遊び人「やる気はあります!」魔族少女「じゃあ働けよ」 (39)

遊び人「おわっ!? 魔族!?」

魔族少女「いや、そんなことはいいからさ」

遊び人「ですが、ご安心を! この遊び人、魔族だからといって差別など致しません!」バァン!

魔族少女「あ……うん……」

魔族少女(……私、なんでこんな人に話かけちゃったんだろ?)

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遊び人「そうだ、あなたのお名前は?」

魔族少女「ああ、私は魔族少女。ちょーっと、ゆったり旅をしているんだ」

遊び人「なるほど……。私は遊び人です。……そうだ!」

魔族少女「?」

遊び人「あなたの旅に同行してもいいでしょうか?」

魔族少女「いや……まぁ、いいけど、なんで?」

遊び人「もしかしたら将来の道が見つかるかもしれません!」

魔族少女「自分探しで自分を見つけられるって聞いた話はないよ?」

遊び人「夢がないですね……」

魔族少女「君は夢見すぎ」

ま た お ま え か

>>3 

 ま た 俺 だ

……でも、さすがにネタ切れだわ。

遊び人「いやぁ~、熱い意志を持って家を飛び出したまではいいんですが……」

魔族少女「その意志のぶつけどころがない、と?」

遊び人「そうなんですよー」

魔族少女「まぁ、自分探しじゃないけど、旅をしてれば色々仕事見れるかもね」

遊び人「ですよね!」

遊び人「でも、旅人も無職ですよね?」

魔族少女「いーの。私は旅をすること自体が仕事みたいなもんだから」

遊び人「むぅ、納得いきません。魔族の仕事ってどんなのがあるんですか?」

魔族少女「人間と変わんないよ。食べるために、遊ぶために、寝るために働く。全てはそれらにつながってるんだ」

遊び人「そうですか……」

魔族少女「遊び人はさ、漠然とでもいいから、なにがしたいの?」

遊び人「私は人の役に立ちたいです!」

魔族少女「ふーむ。介護とか?」

遊び人「いや、できればもっと派手なのがいいですね」

魔族少女「注文の多い無職だ……」

魔族少女「はぁ……正義のヒーローでもやってれば?」

遊び人「ああ、いいですね、それ!」

魔族少女「いいんだ……」

魔族少女(ヒーローになったところで無職なのは変わりないんだけどなぁ……)

遊び人「では、困った人を助けに行きましょう!」

魔族少女「あ、そういう趣旨に変わったんだ。まぁ、いいけどさ……」

遊び人「細かいことは言いっこなしです。さぁ、出発進行!」

魔族少女「……おー」

悪いって訳じゃないけど、短スレばっかだから>>1専用の短編スレ作れば?

幼女「ふぇぇ……風船が木にひっかっかちゃったよぉ……」

魔族少女「なんてベタな……」

遊び人「お任せください!」スチャッ

幼女「ふぇぇ……?」

遊び人「お姉さんがとってきてあげますよ」ニコ

遊び人「……」ノボリノボリ

遊び人「よし、風船のところまでたどりついた! 手を伸ばして……と!?」ステン

遊び人「うぁぁ!?」」ズドーン

魔族少女・幼女「遊び人(お姉ちゃん!?)

遊び人「だ、大丈夫です……風船は確保しました」プルプル

魔族少女「いや、遊び人が大丈夫じゃなさそうだよ!?」

遊び人「それも心配ご無用!」トォッ

遊び人「私、回復速い方ですから。はい、風船どうぞ」スタッ

幼女「あ、ありがと……」

魔族少女「速いってレベルじゃない……」

遊び人「では、機会があれば~」

幼女「う、うん。ありがと、お姉ちゃん」

魔族少女(若干あの子も引いてるなぁ……)

遊び人「人助けというのは気持ちいいです! 次に行きましょうか!」

魔族少女「はいはい。(本人楽しそうだし、いっか)

魔族少女「しかし、そんな困ってる人なんて簡単にいるはず……」

おばさん「あ~、困ったわ、料理で使うトマトを切らしてしまったわ(説明口調)」

遊び人「どうされました?」

おばさん「あら? 旅の人? 実は店で使うトマトを切らしちゃったのよ」

魔族少女(もしかして、遊び人が困ってる人を引き寄せてるんじゃないだろうか……)

遊び人「ならば、私がお使いに行ってきましょう!」

おばさん「あら、助かるわぁ」

遊び人「で、成功のあかつきには、よろしければお礼の品などいただきたいのですが……」ヒソヒソ

おばさん「かまわないわ。はい、お金」

魔族少女(性格のわりにせこいなぁ……)

遊び人「では、行ってまいります!」

おばさん「はぁ~い」

遊び人「トマト……トマト……」キョロキョロ

魔族少女「あれがそうじゃない?」スッ

遊び人「おお! それらしき店! 行ってみましょう!」タタタ

魔族少女「ちょ、ちょっと!」タタタ

野菜屋「ん? いらっしゃいお嬢さんたち」

魔族少女(そういえば、私の外見だけじゃ魔族ってわかんないんだけど、どうして遊び人にバレたんだろ?)

