モバP「月に向かって打て!」 (92)

モバマスSSです。

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以前より、続いている野球シリーズです。

今回も例によって書き溜めが十分ではないので、数日間に渡ってしまうと思います。

申し訳ありません。

友紀「いやー、今年の甲子園は熱かったねぇ…。延岡の監督さんが良いキャラしてたよね本当に」ウンウン

巴「その話は何回目じゃ…」

アーニャ「ダー。流石に…聞き飽きました」

友紀「そう?それじゃあね――」

ありす「出来れば、キャッツと高校野球以外の話にしてくださいね」

友紀「あぁ、U-18はアメリカには負けちゃったしねぇ…」

ありす「分かってるならわざわざ言わなくても…」

おお野球シリーズだ

ちひろ「アメリカに負けちゃったんですか?」

P「えぇ、良い所まで行ったんですけどね」

ちひろ「へぇ…私も途中まで見てたんですけど…ドラマが始まってしまって」

P「まぁ、途中まで見ててそっちに変える人の気持ちは分かりますよ」

ちひろ「あ、そうですか? そう言えば、あのドラマを見ると少し胸が痛むんですけど病気なんですかね?」

P「さぁ?そこは知りませんけど…」

桃華「全く、姫川さんたちもよくも、同じようなお話で盛り上がれますわね」

P「同じではないんだけどな」

桃華「そうでございますの?」

P「まぁ、やってることは同じなんだけどな」

桃華「よく分かりませんわね」

P「桃華だって、この間のライブと、初めてやったライブは違うだろ?同じライブだけど」

桃華「なるほど…そういうことなのですね」

ちひろ「桃華ちゃんは興味ないんですか?」

桃華「わたくしですか?」

ちひろ「ほら、ありすちゃんとか、巴ちゃんみたいな年が近い子たちも熱中してるし興味ないのかなーって」

桃華「正直、ルールも余り知りませんの。ボールを投げて、打って、走って、点数が多い方が勝ちってことは分かりますけど…」

ちひろ「そっか。あはは…」

ちひろ(まぁ、普通の女の子はそうですよね…)

友紀「いや、あの勝ち越しは痺れたよね。まさかあの場面で打つなんて」

巴「本当に神がかり的なバッティングじゃった…」

アーニャ「…なんの話?」

友紀「数年前のWBCの決勝打の話だよー。やっぱり持ってる選手は違うねーって話」

巴「どこの球団のファンなんて超越して、国を挙げて応援してたからのぉ…」

アーニャ「ダー。…よく分かりませんが、ヒーローがいたのですね」

友紀「そういうことっ!」

巴「よう分かっとるの」

友紀「それでさ―」

桃華「何を話しているか全く分かりませんわ…」

P「今、桃華があの中に入ったらアーニャより凄い目に合いそうだな」

ちひろ「アーニャちゃんも辛そうですけどね…」

P「確かにな。ちょっと助けてやるか」

P「おーい、アーニャちょっと来てくれ」

アーニャ「ダー。すみません私はこれで」

友紀「あ、うん。じゃねー」

千奈美「そろそろレッスンじゃない?」

友紀「あ、そうだね。あー、楽しい時間はすぐ終わっちゃうからねー」

ありす「レッスンは嫌ですか?」

友紀「いや?嫌いじゃないけどさ、せめてラジオか何かがあれば…」

千奈美「この間使おうとして、集中しないからって禁止されたの忘れたの?」

友紀「やっぱり、気になっちゃって…」アハハ

巴「集中せんと怪我の元じゃ」

友紀「そうだね。念入りに柔軟やっとかないと」

千奈美「えぇ、怪我せずに常に最高のパフォーマンスをしなければならないのだから」

千奈美「それじゃPさん行ってくるわね」

P「あぁ、行ってらっしゃい」

P「アーニャ大丈夫か?」

アーニャ「一度に情報を抱え過ぎました…」

ちひろ「お茶でも飲みますか?」

アーニャ「スパシーバ。ちひろ」

桃華「わたくしにもくださる?」

ちひろ「はーい。ちょっと待っててね」

アーニャ「そう言えば…」

P「どうかしたのか?」

アーニャ「アチェーツ、パパがまた来て欲しいと」

P「アーニャのお父さんがか?」

アーニャ「ダー。また、お酒を飲みたいと昨日電話で言っていました」

P「いつか行くって言っておいてくれ」

アーニャ「ダー。了解しました。その、えーと、その時は一緒に…」ゴニョゴニョ

P「まぁ、俺一人で言ってもしょうがないしな。一緒に行くことになるだろうな」

アーニャ「…スパシーバ」ホッ

桃華「随分とご家族と仲がよろしいんですねPちゃま?」ジロッ

P「ま、まぁな。ちょっと家に伺う機会があって」

桃華「…そう言えば、他の方から聞きましたわ。なんでも色々なアイドルのお家にPちゃまがお邪魔してると」

P「お邪魔というか、近況報告にな」

桃華「なるほど。それじゃ、次はわたくしのお家に来てくれるんですの?」

P「え、あ、そうだな。行ってないし丁度いいか」

P(…お屋敷みたいな家だよな多分)

桃華「それじゃ、次のお休みにでもお願いしますわ♪」

P「分かった。調整してみるな」

桃華「それじゃ、わたくしはもう帰りますわね」

P「お疲れ様。送っていくか?」

桃華「いいえ、迎えが来ますので」

アーニャ「行っちゃいましたね…」

P「そうだな」

ちひろ「お茶入りましたー…って桃華ちゃんは?」

P「帰りましたよ。迎えが来たとかで」

ちひろ「あ、そうですか…」

ちひろ(お茶どうしよう…)

