食蜂「レベル5唯一の害虫...ねぇ...」(30)


「......」カチカチ
深夜の静けさの中にマウスを動かす音だけが響いていた

食蜂折操は、寮の自宅でPCを触っている
だが、いつもの彼女とは違い表情は真剣そのものである
開かれているページは巨大掲示板サイト

彼女の見つめる先には、彼女を誹謗中傷する内容のスレが表示されていた

食蜂も気にするんだ

剛力みたいなあれか


心理掌握(メンタルアウト)である彼女にとって、

表を着飾る人間がその内側を好きなだけ吐露できるネット掲示板も、

適当に街中を散歩することも大差はない

しかし、その極小の差というのがスレッドと言うものだ

本来、街中の人間は各々別の考えで動いており、

一点に集中することは野次馬とかでない限りはない

しかしネット掲示板はスレッドというものを建て、

ある一点に特化した会話を繰り広げるため、

この食蜂折操ですらも気にはなるのだ

特に、自分に関しての見知らぬ誰かの評価などが

(...あった)

彼女がいつもこの様なサイトを見る訳ではない

この様な事が書かれているのを知ったのも、
派閥の子がたまたま見付けてきて密かに教えてくれた事によってだった
その子によると彼女に対する誹謗中傷が始まったのは、つい最近の事であるという

マウスを操る中指だけを動かし、見慣れないサイトを食い入る様に見つめる

中指?

>>6

マウスのコロコロする奴いじってるんよ
画面スクロールなw

ほほう期待

「食蜂は男たらしのゴミ...しいたけは毎日スキルアウトと...って...なんなのよ...」

食蜂の男癖は悪い。そんな内容の事がひたすら書き込まれている

(こんなの全部嘘じゃないの...誰が書いたのよ...)

精神系統を司る"超能力者"の彼女には、他人の心の内など垂れ流しである

自身の事を悪く思っている人...
考えるが...彼女に思い当たる人は居ない

彼女にとってその判断材料は絶対的であるハズだ
その能力の前では嘘をつくことは出来ないのだから...

読めない人間…

あ…(察し

お姉様はそんなこといたしませんから(震え声)

みさきちの美点と云えば新刊で上条さんに尽くした所かなぁ

>>12
上条さんに尽くしたどころか既に上条勢力だしな

日常的に自動販売機から窃盗するお嬢様が最有力候補ですね

>>14
それって御…うわなにするんだやめr

「はぁ...とっとと削除依頼というのを出してねましょう...」

そう言うと派閥の子に教わった通りに削除依頼を出す

「これで良いのかしらぁ...」

作業を終わらせるとベットに潜り、目を閉じていた

が、突然起き上がると、手元にあった枕を床に叩きつけた

「もう!......なんなのよぉ...」

無性に腹ただしい

レベル5の精神操作系能力者の彼女には他者の感情を操作する事など朝飯前
噂など容易にきれいさっぱり無かった事にすることが出来る

"人の口に戸は立てられぬ"という常識は彼女には通用しない

・・・ハズだった
しかし、それはあくまで対象の相手が明確な場合だけであった

あの書き込みはいつになったら消えるのか
どのくらいの人が見るのか
どのくらいの人が信じるのか...

考え出したらキリが無い...

この内容を見られたくない人が一人だけいる

普段だったら改変すれば良いだけだった...
自分の能力を過信していた故に
他人を思い通りに操れないという激しいもどかしさが彼女を襲った

書き溜め無いのか?

別にいいじゃん落ちるわけでもないんだし
ゆっくりでいいから完結させてくれー

11がネタバレらしいぜ

だいすきだぜー

(........はぁ、物に当たるなんて...私らしく無い...)

枕を拾いながら彼女は考える

このもどかしさは始めてでは無い...
このインターネット越しの相手の様に思い通りに操れない人を数名知っている...


同じレベル5の第三位...頭に対策用のヘルメットを被った研究者達...
そして、大切なあの人...

だが今回はいつもとは少し違う
心を読めないだけでなく...相手が誰かも分からないのだから

>>19
>>21
ありがとよ頑張るわ

>>18
あるっちゃあるけど...

さあ上条さんに相談だ

みさきち…上条さんが助けてくれるぞ!!(たぶん)

「ど、どうさしれますたか女王しゃまー!?」バタン

音を聞き付け慌てて駆け付けて来たのは、派閥のメンバーの縦ロールであった

「あ...別に...何でも無いわよぉ」

言えないわよ...不安で落ち着かない...なんて...

「で、だも、凄い振動だすたよ?」

音を聞いて慌てて来たのだろう、舌が回っていない

「私、........うっかり...ベットから落ちちゃったんだゾ☆」

嘘だけど...

「そうだったんですか」

「そうなのよぉ~起こして悪かったわねぇ...」

「いゆいや...でわおやすみぬさいです女王様...」

(そんなに噛み噛みで言われても......)
「おやすみなさいねぇ~」

常盤台に通う生徒は基本的にお嬢様である為、皆10時には眠りに着く
時計を見ると午前1時を指していた...

(悪いことしちゃったわねぇ...)

そう呟くと、布団を被る...
派閥の彼女達には心配をかけたくない...

常盤台の女王として...

支援させていただきます

ほほうほうほう

マダー?

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