りせ「・・・・・・・・」(28)
図書室
千鶴(ふう、やっと読み終わった)
千鶴(かなり読み応えがあったな。何日もかかったけど、面白かった)
千鶴(さて、次の本を取りに……ん?)
りせ「……」ジーッ
千鶴(…えっと確かこの人は……生徒会長の松本先輩?)
千鶴(何で私の隣に座ってるんだろう…)
千鶴「……」
りせ「……」ジーッ
千鶴「……」
りせ「……」ジーッ
千鶴(なんかすごいこっち見てる…)
千鶴「えっと、その…」
りせ「?」
千鶴(「?」なのはこっちなんだけど…)
りせ「……」ジーッ
千鶴(私の本を見てる? ……!もしかして…)
千鶴「…この本が読みたいんですか?」
りせ「!」コクコク
千鶴(やっぱりか)
千鶴「今ちょうど読み終わった所なんで…どうぞ」スッ
りせ「…」ペコリ
りせ「…」スタスタ
千鶴(ふう…さて、新しい本取ってこよう)
千鶴(どれにしようかな…)
千鶴(最近は伝記とかを読んでたから、久しぶりに冒険物とかも読んでみたいな)
千鶴(これにしようかな)スッ
千鶴(さて、戻ろう)
りせ「…」モクモク
千鶴(さっきの席にいる…)
千鶴(本渡した時どっかに行かなかったっけ…何で戻ってきたんだ?)
千鶴(まあいいか…私もさっきの席にしとこ)
千鶴「…」モクモク
りせ「…」モクモク
千鶴(ひじが当たりそうでちょっと読みづらい…他の席に移ろうかな)
千鶴(でもそれもなんか失礼なような…)
キーンコーン
千鶴(あっ、下校のチャイムだ…もうそんな時間か、帰ろう)パタッ
帰り道
千鶴(先輩のアレ…なんだったんだろう)
千鶴(まあ特に理由はないのかな…)
千歳「千鶴ー!」タタタ
千鶴「あっ、姉さんお疲れ様。今日は一人なの?」
千歳「綾乃ちゃんは駅の方に用事があるらしいから、今日は学校の前で別れてきたんや」
千鶴「そうなんだ……今日の生徒会の仕事はどうだった?」
千歳「いつも通りだったでー。…あっ、でもそういえば珍しく、会長がお休みだったわー」
千鶴「会長って…松本先輩?」
千歳「せやで~。ほとんど毎日居るのに、…風邪でもひいたんかなぁ」
千鶴(生徒会を休んでわざわざ図書室に…ますます分からない)
千鶴(まあ生徒会会長だから忙しいだろうし…たまには休みたかったのか?)
千鶴(でも結局なぜわざわざ隣に座ったのかは…)ウーン
千歳「千鶴、どうかしたん?難しそうな顔して…」
千鶴「あっ、何でもないよ姉さん。それより今日の夕飯は…」
千歳「…?」
短いけどとりあえずストップ
続きをのんびりと待ってます。
……、………。
翌日
キーンコーン
千鶴(やっと授業が全部終わった)
千鶴(今日は体育と家庭科があったせいで、本があまり読めなかった)
千鶴(早く図書室行こ)
図書室
千鶴(昨日の本、今日中に読み終わっちゃうかもな)
千鶴(昨日は下校時刻まで読み続けちゃったから借りる時間無くて本棚に戻したんだよな)
千鶴(どの辺にあったっけ……ん?)
コソコソ
千鶴(あれは……松本先輩?)
千鶴(今日も生徒会休んだのか?)
千鶴(ほとんど欠席なしだって姉さんが言ってたのに…)
千鶴(……あの辺って確か医学書とかがある所じゃないか?)
千鶴(あんな所で何やってるんだ?医者でも目指してるのか?)
千鶴(っていうか何でうちの学校の図書室はそんな物置いてるんだ。どう考えても中学生の読み物じゃないだろう)
チラッ
千鶴(今…こっちを見た?)
ヒョイッ
千鶴(奥の方に行ってしまった…気のせいか?)
