モバP「幸子今日のスケジュールはなんだっけ?」
幸子「ハイ! 『今』から、お仕事です!!」
モバP「そうか」
幸子「ハイ!!」
モバP「じゃあ俺が車を出せばいいのか? ちなみに場所はどこ」
幸子「ボクが案内します!! 良いからプロデューサーはバカみたいにボクの言うことだけしたがっていて下さい!!」
腹パン
P(アイドルプロダクションの派遣社員になって半年。
プロダクションだなんて言うが実際は若い世間知らずを街頭でひっかけて、
芸能活動なんて言ってだまくらかして、レッスン代やエキストラの仲介料をむしりとる。
そういう『よくある』会社だと聞いていたのに)
幸子「いいですかプロデューサー! 次の『信号を』右です! 車線変更しておいてくださいね!
スミマセンね! 右折するルートを選んでしまって! そればっかりはボクのミスです!!」
P(僕が入社してすぐに始まってしまった765プロを筆頭にするアイドルブームと、
何かの間違いでほどほど{経済効果500万円(笑)(弊社調べ)}に売れてしまった、
弊社の某アイドルのおかげで社の方針はガラッと変わった)
幸子「だから」
P「うるせー! 運転中にナビ以外の情報を発信しないで、混乱するから」
P(要するに以前の詐欺まがいの路線から、真面目に女の子をスカウトして、売り出していこうと言う、
比較的健全な営業方針に転向したわけだ。
まあ以前はそんな夢みたいな話では操業が出来なかったのだが。
アイドルブーム(アイドルバブルと言ってもいいかもしれない)恐るべし。
今ではその辺でひっかけた女の子を斡旋しても、ほいほい仕事が取れるようになっていた)
P(その過程で会社の人員もある程度整理された。
改革前に街頭でキャッチなどをやっていたチャラ男連中は黒髪、フォーマルを命じられ、
あるものは去り、あるいは意外な才能を発揮してアイドルのプロデュース業などに華々しく転身した。
悔しいが連中は女の子の扱いがうまいのだ)
P(しかし依然巷では盛り上がるアイドルブームとは裏腹に、業界の事情は煮詰まってきていた。
誰でもアイドルにはなれるが、アイドルを続けるのは難しい。
そんなある種刹那的な空気が業界に蔓延してきつつあったのである)
P(その責任は言っちゃなんだがアイドルになりたい女の子たちにもあったと思う)
久しぶりに腹パンしたくなってきた
P(彼女たちは765プロのような華々しいステージを夢見たが、こらえ性がなかった。
ほいほい取れると言っても、出来る仕事はその辺のデパートとかのキャンペーンガール
。それも他のペーペーアイドル達と一緒にである。
765のようなソロでコンサートとか、テレビ生出演とか、無論夢のまた夢であったのである。
彼女たちはそういった簡単なお仕事をスナック感覚でやり遂げ、満足してアイドルから身を引いていった)
P(そしてあるいは、ありていに自分の才能に絶望してアイドルから身を引いていった。
そう、世間には765や961のような優秀なプロデューサーがほいほい現れるわけでもなかったというのも、一つの理由であるのだ)
P(まとめるとこうだ。アイドル志望はいっぱいいるし、仕事もあるけど、
そいつらはすぐにやめるから、お目付役をつけて管理しろ。
ついでに会社に利益を還元しろ)
P(社の方針は定まってきていた。
ひとつ、アイドルをやめさせない。あきらめさせない。
ひとつ、プロデューサーの人員を確保せよ)
P(改革前は派遣の雑務職員だった僕が
アイドルのプロデューサーとして駆り出されるのにさほど時間はかからなかった)
P(さて、端的に言うと僕は仕事ができない。
ほいほい取れるはずの仕事も取れないから、
営業もスケジュール管理も全部中学生の幸子がやっている。
中学生の幸子にやらせているとも言える。幸子はすごいと思う)
P「ついたぞ……」
幸子「ご苦労様です! では待っていてください。
どうせ会社に戻っても居場所がないでしょうしね!
ウフフ、自分の面倒をみるに加えてダメPへの気遣いもできるボク……」
P「痛み入るよ……」
幸子はそんなことをにやにやブツブツ呟きながら「いってきます」とも言わずに仕事先に向かう。
この仕事も幸子が自分で営業して取ってきたものだ
僕ができることなんてせいぜい車で送迎することぐらい。
これで他の派遣と同じ給料をもらっているのだから、
幸子の言う通り僕にとって社内は針のむしろに相違ない。
副社長の嫌味は半年もたった今でもひどくなる一方でとどまることをしらないし、
連日僕のもとに届く『輿水幸子をわたせ』という強迫まがいの視線も同様だ。
挙句に他社からの移籍願いも届いて、おまけに条件がすこぶる良いときている。
そして僕はそれを黙殺する以外ないのである。
断っておくが何も僕自身の保身のためだけではない。
うまい思いをしたいのはやまやまだが、そんなことより他人の嫉みの方が怖い。
僕は小心者だ。
しかし幸子自身がそれをつっぱねているのだから、
僕だって相乗りするくらいいいじゃないか。
幸子をもっとアイドルとして盛りたてるための移籍やプロデュース交代なら
涙をのんで己の破滅を我慢するけれど、それを幸子が今のところ望んでいないっぽいなら言うに及ばない。
他の甘い汁目当てのなまけものに譲ってやる義理はないんじゃないかなと思うわけである
そう。僕はそういう小悪党でもあるのだ
副社長「じゃあ、○○君には二人、担当してもらうから」
P「……はい。ほ、本当にやるんですか?