P「だから、代わりにそのお茶貰っていいですか?」

ちひろ「え、あ、どうぞどうぞ」

P「美味しいですね」

アーニャ「流石です」

ちひろ「そ、そんなに褒めても何もでないですよ」

ちひろ「そう言えば、今まで友紀ちゃん達って野球のお仕事来たんですか?」

P「なんですかいきなり」

ちひろ「ちょっと気になりまして…」

P「えぇ、少しは。智香がこの間千葉マリンで一緒に踊ってましたよ。楽しかったそうです」

ちひろ「ぴったりですね」

P「えぇ、本人たっての希望でしたから」

P「それと、巴が地元のテレビに出るようになりましたね」

ちひろ「巴ちゃんがですか?」

P「はい。野球の話なんですが、アイドルであんな詳しい子は中々いないと。地元ということもあって隔週くらいで出てますね」

P「最近調子もいいですしね。このまま勝てば益々地元の露出が増えるかなと思ってます」

ちひろ「えーと、友紀ちゃんとかは?」

P「友紀ですか?そうですね…まだ、そういう仕事は取ってこれてないですね。キャッツのホームでの始球式とかってやっぱり、難しいんですよね取るのが」

ちひろ「確かに、色々な人が投げてますしね」

P「だから…」

アーニャ「……えい」ツンツン

P「おわっ!どうしたアーニャ」

アーニャ「ここには、アナタとちひろと合わせて三人います」

P「そうだな。悪かった。アーニャもこっちにおいで」

アーニャ「…スパシーバ」ポフッ

P「いや、こっちこそごめんな」

アーニャ「謝らないで下さい。…気にしていませんから」

ちひろ「そう言えば、アーニャちゃんとかに野球のお仕事は?」

P「まだそういう話はないですね。まぁ、千秋にせよ、アーニャにしろ野球に興味があるなんて知ってる人ほとんどいませんから」

アーニャ「事務所の人達だけの秘密です」

ちひろ「そうなんですね」

アーニャ「そうなんです」ツンツン

P「なんだ気に入ったのか?」

アーニャ「そういうわけでは」

ちひろ「あれじゃないですか?そうするとプロデューサーさんが構ってくれると思ってるんじゃ」

アーニャ「……」ピクッ

P「そうなのか」

アーニャ「Молчание - знак согласия」プイッ

ちひろ「そう言えば、今度は神戸に行くんですね」

P「桃華の家の話ですか?」

ちひろ「はい。お休みとっては全国各地に旅行に行ってるみたいで凄いですよね」

P「その分お金もバカにならないですけどね…」

P(一万五千くらいか…?往復三万として…結構かかるなぁ)

ちひろ「まぁ、彼女たちの為ですから」

P「魔法の言葉ですよねそれって」

ちひろ「そうですか?」

P「と言うか…休みはいつになりそうですかね?」

ちひろ「アイドルの皆の為ですからね。いつでもいいですよ」

P「本当ですか?」

ちひろ「えぇ。私も頑張りますから」

P「ありがとうございます」

アーニャ(今度はパパをこっちに呼べばいいのかな…?)

ピリリリ

桃華『はい…あ、Pちゃまですの?どうされまして?』

P「あ、桃華、今平気か?」

桃華『えぇ、平気ですけど、どうかされまして?』

P「いや、桃華の家に行ける日程が決まってさ」

桃華『あら、随分と早く決まりましたのね』

P「まぁ、色々あってな」

桃華『理由は分かりませんが、嬉しいですわ。して…いつ頃に?』

P「そうだな…一応、――日頃なんだけど平気か?」

桃華『一応、聞いてみますわ。それからでもよろしくて?』

P「あぁ、構わないよ。親御さんの都合もあるだろうし」

桃華『それでは、次に事務所に行った時にでもお伝えしますわねPちゃま』

P「あぁ、分かった。それじゃあな」

ナマーズFSおめ。
この調子できょ、もといキャッツも駆逐して欲しいところ。

P「そう言えば奏」

奏「何かしら?」

P「宮元選手が引退するな」

奏「そうね…悲しい限りだわ。一発はないけれど代打での勝負強さはこれからも必要になるのに」

P「まぁ、本人が守備に出れないから…って話だからな」

奏「そう考えると優勝したかったわね」

李衣菜「おー…」キラキラ

P「ところで、李衣菜はさっきから何してるんだ?」

奏「あぁ、さっき同じ話をしていて、宮元選手のことを良く知らなかったみたいだったから、

如何に凄いか動画を見せてるのよ」

P「なるほどな」

李衣菜「えっ、それ捕るの?うわー、カッコいいなぁ」

P「順調に洗脳されてるな…」

中座します。

>>19
今年のCSは、広島と言い檜山のHRといい最高でしたね。

いちお広島フアンの自分、大歓喜です。
そして野球シリーズキタ!
待ってましたっ☆

奏「この間はスパローズ黄金時代の動画を見せたわ」

P「奏は李衣菜をどこに連れていきたいんだ…」

李衣菜「上手いなー。こう、バッって捕って、ビュっと投げるのかな…」

P「李衣菜ー楽しいか?」

李衣菜「あ、Pさんいたんだ。ねぇねぇ、宮元選手って知ってる?」

P「え、どんな選手なんだ?」

李衣菜「えー、知らないの?しょうがないなぁ、とっても守備が上手い選手なんだよね。

まずは、奏ちゃんが見せてくれたこの動画を見てよ」

P「はいはい」

P(李衣菜も楽しそうでよかった)

