ちぃ「おとうさーん」トテトテ
P「んー?」
ちぃ「だっこー」ギュ
P「ははは、ちぃは甘えんぼさんだなぁ」ヒョイ
ちぃ「わー!たかーい!」
P「そーれ、ぐるぐるぐる~」カイテン
ちぃ「きゃー♪」キャッキャッ
P(かわいい)
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書き溜めあります。
SS投下は初めてなので、至らない点がありましたら随時お知らせいただけると幸いです。
P(千早と結婚してから、はや数年…。イチャラブするだけでも幸せだったのに、まさかその数年で子供までできるとは)
P(昔は小さい子なんてうるさいだけだと思ってたこともあったが)
P(やっぱり、自分の子となると…)ジー
ちぃ「なぁに?」ニコニコ
P(かわいい!)
P「今さらですが、今日はおとうさんのお仕事がお休みだ!」
ちぃ「わーい!」
P「ちぃ、どこか行きたいところあるか?」
ちぃ「えーっとねぇ… うーんとねぇ…」
ちぃ「どこにしようかな…?」
ちぃ「えぇっとねぇ…」
P(長くなりそうだな…)
ちぃ「うーんと…」
P(いつものアレでいくか)
P「…5」
ちぃ「!?」
P「4」
ちぃ「え…えっと!」
P「3」
ちぃ「うぅ~…」
P「2」
ちぃ「!」
P「い
ちぃ「で…でんきやさん!」
P「電気屋?」
ちぃ「うん!」
家電量販店───
P「ということで来てみた」
ちぃ「うわぁー… いっぱいだね!」
P「それで何を見たかったんだ?」
ちぃ「うーんとね、あっち!」グイグイ
P「こらこら、ひっぱらないひっぱらない」ハハハ
ちぃ「~♪」
P(ちぃもお年頃だし、お人形さんやらゲームか何かだと思ってたけど)
ちぃ「ふんふ~ん♪」ポロロン
P(ピアノ目的だったとは)
ちぃ「~~♪」ポロロン
P(随分と楽しそうに弾いてるなぁ)
P(千早も弾き語りしてたし、母親の影響ってやっぱり強いんだな…)ジー
ちぃ「おとうさんもひく?」
P「いや、おとうさんKinKi Kidsの『フラワー』のサビしか弾けないから」
ちぃ「そのきょくわかんない」ポロロン
P「それもそうか」
ちぃ「あおいーとりー♪」ポロロン
P(きゃわわわわ)
・・・・・・
P「ピアノ楽しかった?」
ちぃ「うん!ちぃはおかあさんみたいにピアノひけるようになりたいの!」
P「そうか…。…なぁ、ちぃ、ピアノ欲しいか?」
ちぃ「! かってくれるの!?」キラキラ
P「いや、今すぐは難しいけどな…。これから、ちぃがおうちのお手伝いをしっかりするなら考えないこともないぞ」
ちぃ「ちぃ、おてつだいするよ!おへやもちゃんとそうじするよ!」
P「ははは、なら前向きに考えておこう」
ちぃ「あっ」
P「どうした?」
ちぃ「ピアノじゃなくてもいい?」
P「ピアノじゃないもの? ああ、他に欲しいおもちゃでもあるのか?」
ちぃ「おもちゃじゃないよ!こっち!」グイグイ
P「お、なんだなんだ」
ちぃ「えーっと…」キョロキョロ
P(おもちゃでも人形でもないと。今の子は何を考えてるんだか想像もつかんな)
ちぃ「あっ、あれ!」
P「どれどれ」
ミキサー なの!
