真「二人だからできること」 (13)
「あ~今日も疲れたなぁ~」
「おつかれ真ちゃん!最近仕事が一気に増えて大変ね」
「いや、僕は大丈夫ですよ。もっとも~っと有名になってトップアイドルになるんですから!」
「お、その意気だぞ真。そう言われると俺もプロデュースのしがいがあるってもんだ」
「ふふっ、頑張ってね真ちゃん。じゃあ私はお先に失礼しますね。プロデューサーさん戸締りしっかりお願いします」
「あ、はい。お疲れ様でした。小鳥さん」
「小鳥さん。今日もお疲れ様でした!」
「はい♪二人ともお疲れ様でした。じゃあまた明日・・・・」 バタンッ
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「・・じゃあ僕もそろそろ帰りますねプロデューサー」
「あ、ちょっち待ってくれ真、一つ聞きたいんだけど」
「えっなんですか?」
「何か今欲しいものとかってある?」
「え、どうしたんですかいきなり」
「いや、特に意味はないんだけどさ」
「・・・・はは~ん、も~うプロデューサー僕の誕生日プレのことですか?僕の誕生日プレ」
「・・まぁ、そのプレの話なんだけど」
「もう~恥ずかしがらずに最初から言えばいいのに、プロデューサーったらもう」
「あれ、意外とめんどくさいな」
「欲しいものですか、そうですねぇ・・女子力、とかですかねぇ」
「ごめん、真、真面目な話をしてるんだ」
「僕はいたって真面目ですよ!」
「真!後生だから!後生だから他の欲しいもの、もしくは俺にして欲しいことでも良いから!」
「なんでプロデューサーが許しを請いてるのか分からないけど。う~んプロデューサーにして欲しいこと・・」
「プロレスとかやめてね、俺真の誕生日を命日にするつもりはないから」
「どういう意味ですかそれ。そうだな~プロデューサーとお出掛けできる権利とか?」
「お出かけ・・そんなんでいいのか」
「はい!最近仕事も忙しかったので、プロデューサーと一緒に息抜きができればそれでいいです。ダメ・・・ですかね」
「いや、いいよ。せっかくの真の誕生日だからめいっぱい楽しもうか」
「ほんとですか!へへっやりぃ!」
「その代わり・・今の真が一日休みを取るとなると他の日の仕事量がもれなく増えます」
「構いません!僕プロデューサーとお出掛けできるならどんなにきつくても頑張れますから」
「よく言った!それでこそ菊の字真!」
「あ、そうだ僕もプロデューサーになにかプレゼントしますね!」
「えっなんで」
「僕、男の人とプレゼントしあうのが夢なんです。なんか・・こう・・カップル・・みたいじゃないですか」
「ん?カプル?」
「カップルですよ!カップル!終いにゃ月光蝶(物理)食らわせますよ!」
「わ、悪かったよ。冗談だってば」
「もう!プロデューサーったら、もう!」プクー
「わかったから。真からのプレゼント楽しみにしとくよ」
「・・絶対にギャフンと言わせてやりますからね・・」
「はは・・・お手柔らかに頼むよ」
「さて、そんなこんなで真の誕生日なわけだが・・・真遅いな」
「・・・デューサー!・・・プロデューサー!」
「お、来たか」
「はぁっはぁっ・・・すみません!プロデューサー・・待たせてしまいましたよね・・」
「いや気にしないよ。それにしても真、今日は一段とかわいい服を着てきたな」
「ほ、ほんとですか!へへっやりぃ!この服今日のために買ったんです!あ、でも・・・その・・」
「・・?真、どうした、どこか具合でも悪いのか?」
「い、いや!そういうわけじゃないんですけど・・。実は僕、プロデューサーに謝らないといけない事が・・」
「謝らないといけない事?」
「は、はい、あぁ・・でも何から謝ればいいんだろ・・」
「そ、そんなにあるのん?」
「プ、プロデューサー・・プロデューサーなら僕の気持ち受け取ってくれますよね」
「・・当たり前じゃないか」
「えーとじゃあまず、プレゼントの話、覚えてますよね?」
「あぁ、真が俺にギャフンと言わせるようなプレゼントをくれるって話だよな」
「は、はい・・・そ、それでこれ!・・なんですけど!」
「これは・・毛糸の手袋だよな。手編みの。これがどうした?」
「それ僕からプロデューサーへのプレゼントです・・」
「え!そ、そうなの?」
「・・・・・・・・」コクン///
「え~と、真?」
「ひゃ、ひゃい!」
「今、何月だっけ?」
「・・・・8月です」
