宥「臆病な私と頼れる後輩」 (115)

<阿知賀女子学院 麻雀部部室>

穏乃「宥さん!明日みんなで桜子たちと遊ぼうと思うんですけど、一緒にどうですか?」

宥「あ……えっと……」

宥(桜子ちゃんって確か……阿知賀こども麻雀クラブの子だっけ?)

宥(玄ちゃんから聞いたことはあるけど……お話したことないし……)

穏乃「宥さん?せっかくですから行きましょうよ!ね?」ズズイ!

宥「ええっと……」

玄「し、穏乃ちゃん。迫りすぎだよぉ」

穏乃「あ、あはは……つい…」

玄「おねーちゃん、無理なら無理って言って大丈夫だからね?」

宥「う、うん……穏乃ちゃん、ごめんね。私はちょっと……」

穏乃「あ~……そうですか……じゃあまた今度誘いますね!」

宥「う、うん。ありがとう……」

穏乃・玄「」ワイワイ...

宥「…………」

宥「……はぁ……」

宥(またやっちゃった……)

宥(せっかく穏乃ちゃんが誘ってくれたのに……)

宥(……………)

宥(私、本当に臆病だよね……)

宥(桜子ちゃんと全然話したことないっていうのもあるけど、阿知賀こども麻雀クラブの話になった時に話題についていけなくなるのが怖い……)

宥(みんなが楽しんでる中で孤立するくらいなら……最初から1人でいた方がいいって……そう思っちゃう)

宥「…………」

宥(私も玄ちゃんと一緒にこども麻雀クラブに参加していれば……こんな気持ちにならなかったのに……私、ダメだなぁ……)ハァ..

ガチャ

憧「~♪」

穏乃「お!憧、機嫌いいね。スッキリした?」

憧「あんたねぇ……トイレ帰りの女子に言うセリフじゃないでしょ」

穏乃「それもそっか。あはは」

憧「ったく……しずも宥姉みたいにおしとやかになりなよ。ねえ?」

宥「…………」

憧「……宥姉?」

宥「えっ?な、何?」

憧「…………なんでもない……」

宥「そうなんだ……」

憧「…………」

ガチャ

晴絵「おーっす。部活始めるよ~!」

穏乃「あれ?灼さんがまだですけど……」

晴絵「灼は部長会議が長引いてるから先に始める」

穏乃「部長会議……初耳」

玄「え?昨日言ってたよ?」

穏乃「ま、マジですか?」

憧「しず~、しっかりしなよ?来年は上級生になるんだから。宥姉からも言ってあげてよ」

宥「…………」

憧「…………おーい」

宥「…………えっ?あ、うん。何?」

憧「…………なーんにも」

宥「あ……」

宥(きっと憧ちゃんが話しかけてくれてたんだ……なのに私、ボーっとして………はぁ…).

憧「…………」

翌日

<松実館>

玄「いってきまーす!」

宥「いってらっしゃい……」フルフル..

宥「………………はぁ」

宥(今日はどうしようかな?うーん……特にやることないし、とりあえずテレビを観よう)ピッ..

宥「………………」

宥「………………」

――――

宥「…………」ピッ

宥(あまり面白くない……)

宥「………………」

宥(やっぱり玄ちゃんたちと遊んでいれば…………でも、みんなはこども麻雀クラブの思い出があるけど、私にはないし……)

宥「………………」ハァー..

ピンポーン

宥(お客さんか……私には関係ないよね)

宥「…………」ボーッ..

女将「宥ちゃーん?新子さんが来てくれてるわよ~!」

宥「えっ?」

宥(憧ちゃんが?穏乃ちゃんが憧ちゃんを誘わないわけないから、一緒に遊びに行ってると思ってたけど……)

憧「おっはよ」

宥「憧ちゃん……」

憧「女将さんに上げてもらっちゃった」

宥「きょ、今日はどうしたの?玄ちゃんたちと遊びに行ってたんじゃ……?」

憧「ん?ああ、誘われたけどパスした」

宥「パス?」

憧「そ。桜子たちには悪いけど、気になることがあったからそっち優先」

宥「気になること?」

憧「うん」

宥「……あの……気になることって何か聞いてもいい?」

憧「いや、聞いてもいいっていうか、宥姉のことだから」

宥「…………ええっ!?」

憧「そんなに驚くことかな?」

宥「だ、だって……意味がわからないから……」

憧「そう?あたしはただ、宥姉が最近悩んでるんじゃないかって思ったんだけど」

宥「…………べ、別に悩んでないよ?」

憧「……宥姉さ、自分が嘘つけない性格って気付いてる?」

宥「え?」

憧「眉毛をこーんな八の字にしておいて、悩んでないって言われても信じられないっての」クス

宥「あぅ……」

憧「ほらほら、教えてよ」

宥「…………」

宥(……憧ちゃん、私よりしっかりしてるし、話してみようかな……)

宥「あ、あのね……―――」

宥「――……で、私は臆病だなって、落ち込んでたの」

憧「ふむ」

宥「…………」

憧「…………」

宥「ごっ、ごめんね?変なこと言っちゃって」

憧「え?いや、変なんて思ってないよ。ただ、宥姉はそういう風に考えるんだなーって思っただけ」

宥「そう……」ホッ

憧「…………じゃあ行こうか」

宥「えっ?」

憧「早く準備して」

宥「あの……どこに行くの?穏乃ちゃんたちのところ?」

支援

しうぇん

憧「ううん、買い物」

宥「え?」

憧「秋物の服を見て回りたくてさ。付き合ってよ」

宥(……お洋服かぁ……冬物以外はあんまり見に行かないんだけど……)

憧「宥姉……いくら寒がりだからって、冬物以外は興味なしなんて女子としてヤバいよ?」

宥「うう……」

憧「見て回るだけでも結構楽しいし、行こう?ずっとこたつに入ってたら体鈍るよ?」

宥「そ、そうだけど……」

憧「ほら、行こっ!」グイッ

宥「わわ……引っ張らないで~」アワワワ..