ちぃ「これほしい!」
P「え?ミキサー?なんで?」
ちぃ「あのね、おかあさんがね、てれびでみた『えいようまんてんすぺしゃるどりんく』をつくりたい、っていってたの」
ちぃ「それで、これがほしいんだって!」
P(美容か何かのアレか?これくらいなら買ってやれるのに)
ちぃ「おっぱいおおきくしたい、っていってた!!」フンス
P「」
アラヤダ!! ヤーネェ ザワザワ…
P「シーッ!!そういうことは大声で話しちゃいけません!!!」
P(20代になっても、まだ諦めてなかったのか千早よ…)グスン
ちぃ「なんでー?ほんとなのにー」ムスッ
ちぃ「それに…」
ちぃ「これあげれば、おかあさんかえってきてくれるかもしれないから…」ボソッ
P「………」
外───
<アリアトーゴザイアシター
ちぃ「………」シュン
P「…ごめんな?ちぃ?あのミキサー結構高くて、ちょっと今は…」
ちぃ「…うん」
P「よ、よし!まだ時間あるし、別の場所に行こう!どこにでも連れていってやるから!」
ちぃ「…ほんとう?」チラ
P「もちろんだ!今日1日、ちぃと一緒だからな!」
ちぃ「う…うん!じゃあね…ちぃ、からおけいきたい!!」
P「よっしゃ!了解!ほら、だっこだ!」ヒョイ
ちぃ「うん!」ギュッ
P(あれ?そういや俺、ちぃとカラオケ行ったことあったっけか)
ちぃ「あおいーとりー♪」ニコニコ
カラオケ店───
P「(俺は)久しぶりのカラオケだ!!!」
ちぃ「わーい!」ニコニコ
P「ちぃはカラオケ初めてだよな?」
ちぃ「ちがうよー?まえにね、おかあさんとはるかおねえちゃんと みきおねえちゃんといっしょにきたの!」エヘヘ
P「え、ちょっと、おとうさんそれ聞いてないぞ」
ちぃ「あ!これナイショにしなくちゃいけないんだった…」
ちぃ「おかあさんが、『おとうさんはすぐにしごともーど?になるから』っていってたこともナイショなの!」ニコ
P(そういや2人でカラオケ行ったときに歌い方を指摘したことがあったな…。ついいつもの癖で)
P(今度から公私混同しないように気をつけよう…)
ちぃ「ちぃ、これうたうー」ピッ
【キラメキラリ / 高槻やよい】
ちぃ「ふれっ ふれっ がんばれ さあ いこう♪ ふれっ ふれっ がんばれ さいこう♪」
~♪
ちぃ「みらいができれぅ~♪」
P(リアル舌足らずかわいい)
・・・・・・
ちぃ「おわり!」
P「上手だったぞ!さすがおとうさんの子だ!」パチパチ
ちぃ「うたじょうずなのはおかあさんだよ?」
P「ぐぅ…」
ちぃ「つぎはおとうさんのばん!」
P「おうよ!そこまで言われちゃあ、おとうさんの本気を見せざるを得ない!!」
・・・・・・
P「すてーぃ うぃーず みー♪ 硝子の少年時代の~ 破片が胸へと突き刺さる~♪」ノリノリ
ちぃ「おねえちゃんたちのきょく、うたってよー」プンスカ
・・・・・・
ちぃ「ねーぇ わーすれてるふりすれば あってくーれますーかー?」
P「おお!美希の声そっくりだ!」
P(この年で歌う曲ではないと思うが)
・・・・・・
P「バレバレバレ バレンタイン♪ バレバレバレ バレンタイン♪」
ちぃ「おとうさん、こえちがうー」クスクス
P「あなーたがー 好きーですー♪ 『あなたが好きです(裏声)』」
ちぃ「こえちがうってばー!」アハハ
・・・・・・
ちぃ「ごー!ごー!れっつごー!あだると♪」
P「「あっはん!!(低音)」」
ちぃ「ごー!ごー!れっつごー!あだると♪」
P「「「うっふん!!!(重低音)」」」
ちぃ「おとうさんうるさい」
P「ごめんなさい」
・・・・・・
