僕「このやりとりも毎朝の恒例行事みたいなもんだし」

兎娘「でもほんとにさみしいんです…よ？」

僕「まあとにかく行ってくるよ」

兎娘「いってらっしゃーい」

ヤンデレ処女ビッチな兎娘ですねわかります

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TV「今日はバレンタインに手軽にできる手作りチョコレートの作り方を特集します」

兎娘「ばれん…たいん…？」

TV「愛しのあの人に想いを伝えるチャンスかも!?」

兎娘「いとし…？」

TV「まず用意する物は——」

兎娘「あ、めもめも！」

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TV「——以上がチョコレートの作り方でした」

兎娘「ふむふむ…ごしゅじんさまにちょこを…」

兎娘「でも…ふつうじゃだめです…おりじなる？」

兎娘「そうだ…あのからだがぽかぽかするのを…」

—夕方

僕「ただいまー」

兎娘「おかえりなさいー」

僕「いい子にしてたみたいだね、偉いよ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

兎娘「えへへ…ちょっとはずかしいです…///」

僕「いいのいいの。外国じゃ知らないけど
　　子供は頭を撫でられるのが仕事みたいなものなんだから」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

兎娘「しあわせです…」

僕「こんなもんかな。待っててねご飯作るから」

兎娘「ごはんはなんですか？」

僕「お昼のお弁当に作ったおかずの余りがあったかな」

兎娘「あ、きょうのおべんとうもおいしかったです！」

僕「そりゃよかった。ごめんね、仕事があるからお昼を作れなくて…」

兎娘「い、いやそーゆーわけじゃ…」

僕「また休みが取れそうな日は一緒に食べようね」

兎娘「はいっ！」

—食後

TV「続いてのニュースは——」

僕「最近、物騒だね」

兎娘「ぶっそう？」

僕「危ないってことかな」

兎娘「なるほど…」

僕「そういえばもうじきバレンタインだね、僕には縁が遠いけど」

兎娘（ばれんたいん…！）

僕「どうしたの？」

兎娘「ごしゅじんさま」

僕「何？」

兎娘「おかかがほしいです」

僕「おかか？おにぎりの具材とかの？」

兎娘「あ、まちがえた…かかおでした」

僕「カカオ？一体何に…ってひとつしかないか」

兎娘「かかおからつくるのがりゅーこーらしいです」

僕「テレビでやってたの？」

兎娘「そうです。てがるにできるちょｋ——って…」

兎娘「ちがいます！ちがうんです！」

僕「何が違うの？」

兎娘「ちょこをつくることはないしょなんです！さぶだいずなんです！」

僕（サブ大豆!?予備の大豆!?）

僕（とりあえず…聞かなかったことにしたほうがいい…のかな？）

兎娘大丈夫かな…湯煎を間違えなければいいけど(ﾁﾗｯ、ﾁﾗｯ

僕「え、えーと……ごめん何言ったかわからなかった…」

兎娘「ほ、ほんとですかっ？」

僕「うん。それでカカオだったっけ？」

兎娘「そうです。かかおからつくるんです」

僕「カカオは手に入るけど…少し時間がかかるね」

兎娘「じかんが…ですか？」

僕「チョコレートを渡すのはいつ？」

兎娘「にがつじゅう……う？」

僕「二月十四日だね」

兎娘「そ、そうです。じゅうよんでした」

僕「じゃあ問題。今は何日？」

兎娘「じ、じゅう………に？」

僕「そう。十二日の夜。つまり？」

兎娘「あ…ま、まにあわない…？」

僕「そういうこと」

兎娘「………ひぐっ…」

僕「ああ！泣かないで！他にも方法はあるから！」

兎娘「……ほ…ほんと…ですか…？」

僕「市販のチョコレートを買ってきて、溶かして固めてデコレーションすればいいから！」

僕「そしたら自分だけの心のこもった物が出来上がるから！」

兎娘「こころの…こもった？」

僕「そうそう！」

兎娘「…ごしゅじんにつたわりますか？」

僕「（隠す気ないなコレ）もちろん。僕だけじゃなくて他の人にもね」

兎娘「……ごしゅじんにだけでいいんです」

僕（なんか怖い）

僕「とりあえず納得した？」

兎娘「……」ｺｸ

僕「じゃあそろそろ寝ようか」