有りだな

<繁華街>

憧「さて、どこから回ろうかな~?」

宥(憧ちゃん楽しそう……ショッピングが大好きなんだね)クスッ

憧「宥姉はどのショップがいいとかってある?」

宥「え?ううん、私は憧ちゃんが行きたいお店についていくよ」

憧「いやいや、今日の主役は宥姉だから」

宥「えっ?」

憧「あたしはちょっと前に色々買っちゃってお金ないし。だから宥姉が行きたいとこ回ろう」

宥「でもでも……私、あんまり買い物しないからよくわからない……」

憧「そうなの?だったらいい機会じゃん。今日は冒険しようよ」ニコリ

宥「ぼ、冒険……?」

憧「そ。普段着ないの着てみるとか。まぁ、いきなりは難しいかもだから、まずはあたしの好きなショップに行こう。途中で寄りたいところがあったら言ってね」

宥「う、うん」

憧「それじゃ、レッツゴー!はい!」

宥「ご、ご~……――――」

憧「――――あ~……やっぱここの服いいなー!でもお金ないし……我慢我慢」

宥「ヒラヒラしたお洋服が多いね」

憧「可愛くない?ほら、これとかどう?」

宥「玄ちゃんが着たら似合いそう」

憧「んー……確かに玄に似合うと思うけど……宥姉は?宥姉が着ても似合うと思うなぁ」

宥「……さむそう……」ブルッ

憧「やっぱそうなるか。でも物は試しってことで、試着してみよう!」

宥「ええっ!」

憧「ほらほら。入った入った」グイグイ..シャーッ..

<試着室>

宥「ぅわわ」

憧「まずはこれね」ハイ

宥「う、うん……」

宥(わぁ……すっごく薄いよぉ……でもせっかく憧ちゃんが似合うって言ってくれたし、着てみよう)シャー..

モゾモゾ..

宥(うぅ……さむいよう)ブルブル..

憧「どう?着終わったら教えてね」

宥「よいしょ…………着終わったよ」

憧「お、どれどれ」シャー..

宥「…………」ガタガタガタガタ..

憧「…………」

宥「ど、どど……どう……かか……かな?」ガタガタガタガタ..

憧「……ごめん。宥姉にとって薄着は命がけなんだね」

宥「う、うん……」

憧「はぁー……残念。すっごく似合ってて可愛いのに」

宥「えっ」ドキ

憧「でも風邪引いたら大変だし、すぐ元の服に着替えてね」

宥「う、うん……」

宥(可愛いなんて初めて言われたよぉ……『モッサリしてる』とか『夏なのにマフラーして変』とかはよく言われたけど……)ドキドキ

憧「っていうか手伝ってあげる。その服ボタン多いし」

宥「えっ!?それは……」

憧「よっと」シャー..

宥(憧ちゃんが入ってきちゃった……)

憧「あたしは下からボタン外すね」

宥「うん……//」

宥(憧ちゃんの前で脱ぐの、なんか恥ずかしい……)

憧「……宥姉、ホント胸大きいね」

宥「はぅ……//」

憧「脱がせ甲斐あるっていうか……えい」ムニ

宥「ひゃあっ!」

憧「ごめんごめん、つい手が出ちゃった」

宥「あ、憧ちゃぁん……//」

憧「あはは。顔真っ赤。これで少しは寒さが紛れたかな?」

宥「え……」

宥(確かに……さっきまで寒くてしょうがなかったけど、今はあったかくなって……)

憧「はい、宥姉の服。ささっと着替えちゃおう」

宥「う、うん」

アコチャーまじアコチャー

しえ

<繁華街>

憧「それにしても、宥姉はスタイル良くて羨ましいな~」

宥「そ、そんなことないよ。太ってるとか言われるもん」

憧「それはやっかみでしょ?あと厚着。誰だって重ね着したら太く見えるって」

宥「そう……かな」

憧「うん。もし宥姉があたしの恋人なら、自慢しまくるぐらいナイスバディだもん」

宥「え……こ、恋人?」

憧「さっき試着室で密着した時のあの感触……マジでヤバいって!」ニヤリ

宥「う……//」

宥(胸……触られちゃったんだよね……恥ずかしい……//)

憧「あーあ!宥姉の恋人になる人が羨ましい」

宥「…………」

宥(恋人かぁ………私にもいつか恋人が出来るのかな?)

宥(そしたらきっと……さっきみたいにピッタリ密着してお洋服を脱がされて……胸を触られちゃうんだよね……その時に、憧ちゃんの甘い香りが漂って……)

宥「っ!?」

宥(わ、私何を考えてるのぉ!?さっき憧ちゃんに触られたからって、恋人としてイメージするなんて……憧ちゃんは可愛いし、恋人になろうって言われたら嬉しいけど……///)ドキドキ..

憧「お、この組み合わせいい。っていうかマネキンのスタイル良すぎ。こんな風に着こなせないってーの」

宥「?」チラ..

宥「あ……」

宥(ショーウィンドウに私たちが映ってる……可愛くてオシャレな憧ちゃんと…………厚着で浮いてる私……)

宥「…………」

宥(何を浮かれてたんだろう……憧ちゃんは優しいから褒めてくれたけど、私なんて憧ちゃんと一緒にいるだけでアンバランスだ……)

憧「まーた何か考えてる」

宥「ぇ?…………わぁ!」

宥(憧ちゃんの顔が目の前に!……じーっと見られてるよ~)

憧「悲しそうな顔して……今度は何?」

宥「……憧ちゃんはオシャレだなって」

憧「そう。で?」

宥「…………私は厚着で変……」

憧「うん、確かに浮いてはいるよね」

宥「や、やっぱり」ガーン..

