脇山珠美「タマミックス!」 (50)

・モバマスSS
・オムニバス形式

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ふむ

【恐怖克服】

P「珠美、幽霊が苦手との話だが」

珠美「うっ・・・その話は止めて下さい、P殿」

P「という事で、苦手を克服する為のトレーニングを考えてきたぞ」

珠美「あの、DVD観賞とかは嫌ですよ?」

P「安心しろ、エクササイズみたいな感じで身体を動かすタイプの訓練だ」

珠美「はあ・・・分かりました、P殿を信じます」

P「うむ。じゃあレインドロップの衣装に着替えてここの部屋に移動していてくれ。俺はちょっと準備してくる」

・・・

珠美「着替えて移動したものの、P殿はなかなか来ませんね・・・」

P「よう、遅くなってすまん」

珠美「いえ、P殿が珠美のために時間を割いて下さっているのですから、これくらい何ともありません。ところで、そちらの大きい袋は?」

P「今回の訓練に使うこんにゃくが入っている」

珠美「・・・こんにゃく?」

P「ああ、こんにゃく」

珠美「味噌田楽にすると美味しい?」

P「おでんにしても美味しいこんにゃくだ」

珠美「こんにゃくで一体どういう訓練をするつもりですか?」

P「まず俺が珠美にこんにゃくを投げる」

珠美「意味が分からないのですが」

P「お化け屋敷のこんにゃくのトラップに大層驚いていたし、まずはそこから克服しようかと」

珠美「・・・それで珠美はどうすればいいのですか?」

P「こんにゃくのヌルヌル感にひたすら耐える。以上」

珠美「理不尽過ぎませんか!?」

P「理不尽なもんか。俺は珠美の事を思って、10分かけてこのトレーニングを必死に考え付いたんだぞ」

珠美「ほぼその場の勢いじゃないですか」

珠美「というか、食べ物をそんな粗末に扱ってはいけませんよ」

P「賞味期限間近の品を貰ってきたから問題ない。ヌルヌル感も上がるし」

珠美「その微妙な気遣いをもっと他に活かして下さい」

P「という事で、早速始めるぞ」

珠美「うう・・・どうしてもやらなきゃダメですか」

P「せめてもの配慮としてビニール袋かけた竹刀は用意してあるぞ」

珠美「それを早く言って下さい! 竹刀さえあれば珠美は100人力です!」

P「そこの2mの棚の上に」

珠美「置き場所に悪意しか込められてない!」

P「話も終わったところでこんにゃく投擲を開始するぞー」

珠美「せめて竹刀を取る努力をさせて下さいよ!」

・・・

30分後

P「ハァ、ハァ・・・」

珠美「ゼェ、ゼェ・・・」

P「・・・いい汗かいたな、珠美」

ヒュッ

P「こら、無防備の相手に竹刀をふるうんじゃない」

珠美「ちゃんと軽めにお尻を狙いました。というか、後半は互いにこんにゃくを投げ合って遊んでいただけじゃないですか!」

P「物をぶん投げるのって、なかなかストレス解消になるよな」

珠美「ストレス解消がしたいのなら珠美を巻き込まないで下さい!」

P「冗談だ。とにかく、これでこんにゃくに対しては耐性がついた筈だ」

珠美「ついた自信がないのですが」

P「心頭を滅却すれば火もまた涼しという事で」

珠美「無理やりそれっぽくまとめようとしないで下さい。意味が分かりませんし」

P「じゃあ、明日から珠美の首筋にこんにゃくを当てるのを日課に加えるからよろしくな」

珠美「よろしくしません!」

P「俺の時代小説コレクションを貸そう」

珠美「・・・明日だけなら」


・・・

翌日

珠美「あの、P殿。何ですかそれは」

P「竹ざおの先からこんにゃくを大量に吊るした物」

珠美「そんなこんにゃくの絨毯爆撃みたいな物が出てくるなんて聞いていませんから!」