僕女の子とか無理なんですけど……」
副社長「見ればわかるよ。大丈夫だって」
副社長の目が
「女の子の方が君のこと無理だから」
と言っているように見えた。そしてそれはあながち間違いでもなかったと思う。
半年前、僕は今までやっていた事務の仕事とか、
書類の整理とかコピーとか、掃除とかその他諸々の雑事を、
派遣の女の子(新人)に引き継ぎさせられ、
無理やりアイドルのプロデューサーをやらされることとなったのだ。
しかし幸運にも僕が担当したのはとてもいい子たちで、
というかアイドル達のだいたいはいい子たちばかりで、逆に僕を苦しめることになったのである。
凛「渋谷凛です。よろしく」
幸子「フーン! あなたがボクのプロデューサーですか! 不細工ですね!!」
チャラ男P「仕事ぉ? そんなんチョー簡単っしょ。
俺らが営業して仕事取ってくるじゃん?
その間に女の子たちをレッスンさせとくじゃん?
女の子たちが仕事行くじゃん? その間俺らはスケジュールつくんじゃん?
これの無限ループっしょ。楽勝よ」
だが僕は仕事が取れなかった。
チャラ男P「はぁ? 仕事とってこれなかったの?
○○Pんとこの凛ちゃんとか普通に可愛いんだから、
なんだって出来るっしょ。そういうご時世なんだからさー」
だが僕は仕事が取れなかったのである。
何の言い訳にもならないが全く取れなかったわけではない。
うちのプロダクションと昵懇な企業だってあるに決まっているから
そういうところにはほとんど顔パスで滑り込めた。
しかしその手の場所は他の社員も使うわけで、頻繁に利用はできない。
また、チャラ男Pの言う通り世の中はアイドルブームで、
他のいろんな仕事場だって一度はお仕事を契約してもらえる。
だがそう言うところに二度目はないである。
一度目でお目に留まるか、もしくはプロデューサーが
アイドルの良さをアピールしなくては枠にあぶれてしまう。
アイドルなんて、履いて捨てるほどいるのだから。
オーディション? そんなことやるのは超有名企業とかテレビだけだ。
新米アイドルがどうこう出来るところではない。
すべてはプロデューサーの腕次第なのである。
レッスン代はアイドル達の自腹である。
アイドルはレッスンを受けてもいいし、受けなくてもいい。
しかし、アイドルなのだから、発声練習や身の振りはどんな仕事でも出来ないと目立つし、
本気でテレビとかを目指しているアイドルたちは歌やダンスのレッスンなども受ける。
その他にもアイドル達が負担しなくてはいけない費用は結構ある。
衣装代とか、懇意の企業で仕事をするときは
その仲介料をお仕事の給料から差し引かれるし、
交通費だって(ウチは)基本自己負担である。
そのためアイドルたちのひとつの指標が、
お仕事のお給料と、もろもろの諸費用の相殺なのである。
これができたら一人前。つまりはそういうことである。
僕は煮詰まっていた。そういうことなのである。
ながい
凛「幸子、今月のお給料いくら?」
幸子「そう言う渋谷先輩はいくらです?」
凛「……これじゃレッスン代と相殺できないな」
幸子「その他もろもろの諸経費は考えないんですね! わかります!」
凛「でも私たち、衣装がいるような仕事してないし、
遠出もないから交通費は通いだけだし、
あんまり気にしないでもいいんじゃないかな?」
幸子「渋谷先輩は優しいですね! あのダメPに思うところはないんですか?」
凛「んー……まぁ無いこと無いんだけど、
あれでもプロデューサーは頑張ってるみたいだからさ、
私たちはできることを頑張ろうよって話。
ほら、頑張ってレッスンしてさ、何度もお仕事に呼んでもらえるようにレベルアップするとか」
幸子「知ってますか、渋谷先輩? 真面目系クズって言うんですよ! ダメPみたいなのを」
凛「アイドルがクズとか言っちゃダメだよ」
速報でやればいいのに
やだ胸が痛い
仕事が取れない理由はわかりきっている。
僕にはアイドルたちをアピール出来ないのだ。
なんでって、彼女たちを担当してからもうふた月だが、
僕は仕事のこと以外で二人と話したことが無い。
営業先で二人の魅力を聞かれても、僕には
「あっ……二人とも、とにかく可愛いです。はい……」
としか言うことが出来ないのである。
可愛いって、アイドルはみんな可愛いに決まっているのであって、
そんなの何のポイントにもならないわけで。
それに僕の生来のコミュニケーション不全も相なって、
まともに交渉ができないのである。
相手方と談笑できるのは、むしろ
不合格が決まってからの世間話くらいで、
本当に情けない限りで困る。
困るけれどどうしようもない。
とにかく僕は僕を納得させるためだけに何件も企業を営業して回り、
自分に言い訳をし終えて帰ってくるのである。そのほとんどにダメをくらって。
朝凪の新刊が待ち遠しい
凛「でもプロデューサーだっていろんなところに営業してきてくれるじゃん。
それでもダメならやっぱり私たちの力がたりないからなんじゃないかな?」
幸子「ボクはボク達がここの他のアイドル達に劣っているとは思えませんけどね!
むしろこのボクが事務所で一番カワイイとさえ思ってますよ」
凛「思いこみじゃない?」
幸子「ムッ……あの、渋谷先輩」
凛「何?」
幸子「さっき、出来ることをやろうっていいましたよね」
凛「言ったけど?」
幸子「ボク思うんですけど、ボクたちに出来る事って、レッスン以外にもあるんじゃないですかね!」
凛「たとえば?」
幸子「たとえばボクとボクたちのカワイさを、
プロデューサーに先んじてお仕事先にアピールするなんてどうでしょう」
凛「それって私たちで営業をするってこと?
