京介「あやせ!シスカリやろうぜシスカリ!」あやせ「はぁ!?」 (146)

京介(桐乃が留学してから1週間…)

京介(強がっていた手前、まさかこんなにすぐ恋しくなるとは思わなんだ)

京介(いや恋しいって何だ。自分で言っておいて何だが気持ち悪りぃ)

京介(別に?妹の事なんか知ったこっちゃねぇし?何なら騒がしいのが居なくなってせいせいするし?)

京介「……でも」

京介「何も言わずにいきなり姿消すのは、怒りよりもショックの方がデケぇよ…」



京介「ご馳走様」

大介「…」カチャカチャ…

大介「おい京介、背中が曲がってるぞ」

京介「あ?」

大介「何事においても姿勢がなっとらんと身が入らんぞ」

京介「へいへい…」スタスタ

大介「へいは1回」

京介「へい」カチャ

佳乃(へいはいいのか…)チラッ

大介「……はぁ」

佳乃「………全く、ウチの男共は…」




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京介「…」ボーッ

麻奈美「ねぇ京ちゃん。終業式の日なんだけど…」

京介「」ボーッ

麻奈美「…京ちゃん?聞いてる?」

京介「」

麻奈美「おーい。京ちゃーん。起きてますかー?」

京介「」

赤城「おい京介!」バァン!

京介「うぉあぉ!?な、何だよ赤城…やかましいな」

赤城「やかましいなじゃねぇわやかましい!」

赤城「お前なぁ…田村さんが必死に声かけてんのになんで上の空なんだよ!」

京介「え?あ…あぁ、ちゃんと聞いてたに決まってんだろこの野郎!」

赤城「じゃあ今田村さんが話してた内容言ってみろよ?うん?」

京介「あ…えぇと、あれだよな」

京介「ロックがまた変な髪型になった話だろ?だよな?」

麻奈美「ぁ…そ、そうそう!髪が戻ってからまた調子に乗っちゃってて…えへへ」

京介「ほら見ろ!ちゃんと聞いてたろ、な?」

赤城「あー、うん。まぁお前がいいならそれでいいんじゃない?」

京介「え?は?なんで急にテンション変わってんだよお前」

赤城「悉くお前はフラグクラッシャーだなぁ、と」

麻奈美「くらっしゃー?」

京介「何をまた訳分からん事を…」

赤城「いいんだよ。とりあえず田村さんと仲良く話せているならなぁ、まぁ」

赤城「でも京介。お前ちゃんと大事なもの見張ってないとその内気づかずに失くしちまうぞ」スタスタ

京介「…」

京介「…大事なもん、か…」

京介「…」スタスタ

麻奈美「…京ちゃん。最近元気無いね」スタスタ

京介「そうか?いつもと変わりない気がするけど」

京介「何だったら最近はストレスフリーで気分最高潮だぜ!」

京介「家から騒音が消えてやっと平和な日常が戻ってきたって感じだ」

麻奈美「まぁ…確かに京ちゃん。イライラしなくなったよね」

京介「え?イライラしてたの?俺」

麻奈美「ふふ。そうだよ」

麻奈美「事あるごとに『桐乃ちゃんが~』とか『えっちなゲームが~』とか」

麻奈美「ついこの間まであくせくしてたよ~」

京介「待った。前者は分かるが後半は絶対に違う」

京介「お前にえっちのえの字も言った覚えは無いぞ俺は」

麻奈美「え~?でもあやせちゃん。言ってたよ」

麻奈美「会う度にえっちなゲームを引き合いに出して私にセクハラしてくるんです~って」

京介「してねぇわ!断じてしてねぇ!」

京介「確かに嫌がるような事はしたかもしれんがお前の思うような事は決してしてないから!」

麻奈美「嫌がるような事した時点で何も言い訳できないよ、京ちゃん」

京介「ぐうの音も出ません」

麻奈美「……まぁでも、それだけ仲良くしてるって事なら…」

麻奈美「いいの、かなぁ」モヤモヤ

京介「…?」

麻奈美「と、とにかくっ…2人とも寂しそうにしてるから、ちょっと不安だったの」

京介「寂しい?俺が?妹が居なくなったから?」

京介「またまたご冗談を」

麻奈美「そんな事無いでしょ」

麻奈美「今週ちょっと数えただけでも10回は授業中ぼーっとしてたよ?京ちゃん」

京介「いやそりゃ…寝不足とか」

麻奈美「もう桐乃ちゃんが居なくなって夜更かしする事無くなったんでしょ?」

京介「ぐ、ぐぬぬ」

麻奈美「私はただ、京ちゃんが悲しそうな顔してるのが見てられなくて」

京介「う、うるせぇな…お前には関係ねぇだろ」

麻奈美「む、むぅ」プクー

京介「っと。ここでお別れだな」

京介「またな!麻奈美」

麻奈美「ふ、ふーんだ。京ちゃんのすけこましー。しすこーん」

京介「なんで!?」

麻奈美「…」クルッ

麻奈美「全くもー」

麻奈美「兄妹揃って素直じゃないんだから」

>>2
何か違和感あるなと思ったら赤城の呼び方が京介になっていました。
瀬奈が喜びそうな展開ですがただの誤りなのでご了承ください

京介「ったく…なんだ麻奈美の奴、怒ってんのか怒ってないのかよく分からん顔しやがって」

京介「…あやせか…」

京介(そういえば桐乃があっちに行ってから一度も会ってないな…)

京介(いや…それじゃまるで毎日会ってるみたいな誤解を招きそうだが)

京介(でも実際、こまめにコンタクトは取ってるし?電話番号も知ってるし?)

京介(まぁほとんど桐乃絡みなんだが…)

京介「………」

麻奈美『と、とにかくっ…2人とも寂しそうにしてるから、ちょっと不安だったの』

京介「…あいつも、桐乃が居なくなって落ち込んでんのかな」

京介「……」スッ…

京介「事情は聞いてる筈、だけど…あやせはまだ実感湧かないし信じられてないかもしれない」

京介「今まで話を聞いてきてやったんだ」

京介「ちょっと位…お節介やいてもバチは当たらんよな」ピッピッ

京介「…」プルルル

<お掛けになった番号への通話はお客様のご希望により
京介「」ピッ

京介「まさかの着拒…」

京介「…はぁ…俺に聞くまでも無い…ってか俺の口なんて聞きたくねぇって事ですかあやせたん…」

京介(どうしたもんか…というか連絡寄越さない以上別に困ってる訳じゃないし無理に話そうとする必要は無い…か?)