P「今日は初めての ウェディング♪ バージンロードに…ごにゅうじょ…うぅ」グス
ちぃ「どうしたのおとうさん?」
P「…いつかはちぃも結婚するよなぁ。ぞじだら…おどうざんと…ヒッグエッグ 離れ離れに…なっぢゃうんだよなぁ…ヒッグ」
ちぃ「えー?ちぃはね、おとうさんとけっこんするってきめてるんだよ?」フンス
P「…!」
ちぃ「だから、なかないで?」ヨシヨシ
P「ち…ちぃいいいいいぃぃぃぃ!!!」ムギュゥゥウゥウゥ
ちぃ「わぁ!!」ギュウゥウゥゥ
P「ちぃは本当にかわいいなぁ!!!!」ナデナデナデナデナデ
ちぃ「うぅ…くるしいよー//、おとうさん…//」カァ
・・・・・・
P「」ゼェゼェ
ちぃ「」ゼィゼィ
P「いっぱい…歌ったな…」ゼェ
ちぃ「うたったね…」ゼィ
P「おとうさん…もう声出ないぞ…」ゼーハー
ちぃ「ちぃも…」ゼーハー
P「今の時間は…と、もう夕方か。よし、じゃあ晩御飯の材料買って帰るか!」
ちぃ「ばんごはんなぁに?」
P「今日は…おとうさん特製カレーだ!!!!」
ちぃ「やったあ!カレーだいすき!!」キラキラ
P「ふはははは!そうだろう!そうだろう!」
ちぃ「あ!」
P「どうした?」
ちぃ「さいごにもういっきょく…うたっていい?」
P「それはいいけど… 喉大丈夫か?」
ちぃ「うたわなきゃダメなの!」
P「お、おぅ…?」
ちぃ「……」ピッ
~♪
P(このイントロは…)
【蒼い鳥(M@STER VERSION) / 如月千早】
ちぃ「なくことーなら たやすいけれどー」
ちぃ「かなしみにーは ながされないー」
P(千早のデビュー曲、『蒼い鳥』…)
ちぃ「むーれをはなーれた とりのようにー」
P(ちぃが初めて聴いたのは音楽番組だ、って千早が言ってたっけ)
ちぃ「たーだー はーばたくーよー」
P(どっちかというと、ちぃは明るめの曲が好きなはずなのに、何故かえらく気に入ってるんだよなぁ)
ちぃ「あおいーとりー もし しあわーせー」
P(何か理由でもあるのか…?)
ちぃ「でも きのうにはかえれな…ぃ…ひっぐ」
P「!?」
ちぃ「ひっぐ…ぐすっ…」
P「ち…ちぃ?どうした?」
ちぃ「…おかあさん」ヒッグ
P「おかあさん?」
ちぃ「おかあさん、もう…おうちにかえってこないの…?」グスッ
P「ちぃ……」
外───
P「…」
ちぃ「…」グス
P「…ほらほら、かわいい顔が台無しだぞ。ほい、ハンカチ」スッ
ちぃ「…」ゴシゴシ
ちぃ「おとうさんのにおいがする…」
P(!! もう「おとうさんのパンツと一緒に洗わないでよー!」とかいう年頃なのか!?)ドキドキ
P「だ、大丈夫だ!それはきれいなハンカチだから、全然汚くないぞ!」アセアセ
ちぃ「おとうさんのにおいだー♪」ダキッ
P「うお!?なんぞ!」
ちぃ「えへへー//」ムギュー
P「よくわからんが…。よしよし」ナデナデ
ちぃ「えへへ…//」ギュー
自宅───
P「よーし、じゃあ早速カレー作ろうかな」
ちぃ「ちぃもおてつだいする!」
P「お?珍しいじゃないか。どうしたんだ?」
ちぃ「えっとね、いっぱいおてつだいして、『みきさー』かってもらうの!」
ちぃ「それで、おかあさんがかえってきたら…ぷれぜんとするの!」
P「……そうか。よしわかった。じゃあ、ちぃは野菜の皮むきを頼むぞ!」
ちぃ「うん!」
P「包丁はまだ早いから…と。ほら、ピーラーだ。気を付けるんだぞ」
ちぃ「はーい」
・・・・・・・
ちぃ「かわむきおわったー」
P「はいよー。おお、うまいうまい!」
ちぃ「えっへん!」フンス
P「どれ、じゃあ野菜切るか」
ちぃ「ちぃもやりたい!」
P「えぇ~…?大丈夫か?」
ちぃ「やらせて!」