P「よし、ならば明日はこんにゃくの絨毯を用意するから楽しみに待っていろ」

珠美「待ちません!」

P「そして業界初のこんにゃくアイドルに」

珠美「目的がすりかわってますから!」

【レインドロップ】

大槻唯「たまみんコチョコチョ~!」

珠美「ゆ、唯殿、やめ、あひゃっ、うひゃひゃひゃ~!」

・・・

原田美世「いっくよ~、珠ちゃんブースト!」

珠美「珠美の飛び出てる髪の毛はサイドブレーキじゃありません!」

・・・

唯「たまみんちっちゃくてカワいー!」

珠美「た、珠美はちっちゃくありません!」

・・・

美世「たまちゃん、かわいい! えっ、子ども扱いしているわけじゃ・・・」

珠美「遅いです、美世殿」

・・・

唯「ゆい・・・最近はもっとオトナっぽくなりたいなーって思ってるの。たまみんと比べたらナカナカ勝ってると思うんだけど? ん?」

珠美(否定はしませんが・・・)

・・・

美世「たまちゃんは・・・あ、ちっこいから、観光客の大群に埋もれてる」

珠美(最年少とはいえ、唯殿とは10cm、美世殿とは約20cmの身長の差があるのは・・・)

・・・

三船美優「珠ちゃん大丈夫?」

珠美「はい、ありがとうございます・・・」

珠美(美世さんも! 美優さんも! 唯さんも! ぼんきゅっぼーん! クッ・・・)

・・・

(拝啓、父上殿母上殿。ユニット活動は定期的に精神をえぐられますが、珠美は今日も元気です)

タマミ○ックス?(空耳)

面白いですっ☆
続きを!

【ごはん】

珠美「P殿、珠美は思ったのです。女たる者、料理が出来て一人前だと」

P「胃袋を掴むという言葉もあるしな」

珠美「という事で、本日はP殿に珠美が昼食を作ってきました」

P「珠美、料理出来たのか・・・」

珠美「鎌倉の時に手製のわらびもちやあんみつを振舞ったのをお忘れですか?」

P「・・・そういやそうだったな」

珠美「まったく・・・気を取り直して、本日のメニューは珠美の手作りおにぎりです」

P「おにぎりなのか」

珠美「武士の基本は米。よっておにぎりがベストだと思ったのです」

P「なるほど、珠美らしいな」

珠美「こちらの箱の中に用意してありますのでどうぞ」

P「どれどれ・・・なあ、珠美」

珠美「はい」

P「おにぎりの型を取る器具ってのもあるし、今度買ってきてやろうか」

珠美「うっ・・・た、確かに見た目は不恰好ですが、味は大丈夫だと思います」

P「じゃあ、いただきます・・・なあ、珠美」

珠美「こ、今度は何ですか?」

P「このおにぎりは出来損ないだ。塩が寄ってるし具の詰め方も甘い。何よりふわふわ感が足りない、食材達が泣いてらぁ」

珠美「P殿のばかぁぁぁぁ」

P「明日ここに・・・って行っちゃったか。まあ、作ってきてくれた事自体は感謝しているし、勿体無いから全部食べるけどさ」

【もしも】

珠美「仮に珠美がCDを出すことになったら」

P「軍歌」

珠美「何で即答でそのチョイスですか!?」

P「いや、珠美→どことなく大正時代っぽい→大日本帝国→軍歌という図式を」

珠美「珠美は武士ですが軍人ではありません! そちらは亜季殿の領分です!」

P「まあ、冗談はおいといて割とリアルな話、珠美が和風な歌を歌うのがどうも想像出来ない」

珠美「和を愛する心はありますが?」

P「いや、小学生はそういう歌を歌わないし」

珠美「珠美は小学生ではありません!」

P「見た目がそうだからしょうがない」

珠美「ぐぬぬ・・・」

P「という事で、珠美にはチャイルドなポップスが似合うと」

珠美「珠美の意見を無視しないで下さい」

P「まあ待て。アイドルとは崇拝の対象。つまり、ああなりたいと思わせる存在だ。ならば、子供からの支持を得るには、そういった親近感を覚える曲の方がいいんじゃないか?」