—寝室

僕「いやーまだまだ寒いね」

兎娘「そ、そそそそうですね」

僕「どうしたの？」

兎娘「ななななななんできょきょきょうはいっしょのおふとんなんですかっ！？」

僕「昨日気づいたんだけど、すっごく暖かいから」

兎娘「そそそそそうですかか？」

僕「調べてみたらウサギの体温って38.6℃から40℃くらいなんだってさ。
　　抱いて寝るにはちょっと暑いかと思ったけど冬なら問題ないね」

兎娘「こっちのもんだいは？！」

僕「しーらない。嫌ならやめる？」

兎娘「う…やめないでください…」

僕「それでよろしい」

兎娘「…いつもごしゅじんはかってです」

僕「そうかな？」

兎娘「か、かってなんです」

僕「じゃあ今度から気を付けるよ」

兎娘「きのうもそういってました」

僕「…ちょっと待ってね…もう少しだから…」

兎娘「もうすこし？なんのことですか、ごしゅじんさま？」

僕「ｚｚＺ…」

兎娘「はわっ！？」

兎娘「うぅぅ…！おこすわけには…！」

—朝

ピピピピ…

僕「…うるさい……兎…止めて…」

僕「——あれ？」

兎娘「……ぅにゅ…」

僕「…僕が止めるか」

カチッピッ

僕「おーい」ﾕｻﾕｻ

兎娘「……ふぇ…？」

僕「朝だよー」

兎娘「いまなんじ…」

僕「読めるかな？」

兎娘「…わかんないです」

僕「僕は朝ご飯を作るからゆっくり起きてね。それと今日、明日はお休みだから」

兎娘「お、おやすみ…？」

僕「ま、あとでもう一度話すよ」

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兎娘「ふわぁぁぁ…」

僕「あれ、寝不足？」

兎娘「…だれのせいですか」

僕「不眠症かな？だったら誰のせいとかはない…
　　あ、でもそれに気付かなかった僕のせいってことにもなるかなー」

兎娘「ご、ごしゅじんのせいです」

僕「うーん…不眠症にはどうすればいいんだっけ？」

兎娘「そーじゃなくて！ごしゅじんにだかれてたのがげんいんなんです！！」

僕「ちょっ！？それは誤解を生むから！」

兎娘「で、でもそれのせいです！」

僕「わかったから少し声を小さくして、近所から浮くから」

兎娘「…わかりました」

僕「よし。——で、僕が原因だって？一晩中抱きついていただけじゃん」

兎娘「そ、それいがいになにがあるんですか？」

僕「うーん…でもそれが原因なら…困ったな」

兎娘「な、なにがですか？」

僕「いやー今日の夜は寒いなーって」

兎娘「あ、で、でも！」

僕「？」

兎娘「きょ、きょうはねんえきがついて…へ、へーき…かも…」

僕「それはまさか免疫のこと？生々しい間違いしないでよ」

兎娘「あり？『め』でしたっけ」

僕「そうだよ。——それにしても」

兎娘「な、なんですか？」

僕「キミはどこから来たのかなーと思って」

兎娘「え、えと…その……それは…」

僕「そう。覚えていない。それが不思議なんだよ」

兎娘「ふしぎ？」

僕「なんていうのかな…僕が見つける前に誰かが見つけていないと
　　おかしいというか…そもそも食事はどうしていたのかとか…」

兎娘「？？？」

僕「まあでも、兎娘が来てくれたおかげで毎日楽しいけどね」

兎娘「ごしゅじんがたのしならなによりです」

僕「耳と尻尾が可愛いし、暖かいし」

兎娘「えへへ…」

僕「…ちょっと気弱だけど」

兎娘「そ、それはいっちゃだめです」

僕「いや事実だし」

兎娘「めっ！」

僕「…わかったよ。たぶん今日はもう言わない」

兎娘「きょうは？」

僕「妙なとこが鋭いな…明日は言うってことかな」

兎娘「むぅ…あしたもめっ！」

僕「じゃあ——」

兎娘「あ。あさっても！」

僕「だったら——」

兎娘「え、えと…あさってのあしただから…」

僕（明々後日）

兎娘「…ぇと……あしたのあさってもだめ…です？」

僕「はいはい」

兎娘「ほ、ほんとにですよ？やくそうですよ？」

僕「約束ね。そろそろ買い物に行ってくるよ」

兎娘「おともしますっ！」ﾋﾟｮﾝ

僕「いや、留守番だよ？」

兎娘「え…」

僕「耳の隠し方がね…種類にもよるんだろうけどキミのは長いから」

兎娘「あぅぅ…」

僕「ま、近くにある店だしすぐ帰ってくるよ」

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僕「ただいまー」