P「まぁ、今はいいか…。おとうさんがいる時だけだからな?」
ちぃ「はーい」
・・・・・・・
P「そうそう、猫の手で押さえて…野菜を切る」
ちぃ「こう?」サク
P「おお!上手だ!さすがおとうさんの子だな!!」ナデナデ
ちぃ「おかあさんのコだからだよ?おとうさんはりょうりできる?」
P「…おかあさんに徹底的に教えられた」
ちぃ「ほらー」クスクス
P「でもでも!おかあさんも最初は料理得意じゃなかったんだぞ!!」
ちぃ「おかあさんのりょうり、すっごくおいしいよ?」
P「たしかに」
・・・・・・・
P「さて、ルーも入れたしあとは…」
ちぃ「ぎゅうにゅう!」
P「え?」
ちぃ「おかあさんがいつもいれてた!どばどばーって!」
P「マジかよ…」
ちぃ「おとうさんがおふろにはいってるときにいれてるんだよ!」
P「だから辛口のルー使っても、やたら甘くなってたのか…」
P(千早…)グスン
・・・・・・
P「さぁ、あとは煮こんで完成だ」
ちぃ「うん!」
P「ちぃ、お皿とスプーン出しておいてくれ」マゼマゼ
ちぃ「はーい」トタトタ
P「…」マゼマゼ
P「……」マゼマゼ
P「なあ、ちぃ」
ちぃ「なぁに?」
P「ちは…、おかあさんの『蒼い鳥』って曲あるだろ?」
ちぃ「うん」
P「ちぃはあの曲のどんなところが好きなんだ?」
ちぃ「どんなところ?」
P「えっと…、例えば曲の雰囲気とか、歌詞とか」
ちぃ「ふんいき…?」
P「雰囲気も難しいか…。うーんとだな」
ちぃ「…ちぃね、ほんとうはね、『あおいとり』すきじゃなかったの」
P「え!?」
ちぃ「ちぃは『きらめきらり』のほうがすきだったんだー」
P「じゃ、じゃあ何でしょっちゅう口ずさんだり、カラオケでムキになったんだ?」
ちぃ「えっとね…」
──────────
────────
──────
TV<アオイートリー♪
千早『あら』
ちぃ『あ!おかあさんだ!』ガタッ
千早『ちぃ?ごはんの時は静かに食べなきゃだめよ』
ちぃ『…はーい』スッ
千早『【懐メロ特集】…か、もう何年も前になるのね…』
ちぃ『なにが?』モグモグ
千早『おかあさんがこの曲を出してからよ。おかあさんが初めて出したCDが、この『蒼い鳥』だったの』
ちぃ『ふーん』モグモグ
千早『本当、懐かしいわね…』
ちぃ『ちぃはもっとキラキラしてるきょくのほうがいいなあ』
ちぃ『このきょくよりも『きらめきらり』のほうがすきー!』
千早『ふふふ…。そうね、ちぃにはまだ難しいわよね』
ちぃ『おかあさんはこのきょくすきなの?』
千早『……。本当はあまり好きじゃなかったわ』
ちぃ『えー?そうなの?』
千早『えぇ。ちぃの言うとおり、明るい曲とは言えないし…、嫌なことも思い出してしまったりするから…』
千早『でも、この曲の発売が決定してから、プロデューサーがすごく力になってくれたの』
ちぃ『ぷろでゅーさー?』
千早『あ…。おとうさんのことよ』
ちぃ『おとうさんはぷろでゅーさーなんだ…』
千早『今でもそうなのよ?』
ちぃ『へぇー』
千早『それでね、プロデューサーがお店にCDをおいてもらえるように直接お願いしたり、歌番組の交渉をしたり、夜遅くまでポスターを作ってくれたり…。私のために必死になってくれたの』
千早『私はそのとき、事務所で夜遅くまで働くプロデューサーにコーヒーを淹れるくらいしか出来なかったんだけど…』
千早『その時、プロデューサーがあまりにも疲弊してるように見えて、思わず「ごめんなさい」って言ったの。そうしたらね?』
「なんで謝る必要があるんだ?やっと千早の夢が叶うんだぞ!」