李衣菜「聞いてますかー?ほら、これ見て下さいよ。どう考えても抜けちゃうでしょ」

P「抜けそうだな」

李衣菜「でも…抜けないんですよねっ、これが。凄いですよね。次はこれなんですけど――」

P「凄いなぁ、宮元選手は…」

李衣菜「ですよねー。引退なんて勿体ないですよ」

奏「楽しそうね二人共」

P「奏も見るか?」

奏「流石に三人で見るのは窮屈じゃないかしら?」

P「まぁ、確かにそうか」

沙紀「三人で何してるんすか?」

P「あ、沙紀か。おはよう」

沙紀「おはようっす。それでなにしてるんすか?」

李衣菜「宮元選手の好プレー集を見てたんだよー」

沙紀「あー、引退しちゃうっすもんねぇ…。まだやれそうなのに」

奏「引き際としてはいいかもしれないけれどね」

沙紀「そうかもしれないっす。あっ! そう言えば、ブランティンはよく打つっすねぇ」

奏「神宮だったら当たればみたいな感じよね」

沙紀「そうっすよ。あーフライかなーって見てたらそのままスタンドインとか良く分からないっす」

P「外国人のパワーって凄いよな。でも、バレンコも打ってるじゃないか」

沙紀「そうなんすけどね。流石にホームラン王は取れそうにないんで…」ハァ

P「お互いがいなければ、どっちも三冠王だったって言うのが、また凄いよな」

奏「まぁ、正直打点は少し自信がなかったわ」

沙紀「確かに、スターズの方が塁上にランナーがいる場面で回ってくる気がするっすね」

奏「まぁ、今は五番が機能してくれているだけありがたいけれど」

李衣菜「あ、知ってますか?今の五番ってブラジルの四番なんですよ」ドヤァ

P「WBCの時にも出てたなぁ…」

奏「…ブレーキだったけどね」

沙紀「三人とも楽しそうっすね」

P「そう言えば、スターズってまだCS出場の可能性があるんだよな?」

沙紀「そうっすよー。かなり薄いっすけど…」

P「四位のチームとの直接対決に勝って、尚且つ三位が負けてくれなきゃいけないんだもんな」

沙紀「そうなんすよねぇ…」

みく「にゃー…」グデー

P「どうした元気ないな」

みく「あ、Pチャン」

P「まだ暑いから夏バテでもしたのか?」

みく「違うにゃ。ひーにゃんが引退するからちょっと寂しいにゃん…」

P「あぁ、まぁ、そうだよな」

みく「いつかは引退するとは分かってたけど、いざその時が来ると悲しいのにゃ」

P「そうだな」

みく「まぁ、気にしてもしょうがないにゃ。それじゃPチャンお仕事頑張ってくるのにゃー」

P「頑張ってこいよ」

奏「ふぅ…ただいま。最近レッスンもハードになってきたわね」

P「まぁ、仕事も少しずつ増えてきてるからな。お茶でも飲むか?」

奏「嬉しい悲鳴よね。あ、平気よ。飲み物持ってきてるから」

P「そうか」

奏「えぇ、ありがとね」

P「そういや、最近忙しくてニュース見てなかったんだけどさ」

奏「何かしら?」

P「ブランティンが55本に並んだらしいな」

奏「結構前の話よねそれ」

友紀「まさか並ばれるとは思わなかったよね」

P「あ、友紀来てたのか」

友紀「えー、さっき挨拶したじゃん」

P「悪い悪い。ちょっと立てて混んでてさ」

友紀「奏ちゃんと二人っきりで話してたじゃんかー」ブー

P「悪いって拗ねないでくれよ」

友紀「拗ねてないってばー」

奏(…拗ねてるわよね絶対)

友紀「あ、そうそう。話戻すけどさ、55本から先はどうなるんだろうねぇ」

奏「残りの試合数的に考えて全然あり得る話だと思うけど」

友紀「まぁ、そうだよねー。怪我したり、四球攻めでモチベーションが下がらないよいいよね」

P「まぁ、今までの50本超えた選手たちは皆やられたからなぁ…」

友紀「単純に安打の三割くらいがホームランだから勝負したくないよね」

奏「一塁をあげるだけなら安いものよね」

友紀「そうそう。でもキャッツは勝負して欲しいなぁ。危ない場面ならしょうがないけど、記録を阻止するためにランナーなしで敬遠するのは一位のチームじゃないもん」

P「そうだな」

奏「今日、レパーズとスパローズの試合だけれど、記録更新はあるかしらね」

P「あるといいなぁ」

友紀「奏ちゃんここで見てくの?」

奏「そうね…Pさんが一緒に見てくれるならここで見るわ」

P「俺は仕事なんだけど…。まぁ、事務所で見る分にはいいけど」

友紀「それじゃ、こっちで見ようよ。記録を塗り替える瞬間は、皆で味わいたいじゃん」

奏「そうね」

P「台風大丈夫かなぁ…」

ちひろ「さっき通り過ぎたみたいですよ?さっき天気予報を見ましたけど」

P「となると、今、東北あたりなんですかね」

ちひろ「そうですね。早めに抜けてくれてよかったですよ。帰りどうしようかと思いましたもん」

P「確かに電車止まったりしたら帰れないですもんね」

奏「その時は、皆と女子寮に泊まればいいんじゃない?」

友紀「あ、いいよいいよ。お酒飲もうよー」

ちひろ「いや、もう晴れてるんでちゃんと帰りますよ?」

友紀「えー。残念」

P「お、始まったみたいだな。打ったら教えてくれ。俺とちひろさんは仕事してるから」

奏「えぇ、分かったわ」

友紀「はーい」

奏「きゃあ!」

友紀「うえぇ!?」

P「どうした?」

奏「打ったわ。いきなり」

友紀「打った瞬間だったね…。月まで飛んでいきそうだったよ」

P「早っ!まだ始まってすぐだぞ」

ちひろ「簡単に打っちゃいましたね…」

P「凄いなぁ…」

友紀「凄い盛り上がりだねー。今は傘を一緒に振りたい気分だよ」

奏「あら、意外ね。てっきり悔しがるかと思ったけど」

友紀「あ、記録破られてってこと?」

奏「そうそう」

友紀「平気平気。だってさー、シーズン記録は破られても868本の記録は破られないだろうしね」

ちひろ「868って…何年間打ち続ければ更新出来るんでしょう…」

P「二十年間四十本打ってもまだ800だしなぁ…」

友紀「ゲームでやっても十年以上は掛かりそうだよね…」

P(…ゲームなら年間80本はいけるのか。)

奏「ま。なんにせよ、シーズン記録を取れたことは嬉しいわ」

P「新人王と最多勝を狙えるピッチャーもいるからな」

奏「そうね。チームの順位は気にしないことにするわ」

カキーン

ワーワーワーワー

奏「凄いわね…」

友紀「もう、行けるとこまで行っちゃって欲しいね!」

P「どうしたー?」

ちひろ「どうかしましたか?」

奏「57号を打ったわ」

友紀「もう、プレッシャーもなくなった感じだねー」

奏「いいものが見れたわ。それじゃ私は帰るわね」

友紀「あ、待ってあたしも帰るから」

P「ちゃんと帰れるか?」

奏「そこまで遅くはないし問題ないわ」

友紀「アタシも平気だよー。お酒も飲んでないし」

P「ならいいけど…」

奏「心配症ね…。そこまで心配なら着いたら、連絡するわ」

友紀「あたしも連絡するねー。それじゃ」

P「おう。それじゃあな」

また、一旦中座します。

すみません。

翌日

ピリリリリ

ちひろ「はい。はい?えぇ、確かにPはウチのプロデューサーですが、はい。分かりました。少々お待ちください」

P「俺に電話ですか?」

ちひろ「えぇ、でも…」

P「なにか心配ごとでも?」

ちひろ「どこかの会社ではなく、個人の方なんですよ」

P「個人?」

ちひろ「えぇ、なんでも東郷さんと言う方で…」

ちひろ(ヒットマンの方ですかね…?)