憧「ん?でもそれが宥姉じゃん。変ではないよ?」

宥「えっ?」

憧「寒がりなのはしょうがないし、夏でも厚着なのは事実。浮いてるのもそう。でも、それが何?」

宥「…………」

憧「むしろ個性じゃん?」

宥「個性……」

宥(初めて言われたよ……)

おしゃれな冬服も考えたら良さそう

ここをキャンプ地とする

憧「宥姉は気にしすぎっていうか、悪い方にばかり考えてるみたいだけど、メリットもあるよ?」

宥「え?」

憧「例えば厚着のメリット。遠くからでも宥姉が何処にいるかすぐわかる。だからいつでも宥姉を見つけられる」ニコリ

宥「あ……」ドキッ

憧「寒がりのメリット。寒くて震えてるのがチワワみたいですっごく可愛くて、庇護欲を刺激される。もうギューッて抱きしめたくなっちゃう」

宥「っ///」

憧「ね?いいこともあるでしょ?」

宥「う、うん……///」

宥(憧ちゃんが抱きしめてくれるなら……すっごく嬉しいかも)

しえ
http://i.imgur.com/Jt4Zr3E.jpg

夕方

憧「あー、楽しかった。そろそろ帰ろうか?」

宥「え?あ、うん。そうだね」

宥(もうこんな時間になってたんだ……憧ちゃんと遊ぶのが楽しくて気付かなかった……)

憧「……どうだった?」

宥「どうだった……って?」

憧「今日は楽しめた?」

宥「あ……もちろん!すっごく楽しかった!」

憧「よかった」フフッ

宥(あ……)キュン

憧「最近の宥姉、ネガティブ続きだったからさ。少しでも気分転換になったらって思ったけど、成功だね」

宥「え?ネガティブ続き?」

憧「……あれ?もしかして気付いてない?最近ずっと元気ないっていうか、落ち込んでた感じだったよ?」

宥「…………」

宥(確かにあんまり元気ではなかったけど……さっき憧ちゃんに聞いてもらった悩み以外に、特に落ち込む理由はなかった、と思う……)

憧宥と阿久悠は似てる

憧「あたしには宥姉の気持ちがなんとなくわかってさ。それで今日誘ったの。1人でいると悪い方にばかり考えちゃうしさ」

宥「そうだったんだ……でも私の気持ちって……?」

憧「……来年、卒業でしょ?」

宥「あ……」ドクン..

憧「みんなと離れることだったり、環境が変わることは不安だよね。阿太峯に行くって決めた時、あたしもすごく感じたから」

宥(そうだ……私、みんなと離れるのが嫌で……怖くて……考えないようにしてた……)

宥(でも……不安はずっと私の中にあった。憧ちゃんは……私の不安を見抜いてくれたんだ……)キュッ..

憧「……ま、留年するわけいかないし、気持ちを切り替えるのが大切だと思う」

宥「切り替えかぁ……」

憧「そう。離れるのが不安だったら、離れてもずっと繋がっていられる強い絆を作る、とか」

宥(絆………みんなとは麻雀部の仲間っていう繋がりがある。それ以上の繋がりというと……………恋人?)チラ

憧「ね?」ニコリ

宥「っ///」

宥(憧ちゃんと恋人なんて……そんな………でも………う、嬉しいかも……)

ゆねゆね

いいね!

憧「……とにかく、宥姉は誰かを頼ることを覚えるといいよ。落ち込んでたり悩んでるなら相談すればいい。年上だからって、年下を頼っちゃダメってわけじゃないからね?」

宥「う、うん……」

憧「あと宥姉はさ、基本的に受動的すぎ。自分から何かしようとしないし、あたしを遊びに誘ったこともない」

宥「そう、だよね……」

憧「そのくせ、強く迫られたら断れないでしょ?そういうのとか直した方がいいと思う。いや、今日の誘いに乗ってくれたのは嬉しいけど……ナンパ男に声掛けられて、断れずに20分も話してたこともあるっていうし…」

宥(あ、あれ?なんかだんだんお説教になってる?)

憧「宥姉みたいな大人しくて従順っぽいタイプは男子にとって格好の餌食になるよ?なんでもやってくれそう、なんて言ってるのもいたしさ!あー、ムカつく!」

宥(だけど……私のためを思ってくれてるのが…………嬉しい……)クスッ

憧「…………なんで笑ってるの?」

宥「え?ううん、なんでもない」

憧「……………えい」ムニョ(両手でほっぺをつまむ)

宥「ふぇ!?はにふるほ~?」

憧「えいえいえい」ニョニョニョ..

宥「ふわぁああ……」

憧「………おしまい」パッ

宥「あう……なんだったの~?」

憧「笑った罰。さ、帰ろ?」キュッ..

宥(あ……憧ちゃんが私の手を……///)

宥(…………あったかい。今まで感じたことのないあったかさ……繋いだ手だけじゃない。顔が……胸があったかい)

宥(これって……やっぱり………)

あ^~

翌日

<松実館>

玄「ふぁぁあ……」

宥「あ、玄ちゃん、おはよう」

玄「おはよう…………って、ええっ!?おねーちゃん!?いつもはもっと遅く起きるのに……どうして!?」

宥「え、ええとね、お弁当作ろうと思って」

玄「お弁当?」

宥「う、うん。私も来年大学に行くし、料理くらいは出来た方がいいなーって思ったの」

玄「…………おねーちゃんっ!!」ダキッ!

宥「わぁ!く、玄ちゃん?どうしたの?」

玄「おねーちゃんすごい!偉いよぉ!」

宥「ちょ、玄ちゃ……苦しいよぉ」

玄「おねーちゃぁあん!!」ギュー...

<阿知賀女子学院 廊下>

宥「…………」テクテク..

宥(き、来ちゃった……もう少し行ったら1年生の教室……憧ちゃんがいる)

宥(どうしよう……なんて切り出せばいいかな?)