兎娘「お、おかえりなさいっ！」

僕「いやーなんか凄い混んでたよ。オイルショックみたいにさ」

兎娘「おいる？」

僕「教科書で見たことがあるだけだけど、人が波のように押し寄せていたってこと」

兎娘「なんかたのしそうです」

僕「どうかな…。まあとにかくチョコレートを作ろうか」

兎娘「い、いよいよですね」

僕「まずはチョコレートを細かく刻む。これは危ないから僕がやっておいたよ」

兎娘「あ、ありがとうございました？」

僕「『ます』でいいと思うよ。次に湯煎でチョコレートを溶かします」

僕「まずは鍋に水を汲む」

兎娘「は、はい！」

僕「その鍋の中に刻んだチョコを入れたボウルを浮かべる」

兎娘「ぼーる…ぼーる……」

僕「あ、戸棚に入ってる」

兎娘「ぼうるおきました！」

僕「ゆっくりと火にかけます。この時、全体に熱が通るようにヘラとか杓子とかでまぜながらね」

兎娘「や、やってみせます！」

僕「温度を測りながら45℃〜50℃くらいを保ちます。これは僕の方でやるから兎娘は混ぜててね」

兎娘「ふむふむ…」

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僕「…よし、溶けたね。湯煎の次はテンパリングだ」

兎娘「てててててててんぱぱぱぱ」

僕「テンパるな。舌でも噛んだ？」

兎娘「…よこもじ？にがてです」

僕「苦手の範囲を超えてない？テンパリングは少し難しいけど、これが終われば楽だから」

兎娘「てぱりぐ？のせつめーおねがいします」

僕「まずはボウルを氷水につける。その後、かき混ぜながら27℃くらいまで冷やす」

兎娘「あわわ…たいへんそう……」

僕「いや結構簡単だよ」

兎娘「そ、そうですか…」

僕「はいはい、がんばって」

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僕「良し！温度はOKだ。ここからだ」

兎娘「ど、どうすれば？」

僕「50℃くらいのお湯を用意しておいたからそこにチョコの入ったボウルをさっとつけてすぐ離す」

兎娘「ずっとはだめですか？」

僕「ずっとつけていると失敗するから目安は1〜2秒かな」

兎娘「むむ…さっと…ささっと……」

僕「要はそれを繰り返して30℃くらいまでまた温度を上げるってこと。それができたら型に流し込めばいい」

兎娘「ごしゅじんはものしりさんですね」

僕「このくらいなら誰でも知っているよ」

兎娘「あ、でこれーしょん？はいつやるんですか？」

僕「うーん…中に入れるなら型に流し込む時…単に飾るだけなら固めた後でも良いかな」

兎娘「なるほどなるほど…」

僕「デコレーションが終わったらこの型に入れて、冷蔵庫に入れるだけ。一時間も待てば完成するよ」

僕「後は簡単だからは任せるよ。どんなチョコが出来るか楽しみだよ」

兎娘「ふっふっふ…おたのしみですっ！」

ガチャ　バタン

兎娘「…ふふふ……いれるあれはもうみつけました…！」

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僕「——ああ、もしもし？」

『もしもし。何か御用でしょうか？』

僕「いやーわかりやすいレシピを送ってくれたお礼かな」

『いえいえ、あのくらいであればいつでもどうぞ』

僕「で…そのことで聞きたいんだけど」

『何でしょうか？』

僕「いや…僕、チョコレート苦手なんだよね」

『はい？』

僕「いやわかるよ？作らせておいてそれはないんじゃないかとか、
　　乗り気だったろ？とかあると思うけどさ」

『いえ…まさかチョコレートが苦手な人が居るとは思いませんでした。今から何かおとどけしましょうか？』

僕「届けるって何を？」

『チョコレートそっくりの他のお菓子とかですかね』

僕「形が違うんじゃない？」

『私を見縊ってもらっては困ります。それはどうとでもなります。…が絶対にやりませんがね』

僕「なにそれ。言いだしっぺはそっちじゃなかった？」

『兎娘様が一生懸命作ったものですよ？それを粗末にするなど到底できません』

僕「…それもそうだね」

『それにアレルギーなどではありませんよね？腹を括りましょう』

僕「わかった。愚痴を聞いてくれてありがとうね」