「夏か冬かで言ったら?」
「70・・・いや75%ぐらいの割合で夏・・ですかね」
「10割で夏だね」
「・・・・・はい」
「率直に聞こう、なんで毛糸の手袋なの?」
「・・えっと僕、プロデューサーにどうにかして女の子ぽいとこみせたくて・・」モジモジ
「その結果が手編みの手袋・・」
「真っ先に浮かんだのがお裁縫だったんです。女の子っぽくて相手にプレゼントできるもの・・」モジモジ
「・・うん、何故手袋なのかはわかった、で、次の質問なんだけど、これ、もう片方はないの?」
「えぇと・・もう片方は手袋としての役割を果たせる形ではないというかむしろリストバンドみたいっていうか・・」
「間に合わなかったんだね」
「すいません・・。プロデューサーこんなプレゼントいらないですよね・・やっぱり僕に女子力なんてなかったんだ・・」
「・・それは違うな。だって今の真最高に可愛いぞ」
「えっ?えーーーーー//そんな可愛いだなんて//!」
「あぁ可愛いね、真みたいな可愛い子に手袋を編んでもらえるなんて俺は幸せものだ。」
「で、でも片方しかないですし・・」
「いいんだよ片方だけで」
「そ、それってどういう?」
「ほら、まず左手に手袋します、お、この手袋俺の手にぴったりだな」
「は、はい!プロデューサーの手のサイズは春香に教えてもらったんです。」
「えっ春香に?」
「はい、どうやらプロデューサーが事務所で寝ているときに型を取ったらしくて・・」
「・・まぁいいや、さぁこれじゃあ右手が寒いぞ。どうする真」
「ど、どうするってポケットに手を入れるとか・・」
「違うよ。こうするんだ」ガシッ
「わわっ///プロデューサー//」
「そう、手を繋げばいいんだ」
「えっ//手を繋ぐって//うわ、僕今プロデューサーと手を繋いで//」プシュー
「さ、歩こうか」
「え、このままですか!」
「当たり前だろ、俺は右手が寒いんだ、真が暖めてくれないと」
「は、はい、そうですよね。・・・へ、へへ~プロデューサー今10割で夏なんですよ」
「わ、分かってるよ//そんなこというなら離すぞ!」
「嫌ですよ~っだ」ギュー
「お、おいおい・・」
「・・・・プロデューサー、一つ聞いてもいいですか?」
「ん、なんだ?」
「僕やっぱり自分に自信が持てないんです、ほんとうに女の子っぽいアイドルに近づいているのかって」
「・・・・・ふむ」
「プロデューサーと出会う前の自分から何も変わってないんじゃないかって思うんです」
「・・・それは違うな真、昔の真と今の真で決定的に違うことがひとつある」
「決定的に違うこと・・ですか?」
「ああ、それは俺が真のプロデューサーになったということだ」
「プロデューサーがいること・・・・」
「この片方しかない手袋と同じさ、一人じゃ解決できなくても二人でなら解決できることもある」
「二人でならできる事・・・」
「今の真には俺がついてる。少なくとも今の真は昔の真とは違うぞ、俺が保障する」
「プロデューサー・・・・」
「つまりだ俺が言いたいのは一人と二人の間には大きな違いがあるんだから・・・・」
「プロデューサー!」ダキッ
「お、おい真!何を!」 アセアセ
「すいません、しばらくこのままで・・・いさせてください」
「あ、あぁ・・・」
「抱きつくことも一人ではできない・・あぁほんとうだ・・」ギュー
「・・・・・落ち着いたか・・真」
「はい・・すいませんでしたいきなり」
「いや、今のはかなり可愛かった」
「へへっプロデューサー僕の事好きになっちゃたりして!」
「ないない、そんなことあるわけないだろ」
「え~、そうかな~」
「馬鹿なこと言ってないでそろそろ行くぞ、さぁまずどこに行こうか」
「そうですね~。僕まず焼き肉食べたいです!」
「ははっ真は焼き肉となると一人で二人分食べるからな~」
「むぅ~そんなことないですよ。プロデューサーの意地悪・・」
ハハハハハハッ!
・・・・・ヘヘッ!
プロデューサー・・・僕最近思うんです・・
プロデューサーの前だけで女の子っぽく振舞うのも悪くないかなって・・
今はこの気持ち伝えることはできないけれど・・・
いつか・・・必ず・・・もっと女の子っぽい僕を見せつけて
ギャフンと言わせてやりますから!
おしまい
真、誕生日おめでとう!
おつ
真かわいいよ真
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