遊び人「えーと、トマト、ありますか?」

野菜屋「ああ、あるよ、ほれ」スッ

遊び人「このお金で足りますか?」スッ

野菜屋「ああ、足りる足りる」

魔族少女(この人はこの人でなんか適当だな)

遊び人「ありがとうございます!」

野菜屋「毎度」

遊び人「さぁ、戻りましょう!」

魔族少女「あ、うん……」

遊び人「約束のトマトです!」ドヤァ

おばさん「あら、ありがとう。じゃあ、お礼に、うちの店で食べていくといいわ」

遊び人「それはありがたい! ちょうどおなかが減っていたところなんです!」

遊び人「魔族少女はどうですか?」

魔族少女「私もすいてるけど、私が食べてもいいの?」

おばさん「かまわないわぁ」

魔族少女「じゃあ、お言葉に甘えて……」

<店内>

遊び人「トマトシチューおいしいです!」モグモグ

魔族少女「おいしい……」モグ

おばさん「それはよかったわぁ。ゆっくりしていってね」

遊び人「はい!」

魔族少女(う~ん。こういうのも、発展させれば仕事になるのかなぁ……)

魔族少女(これ、おいしいなぁ……)モグモグ

遊び人「ごちそうさまでした!」

魔族少女「ごちそうさま」

おばさん「今度はお金をもっていらっしゃい」

遊び人「あ、あはは……」

魔族少女「けっこうシビアだなぁ……」

良かったら>>1の過去スレをおしえてほしいです

>>20炒めた趣味倉庫ってググってください。

遊び人「さぁ、人助けしましょう!」

ごろつき「へへへ、兄ちゃん、ジャンプしてみ?」

兄ちゃん「も、持ってませんよお金なんて……」

魔族少女「これまたベタな……」ジー

遊び人「?」

兄ちゃん「……」ピョンピョン

兄ちゃん「……」チャリンチャリン

ごろつき「持ってんじゃねぇか!!」

兄ちゃん「ひぃ!!」

遊び人「そこまでです!」ババン

ごろつき。・兄ちゃん「!?」

遊び人「そこの悪党! 私が退治します!」バキィ!

ごろつき「ぐぁぁぁぁぁ!!」

魔族少女「いや、言ってるそばから倒しちゃってるよ!?」

遊び人「ふ……」

遊び人「勝てば官軍という言葉を知らないのですか?」

兄ちゃん「……」ポカーン

遊び人「ところでそこのあなた!」

兄ちゃん「は、はい!?」ビクッ

遊び人「助けたお礼などを少々いただきたいのですが……」ヘコヘコ

魔族少女(低姿勢の暴力……)

兄ちゃん「は……はい……」チャリン

遊び人「あ、こんなにいりません」チャリン

魔族少女(あんまり、さっきのやつとやってること変わんないなぁ……)

遊び人「困ってる人~、困ってる人~」キョロキョロ

魔族少女「あんまり探して嬉しいもんじゃないよ、それは……」

遊び人「嬉しいとか嬉しくないとかじゃなく! 私は人の役に立ちたいんです! 無職だから!」

魔族少女「……! じゃあ私の……いや、やっぱりなんでもない」

遊び人「?」

魔族少女「ほら、困ってる人探すんじゃなかったの!?」

遊び人「は、はい!」

遊び人(なにを怒ってるんでしょう?)

マザー「困ったわ~、困ったわ~」

魔族少女「また、図ったようなタイミングで……」

遊び人「どうかしましたか?」

マザー「あのね、私のチャイルドが森に行って帰ってこないのよ……」

遊び人「探しには行かなかったんですか?」

マザー「もう、三日間は探してるわ……」フルフル

遊び人「わかりました! 私が探してきましょう!」

魔族少女「私も……」

マザー「助かるわぁ……」

魔族少女(う~ん。依頼主もなんか、悪そうなとこあるよなぁ……)

