静乃「おしっこしたい」 (53)
静乃「したいんだよ」
憧「トイレ行けばいいじゃない」
静乃「そういうことじゃないんだよ!」
誰だよ
憧「は?」
静乃「生理現象としての放尿ならトイレでしてるよ」
憧「生理現象以外の放尿があるの?」
静乃「何種類かある」
憧「えー……」
wktk
穏
憧は誰と話してんだよ
静乃「例えば、小学生の頃を思い出してみてよ」
憧「……そういえばトイレの一緒の個室で連れションしたような……」
静乃「そう、友情の確認だ!」
憧「え? じゃあしずはわたしと一緒におしっこしたいの?」
憧(いや、それもアリかも、しずの放尿なら見てみたいかも)
静乃「それも放尿の形だ、だけど今回はまた別のおしっこがしたい」
憧「あ、違うんだ……残念」
静乃「ん? あこなんか言った?」
憧「いや、なんにも言ってないわよ」
すまん、ユーザー辞書間違えてた穏乃ね
穏乃「わたしは、和が転校してから吉野の山を駆け回ってたんだ」
憧「女子中学生の行動じゃないわね」
穏乃「その時にある行動をしたんだ」
憧「おしっこ?」
穏乃「えええ!? なんでわかったの!?」
憧「いや、この流れでわからんほうがおかしいでしょ」
穏乃「吉野の山でおしっこをした時に感じたんだ、大自然を」
憧「うん、わかるような気がする、人としての行動としては理解できないけど」
穏乃「山がわたしの一部となり、わたしが山の一部となったんだ」
憧「しずが野外放尿か……ごくり」
穏乃「そう、あの瞬間わたしは吉野の山になった」
憧「……山に飲ませるなよもったいない」
穏乃「え? あこ今何か言った?」
憧「ううん、言ってないわよ」
憧「ってか、なんで山の中で放尿してるのよ、縄張りでも主張してるの?」
穏乃「まさか、そんな犬じゃあるまいし」
憧「そうよね、犬と猿じゃ反対だもんね」
穏乃「今思い返してみると、もっとすごい行為だったんだよ」
憧「確かに女子中学生の野外放尿はすごい行為だけど」
支援
穏乃「実は憧には黙ってたけど」
憧「この一連のカミングアウトの時点ですでにショックなんだけど」
穏乃「今まで行ってた遠征でも、行く先々でおしっこしてた」
憧「……それはトイレでおしっこしてたって意味じゃないわよね?」
穏乃「そんなのはみんなしてただろ」
憧「やっぱり野外で?」
穏乃「もん!」
穏乃「最初は長野だった、長野は良かった」
憧「長野での野外放尿は気持ちよかったんだね」
穏乃「まずは長野の山でおしっこした」
憧「長野に着いた時迷子になったのは山でおしっこしてたからなのね」
穏乃「次に龍門渕に行った時に、広い庭があったからした」
憧「学校のなかで!?」
穏乃「一さんに見られた」
憧「なんでわたし以外の人に見せてるのよ!」
穏乃「え? どういう意味」
憧「あ、いやなんでもない」
穏乃「でもたぶん大丈夫だよ、一さんはわかってくれるはず」
憧「え? なにを? すでにかなり置いてけぼりなんだけど」
穏乃「一さんも……たぶんしてる」
憧「ええええ!?」
穏乃「においだな、同じにおいがする」
憧「おしっこのにおい?」
痴女さんちーっす
穏乃「いや、そういう直接的なにおいじゃなくて……って、え?