P「あぁ、東郷さんですか。ありがとうございます」

P「もしもし」

あい『すまないね。連絡する手段がこれしかなくてね』

P「いえいえ。この時間でしたら、忙しくないので。どうかなされましたか」

あい『あぁ、実はね。今度そっちでサックスを演奏することになってね。時間が合えばと思って』

P「なるほど。分かりました。二人にも言っておきますね」

あい『そうして貰えると助かる。それと、私用のアドレスを教えて貰えると助かるのだが…』

P「そうですね。えーっといいですか?」

あい『あぁ、平気だよ』

P「はい。電話番号は――」

あい『分かったありがとう。それでは、詳しい日時はそちらに送るとするよ。それじゃ、お仕事中にすまなかった』

P「いえいえ。それでは失礼します」ガチャ

ちひろ「どちら様ですか?」

P「ちょっとした知り合いですよ」

ちひろ「誰かをヒットしたりするんですか…?」

P「どこの東郷さんと間違えてるんですか…」

ちひろ「う、じょ、冗談ですって」

穂乃香「お疲れ様です」

まゆ「お疲れ様です」

P「お、二人ともこっち来てくれるか」

穂乃香「はい?なんでしょうか」

まゆ「なんですかぁ?」

P「東郷さんがこっちに来るみたいだけど会うか?」

穂乃香「お仕事かなにかで来られるんですか?」

P「そうなのかな」

まゆ「わぁ…お時間が合えば会いたいですね」

穂乃香「そうですね。私も折角言ってきて頂いたので」

P「そっか。分かった。それじゃ向こうにそう言っとくな」

まゆ「うふふありがとうございます」

穂乃香「あ、ありがとうございます」

P「そう言えば、楽天にマジック点灯したな」

まゆ「うふふ。そうですよ」

穂乃香「そうでしたね。嬉しい限りです」

P「まぁ、あそこにはまだ負けなしの絶対的エースがいるからな」

まゆ「お会いした時から今まで負けなしで来るとは思ってなかったですよぉ」

穂乃香「味方も援護してくれますしね。一点取ったらファンの方々も勝ったように喜ばれてますし」

P「実際ギアが入った時は打たれる気がしないよな」

穂乃香「正直テレビゲームを見ている感じに似ています」

まゆ「このまま行くのか、はたまた誰かに負けちゃうんですかねぇ…」

ちひろ「流石に全試合勝ち続けるのは無理なんじゃないでしょうか」

P「そう言って九月まで来てしまったんですよね」

奈緒「おはようございまーす」

P「お、奈緒だ。ちょっと来てくれ」

奈緒「ん?なんだよPさん」

P「一つ聞きたいんだが、奈緒は田仲投手が負けるとしたら誰だと思う?」

奈緒「え、いや、分からねぇって。そこまで詳しいわけじゃねぇし」

P「勘でもいいから」

奈緒「んー、そうだなぁ…。まぁ、エース対決とかしたら普通に負けることあるんじゃね?猪口選手がさ、2000本打った時だって負けそうだったし」

P「一番それが、現実的かな」

ちひろ「金子千投手とかですかね」

P「あぁ、確かにそうですね」

奈緒「それか…あっ、あれだ。甲子園の再来とかそういう漫画みたいな展開だと負けるかもな」

P「あれは確か2006年だからもう大分前のことになるのか」

ちひろ「そう言えば、近々一軍に上がってくるそうですし、強ちあり得ない展開ではないですよ」

奈緒「漫画みたいにプロでまた戦うとかかっこいいなー」

穂乃香「ドラマ化しそうですね…」

桃華「おはようPちゃま」

P「お、桃華おはよう」

桃華「お父様、お母様に聞きましたが、夜ならば平気だそうです」

P「そうか、向こうも忙しいだろうに悪いな」

桃華「いえ、特にお父様は楽しみにしてらしてよ?」

P「はは、そうか。それは恐縮だな…」

P(お土産なに持っていけばいいんだろう…?)

巴「お、Pに櫻井、二人で何しとるんじゃ?」

P「あぁ、いつ家に行くかと言う話をな」

巴「…まーたPはアイドルの両親にご挨拶に行くのけ…」

P「随分とまた誤解を受けそうな発言だな」

巴「嘘は言ってないじゃろ。…む?櫻井は確か…神戸の生まれだった気が…」

桃華「そうでございますよ?よく覚えていらっしゃいますわね」

巴「まぁ、やっぱりそういう所は覚えてないと失礼じゃろうて。ウチもそうじゃが、地方からこっちに来てるとしたら尚更故郷は大事にするはずだしの」

桃華「…そうですの」

P「なんだ、桃華照れてるのか?」

桃華「て、照れてなんていませんわっ!ただ…そんな風に考えてるなんて思わなかったから感心してしまいましたの」

巴「ふーん。あ、P結局いつ行くんじゃ?」

P「ん?あぁ、九月の終わりの方になるかな」

巴「野球も行くんか?」

P「いや、そんな予定はない…かな?」

桃華「どうかされまして?」

P「いや、別に何でもないよ」

桃華「そう言えば、Pちゃまは野球がお好きなんでしたっけ?」

P「まぁ、見るのもやるのも好きだけど…」

桃華「なるほど…村上さん?」

巴「ん?なんじゃ?」

桃華「わたくしの実家は神戸ですけど、野球の試合する場所があって?」

巴「おー、あ――」

唯「あるよーっ」

巴「おわっ、い、いきなりなんしょん唯さん?」

唯「ごめんねー。あー、巴ちゃんも可愛いなー。頭撫であげるねー」

巴「か、可愛いはナシじゃ」

唯「そんな所もいいよねー。あ、それで、桃華ちゃん」

桃華「は、はい」

唯「神戸には球場あるよー。Pちゃん行ったことある?」

P「俺はないな」

唯「なら一緒に行ってきなよー」

P「いや、目的はそっちじゃないからさ…」

桃華「わたくしは構いませんわよ?」

P「桃華?」

桃華「普段お仕事で忙殺されてるPちゃまが少しでも休めるのでしたら。わたくしにとって

これ以上ないことですわ」

唯「ひゅー。熱いね桃華ちゃん」

桃華「べ、別に。わたくしは思ったことを言ったまでですの…」カァァ

唯「これは、もうデートだねっ!」

柚「誰と誰がデートするの?」

唯「え?Pちゃんと桃華ちゃんだよー」

柚「…ん?あー、あー、なるほど。今度は桃華ちゃんのお家に行くんだねPサン」

P「そういうことだな」

今日はここまでで失礼します。

先程やっていた引退スペシャル凄かったですね。

>>16
>P「まだそういう話はないですね。まぁ、千秋にせよ、アーニャにしろ野球に興味があるなんて知ってる人ほとんどいませんから」

>アーニャ「事務所の人達だけの秘密です」

>ちひろ「そうなんですね」

>アーニャ「そうなんです」ツンツン

>P「なんだ気に入ったのか?」

>アーニャ「そういうわけでは」

>ちひろ「あれじゃないですか?そうするとプロデューサーさんが構ってくれると思ってるんじゃ」

>アーニャ「……」ピクッ

>P「そうなのか」

>アーニャ「Молчание - знак согласия」プイッ

桃華「で、デートなどではないと思いますけれど…当日は楽しみにしてますわPちゃま」

P「分かった。期待に応えられるように頑張るよ」

柚「いいなー、アタシもPサンとどっかに行きたいよー」

唯「お、柚ちゃんだいたーん」

柚「え、あ、ちょ、違うって。そんな感じじゃなくてさ…なんて言うかその…」ポリポリ

唯「可愛いなー柚ちゃん」

柚「そ、そうかな…Pサンはどう?」

P「え?別にいいけど」

柚「ホント?嘘じゃない?」

P「まぁ、空いてたらだけど…」

巴「そ、それならウチもええか?」

P「なにをだ?」

巴「その…なんじゃ、ウチのチームがCSに行けたら、一緒に観に行って欲しいんじゃ」

P「ナマーズが出たらか?」

巴「そ、そうじゃ」

P「恐らく甲子園だよな」

巴「そ、そうじゃの…」

P「んー…」

P(確か、Aクラス入りしたら10数年ぶりだし、巴の生まれる前だもんなぁ)

