泉「宮永咲!私の宿命のライバルや!!」 (40)
怜「…」
竜華「…」
セーラ「…」
浩子「…」
泉さんは高1最強やろ
泉結構強いだろ
泉は咲かませ界のヤムチャ
実際泉と戦ってお前ら勝てんの?
実力は高い
しかし内心は勝負を決するのは先輩だと決めつけてるからここぞでへたれた
泉ちゃん
弱くはないけど強くもない
マイナス30400点
泉は高1最強
しかし咲さんの方が強い
つまりここで咲さんが高1ではない可能性が生まれるのだ
泉は超高校級の雀士
咲は超高校級の魔物
泉「先輩方聞いてます?ライバルですよ!好敵手と書いてライバルと読む!!」
セーラ「んなことは分かっとるがな」
泉「じゃあその微妙な反応は何ですか?」
怜「いや、泉が盛大な寝言言うとるからやろ」
泉「寝言って何ですか!私は本気で言ってますよ!!」
竜華「なお悪いわ」
浩子「あのなあ泉、宮永咲って言ったらあの長野の魔物天江衣を倒した選手や」
泉「はい、それは以前に先輩から教えて頂きましたんで知ってますけど…」
竜華「そんな化け物とあんたが同じ土俵に立ってるって考えるのはさすがになぁ」
セーラ「せや。まずは泉も彼女に劣らんような実力をつけてからやな…」
泉「実力なら自信ありますよ!何たって私はこの名門千里山の1年生レギュラーなんですから!!」どやあ
怜「その自信はどこから来るんや…」
竜華「うちの学校て案外選手層薄かってんな…」
泉「でも私不思議に思っとったんです」
浩子「何がや?」
泉「そんな凄い選手なのに、麻雀雑誌のインタビューなんかで全然見かけないんですよ」
竜華「そういや確かに見かけんなぁ、彼女の記事」
怜「何かインタビューを避けてる理由でもあるんかな」
泉「そこで私は考えたんですよ!きっと奴が雑誌に載らない理由は…」
セーラ「…理由は?」
泉「性格が思いっきり捻じ曲がっとるからに違いありません!!」
竜華怜セーラ浩子「「「「は!?」」」」
名門校の1年レギュラーつったらめっちゃ強いはずやけどな
泉「きっとこうですよ!!」
咲「私の実力からして高校100年生だしー!!」
咲「この程度の相手、調整にもならない」
咲「この私にインタビュー!?10年早いし!!出直してきな!!」
泉「てな感じで宮永咲はふんぞり返りながらインタビューを拒否してるんですよ!!」
怜「ないわ」
泉「とにかく!!宮永をギャフンと言わせられるのはこの私しかいないんです!!」
セーラ「あ~はいはい。もうそういうことにしといたるから」
怜「てか病室であんまり騒がんといてえな。いちおう私病人やねんで」
浩子「…それで?泉はその自称ライバルをどないしたいん?」
泉「もちろん対戦して打ち負かしますわ!!」
竜華「いや私らもう団体戦敗退しとるやろ…」
セーラ「明日の決勝に出るんは白糸台と阿知賀やしな…」
浩子「それ以前に大将の宮永咲は泉とは直接当たらんし」
泉「インハイは終わってもすぐに秋季大会があります!何より来年以降この私の前に立ちふさがる壁となる存在なんです!!」
セーラ「お、おう」
泉「そういうわけで宮永咲の弱点を探るために、ちょっと会場まで偵察に行ってきますわ!!」
怜「…は!?」
泉「ほな、先輩方また後で!!」ダッ
竜華「ち、ちょっと泉!?…アカン、行ってもうたわ…」
浩子「まあ私ら個人戦まで暇ですし、泉の好きなようにさせときましょう」
セーラ「でもあいつ、宮永咲に何ぞ迷惑かけんか心配やなぁ…」
会場内
泉「ええと清澄の控え室は…こっちやな」
泉「お、誰か出てきた」コソッ
咲「」ガチャ
泉「!!」
泉(あ、あの触覚にあのオーラ…)
泉(奴が…奴が私の宿命のライバル…宮永咲!!)
咲「…」テクテク
泉(分かる、私には分かるで!!奴の周りに禍々しいオーラが漂ってるのが!!)
泉(あの暗黒のオーラで周りを萎縮させとるんやな。ほんま恐ろしい奴やで!!)
同期には負けないって能力があれば高1最強になれる
泉と咲なんてズシとゴンさんくらい違うだろ
咲「…わわっ!?」コケッ
泉「!?」
咲「」ズベシャアアアアアアア!!
