響「二人分の泣き声遠く」 (35)
響「応答ネガウ」のリメイクです。
プロット崩壊やら、データ飛ぶやらいろいろありまして、中身はかなり変わっていますがご了承ください。
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はいさいっ!自分、我那覇響。961プロでアイドルをやってるぞ
1年後のIUで765プロを倒すために、「プロジェクトフェアリー」ってグループで活動中なんだ
メンバーは美希と貴音と自分の3人。歌って踊れる完璧なアイドルグループさー!
だから765プロなんて小さな事務所、気にする必要もない!
・・・はずだったんだ
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1364395457
ーー朝
ー961プロ社長室
黒井「ほう、それで?」
響「だ、だから、次のオーディションには絶対に通過できると思ってるぞ!」
黒井「その割にはリーダーの美希が来ていないようだが、グループとして大丈夫なのかね?」
響「う・・・」
貴音「美希は今朝『家のとらぶる』で遅れると連絡がありました」
黒井「まぁなんでもいい。だが、今度765プロに遅れを取るようなことがあれば、わかっているな?」
響「・・・」
貴音「・・・覚悟はできております」
黒井「よろしい。行きたまえ」
響「はい」
黒井「私は気が短いが、君たちには期待しているつもりなのでね。頑張ってくれたまえ」
響「・・・失礼・・・しました」
ー961プロ社内、レッスンスタジオ
響「あれ、貴音?美希はまだ来てないの?」
貴音「どうやらそのようですね。道に迷っているのでしょうか」
響「・・・いくらなんでも961社内のスタジオで迷うわけないと思うぞ」
貴音「そうですか」
響「それにさっきの話!自分まったく知らなかったぞ!」
貴音「はて?美希は『響が出てくれないから、つながって良かったの』と言っておりましたが」
響「そ、そもそも社長から呼び出しがあった日に遅刻するなんて、リーダーとして失格だぞ!」
「じゃあ、響がリーダーやればいいと思うな」
響「なっ!」
らふめーいかっ
じょうだーんじゃないっ
美希「貴音、遅れてごめんなの」
貴音「いいえ、構いませんよ」
美希「やっぱり貴音は優しいの」
響「ぐ・・・」
トレーナー「はいはい。言い合いしてないで、レッスン始めるわよ」
美希「はーい、なの」
・・・あーあ、また変な空気にしてしまったぞ
黒井社長も「次はない」って言ってたし、今日こそは!って思ってたのに
だいたい美希がこんな大事な日に遅刻してくるからいけないんだ
ダンスも歌も上手なんだし、もっとリーダーらしくして欲しいぞ
それに貴音も貴音さー。なんで美希のことを甘やかすような・・・
トレーナー「・・・我那覇さん聞いてるの!?」
響「は、はいっ!!」
トレーナー「レッスン中に余計なこと考えないの。いい?3回は言わないからね」
響「・・・すみません」
またやっちゃったぞ。
なんで自分たち、こんなに上手く行かないんだろ。
美希も貴音も自分も、歌もダンスも完璧な3人が揃っているのになー。
貴音「どうかしましたか?」
響「い、いやっ!なんでもない、なんでもないぞっ!」
いや、今は目の前のことに集中しないとっ!
美希「・・・あふう」
ーー1週間後
ー961プロ社長室
黒井「で、君たちはなぜ呼び出されたのか、わかっているのかね?」
響「・・・」
黒井「先週の話では、前回のオーディションの結果をそろそろ教えてもらえるころだと思っていたのだが」
響「オーディションの・・・結果は・・・その」
貴音「誠に残念ながら、私たちは先日のオーディションを通過することができませんでした」
黒井「そう、またオーディションに落ちたのだ。そして合格したのは、よりよってあの765プロの連中だと言うじゃないか」
美希「ミキ的には、ベストを尽くしたって思うかな」
黒井「ほう?」
美希「ただ、千早さん達のパフォーマンスのほうが楽しそうだったから、選ばれなかったと思うの」
黒井「・・・まぁいい。今日は説教のために呼び出したわけじゃないのだからね」
貴音「と、言いますと?」
黒井「君たちに紹介したいアイドルが居てね。入りたまえ」
「まったく、レッスン中に突然呼び出しやがって」
「まぁまぁそうカリカリするなって冬馬」
「そうだよー。せっかくチャンスをもらったんだからさー」
黒井「紹介しよう。961プロがIUのために結成したスペシャルユニット、『ジュピター』だ」
響「特別・・・」
貴音「ゆにっと?」
美希「フェアリーと一緒なの」
黒井「そう、一緒だ。つまり我々は君たちではなく、ジュピターをIUに向けて支援することにしたのだよ」
響「・・・どういうことなのさ?」
冬馬「どうもこうもねーだろ。プロダクション全体で支援してもらっておいて、小さなオーディションすら通過できていないくせに」
響「な、なにを!」
冬馬「事実じゃねーか。おっさん。俺はこんなやつらを相手にするより、練習がしたいんだ」
黒井「あぁ、もう用は済んだ。好きにするといい」
冬馬「行くぞー北斗、翔太ー」
翔太「あ、ちょっと待ってよー!」
北斗「チャオ、お互い頑張ろうね」
響「・・・」
黒井「君たちも『好きにする』といい」
貴音「はて?『好きに』とはどういった意味でしょうか?」
黒井「『文字通りの意味』さ。君たちのサポート体制は全てジュピターにまわす。だから君たち3人で、好きなように活動すればいい」
美希「全部ミキたちでやれってこと?」
黒井「そういうことだ。『できない』と言うなら、今すぐ961プロから出ていくといい」
今回はここまでです。
ほとんど別もののSSになってしまいましたが、今度は破綻なく最後まで書ききれるはずです。。
明日夜か、日曜夜に続きを書きます。
乙
乙乙
焦らなくても完結してくれれば大丈夫だから
おつー
はいさい!