京介「でもなぁ…あいつの今までの傾向からして何も起こらん訳が無いんだが…」

京介「麻奈美…は番号知ってんのかな……たまに帰り道会うとは言うけど」

京介(確実にあやせの連絡先を知っている俺の友人…)

京介(そんな都合のいい奴……)

京介「……あいつなら……」

加奈子「……後30分かぁ」

加奈子「あー!暇だー!」

加奈子「あのマネージャーは勝手に辞めるし!あやせは全く口聞いてくれねーし!」

加奈子「桐乃は…急に居なくなっちまうし…」

加奈子「…」

ガチャ

加奈子「あ?」

京介「はぁ…はぁ…はぁ…」

加奈子「…お前、あん時のマネージャーじゃん…」

京介「は、…はぁ…悪いな。勝手に姿をくらましておいてこんな登場の仕方して」

加奈子「どうしてここに来たんだよ?」

京介「あ?まぁ…メルルのコスプレイベントを適当に漁ったら、まぁ、みたいな?」

加奈子「あー、いやそっちも気になるけどよ…」

加奈子「どっちかっつーと加奈子が聞きたいのはここに入れた理由なんだけど」

京介「はぁ?」

加奈子「だってマネージャー、加奈子にセクハラしたの上にバレてクビにされたべ?」

京介「はぁあああ!?」

加奈子「っ…な、なんだよ突然大声出して」

京介(後の事は任せてって…どうやって風化したのかと思ったら…)

京介(あやせあの野郎…とりあえずセクハラって言えばなんでも解決すると思ってんじゃねーの!?)

京介(こんな酷い言い訳作るの逆に難易度高ぇよ!)

加奈子「へへ~。マネージャーってば監視を潜り抜けてまで加奈子に会いにきたとか」

加奈子「加奈子のおしりの感触が忘れられなくて居てもたっても居られなくなったんだろー?」

加奈子「まぁ無理もないっしょ。なんたって未来のスーパーアイドルかなかなちゃんのおしりだからな!」

加奈子「そこらの雌猿のおしりを触るのとは訳が違うっての」

京介「触ってねぇし!そんな事微塵も思ってねぇし!って最後の失礼すぎるわ!」

加奈子「ったく…そんな照れなくても言ってくれれば加奈子が口利いてクビにされねーようにしてやったのによー」ボソボソ

京介「あ?なんか言ったか?」

加奈子「んでもねーよ!盗み聞きしてんじゃねーよ!きめーよ!しっ!しっ!」

京介「なんで罵倒されてんの俺」

加奈子「とにかく、加奈子のライブ見に来てくれたのは嬉し…ん、まぁだけどな!」

加奈子「見られたらまずいんだよっ」

京介「まぁ…言いたい事は分かる、分かったがライブの前にお前に会って頼みたい事があったんだよ」

加奈子「はぁ?」

京介「あやせと連絡取りたいんだ。1、2分でいい。お前の携帯を貸してくれ」

加奈子「え?マネージャー。あやせと連絡…あ」

京介「セクハラって告発した奴がそのセクハラ上等野郎の連絡先を残すと思うか…?」

加奈子「まぁまずあやせならありえねーわな!ひひひ」

京介「るっせ!笑い事じゃねぇんだよ、真面目な話なんだ」

加奈子「んー、そっか。加奈子の携帯、ねぇ」

加奈子「まぁ?貸してやらねー事もねーけど?」

京介「けどってなんだよけどって…面倒くさいおつかいイベントの前振りか?」

加奈子「別にパシリにするつもりなんてねーよ。でもぉ、加奈子に貸し1つできる訳じゃん?」

加奈子「…まぁ、今すぐは思い付かねーし」

加奈子「今後どっかで加奈子の言う事なんでも聞く券1枚で手打ってやるよ!」

京介「はぁ!?」

加奈子「あ?何その顔?」

加奈子「加奈子、マネージャーのセクハラ被害者って設定忘れてねーよな?拒否権なんてあると思うなよな」

京介「うぐ」

加奈子「むしろ加奈子とあんな事やこんな事できる権利が貰えるんだぜ?感謝ってか泣いて喜ぶ所っしょ」

京介「そんな生物地球上に一体でも居てたまるか!!」

加奈子「で、どーすんだよ。あたしの言う事聞くのかよ、聞かねーのかよ。どっち?」

京介「くっ…」

京介「き、聞きます」

加奈子「よーし、よしよし。ではここにちゃんとその証拠を残したまへ」つ紙

京介「…くそぅ。どうせロクでもねー事やらされるに決まってらぁ」キュッ

京介「ほら、書いたぞ」

加奈子「っしゃあ!取引成立~」

加奈子「つーことで加奈子の携帯、ほら」つ携帯

京介「悪いな。話が話だしちょっと部屋の外で話すから」

加奈子「え?ここで良くね?てかここで話せ」

京介「今使うのかよそれ……」

京介「…お前さ、最近学校の方どうだよ」

加奈子「んだよ。急に話題そらしやがって」

京介「何か…友達と喧嘩して絶交みたいな、そういうトラブルは無ぇの?」

加奈子「……まぁ…絶交は、してねぇけどよ」

京介「何かはあったんだな?」

加奈子「うん…この間ダチが急に転校して、加奈子に何も言わねぇで…ポッと消えちまって…そんで…」

京介「……そっか」

京介「多分その友達はお前がそう思ってくれて嬉しいと思ってるよ」

加奈子「はぁ?勝手に自己満に浸られても困るんですけど」

加奈子「あいつはよー、天下の一流モデル様だからか何か知らねーけどたまに空気の読めねーっつーの?人の気持ちってのを考えずに行動する節があんだよねー。この前もさー、ナチュラルに加奈子の事ディスってたっていうか」ガチャ