無理だよ未成年の、しかも幸子なんてまだ14歳でしょ。相手にされないと思うけどな」
幸子「プロデューサーじゃボクたちのカワイさをうまく伝えられないなら
自分たちでやるしかないじゃないですか!!
どうです、渋谷先輩? やってみる価値はありますよ!!」
凛「はぁ、じゃあ一人でやったら?」
幸子「フフン、ボクは一人でもやりますよ! 見ててください!
ボクのカワイさ、たくさんアピールしてきますから!!」
僕はその時の幸子の顔を忘れない
幸子「プロデューサー!! お仕事、とってきましたよ!!!」
お猿さん来ちゃったか
その日も僕は営業に向かう予定で、心はいたたまれなくて、渋谷と輿水に申し訳なくて、
心身ともにすっかり消耗していた
100年戦争末期のギルガメスとバララントくらいにボロボロだった
俺は疲れていた。
しかし仕事場が針のむしろと言いえるような地獄ではなかったのは確かだった
この日を境に徐々に、僕の職場環境と、何より精神状態は変わって言ったのだった
凛「さ、幸子、本当にやったの……?」
僕には何が何だかわからなかったが、そんな僕をしり目に
幸子はさぞ誇らしげに朗々と宣言した
幸子「以前渋谷でラジオの収録をしたじゃないですか? あそこのプロデューサーにアポとってお話を聞いてもらったんですよ!
そうしたら、ボクのかわいさに感じ入ってくれたみたいで、また、ラジオに出させていただくことなりましてね!!」
渋谷? まさかあのはげちゃびんのいけすかないプロデューサーのところか? そんな、だってあそこは僕だって何度だって
ダメP「あのー、そこをなんとか、五分だけでもいいんで、枠、もらえませんかね? お、願いします!」
ハゲP「しつこいなあキミ、ダメったらダメなの? ほら、とっとと帰って
幸子「朝の番組でリポーターさせてもらえることになったんですよ!! ブログに写真も載るんです!!」
眠そう
凛「へぇ、いいなぁ……」
幸子「渋谷先輩ももっと自分で頑張るべきですよ! 待ってたってお仕事は来ちゃくれませんからね!!」
凛「う、うん……でもなぁ……」
P「いいんじゃないかな」
凛「えっ?」
P「いいんじゃないかな」
向上心のないやつは…
P「渋谷も自分で営業してさ、輿水みたいに仕事をとってくるといいんじゃないかな」
凛「え、でも……」
P「俺はこの通りちょっと営業苦手だし、先方も珍しがって案外うまくいくんじゃないか?」
凛「………」
幸子「はい、すごい面白がってましたよ! お仕事取ってくるのなんて簡単ですね!!」
凛「ちょっ、幸子……」
P「ははは、面目ないな。ほら、でもさ、俺、他の所ではめいいっぱいサポートするらから、渋谷も自分でやってみろよ。な?」
凛「う、うん。わかった。やってみる」
初めて二人とまともに会話したのがこれだった
俺はダメな男で仕事ができないからお前ら代わりにやれよ
そう言うのが精いっぱいだったのである
いつか報われることを祈って、しえん
俺はテレビの前で応援してるからなエンドでも良いと思う
幸子のラジオ出演は早朝で、朝5時からだった。
そんなもんである。それでも一時間もメインで枠がもらえる
新人のアイドルにはうますぎる仕事だ
僕はそんな栄ある幸子の初陣に
一時間も寝坊したのであった
ヒデエ
TVで見たな
アイドルじゃあ無いが事務所からは一度も仕事もらったことなくて全部自分で取ってくるっていう
僕の滅多にかかってこない携帯電話が鳴り響いた時点ですべてを理解した
僕は直ぐに飛び起きて、一瞬幸子に携帯番号を教えただろうかと考えながらも
通話ボタンを押して、幸子の第一声を待った。
幸子「寝坊ですか?」
冷やかに聞こえるのは受話器越しだからだけではないだろう
そう言えば渋谷とまともにしゃべったのはこの前が初めてだが、幸子とまともに会話するのは
今が初めてかもしれない
これが本当にまともな会話ならとも思ったが
逆にこんなときでもないと幸子は僕に電話なんてかけてくれないだろうともふと思って
笑えた
P「すまん直ぐ行く、今どこだ?」
そう言ってから、気付いた。収録場所ってどこなんだろうか
よく考えたら、レポートなんだから、当然スタジオではないはずだ
P「あの、輿水、収録場所ってどこだ? ……自分で行けるか?」
幸子「もうボクはついてますよ。当たり前じゃないですか。ただ、プロデューサーは来ないのかなぁ、とふと思って
お電話しただけです。どうやらご就寝中だったようで、ご迷惑をおかけしましたね」
P「いや、それは、いいんだけど……」
何がいいんだか
幸子「それじゃ、ボクはこれから仕事なんで」
そう言うと、僕が何か言う前に幸子の電話は切れた
幸子の早朝グルメレポートはそれなりに好評だったらしい
らしいとは僕がその評判を幸子からも、会社からも聞けなかったからである
聞けるわけがない。よりにもよって、中学生に仕事をとってこさせたあげくに、
その初仕事に寝坊したのだ。みんなの視線は冷ややかだった
しかし、僕もここで働いている以上最低限の仕事はしなくてはならない
あの頃はまだ、そう思っていたのである
凛「プロデューサー、スケジュールについてなんだけど、ここ、ちょっと無理があるんじゃないかな?」
P「へ? あ、なんで?」
凛「ほら、私のお仕事、予定が二日繰り上がったから、ここ、レッスンとブッキングしてる
直してもらわないと混乱する」
P「あ、ああ、そうだな。ごめん直しておくよ。すぐプリントアウトして渡すな」
凛「うん、お願い」
凛「プロデューサー」
凛「プロ」
凛「あのさぁ」
凛「ちょっといい加減にしてよ!! ここ、おかしいでしょ!! 仕事がダブルブッキングしてる!!