「千早が今までどれだけ頑張ってきたのか、俺が一番知ってる」
「千早の夢は俺の夢なんだ。何も遠慮することはない。」
「トップアイドルを目指すお前の力になれることが俺の何よりの幸せだよ」
千早『…プロデューサーは一人のアイドルとして励ましたのだろうけど、私にとっては一生忘れることの出来ない言葉だった』
千早『その甲斐もあって、『蒼い鳥』はデビュー曲にして一番売り上げを伸ばしたの』
千早『でも、私はデビューしたことや売り上げの喜びよりも、私のために必死になってくれたプロデューサーへの感謝の方が遥かに大きかったわ』
千早『…私にとって『蒼い鳥』は、プロデューサーとの思い出を忘れないようにするための曲』
千早『だから、私はこの曲を誇りに思っているし、大事にしていくの』
千早『今までも、これからもずっと…ね』
ちぃ『ちぃ、ぜんぜんわかんない…』
千早『ふふ、ごめんね。ちぃには難しい話だったわね』
ちぃ『でも、おかあさんすっごくたのしそうにはなしてた!』
千早『え?そ…そうかしら//』
ちぃ『うん!おかあさんはいま、『あおいとり』、すき?』
千早『……。そうね、好き。大好きよ。とっても』
ちぃ『じゃあ、ちぃもすきになる!!』
千早『え?』
ちぃ『ちぃはおかあさんのことだいすきだから、おかあさんのすきなものもすきになるの!』
ちぃ『ちぃ、がんばっておぼえるからね!!』
千早『ちぃ…』ギュッ
ちぃ『えへへ// おかあさんのにおい…だいすき…//』ギュッ
千早『…』ギュウ
千早『あ!この話はおとうさんにしちゃ駄目よ?』
ちぃ『えー?なんでー?』
千早『いいから!// ぜーったいナイショだからね?約束よ?』
ちぃ『おしいれのぎゅうにゅうくれたらナイショにするー!』
千早『!?…くっ、あの秘伝の牛乳を見つけたのね。わかったわ。一杯だけよ?』
ちぃ『わーい!』
──────────
────────
──────
ちぃ「…だから、ちぃも『あおいとり』をすきになったんだ!」フンス
P「…そうか。そういうことだったのか…」
ちぃ「えへへー//」
ちぃ「あ!おとうさん!カレーもういいよね!」
P「ん?あ、ああ。そうだな。もうそろそろいいかな」カパ
P「…うん。よし!食べるか!」
ちぃ「うん!」
P「じゃあ手を合わせてー」
ちぃ・P「「いただきます!」」
ちぃ「はふはふはふ」モグモグモグモグ
P「こらこら。誰もとらないから、ゆっくり食べなさい」
ちぃ「はーい」モグモグモグモグ
P「全く、こういうところは誰に似たんだかなぁ…」モグモグモグモグ
ちぃ「…おとうさん」ボソッ
P「!?」モグモグモグモグ
・・・・・・
P「じゃあもう一回手を合わせてー」
ちぃ・P「「ごちそうさまでした!」」
ちぃ「テレビみるー!」ドタドタ
P「こーら、先にお皿片付けてからだぞ」
ちぃ「はーい」トボトボ
ピッ
TV<モット ターカメテハテナク コーコローノーオークマーデー♪
ちぃ「まことおねえちゃんだ!」
P「おお、デビューした頃のPVか。懐かしいなあ」シミジミ
TV<「イヤーイイキョクデシタネ」「ソウデスネー」「デハ、ツギノキョクハコチラ!!」
TV<~♪
P(!? このイントロは!)
ちぃ「あ…」
TV<ナクコトーナラ タヤスイケーレドー♪
TV<カナシミニーハ ナガサレナイー♪
P(『蒼い鳥』…。タイミング悪すぎだろ!)
P(なに?【懐メロ特集・第72回放送】だと?この局、どんだけ懐メロ推しなんだよ!)
P(いや、問題はそこじゃない…!)
ちぃ「…」
ちぃ「……」グス
P(ほらー!泣いたー!!)
P(折角、思い出させないようにしてたのに!!)
