日本が有能な外国人にとって魅力的な国となるには何が必要か。かつて青色発光ダイオードを開発し、その発明の対価を巡って所属企業と
裁判を争った中村修二・米カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授に聞いた。(聞き手は日経ビジネス 細田孝宏)
――所属していた日亜化学工業を退社した後、アメリカの大学で教授に就任して10年以上が経ちました。アメリカには世界中から有能な人材が
まりますが、どこに魅力があると感じますか。
中村:大学教授になったせいもあると思いますが、日本に比べ圧倒的に自由です。日本は規制天国ですな。何というのか、島国にずっと閉じこもって
たので非常に保守的。一度規制を作ったら変えないし、時代錯誤になっても維持してがんじがらめになっている。
日本が発展するには一回完全に沈没して古いシステムをがらっと変えないといかんでしょう。政治家も分かっているようですが、絶対変わらないと
思いますね。一回つぶれて、すべてのシステムを変えないと。
知り合いの日本人に言わせたら「もう日本はつぶれてる」って。まあ家電メーカーはむちゃくちゃな赤字を出しているわけですし。自動車もつぶれる
くらいまで行って追い詰められないと、がらっと変わらないでしょう。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130705/250730/ph02.jpg
――技術者として見た場合、アメリカの良いところは何でしょうか。
中村:全員がアメリカンドリームを見るチャンスがあることでしょう。いい発明をしたら、誰でもビル・ゲイツみたいになるチャンスがある。日本では
そんなチャンスは与えられていない。永遠のサラリーマンなんです。一生懸命働いても途中で肩たたきにあって、年収が半分になってしまうのが
日本の科学者や技術者。
ベンチャー企業もありますけれどアメリカに比べるとないに等しい。有名大学、有名企業に入って永遠のサラリーマンをやるのがいいと思っている。
全くの間違いなんですが。「こんなサラリーマン生活はわしの夢じゃなかった」と気がついて酒場で酒飲んで文句を言う。そういうのをすべて壊さないと
いけません。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130705/250730/
何年前のはなし
なんだこいつ
ぐうの音もでない
>>1の続き
――日本でも高度人材受け入れの議論があります。どうすればうまくいくでしょうか。
中村:ここ(米カリフォルニア大学サンタバーバラ校)の教授が助教授の時に日本の大学に行ったそうです。
1年いる予定だったけど数カ月で帰ってきた。「何でや」と聞いたら「あんな封建的なのはいやだ」と。
教授が力を持っていて、彼は助教授だったから教授を通じてでないと学生とのディスカッションすらできない。さらに、教授に面談して研究の話をしようと
すると、部屋の前にいる秘書から「アポイントを取ってください」と言われたそうです。
せっかく日本に行ったのに1人で部屋に閉じもるだけで何の研究もディスカッションもできない。「こんなアホなところにおれるか」と帰ってきたそうです。
――変えようとするのは無理ですか。
中村:無理無理。「変えよう」と言って変えたものなんて1つもないでしょ。日本は保守的な国なんですよ。戦後みたいに崩壊して立ち直る。一度崩壊したら
若い人が変えてくれる。そうなると日本は強くなると思うんですけどね。
技術者は素晴らしいんですよ。世界に勝てるんですよ。でも、それをグローバル化できない。前に日本企業の人が来て言ってました。「国際規格を作れる
日本人がいない」って。サミットで日本の首相が端っこにいるのと同じなんです。英語ができないから。
――日本では、特許権の帰属を企業に移そうという動きが出ています。
中村:もう日本にいないのでどうでもいいことですよ。こっちのシリコンバレーの金持ちを見ていたら特許権で稼げる金額なんてしれてますから(笑)。
やはり発明者がベンチャーを作ることを考えた方がいいですよね。
――中村さんの裁判をきっかけに発明者が報われるようになったと思いますか。
中村:なってないですよ。日本の技術者は最低最悪の待遇です。アメリカだと博士号を取って就職したら初任給は1000万円くらいもらえて、それから
ストックオプションがつく。日本とは全然違います。
アメリカは理系社会、日本は文系社会。文系が金持ちの国っていうのは後進国ですよ。優秀な技術者がいるのに。見ていてかわいそうですよ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130709/250893/
永井産業
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