後私、これじゃ二週間休み無しってことになるんだけど、間違いない!!?」
腹パンしたくなるな
渋谷も輿水も優秀だった。ホイホイと仕事をとってきて
僕はあっという間にパンクした。
そしてぼくは会社の置物になりさがったのである
P犠牲にしてもいいから幸子を泣かせて欲しい
Pクソ過ぎ
むしろPに腹パンしたい
_______
P「ついたぞ……」
幸子「ご苦労様です! では待っていてください。
どうせ会社に戻っても居場所がないでしょうしね!
ウフフ、自分の面倒をみるに加えてダメPへの気遣いもできるボク……」
P「痛み入るよ……」
今日はボクがはじめてオーディションを受ける日である
紆余曲折あったがなんとかお仕事とレッスンの両立が出来るようになってきた
ダンスや歌のレッスンをする余裕もできてきたので、ここはいっちょライブのオーディションでも
受けてみるかという心境である
しかしもしも落ちた暁にそれをてプロデューサーに知られるのは悔しすぎるので、いつも通りお仕事と
嘘をついてしまった
それにしても相変わらずプロデューサーは覇気がない
カワイイボクのお付きができるのだから少しは楽しそうにするべきである
どうやら、初めて僕が仕事を取ってきたときのことをまだ引きずっていいるらしい
あれは全面的にPが悪いのだが、ボクもPに対して何も告げなかったという非が無いでもない
初めて自分でとってきたお仕事で舞い上がってしまったのだ。
ボクは念入りに目覚ましをセットして、5時の収録に間に合うように3:30に起きた
ばっちり支度して現場入りしたのは4:30
我ながら完璧な仕事ぶりだと感心したがふと気づいて、ボクは恥ずかしながら真っ青に
なってしまったのだ
そう言えばプロデューサーに今日の収録のこと、場所、時間を一切話していない
だから何か問題があるかと言われても、実際には全くなかったわけだし、聞いてこない
プロデューサーもプロデューサーなわけだが
僕は大慌てで所属しているプロダクションに電話して、幸い出勤していた社員のだれかに
社員名簿をひっくり返してもらい、プロデューサーの電話番号を聞き出したのである
幸子は殊勝だなあ
プロデューサーはワンコールで出てくれた
ひどく焦っているみたいで、ボクはなんだか腹が立ってきた
そもそも、大人として、監督不行き届きもはなはだしい
中学生が始発で出歩く何て危ないじゃないか
この人はそこのところ、何も思うところが無かったと言うのか
挙句の果てに、思い出したように
P「あの、輿水、収録場所ってどこだ? ……自分で行けるか?」
だ。
こっちはすでに現地入りしてスタンバっているのに、かたやプロデューサーは自宅で
眠りこけて、自分で行けるかとは何事だ
しかし、この人の無能ぶりはボクの想像の斜め上であったのだ
煮詰まるって良い意味だよね
実際誤用多いし、しょうがないね
この人は人が当たり前にやれることができない
それから何もないところで転ぶ
どこかのアイドルかって話だが、ボクにっては前者の方が衝撃だった
他の誰もが当たり前にやっていることをプロデューサーはすごい四苦八苦しながらやり遂げる
あまりに要領が悪くて自分でやった方が早いからパシリにも使えない
結局、働かないでくれた方が助かるのだ
幸子「プロデューサーはもうなにもしないでください!」
そう宣言した時のPの顔は印象的だった
顔の半分で笑って、半分で鳴いていた
oh…
こういう顔って鏡で見ると立ち上がれないくらい凹むよな…
ピャー
窓際P誕生の瞬間である
渋谷先輩に移籍の話が浮かんだのはその直ぐ後である
よその会社に自分で営業やら、スケジュール管理やら全部やっちまうスーパー女子高生がいるらしい
実際はその横でボクというスーパー中学生もバリバリ自力でアイカツしていたのだが、そっちは
話半分に思われていたようだ。
ボクは、そのことで先輩に相談を受け、その内容には、少し驚かされた。
つらい
凛「幸子、ちょっと、いい?」
幸子「忙しいですけどいいですよ」
凛「うん、ごめんね、ちょっと相談乗ってもらいたくて」
幸子「別にいいですけど……」
凛「あのさ、幸子はもう聞いた? 私の」
幸子「移籍の話ですか
凛は見切りをつけました
P強いな
俺だったら辛すぎて無断欠勤からのリストラコンボ食らってる
アイドルの休日に荷物持ちPはいない
凛「やっぱ、広まってるよね……。どうしようかなって思っててさ」
幸子「そうですね、仮にボクにそういう話が舞い込んだとして、まぁ、ボクのカワイさならいずれは
そうなるに決まってますが、まあ今のところは仮に、なんですけどね!」
凛「どうする?」
幸子「ボクは移籍しませんね!」
凛「……え? あっ、やっぱり? そうだよね。うん」
幸子「何故なら、今のままで全く不便が無いですから!!」
凛「………は?」
幸子「なんですか?」
凛「いや、ええっと、そういう理由なの? ほら、今のプロデューサーに悪いとかそういうんじゃなくて?」
幸子「はぁ!!? それこそ何言ってるんですか!!? 今のプロデューサー何てボクたちをダシに甘い汁
吸ってるだけの小悪党じゃないですか!! なんでそんな人に義理立てる必要があるんですか!?」
凛(そこまではっきり言わなくても……)
まっとうに方向転換はいいけど
アイドルに興味もなくそういうプロに入るのがなー
「だめんず」
この前たってたタイムトラベル幸子スレはほぼレスついてなくてかわいそうだったな
読んで乙って打とうとしたらもう落ちてた
文章多すぎて読みづらい
幸子「むしろ先輩はそんなことで悩んでたんですか? そっちの方がボクとしてはオドロキですね!」
凛「ん……いや、うん、そうなんだよね」