ちぃ「……おとうさん」ヒッグ
P「お、おう。どうした、ちぃ?」
ちぃ「……おかあさん」グス
ちぃ「どうしておかあさんは、おうちにかえってきてくれないの?」
P「ちぃ…」
ちぃ「おかあさんのいうこときかないで、おそくまでテレビみてたから?」
P「いや、違う」
ちぃ「わるいこになったから?」
P「そんなことはない」
ちぃ「じゃあ…どうして…?」
P「ちぃ、おかあさんは…」
ちぃ「ひっぐ…おかあさん…おかあさん…!」グス
ちぃ「うぇぇええぇぇぇぇん!!」
ガチャ
ちぃ「!!」
P「!?」
キィ…
千早「あなた、ちぃ、ただいま」
P「千早!?」
千早「? 春香にでも見えたのかしら?」
P「い…いや、そうじゃなくて…」
千早「…って、ちぃ!どうして泣いてるの!?」ギュッ
ちぃ「…!」
P「千早、おまえ…」
P「全国ツアーはどうした!?」
P「ツアー終わるの来週近くだったろ!?」
千早「えぇ…。それが…中止になったのよ」
P「中止!?」
千早「ほら、今、台風が接近しているじゃない?それが最後の公演場所と丁度被ってしまって」
千早「屋内だから問題は無いと思ってたんだけど、思った以上に雨風が強くて…」
千早「私達も会場に向かうことも出来ないし、現地の方々も自宅から出られないほどの悪天候らしいの」
千早「それで中止になってしまったってわけ。チケットは払い戻し。ファンには申し訳ないことになってしまったわね…」
千早「今頃は春香たちも、みんな自宅に戻っているはずよ」
P「そ…そうだったのか…」
千早「それはともかく、あなた?」
P「ふぁっ!はい!?」
千早「ちぃを泣かせるなんてどういうことかしら?」ギロッ
P「い、いや!それは俺のせいじゃ…」
千早「言い訳は後で聞くわ。ちぃ、おとうさんに何か言われたの?」ナデナデ
ちぃ「…ぁさん」
千早「え?」
ちぃ「おかぁさん…」グス
千早「? なぁに?」
ちぃ「おかあさん!おかあさん!!うわぁぁぁぁあぁぁん!!!」ギュウウゥ
千早「!?」
ちぃ「うえぇぇぇええぇぇぇん!!!」ギュウゥゥ
千早「一体どうしたっていうの…?」
P「…ってワケで、ちぃは千早が家を出て行ったんじゃないか、と勘違いしていたんだ」ハハハ
千早「笑いごとじゃないわよ!あなた、ちぃにちゃんと説明したの!?」
ちぃ「おかあさん…//」ムギュー
P「そりゃあ何回もしたさ。でも、ちぃはまだ小さいんだぞ?母親が長い間家にいなけりゃ、そんな勘違いしてもおかしくないだろうさ」
P「それに千早が電話かけてくるのも、ちぃが寝た後の深夜だし。それもたまーにだけ」
千早「そ、それは私も忙しかったし…」
P「まぁとにかくだ。そんなわけでずっと不安だったんだよ。ちぃは」
P(俺も深夜に泣きまくってたが、黙っておこう)
千早「……」
千早「ちぃ」
ちぃ「なぁに?」ムギュー
千早「ごめんね。おかあさん、ずっとおうちにいてあげられなくて…」ギュッ
ちぃ「…うん」
千早「でもね、おかあさんはちぃのことを忘れた事なんてなかった。それどころか、ずっとずーっと会いたいって思ってた」
千早「ちぃはたった一人の、私の大事な娘だもの…」
ちぃ「…ほんと?」
千早「ええ。本当よ」
ちぃ「ち、ちぃも!ずっとおかあさんのことわすれなかったよ!」
千早「うふふ、知ってるわ。ありがとう、ちぃ」ギュッ
ちぃ「うん!」ギュッ
P(イイハナシダナー)グス
千早「…あなたも。ずっと、ちぃのこと任せきりでごめんなさい」
P「気にするな。千早の力になれるならそれでいいんだよ」
P「それに、ちぃとは普段仕事でなかなか一緒にいてあげられなかったしな」
ちぃ「えへへ…」ムギュウ
P「ところで千早。晩飯まだだろう?」
千早「ええ」
P「カレーあるけど食うか?」
千早「あら、いいわね。いただくわ」
ちぃ「ちぃもおてつだいしたんだよ!」
千早「へぇ…。どんなこと手伝ったの?」
ちぃ「かわむきしたの!」
千早「そう…。ちぃがお手伝いしたならきっと美味しいカレーね」ナデナデ