加奈子「ってか、なんでおめーにそんな事言わな…」クルッ

加奈子「…話最後まで聞けよ!」バンッ

京介「頼む…出ろよ」プルルル

<お掛けになった
京介「また応答なしかよ…!」ピビッ

プルル…

京介「…」プルルルル

ブッ

『加ぁ奈ぁ子ぉ………』
京介「へ」

『電話するなって何度も言ったでしょ!!!』キーッ

京介「ひぐわっ!?」ビクッ

あやせ『って…その声、お兄さん!?』

京介「あぁそうだよお兄さん兼セクハラマネージャーだよ」

京介「よくもまぁ根も葉もない濡れ衣着せてくれましたねあやせたん!?」

あやせ『え?あ、…そ、その節は本当にすみません!』

あやせ『あれ以外にいい感じの理由が思いつかなくて…』

京介「あれをいい感じの理由と捉えちゃうのはいかがなものかと思うよ!?」

あやせ『う、うるさいですねっ!そもそもお兄さんがあんな面倒くさいことを私に押し付けなければ…!』

京介「いや押しつけてねーよ!?俺!?」

あやせ『あーもう!さっきからしつこいですね!!そんな話する為にわざわざ加奈子の携帯から掛けてきたんですか!?』

あやせ『今度は着信ではなく通報してあなたの存在そのものを拒絶しますよお兄さん!?』

京介「ならさっさと着信許可しろ!相談する時毎度あのクソガキにこき使われるとか死んでもごめんだわ!それに一々メルルのイベントの場所調べてそこまで行くの怠いし!」

あやせ『なんでそこまでして私にセクハラしたがってるんですかこの変態!死ね!』

京介「違ぇよ!今日は別にそんな…」

あやせ『嘘!どうせまた私をからかおうと…』

京介「だから話を聞けよ!!」

あやせ『……お兄さん』

京介「…俺は、ただ…お前が心配で」

京介「……いや、撤回しよう。多分そう、なんだろうな。お前の言う通りだ」

京介「桐乃が居なくなって…それで、振り回されなくなって」

京介「何かぼけーっとしてたら1日終わってるってそんな感じなんだよ」

あやせ『…』

京介「やっと自分の自由な時間を取り戻せたっ…て思っても何もやる気が起きないっつーの?」

京介「何しても落ち着かねーっていうかさ、心にすっぽり穴が空いたっていうか…」

京介「っ…なんて説明すりゃいいのかなぁ、これ…」

undefined

京介「だから、なのかな。こんな自分で悩みのタネ撒いて、勝手に困ったフリして、誤魔化して」

京介「悪い。迷惑だったな。やっぱ切
あやせ『ちょ、ちょっと待って!』

京介「?」

あやせ『待って…くださいよ、お兄さん』



あやせ『それはもう…ショックでしたよ』

あやせ『誰にも…何も言わずに日本から消えちゃって』

あやせ『本当は陸上でっていうのは単なる嘘で私と一緒に居るのが嫌だから…出てっちゃったのかなって…』

京介「んな訳ねぇだろ…お前らは親友だし、第一お前が嫌だから海外逃亡って滅茶苦茶だぞそれ」

あやせ『も、もしかしたらこの間のプレゼントが気に入らなかったかもって…』

京介「そりゃねぇよ。机に堂々と飾ってたし、出てく前の日にちゃんと押し入れにしまって今も大事に保管してるんだからよ」

あやせ『それは…良かった、ですけど』

あやせ『それでもやっぱり不安、なんですよ』

あやせ『あの後何日待っても結局桐乃から電話もメールも連絡1つもくれないんですよ!?』

あやせ『ドッキリにしたって…もうきちんと桐乃の口から伝えてくれてもいいじゃないですか…』グスッ

京介「…安心しろ。俺も全くお前と同じ状況だよ」

あやせ『お兄さんも…桐乃が出ていくまで知らなかったんですか』

京介「ああ。今思えばそれらしい素振りは何度も見せてたんだがな」

京介「ちゃんと察してやれなかった」

あやせ『……』

あやせ『私、今週のモデルの仕事お休みにしてるんです』

京介「へ?なんで」

あやせ『今の状況で、ちゃんとカメラに笑顔を向けられるのか…ちょっと怖くなっちゃって』

あやせ『えへへ….馬鹿ですよね。そんな勝手な理由で皆に迷惑かけて


京介「あやせ…お前」

あやせ『でも…これからの事を考えると、その…なんというか…こう、辛く、なっちゃって…!』

あやせ『もう桐乃と一緒に学校に行けない、とかっ…桐乃とお仕事できないとっか…ひぐ…』

あやせ『もう2度と桐乃と一緒に遊べないっ…とか、色々嫌な事、お…』

京介「おい落ち着けってあやせ!言っただろ?あいつはあくまで実力を試す為に行くだけで高校生になる時にちゃんと帰ってくるって…」

あやせ『それで桐乃がそのまま陸上の道に行くって決めたらどうするんですか!?』

京介「……それは」

あやせ『それに…帰ってきても、またモデルの仕事をするのか…高校は多分違う所でしょうし』

あやせ『繋げようとしてもこんな関係、すぐに終わっちゃいます。いえ…帰ってきた時にちゃんと私の事覚えてるかどうかも…』

京介「そんな事…ある訳」

あやせ『なんでそう言えるんですか?』

あやせ『お兄さん、さっき自分で言ってましたよね。察してやれなかったって』

あやせ『そんなあなたの言葉がアテになると思ってるんですか?』

京介「………」

あやせ『…ごめんなさい。今のは失言でした』

あやせ『お兄さんはドスケベでクズの変態ロリコンだから私よりよっぽどダメージ大きいですよね』

京介「……はぁ…そうなのかもな」

京介「今は否定しようにもできねぇよ」

あやせ『………私がこんなだから…』

あやせ『お兄さんに対しての態度が酷いから、桐乃に愛想つかされちゃったのかなぁ…』

あやせ『うっ…ひぐっ…』

京介「………」

京介「………あやせ」

あやせ『…?』

京介「お前、さ…桐乃に何とも思ってないわけ?」

あやせ『何ともって…一体何を』

京介「いやその…さっきからお前さ、自分が悪いみたいな言い方ばっかしてるからさ」

京介「黙って出て行った桐乃の事は特に何も気にしてないのかなと」

あやせ『そ、そんな訳ないじゃないですか!確かに何の理由も無しにそんな事する娘じゃないってわかってますけど…それでも』

京介「ムカつく…よな?」

あやせ『い、いや…流石にそこまでは…』

京介「本当かぁ?でも考えてみろよ」

京介「ついこの前まで妹ものの、しかも18禁のエロゲーをあやせに隠れて勤しんでいた訳だ」

あやせ『…っ…』

京介「で、仲直りしたい。でもエロゲーも離したくない。だからお前私の趣味認めろって強要する」

あやせ『…』イラ

京介「で、いざ仲良くなったら今度は場を弁える事なく自分の目の前で平気でエロゲーの話をするし?ってかエロゲー自体するし?クソまずいバレンタインのチョコを押し付けられるし(←これは今思いついた嘘)?」