珠美「なるほど・・・納得したわけではありませんが、そういう理由があるなら」

P「ただ、現状の珠美のファン層がちっこくてカワイイ物好きな20歳前後の女性が多いからそういうのは向かない恐れがあるが」

珠美「アピールするべき対象から違うじゃないですか!」

クールだなぁ

【アイドル】

P「人気アイドルの一種の指針としては、やはり髪型を真似される事だな」

珠美「髪型、ですか」

P「聖子ちゃんカットって聞いた事あるだろ?」

珠美「言葉だけは」

P「菜々さん辺りならよく知ってると思うが・・・やはり、髪型ってのは髪質さえ近ければ真似しやすいからな」

珠美「ふむふむ」

P「で、珠美。お前のそのアンテナ、どうなってんの?」

珠美「珠美の髪をアンテナ呼ばわりしないで下さい! というかいつもこうなっているので珠美もよく知りません」

P「ほう・・・えい」

珠美「痛い痛い痛いいたい!」

P「やはり引っこ抜けないか・・・」

珠美「真顔で何恐ろしいことやってるんですか!」

P「まあ、珠美の髪だししょうがない、って事でいいか」

珠美「物凄くテキトーな感じで流された!」

このやりとり、サイコーだな!

珠ちゃんはもっと怒っていいと思うのw

怒ったところで更にからかわれるだけなんだろうな

??「弄られる特権は渡さないにゃ。これは??の特権にゃ」

この小学生かわいいな

【素因数分解すれば2×2×2×3×3】

珠美「珠美、ただいま戻ってまいりました!」

P「お疲れ。今日は気分よさそうだが、仕事上手くいったのか?」

珠美「それもありますが、珠美は知ってしまったのです」

P「何をだ?」

珠美「世間は広いと・・・そして、珠美は一人じゃないと」

P「そ、そうか」

P(今日の珠美の仕事は番組の収録で、共演者は765プロの・・・あっ(察し))

いったい72が起こったんだ?

一体72が言いたいんですかねぇ…

【お話】

珠美「P殿、ヒマなので何かお話しましょう!」

P「そうだな・・・レスリングの吉田沙保里選手のwikipediaがまぶし過ぎる件について話すか」

珠美「もっと年頃の女子高生が興味を示しそうな話題を出す努力をして下さい!」

P「いやぁ・・・あの輝きっぷりは見る者を圧倒するものがあるぞ」

珠美「否定はしませんけど・・・」

P「女性はやれ痩せるやれ体重減らすってやっきになるが、俺としては多少は筋肉がついている健康的な身体がいいな」

珠美「男性には分からない話なんです・・・と、珠美ももう少し筋肉をつけた方がいいという事でしょうか?」

P「んー、難しいな。運動キャラとしてはもうちょっと筋肉があってもいいが、メインの小学生キャラだと今のままでベストだな」

珠美「ちょっと山篭りしてきます」

P「落ち着け珠美。俺はお前の二の腕が好きだぞ」

珠美「二の腕限定ですか!?」

P「まず、二の腕というのは別名上膊というんだ。膊というのは腕という意味で、肘から手首は下膊と呼ぶ。いや、そんな理論染みた事はどうでもいい。考えるより感じろ。二の腕というのはなかなか特殊で、長袖時は隠れ、半袖時は半分露出し、袖がない服だと肩までフルオープンという衣服の種類次第で様々な姿を見せる部位なんだ。確かに世間一般で言うチラリズムの概念からは少々外れるかもしれないが、季節による変化という別のアクセントがメリットとなる。そして二の腕は普段着の外に露出しうる部位の中ではかなりのやわらかさを持っている。筋肉質な人だと硬さが生まれるが、俺はそれも心地よい硬さとして受け入れられる。力こぶを作った時の引き締まった感じもいいな。また、太りすぎると妊娠腺が出てくるから気をつけないとな。おっと本題に戻そう。二の腕はそこから生み出される柔らかさに反し、女性の胸と比較するとまだ他者が触れる事が出来る可能性が高い。もちろん、それなりの信頼関係は必要だが。それに、仮に触れなかったとしても柔らかそうな二の腕は見ているだけで心が豊かになる。日に当たらない繊細そうな白い二の腕でも健康的な小麦色の二の腕でも問題ないというわけだ。また、身体に密着したセーターなんかを着ている場合、服越しにその二の腕のフォルムが拝める。これは直接見る場合とはまた違った魅力がある。服に圧迫されて存在感を表す二の腕の脂肪分。こいつは美術的な価値があるとすら俺は思う。智香は基本的に脇で売り出しているが俺としては脇が露出する事に伴って必然的に露出する二の腕も目をつけるべきポイントだと思う。そうそう、珠美達がつけるレインドロップの衣装も撥水素材一枚を通して二の腕を露出するタイプの服装だ。基本的に露出度の高い服装だから身体の見所は多いと思うが、やはり俺は肩から肘にかけてのラインこそ目をつけるべきだと思っている。そういえば珠美は学園祭の時のステージ衣装も肩が露出するタイプだな。あの衣装も二の腕を見せ付けるという点では素晴らしいと思う。もちろん、衣装自体もどれも素晴らしいと思う。もちろん、半袖の制服から見え隠れする二の腕や和服の下から服を支える二の腕、鎌倉の時に来てた上着と二の腕のコラボレーションなんかも絶品だ。だから珠美」

