ーー部屋ーー
ジャン「な………ほんとか!?」
マルコ「本人に聞いてみたら?」
ジャン「ちょ、いってくる!」ガタッ
マルコ「いってらっしゃーい」
マルコ「フフッ…………」ニヤ
ーー廊下ーー
ジャン「あ、ミカサ!」
ミカサ「なにジャン、いきなり大声で呼ぶのはやめて」
ミカサ「私にはエレンという夫がいる、大声出して私がエレン以外の男と会ってるのがバレたらエレンが私を誤解する」
ミカサ「それで?用がないならもう呼ばないでほしい」
ジャン「」
エレン「あ、ミカサ、こんなとこでなにしてんだ?さっさと行くぞ」
ミカサ「なんでもない、エレン次は座学」
ミカサ「座学の準備はちゃんと持った?」
エレン「だから、お前は俺の保護者か」
ジャン「」ポツーン
ーーその日の夜、部屋ーー
ジャン「マルコ!てめぇなんで嘘ついたんだ!」
マルコ「あは、本当に聞きに行ったんだね」
ジャン「やっぱし嘘だったんだな!」
マルコ「そうだよ」
ジャン「!、なんのためにそんなことしたんだ!!」
マルコ「だって人に嘘つくのって楽しいじゃん」
マルコ最低だろ
ジャン「はぁ!?」
マルコ「相手と会話していて、嘘をつくベストなタイミングを見つける」
マルコ「そしてその瞬間で、どのような嘘をつくか考える」
マルコ「その考えてる間に、騙された人間の反応や表情を想像し」
マルコ「一番面白いと思った嘘をつく」
ジャン「マルコ、お前なに……」
マルコ「さらに嘘をつく醍醐味は、ついている瞬間にある」
マルコ「バレないように巧妙に作り出した嘘を、状況によって少しずつ変えながら」
マルコ「『ばれないかな?』というスリルを楽しむ」
マルコ「そして最大のおいしい部分は嘘をつき通した後にある」
マルコ「いつバレるか?そしてどのような表情で僕の所にくるか?」
マルコ「旅には旅前、旅中、旅後と、旅の三楽と呼ばれる三つの楽しみがあるっていうけど」
マルコ「嘘にもつく前、ついてる時、ついた後と、嘘の三楽というのがある」
マルコ「僕はそれをただ純粋に楽しんでるだけだよ」
ジャン「」
マルコ「じゃ、僕は寝るよ」
マルコ「おやすみジャン」
ジャン「」ポカーン
マルコ(フフッ……明日は誰にしようかな〜♪)
ーー翌日ーー
マルコ「ライナー!!」タタタタタ
ライナー「ん?マルコから来るなんざ珍しいな」
マルコ「今日はライナーに伝えたいことがあって!」
ライナー「ん?なんだ?先に行っておくが俺はホモじゃないぞ?」
マルコ「分かってるよ!じゃなきゃこんなこと言いにこないよ!」
ライナー「で、なんなんだそりゃ?」
マルコ「うん、あのねクリスタがライナーを好きっていってるらしいんだ!」
これは黒いマルコ
ライナー「本当か!?」ダンッ
マルコ「うん、ユミルから聞いたから間違いないよ」
マルコ「昨日、ユミルから『私のクリスタが〜』って相談を受けてね」
マルコ「だからライナーになんとか………ライナー?」キョロキョロ
マルコ「………もう行ったのか、せっかちだな〜」
マルコ「…………ムフフ」ニヤッ
ーーその日の夜ーー
ライナー「ぐぉっ…………ぐぁぁ………!」グスッ
ベルトルト「ライナー…………」
マルコ(んん〜、以外とライナー泣き虫だな〜)
コニー「なんでえ気持ち悪い、大男が泣くんじゃ……あっ!!」
サシャ「コニー、パァン!は頂きましたよ」モグモグ
コニー「てめぇ!返しやがれ!!」
サシャ「で、ライナーは何があったんです?」ゴクッ
コニー「ぁぁ……俺のパン………」
ベルトルト「実はね、ライ…… 」
ユミル「このど変態が私のクリスタに手ぇ出しやがったんだ」
ユミル「勝手に『クリスタは俺に気があるんだろ?』って迫ってやがったから、私が大外刈りがしてやったんだ」
サシャ「でもそれくらいではライナーは泣かないはず……」
ベルトルト「ライナーが泣いてるのは、クリスタにフられたからだよ」
サシャ「へぇ……クリスタ、フったんですか?」
クリスタ「うん…さすがに……ほら、ねぇ?」
サシャ「ねぇと言われましても………」