わたしおしっこ臭い?」
憧「いや、この距離じゃにおわないけど……ちょっと待ってて」クンクン
穏乃「わ! あこ何をするんだよ! わたしの股間に顔を近づけて!」
憧「ちが! 変な意味じゃないわよ! 勘違いしないで! しずがおしっこのにおいとか言うから確かめただけよ!」
穏乃「あ、そうか、でにおいはした?」
憧「うーん、メスのにおいのなかにわずかに混じっているというか……」
穏乃「え? 臭い?」
憧「いや、いい匂いよ」
穏乃「それならいいや」
憧「いいのかい!」
穏乃「話を戻すと、一さんからしたにおいっていうのは、なんていうか雰囲気って感じかな」
憧「ああ、そういう意味でのにおいね」
穏乃「あの人からは同じ雰囲気を感じたんだ」
憧「え? 物腰丁寧でしっかりした人だったけど、しずとは反対な気もする
でも、どことなく男っぽいとことか、元気そうなところは確かにしずにも似てるような……」
穏乃「あの人の私服を見てわたしは思ったんだ」
憧「あー、ものすごい私服だったわね」
穏乃「一さんも、どこでもおしっこできる服を着てるんだって」
憧「違うでしょ!?」
憧「え? ていうか、しずのその服装はどこでもおしっこするための服なの?」
穏乃「元々は動きやすい格好ってことで着てたんだけどね、おしっこがしやすいってことにも気づいたんだ」
憧「あー、うん」
穏乃「とりあえず、長野での放尿はすごい気持ちよかった、いや、放尿はどこでも気持ちいいんだけどね」
憧「まぁ、生理現象だからね」
穏乃「で、行く先々でおしっこをするたびに気がついたんだ」
憧「何に? 己の過ちに?」
穏乃「過ち? おしっこをするのは生き物として当然のことだよ?」
憧「野外で放尿するのは人としてはおかしいでしょ!」
穏乃「わたしが気がついたのは、おしっこをするたびに麻雀が鋭くなっているってことにだ」
憧「ごめん、意味分かんない」
穏乃「そう、これは大自然がわたしに力をくれてるんだ!」
憧「和がキレそうなオカルトだ……外でおしっこしてるだけで麻雀が強くなるなら誰も苦労しないわよ!
いや、外でおしっこするのは結構な精神的苦労を伴うか……」
穏乃「東京に着た時に清澄の宮永咲とすれ違ったのを覚えてる?」
憧「え? 唐突に話が飛んだわね」
穏乃「あの人もおしっこを力に変えている」
憧「えええええ!?」
穏乃「赤土先生も言ってたんだ、長野の県予選の決勝を見て気がついたって」
憧「晴絵はあの映像からおしっこに気がついたの!?」
穏乃「決勝の後半戦、宮永咲はおしっこを我慢しながら麻雀をしてたって」
憧「あー、確かにそんな感じだったわね」
穏乃「嶺上牌から必ず必要牌を引く能力がある選手だと説明された」
憧「そうらしいわね」
穏乃「さらにもうひとつ何かの能力があるんじゃないかと赤土先生は見てる」
憧「何かの能力?」
穏乃「そう、なにか場を支配するような……そんな力が」
憧「場を支配……か」
穏乃「後半戦にその能力の片鱗を見せていた、衣さんの絶対的な支配を覆すような能力を」
憧「確かに、あの力に対抗したというのは、何か力があったのかも」
穏乃「そして、前半戦と後半戦の違い、後半戦はまるで今にも漏らしそうなほどおしっこを我慢していた!」
憧「まさか! おしっこの我慢が宮永咲の能力の条件なの!?」
穏乃「そう仮定してる!」
これはひどい
憧「つまり、宮永咲がおしっこを我慢することで力を発揮するように……」
穏乃「わたしは外でおしっこして大自然と繋がることで麻雀が強くなるんじゃないかと思う」
憧「うーん」
穏乃「だから! わたしはおしっこしたい!」
憧「いや、無理でしょ」
穏乃「ええええ!?」
穏乃「な、なんで?」
憧「だって、ここ東京だよ? 大自然が無いじゃない」
穏乃「しまった! おしっこできない!」