珠美「あ、終わりましたか」

P「お前から話題ないか聞いてきたんだから人の話を聞けよ」

ハッピーバースデイ珠美!

期待

おいPのセリフがスマホの画面に収まりきらんかったぞwww

どんだけ魂こもってんだ

【まねっこ】

珠美「珠美、精一杯頑張りますから一緒に夢叶えましょうね♪」

珠美「元気に明るく、トップアイドル目指して頑張りまーっす!」

珠美「ふーん、あなたが珠美のプロデューサーですか? まあ、悪くないですね」

珠美「べ、べつに可愛いカッコとか興味ないです・・・し」

珠美「珠美、特訓とか練習とか下積みとか努力とか気合いとか根性とか、そういうキャラではありません」

P「・・・」

珠美「・・・いたんですか?」

P「俺は何も見なかったから。じゃあな」

珠美「見られちゃったもんはしょうがないので、せめて何か反応して下さい!」

P「やっぱ珠美はいつもの珠美が一番だよ」

珠美「や、やっぱりそうですよね!」

P「いつもの身長を気にしたりスタイルを気にしたり幽霊におっかなびっくりしたりちょこちょこ走り回っていたりする珠美が俺はかわいいと思うぞ」

珠美「やっぱり馬鹿にされてるし!」

P「むしろそれがいいんだ!」

珠美「その感覚が分かりません!」

【お仕事】

珠美「P殿、流石にこの仕事はどうかと思うのですが」

P「いや、これは珠美がやるのがベストな仕事なんだ、それにまだ仕事を選べる身じゃないだろう」

珠美「それはそうですが・・・でも、珠美としては、そもそもどうしてこういう企画が挙がったのかすら疑問なのですが」

P「企画は面白さもだが、物珍しさ勝負というのもあるからな」

珠美「で、物珍しさのために珠美が犠牲になると」

P「という事で、脇山珠美女装大作戦の仕事は受けるという事で」

珠美「だから珠美は女性です!」

P「パッド入れたり、シークレットブーツ履けるぞ?」

珠美「珠美は身体自体を成長させたいんですけど!」

P「安心しろ、若葉さんが骨を拾ってくれるさ」

珠美「既に爆死確定じゃないですか!」

【ワールドワイド】

P「ブラジル、ロシアときて今度はドバイか・・・」

珠美「何の話ですか?」

P「いや、うちのアイドル達も随分と多国籍になってきたなぁって」

珠美「アメリカやイギリスに始まりフランスに香港、果てはグリーンランド」

P「そういえばグリーンランドってデンマーク領らしいな」

珠美「そうなのですか」

P「これを楓さんに話したらデンマークと熊本を交互に呟いていたな」

珠美「熊本にグリーンランドという遊園地がありますからね」

P「へえ」

珠美「珠美は佐賀出身なので知ってました」

P「なるほど、九州繋がりか」

珠美「ところで、日本代表アイドルは珠美などいかがですか?」

P「はい?」

珠美「和を愛し日本の武術に励み、四季を重んじる心を持っている。これこそ日本人らしい姿だと思うのです」

P「和服は胸が控えめの方が綺麗に着こなせるしな」

珠美「いい加減怒りますよ?」

P「まあ、それはおいといてだ。ウチの事務所には京娘やら一富士二鷹三茄子やら和風系アイドルも少なくないし、競争率はそれなりに高いと思うぞ」

珠美「承知の上! 珠美の剣の腕をもってすれば敵なしです!」

P「アイドルなら物理的に勝負するのはよそうな、珠美。というかせめて段位とってから言えよ」

【珠美=2Lペットボトル19本分】

P「よし珠美、抱っこしてやろう」

珠美「唐突に何を言ってるのですか!?」

P「以前も言ったから唐突ではないな」

