苗木「BR法?」戦刃「国防上必要とされる戦闘シュミレーション——プログラム」 (27)


苗木「あれ……ここは?」

起きると辺りには見慣れぬ教室だった。

苗木(ボクたちは……修学旅行に行くはずで……)

希望ヶ峰学園第78期生の人間は今日修学旅行に行く予定であった。
3泊4日で京都に行くために新幹線に乗り込んだ。
そのはずであったのだが。

苗木(教室? 希望ヶ峰学園じゃない。それに……!!)

苗木は首の違和感を覚えて触れてみる。

苗木(冷たい、それに固い。金属の首輪?)

しかしそれ以上は分からない。
何かはあるのだが自分の首を見ることまでは出来ない。

舞園「うぅ……頭、痛い……」

ガサゴソと音がして苗木の隣の席に座っていた舞園さやかが動き出す。
頭を片手で抑えている、頭痛でもするのだろうか。

苗木「舞園さん!?」

舞園「苗木くん? ここはなんでしょう? それにその首輪なんですか?」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1363107819



苗木「それを言うなら舞園さんだって、その首……」

苗木に言われて舞園も慌てて自分の首元に触れる。
そこにはアイドルの首には似合わない、無骨な銀色の首輪がまかれている。

舞園「苗木くん。これは一体なんなんでしょうか?」

苗木「ボクにも分からないよ。でも、なんか凄く大変な事態になってるみたいだ」

大和田「……あ、あん? 一体なにが起こって?」

腐川「ひっ! な、なによ……ここは?」

十神「……」

霧切「……」

だんだんと他の生徒達も目をさまし始めている。
皆が状況を把握できていないようで、あたふたと辺りを見回している。

苗木(少なくとも、ここにいるメンバーは希望ヶ峰学園78期生で間違えはないみたいだ)

見慣れぬの教室だけで、教室いる人間は皆見慣れたメンバーである。
訳も分からないまま教室のドアが開いて誰かが入ってきた。

「はいはーーい。皆もう眼は覚めましたかー」

「それじゃあ説明しまーす。君たちのー新しい担任になったーサカモチキンパツといいまーす」


突然はいってきた男は長髪でサカモチキパツと名乗り、黒板に乱暴な字で坂持金発と書いた。
どこかで聞いた事ある。全くふざけた名前である。
書き終えてからクラスの人間眺めてるだけで何も言いださい、坂持に1人の生徒が手を挙げた。
先生! と元気の良い声が聞こえてくる。この声は石丸清多夏のものだろう。

石丸「このクラスの担任は先生ではないのですが。何かお間違いではないでしょうか?」

坂持「君は石丸君かー今からそれを説明させてもらうから、静かになー」

へらへらと本気なんだか分からない口調のまま石丸に答える。












坂持「君ら希望ヶ峰学園第78期生はー今年の“プログラム”対象クラスに選ばれました」









その言葉を聞いた瞬間うっ、っと教室の誰かが呻いた。


知っている人もいるかもしれませんが、このssは小説バトルロワイアルをモデルとしました。
ダンガンロンパのキャラがプログラムに参加するお話です。

今回はプロローグ的に最初の部分だけ投下しました。
また近いうちに投下しにきます。

期待

何故だろう……

ダンガンロンパの方が普通に難易度高い気がするのは……


朝日奈「ぷ、プログラム……って嘘でしょ?」

坂持「いいえ朝日奈さん。嘘ではありませーん。本当に君たちは今年のプログラムに選ばれたのです」

葉隠「プログラム? なんだべ? レクリエーションでも始まるんだべか?」

桑田「は!? んなわけねーだろバカ!!」

葉隠「知らないもんは知らないべ。じゃあ桑田っちはなんのことか知ってるんだべか?」

プログラムがなんだか知らない葉隠は、この絶望的状況でも能天気だ。
——プログラムを知らない。
普段最年長者でありながら馬鹿にされている葉隠だが、ここまで馬鹿だとは誰もが想像だにしなかった。