宥(『お料理の練習したから、味見してくれないかな?』……ダメダメ。実験台みたいだもん)

宥(『憧ちゃんのためにお弁当作ったの。食べてくれる?』……わぁあ!なんか恋人みたい!でもまだ付き合ってるわけじゃないし……早い、よね)

宥(うぅ……どうしよう……なんて言えば……)

憧「こら~!」

宥「ひぃっ!」ドキンッ!

宥(いっけない!歩きながら考えてたから憧ちゃんの教室に着いちゃった!こ、こうなったら勢いで…………あ)

憧「勝手に食べるなぁ!」

穏乃「えっへへ!いいじゃんか~!ほら、たくあんあげるから」

憧「卵焼きとたくあんじゃ釣り合わないわよ!ウィンナーにして!」

宥「…………」

宥(憧ちゃん……穏乃ちゃんと隣同士でお弁当食べて……楽しそう……)

穏乃「いいからたくあん食べなよ。ほら、あーん」

憧「あむ……美味しい。って誤魔化されるか!」

穏乃「うわあ~♪」

宥「……憧ちゃんから離れてよ」ボソリ

宥「…………あ」ハッ!

宥(……私、今何を…………憧ちゃんと穏乃ちゃんが仲良しなのは知ってるのに……)

宥「…………」クルッ..テクテク..

宥(そうだよね……私より穏乃ちゃんの方が付き合い長いもん……私が作ったお弁当を一緒に食べるより、穏乃ちゃんと食べた方が楽しいよね……)グス..

宥「私……バカだ……」

宥(憧ちゃんに優しくしてもらったからって、憧ちゃんにとって私が特別な存在になったわけじゃないのに……舞い上がって……)

卵焼き←→たくあんトレードワロタ

ゆうねえ~

イイヨイイヨー

<松実館>

宥「…………ただいま」

女将「あら?今日は部活はお休み?」

宥「いえ……ちょっと体調が悪くて」

女将「えっ、大丈夫なの?病院行く?」

宥「大丈夫です。熱もありませんし、寝ていれば治りますから」

女将「……そう?辛かったらいつでも言うのよ?」

宥「はい。ありがとうございます」

宥(女将さん……ごめんなさい……嘘をついてしまって……)

宥(……ううん、女将さんだけじゃない。みんなにも嘘を……)グス..

宥(やっぱり私は……ダメな子だ……)

何気に結構絡みはあるイメージ
抱きついたりとかイラストとか
この二人好きだから嬉しい

<宥の部屋>

宥「…………」

宥(お弁当どうしよう……夕飯のあとは食べられないし、今のうちに食べちゃおうかな)

宥(そうしよう。女将さんにお願いして夕飯は少なめにしてもらえばいいし……)

宥(うん……それがいい)

ガサゴソ..

宥「…………」

宥(憧ちゃんが好きな花柄のお弁当包み……朝の私、浮かれてたなぁ……憧ちゃんが美味しいって言ってくれたらいいなー、なんて考えて……どうせなら包むやつも可愛いのにしようって……)グス..

コンコン

宥(……女将さんかな?)

憧「宥姉ー?」

宥「っ!?」

宥(な、な、なんで憧ちゃんがうちに!?あ、いけない!お弁当、しまわないと!)アワワワ

憧「開けるよ?」

宥「ま、待っ……」

ガチャ

宥「!」ササッ!(弁当を後ろ手に隠す)

憧「……何してるの?」

宥「え?……別に何も。それよりどうしてここに?今は部活の時間なのに……」

憧「宥姉が体調崩して帰ったって聞いて様子を見に来た。っていうか……宥姉、あからさまに怪しい。何を隠してるの?」

宥「う……」

憧「…………」スッ

宥(え?あ、憧ちゃんの顔がだんだん近づいて…………わ、このままじゃ……キスしちゃう!?)ドキドキ..

憧「よっと」スルッ

宥「ああっ!?お弁当が!」

憧「お弁当だったの?なんで隠すのよ?」

宥「それは……」

憧「ふむ。この柄……ひょっとして、あたしにくれるはずだった?」

宥「っ//」

憧「やっぱり?だったらどうして家に持ち帰るの?」

宥「だって…………憧ちゃんはいらないだろうと思ったから」

憧「なんで?」

宥「…………」

憧「……昨日も言ったでしょ?自分1人で考えないでってさ」

宥「…………」

憧「…………」

宥「……お昼休みに、渡そうと思ったの。でも憧ちゃんが穏乃ちゃんと楽しそうに食べてたから……」

憧「…………」

宥「なんか、すごく嫌になって……」

支援ぞ

宥姉~

憧「どうして……あたしとしずが楽しそうにご飯を食べてると嫌になるの?」

宥「……そ、それは……」

憧「…………ま、いいわ。お弁当、食べていい?」

宥「え?」

憧「もともとあたしにくれる予定だったんでしょ?」

宥「う、うん…………どうぞ」

憧「ありがと」

宥「…………」

憧「ぱくっ…………もぐもぐ……ぱく……もぐ……」

宥「あ……」ポロッ

宥(憧ちゃんが……私の作ったお弁当を食べてくれた……)

憧「…………ごちそうさまでした」

宥「う、うん」

あこちゃんいいこ

憧「…………」

宥「……あ、あの……どうだった?」

憧「うーん……美味しくなかった」

宥「っ!?」ガーン!