P「よし、なんとかしてみよう」

巴「ほ、本当か?」

P「ま、あくまで、予定が合うのと、ナマーズが三位までに入ったらだけどな」

巴「おう!それは、任せとくんじゃ!」

桃華「なんだか釈然としませんわね…」ムッ

巴「ありがとなーP」ニコニコ

P「そこまで喜んでくれると嬉しいな」

柚「えー、Pサンこっちの試合は?」

P「先に約束しちゃったからさ、野球以外でどっか行こうか」

柚「ま、しょうがないけどそれでいっか」

まゆ「お疲れ様です」

P「お疲れ様。どうかしたのか?」

まゆ「えぇ、ちょっと気になることがあってですねぇ」

P「うん。どうかした?」

まゆ「いえ、村上さんに今日会ったんですけど」

P「巴にか?レッスンで会ったんだな」

まゆ「はい。そうですよ」

P「それで、どうしたんだ?」

まゆ「はい。キラキラしてたのでなんでかなーって聞いてみたんですよ」

P「うん」

まゆ「そしたら、Pさんが一緒に旅行行ってくれるかもしれないって言ってたんですよぉ」

P(CSのことかな)

P「あぁ、言ったな」

まゆ「本当ですか?」

P「う、うん。それがどうした?」

まゆ「…まゆとはどこか行ってくれないんですか?」

P「え?」

まゆ「まゆとは行ってくれないんですか?」ギュ

P「あぁ、どこか行きたいのか?」

まゆ「Pさんとならどこへでも。うふふ…」

ちひろ(事務所の気温がちょっと下がったんですけど…)

ちひろ「あ、あの…そこまでプロデューサーさんにお休みは」

まゆ「別に一日中ってわけじゃないですよ?」

まゆ「お仕事終わったあとに、ただいまって言ってくれるだけで…」

ちひろ「あ、そうですか」

ちひろ(ただいま。ってことは…プロデューサーさんの家にいるってことですかね?)

P「ま、まぁ、そのうちな」

まゆ「本当ですかぁ?約束ですよ?」

P「あぁ」

駅周辺

まゆ「こっちで合ってるんですか?」

P「えーと、ここのはずなんだけど…」

穂乃香「ここですか?」

まゆ「バーみたいですけど」

P「流石に未成年の二人を入れるわけにいかないよな。ちょっと東郷さんに電話してみるよ」ピポパ

あい『はい。あぁ、もう着いたのかい?それじゃ、今開けるよ』

ガチャ

あい「こんにちは。久しぶりだね」

まゆ「こんにちは」

穂乃香「こんにちは」

あい「こんにちは。さぁ、入ってくれたまえ」

P「東郷さん流石に未成年は…」

あい「心配ないさ。まだ開店までは六時間もあるし」

P「そうなんですか?」

あい「あぁ、カッコつけさせて貰うと君たちだけの貸切さ。生憎何も出せないけどね」

P「そういうことでしたら」

まゆ「お邪魔します」

穂乃香「お邪魔します」

店内

穂乃香「綺麗ですね。お洒落と言いますか」

まゆ「綺麗ですねぇ…」

あい「私の知り合いが経営してるんだ。今日は鍵を借りたんだよ」

P「わざわざすみません」

あい「いや、この間の礼だよ。私に出来るのはこれくらいしかないだろうしね」

まゆ「なんだか嬉しいです」

穂乃香「ちょっとだけ得した気分です」

あい「それでは、余り自信はないが、一曲」

あい「ご清聴ありがとう」

まゆ「わぁ」パチパチ

穂乃香「素晴らしいです」パチパチ

あい「現役のアイドルに褒めて貰えるなんて光栄だね」

穂乃香「…かっこいい」

P「穂乃香?」

穂乃香「な、なんでもありません」

あい「それでは、もう一曲行かせて貰おうかな。――」

P「凄いですね」パチパチ

あい「まさか、プロデューサーである君に褒められるなんてね」

P「プロデューサーじゃなくても褒めてますよ」

あい「それは嬉しい限りだね」

まゆ「音楽が出来るってカッコいいですねぇ…」

P「まゆもやってみるか?」

まゆ「まゆとしてはPさんがやってるところを見てみたいですよ」

穂乃香「わ、私も見て見たいです」

あい「見てみたいね」

P「いや、俺なんてハーモニカとピアニカくらいしか出来ないんで…」

あい「そうなのか。それは残念だ」

あい「そう言えば、最近アードラーズの調子がいいみたいだね」

まゆ「そうですね」

穂乃香「確かにBJさんなどが活躍されてますね」

あい「この間、一人で球場に行ってみたが君たちは人気だね」

穂乃香「そうなんですか?」

まゆ「そうだと嬉しいです」

あい「あぁ、若い子がそんな話をしていたのを聞いたよ」

まゆ「また試合を一緒に観に行きたいですね」

あい「…そうだね。行こうじゃないか。出来ればCS辺りまでに行けるといいな」

穂乃香「そうなると、宮城になりますね」

あい「そうだね。皆で行こうか」

まゆ「はい。楽しみにしてますね」

P「それでは失礼しました」

あい「あぁ、また来てくれても構わないからね」

P「営業中には来れませんけどね」

あい「キミなら来れるだろう?他の知り合いと来るといい」


P「そういうことなら考えておきます」

あい「それじゃ、準備があるから…」

まゆ「はい。さよならです」

穂乃香「凄かったですね。ありきたりな言葉でしか表せない自分の語彙が憎らしいです」

P「凄かったなぁ…」

事務所

ちひろ「そう言えば、明日でしたっけ?」

P「えぇ、桃華の家に行ってきます」

ちひろ「ちゃんと帰ってきてくださいよ?」

P「平気ですよきっと」

ちひろ「大丈夫だといいんでけどね…」

P「そ、そんな何回も言わないで下さいよ」

ちひろ「冗談ですって。そう言えば、直接向かわれるんですか?」

P「明日は駅に直接向かいますよ。新幹線とはいえそれなりにかかりますからね」

ちひろ「そうですか。それでは、次に会うのは明後日ですね」

翌日

ピンポーン

P「……ん?」

P(朝から誰だ?)