千鶴「……」
千鶴(まあいいか。早く本読もう)
千鶴「…」モクモク
千鶴「…」モクモク
りせ「…」チョコン
千鶴「……!?」ビクッ
千鶴(あれ!?気づいたらまた先輩が隣に…なぜ?)
千鶴「…」
りせ「…」
スッ
千鶴(これは…私が昨日渡した本?)
りせ「…」ペコリ
千鶴「えっと…私に返しにきてくれたんですか?」
りせ「…」コクン
千鶴(そういうことか。…ってか読むの早いな!)
千鶴(でもこれ…)
りせ「?」
千鶴「先輩これ…私の本じゃなくてこの図書室の本なんで、私に渡さなくても…」
りせ「……!!」
りせ「…」カアアッ
千鶴(勘違いに気づいて顔赤らめてる。…なんかかわいい)
りせ「…」ペコリ
スタスタスタ…
千鶴(返しにいったみたいだ)
千鶴(なんかかわいかった。……この本そろそろ読み終わりそうだ。続き読も)
りせ「…」チョコン
千鶴(また戻ってきて隣に座っただと…!?)
千鶴(まだ何か用があるのか!?ていうか生徒会はいいのか?)ドキドキ
りせ「…」チョンチョン
千鶴「ひゃっ!?」
りせ「!」クスクス
千鶴(思わず図書室で大きい声だしちゃった…恥ずかしい)カアアッ
千鶴「あっあの!それで、何か…」
りせ「…」
スッ
千鶴(…また本だ。でも今度は私が知らないやつ…)
千鶴「えっと、これは…?」
りせ「…」ドウゾ
千鶴「…私に貸してくれるんですか?」
りせ「…」コクン
千鶴「! あ、ありがとうございます!」
千鶴(でも何でわざわざ私に?昨日の本のお返しってこと?)
千鶴(それにしてもこの本、図書室の本にしては随分…)
千鶴「……これ、もしかして先輩の本ですか?」
りせ「…」コクン
千鶴「な、何でわざわざ…」
りせ「…」ニッコリ
千鶴「……?」
西垣「松本は読書仲間ができて嬉しいみたいだぞ。」
千鶴「うわっ!西垣先生、なんでここに…」
西垣「ちょっと実験の資料を探しにな。…それにしても良かったな松本。仲間ができて…」ワシャワシャ
りせ「…」グシャ
りせ「…」ジトーッ
西垣「ははは、すまんすまん。…じゃあ私はそろそろ実験室に戻るから、池田、松本をよろしくな。」
千鶴「わ、分かりました。」
西垣「じゃあなー。」ヒラヒラ
千鶴(まるで台風のようだった…)
千鶴(…それにしても、私は知らない内に先輩の読書仲間になってたのか。だから本を…)
りせ「…」
千鶴「…あっ!先輩、本ありがとうございます。読み終わったらお返ししますね」
りせ「…」コクン
りせ「…」ガタン
千鶴「あ、先輩。さよなら、また明日」
りせ「…」フリフリ……ニコッ
ドキッ
千鶴(…先輩は帰ったけど、私はまだもうちょっと残ろうかな。早く先輩の本読みたいし)
千鶴(…それにしても最後の先輩の笑顔、かわいかったな…)
千鶴(……って何を考えてるんだ私は。早くこの本読みきっちゃおう)
池田家
千鶴(先輩から借りた本、なかなか面白いな)
千歳「千鶴、その本どうしたん?学校のとは違うみたいやけど…」
千鶴「あ、姉さん。…これは友達に借りたんだ」
千歳「そうなんかー。良かったなぁ~」ニコニコ
千鶴「……うん」
千鶴(……本当に、良かった。)
千鶴(私は、友達がほとんどいない。)
千鶴(…歳納なんたらは友達だと思いたくないし。)
千鶴(元々社交的な性格じゃないし、本を読んでれば特に気にならなかったけど…)
千鶴(やっぱり本の貸し借りとかできる人がいるのは、嬉しいな。)
千鶴(……ありがとうございます、松本先輩。)
短いけどとりあえずストップ
おつおつ
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