憧「不味くはないけど……分量が違うのか作り方が違うのか……美味しくはなかった」

宥「うぅ……ごめんなさい…」

憧「……だからさ」

宥「?」

憧「今度はもっと美味しいのを食べさせてね」

宥「……………え?」

憧「………ダメ?」

宥「ダメじゃないけど……美味しくないのに……いいの?」

憧「最初は誰だって下手で当たり前じゃん。それよりも誰が作るかが重要っていうか、あたしは宥姉の作ったお弁当が食べたいの」

宥「あ、ありがとう……///」

支援

憧「……で、さっきの話だけど、あたしとしずが仲良しだとどうして嫌なの?」

宥「え」

憧「あたしは自分の気持ちを素直に言った。宥姉のお弁当が食べたいって。次は宥姉の番だからね」

宥(うぅ……正直に言ったら……憧ちゃんが好きだってバレちゃうよぉ……)

憧「5、4…」

宥「えっ?」

憧「3、2…」

宥(か、カウントダウン!?0になったらどうなっちゃうの!?憧ちゃんに嫌われる!?ヤダよ~!!)

憧「1…」

宥「あ、憧ちゃんのことが好きだから!穏乃ちゃんと仲良くしてるのが嫌だったのっ!」

憧「…………」

宥「はぁ……はぁ……はぁ……///」

宥(い、言っちゃったよぉ~!!)ドキドキドキ..

しえしえ

憧「…………」

宥「………///」

憧「それって………どういう好き?」

宥「あ、えと……れ、恋愛の好き……だと思う///」

宥(うう……恥ずかしい……憧ちゃんを直視できない……)

憧「……で?好きだから……何?宥姉はあたしをどうしたいの?」

宥「え?どうしたい?…………こ、恋人同士になりたい、かな?」

憧「…………」

宥「…………だ、ダメ?」

憧「…………」

宥(……ど、どうして何も言ってくれないの~?!憧ちゃんの反応が気になる!でも……恐くて憧ちゃんの顔見れないよぉ~!!)ドキドキドキ..

憧「ダメ」

宥「――――!!」

宥姉かわいいよ宥姉

憧「確かにあたしは宥姉のこと結構好きだけど……今すぐ『うん』って言うのは……ちょっとね」

宥「…………」

宥(そう、だよね……憧ちゃんは可愛いし、みんなから好かれてて……私とは違う……)

憧「宥姉、部室にいても玄をちらちら見たりして集中力ないし、ストーブに当たってる時が一番幸せそうな顔するしさ」

宥(……それなのに告白しちゃう私って……ホント、バカだ……ちょっと優しくされただけでまたその気になって……うぅ……)グス..

憧「メアドも番号も交換してるのに、宥姉から連絡してくれたことはないし。いつもあたしから。これってあんまりだと思うのよ。正直ありえない」

宥(ごめん……ごめんね……憧ちゃん。謝るから、もうこれ以上は…)チラ

宥(…………あれ?)

憧「だから、このまま付き合っても絶対別れると思うんだ。少なくとも、宥姉が悪いところを直さない限りはね///」

宥(……私の嫌なところを言ってるから、怒ってるかと思ったけど……憧ちゃん、顔が真っ赤だ…………あと、落ち着かない感じで制服のリボンをいじってる)

憧「な、なに?なんか反論ある?/////」

宥「う、ううん……」

宥(もしかして……憧ちゃん……)

憧「なんなの?言いたいことがあるなら言ってよ////」

宥「………じゃあ言うけど……間違ってたらごめんね」

憧「うん////」

宥「憧ちゃんも……私のこと好きだった?」

憧「っ……///」カァァ..

宥「私が憧ちゃんにあんまり構わないから、拗ねてた?」

憧「ち、ちがっ……ただ、宥姉が冷たいっていう話をしただけで……拗ねてなんか……///」

宥(この反応……やっぱり……)ドキドキ..

宥「……じゃあ……言葉だけでいいから『宥姉好き』って言ってみて?」

憧「ふぇっ……///」

宥「……お願い」キュッ(憧の手を握る)

憧「っ!?あ、え……ゆ、ゆゆ……ゆうねえ好き……///」

宥「っ////」キュン!

しえ

ふおお

いいぞ!

ひゅーひゅー

憧「あ!いっ、今のはただセリフを言っただけで……宥姉を好き……は好きだけどそうじゃなくって……///」

宥「ふふっ、わかってるよ」

宥(……間違いない。憧ちゃんは私を好きなんだ……やった……///)ドキドキ..

憧「…………って!な、何よ!昨日は落ち込んで頼りなかったのに、急に年上っぽくなっちゃって!」

宥「うん、憧ちゃんが励ましてくれたからね。ありがとう」

憧「~~~~っ///」カァァァ..

宥「…………ねえ、憧ちゃん」

憧「な、なに?」

宥「いつになるかわからないけど……悪いところを直したら、私と付き合ってくれる?」

憧「ぁ……」

宥「………//」

憧「……ま、まぁ……アレだよ。その意気込みがあるなら……いっそ付き合っちゃってさ、付き合いながら直すってのもありかもね?」

宥「ふふっ」

ハグしろハグ

憧「ちょ、なんで笑うのよ//」

宥「ごめんね」

宥(不思議……憧ちゃんと両想いなんだってわかった瞬間、すごい元気になった。力が湧いてくるみたい)

宥(それと同時に気付いたよ……私は今まで、自分のことばっかり考えてたことに…)

宥(憧ちゃんはどう思うか、じゃなくて、私は憧ちゃんにどう思われるか、って……)

宥(自分のことでいっぱいいっぱい……だから憧ちゃんの気持ちに気付かなかった)

宥(それじゃあダメだよね。私を理解してくれる憧ちゃんが好き、じゃあ恋愛じゃないもん)

宥「……憧ちゃん」

憧「…………なに?」

宥「私、頑張る」

憧「え?」

頑張れ

宥「憧ちゃんが私を大好きになってくれるように頑張るから!」

憧「…………電話とかメール」

宥「うん。いっぱいする」

憧「…………頭撫でてくれたりとか」

宥「こう?」ナデナデ

憧「……ん///」

宥「……憧ちゃんって実は甘えんぼさん?」

憧「っ!い、いいじゃない!と、年上でしょ……受け止めてよ……///」

宥「うん」ニコリ

宥(憧ちゃんと一緒にいられるなら、どんなお願いだって受け止めるよ)

宥(こうして、私は憧ちゃんと恋人同士になった―――)

やったね

ふんふむ

1ヶ月後

<部室>

宥「ロン。8000」ジャラ

灼「はい」チャリ..