幸子「え、本気ですか?」
凛「あのさ、プロデューサーは確かにダメPだと思うよ、でもさ、プロデューサーを何も出来なく
しちゃった責任は私たちにもあると思うんだよ」
幸子「ボクは自分の責任だと思います」
凛「そ、そうなんだけど、だから……つまり」
凛「最初はプロデューサーだってちゃんとお仕事探してくれてたでしょ? 私たちが営業に行くのは
全部前にプロデューサーが探してくれてきたところじゃん。そういうのをさ、全部無かったことにして
ハイ、サヨウナラってのは何か、嫌なんだよ」
凛「Pを自主独立させよう。『何でも』でなくてもできる範囲のことをできるように」
>>64
見たくなかった、そんな文字…
エスカレーター式の私立だから
っていうけど学校の勉強はどうしたのか
このPの嫁になるのか
年を取ったらタレントに転身なのか
まあ14歳だから可能性は無限大
書き手の着地点に今から期待
確かに、ボクたちが仕事をもらいに行くのはそういったツテのあるところばかりである
単純にそういうところの方が仕事をもらいやすいからだが、べつにそこしか仕事がないわけでもない
足を伸ばせば新しい仕事場を開拓することだってできるし
探せば近所でもまだお世話になっていないところがあるかもしれない
しかし渋谷先輩の弁も正しいのも確かだ
仕事の出来ないダメPが広く浅く営業(本人が自己満足のためやってたことなど知る由が無い)
してくれたおかげで、近所の出向先には枚挙に暇がないのも事実だ
たしかにそういう点ではお世話になっていると言えないでもない
しかし、それはプロデューサーとして当たり前のことをしていただけであって、
普通いちいち感謝するようなことでもないんじゃないか
そこまで考えてボクはふと気付いた
プロデューダーが他人と同様当たり前に仕事をできる人じゃなかったと
プロデューダー
プロデューだーワロタwwwwwwwwww
てか凛が可愛くてしょうがないな
辛辣だが正しい事実である
凛のようなのは理想だなー
本当に移籍したいなら黙って移籍しているだろうし
幸子「なんだか、すごく嫌な気分になりました」
凛「でもお世話になってるのは事実でしょ? 私たちの活動の礎を作ったのは
プロデューサーなんだからさ」
いっそのこと遠くの事務所に移籍願いでも出して、一から自力でやり直そうかとも
考え初めていると、渋谷先輩はボクの心を読んだかのようにこう言った
凛「それに、私も幸子も移籍しちゃったら、あの人無職になっちゃうよ」
幸子「ですね。間違いなく解雇されますね」
凛「それはさ、やっぱり嫌なんだよね……」
渋谷先輩は困ったようにそう一人ごちた
このスレは凛を愛でるSS
>>72
ユッコ「ハッ?心を読むエスパー!」
まあPaアイドルは直感でこういうプロには入らない?
Pの条件はやっぱり女たらしかどうかなんだな
SSの凛は業が深いな……
だが、それがいい(にっこり)
ほ
>>75
ダメ男好きは存在するらしい
このPの外見その他がわかんないけど
噂をすれば影ありというか、ボクにも移籍の話が飛び込んできてしまった
所属しているプロと懇意にしているプロで、結構な近場である
正直色々思うところはあったが、近場じゃ意味ないので丁重に
お断りをした
副社長が信じられないというような顔をして、いわゆる特典のようなものを
中学生のボクにもわかりやすいような言葉で噛み砕いて説明してくれたが
今まで自分でやってきたものを他人がやってくれるようになるからって、
別に得だとは思えなかったし、何より自力でアイドル活動するのはボクにとって
もはや楽しくなり始めていた。
今まで通り自分の力でやるつもりだから移籍する必要はないと、あらためて断ると
副社長は無理に笑顔を取り繕いながらしぶしぶ引っ込んだ
おそらくガキが世間をなめくさって生意気を言ってやがる思われただろうが、まさか、自社のアイドルを干すなんてしないだろう
そういうことをするタマにも見えない
せいぜいプロデューサーへの嫌味が増えるくらいだ
そう考えると、プロデューサーも全く仕事をしていないわけでもないかもしれない
そうふと思ったりした
中学生なら朝練習昼練習放課後練習休日合宿する部活動とか青春だしな
_______
幸子ばかりか、渋谷にまで移籍の話が来ているとは知らなかった。
というか僕はどれだけ嫌われているんだ。よもや自分のアイドルの事情すら教えてもらえないとは
もはや僕が二人のプロデューサーと認識されていないのは明白であった。
なるほど、副社長の嫌味が凄味を増すわけだ。
どうやら渋谷の方の返事も色よくないらしい。
ぶっちゃけ知ったこっちゃないんだが、一応は僕の担当アイドルだ。
正直、幸子よりは渋谷の方が話せるし、自己満足のために一応彼女の背中を
押してやるのもいいかもしれない。
言ってしまえば一人いれば僕の解雇はないわけで、我ながらひどい小悪党ぶりだが、
一人の少女の未来を救うと言う結果からしたら、僕の内情なんて瑣末事である
渋谷とは僕が働かなくなってからむしろ良化した気するする
なんだか、要介護者をみる憐れみの目ともとれるが、話せるだけ幸子よりマシだ
渋谷のスケジュールは把握していないが、事務所に来るなら、その時に話しかけてみよう
今更だけどよくわからん改行の仕方だな
無駄に長いしちょっと読みにくい
自己満足といいながら
自分の内情を瑣末事という
自分のないPだな
________________
おかしい。プロデューサーが明るい
渋谷先輩の移籍も決まって(「プロデューサーのこと、よろしくね」とか言われてしまった)
落ち込むとかならわかる。いや、むしろあの小悪党Pなら落ち込まないのもあり得るが、