京介「全然あたしの事大事にしてくれないじゃーんと」

あやせ『』イライライラ

京介「で、まぁそんな奴に一々挨拶するなんて面倒だから知らせずに外国行くわ~バイバーイ」

京介「さて、貴方はどう思う」

あやせ『そんなの許せないに決まってるじゃないですかぁ゛っ!!?』キキーッ

京介「いでっ!?」

あやせ『あぁ…イライラする…生まれて初めて、こんな…イラつくの』

あやせ『何がムカつくって…そんな可能性が1%でもあり得そうなのが本当に…っとうに腹立だしいぃぃぃぃ』バタバタ

京介「……まぁ今のはものの例えな訳だが」

あやせ『は?』

京介「ひっ」

京介「要するにだ。あれだけ啖呵切って誓い合ったのにまた桐乃に隠し事されて…大事にするって約束破られて悔しくないのか?あやせ」

あやせ『…っ悔しいですよ…凄く、悔しい』

あやせ『桐乃にとって私がその程度の人間だったなんて』

京介「……じゃあ、答えは簡単だろ?」

京介「あいつを見返してやればいい」

あやせ『………?』

京介「あやせ、お前はネガティブに考えすぎなんだ」

京介「もっとよく考えてみろ。桐乃が居ないからこそできる事もあるんじゃないのか?」

あやせ『…桐乃が居ないから……?』

京介「…エロゲーだよ、エロゲー」

あやせ「…え、えろ、エロゲー!?」

京介「そうだ。エロゲーは毎週何本も何十本も新作が出てる」

京介「お前が真に桐乃と仲良くなるにはやっぱりエロゲーは必要不可欠だろう」

あやせ『い、いやそんな事…』

京介「でも実際お前あれから桐乃にメルルの話とかガッツリされて何度かギクシャクしてただろ?」

あやせ『…』

京介「本当は…まぁいけない事かもしれねぇけどさ、桐乃もあやせとエロゲーの話したいし、何なら一緒にプレイして楽しみたいまであるのかもしんねぇ」

京介「匿名掲示板で募集してるグループに参加する位だからそれだけ共通の趣味を持つ奴が欲しかったんだろうよ。実際黒猫とか沙織と遊んでる時桐乃めちゃくちゃ楽しそうな顔してるし」