穏乃「……なんか、宥さん強くなってません?」

宥「ううん、そんなことないよ?私より穏乃ちゃんの方がすっごく強くなってるよ?」

穏乃「え?そうですか?」

宥「うん。インターハイで自信がついたからかな?振り込みが減ってるし、堂々としてていいと思う」

穏乃「あ……ありがとうございます///」

いいな

支援

宥「阿知賀の未来は穏乃ちゃんに任せて大丈夫そうだね」ニッコリ

穏乃「///」

灼「次、オーラス」ピッ..ガラガラー..

穏乃「あ、あの……宥さん」

宥「?」

穏乃「もしよかったら、今日の帰り……一緒にどこかへ…」

憧「オーラスに集中!」

穏乃「!!わ、わかってるよ……そんな大声出さなくてもいいのに」

部活終了後

憧「はい、また明日!あたしは宥姉と片付けするから、先に帰っていいよ」

穏乃「えっ?いやいや……私も手伝うって」

憧「大丈夫。だよね宥姉?」

宥「うん。穏乃ちゃんありがとう。でも2人で平気だから」

穏乃「……わかりました」

宥「ありがとう」ニコリ

穏乃「い、いえ!もし大変だったら電話ください!すぐ来ますから!では///」ガチャ バタン..

宥「…………」

憧「…………」

宥「……憧ちゃん?どうし…」

憧「…………浮気者」

宥「ええっ!?う、浮気なんてしてないよ~!」

憧「しずにアプローチしてたじゃん」

宥「してないよぉ!?」

憧「……ふん!しずもしずだよ。最近宥姉がカッコよくなってきたからって……」

宥「カッコよく……?しっかりしてるように見えるってことかな?」

憧「……前よりはね」

宥「よかった……」ホッ

憧「…………」

宥(憧ちゃんをしっかり受け止められるように、頑張った成果が出てるんだ……)ニッコリ

憧「…………」

宥「?憧ちゃん?」

憧「不合格」

宥「ええっ!何が!?」

憧「今日の部活、宥姉があたしを見た回数より、しずを見た回数の方が多かった」

薄着の宥姉を脳内再生できなくて悔しい

支援

宥「そうかなぁ……」

憧「数えたから間違いない。なんで?」

宥「な、なんでって言われても……特に意識してなかったよ?」

憧「余計悪い!無意識でしずを求めてるってことじゃん!」

宥「違うよ……私は憧ちゃんが好きなんだよ?」

憧「じゃあ証拠を見せてよ。あたしを好きな証拠」

宥「………わかった………んっ!」チュ..

憧「っ!?……ぁっ……//」

宥「っ………ぷぁ………ど、どうかな?初めてのキス……なんだけど……///」

憧「///」ポーッ..

宥「憧ちゃん?」

憧「っ!………まだ不合格……//」

宥「ええー?」

憧「ゆ、宥姉は寒がりなのに、あたしにくっつこうとしなかった」

キマシ

支援

積極的ですね

圧倒的包容力

宥「だ、だって……部室だもん。みんなに見られちゃうよ?」

憧「別にいいじゃん。誰かに見られたら困るの?浮気出来なくなるから?」

宥「違うよ。ただ人前は恥ずかしい……あとくっついたら憧ちゃんが暑いかなって。私厚着だし……」

憧「くっつく時は気を遣わなくていいの。暑かったら言うし。とにかくギュッてしてよ。あたしは一日中宥姉とくっついていたいんだから」

宥「……っ」キュン

憧「…………」プイッ

宥「もう……憧ちゃんはわがままさんだね」ギュッ..

憧「…………自分でもわかってるのよ」

宥「?」

憧「勝手なこと言ってるって」

宥「……うん」

憧「宥姉がしっかりしてくれるのは嬉しい。その…………ちょっぴり、ほんのちょっぴりだけど……甘えられるし」

宥「そうだね」

憧「でも……しずみたいに、宥姉の良さに気付いちゃう子が増えるのは嫌だし…………あんまりしっかりしすぎてるのも宥姉じゃない」

宥「難しいよぉ…」

憧「ごめん。でもこれがあたしの本音。実の姉がいるのに『宥姉』って呼んでるのも、あたしの理想のお姉ちゃんが宥姉だったから……」

宥「そうだったんだ……嬉しいな///」キュ...

憧「……///」

宥「……憧ちゃんが心配しちゃうなら、私は…」

憧「…………あー!!もっかいごめん!今の忘れて!」

宥「え?」

憧「こんなはずじゃないの!宥姉はしっかり者になって、あたしはそんな宥姉を支えつつ、年下ながら頼られて……っていう風になるはずなのよ!」

宥「うーん……私は憧ちゃんを頼りにしてるけど……」

憧「違うの!なんて言ったらいいのかな……あたしの個人的な問題っていうか…………あー、もう!はっきり言う!あたしは宥姉とイチャイチャしたいの!甘えたい気持ちが止まらないの!!」