P「宅急便かな…?」

ピンポーン

P「まさか、隣の宅急便を受け取らなきゃならないなんてことはないよな…」

P「はーい」ガチャ

桃華「おはようございますPちゃま」

P「……ん?おはよう」

桃華「Pちゃま。まだ寝惚けてまして?」

P「悪い…頭がまだ働いてなくてさ」

桃華「別に構いませんわ。お部屋でお待ちしていてよろしくて?」

P「あぁ、別にいいけど」

桃華「失礼しますわPちゃま」

P「俺、寝坊したっけか?」

桃華「いいえ、まだ集合時間ではありませんわ」

P「だよな。そういえば俺の家はどうして知ってるんだ?」

桃華「佐久間さんに聞きましたの」

P「なんで知ってるんだろうな。コーヒー飲むか?」

桃華「えぇ、ミルクと砂糖をたっぷりお願いしますわ」

P「ほら」コトッ

桃華「ありがとうございますわ」

P「そう言えば、なんでここに来たんだ」

桃華「これを渡しにきたのですわ」ピラッ

P「これは…新幹線のチケット?」

桃華「えぇ、帰ると言ったら家の者が用意してくれましたわ」

P「これ、グリーン車じゃないか?」

桃華「そうですの?わたくしにはよく分かりませんわ」

P「凄いな。それじゃ行くか?」

桃華「えぇ、そうしますわ。Pちゃまの準備はよろしくて?」

P「あぁ、ちょっと待っててな」



P「今から乗ると着くのは昼頃か」

桃華「そうですわね」

P「意外にかかるんだよな神戸まで」

桃華「そうですわね。いっそ飛行機で行ってもよかったかもしれませんわ」

P「飛行機は搭乗までに時間がかかるからなぁ」

桃華「それもそうですわね」

桃華「ま、なんにせよ。隣にPちゃまがいるとは思いませんでしたわ」

P「そうか?まぁ、そうだよな。そう言えば、桃華はどうやって俺の家に?」

桃華「家の者に送って貰いましたわ」

P「そうなのか」

桃華「えぇ、そう言えば野球を観に行きますのよね?」

P「桃華が良いならな」

桃華「当然いいですわよ。Pちゃまの為ですし。それに…」

P「それに?」

桃華「あの、ですね。事務所の誰にも言わないで下さいますか?」

P「別に構わないけど…」

桃華「実はちょっとだけ羨ましかったんですの」

P「誰が?」

桃華「その野球のお話をしている皆さまが。でも、ちょっと入り辛くて…」

P「あぁ、なるほどな…。確かに友紀たち間にいきなり入るのは辛いかもな」

桃華「そうですわ。齧っただけの知識だと怒られてしまいそうで…」

P「怒りはしなさそうだけど、一聞いたら十返ってきそうだしな」

桃華「それに、一人で行くのも何も知らないのに観に行くというのも気が引けまして…」

P「なるほどな」



P「お、そろそろ着くな」

桃華「えぇ、そうですわね。Pちゃま、何か準備などは必要ですの?」

P「特にないな」

桃華「ならよかったですわ」

球場

P「まだ、平気みたいだな」

桃華「Pちゃま。こ、これ、みんな今日の試合を観る為に来てるんですの?」

P「おう、勿論だ」

桃華「すごいですわね…」

P「桃華はどこで見たいとかあるのか?」

桃華「よく分かりませんけれど、どこがあるんですの?」

P「内野と外野とバックネットかな」

桃華「よく分かりませんの。近くで見れて、盛り上がってる所がいいですの」

P「…内野でいいか」

桃華「任せますわ」

桃華(意外に並びますのね…)