ちぃ「えへへ…//」ニコニコ
・・・・・・・
千早「ふぅ。ごちそうさま」
ちぃ「おさら、かたづけてあげるね!」
千早「あら、ありがとう。ちぃも随分お手伝いするようになったのね」
ちぃ「おてつだいして、ぷれぜんとかってもらうの!」
千早「?」
P「そうだな。今日は頑張ったな!」ヨシヨシ
ちぃ「えへへ」
P「よし!おかあさんも帰ってきたことだし、ちぃにいいものをあげよう!」
ちぃ「いいものー?」
P「ちょっと待ってろよー」ガチャ バタバタ
ガチャ
千早「どこ行ってたの?」
P「物置だ」
ちぃ「……」ソワソワ
P「えーと、じゃあ…」
P「ちぃ。ちぃは今日まで、おかあさんがいない中よく頑張りました」
P「そこでおとうさんからプレゼントを用意した!」
ちぃ「!」
P「重いかもしれないから気を付けるんだぞ。ほい」
ちぃ「う…うん!ありがとうおとうさん!」
千早「よかったわね、ちぃ」クス
ちぃ「ねぇねぇ!あけてもいい!?」ワクワク
P「おーう、存分に開けたまえ!」
ちぃ「やったぁ!」
ビリビリビリ
ちぃ「あ…」
千早「これは…」
千早「…ミキサー?」
ちぃ「おとうさん…?これ…」
P「ふはは!驚いたか? 実はちぃがトイレに行っている間、こっそり買って、自宅に配送させておいたのさ!!」
P「ちぃは今日、いっぱい頑張ったからな!」
ちぃ「…おとうさん!ありがとう!!」ムギュー
P「ははは、どういたしまして」ナデナデ
千早「よくわからないけど…、それ、本当にちぃが欲しがったの?」
P「ふふふ…。さぁ、ちぃ」
ちぃ「うん!」トテトテ
千早「?」
ちぃ「おかあさん!これあげる!!!」
千早「…え?私に?」
ちぃ「うん!」
千早「あ、ありがとう。ちぃ」
ちぃ「おかあさん、これほしかったんでしょ?」
千早「え、えぇ、そうね」
ちぃ「『えいようまんてんすぺしゃるどりんく』!!」
千早「!!」
千早「ちょっと、ちぃ!!まさか…、おとうさんに…//」
ちぃ「おっぱいおおきくするんでしょ!?」
千早「」
P「」プッ
P「いひゃいいひゃい!!ひはや!ほっぺひゃひゅねるな!!!」ギリギリギリギリ
千早「何も聞こえないわね」ギリギリギリギリ
ベランダ───
P「痛てて…。本気でつねりやがって…」ヒリヒリ
P(でもよかったな…。ちぃのあんな笑顔は久しぶりだったし)
P(俺が思ってた以上に寂しかったんだろうな…)
P(やっぱ母親には勝てないなぁ)
ガラッ
P「ん?」
千早「ここにいたのね」
P「ああ。ちぃは?」
千早「布団に入ったらすぐに眠ったわ。よほど疲れてたのかしら」
P「ははは。久しぶりに千早に会えたから安心したんだよ」
千早「ふふふ、そうかもしれないわね」
P「…」
千早「…」
P・千早「「あの…」」
P「あ…」
千早「え…」
P「いいよ、千早からで」
千早「ありがとう。……えっと、ごめんなさい」
P「……。何が?」
千早「ちぃをあなただけに任せて負担をかけてしまったこと」
千早「それと、母親としてちぃに寂しい思いをさせてしまったことに対しての謝罪」
P「…」
千早「いくら仕事とはいえ、家族への配慮が行き届かなかったのは私の責任よ」
千早「迷惑かけてしまって…本当に…ごめんなさい」
P「…」
P「千早…」
千早「…」
P「それだけか?」
千早「え?」
P「いや、俺はまた『寂しくて他の男性と…//』とでも言うのかと…」
千早「~!// するわけないでしょう!?他の男性って、一緒にいたのは社長だけ!」
千早「あとはみんないつものメンバーよ!!」
千早「それに!私があなた以外の他の男に、心を許すわけないでしょう!!??」
千早「……」ゼィゼィ
千早「あっ…//」
P「ははは、冗談だよ。…でも嬉しい答えを聞けたな」
千早「……うぅ~//」モジモジ
P「……千早、何度も言ってるけど俺たちは家族だ」
P「負担とか迷惑とか、そんなこと、俺は全然思ってない。おまえは昔から一人で背負い過ぎじゃないか?」
