界平和!とかの願いを持った人の方がいいですか?」
男「それは無理だな」
付人「そうでしょう?」
付人「さ、まずはどんな願いなのか聞いてみましょう」
男「え?どうやって?」
付人「直接聞ける度胸が、神様にありますか?」
男「て、テレパシーとか?」
付人「念じれば聴こえてきますよ」
男「よし!むむむー」
付人「聴こえましたか?」
男「お、なんか聴こえてきた気がする!すげー!」
付人「さあ、聴こえた願いを叶えてあげるのです!」
男「・・・・・・聴こえたけど、男の俺にはどうにも」
付人「どんな願いだったんですか?」
男「せ、生理が早く終われって」ボソッ
付人「じゃあ、今すぐ排卵させてあげればいいじゃないですか!」
男「ど、どうやって?」
付人「神様の力は目に見えません。イメージですよ!イメージ」
男「イメージ、か」
付人「野球でも、バッと来たボールをビュンって打てばいい。とか言うでしょ?」
男「なんとなく分かるけど」
付人「だからこう、ズルっとしてあげてください」
男「ズルっと、ズルっと」
「あの人、何やってんだろ」ヒソヒソ
男「・・・・・・ズルっっと!」
「うっ!」バタン
>キャー!
男「あれ?失敗したか?」
付人「いえ、大成功ですよ。筋がいいですね」
>センセーイ!
男「あ、ありがとう。けどあの人は倒れちゃったけど、俺のせい?」
付人「まあ仕方ないですね。精密さを欠いたせいで、貧血にでもなったのでしょう」
男「よし、じゃあ俺が今から血液を増やして・・・・・・」
付人「1人から得られる実績は1ですよ?いくら願いを叶えても実績は増えませんよ?」
男「そうだとしても、人助けは大事だろ?」
付人「勘違いしてはいけません。神様の力は、人助けの為ではありません」
男「え?違うのか?」
付人「歴代の神様は、ある1つの目標に向かって、地道に実績を積み重ねていきました」
男「それはまた大層な話だな」
付人「その目標はきっと、未熟者の神様には想像もつかないでしょう」
男「まあ、そうだろうな」
付人「しかし、神様も実績を重ねればその目標に向かうことになります」
男「俺には想像も出来ないから、教えてくれ。どんな目標なんだ?」
付人「それは・・・・・・」
男「それは?」
付人「人類の絶滅です」
男「・・・・・・え?」
男「神様は人とか動物とか関係無しに、願いを叶えてくれるんじゃないのか?」
付人「説明するのが面倒なので、簡単に言ってもいいですか?」
男「面倒って。まあいいけど」
付人「有難うございます」
付人「ある神様は言いました。『人の願いは面倒くさいな』と」
男「ふむふむ。面倒くさがりの神様も居るんだな」
付人「昔は人の願いも、簡単なモノが多かったそうです」
付人「しかし時代が変わるにつれて、願いも変わっていきました」
男「けど俺よりすごい神様なんだろ?力に限界があるからってそれぐらい」
付人「人は段々と成長していきます。しかし神様に時間の概念はありません、故に成長もしません」
付人「神様に選ばれた人は、生まれ持った神の資質というモノで全てが決まります」
男「人間で言うところの、天才って感じか」
男「けど前にテレビで、人類は数億年後には絶滅するとかなんとか」
付人「確かに、神様はタイムスリップする事も出来ます。しかしそこにも神力が影響してきますので・・・・・・」
男「そんな先までタイムスリップができる神様が現れなかったのか」
付人「そうです。そして人の願いは、いつしか神様のキャパシティを超えてしまいました」
男「そんな事があり得るのか?」
付人「単純に人の数が増えたという事もありますが、1人の願いが1でも増えれば、億単位で増えていきます」
付人「神様は仕方なく優先順位を決めて願いを叶えてきましたが、手に負えなくなってきました」
付人「そして神様自体を信じる人が、とても少なくなりました」
付人「神様はいつしか、こう考えるようになりました」
『無駄に賢くなってしまった人類は、滅んだほうがいい』
男「分からなくもないかもしれないな」ウーム
男「けど今でも人口は増え続けているぞ?」
付人「一気に減らしてしまえば、野生の動物たちにも影響が出てしまう」
付人「人類にはゆっくりと自滅をしてもらうのが1番、だという考えです」
男「なるほどな」
男「けどその目標に向かえっていうなら、俺は神様になりたくないな」
付人「あなたならそう仰ってくれると信じていました」
男「え?今なんて?」
付人「なんでもありません。さあ、話も終わりましたし、実績を重ねに行きましょう」
男「お、おう」
ーーー1週間後ーーー
付人「実績は十分だと思いますが、油断はしないでくださいね」
男「お、おう。いざとなると緊張するなー」
付人「それでは行きますよ?」
男「問題ない」
付人「転移します。神の委員会へ」
>ピカーン
男「あれ?俺の部屋のままだけど?」
付人「終わりましたよ?」
男「え?」
付人「神様の脳のキャパシティが少なすぎたんじゃないですか?」
男「おい」
付人「何はともあれ、おめでとうございます」
男「俺がここにこうして立っているということは・・・・・・」
付人「立派に成られましたね」
男「ありがとう」
付人「さて、早速願いを叶えに行きましょうか」
男「そうだな。最初の願いは誰がいいかな」
付人「はい!」
男「どうしたんだ?いきなり手を上げたりして」
付人「神様!私の願いを叶えてください」
男「・・・・・・そうだな、お前には世話になったしな」
付人「有難うございます。私の願いは・・・・・・」
付人「人類の滅亡です」
男「・・・・・・そうか」
付人「驚かないんですね」
男「まあな」
男「他でもないお前の頼みだ、神様に成って最初で最後の願いか」
付人「・・・・・・有難うございます」
男「いいんだな?」
付人「はい」
男「すー。はー」
男「神の名の基に、現人類の全てを無に還す」
すみません。見切り発進してしまったので、書いていく途中でよく分からなくなりました。
修正もきかなくなってしまったので、短いですが最後まで読んでくれた暇な人が居たら、本当に申し訳ありません。
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