マルコ(うまくいったな………フフッ……)ニタァ
ーー数日後ーー
キース「立体起動の訓練に入る!」
一同「は!」
ジャン「ミカサと同じ班……///」
ミカサ「エレンがいない……」
ジャン「」
マルコ「ま、頑張ろうよ」
キース「ではミカサ、ジャン、マルコ組、始めろ!」
三人「は!」バッ
ーーーー
マルコ「あ!ジャンそっちの方はもうミカサが全部取ったよ」
ジャン「うるせぇ!お前は信用できないんだよ!」バシュゥゥ
ジャン「!!、もう削がれてる!?」
マルコ「だから言ったのに、こっちはもう僕が全部もらうよ」ザシュゥゥ
ジャン「くそ!」
マルコ「あ〜それから」
マルコ「僕はいつも嘘ついてる訳じゃないよ」ニコッ
ジャン「くっ………(なんなんだこの清廉潔白な笑顔は!)」
ーーーーーー
キース「ミカサ・アッカーマン、19体」
キース「マルコ・ボット、7体」
キース「ジャン・キルシュタイン、0体」
キース「ジャン、立体軌道が得意だからといって練習を怠っていたな?」
キース「貴様は優越感に浸りすぎだ!昼食抜きで3時間走って来い!」
ジャン「は、はい!(くそ!マルコの野郎……!!)」
ーーその日の夜、食堂ーー
ジャン「てめぇいい加減にしろよ!」ダッ
マルコ「なにが?」モグモグ
ジャン「てめぇがいらねぇこと言うから俺が……」
マルコ「心外だなぁ、僕はただ事実を伝えただけだよ」
マルコ「それを信じずに勝手に行動したジャンが悪いんジャン」
ジャン「てめぇ!この期に及んでシャレまで……」
エレン「ジャン、喧嘩はよせよ」
ジャン「うるせぇ!元はと言えばてめぇが悪いんだ!!」
エレン「あ!?俺がお前になにしたってんだよ!?」
ジャン「うるせぇつってんだろ!」グイッ
エレン「離せよ服が伸びちゃうだろ!!」
ジャン「知るか!!この死に急ぎが!!」バキィ!
エレン「……ッ!!」ドンガラガッシャーン
ガチャ
キース「今大きな音がしたが……、誰か状況を説明しろ」
ジャン「……は!私がエレ……」
マルコ「サシャが放屁した音です」
サシャ「!?」
キース「また貴様か………一度医者に看てもらったらどうだ?」
バタン
サシャ「な…なんてこと言うんですかマルコ!!」
マルコ「フフフッ…」
サシャ「なに笑ってるんですか!!」
マルコ「ハハハ………」
アルミン(なんかこの頃、マルコの周りで色々な事が起きてるような気がする……)
ライナー「クリスタぁ」
ベルトルト「ライナー、そろそろ前を向こう」
ーー部屋ーー
ジャン「なぁマルコ」
マルコ「ん?なに?」
ジャン「なんでさっき俺を庇った?」
マルコ「??、庇っってなんかいないよ」
マルコ「ただ教官に嘘ついてみただけだよ」
ジャン「………それも、嘘か?」
マルコ「さぁね、その辺は自分で考えなきゃ面白くないよ」
ジャン「………もういい、寝る」
ーー翌日ーー
アルミン「ねぇマルコ」
マルコ「ん?どうしたんだい?」
アルミン「最近マルコの周りで色々と騒ぎが多い気がするんだ……」
マルコ「確かにね、まあ、迷惑じゃないしいいんだけどさ」
アルミン「それはマルコが発端だから?」
マルコ「…………」ピク
アルミン「僕の推測だけど、マルコが何かしてるから、マルコの周りで色々起こってるのかなって」
マルコ「う〜ん、どうだろね」
マルコ「あんまり色々なことをしたつもりはないんだけどね」
アルミン「……今の発言も、それに入る?」
マルコ「さぁね、その辺はアルミンが考えてよ」
アルミン「ねぇマルコ、"オオカミ少年"て知ってる?」
アルミン「ある男の子が、毎日『オオカミが来た』って嘘ばっかり言ってたんだ」
アルミン「そしてある日、本当にオオカミが来てね」
アルミン「男の子はみんなに『オオカミだ、助けて』って言ったんだ」
アルミン「けど、毎日嘘ついてるから、他の人も『また嘘だろ』って言って、助けなかった」
アルミン「そして男の子はオオカミに食べられた………」
マルコ「僕がその男の子だと?」
アルミン「そうならないように気をつけた方がいいよ、じゃあね」コツコツ