宥「そ、そうなんだ?ありがとう……///」

憧「でもそれじゃダメ!カップルとして問題なのよ!甘えたがりの後輩を可愛がる先輩みたいな構図が嫌!そんなの対等じゃないもん!」

しえ

宥「私は憧ちゃんに甘えられるの嬉しいよ?憧ちゃんが好きだから」

憧「」ピクッ

宥「むしろ、本当は甘えたいのに強がって我慢される方が辛いな……私が相手じゃ素直になれないのなら、私は憧ちゃんの恋人失格だもん」

憧「宥姉……////」

宥「」ニコリ

憧「……ほんと?今の……ほんと?あたし……宥姉に思いっきり甘えていいの?変じゃない?」

宥「もちろん」

憧「…………じゃ、じゃあさ、これはあくまで提案なんだけど、あたしがしてほしいことに宥姉が応えてくれるのとか、アリ?」

宥「うん!憧ちゃんのお願いだもん!力いっぱい応えるよ」

憧「ふ、ふーん……」

宥「何かしてほしいことがあるの?」

憧「まぁ……その……ね。ちょっと変かもしれないんだけど……」

宥「気にしなくて大丈夫だよ」ニコッ

憧「…………じゃあ……お願いする」

宥「うん!何をすればいいの?」

憧「……あたしは宥姉にキスしてほしくて迫るんだけど、宥姉はキスしてくれない、っていう感じで」

宥「??キス……しないでいーの?」

憧「……あ、あたしはしたいんだけど、宥姉がしてくれないのがいいっていうか……あたしの思い通りにならないモヤモヤが結構……アレで……いいんだよね///」

宥「わかった。やってみるね」

憧「うん。じゃあいくね…………宥姉……キスして?」

宥「だーめ」

憧「やぁあ……キスしてよぉ……」スリスリ..

宥「だめだよ~」

憧「キスしたいのぉ!ねえ……宥姉~……キスして……」ハァ..ハァ..

宥(憧ちゃん可愛い……///)

憧「お願い……キスしてくれたらなんでもするから。キスしてよぉ……」ウルウル

宥(なんか……涙ぐむ憧ちゃんを見てると不思議な気持ちになるよぉ……ちょっと意地悪したくなっちゃう……)ゴクリ

支援

なにそのプレイ

宥「…………」

宥(……憧ちゃんのお願いに反することじゃなければ、少しくらい意地悪しちゃってもいいよね?よぉし……)ドキドキ

宥「……本当になんでもするの?」

憧「する!宥姉がキスしてくれるならなんでもするっ……!」

宥「そう……」ギュッ(憧を後ろから抱きしめる)

憧「ぁ……やぁっ……これじゃキス出来ないよぉ……」モジモジ

宥「もう少し我慢して。私のお願いに答えてくれたら、キスしてあげるから」

憧「……わかった。我慢する……」

宥「じゃあ……そうね…………憧ちゃんの恥ずかしい秘密を教えてほしいな」

憧「ぁ……っ……は、恥ずかしい秘密……って///」

宥「私だけに教えて?ね?」

憧「教えたらキスしてくれる?」ハァ..ハァ..

宥「考えてあげる。だからホラ……恥ずかしい秘密を……教えて?」

憧「はぁっ!ゆ、ゆうねぇ……///」ビクン..

宥「…………」サワッ..(憧のあごを撫でる)

憧「っ!言う……言うから……//」

宥「どうぞ?」

憧「あ、あたし……宥姉を想って…………いつも……その……え、えっちなこと……してます///」カァア..

宥「もっと具体的に……」サワッ(脇腹を撫でる)

憧「はぁんっ!ゆ、宥姉に……エッチな命令されることを想像しながら……触って……///」

宥(憧ちゃんってもしかして……意地悪されたりすると喜ぶ人なのかな?Mっていうんだっけ?そういう人はどうすれば……確か……結構厳しいことを言うんだよね?やってみよう)

宥「どんな命令?…………答えなさい」

憧「っ!!」ビクン!

宥(わっ!すごい反応……体が震えて……やっぱり憧ちゃんはMなんだ。Mの人って、すごい美人さんだったり、優秀であまり叱られたことがない人が多いらしいし……納得かも)

えむちゃー!

憧「ゆうねぇが……あたしを外に連れ出して……ひ、1人でしてるところを……見せろって……///」ハァ..ハァ..

宥(うわぁ!すごい……そんなことを考えてしてるんだ……///)モジモジ

憧「それで…っ……あたしが……してるのを……すごく、すごく冷たい視線で……足を組みながら見て…………さ、最後まで……触ってくれないのっ……///」

宥(はぁぁ……まるで私が、憧ちゃんを支配してるみたい……///)ゾクゾクッ..

宥「私にそうされるのが……気持ちいいんだ?」ハァハァ..

憧「うん!気持ちいいっ!はぁ……はぁっ……それで……終わった後は……」ハァハァ..

憧「『憧ちゃんが変態だってバラされたくなかったら……これから私の奴隷になりなさい』って……あたしの胸を……強くつねって……///」

宥(憧ちゃんが私の奴隷……?そんなのダメ……ダメなのに……私……興奮して……///)ハァ!ハァ!ハァ!

♪~(着信音)

憧・宥「っ!」ドキン!

憧「………………」

宥「………………」

♪~……

憧「………………」

宥「………………」

憧「あ、あたし……今…///」

宥(私……すごいこと考えちゃってた……///)

憧「……一人でする時のことを全部……//」

宥(憧ちゃんを奴隷に……なんて……//)

憧「//////」ボフンッ!
宥「//////」ボフンッ!

誰の電話だ

憧「な、なし!!今のなし!!今のは…………アレよ!極端な例!」

宥「そ、そそ、そうだよねっ!うんうん!」

憧「本当だよ!?あたし、奴隷願望なんかないから!?ただ……ちょっとだけそういう気持ちになることがあるだけ……普段はただ普通に甘えたいタイプで……だから…」

宥「わ、わかってる……私だって憧ちゃんを支配したいとか……ちょっとしか思ってないよ?」

憧「…………え?」

宥「あ……」

憧「支配したい?……宥姉が……あたしを?」

宥「あうあう……あの、その……ちょ、ちょっと思っただけなの!本気とかじゃなくて……」

憧「そ、そうだよね。わかってるって」ハハ..