明るいのはおかしい。異常だ
それからそれとは関係無いがボクのオーディションの結果は芳しく無かった
いや、関係ないと思う
そればっかりは、プロデューサーでも無い……
いや、考えすぎだ。だって、オーディション受けてること自体話して無いし
というかボクとプロデューサーは仕事以外の会話なんてしないし
ではいったいなにがプロデューサーを明るくさせるのか
あるとすればそう、あれだ
こんな考え過ぎな14歳はいない。いや、いるか?思春期だし
この時間にこの長さはちょっと・・・
書き溜めてあるならまだしも・・・
時間帯間違えたな>>1
>>74
PaアイドルってPaPの強引なスカウトが無いとアイドルやってなさそうな人多いし
杏とニート
って感じでも無いけど
チラっと触れて欲しいかも
ボクのオーディションが終わり、いつも通り待たせておいたPにプロダクションの駐車場まで送迎させた
それから、事務所への道すがら、見慣れない背の高い女性とすれ違ったのだが、
あろうことか、その女性がプロデューサーに手を振ったのだ
プロデューサーのうしろの人にとかじゃなく、間違いなくプロデューサー本人に
ボクがあっけにとられていると、聞きもしないのにプロデューサーの方から説明を始めた
P「ああ、あの人? この前プロダクション間のコンパに来ててさ、ほら、凛が移籍しただろ?
それの関連というか、関係者が集まって飲んだんだよ」
幸子「じゃあ、あの人プロデューサーなんですか? そうしておくにはもったいないくらいの美人ですね」
プロデューサーがそんなあつまりに呼ばれるなんてなんか裏があるか、いやがらせに違いないなと思ったが、それは言わないでおいた。
P「いや、アイドルだよあの人。凛の代わりに、代わりって言ったら変だけど、トレードみたいな感じでうちに移籍してくるってんで、コンパにも来てたんだ。まぁ、お酒自体も好きだって言ってたけど」
幸子「はぁ」
なんでそんなこと知っているんだとは聞かなかった
候補は何人かいるな
個人的には和久井さんが大本命
りんいなくなったら見る意味ないんだが
幸子「渋谷先輩の移籍先事務所なら、僕もよくそこのアイドルと一緒に仕事をしたので、知っててもよさそうですけど、あの人は、初見ですね」
P「あまり積極的に活動はしてなかったみたいだよ。彼女の元Pも、他に4人くらいアイドル担当していたみたいで、手が回らなかったんだって。副社長たちの話を漏れ聞いた」
ようやくプロデューサーらしい発言を聞いたと思った。
それからのプロデューサーの話を要約するとこうである。
プロダクション間の交友コンパに無理やり出されたのはいいものの、お酌もヨイショもできないプロデューサーは、
いつの間にやらはぶられて、はじっこで手酌ビール何かをやっていたらしい
そこにほろ酔い具合で声をかけてきてくれたのがあの人
高垣楓さんというわけだ
やっぱりたらしか
楓さんもコミュ障気味っぽいし(失礼
カエデさんかわいいよね
書き溜めでも安価などの即興でも無いマイペースな雰囲気を感じる
前任Pは楓さんを最優先にすべきだったろうに
年齢は関係ない(力説
曰く、彼女はいい人らしく、プロデューサーみたいな社会のつまはじきも、服を着ているなら皆人類とみなしてくれる無頓着な人らしい。
しかし、立場が違えば見方も変わるようで、彼女がいたプロダクションでは、高垣さんはちょっとした問題児扱い、というか困った人だと見られていたようだ
あの容姿で、背もすらりと高くて、その上元モデルだと言うから、はじめはプロダクションの期待の星だったらしいが、
本人にとにかくやる気がなかったのだ。
本人のやる気次第では私たちのようにほそぼそとお仕事をかき集めるのではなく、本当のアイドルとして、あの765プロのアイドル達のようにのし上がっていくことも可能だと、みんな思っていたらしい
しかし実際は酒好きで、関係無いコンパに顔を出しては酒を飲み、話の端々にくだらないダジャレを挟んでは自分自身でけらけら笑うと言う、変な人であったのだ。これじゃ彼女の元Pもプロデュースにさぞ難儀しただろう。
結局彼女はボク達のように、二見以降の仕事には恵まれることはなく、
最終的に5人抱えたそのPは、ボクのプロデューサーと違う次元でパンクをおこして今回の移籍と相なったのである
凄く気持ち悪いよ
第一段CDの時も意外性抜群だったけど
こういう裏舞台があったと勝手に妄想
キャラを崩すにしても
簡略化、デフォルメしてギャグ、エロ、猟奇などに走るのがほとんどだし
よーわからんな
幸子「じゃあもしかしたら、あの人をプロデューサーが担当するかもしれないわけですね」
P「そうなる」
幸子「なるほどそれで機嫌がいいんですね! ダメPを人間扱いしてくれる、それもとびきりの美人なんて、天然記念物級ですし」
P「そうなんだよなぁ」
幸子「………」
P「世の中って広いな。そう思わない? 幸子?」
初めてプロデューサーに名前で呼ばれて、ボクは思わず鳥肌を立ててしまった。
アイマスは作品によって同姓同名キャラでも全く違う
はたして、高垣楓さんはボクのプロデューサーが担当するはこびとなった
噂では副社長のお酌をほっぽりだしてダメPのところに駆け寄っていったことが彼の逆鱗に触れたとかなんとか
○○プロの陸の孤島とか呼ばれて新人アイドルから恐れられているダメPのところに配属されたのだから、
実質左遷か、ていの良い首切りと取られてもいいわけだが、おそるべし、高垣楓はあっけらかんとしたものであった
そしてさらに怖いのが、ダメPが俄然やる気をだして、毎日営業に飛び出していくという事実である
>>104
だれかさんの胸囲が?