あやせ『黒…って桐乃が言ってたあの…』

京介「でもそれはあやせが嫌がるだろうし、桐乃自身それは踏み込んじゃいけねぇラインって最低限弁えてるからさ」

京介「それでも話せるか話せないだけでも大分違うと思うんだ」

あやせ『…だから私にえっちなゲームをプレイしろと?』

京介「いきなりそんな突拍子も無いこと言わねぇよ。ただ…さっきも言った通りエロゲーは毎週新しいのが出るしその分情報の更新も早い」

京介「だから0からあやせがエロゲーを知ろうとしてもまともなやり方じゃ自称エロゲーハンターの桐乃には追いつけねぇだろうよ」

京介「でも、今なら…桐乃がエロゲーから隔離されてる時ならそれが可能かもしれねぇ」

京介「ちょっとずつでいいからさ、桐乃の趣味を知っていこうぜ」

京介「桐乃がハマる位だ。もしかしたらお前ものめり込むかもしれねぇ」

あやせ『そ、それはあり得ません!絶対に!!天地がひっくり返っても!!!』

京介「だとしてもだよ。帰ってきてあやせが自分そっちのけでエロゲーやって」

京介「自分が居なくなってる間にサークルの奴らと仲良くなって」

京介「桐乃が居ない間に販売した限定品をあやせがコンプしてて…」

京介「きっと桐乃のやつ、泣いて後悔するぞ。あやせと一緒にエロゲーやりたかったー留学しなきゃ良かったーって。泣かせてやろう」

あやせ『……します、かね?それ』

京介「するよ。でもって喜ぶ」

京介「お前と裏表隠さずに一緒に遊べて」

あやせ『……』

京介「勿論お前1人でそんな辛い事させない」

京介「俺も一緒に覚えていくよ、エロゲーの事」

あやせ『お兄さんも、ですか?』

京介「ああ。多分俺、お前と感性ほぼ一致してるからな」

京介「お前が気持ち悪いって思うならそれは俺にとっても気持ち悪いものだろうし」

京介「お前が楽しいって思えるなら多分それは俺にとっても楽しい事なんだろうと思う」

京介「だから、一緒に無茶しよう。あやせ」

あやせ『…お兄さん、今自分で何言ってるのか分かってるんですか?』

京介「…実は俺も途中から訳分からん状態になってる」

あやせ『えぇ…』

京介「それでもだよ。それでも…」

京介「お前がさ、桐乃が帰ってきた後の事、やたらと悲観的に考えているから…」

京介「少しでも気が和らぐっつーの?前向きに考えられればなぁ…ってそう考えてる」

あやせ『……………』

あやせ『お兄さんはなんというか、馬鹿…としか私のボキャブラリーでは表現できません』

京介「クズとか変態よりは幾分マシだよ」


あやせ『…お兄さんの言う事も一理あるのかもしれません』

あやせ『私、桐乃の事何も知らなかった』

あやせ『少しでも桐乃の趣味の事、きちんと知りたいです』

あやせ『それで前みたいに…いいえ、今度はちゃんと桐乃と仲良くしたいです。帰ってきてからでも』

京介「…そう、だな」

あやせ『でも具体的にはどうするんですか?』

あやせ『お兄さんもエロゲーの事あまり詳しい訳じゃないんでしょ?』

京介「…いや、喋りながら思ってたけどさぁ。確かに俺エロゲーは全く持っていないんだよなぁ」

京介「たまに桐乃に押し付けられて…」

京介「…っ…と」

あやせ『あれ?エロゲーは桐乃との愛の証じゃなかったんですか?うん?』

京介「は、はて何のことやら」

あやせ『あれぇ?おかしいなぁ。そういえばさっきから話してる内容あの時のお兄さんの発言とかなり食い違いが…』

京介「だぁぁあやめろやめやめろ!お前絶対わざとやってんだろ!?」

あやせ『ふふ…さぁどうでしょう?』

京介「お前なぁ…」

京介(まぁ、ラブリーマイエンジェルあやせたんに笑顔を取り戻せたって事なら…よしとするか」

京介「まぁ、それでだ。桐乃の奴から勝手に拝借するなんて無理だしまず嫌だし」

京介「俺の持ってるエロゲーに絞るとなると、だな…」

あやせ『…???』


京介「あやせ!シスカリやろうぜシスカリ!」

あやせ『………』


あやせ「はぁ!?」

ガチャ

あやせ「…お邪魔、します」

京介「おう。適当にくつろいでくれて構わねぇからよ」

京介「今日はお袋も親父もいないから気遣う必要も無いし」

あやせ「お兄さんの部屋は初めて来ましたけど…」キョロキョロ

あやせ「思いの外スッキリしてますね…というか殺伐としてる感じ」

あやせ「何か部屋に飾ったりしないんですか?」

京介「俺は桐乃と違ってコレクション集めたりはしてねぇしな…」

京介「でもまぁ心底つまんねぇ部屋だとは思うがよ。ごく一般の男子高校生の部屋なんてこんなもんだと思うぜ?」<ガサゴソ

京介「…」<ガサゴソ

あやせ「」ガサゴソ…

京介「えっと…あやせ、さん?たん?」

あやせ「はい、何ですかお兄さん」ガサゴソ

京介「君は今何をしているのかなぁと…」

あやせ「見て分からないんですか?ガサ入れですけど」

京介「ガサ入れ」

あやせ「お兄さんの部屋はいくらなんでも殺風景すぎます。どうせ私が来る前にえっちな本とかどこかに隠していたに決まってます」

京介「確かにくつろいでいいとは言ったが人の部屋に入ってきてまず物色して部屋を荒らすアホがいるかぁぁ!?」

あやせ「荒らしてる訳じゃないです。これにはちゃんと正当な理由があります」

京介「ほ、ほう。正当な理由ね、何だそりゃ言ってみろ」

あやせ「お兄さんがいかがわしい本に囲まれている私を見て性的興奮を覚えていつも以上に激しいセクハラを私にする恐れがあるからです」

京介「んな訳あるか!それに、いつもセクハラしてるみたいな言い方してんじゃねぇ!」

あやせ「…事実、ですよね?」

京介「……少なくとも俺はセクハラするつもりじゃないのよ?」

あやせ「セクハラしている人は決まって皆そう言います?」

京介「ですよねぇ」

あやせ「麻奈美お姉さんが言ってましたよ。お兄さんは壁とベッドの間にえっちなものを隠す癖があるって」

京介「麻奈美の野郎…なんて事を、ってかなんであいつが知ってんだよ!?」

あやせ「おばさんから聞いたみたいですよ」

京介「お袋ぉぉぉ!テメェこの野郎真の黒幕はお前かよ!!」

あやせ「……見た所本当に何も無いんですね」

京介「ったりめぇだ。仮に置いてたとしても早々分かるような場所に放置する馬鹿がいるか…」

京介「それに、今日の目的は違うだろ?」スッ

あやせ「こ、これが…あの…」

京介「そう、真妹大戦シスカリプスー!」

京介「通称シスカリだ。俺が所持している唯一無二のエロゲー…」

京介「…とは言うが俺が持ってる時点で察しはつくだろうけど厳密にはエロゲーじゃねえよ、コレ」

あやせ「え!?そうなんですか?」

京介「確かにキャラの衣装がはだけたりするがそりゃあくまでPC版の話だしそれを込みで考えても卑猥な要素は普通の18禁に比べりゃほぼ皆無みたいなもんだぜ」

京介「じゃなきゃ公式大会なんて大っぴらに開催しねぇしな」

あやせ「まぁ…確かに」

京介「これはいわゆるギャルゲーみたいにキャラと会話する事もあるんだけどそれはあくまでキャラの育成…ってかレベルアップの一環であって」

京介「肝はプレイヤーの妹達が戦う格闘ゲーム…って感じだからな」

京介「まぁでも、桐乃の好きなジャンルはあくまで妹モノだからな」

京介「あいつの好きなものを知りたいって意味じゃやってみて無駄な事は無いと思うぜ?」

あやせ「…そ、そう…ですね」

京介「……」

京介(本当は実際にエロゲーをプレイした方がその良さも分かるかもしれねぇが)

京介(あやせにゃ刺激が強すぎるだろうし…全年齢版を買うにしても俺にそこら辺の知識はほぼ無いからなぁ)

京介(エロゲーに入る前にワンクッション置こうって事でなんとなく思いついたシスカリだが…)

京介(むしろあやせはこっちの印象の方が悪かったりしたかぁ?前シスカリの事ボロクソに叩いてたし、やっぱ無理にやらせない方が…)

あやせ「や、やります…やりますよ!やればいいんでしょ!?やれば!?」

京介「い、いやでも本当に綾なら無理してやらなくてもいいんだぞ…?」

あやせ「それでこのまま帰ったら今日お兄さんにセクハラされに来ただけで何の収穫もなくなっちゃうじゃないですか!」

京介「俺もうさっきの会話でお前にセクハラしてたの!?」

あやせ「いえ、玄関で会った時の目つきが既にいやらしかったです」

京介「んなアホな…」

京介「ほら、それじゃやるぞ」

あやせ「あ…それってPSP版も出てたんですね」

京介「あぁ。よくあるアーケード移植ってやつだな。最近出たんだよ」

京介(でもって桐乃に無理矢理渡された)

京介「俺は基本友達と遊ぶ時はノーパソなんだが」

あやせ「……えっちな方をすすんでプレイしてるんですね」

京介「うっせ!操作感がもうあっちのコントローラーで慣れちまったんだよ!」カチッ

ピコン

あやせ「…タイトル画面は割と普通のゲームですね」

京介「まぁな。さっきも言ったがぶっちゃけ見てくれはごくごく普通の格ゲーだ」

京介「基本的にはストーリーモード?で面倒な妹達のご機嫌取りをして、仲良くなったり、ある程度バトルして経験値稼いだりしてキャラを強くする…の繰り返しだな」

京介「一応チュートリアルあるしそれからやろう」

あやせ「は、はい…」

あやせ「…えー…四角と三角で普通の攻撃…バツで投げ技…?ここのゲージが溜まったら丸で必殺技…」

あやせ「う、うぅん」

京介「ま、まぁ今回別に格ゲーに重きを置いてる訳じゃないからな」

京介「それとなくやってみりゃいいんだよ。それで桐乃がグッと来た所を掴めりゃいい」

京介「負けたって経験値は貯まるしな」

あやせ「で、でも…やるからには勝ちに行くべきしゃないですか」

京介「いやまぁ…それはそうかもだけどよ」

京介(そこまでムキになってやるもんでもない気はするんだが…)

あやせ「それで…どのキャラを使えばいいんですか?」

京介「まぁ、そうだな…やっぱりミコトとかじゃないか?」

京介「電気使った攻撃だから、当たり判定も比較的大きいしクセも無いし」

京介「俺も桐乃もこいつメインで使ってるぜ」

あやせ「分かりました。この子にしましょう」

<頑張るよ、お兄ちゃん!