憧「しずの力は山の支配だと晴絵は言ってるし、山でおしっこしないとダメなんじゃない?」
穏乃「そうかー! 気付かなかったー!」
憧「しょうがない、今日はこれで我慢して」スッ
穏乃「ん? どうしたの憧、両手を出して」
憧「……ここに……あ、いやなんでもない」
穏乃「へんなあこ」
憧「でも、そんなに外でおしっこしないとまずいの?」
穏乃「うーん、どうなんだろー、吉野に居た時はもう日課でしてたからねー」
憧「そんなに頻繁に!?」
穏乃「ただ、東京に来てからはなんか、カンが冴えなくなってきてるというか」
憧「そうなの? 大星淡との対局では冴えてたじゃない」
穏乃「あれは、なんといか、今までの分を絞り出したというか、おしっこだけに」
憧「上手くないから! 美味しそうだけど!」
穏乃「え? なにが美味しそうなの?」
憧「な、なんでもないわよ!」
穏乃「あー、東京でどっかおしっこできそうな山がないかなー」
憧「うーん、西のほうに行けば東京でも山ばっかりらしいけど、遠いみたいだし……晴絵に車出してもらおうか?」
あこちゃー
穏乃「うーん、あんま迷惑かけたくないんだよね、どっか近場でおしっこできるとこないかな?」
憧「この辺は大都会だってば」
穏乃「あ! そういえば代官山って駅あったよ! あそこ山じゃない?」
憧「いや、代官山はすごいおしゃれスポットだよ」
穏乃「うーん、でも山って書いてあるし別にいいんじゃないかな」
憧「それでいいの!?」
穏乃「ちょっと行ってみる!」
憧「あ、わたしも付いていくわよ! 一人じゃ色んな意味で危ない!」
憧「へー、ここが代官山かー、ねーしず、おしっこのことは忘れてちょっとお店見て回ろうよ」
穏乃「……感じる」
憧「へ?」
穏乃「決めた!」
憧「な、なにを?」
穏乃「わたし、ここでおしっこする!」
憧「へぇ!?」
穏乃「あそこだ! あそこの電柱がいい!」
憧「そんな犬みたいなこと言わないで!」
穏乃「じゃあどこでおしっこすればいいんだ!」
憧「せ、せめて人があんまり居ないところで」
穏乃「じゃああの路地に入ろう」
憧「うん、もうどうにでもなれ」
おさると目をあわせない
穏乃「あこ、人が来ないように見張ってて」
憧「見られたら困るんだ」
穏乃「そりゃそうだよ! 恥ずかしいし!」
憧「だったらこんな町中でおしっこするなよ……」
穏乃「よし」
憧「おお……ツルッツルだ」
穏乃「いや、憧なんでこっちを見てるんだよ」
憧「あ、ああ、ごめんつい」
穏乃「そうだ、あこもしてみる?」
憧「え!?」
穏乃「あこはなんか都会派っぽいし、都会でおしっこをすることでなにか力が得られえるかも」
憧「無理でしょ」
穏乃「まぁ無理にとは言わないけど」
憧「それにわたしは見てるほうがいい」
穏乃「え?」
憧「さあ、さっさとしちゃいなさい」
しえん
穏乃「あの、あっちを向いてもらえると嬉しいんだけどなー」
憧「ああ、ごめんごめん」(ケータイで撮影しとくだけにしよう)
穏乃「カメラもしまって貰えると嬉しいんだけど」
憧「えええ!? なんでバレたの?」
穏乃「いや、手に持ってるの見えてるし」
憧「しまった……」
穏乃「それじゃするから、誰も来ないように見はっててよ」
憧「はーい」
チョロチョロチョロ……
憧(なんだろう、音だけ聞いてるのもこれはこれでそそる)
穏乃「はぁぁぁぁぁぁぁ~」
憧(気持よさそう、しずがトイレに入る時いつも耳を立ててるけどこんな声出すのは初めて)
穏乃「……ふぅ、憧もういいよ」
憧「あ、終わったの、おーいっぱい出てる」
穏乃「そうまじまじと見ないで……土の上じゃないと染み込まないな」
憧「うわ、こっちに流れてきた……直飲みならまだしもこれは無いわ」
穏乃「さぁ、おしっこもしたし帰ろうか、あ、それとも買い物とかする?」
憧「いや、もうそんな気分じゃないからいいわ」
穏乃「そっか」
