窓の中から(12)
ルド恋です。
22話のネタバレを含んでいます。
関東の方、BSの方、ニコ生の方はご注意ください。
エルドと恋人のお話です。
彼はとても気がつく人だ。
私がじゃがいもを切り出すと、後ろでパンを切ってくれる。
買い物に出かければ、足場の悪そうな所で手をとって歩いてくれる。
彼はとても優しい人だ。
私の父が亡くなった時、泣きじゃくる私の側にずっとついて、背中をさすってくれた。
不安な時も、手紙からでも読み取って励ましてくれる。
彼はとても力持ちだ。
30kgもある老犬のパフを軽々と持ち上げて子犬のようにあやす。
雨漏りの修理をする時も、梯子も無しで登って行く。
彼は調査兵団の兵士だ。
私の家に帰ってくるのは年に数回。
いくら幼馴染とはいっても、会えない時間は寂しい。
それを短い時間であっという間に埋めてくれる。
いつ死ぬのかわからない。
そんな未知の世界に飛び込んで行く彼の背中はとても大きい。
「エルド」
短く束ねたあの彼は、今日も私の元に戻ってきてくれるのだろうか。
あの大きく口をあけて笑う声を私は聴けるのだろうか。
一度、嫉妬をしたことがある。
忘れ物を届けに行った時、可愛らしい女の人と話しているのを見た。
調査兵団の兵服を着た彼女は、恐らく訓練兵から一緒の"ペトラ"さんだ。
親し気に話す二人はとてもお似合いに見えた。
そりゃ、過ごす時間が違うもんね。
僻んだ時間ほど醜いものはない。
だから、私は彼を笑顔で出迎える。
それをもう、何度も繰り返してきた。
「エルドが戻ってくるらしいよ」
お母さんが少し笑って私に言う。
もう少しすれば、この家にも鐘の音が聞こえてくるだろう。
「そう」
ねぇ、エルド。私ね、生理がもう二ヶ月きてないの。
貴方と会ったのは前回の壁外調査前の休暇だったよね。
私たち、素敵な家庭が築けるかな。
少し暖かいお腹をさする。
また貴方が私を包んでくれますように。
遠くで鐘が鳴る音がした。
短いですが、これで終わりです。
22話を見て思ったのが、この死んで行った兵士たちにも大切な家族がいるということ、リヴァイ班だけでなく、それは誰にでもそうで、その中でこのエルドの恋人のシーンが印象的でした。
衝動的に寝ぼけながら書いてしまったので誤字脱字あると思います。
読んで下さった方、ありがとうございました。
マイナーすぎたな
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