凛「へぇ……そうなんだ」
渋谷先輩は完全に目が笑っていなかった
幸子「し、渋谷先輩はダメPが前みたいに真面目に働いてほしいと願ってたじゃないですか!
良かったですね!! 叶いましたよそれ!」
凛「私さ、プロデューサーに移籍を熱烈に勧められたときに、まぁ、幸子という保険があるからだとはわかってたけど、
半分はプロデューサーの本心だからって、結構、キてたんだけどね」
幸子「ぷ、プロデューサーの、文字通り半分は優しさで出来ているわけですね!」
凛「今はもう、逆の意味でキてるね。本当、なんだったのかって」
もっともである。さしずめプロデューサーは渋谷先輩をいけにえに高垣さんを召喚したわけである
場からリリースされた身の気持ちはいわんや、である
幸子が14歳らしいところを
ちなみにリリース召喚はあんまり流行っていない
おい、デュエルしろよ
>>108
アドバンス召喚や
凛はただの道場だけだったのかな?
>>110
そうだったな
幸子もTCGをやる相手がいるんだな
いや、伝聞なのか
どんどん続けて
ここで離脱するわ、あとがんば
個人的には変な安価の即興よりは好きだけど
VIP向きでは無いな
ただ時間帯的には落ちないようだけど
凛「あの人に悪気はないとはわかってるけど、それでもさすがに嫌いになりそう」
渋谷先輩の最後の言葉をダメPに言おうか言うまいか反芻していると、渦中の人物の片割れが親しげに話しかけてきた
楓「こんにちは幸子ちゃん」
得意のギャグは飛んでこなくて一安心
幸子「どうも」
別に仲良くする必要はなさそうだし、この人と違ってボクはボク自身で仕事を取ってこなくちゃいけない
忙しいのでとっとと退散しようとしたのだが、
楓「自分でお仕事とってるって本当?」
どうやらこの25歳(だそうだ)のお姉さんはボクと仲良くなりたいらしく、てろてろと覚束無い足取りで(もう飲んでいるのか?)
ボクの後についてきてしまった
幸子「そうですけど」
楓「幸子ちゃんっていくつ?」
幸子「14歳です」
楓「お仕事好き?」
幸子「まぁまぁです」
楓「好きな食べ物は?」
楓「好きな国旗は?」
楓「ここは?(肘)」
幸子「もう、なんなんですか、もう!!」
>>113
( ^ω^)おっ( ^ω^)おっ
楓「幸子ちゃんも私に何か質問ないの?」
幸子「……消えてください」
楓「では、ドロン! ……ふふっ」
両手で影分身の印を結ぶと、高垣楓さんは嵐のように去っていった
もしかしたらそれがやりたかっただけだったのかもしれない
そうだとしたら、ボクは彼女にいいように踊らされたことになるのだが。
……とにかくボクは営業にいかなくてはならないのだ。繰り返すが、彼女のようにダメPが仕事を取ってきてはくれないのだから
敏腕でも屑でも下種でも誑しでもないモバPのSSは貴重だな
凛と幸子でPを巡って
一悶着あってもPは真人間の道へ
と思ったけど
時は流れていく
>>120
自分があんまりない、けど
逆に付き合う人や状況、境遇、時間で変わるんだな
良
あの人とは仲良くなれないなと何故だかなんとなく感じていた
しかしボクの思いとは裏腹に、ボクの行く先々で高垣楓は待ちかまえていた
まぁ、ボクが営業に赴くのは前にも言ったようにダメPが開拓した畑であるから、
そのダメPが営業して取ってくる場所とかぶるのは仕方ないのだが、こちらとしてはたまったもんではない
あるいはボクの仕事を楓さんに食われてしまうという事態もありうるのだ
これは抗議せざるを得ない
もうちょっと考えて営業しろよと
ボクはそう談判するために今日も営業帰り(くそまじめか!)のプロデューサーを捕まえた
ネットアイドルになって絵理と、みたいな
幸子「プロデューサー、話があります!」
P「幸子? 珍しいな。話なんて」
この瞬間ボクは直感した。あの小悪党でも小心者なプロデューサーが悪びれ無いなんてありえないと
これはあの女(高垣楓)が咬んでやがる。
幸子「いえ、お仕事お疲れ様です。あと高垣さんに僕と仕事先かぶらせないように言っておいてください」
プロデューサーは一瞬信じられないとでも言いたげな顔をしてから、すぐに訝しげな顔に取り繕った。
P「え、そんな馬鹿な。幸子のスケジュールなら張り出してあるから、出来るだけそれにかぶせないように仕事をとってきているぞ?」
今の言葉を渋谷先輩に聞かせてあげたい。いや、聞かせない方がいいのか。微妙である。
幸子「そのせいであまり効率的に営業できないとでも言いたげですね!」
P「そんなこと思ってないよ。仕事が出来ないのは俺の責任じゃないか」
半分は本音、もう半分は謎である。しかし顔からしてそう、だんだんあの悪女(高垣楓)のたくらみが透けてきた気がする
多分プロデューサーはこう言いたいのである
もう一度俺にチャンスをくれないか と
猟奇展開は……
ここまできたら最後まで書いておくれ
ここまで来たら戦いだ
仮面ライダーブラックRX
深夜一時からここまで……
プロデューサーに楓さんのスケジュールを見せてもらうと、はたして、彼の言うとおり全くボクのお仕事先とはかぶっていなかった。
しかしやたらレッスンが多い。楓さんの希望らしい。前の仕事(アイドルのことではない)の貯金で多少はふところに余裕があるのだとか