坂持「はいはーい。まさかプログラムを知らない国民がいるなんてーセンセーは信じられません。説明するのも馬鹿馬鹿しいのでーえーっと霧切さん。お願いします」

坂持に指名されてゆっくりと霧切は話し始める。

霧切「長くなる簡単に説明するわよ。簡単に言えば国防上必要な戦闘シュミレーション。通称プログラム。毎年全国の高校から任意に50クラスを選ぶ。選ばれたクラスは全員武器を与えられて最後の1人になるまで——」








霧切「——殺し合うのよ」

今まで以上に辺りが静まり返る。
この国に生まれた人間ならプログラムの文字は小学生の教科書で初めて目にすることになる。
従妹がプログラムで——そんな話を聞くことも一度や二度は経験するだろう。
しかし、しかしこうして改めて聞かされると、信じがたいものがある。

坂持「はい。よくできましたー。といっても知らない奴のが問題なんだけどな」

腐川「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

坂持「きみはー腐川冬子さんか。なんだーなんでも言ってみろー」

腐川「わ、私たちは希望ヶ峰学園の生徒なのよ! この国の希望なのよ! そ、そ、そんな! 私たちがプログラムに選ばれるわけないでしょ!!」

坂持「なるほどなー腐川の言い分も良く分かる。だけど皆は平等なんです。確かに超高校級と呼ばれる皆は才能があります。この国の宝とも言えるでしょう。しかし、そんなものが人の価値を決めるんじゃありません。貧乏な子もお金持ちな子も、才能ある、ない子もいます。だけど、だからといって、詩文たちが特別だなんて勘違いするんじゃーーない!!」

強い口調で一喝されて腐川は黙り込む。
しばらく、そのまま腐川を睨んでいたもののすぐにニコニコ顔に戻り説明を始めた。

坂持「じゃあ、プログラムにはいる前に色々説明するから聞けよー」

坂持「まず君たちの親御さんたちには了解を得ています。そりゃー中々納得はしてくれないさ。でもな誠心誠意説明すれば分かってくれるもんさ。それに先生もこの仕事長いからな」

苗木(まさか? 本当にボクの両親にも了解を? そんなこと、そんなことあってたまるか!)

坂持「それと君らの元担任、名前なんていったけ? まーいいや。その先生は反対したんだよ。私の生徒を好きにはさせないってな。だから——」

坂持は一端言葉を区切り教室の外に手をこまねいて合図を出すと、廊下から迷彩服に身を包んだ大柄な男が入ってくる。
2人は大きな袋を運び込んでくると、良く見えるように教卓の上に下ろした。

不二咲「うぅぅぅ……」

前の席人間から呻き声がもれる。
それもそのはず。その袋から出てきたのは間違いようもない。
この78期生の担任の変わり果てた姿だったのだから。

坂持「プログラムはこの国の法律です。逆らうとこうなるんですよー良いですか」

坂持は腰に下げたホルスターから拳銃を引き抜くと、もはや人形と化した物の頭めがけて引き金を引いた。

「「「きゃーーーー!!!」

教室に悲鳴が響き、血やら謎の液体が教室にまき散らされる。
坂持は見ようともしない。
視線は苗木たちに向け、機械的に腕を真横に広げて打ち抜いた。

坂持「それでは説明続けます」

桑田「ふ……ふっざけんじゃねえぞ!!」

説明を始めようとした坂持に今度は桑田が怒鳴り散らし食って掛かった。。

桑田「いきなりプログラムだとか言いやがって、許可はとってるだと!! オマエラ、アホじゃねえーの!?」

桑田は完璧にキレている。
目の前で担任の無残な姿を見せられ、これからプログラムに参加させるとなって何もかも我慢ができなくなっている。
元々桑田は気が長い方でもなく、良くも悪くも自分の感情に素直な人間だ。
休むことなく桑田の口からは坂持を罵倒する言葉が飛び出す。
死ね、アホ、バカ。
理屈も何もあったものではない小学生的な低俗な言葉の数々。

坂持「……」

十神「おい! もうよせ!」

坂持の雰囲気が変わるのを感じ取り十神が静止を試みる

セレス「その辺にしときなさい! 今度はあなたの命が危なくなりますよ」

セレスも止めに入る。

桑田「うっせぇぇえぇ!!!! 納得出来んのかよ! こんな、こんなことが許されるはずねえだろ!」

こんな、こんなこと。2人の静止にもかかわらず桑田はわめき続ける。
誰もが止めさした方が良い。そう思っていた。

桑田「——は?」

桑田は自分の頭にズシンと思い衝撃を受けた。
鈍器で殴られたような鈍い衝撃。

桑田(あ……あ…あれ?)