京介「はぁ…」

京介(かわいいキャラもいるのに…なんでよりにもよって全員妹設定なんだよ…)

京介(ゲーム自体はそこそこ面白いのにそのせいでいみいち乗り気がしねぇんだよなぁ、これ)

ヒラリ

あやせ「いぃっ…ぃぃ、今下着見えませんでした?」

京介「まぁ腐ってもエロゲーだしな」

あやせ「いかがわしい要素は無いってあれだけ自分で釘刺してたじゃないですか!?やっぱり私を騙したんですね!?この変態!!」

京介「い、いやいやいやこの位の表現ってか、パンチラなんて今時そこら中のゲームに…」

あやせ「そういう問題じゃないでしょう…!?意図的に女の子の下着を不必要に見せびらかすゲームなんて…」

あやせ「18禁のゲームと大差ないですよ!いやらしい!」

京介「そ、そうでせうか…」

<ピチューン

あやせ「あーーっ!?お兄さんと話してたせいで負けちゃったじゃないですか!もぅ…」

京介「いくらなんでも理不尽すぎやしません!?」

あやせ「も、もう1回です!もう一度…」



<テッテレー

あやせ「やった…勝った!」

京介「おー、やったじゃねぇかあやせ」

あやせ「わわ、私にかかればこの位余裕ですっ」

あやせ「えへへ…格闘ゲームって案外楽しいものですね…」

京介「あ、えーとそれで、どうだよ?」

あやせ「どうとは?」

京介「いや、桐乃曰くこのゲームの醍醐味はバトル前後のプレイヤーもといお兄ちゃんとの掛け合いとかその時々の仕草とか…」

京介「桐乃はそこに萌えを感じる?らしいけど…何かやってみて思った事は」

あやせ「……」

あやせ「うーん?????」

京介(あー、駄目みたいですねこれ)

あやせ「……う、ぅーん。また負けた…」

あやせ「だんだん勝てなくなってきたなぁ」ガックリ

京介「なまじ上手く勝ち過ぎたせいでレベル上がりまくっちまったからな」

京介「今日始めたばっかのあやせでオンライン対戦バンバンやるのはちょっときついんじゃないか?」

あやせ「そう、ですかね…後ちょっとで勝てそうな対戦もあったのになぁ」

京介「あーさっきのな…前半は割と押せてたけど最後ら辺若干攻撃読まれてる感じしてなかったか?」

あやせ「あー…確かに?」カチカチ

京介「ミコトの攻撃って強力な分割と隙が出来やすいからよ」

京介「ほら、今のとかガードできるようになるまで2、3秒かかるだろ?」ズイッ

あやせ「へひっ!?」

京介「これも予備動作が長めだからすぐに察知できるし…」

京介「あと…」

あやせ(ち、近いですよ…もうっ…)


あやせ「……んむ」モグモグ

あやせ「んっ…おいしいですね。このクッキー!」

京介「親父が知人から貰ったんだと。職が職なだけに顔広いからなあの人」

あやせ「え…そんなもの貰って良かったんですか?」

京介「いいんだよ。ここ最近親父食欲ないみたいだからな」

あやせ「…やっぱりおじさんも桐乃が居なくて寂しいんですかね…」

京介「違ぇねぇ。親父も娘に負けず劣らずのひねくりっぷりだからな!」

京介「いつもは眉一つ尾がかさずに平然としてるけど、内心自分の愛娘が居なくなって大泣きして|るぜ。あの人」

京介「あーでも、親父に面向かってそんな事言うなよ。俺殴り殺されちゃうから」

あやせ「是非ともお願いしたいものです」

京介「何まんざらでもない顔してんだよお前!!」

あやせ「ふふ。でも実際、セクハラお兄さんを訴える有効な手段が1つ増えたのはとても喜ばしい事じゃないですか」

京介「誰も喜ばねぇよ!!」

あやせ「今日は本当にお世話になりました」

京介「いいって事よ。まぁその、なんつーか途中からお泊り会みたいなノリになっちゃったけどさ、ちゃんと俺お前の役に立てたかな」

京介「桐乃の事、何か分かったか?」

あやせ「い、いえ…ぼんやりとしか…というより正直な所まだ何も理解できていない…と思います」

京介「そっか…」

あやせ「でもシスカリ、実際やってみると思いの外楽しめましたし…」

あやせ「そこの認識は改められたんじゃないかなと、私的には思ってます」

京介「そ、そうか…なら良かった」

京介「半ば無理やり誘ったからさ、なるべく無駄足にはさせたくなくてよ」

あやせ「む、無駄足なんて…そんなめっそうな…」

あやせ「むしろ私は楽し…かったし、」ボソッ

京介「へ?何だって?」

あやせ「う、うるさいですね!何でもかんでも詮索しようとしないでください!」

あやせ「これ以上脅すようなら通報しますよ!」

京介「いや俺脅す気はサラサラないんだけど…」

あやせ「とにかく、もう時間押してますし、私帰りますから」

あやせ「それじゃお兄さん。また明日」ガチャ

京介「ああまた明日、って…何お前明日もここに来るつもりなの!?」

あやせ「当たり前じゃないですか…あのゲームまだ途中だし」

あやせ「…それとも、やっぱり迷惑だったり…します?」

京介「…ふははは。何を馬鹿な事言ってるんだあやせたん」

京介「ラブリーマイエンジェルが俺の家に毎日降臨するってんだぜ?」

京介「そりゃもう土下座して感謝したい位には嬉しいに決まってんだろ」

あやせ「ど、土下座…ですか」

あやせ「それはそれで反応に困るというか、普通にキモいんですけど」

京介「えぇ…」

あやせ「…ふふ。お兄さんは本当に、お調子者なんですから」

京介(それからあやせは毎日俺の家にきまってシスカリをしにやってきた)