P「内野指定二枚下さい」

P「お、ここだこっちこっち」

桃華「もう、練習してるのですね」

P「そら、そろそろ試合出しな」

桃華「大きい方ばかりですわね…」

P「俺もそう思うよ。意外に大きいよな」

桃華「ちょっと怖いですわ…」

P「そんなことないって」

ウグイス嬢「大変長らくお待たせ致しました。両チームスターティングメンバーの発表です。一番――」

ワーワーワーワー

桃華「な、なんですの!?」ビクッ

P「外野の応援団だな」

桃華「あ、あっちに行かなくて正解でしたの…」

P「結構面白いから悪くないと思うぞ」

桃華「そうなんですの?」

P「あぁ」

ウグイス嬢「続きまして…ピッチャー金子千」

ワーワーワーワー

桃華「今度は一層大きな音ですね」

P「なんて言ったってエースだからな」

桃華「一番凄い人ですの?」

P「あぁ、まゆ達が好きなチームのエースの次に凄いピッチャーだよ」

桃華「他の選手に比べて、特別、体は大きいわけではないですわね」

P「まぁ、確かにな」

一回表

ズバーン

P「よしっ!」

ワーワーワーワー

桃華「三振でしたっけ?凄い盛り上がりようですわね」

P「三個のアウトの内二つが三振だからな」

桃華「まぁ、攻撃してる側も点数を取りに行っていますものね…」

P「そうそう。凄いよな」

桃華「そうですわね」

二回表

桃華「今のはなんで歩いてるですの?」

P「ボール、あの緑色に光ってる奴なんだけど、あれが三つ点いた後にもう一個点くと一塁に歩けるんだ」

桃華「なるほど。複雑ですわ…」

P「相手にタダで塁をあげるわけだからな」

桃華「点を取られやすくなるのですわね」

P「そういうことだな」

桃華「そうなると…今の状況ってピンチなんですわね」

P「あ、気づいたら満塁に…」

カキーン

桃華「抑えましたわ」

ワーワーワーワー

P「桃華」

桃華「な、なんですの?」

P「へいっ」パチッ

桃華「あ…ふふふ。Pちゃまってば子供っぽいですのね」

P「そうか?でも、やっぱり嬉しいじゃないか」

桃華「金子?投手のチームも中々打てませんね」

P「そうだなぁ。頑張ってるだけに残念だ」

P「そういや、応援に慣れたみたいだな?」

桃華「え?」

P「さっき、小さくだけど手拍子してたじゃないか」

桃華「あ…見てましたの?」

P「おう。楽しいなら嬉しいよ」

桃華「あう…」カァァ

P「いいじゃないか。俺だってやるし」

P「かっ飛ばせー!糸居!」

桃華「か、かっ飛ばせー…」ボソボソ

桃華「あら…?」

P「どうした桃華?」

桃華「自信はないですけど、野球は九回裏までじゃなくて?」

P「決着がつかないから延長だな」

桃華「そうでしたの…」

桃華「あ、ピッチャーが代わりましたわ」

P「結局一点も援護なしか…」

桃華「力投むなしくということですわね?」

P「あぁ、そうだな。お、ピッチャー平之か?」

桃華「有名なピッチャーですの?」

P「あぁ、球が速くて、落ちる球も持ってるピッチャーだよ」

桃華「なんだか雰囲気が違いますわね…」

P「一点もやらないって言う殺気があるよな」

桃華「た、確かに…」

ズバーン

桃華「きゃあ!」

P「よしっ!」

桃華「Pちゃま」

P「ん?」

桃華「ナイスピッチング!」パチッ

P「おう」

桃華「…はっ!い、いえ、今のはその…」カァァ

P「いいじゃないか。そういうもんだよ。野球観戦って」

ウグイス嬢「ピッチャー代わりまして…加藤」

P「おー」

桃華「有名な方ですの?」

P「あぁ、多分な」

桃華「なんとなくですけど…さっきの平之さん?の方が雰囲気があった気がしますわ」

P「まぁ、そんな気もするな。自分でも言ってたし」

桃華「自分で?」

P「あぁ、オールスターっていう人気な選手達が集まっている試合があるんだけど…」

P「その時に『僕みたいな一般人が出ていいんですかね?』って言ってたんだよ」

桃華「そんなことあるんですの?」

P「そもそも選ばれている時点で凄いんだよな」

桃華「そうですわね」

ズバーン

桃華「え…」

桃華「Pちゃま?」

P「ん?」

桃華「150kmってそんな簡単に出るものですの?」

P「いや、そんなことはないよ。150km投げる一般人がいるわけないじゃないか」

桃華「随分と大それた謙遜ですのね…」

P「だよな」

ウグイス嬢「本日の試合は0-0の引き分けに終わりました。またのご来場をお待ちしております」

P「結局勝ち負けが付かなかったな…」

桃華「そうですわね…」

P「桃華が見に来たんだから勝ちたかったな」

桃華「まぁ、こういうこともありますわ」

P「どうだった?」

桃華「そうですわね。そのお話は車の中でと言うことでよろしくて?」

P「え?」

桃華「先ほど迎えを呼びましたの。もう外で待機してると思いますわ」

P「凄いなそれは」

P(似たようなことが前にもあった気がするが…)

桃華「大したことではありませんわ。さぁPちゃま」

P「あぁ、分かった」

ここで今日は終わりです。

台風の影響で予定がズレてしまいました。

なるべく早く書き終えるようにします。

すみません。

待ってます。乙ー☆

車内

桃華「それで、わたくしの感想といたしまして…」

P「あ、あぁ…」

P(どうだったんだろう?)

桃華「とっても、楽しかったですわ」

P「それはよかった」ホッ

桃華「真剣勝負と言うのですかピリピリした感じがまたわたくしドキドキしてしまってよ」

桃華「それに、皆で応援するというのは楽しいことですわね」

桃華「Pちゃまもこんなことだと知っているなら教えて下されば…」

P「悪い悪い。気に入って貰えて良かったよ」

桃華「えぇ、事務所に帰ってからも機会があれば観に行きたいですわ」

P「ちなみに気になった選手とかいるのか?」

桃華「そうですわね…。いきなりであまり名前を覚えられなかったのですが…金子、平之、加藤の三投手が素敵だと思いましたわ」

P「おー、そうか」

桃華「えぇ、三本の矢みたいな感じでしたもの」

桃華「そう言えば、一つ聞いてもよろしくて?」

P「なんだ?」

桃華「平之さんと、加藤さんを入れ替えた方がいいのではないかとわたくし思いますの」

P「なんで?」

桃華「なんというか…雰囲気ですわ」

P「まぁ、普段は逆だしな。加藤、平之で行くよ」

桃華「そうでしたの。それなら納得ですわ」

桃華「そろそろ着きますわ。よろしくお願いしますねPちゃま」

P(想像していたが、やっぱり広いなぁ…金持ちって凄い)

桃華「わたくし一度お部屋で着替えて参りますわ。Pちゃまは自由にお寛いでいて構わなくてよ」

P「あ、あぁ」

桃華「それでは、失礼しますわ」

P「どうしようかな…」

?「もし…」

P「あ、はい」

使用人「私、この屋敷の使用人でございます。どうぞこちらへ」

P「あ、わざわざご丁寧にどうもありがとうございます」

使用人「こちらで少々お待ちください」

P「あ、すみません…」

P(なんだかこんな大きな部屋だと落ち着かないな)ソワソワ

使用人「落ち着きませんか?」

P「あ、はい…」

使用人「それでは、私で良ければお話し相手にでも」

P「助かります」

使用人「桃華は…おっと桃華様の働き振りはいかがでしょうか?」

P「そうですね…素晴らしいものがあると思います」

P「最近はテレビの露出も増えていますし」

使用人「なるほど。嬉しい限りですな」

P「えぇ、プロデューサーとしてはこれほど嬉しいことはありませんよ」

使用人「たまにお電話を頂きます。今日、どれどれに載るからと」

P「そうなんですか」

使用人「はい。それで、プロデューサーさんから見てどうですか桃華様のこれからは」

P「いいと思いますよ。間違いなく伸びますよ。自分でもやる気みたいですからね」

使用人「ちなみにですが…ここは嫌だななどということがあれば」

P「嫌なところですか?」

使用人「はい。勿論、桃華様には言いませんので」

P「そうですね…。もっと頼ってくれたら嬉しいですね。あ、これ嫌な所じゃないですね」アハハ

使用人「…そうですか。そう言えば、桃華様のこれからは、出来れば具体的にはどのような感じでいますか?」

P「そこは流石に親御さん以外には話せませんね」

使用人「おや、どうして」

P「守秘義務ですかね。やっぱり、そういう話は親御さん出ないと。勿論、あなたが信用出来ないからとかそういう訳ではないんですよ?」

使用人「そうですか。しっかりされている方なのですね」

ガチャ

桃華「Pちゃまー?」

P「お、桃華か」

桃華「はいですの。ここにいました…の?」

P「ん?どうかしたか?そう言えば、服似合ってるな」

桃華「あ、はい。嬉しいですわ。それよりも…」チラ

P「あぁ、今使用人さんと話してたんだ」

桃華「使用人?何を言ってらして?」

P「はい?」

使用人「…申し遅れました。私、桃華の父のしています」

桃華「もう…お父様ったら人が悪いですわっ!」

P「え、え?」

P(いや、さっき自分で使用人って…)

桃華父「いえ、プロデューサー君の本音を聞いておきたくてね」

P「あ、申し遅れました。私――」

桃華父「平気だよ。もうお話は存分に伺ったからね。…桃華」

桃華「は、はい。なんでしょうか」

桃華父「プロデューサー君はもっと桃華に頼って欲しいそうだ」

P「なっ…」

桃華「そ、そうですの…」

桃華(Pちゃまそんなことを…)