珠美「そういう問題じゃありません!」

P「あの時は珠美が滑って転ばないようにするための対処法だっけ」

珠美「結局、P殿に掴まるという形で落ち着きましたね」

P「その後、響子とか三船さんの視線が辛かった」

珠美「ま、まあそれも人生経験と思えば」

P「16の娘の台詞じゃないな」

P「よし、ならば肩車だ」

珠美「何かを妥協したみたいに言ってますが抱っこと何ら変わりませんよ!?」

P「いや、珠美に2m越えの世界を見せてやろうと・・・」

珠美「だから自分自身の身体で見ないと意味がないんですってば!」

P「何事もまず体験だ、ほれ」

珠美「はあ・・・よいしょっと」

P「しっかり掴まってろよ」

珠美「わわっ、て、天井が近い! 体勢が安定しない! というか今更思い出したけど珠美スカート!」

P「何か言ったかー」

珠美「絶対聞こえていますよね!」

P「珠美、やっぱり軽いなー。とりあえず部屋を一周するぞ」

珠美「もう好きにして下さい・・・うん、慣れてきたらちょっと楽しくなってきました」

・・・

P「はいストップー」

珠美「はあ、はあ・・・やっぱり地に足がつくっていいですね」

P「楽しかったか珠美」

珠美「まあ、それなりに。冷静に考えたら誰か来たら言い訳が大変な状況でしたが」

P「よし、今度はもうちょっと鍛えてジャイアントスイングをしてやるからな」

珠美「流石にそれはやりませんからね!?」

P「ならば組体操のピラミッドを」

珠美「それ、二人で出来るものじゃありませんし、やってる側はあんまり楽しくないですし!」

P「じゃあ肩車は二人で出来るし楽しいからいいんだな」

珠美「クッ・・・誘導尋問とは」

【武器】

P「竹刀と言ったら」

珠美「もちろん珠美ですよね」

P「いや、拓海もありかと」

珠美「確かに似合いますけど」

P「まあ、ひとえにスケバンと言っても持ってるものは色々イメージがあるからなー」

珠美「例えば?」

P「釘バットとか?」

珠美「友紀殿が全力で怒りそうなのですが」

P「ああ、ネギ片手に殴りこみに来そうだ」

珠美「それはそれであまり恐怖感を感じませんが・・・」

P「じゃあ、ヨーヨーとかどうだ。ヨーヨーを持ってるアイドルはまだいなかった筈だ」

珠美「えっと・・・何でヨーヨー?」

P「昔、スケバンがヨーヨーを武器に活躍するマンガがあったんだ。実写ドラマ化もされてるぞ」

珠美「う・・・そこは珠美の知識不足ですね」

P「少女マンガなんだけど、時代もあってなかなかエグい表現が多かったな」

珠美「その内容を話したら怒りますからね?」

P「えっと、敵の中ボスの最期が 珠美「うわああああああ!!」

P「・・・うん、なんかすまん」

珠美「今回は先に宣言したので珠美は悪くないですよ!」

P「まあ、俺はあれ読んでからしばらく食えなくなったモノがあるしなあ」

珠美「珠美はP殿が口を滑らす前にもっと明るい話題に変えたいのですが」

P「よし、相対性理論に基づく光の様々な現象について考えるか」

珠美「別に物理的に明るい話題をしたいわけじゃないですから!」

【朱き唇褪せぬ間に、熱き血潮の冷えぬ間に】

珠美「P殿、本日はP殿にお聞きしたい事があるのです」

P「おう、何でも聞いてくれ」

珠美「では、その・・・P殿のこ、好みの女性のタイプを教えていただけないでしょうか?」

P「・・・ちょっと待ってくれ」

P(女性からこういう事を聞いてくる場合は、大抵自分のような女性と答えてくれる事を望んでいる・・・筈。ならば)