P「だから、もっと俺を頼ってくれ。家族を頼るのになぜ謝る必要がある」
P「家族の力になれる、これ以上の幸せはないんだぞ?」
P「俺たちは一生、家族として共に過ごすんだからな」
千早「……」
P(…ドヤァ)
千早「……」
P「…千早?」
千早「…」グス
P「お…おい!なんで泣くんだよ…」
千早「嬉しいの…。あなたにそう思ってもらえて…」
千早「本当は…結婚してからも…、ずっとずっと不安だったの…」
千早「いつか…あなたが…私の前から突然いなくなるんじゃないかって」
千早「平凡な毎日を失ってしまうんじゃないかって…」
千早「また…家族がバラバラになってしまうんじゃないかって…」
千早「幸せな日々の中で、そんな不安がずーっと頭をよぎっていたの。一種のトラウマね。ふふっ」
P「千早…」
千早「…でも、もうそんなことを考えるのは終わり」
千早「これからは、あなたとちぃと一緒に…、前だけを…見つめて生きていくわ」
千早「だから、これからもよろしくお願いしますね?…あなた」
P「……」
ギュッ
千早「……ちょっ!?あ、あなた!?///」
P「…おまえがそこまで悩んでいたのに、気付けなくてすまなかった」
千早「い…いえ…」
P「家族、家族って言っても俺もまだまだ未熟だったよ」
千早「!! それは!私が勝手に悩んで…」
P「千早」グイッ
千早「はい?」ドキッ
チュッ
千早「……んっ!?//」
千早「~~!!んー!////」ジタバタ
千早「ん…//」
千早「////」
P「…ぷはぁ」
千早「はぁ…はぁ…」
千早「ずるいですよ…。いきなりなんて…」
P「ははは、俺から千早への謝罪だよ」
千早「もう…//」プィ
P「俺も寂しかったんだよ…。千早がいなくて」ギュッ
千早「……」ギュッ
千早「そういうところ…、本当に…ズルいんだから…」ボソッ
───────
─────
───
千早「…ところで、プロデューサーは私に何を話そうとしたんですか?」
P「仕事口調になってるぞ…。まあいいけど」
P「千早は、ちぃが一番好きな曲わかるか?」
千早「え!?…さ、さぁ?わかりませんね」
P「そうなのか?先に正解を言えば『蒼い鳥』なんだけどな」
千早「まさか…、あの時の話も…!?」
P「正解。ちぃに秘密はまだ早いな」ハハハ
千早「~!////」カァァ
P「いや、嬉しかったよ。千早があの時のことをそこまで覚えてくれ
千早「……て下さい」
P「え?」
千早「忘れてください…」
P「…は?」
千早「わーすーれーてーくーだーさーい!!///」ギリギリギリ
P「いひゃひゃひゃ!!ひゅねるな!ひはや!!」ギリギリギリ
千早「嫌です!忘れるまで絶対に離しません!//」ギリギリギリ
P「いいひゃないか!ほれはうれひはったんらから!」ギリギリギリ
千早「だから!私にとっては恥ずかしいんですってば!!//」ギリギリギリ
P「いひゃい!いひゃい!!!」ギリギリギリ
千早「ミキサーのことも忘れて下さい!!!!」パッ
P「そ、それは大丈夫だ!!俺は今の千早のバストサイズで十分満足して
千早「んあああああああああああああ!!!」ギリギリギリギリギリ
P「ぎゃあああああああああああああああ!!」ギリギリギリギリギリ
ちぃ「ムニャムニャ…、おとうさん…おかあさん…。けんかしちゃだめだよ…えへへ…zzz」
おわり
乙
すごい良かった
拙い文章ですが、ありがとうございました。
SSは完成までにかなり気力が入りますね。
また機会があれば挑戦してみたいと思います。
それでは皆様、おやすみなさい。
おっつおつやぞ
次は夫婦の営みをだな
おつおつ
おいおいまだ書くべきことが残ってるだろ
弟か妹ができるのはまだか
千早編終わったならのこり13人書くべきか、二人目の子供作る
乙
乙
えがったー
いいSSだった、かけ値なしに
俺得スレ乙
乙!
めちゃくちゃよかった また書いて欲しい
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