マルコ「…………分かってる、分かってるさそんなの」
マルコ「でも…………」
ーー数日後ーー
マルコ「ねぇアニ」
アニ「なんだい?えぇっと……」
マルコ「マルコだよ、ひどいなぁ」
アニ「……ごめん、で何?」
マルコ「アニはアルミンのことどう思う?」
アニ「へっ!?//」
アニ「わ…私は別に///」
マルコ「そっか……いやね」
マルコ「アルミンがアニを好きだって言ってたんでね」
アニ「ふぁっ!?///」
マルコ「まぁでも、アニがその気じゃないんだったら、僕からそれとなく諦めるよう言ってみるよ」
アニ「待って、私から言っておく//」
マルコ「へぇ、どうして?」
アニ「〜〜〜!?////」
マルコ「ま、言いたくないんだったら言わなくていいよ」
マルコ「じゃあね」コツコツ
アニ「…………(アルミン、待ってて///)」タッタッタッ
マルコ「フフッ……」ニヤ
ジャン「……嘘だろ」
マルコ「さぁ?どうだろうね」
マルコ「でもジャン、盗み聞きはあまり良くないよ」
ジャン「てめぇに言われたかねーや」
マルコ「ま、いいよ」
アニ「あんたどういうことさ?」ゴゴゴ
マルコ「なにが?」
アニ「アルミんが私を好きだってこと」ゴゴゴ
アニ「あれ……嘘だったの?」ゴゴゴゴゴゴ
マルコ「あ、じゃあもう言ったんだ」
マルコ「もちろんただの嘘だよ」
アニ「………喧嘩、売ってるのかい?」
マルコ「いいや、事実を述べたまでさ」
マルコ(この空気!相手との会話!これぞ嘘の三楽のひとつ、"ついた後"だねぇ……)ンフフ
このマルコはどこへ向かっているのだろう
ジャン「あのアニ相手でよく無傷で帰ってきたな」
マルコ「なぁに、チョロいもんさ」
ジャン「ケッ……マルコングリガエシになりゃ良かったのに」
マルコ「そう簡単にはやられないさ」
ジャン「誇るような所かよ……」
ジャン「なぁ、嘘の何がいいんだ?」
マルコ「んー、色々あるけど、一番は"顔"かな?」
ジャン「顔?」
マルコ「嘘の三楽でいうと"ついた後"の、嘘が分かった時の顔」
マルコ「この目を見開くような表情がたまらないのさ」
ジャン「…………聞いた俺がばかだったぜ……」
ーー翌日ーー
マルコ「あ、サシャ」
サシャ「ん、なんですか?パァンくれるんですか!?」
マルコ「いや、一応言わなきゃいけないことがあって……」
サシャ「???」
マルコ「コニーがさ、サシャと付き合いたいんだって」
サシャ「ふへっ!?////」
マルコ「でもコニーはさ、ああ見えても小心者でさ」
マルコ「それとなく何とかしてあげてほし……」
サシャ「任せてください!!」バッ
サシャ「さっそくコニーのとこ行ってきます!!」ダッダッダッ
ジャン「………また嘘かよ」
マルコ「ジャンもまた盗み聞き?」
ジャン「たまたま耳に入っただけだ」
ーー夜ーー
サシャ「…………」ズゥーーン
ユミル「なんだ?お前が暗いなんて、明日は大雪だな」
クリスタ「ユミル、ちょっとは心配してあげようよ」
ジャン「………マルコ、お前は可哀想だとかは思わねぇのか?」
マルコ「絶望に満ちたあの顔もいい……」ニタァ
ジャン「……思わねぇんだな」
マルコ「ま、ジャンも気をつけた方がいいよ」
マルコ「人を信用してはダメだ」
ジャン「………………」
ーーー
ーーーー
ーーーーー
ーートロスト区奪還戦後ーー
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ジャン「おいマルコ、また嘘かよ」
ジャン「お前も懲りねぇなぁ」
ジャン「マルコ、嘘なんだろ?」
半身マルコ「……………」
ーーーーーー
マルコ『僕はいつも嘘ついてる訳じゃないよ』ニコッ
ーーーーーー
ジャン「…………嘘……だ………」
完
最後適当ですまん
本当はもっとワルコを書きたかった……
ワルコw
滑り台滑ってたら突然垂直に落下したような気分
乙
結局マルコの真意は分からんままだな
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