P「そうだな、いくつかあるんだけどいいか?」

珠美「はい、構いませんよ」

P「まず、背が高い事だな」

珠美「なっ・・・」

P「胸も大きい方がいい」

珠美「クッ・・・」

P「髪も染めているっぽい方が好みだし、肌もそれなりに日に焼けている方がベターだ」

珠美「せ、性格とかはどうでしょうか」

P「性格は・・・あまり堅苦しいのは積極的には好きじゃない。フレンドリーな感じがいいな」

珠美「うう・・・」

P「好みも女の子らしく、かわいいモノが好きだったりすると最高だ」

珠美(全滅・・・)

P「それと、やっぱり頼れる感じがいいな」

珠美「そ、それなら珠美でも」

P「やっぱりオーラというか? 一目見ただけで相手に威圧感を植えつけるくらいの力量を持った女性がいいな」

珠美(それは今の珠美にはちょっと無理そうです・・・)

P「とまあ、こんなところだ」

珠美「はい、参考になりました・・・」

・・・

P「敢えて珠美と対極のイメージばかりを挙げてみたが、予想以上にしょぼくれていたな。・・・後でフォローしとかないとな」

・・・

珠美「うぇ~ん美世殿~」

美世「はいはい、たまちゃん落ち着いて」

唯「いやー、Pちゃんの好みのタイプって前から気になっていたけどまさかねー」

美世「流石にそれはアタシも予想外かな」

珠美「よりにもよって、よりにもよって~」

唯「これは一大事だね☆」

・・・

工藤忍「Pさんちょっといいかな」

P「どうした忍、微妙な顔して」

忍「あのさ・・・Pさんの好みがきらりちゃんってホント?」

P「・・・はい? きらりが何だって?」

忍「今さ、事務所の一番のホットな話題になってるよ。Pさんがきらりちゃんの事が好きだって」

P「待て待て待て、俺はそんな事言った記憶ないし、別にきらりの事をそういう目では見てないぞ」

忍「ふーん、そうなんだ」

P「忍はどこからその話を聞いたんだ?」

忍「メールで。結構広まってるし、発信源辿るのめんどくさいと思うよ?」

P「それでも、変な疑惑がかかってるならやらなくちゃな。きらりにも迷惑がかかるし」

忍「まあ、止めはしないけどね。えっとアタシに来たメールの発信元は・・・」

・・・

P(それからしばらく仕事の合間を縫って発信源を辿っていった結果)

唯「うん、唯が最初に送ったかな」

P「理由次第では本気で怒るぞ」

唯「えー、だってたまみんが」

P「珠美が?」

唯「Pちゃんに好きなタイプ聞いたら、それを総合するときらりんの事が好きになるって」

P「ちょっと待ってくれ。えっと珠美に言ったのは」

P(背が高くて胸がでかくて髪をふわっとしていてフレンドリーでかわいいもの好き。うん、きらりだこれ)

P「箇条書きの恐ろしさよ・・・!」

唯「で、ホントなの?」

P「いや、違う。珠美が勘違いしただけだ」

唯「なーんだ、良かった」

P「で、珠美は今どこにいる?」

唯「たまみんなら多分あっちに・・・」

・・・

珠美「ふう・・・精神を落ち着けないと」

珠美(斯くなる上はきらり殿を闇討ち・・・して倒せる方ではありませんね、はい)

珠美(やはり、正々堂々勝負して勝たねば意味がありません)