桃華父「それでは、これからの話を聞かせて貰おうかな」

P「は、はい。それでは――」

P「い、以上になります」

桃華父「うん。分かった。桃華はまだやりたいんだよね」

桃華「と、当然ですわ」

桃華父「それじゃ、これからもよろしくお願いしますね」

P「はい。こちらこそお願いします」

桃華父「さて、夕食にでもするか」

食後

P「…心臓に悪かった」

桃華「Pちゃま大丈夫ですの?」

P「あぁ、まさか、変装してたなんて…」

P(眼鏡掛けられたり、色々されたら分からないよな…)

桃華「お父様はそれほど、Pちゃまのわたくしに対する本当の評価を聞きたかったのだと思いますわ」

P「そうなのかもな。嘘は言ってなかったし」

桃華「…Pちゃま。横に座ってもよろしくて?」

P「どうぞ」

桃華「失礼しますわ」ポフッ

P「ど、どうした?」

桃華「折角だから頼ってるのですわ。Pちゃまに。ダメ…ですの?」

P「いや、全然構わないさ」

桃華「…よかったですわ」ホッ

桃華「…Pちゃま。一つ聞きたいことがありますわ」

P「なんだ?」

桃華「Pちゃま。いえ、プロデューサー、わたくし…ちゃんと出来ていますか?」

P「いきなりどうした?」

桃華「ちょっと気になったんですの。たまにですけれど、わたくしは…アイドルとして成功しているか、自信が持てない時がありますの」

P「順調そのものだろ?」

桃華「Pちゃま。わたくしの目を見て言って貰えますか?」

P「あぁ、順調そのものだ。これからも階段を一段ずつ登っていくに違いない」

桃華「…Pちゃまがそこまで言うなら信じますわ」ホッ

P「桃華は自分がアイドルとしてやっていけてるか不安かもしれない」

P「でも、俺は桃華がいけると思ってスカウトしたんだ」

P「もし…桃華が自分のことをまだ信じられないなら、桃華を選んだ俺を信じてくれないか?」

桃華「Pちゃま…」

P「ってクサいな。ごめん」

桃華「いえ、そんなことはありませんの。とっても、とっても嬉しいですわ!」ギュー

P「え、ちょ、ここ、お前の実家だって!」

桃華「構いませんわ。部屋だって余ってますもの。今から一緒に住んで構わなくてよ?」

P「さ、流石にそれは…」アハハ

コンコン

桃華「はーい」

桃華父「プロデューサー君に聞きたいのだが、今夜はもう帰るのかい?」

P「あ…は―」

桃華「お泊りになるそうですわ」

桃華父「そうか。では部屋を用意させるから少し待っていてくれ」バタンッ

P「参ったな…」

桃華「何を困ることがあるんですの?Pちゃまとわたくしの仲ですのに」

P「仲って…」

P(よくアイドルの家に泊めて貰えるな俺…)

桃華「さてと、お話でもしましょうか。Pちゃまお茶でも入れて下さる?」

桃華「――」スー

P「寝ちゃったか」

P(まぁ、あれだけ騒げばな)

P「しかし、桃華があんな弱気なことを言うなんてな。まぁ、誰だって不安になる時はあるか」

翌日

P「さて、帰るか」

桃華父「お、おはよう。もう帰るのかい?」

P「はい。お世話になりました」

桃華父「何も出来ずに申し訳ない。駅まで送ろう」

P「…すみません」

桃華父「桃華は寝てるのか」

P「まだ早いですからね」

桃華「おはようですの…」ショボショボ

P「お、おはよう。大丈夫か?」

桃華「Pちゃまの見送りに来ましたの…」

P「そっか、ありがとな」

桃華「Pちゃま、わたくしこれからも頑張りますわ」

P「そうだな。頑張ろうな」ニコッ

桃華「Pちゃま…今の笑顔はわたくしの宝物にしますわ」

P「うん?分かった。それじゃあな」

桃華「はい。さようならですわ」

事務所

P「お疲れ様です」

ちひろ「あ、おかえりなさい」

友紀「おかえりー」

P「ただいま」

友紀「昨日は引き分けだったね。ドンマイ」

P「まぁ、そこはあまり気にしてないけどな」

ちひろ「桃華ちゃんは、実家ですか?」

P「たまには実家でゆっくりしたいでしょうからね」

友紀「そーだねー。あ、そう言えばさ、Pさん」

P「ん?なんだ」

友紀「アタシに野球のお仕事って来ないのかな?」

P「…どうなんだろうな」

友紀「流石にちょっと悲しいんだけど…」

P「ラジオとか探してみるな。キャッツは難しくてさ」

友紀「まぁ分かるけどさー。例えばグラウンドレベルとかさー」

P「公平に出来るのか?」

友紀「やるってー」

翌日

桃華「おはようございますわ」

P「お、おはよう」

桃華「あ、Pちゃま。先日は恥ずかしい姿を…」カァァ

まゆ「……」ピク

P「寝起き姿だったからな」

まゆ「寝起き…お泊りでもされたんですかぁ?」

P「終電がなくてな」

まゆ「そうなんですかぁ…まゆはPさんを信じますから、裏切らないで下さいね?」

P「あぁ」

友紀「あ、桃華ちゃーん」

桃華「な、なんですの?」

友紀「桃華ちゃんは野球とか観ないの?Pさんと行ったみたいだけど」

桃華「テレビは観ないですわね…ただ、球場で観るのは悪くないかと」

友紀「分かってるねー。好きな選手とかいるの?」

桃華「え、えっと…金子、平之、加藤投手が好きですわ」

友紀「…凄いや。渋いというか何と言うか…」

桃華「な、何かマズイんですの?」

友紀「いや、いいと思うよ。アタシの球団に欲しいし」

まゆ「まゆは、田仲さんと金子さんの投げ合いが見たいですねぇ」

桃華「でも、ほとんど分からないので、ちょっとずつ教えてくれると嬉しいですわ」

友紀「喜んでっ!」

桃華「ありがとうございますわ」

P(流石だな友紀は…)

友紀「えっとね、まずキャッツはね――」

桃華「は、はぁ」

ちひろ「結局キャッツの話なんですね…」

P「前言は撤回するよ…」

終わりです。
随分終わるまでに日数を掛けてしまいました。
すみません。

ちなみにですが、タイトルは、飯島滋弥氏が大杉勝男に言った言葉ですね。

球団は残すところ福岡の球団になりましたが、恐らく苛烈な三位争いの話になるかもしれません…。

おつー! 相変わらずのいい雰囲気でしたっ☆

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