憧「で、どうだった?」
穏乃「うん、気持よかった」
憧「力は付いた?」
穏乃「どうだろう? わかんないや」
憧「これで無駄足だったら怒るよ?」
穏乃「さー、ホテルに帰ってきたー!」
憧「なんかすごく疲れたわ」
穏乃「緊張したからおしっこしたくなっちゃったよ」
憧「また!?」
穏乃「いや、今回はトイレでするよ、今回のはそんなおしっこだから」
憧「あ、そうなの」
憧「わたしもなんかトイレに行きたくなっちゃった」
穏乃「ああ、わたしだけおしっこしてたもんね、ごめんごめん」
憧「……ねぇしず」
穏乃「ん? どしたの?」
憧「しずはおしっこにも何種類かあるって言ってたわよね?」
穏乃「うん、通常の放尿と、力を付ける放尿」
憧「後は?」
穏乃「子どもの頃の、友情の連れション?」
憧「うん」
憧「しず! わたしとおしっこしよう!」
穏乃「ええええええ!?」
憧「しずが、大自然から力を貰っているとしたら、わたしに力をくれているのはしずだ」
穏乃「……あこ」
憧「小学生の頃、一緒に連れションしてた頃、わたしはいつもしずから力を貰ってたんだ」
穏乃「……うん」
憧「中学で離れてわかった、わたしはしずが居ないとダメなんだって」
憧「次の決勝、ぎりぎりの戦いになる、だからわたしは万全の状態で挑みたいの」
穏乃「……」
憧「だからしず……一緒におしっこしよう! しずのおしっこをわたしにわけて!」
穏乃「……」
憧「……しず、ダメ……かな?」
穏乃「……ょ」
憧「え?」
穏乃「いいよ! あこ! 一緒に連れションだ!」
憧「しず!」
穏乃「あこ!」
ホテルの部屋のトイレにて
憧「しず、もうちょっとそっちに寄って」
穏乃「狭いんだよ」
憧「洋式だとやりにくいわね」
穏乃「さっき外で一緒にしたらよかったんだよ」
憧「わたしはトイレじゃないとおしっこできないよの」
穏乃「もったいないなー、あの大自然の開放感を味わえないなんて」
穏乃「……なんだ、あこもつるつるじゃん」
憧「しずと……おそろいだよ」
穏乃「それじゃあ出すよ」
憧「ちょっと待って! 心の準備が」
穏乃「じゃあ、あこ先に出してよ、わたしがそれにあわせるから」
憧「う、うん」
なんだこれ
憧「あ、出る……」チョロチョロ
穏乃「じゃあわたしも」チョロチョロ
憧「わたしのおしっこと、しずのおしっこがぶつかって……混ざってる」
穏乃「うん……」
憧「はぁぁぁぁぁぁぁ」
穏乃「ふぅぅぅぅぅぅ」
チョロチョロチョロチョロチョロチョロ……チョロ
憧「ああ、終わっちゃった」
穏乃「あこは気持よかった?」
憧「……うん」
穏乃「ねぇあこ」
憧「ん? どうしたの?」
穏乃「この大会が終わったら」
憧「ダメだよしず!」
穏乃「え? なにが?」
憧「確かにしずと結婚するのは望むところだけど、今このタイミングは死亡フラグだから!」
穏乃「いや、違うけど」
憧「へ?」
穏乃「この大会が終わったら、和も一緒におしっこできなかなって思ってさ」
憧「あ、そっちね」
穏乃「あこは……どう思う?」
憧「うん、いいと思うけど、でも」
穏乃「でも?」
憧「和はふつうに嫌がりそう」
穏乃「……確かに」
穏乃「でも、まぁ決勝に対して準備は上々だな」
憧「そうね」
穏乃「おしっこもしたし! 後は戦うだけだ!」
憧「しずの相手はおしっこ我慢してるだろうけどね!」
穏乃「そうか、はっはっはっは!」
穏乃「さぁ! おしっこもしたし、後は麻雀するだけだ!」
憧「ちょ、まだ早いわよ! 決勝の前にもいっときなさいよ」
穏乃「また、あこも一緒におしっこしてくれる?」
憧「……まぁしょうがないわね」
穏乃「わたしたちのおしっこは!」
憧「これからよ!」
おわり
乙
乙ー
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