上手く考えられない。
確か頭に衝撃があって、それから……それから。

——ばたん。大きな音をたててそのまま桑田は力なく倒れた。
自分の額を襲った衝撃が、大振りのサバイバルナイフだったことも分からずに。

こうして超高校級の野球選手。
桑田怜恩の生涯はここに幕を閉じた。
プログラム最初の脱落者として。







【脱落者 超高校級の野球選手 桑田怜恩——残り15名——】



桑田ファンの方は申し訳ありません。
原作と同じように大した活躍も出来すに終わってしまいました。

3月中は比較的投下が早いと思います。
今夜か明日にはまた来ます。


桑田あっけなかったなぁ…


朝日奈「う……うそ、でしょ?」

苗木は桑田の後方の席に座っており良く光景が見えていた。
坂持が投げたのだ。
桑田がわめきちらしているの眺めているかと思うと、その右手が腰に伸びてナイフを手に取ると、桑田の頭に向けて投げつけた。
ナイフは一直線に桑田の頭に向かって突き刺さったのだ。

苗木「桑田君!!」

倒れた桑田の元に駆け寄ろうと立ち上がろうと、机に手をかける。
でも体は椅子に縛り付けられたかのように動かない。
立ち上がろうとする苗木を後ろから肩をとても強い力で抑える人物がいた。

苗木「戦刃さん!?」

振り返れば、そこには戦刃むくろの鋭い眼が何かを訴えかけてきていた。
苗木は無視して立ち上がろうとするものの、肩に感じる力はとても女の子のものとは思えない程強く、とてもふり払えるレベルではなかった。


舞園「桑田くん!!」

戦刃が苗木を抑え込んでいると、今度は舞園が桑田に駆け寄ろうと立ち上がった。
しかしそれも坂持は許さない。
2本目のナイフ引き抜くと舞園さやかに向けて放った。

舞園「……つっ!」

桑田の元へ行こうとしていた舞園の腿にナイフが突き刺さり、前に倒れ込む。

坂持「勝手に席を立って良いとは言ってませんよ。まだ先生が話してるんだから席に座ってなさい」

苗木(戦刃さん! 手を放して!)

桑田だけでなく舞園も刺されて苗木はいてもたってもいられない。
もう一度、席を立とうとするのだが、やっぱり戦刃に肩を抑えらたままで立ち上がることが出来ない。

戦刃(駄目)

苗木(……)

戦刃は依然として真剣な眼差しを苗木に向け続けている。
今動いては苗木もどんな目にあうか分かったものではない。
その視線に苗木は冷静さを少し取り戻す。

動けない。
殺された桑田、ナイフを投げられた舞園。
2人の姿はクラスの人間を動けなくするのに十分すぎる程の効果を発揮した。
動けば今度は殺される。
痛そうに顔を歪める舞園に誰も近寄ることが出来ない。


坂持「なんですか、大神さん」

大神「プログラムの説明を進める為にも舞園を早く席に戻したい、しかの舞園は足を怪我して1人で戻るのは大変であろう。余が席に戻るのを助けたいのだが構わぬか?」

坂持「はい。そんですねー。先生も話進めたいから良いぞー。それに世の中助け合いが大切だからな。前担任の先生の教育の賜物だろうなー」


大神「舞園よ。立てるか?」

舞園「は……はい。ごめんなさい。大神さん」

大神「気にするな。それよりも早く席に戻るのだ」

大神に支えられて舞園は席に戻る。
その太ももにはナイフが突き刺さったままである。
ナイフが栓の役割をし出血量は多くはないのだが、それでも放っておくと危険だろう。


坂持「じゃあ、プログラムについて説明はじめます」

坂持の説明は首輪から始まった。
この首輪は着用者が生きているの死んでいるのかを判別するものであり、同時に頭を吹き飛ばす小型爆弾であるらしい。

坂持「次に禁止エリアに説明するぞー。皆戦いが始まっても一か所に隠れ続ける人がたまにいるんですよ。だから一時間ごとに島の中で禁止エリアが増えていきます。禁止エリアに入ってしまうと爆弾は爆発してしまうから、禁止エリアにはいつも注意を向けておくんだぞ」