以前いた事務所では全くといってレッスンをしていなかったらしい(渋谷先輩談)のに驚愕のパラダイムシフトである
まぁぶっちゃけそんなわけあるかって感じである。
レッスンの入っている日にちはすなわちプロデューサーが仕事を取れなかった日。
つまりボクのお仕事の日程とほぼかぶっているわけである
もちろん全部では無いし、ボクのお仕事の日に彼女も仕事の場合もあるが、それでもやはり、ボクのお仕事がある日は
プロデューサーは仕事をとれていない。
つまりプロデューサーは中学生のボクでも取ってこれるレベルのお仕事じゃないと、自分も仕事をとってこれないってことになる
あらためて嫌な事実が判明してしまった……
まぁそれはいいのだ。問題は高垣楓さんがレッスンをさぼってボクの仕事先を荒らしまわしているという事実である
幸子「……とうとつですけど、プロデューサーは、まだボクを真面目にプロデュースする気がありますか?」
P「……その資格があるかはわからんけど、そうさせてもらえるなら、そうしたいと思う」
幸子「………考えておきます」
その前にボクはあのお節介に話をつけなくてはならないのだ。
幸子が楓さんが干渉できないような仕事を取ってくれば……
って中学生の限界
地理的な限界もある
今さらだけど>>3の某アイドルって誰なんだ?
楓「ふふっ、つまらないなぁ、全部私の思う通りですよ。諸君」
幸子「それ、言いたいだけですよね」
今日はスケジュール通り、楓さんはレッスンに来ていた。
幸子「満足ですか? というか高垣さんも自分で営業できるじゃないですか。何で前のPのときにやってあげなかったんですか?」
楓「なんか私、あの人に告白されちゃって、断ったら見るも無残な感じになっちゃったから、なんか気まずくて」
この人にも気まずいとか考える脳味噌があったとは驚きである
楓「私はそれでもよかったけど、他の四人にすごい恨まれちゃって、あ、これはまずいなって思ってたら勝手にPが仕事抱えてパンクしちゃったんだよね」
そう言えば渋谷先輩が言ってたな、楓さんの元ユニットたちはちりじりに移籍させられたって。
まさかとは思ったけれど本当にその手のトラブルだったとは……
楓「それで今回もそんな風になったら嫌だから、ちょっと色々頑張ってみたんだけど、余計なお世話だったかな?」
えっそれって、つまり
幸子「ボクが高垣さんに妬いてた言いたいんですか!? ありえませんよそんなの!」
楓「幸子ちゃんの前のユニットが移籍したのに、アナタだけ残ったって聞いたときにピンときたのよね」
まさかそんな、ありえない、あのプロデューサーだし。ダメPだし
楓「私は思ったわけです。どうせ幸子ちゃんもプロデューサーさんと同等のお仕事しかとってこれないなら、
全部プロデューサーさんにまかせちゃえばいいのになぁって! もしくはみんなで協力してアイドルすればいいのにって!」
幸子「それを気付かせるためにレッスンさぼってボクの仕事場あらしてたんですか? 別にそんなことしなくたって、そのくらいボクだってわかってましたよ」
楓「でもこうでもしなくちゃお互い言いだせなかったんでしょ?」
幸子「………ボクが言いだせなかったのは別に気まずいとか、ボクのプライドとか、自力で全部やるのが楽しいとかが理由じゃないんですよ」
楓「幸子ちゃん、あの人もがんばってるんだから、もう一回くらい信じてあげよう?」
幸子「いや、ボクも渋谷先輩もダメPを信じたこと無いんで、果たして本当にあれを信じていいものかと悩んでるんです」
楓「ダメならダメでまた自分でやれば良いじゃん」
この人はダメだ。言っていることがブレブレだ
多分本当にさっきのセリフが言いたかっただけなのかもしれない
そういう意味では、完全に、プロデューサーよりも人でなしに相違ない
おわり
は?
は?
おい!寝るなし!
くうー、疲れまし(ry
>>1は次から書き溜めておこう
安価で即興なんてタイプではない
凛はどうなった?
移籍して元気にやってるよ
おまえ本当ksだよな
まぁほら…派遣だし…
>>1はこのPと同じで見切りつけられて首切られたられたニートか
簡単な仕事もろくにできない派遣なんだよ
ssを面白くできないからってそう攻めてやるな
ひでぇ
雰囲気が他のと違って面白かったよ乙
虎ノ門 唐澤貴洋 ピョンチャン五輪 唐澤貴洋 恒心総合法律事務所 虎ノ門 弁護士 唐澤貴洋
所詮この程度の>>1だったか
面白いんだけど
最後まで書こうよ
虎ノ門 唐澤貴洋 東方輝針城 唐澤貴洋 恒心総合法律事務所 虎ノ門 弁護士 唐澤貴洋
普通に面白かったわ
完結版を期待してる
乙
大層乙であった
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otu
>>1
つまんね
SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/
おい続きはよ
この程度で面白いなんて言われるのか(呆れ)
普段本を読まない人が無理して書いた様な文章と言葉遣い
挙句中途半端で終わらせるようなもののどこが面白いんだ
>>159
くっさ
続きはよ
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