『礼を言うなら一番の功労者の兎娘様に言ってあげてください』

僕「あいかわらず謙虚だね」

『私の取り柄ですよ。それで…交流会の計画についてですが…』

僕「あーそれか。猫娘ちゃん犬娘ちゃんとの交流会だっけ？」

『そうです。新しい友達が増えてくれるほど喜ばしいことはありません』

僕「仕事が忙しいから僕は行けそうにないけどね」

『その日を休みにすることくらい容易いですよ』

僕「え、本当？」

『私には奇妙な繋がりがあるのですよ』

僕「そりゃありがたい。じゃあ日取りはそっちで都合の良いように決めてくれる？」

『畏まりました。ではまた今度…』

僕「じゃあね」

僕（明日は胃もたれかな。……動けなくなるくらいの）

更新来てたか！

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女「どこに電話していたんだい？」

執事「僕。と言えばおわかりになるかと」

女「ああ…兎娘ちゃんか、中々可愛い子だね」

執事「やはり出自は不明…ますます謎が深まりました」

女「共通点はやっぱり神社かな？あとでまた調査しておこう。で次の娘は？」

執事「ただ今、狼を」

女「狼か…くれぐれも噛まれないように注意してくれよ？」

執事「ええ、もちろんです。しかし…」

女「しかし…なんだい？」

執事「狼との繋がりがありません」

女「…それは弱ったな……」

執事「むしろ今までの運が良かったのかと」

女「…執事」

執事「追跡ですか？」

女「いや、そうじゃない。ボクらしくないけど狼からは手を引こう」

執事「どうかなさいましたか？」

女「一つに拘るよりも確実にってことさ。熊を狙おう」

執事「畏まりました」

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僕「さて、兎娘の様子はどうかな？」

僕「一応、ドアを開けずに…」

僕＜兎娘ー？終わったー？

兎娘＜お、おわりましたー！

僕（じゃあいいか）ｶﾞﾁｬ

僕（…ん？この匂いは…？）

兎娘「ごしゅじん。いちじかんってどのくらいですか？」

僕「えーと…。昼寝くらいの時間かな？」

兎娘「おひるねくらいですか…」

僕「それに明日が14日だよ？今日は大人しくしてて」

兎娘「…う〜」

僕「そう言われても…」

兎娘「むぅ…」ﾑｽｯ

僕「…じゃあこうしよう。僕の次の休みにどこでも好きな所へ連れて行くよ」

兎娘「す、すきなところ…？」

僕「テレビでやっていたところでも、どこでもいいさ」

兎娘「…うーん……」

僕「ま、ゆっくり考えてくれればいいよ」

兎娘「むむ…」

僕（あ、そうだ。胃薬を…効くと良いけど）

力尽きるの早いぞ
待ってるから頑張れ

—翌日

兎娘「ごしゅじん！あさですよー」

僕「…うるさいなぁ……折角の休みなのに…」

兎娘「じ、じかんはまてませんよー？」

僕「…大体、兎娘は朝だけが一番元気なんだよなぁ…」

兎娘「そ、それはいいじゃないですか…」

僕「あー眠い……」

兎娘「ごしゅじんはていけっとう？ですか？」

僕「いやー？ただ朝が弱いだけ…」

兎娘「あさごはんでめざましですよー？」

僕「…何か食べたいものある？」

兎娘「えっと…お、おにぎり？」

僕「おお。まさかの答え」

兎娘「りゅーこーらしいですよ？」

僕（その情報はどこから来るんだろう…）

あげ

あげ

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僕「——ああ、ほら。ご飯粒が付いてるじゃないか」

兎娘「ふえ？」

僕「ほっぺたに付いてる——よし、取れた」

兎娘「…いつのまにやらついてます」

僕「いや、自己完結されても…」

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僕「さて、ご飯も食べ終わったし…」

兎娘「ち、ちよこですかっ！」

僕「ちよこって誰だ」

兎娘「すすす、すぐとってきます！」

僕（ほんと隠す気ないよなぁ…）

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僕「——さて、これか…」

兎娘「ど、どうぞ！」

僕「…いただきます」ﾊﾟｸｯ

兎娘「ど、どうですか…？」

あげ