泉(顔から床にダイブした…)
咲「ううっ痛い…」グスッ
咲「でも誰もいなくて良かった。早く起きなきゃ」ヨロッ
咲「…はぁ。私って何でこんなにドジなんだろ…」ドヨーン
泉(……)
泉「ここで会うたが百年目や宮永!」
咲「誰でしたっけ?」
泉「」
しっくり
無意味にこける咲さん可愛い
だだだだっ
咲「…ん?何だか向こうから足音が…」
記者A「おい清澄の控え室はこっちで良かったよな?」ダダッ
記者B「ああ間違いない。原村和の独占インタビューはウチが頂きだ!!」ダダッ
どんっ
咲「きゃっ!?」
記者A「ああ君ごめんよ、急いでたもので」
咲「い、いえ大丈夫です」
記者B「おい急ぐぞ!!」ダダッ
記者A「ああ!!待ってろよ巨乳美少女~」ダダッ
咲「はぁ、相変わらず和ちゃんは人気だなぁ」
咲「美人だしスタイル抜群だし、頭も良いし優しいし…」
咲「うん、私の自慢の友達だよ!!」エヘヘ
泉(……)
咲「っと、早いとこおトイレ行って控え室に戻らないと…でもおトイレの場所…どっちだっけ?」
モブA「それでさあ…」テクテク
モブB「へ~そうなんだ」テクテク
咲「(あ、あの人たちに聞いてみよう)あ、あのっ、すみません…」
モブA「ん?……ひっ!!」
モブB「清澄の白い悪魔!!」
咲「…えっ?」
モブA「お、お許しください魔王様…」カタカタ
モブB「逃げろ!!雀力を奪われるぞ!!」ダダッ
モブA「ひいいっ、お助けをーっ!!」ダダッ
咲「」ポカーン
咲「…魔王って私のこと…?」
咲「…」ショボン…
泉(……)
実際にライバル視してるのはのどっちの方だよね泉
咲「…気を取り直して、おトイレ探そう…」
照「…」テクテク
咲「…えっ!?お、お姉ちゃん!?」
咲(どど、どうしよう!!まさかこんな所でばったり会っちゃうなんて…)アセッ
照「…」
咲「あ、あのお姉ちゃん…」
照「…私に妹はいないと言ったはず」
咲「…っ!!で、でも私、お姉ちゃんとどうしても仲直りしたくて…」
照「お前はもう私の妹なんかじゃない」
咲「そ、そんな…」ウルッ
照「今後一切話しかけないで」クルッ
咲「あ…」
照「…」テクテク
咲「…お姉ちゃん…」グスッ
泉(……)
泉咲…だと…?
咲「やっぱり無理だったのかな…お姉ちゃんと仲直りしてまた家族みんなで暮らすなんて…」
咲「せっかく全国にまで来たのに、全部無駄になっちゃったのかな…」
咲「…控え室に戻ろう…」
咲「ただいま帰りました…」ガチャッ
まこ「おう、遅かったな咲」
和「何だか元気ありませんね、どうかしましたか?」
咲「…ううん、何でもないよ…」
久「あ、そういえば咲。あなたに届け物があるんだけど…」
咲「…えっ?」
久「はい、これ」
咲「…これは…紫のバラと手紙?」
咲「部長、これは一体誰からなんですか?」
久「それが私にも分からないの。控え室のドアの前に置いてあったのよ」
優希「それで手紙には何て書いてあるんだじぇ?」
咲「え、ええと…」
宮永咲様
あなたの活躍を影から見守っています
これからも頑張ってください
あなたのファンより
咲「これは…」
まこ「差し出し人の名前は書いてないようじゃな」
久「それにしても咲のファンだなんて見る目あるわね」
和「この紫のバラの造花も綺麗ですよね」
咲(…こんな私なんかを見て応援してくれている人がいる…)ジーン
咲「部長、みんな!!私、もっと頑張りますね!!」
優希「おおっ咲ちゃんがやる気に!!」
久「その意気よ咲!!」
わいわい
怜「…で?」
竜華「帰ってきたと思ったら急にバラの造花なんて作り始めて何がしたいんや泉は?」
泉(私は気づいた、宮永咲の弱点を…)セッセセッセ
泉(それは……すなわち自信!!)セッセセッセ
泉(あいつはとにかく気弱すぎるんや。最強の1年たるもの、もっと堂々としてなイカン!!)
泉(そのためにはこの私があいつの自信をつけたる!!あないな弱っちいライバルはもどかしいんや!!)
泉(そしていつか…自信と風格を身につけたあいつと肩を並べたるで!!)
浩子「何か知らんが泉が燃えとる…」
泉「あ、先輩方。お暇でしたら造花つくるの手伝ってください」セッセセッセ
怜「何でウチが…」セッセセッセ
セーラ「俺こういうの苦手やねんけどなぁ…」セッセセッセ
竜華「そういや宮永咲はどないしたんやろ?」セッセセッセ
泉可愛い支援
意外に良い組み合わせ
決勝戦当日
久「さあ、いよいよ決勝の日ね!!」
まこ「優勝まであともうちょっとじゃな」
優希「うおおおお!!燃えるじぇえええええええ!!」
和「あ、咲さん。また届いてますよ。紫のバラ」
咲「ありがとう和ちゃん」
咲(紫のバラの人…今日もこの会場のどこかで見守ってくれてるんですね…)
観覧席
泉「さあ宮永!!思いっきり暴れたれ!!」
セーラ「おい泉…」
竜華「何やその『ファイト一発☆宮永咲』って痛々しいハチマキは…」
泉「あ、先輩方の分もちゃんとありますよ。安心してください」
セーラ「んなもん恥ずかしくてつけれるかい!!」
泉アホかわ
――――
浩子「いよいよ大将戦ですね」
セーラ「さすがにドキドキするな」
泉「うおおおおおおおおおおお!!宮永ああああああああああああ!!」
怜「うっさいなぁもう」
竜華「てかこの子、すっかり宮永さんのファンやね」
泉(宮永、あんたならやれる。この私が応援しとるんやからな)
泉(周りを圧倒するその打ち筋で記者達もあんたの姉もギャフンと言わせたれ)
泉(そして必ず頂点を掴み取るんや!!)
アナウンサー「さあいよいよ大将戦、開始です!!」
咲(見ていてください紫のバラの人…私、頑張ります!!)
泉(頑張れ、宮永!!)
カン!
え…?
泉が紫のバラの人だとバレるシーンはよはよ
泉の応援が咲さんに届くと信じて!
ご愛読ありがとうございました!
乙
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