宥「う、うん……」

憧「…………」

宥(うぅ……微妙な空気……ここは違う話を……)

憧「……あのさ、宥姉は……来年大学に行くことを考えて落ち込んでたじゃん?」

宥「え?うん……」

宥(よかった。憧ちゃんも同じ考えだったみたい)ホッ

憧「実はさ、あたしも落ち込んでたんだ。宥姉が遠くに行っちゃうって思ったら……辛くて」

宥「……うん」

憧「あたし……離れてもずっと繋がっていられる強い絆を作ればいいって言ったよね?」

宥「うん」

憧「……その繋がり…………今、ほしいな」

宥「え」

憧「////」

宥(それって……)ゴクリ..

憧「……色々さらけ出しちゃったから正直に言う。あたしを抱いてほしい」

宥「!!」

しえ

憧「離れても、感触を忘れないように……記憶に深く刻むように愛して」スルッ..パサ..(スカートを脱ぐ)

宥「憧ちゃん……」ドクン..

憧「っ」パサ..(シャツを脱ぐ)

宥「…………」ゴクリ

宥(憧ちゃん……キレイ……)

憧「この体……全部宥姉のものだよ?」

宥「!!」ゾクッ!

憧「ここも」スッ(唇に指を当てる)

憧「ここも」(胸を手の平で撫でる)

憧「……ここも///」...

宥「~~~///」グラグラ..

宥(だめ……そんなこと言われたらもう……)

憧「好きにしていいよ…///」

宥「憧ちゃんっ!」ガバッ!

憧「きゃっ」ドサッ..

宥「はぁ……はぁ……憧ちゃん……」

憧「宥姉……あたしで興奮してくれてるの……?」ハァハァ..

宥「っ!」コクコク!

憧「よかった……」

宥(熱い……体が熱いよぉ……っ)

憧「いっぱい…………してね?」

宥「~~~~///」

憧「ぁん……っ……――――」

\4

事後

宥「はぁ……はぁ……///」

憧「……そろそろ帰ろっか?結構な時間だし。さすがに怪しまれる」

宥「え?あ、うん……//」

憧「ん?どうしたの?」

宥「なんか……終わった途端いつもの憧ちゃんに戻ったから」

憧「ちょ、そういう言い方しないでよ」

宥「だって……さっきまで縛ってくださいって可愛くおねだりしてたのに……」

憧「だ~~っ!それはそれ!っていうかずっとあんな感じだったら宥姉だって困るでしょうが!」

宥「……確かに……」

憧「言っとくけど、エッチはエッチ、普段は普段だから。普通にしてる時に責めてくるのはやめてね」

宥「使い分けるの?」

憧「使い分けるというより……エッチは隠してる部分を全部さらけ出すから気持ちいい……じゃなくて!もうこの話題終わり!!」

宥「ええー……」

キンクリ

憧「もうっ……宥姉、想像以上にSなんだから……///」

宥(……そうかも。でも憧ちゃんを喜ばせたいと思うからこそだよ)フフッ..

憧「そんなところも大好きだけどさ///」ボソッ

宥(うん、私も……)

宥「…………」

宥「…………ねえ、憧ちゃん」

憧「ん?何?」

宥「強い絆……結べたよ」

憧「あ……」

宥「いつもの憧ちゃんが大好き。それに加えて、エッチの時の憧ちゃんも大好きになったから2倍の強さだね」

憧「やっ、やめてよっ……恥ずかしい……///」

宥「えへへ」

憧「もう……///」クスッ

宥「…………だから、大丈夫」

憧「!」

宥「みんなと離れて1人でやっていくことがずっと不安だった…………でも、もう1人じゃないから大丈夫」

憧「……うん」

宥「憧ちゃんの隣が私の居場所。こたつよりもずっとずっとあったかい」

憧「当然」フフッ

宥「このあったかさは、きっと消えない。ううん、どんどん燃え上がって……自分でも抑えきれない」

憧「………あたしも」

宥「大学に行ったら、今みたいに会えなくなっちゃうけど……それでも……」

憧「……うん。この気持ちは変わらない。絶対に」

宥「憧ちゃん……」ニコ

憧「2年間……結構長いけど、あたしたちなら大丈夫だよ。エッチだって、直接会えなくても電話でも出来るし…」

宥「え?2年?」

憧「ん?何かおかしい?あたし、宥姉と同じ大学を受けるから2年だよ?」

宥「え、ええーっ!?」

憧「?当然じゃん」

\4

宥「で、でも……憧ちゃん頭いいし、もっといい大学行けるのに……」

憧「あたしの優先順位は宥姉が一番だから。宥姉と一緒にいられる道を選んだ上で、あたしのやりたいことをやる。宥姉と同じ大学以外は意味ない」

宥「憧ちゃん……」グス..

宥(こんなに私を必要としてくれるなんて……)

憧「宥姉は?あたしが大切?」

宥「もちろん!大好きだよ!」

憧「ふ、ふーん……例えば……どんなところが好きなの?」

宥「私が悩んでることに気付いて、励ましてくれたりする優しさ。あとポジティブなところ、オシャレで可愛いところ…」

憧「も、もう十分。その…………ぁりがと///」

宥(それと、ちょっとエッチなところも好き……だけどこれは言わない方がいいよね)フフ..

憧「……あ、時間やば」

宥「わ、本当だ」

憧「早く帰らないと」

宥「うん!」

憧「急げ急げ……」ゴソゴソ..

宥「…………」

臆病だった私。孤独を恐れて、変化を恐れて……未来を見ようとしなかった私。

そんな私だけど……憧ちゃんのおかげで、自分の居場所を……勇気をもらった。

憧ちゃんとだったら、どんな辛いことも乗り越えていけそうな気がする。

宥「憧ちゃん」

憧「ん?なに?」

宥「私、憧ちゃんが大好き!!」

憧「……私も……私も宥姉が大好き!!」

この笑顔が、私に力をくれるから―――

終わり

乙カレー
最高でした

支援ありがとうございました

とてもすばら

大層乙

乙乙ー!

大義

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