京介(桐乃が好き好んでやってるものをあやせもハマって熱心にやってるのは純粋に嬉しいし)

京介(それに…本人に言ったら蹴り殺されそうだけど、あやせと一緒に遊べるのはマジで楽しいし、ありがたい)

京介(寂しがってるあやせを元気付ける…なんて言っておいて」

京介(あんな妹でも離れ離れになったらこうも虚しい感覚に襲われるとは…)

京介(我ながら気持ち悪いなんて一言じゃ済まされないおぞましい程のシスコンっぷりだと思う)

京介(まぁそんなこんなで…春休みに突入して数日が経つ訳だが)


カチカチカチカチカチ

あやせ「…」カチカチカチカ

京介「……っ……」

京介(ものの見事に無言だ)

京介(大量の経験値と引き換えにあやせの口数がどんどん減っていきやがる)

京介(そりゃまぁ…夢中になって遊んでくれるのは結構な事だが…)

京介「な、なぁ…あや
あやせ「あっ…ちょ…あぁ!」ピチューン

あやせ「ああもうお兄さん!今いいところだったのに話しかけないでくださいよ!」

京介「そ、そうだな、悪い悪い」

京介(間髪入れずに次のランクマ行くのにどこで声かけろってんだよ…)

京介(こんな感じに会話も弾まなくなり、段々空気が気まずくなってきた)

京介(俺、一日中あやせのゲーム画面眺めてるだけなんだよなぁ、最近アドバイスだってしてないし)

京介(休日これで1日潰れるのはかなりくるぞ)

京介(それに…)

あやせ「お兄さん、冷蔵庫からポカリ取ってきてください」

あやせ「後キットカットとガム…いやキャンディでいいや、あーあとそうだな。ちょっと身体痛くなってきたのでクッションもお願いします」

京介「へ、へいへい」ガチャ

あやせ「さっさとしてください。私忙しいんで」カチカチ

京介(敬語を使うだけ大分マシだが日増しに態度がデカくなってきてんだよなぁ…)

京介(確かに桐乃に寄り添おうたぁ言ったが、性格まで真似しなくてもいいんですよ!?あやせたん!?)

京介(実はシスカリって本当に悪影響あるんじゃね?数ヶ月前のあやせにこの光景見せたら少なくとも二足歩行できる状態では生かして帰してくれなさそう…)

ガチャ

京介「持ってきたぞ」

あやせ「遅い、何やってるんですか」

あやせ「全く…」カチカチ

京介「……あの、お前さ」

京介「最近1日中俺の部屋に居るけど友達と出かけたりしねぇの?ほら、加奈子とか」

あやせ「ん~、別に?たまに誘われますけど用事があるって言って断ってます」

京介「断るってお前…加奈子だって桐乃居なくて落ち込んでたんだぞ?たまには相手してやれよ…」

あやせ「だって、実際こっちの方が大事ですし」

京介「お前…それにモデルだって」

あやせ「ちゃんと行ってますよ。まぁ、桐乃も居ないのであくまで最低限、お願いされた時だけですけど」

あやせ「その節は本当に感謝してますから、私」

京介「いや、それならまぁ…いいんだけど」

京介(……こういう事もたまに言うし、少なくとも本人には悪気は無さそうなんだが)

京介(いかんせん、当初の目論見とは大分かけ離れちまった…)

京介「……はぁ、どうしたもんかねぇ」

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ガヤガヤ…

京介「……今にして思うと何やってんだろ、俺」

京介「あいつが居なくなってやっと縁が切れると思ったアキバに自ら舞い戻ってくるたぁ…」

京介「中々に血迷ってんぞ」

京介「時間まで…後30分以上あるな。用心とはいえ早く来すぎたな」

「おーーい!」ダダダ

京介「うぇ?」

沙織「京介ー氏お待ちしていたでござるー!」

京介「沙織…お前、もう来てたのかよ…ってか待ってたって…」

沙織「当然の心得でござろう?友人の呼び声に少しでも早く応えたいというのは」

沙織「今日居ても立っても居られず2時間以上前からここで待機していたでござる」

京介「おいおい…集合時間決めた意味無ぇだろ…それに俺1時間も待たせてんじゃねぇかよ」

沙織「それはもう、拙者が早く会いたくて勝手に来ただけの話。京介氏には何の責任もありませぬよ」

京介「んな事は…」

沙織「でゅふふふ…それにしても京介氏、拙者昨日は思わず度肝を抜いてしまったでござるよ」

沙織「突然、『大事な話がある。2人で落ち合おう』」

沙織「なーんて!拙者じゃなければ危うく勘違いするような捨て台詞を吐いておられたものでしたからな!だはは!」ケラケラ

京介「ぅ…まぁそれは、そうだな。正直あの時はなんて伝えるべきか整理がつかない所もあったからな」

沙織「それにしてもあの言い方は無いでござるよ」

沙織「京介氏、完っ全にラブコメの主人公そのものでしたぞ」

京介「うるせい!」

沙織「ふふ…でも、京介氏がそんな切羽詰まって拙者に助太刀を求めるとは、それだけ重い事態なのでござろう?」

京介「……あぁ。重い…つーとなんというか違うような気もするが問題が起こってる事には変わりねぇ」

沙織「ならば!話は早いでござる!いつもお世話になっている我がサークルの黒一点、京介氏の頼みとあらば!この沙織・バジーナ例え火の中水の中森の中草の中森の中土の中雲の中スカートの中
京介「待て最後のなんか変なの混じってんぞ」

沙織「いつでもどこでも助力させていただく所存でござる!」

京介「おお…ありがてぇ!助かるよ沙おr…
ガシッ

沙織「とまぁ言いたい所ではござるが」

沙織「ふんっ!」ギギギッ

京介「いだっ!?いだだだだ、折れる!腕折れる!?」

京介「何!何!?なんかやった俺!?」

沙織「とりあえず果たす責任だけは果たしてもらうでござるよ」

京介「うぎゃああああ!?」




京介「ぁ…ぁがが」ピクビク

沙織「ふぅ、まぁこんなものでしょう」

京介「こんなものでしょうじゃねぇわ!何関節極めてんの!?後ちょっとで折れる所だったんですけど!?」

沙織「いやはや…申し訳ない。まぁ半ば八つ当たりなようなものでござるが」

沙織「京介氏にも原因が無いという訳ではありませんし」

京介「はぁ?原因?何の?」

沙織「」プクー

沙織「拙者、怒っているのでござるよっ」

沙織「きりりん氏と京介氏に」

京介「……」

京介氏ーが京介ー氏になったり
森の中が2回出てきたり
謎の|があったりしてますが気にしないでください()


というか誰か見とるかな?