坂持「それと72時間人が死なない場合も爆発します。悲しいけどな、これも皆に元気に戦ってもらうためだからさ。あーもちろん無理やり首輪を外そうとしても爆発するからな」

苗木(禁止エリアに入ると爆発。外そうとしても爆発。72時間人が死ななくても爆発か……)

坂持「じゃあ今から出席番号順にデイパックを受け取って外に出てもらうぞ。デイパックには水や携帯食料、地図、コンパス。それに各々に別々の武器が入ってるからな。武器には当たり外れあるかもしれないけど、さっきも言った通り世の中皆が同じなんてことはありません。頭の良い子悪い子がいるように、武器も当たり外れがあります。それが世の中というものです」

一通り説明を終えて坂持は黙った。
誰もしゃべろうとしない。
重苦しい空気が教室を支配している。

霧切「先生、舞園さんが怪我しています。治療とまではいかなくても応急処置をしても良いですか? このままだと戦いにも参加できずに出血死してしまいます」

坂持「う〜ん。そうだなー。まあセンセーが怪我させちゃうってルール違反もしちゃったしな。まあ応急処置くらいなら許そう。じゃあその間に男子一番の石丸清多夏くん前に出なさい」

霧切は先生の許可を受けると自分のポケットからハンカチを取り出して、舞園の席まで歩いて行く。

霧切「舞園さん。痛いかもしれないけど抜くわよ」

舞園「……はい。大丈夫です……やって下さい」

大丈夫という舞園の呼吸は荒い。
霧切は出来るだけ出血が少なくなるように傷口を抑えながらナイフをゆっくりと引き抜く。

痛みを顔にださまいと頑張っているものの、かなり辛そうにしている。
眉間にはしわが寄り、痛みからくる汗の量が尋常ではないのが分かる。

坂持「じゃあ、次は苗木誠くん」

次々と盾パンが回り早々と苗木の順番になった。

苗木(悔しいけど、今は何もできない)

苗木は真っ直ぐに教壇まで向かわず桑田の所に向かう。
近くまで来ると死んでるなんて信じられない。
すぐにでも動き出しそうな、そんな様子すら感じられるのに。

苗木(桑田くん)

変わった人たちが多いクラスの中で桑田怜恩は、そこら辺の高校生と変わらない少年であった。
女の子ことが大好きで、二言目にだれだれが可愛い。
直情的で呆れてしまうこともあったけど。

苗木(それでも。ボクには大切な友達だった)

非日常的な学園生活の中で、中学の頃と変わらない日常を感じられたのは桑田のおかげであった。

坂持「苗木くん? あまり勝手な行動はしないでください」

苗木「桑田くんはボクの友達だ。目くらい閉じさせてくれても良いだろ」

それっきり坂持は何も言わなくなった。

苗木(桑田くん。必ずボクが皆で助かる道をさがしてみるよ)

桑田の目に手をかざして目を閉じさせる。
そのまま、たっぷり十秒心の中で祈りをささげて再び立ち上がる。
一端治療中の舞園の方に目を向ける。

舞園(私は大丈夫です。早く行ってください)

口には出さないけれども言いたいことは伝わってきた。
先に行ってください。私は大丈夫だと。
その表情に安心して苗木はデイパックを受け取り、振り返ることなく教室の外に出て行った。


あっさりしすぎな気もしますけど、早く本編始めたいのでこんな感じです。
次からはプログラムが始まります。

期待

あくしろよ

はよ

今日で消えちゃう・・・?

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