<森>

遊び人「チャイルドさ~ん、どこですか~?」

魔族少女「闇雲に探しても見つからないよ」

遊び人「どうしてですか?」

魔族少女「あのマザーがチャイルドの行動範囲を把握してないとは考えにくい。だとすれば、森にいる魔物にさらわれた確率が高い」

遊び人「すごいです! 魔族少女、名推理です!」

魔族少女「いや、少し考えればわかるよ……」カァァ

遊び人「では魔物を……」キョロキョロ

魔族少女「そんな簡単に見つかるわけ……」

魔物「ウホッ」

遊び人「ありましたよ?」

魔族少女「……」

遊び人「ではさっそく……むぐ!」ギュム

魔族少女「待って!」コソッ

遊び人「な、なにするんですか?」ヒソヒソ

魔族少女「今出ていったところで、逃げられるのが関の山だよ。後をつけてった方がいい」ヒソッ

遊び人「それもそうですね……」ヒソッ

魔族少女「うん……」

魔物「うほほ~♪」

遊び人「……」テクテクテク

魔族少女「……」テクテクテク

遊び人「……!」

魔族少女「どうやら、あたりみたいだね」

魔物「うほほ~」

魔物2「うっほほ」

チャイルド「ひぃ~!!」ガクガクガク

遊び人「そこまでです!」

魔物「うほ?」

魔族少女「あ~、ちょっと待って」

遊び人「どうかしましたか?」

魔族少女「うっほ、うっほほ、うっほ」

魔物2「うほ……うっほほうほほ」

魔族少女「うほほ、うほほ、うほ」

魔物「うほっ」コクッ

遊び人「ぶ……ぶふ! な、なに喋ってるんですか?」ブフォッ

魔族少女「笑わないでよ、私だって恥ずかしいんだから……」カァァァ

魔族少女「どうも、迷子になってたから預かってたんだけど、言葉が通じなくて困ってたんだって」

遊び人「それで、魔族少女はなんて言ったんですか?」

魔族少女「こっちで引き取るよって」

遊び人「そうですか……。ええと、チャイルド、それでいいですか?」

チャイルド「は……はい」ガクガク

<町>

マザー「よかった、よかったわぁ」ヒシッ

チャイルド「ごめんよ、マザー」シュン

マザー「あなたが無事ならそれでいいのよ~」

魔族少女「……」

魔族少女「行こうか、遊び人」クルッ

遊び人「魔族少女?」

魔族少女「置いてくよ」

遊び人「ああ、待ってくださいよ~」

魔族少女「ねぇ、遊び人」

遊び人「なんでしょう?」

魔族少女「例えばさ、まったく同じ能力や思想を持ってる人たちがいて、その人たちに個性はあるのかな?」

遊び人「……そうですね。ありません」

魔族少女「……」

遊び人「しかし、それは最初の時点では、の話です」

魔族少女「え?」

遊び人「たとえ、双子として生まれようと、姉か妹としての立場によって違いますし……」

遊び人「ようするに、環境が、同じものを別のものに変えてくれるんです」

魔族少女「……そっか」

遊び人「嬉しそうですね?」

魔族少女「まぁね。ほら、困ってる人、探そ?」

遊び人「あんまり見つけてうれしいものじゃないって言ってたじゃないですか……」

魔族少女「細かいことは気にしない!」

遊び人「は~い」

遊び人「困ってる人~、困ってる人~」キョロキョロ

魔族少女「……」キョロキョロ

偉そうな男「おらっ! 笑って働け!」

少女「うう……」

魔族少女「これはまた、ずいぶんとベタな……」ヒクッ

遊び人「待ちなさい!」

魔族少女「こっちも、いつも通りだったね」フッ

偉そうな男「ああ? なんだてめぇは!?」

遊び人「遊び人です!」

偉そうな男「なんだ、無職か」

遊び人「いや、無職ですけど……」

魔族少女「で、おじさんはなにしてたの?」

偉そうな男「ああ、こいつが笑って働かないから、躾けてやってたとこなんだ」

遊び人「労働基準なんたらに反しています!」

偉そうな男「黙れ無職」

遊び人「ぐぬぬ」

遊び人「うるさいです!!」バキッ

偉そうな男「ぐぁぁぁぁぁ!!」

魔族少女「色々順序すっ飛ばして倒した!」

遊び人「ええい、高そうな身なりして! 根こそぎ奪ってやります!」ゴソゴソ

魔族少女「まるっきり悪人だぁ……」

少女「……」ポカーン

遊び人「悪人から奪っても、心証は悪くなりません! はっ!」

遊び人「そうだ! そうですよ!」

魔族少女「?」

遊び人「義賊です! 義賊になればいいんです!」

遊び人「こうなりゃ、いてもたってもいられません」

遊び人「魔族少女、いつかまた会いましょう!」ガシッ

魔族少女「へ?」

遊び人「私は今日から盗賊、そして義賊です! では、さらば!」タタタ

魔族少女「……」ポカーン

少女「……」

魔族少女「とりあえず、町、戻ろうか?」

少女「はい……」

 おわり

 遊び人は仕事(?)を見つけたが、>>1が無職童貞ニートであることは変わりない。
 そして今日も>>1は仕事探しに向かうのだった……。

 そして職安へ……

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