みんな、お待たせだぞっ!
昨日はオーディションにまた落ちたり、自分たちの代わりのユニットが出てきたりで大変だったぞ。
黒井社長にも厳しいこと言われたけど、自分が頑張って絶対に見返してやるんだっ!
きっと貴音も美希も、今まで以上に頑張ってくれるはずさー
だから今日はいつもよりずーっと早くレッスンスタジオに来たんだ・・・けど、
「・・・何の用だ?」
昨日のイケ好かない男しかいなかったぞ。
響「何でお前がここにいるんだ?」
冬馬「何でも何も、これからここでレッスンがあるからに決まってるだろ」
響「え、でもこの時間からはいつも自分たちが・・・」
冬馬「・・・お前、昨日の話聞いてたか?」
響「え」
冬馬「『今までフェアリーが使っていたものは、全てジュピターにまわす』、当然レッスンスタジオも、だな」
響「そんな!」
冬馬「765プロなんかに負け続ける方が悪い。ほらさっさと出て行ってくれ。レッスンの邪魔だ」
響「ぐ・・・」
バタン
響「・・・」
貴音「おや響、どうかいたしましたか?」
響「貴音・・・」
美希「おはよーなのー!」
貴音「おはようございます。美希」
美希「二人ともスタジオに入らないの?」
響「スタジオはジュピターが使ってるから入れないぞ」
美希「ジュピターって、昨日の?」
響「そうだぞ」
美希「でもこの時間っていつもミキ達が自由にして良いって時間だったよね」
響「自分たちが自由に使えたものは、全部ジュピターに持っていかれたみたいなんだ」
貴音「そうですか」
美希「ふーん。じゃあレッスンできないから、事務所でスケジュール確認でもしてくるのー」
響「あ、待ってよー」
貴音「・・・もしや、これは」
ー961プロ事務所
美希「スケジュールが真っさらになってたの」
響「昨日までレギュラーだったラジオ番組も無くなってるぞ」
貴音「次回から彼らが『ぱーそなりてぃー』を務めるようですね」
美希「本当にジュピターに全部持っていかれたの」
響「黒井社長との約束を守れなかったから、仕方ないんだぞ」
貴音「ですが、いくらなんでもこの仕打ちは」
響「だからっ!二人とも、もっと頑張って社長を見返そうよ!」
美希「二人?響は頑張らないの?」
響「そういうことじゃないぞっ!」
美希「それにもっと頑張れって、ミキ達が今まで頑張ってなかったみたいな言い方なの」
響「美希!」
美希「ミキだって頑張ってるよ?キラキラしたいと思うもん」
響「だからそれで上手くいってないからもっと頑張ろうって」
美希「ミキね、なんかもう飽きちゃったの」
響「なっ!」
美希「だって事務所もレッスンもギスギスしてるし、ぜーんぜん楽しくないし、キラキラできそうにないもん」
美希「響だってわかってるんでしょ?ミキたちが961プロから完全に見捨てられたことくらい」
貴音「美希・・・」
響「・・・何さ。リーダーなのに何もしてこなかった癖に」
美希「『王者は孤独たれ』、響の好きな社長の言葉なの」
貴音「響、美希は何もしていないわけでは決して」
響「貴音は黙ってて!!」
美希「そんなこと言うなら響がリーダーやれば良いと思うな。だからミキ、アイドル辞めるね?」
響「勝手にしろ!!」
美希「じゃ、ばいばいなのー」
響「・・・」
貴音「響、良いのですか?」
響「美希なんか・・・もう知らないさー」
今回はここまでです。
週末続きを書ければいいなーって思います
おつー
コンコン
一人きりの部屋にノックの音が飛び込んだ。
ー・・・961プロの人かなぁ
美希と喧嘩した次の日から、事務所には一度も行っていない。
ーあれから今日でちょうど一週間か
あの黒井社長のことだから、解雇の知らせでも持ってきたのだろう。
事務所の人しか自分の家は知らないんだから、それしか考えられなかった。
「今行くぞー」
マスクとサングラスをつけてから玄関に行く。
事務所の人には、泣き腫らした顔を見せたくなかったから。
「はいさーい!今日はどうしたんだっ・・・」
いつも通りを演じようとしてあげた声が詰まる。
「・・・どうしてここがわかったんだ?」
『・・・黒井社長から、直接伺いました』
「・・・なんで?」