珠美「命短し恋せよ乙女。よし、行きましょう」

P「何がよしなんだ?」

珠美「ぴっ、ぴぴぴぴぴぴぴぴP殿!? 何故ここに!?」

P「俺はプロデューサーだからな」

珠美「意味が分かりません」

P「それはおいといて、珠美、スマン!」

珠美「・・・いきなり土下座されてもこちらが困るのですが」

P「こないだ、俺に好きなタイプを聞いてきただろ」

珠美「はい、きらり殿の事が好きで、珠美の事がアウトオブ眼中って事がよく分かりました」

P「あれな、実は全部嘘なんだ」

珠美「嘘・・・ですと?」

P「折角だから珠美にちょっといじわるしてやろうって珠美の反対の事ばかり言っただけで、別に本意では・・・」

珠美「・・・」

P「あの、脇山さん?」

珠美「で、ちっこくてひんそーで髪が地毛っぽい色で長くなくて性格がちょっと固くて時代小説が好みの女の子はどうなんですか?」

P「えっとそれは」

珠美「ど・う・な・ん・で・す・か」

P「・・・ライク」

珠美「は?」

P「ライクだよLike! 好きにもLikeとLoveがあるだろ!? 少なくとも嫌ってもアウトオブ眼中でもない! むしろお気に入りだよ!」

珠美「・・・」

P「そもそもどうでも良かったらあんな色々ちょっかいかけようと思わないし! いや、ウチのアイドル達は皆かわいいし大事だけど、その中でも珠美はアホ毛一つ飛び出てるんだよ!」

珠美「そこは頭一つじゃないんですか!?」

P「おっ、いつものツッコミがきたな」

珠美「うっ・・・」

P「いい加減仲直りしていつものバカやろうぜ、珠美」

珠美「ま、まあ、P殿の本音も聞けましたし、そこまで言うなら・・・」

P「よーし、仲直りの記念に早速共同作業だ」

珠美「きょ、共同作業!?」

P「別に変な意味はないからな」

珠美「は、はい・・・」

P「先ほど来たメールによると俺がきらりの事が好きという誤解がきらり本人に伝わってしまったらしい。だから、俺と二人できらりの誤解を解こう」

珠美「それって命懸けじゃないですか!? いや、先ほど珠美もきらり殿に果たし状を書こうと思ってましたけど!」

P「なら覚悟はあるって事でいいんだな! ヘタすると明日の月日はないものと思えよ!」

珠美「クッ・・・わかりました。アイドル脇山珠美、行きます!」

P「おう、プロデューサーP、行くぞ!」

珠美・P『二度とない今日を無駄にしないために!!』

仲いいなあ。

【新たなスタートを切るためのエンディング】

珠美(何だかんだで様々なちょっかいをかけられながらも、常日頃からP殿が珠美を大切にしてくれているのは分かります。そしてこの日)

・・・

P「誕生日おめでとう、珠美。ほら、頑張って選んだ物だ。受け取ってくれ」

珠美「身にあまる光栄です、P殿! この日を機に、一層心を入れて精進を・・・」

P「やっぱ珠美のその見た目に堅苦しい言葉はあんまし似合わないな」

珠美「なんです真面目にお礼してるというのに!」

P「冗談だよ。珠美はいつでも向上心を忘れない良い娘だよ」

・・・

珠美「P殿の言葉のひとつひとつを・・・今思い返しています」

P「まあ、たまにやんちゃもしたけど、俺は珠美の事は大事に思ってるからさ。そう言ってくれるとありがたいよ」

珠美「な、泣けてきました・・・。珠美はこんなにも思われて。ううっ!」

・・・

珠美「P殿は・・・珠美の心の師です。その背中を、これからも一心不乱に追いかけ・・・」

P「そうか、これからも互いに頑張っていこうな、珠美」

珠美「だから頭を撫でるのはなんなのですか!」

P「決まってるだろ、珠美だからさ」

【End of 20 September】

P「玉石混交」

P「山のようにありふれる石の中から、光る素質のある珠を見つけるのは難しい」

P「そして、せっかく見つけたその珠も、磨く努力を怠れば美しさを失ってしなう」

P「だから、これからも年を重ねると共にたゆまぬ努力を重ねて」

P「いつか、アイドルとしての輝きを失う時が来たとしても」

P「いつまでも、心だけは美しい珠のようであってくれよ、珠美」

というわけで1日かけた珠美バースデー記念SS終了
初めて推敲をほぼ抜きで思いつくまま書いた結果一部ぎゃー! な感じになったけどそれはそれで
鎌倉アイプロからモバマスに本腰入れるようになったよ珠ちゃんかわいいよ珠ちゃん

乙乙
たまちゃんかーわいい!

おつやで

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