『私も、あのお方から家を紹介して頂きましたから』
「そうじゃないっ!」
『はて』
「なんでわざわざウチまで押しかけてくるのさっ!」
「貴音!」
『・・・響に』
『あなたに笑顔を届けに来たのです』
「笑顔を・・・?」
『はい。一週間ぶりに響の笑顔が見たくなりましたので』
「・・・帰ってよ」
『帰って・・・とは?』
「自分、貴音を呼んだ覚えはないぞっ!自分なんかに構わないでよっ!」
バターンッ
叫びながら、ドアを締める。
鍵もかけて、チェーンもかけた。
久しぶりに大声を出した反動で、ドアの前に座り込む。
「貴音」
『はい』
「そこで待っていても、無駄だからな」
「食料もある。イヌ美たちは大家さんに預かってもらってる。だからこのドアはもう開けない」
『そうですか』
「だからもう帰ってよ」
ーそこに居られたら、泣けないじゃないか
ーあれから15分はたったくらいかな。
コンコン
ーまたノックの音がしたのは
『すみませーん。宅急便です!印鑑をお願いします!』
ー宅急便?印鑑?やっぱり961からの書類だろうか。
ーいや、もしかして・・・
「・・・演技したって無駄だぞ、貴音」
『はて?貴音とはどなたのことでしょうか?」
「そんな喋り方する宅配便の人知らないぞ」
『・・・なぜわかったのですか?』
「覗き窓から外って見れるよね」
『・・・?』
「もしかして、覗き窓のこと知らないの?」
『この小さなれんずのようなもののこと、でしょうか?』
「・・・ちなみに外から中は、見れないからな」
『・・・面妖な』
「・・・ねぇ、帰ってって言ったよね?」
『・・・なんのことでしょうか』
「とぼけないでよっ!」
「自分は帰れって言ってるんだ!自分のことなんか放って置いてよ!!」
「笑顔が見たいって何さ!自分はそんな気分じゃないんさ!」
『響・・・』
「良いからさっさといなくなってよ!そこに居られると迷惑なんだ!」
『・・・グスッ』
ー・・・え?
『そ、そごまで言わなぐても良いではないですが・・・』
ーもしかして自分・・・泣かせた?
『どうして・・・でしょう。とても・・・とても哀しくて・・・涙が・・・でて』
「え、ちょ。た、貴音?貴音!?」
『申し訳っ・・・少し・・・泣かせっ・・・て・・下さい』
ーじ、冗談じゃない!
ー泣きたいのは自分のほうだぞ!!
ーなんで貴音が先に泣いてるのさ!!!
ー・・・なんて言ったら余計に泣くよな。多分。
「うがー!!どうすりゃいいんさもうっ!!」
ーあーダメ、泣きそう。
「貴音のバカ・・・美希のバカぁぁぁあああ」
ドアを挟んで背中合わせ。
自分と貴音、二人分の泣き声が響いた日だった。
一旦切ります。
今晩か明日夜には続きをまた書きます。
ルーララルーラルーララルーラ乙
おつ
『響?落ち着きましたか?』
ドアを挟んで背中合わせ。
「・・・それはこっちのセリフだぞ」
しゃっくりまじりの泣き声
『ふふっ。少々泣き疲れましたね』
膝を抱えて背中合わせ
「あんなに泣いている貴音、初めて見たぞ」
すっかり疲れた泣き声。
『私もですよ、響』
今でもしっかり自分を
「・・・ねぇ貴音」
笑わせるつもりかラフメイカー
「なんでこんなに自分に構おうとするんだ?」
それだけが生きがいなんだ
『私が、そうしたいからですよ』
笑わせないと帰れない
『響。あなたの笑う顔が、見たいのです』
「・・・貴音は、ホントブレないな」
『ブレ・・・ですか?』
「なんでもないさー」
『そうですか』
今ではあんたを部屋に
「・・・ドア、開けるね」
入れてもいいと思えたが
「・・・あれ?」
困ったことにドアがあかない
『どうかしましたか?』
自分が壊したようだった
「さっき締めたとき、ドア・・・壊しちゃったみたい」
『なんと・・・』
そっちでドアを押してくれ
「ちょっと、そっちからも押してくれないか?」
「なんとか、開くようにしてみるから」
鍵ならすでに開けたから
「貴音ー。聞こえたー?」
「ねぇ、返事してよー」
ウンとかスンとか言ってくれ
「どうしたー?」
おい、まさか
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