ノシ

見とる見とる
無駄に長いから最新スレッド一覧がみにくくなって困るなぁって思って見とる
それに比べたら推敲不足なんて大した事ないから気にすんな

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沙織「2週間前、きりりん氏が日本を発ったという旨を頂いて」

沙織「まさか…何かの冗談では、と思って見流していたのです」

沙織「ただ何日経っても音信不通だったので流石に怪しいなと感じて…」

沙織「でも、そんな重要な話ならとっくに京介氏から直接説明して下さっている筈…と思いまして」

沙織「何も連絡しないのは訳があるのかと勘繰って…中々電話をかける機会、というか勇気が出なくて、それで…」

京介「そんな所で、唐突に俺から着信が来たと…」

沙織「拙者…確かにきりりん氏に会えなくなって寂しくはありますし、同時に中学という段階でもう既に世界中から認められているのは友人として誇らしいですし、素直に嬉しいんです」

沙織「ただ、それを差し置いてもそんな大事な事を黙って私達の前から突然消えた事」

沙織「それに対して私達にお詫びの一言も寄越さない事」

沙織「2週間経ってもきりりん氏はおろか京介氏すら、この事について私達に何も言及して下さらなかった事」

沙織「わた…拙者、本当に辛かったのでござる」

京介「…沙織…」

沙織「もしかしたら、拙者が何かお気に召さない態度を取ってしまったのではないか。嫌われてしまったのだろうか。サークルの居心地が悪くなってしまったのか」

沙織「そうでなくとも、京介氏ときりりん氏はオタクっ娘集まれーの要でござる。2人が抜ければ居づらくなって、黒猫氏もやめて…」

沙織「…折角、皆で楽しく過ごしてきたサークルがこんな形でバラバラになるのかと思うと…拙者、怖くて…悲しくて」

京介「…お前、そんな思い詰めてたのか」

沙織「でゅふふ。拙者似たような事案を過去にも経験しております故」

沙織「情けない事に軽くトラウマになっているのでござる」

沙織「サークルを作ったのもそれがきっかけというか、なんというか」

京介「…………本当にすまねえ。俺、お前の、お前らの気持ちちゃんと考えてやれてなかった」

京介「自分の事棚に上げて、嫌な事から目を背けて」

沙織「背ける、ですか?」

京介「ああ。お前ら見るとさ、桐乃と馬鹿みたいに騒いだ事嫌でも思い出されそうで」

京介「ちょっと精神的に耐えられなさそうだなと」

京介「お前らの事なんかそっちのけで自分に都合のいい言い訳ばっか作ってた。そうするのに必死だった」

京介「じゃねぇと俺、俺……」

沙織「……」

沙織「京介氏も、思い悩んでいたのですな」

京介「ああ。俺はあいつが行った直後親父やお袋から伝えられてな」

沙織「…!?」

京介「そういう意味じゃ置き手紙残してくれただけお前らの待遇は良かったと思うよ」

沙織「そ、そんな…きりりん氏から何も言伝をいただいてない、と?」

京介「そうだ。実の兄に黙って勝手に家出するなんて酷い妹だと思わねぇ?」

沙織「……いやこちらも、京介氏の事情を考えずにあらぬ事を口走ってしまい、何とお詫びすればよろしいのか…」

京介「いいんだよ。知らないなら知らないでちゃんとお前らと連絡を取って確認すべきだった。俺にも非がある」

沙織「左様、ですか」

京介「左様だよ。いいじゃねぇか。互いに桐乃の事、大事に思ってるって認識できたんだからよ」

京介「何も損はしてねぇ、いいな?」

沙織「…そう、ですな。うむ、何も問題はござらん!」

京介「よし!この話は終わり、な!」

沙織「でゅふふ。拙者、京介氏のそういう良くも悪くもポジティブな心構え、好きでござるよー」

京介「や、やめいやめい。小恥ずかしい」



沙織「なるほ…ど。要するに京介氏はそのきりりん氏のご友人にオタクとはなんぞや?というのをご教授したいが段々その趣旨がずれて迷走してしまっていると」

京介「おう。その通りだ」

沙織「それで、どうしたらよいか困っている…と」

沙織「中々に難儀でござるなぁ」

京介「だよなぁ。やっぱ実際にエロゲー…じゃなくていいからせめて妹モノのギャルゲーでも見せてやらないと桐乃の嗜好は理解できないんじゃないかなって」

沙織「なんて言ったって同じ女の子、しかも血の繋がった妹ですからなぁ。普通の感覚からすれば年頃の女の子が妹に恋愛感情を抱く事なんて早々あり得ないで話ござる」

沙織「そのご友人とやらにきりりん氏の妹萌えを果たして理解できるのか…」

沙織「もし仮に理解できたとしても、その理屈に納得できない、やはり自分の性に合わないとなれば本末転倒ですからなぁ」

京介「そこまでは高望みしてねぇよ。現に俺妹に萌えなんて感じねぇし」

沙織「おやぁ?京介氏、先程はきりりん氏が居なくなって随分落ち込んでいたご様子でしたが…」

京介「し、知るか!とにかく、俺は別に理解は示してやらんでもそれなりに桐乃と話せてはいるだろ?」

京介「最低限その位…とりあえず話題に乗れる程度の知識を身につけられりゃいいんだよ」

沙織「んー、でも世の中には【中途半端な力を身につけた者はかえって早死にするんだよ】という偉大なことわざがありましてな…」

京介「フリーザ様の台詞を何だと思ってんだよお前は…」

沙織「無理に無い知恵を絞って強情を張ってきりりん氏の逆鱗に触れたり地雷を踏んでしまわれやしないか…」

沙織「ああいうタイプのオタクはにわか…所謂新参者に対して辛辣なイメージがありますし…っと少し失礼な言い方をしてしまいましたな」

京介「いや、あながち間違ってねぇぞその考察」

京介(あいつエロゲーで分かんねえ事聞く度に俺の事馬鹿にしてんもん…)

京介(実際メルルの話したらギクシャクしてたらしいしな…)

京介「まぁ色々思う事はあると思うし、お前の言う事も分かるんだけど」

京介「もしだの何だの考えたらずっと平行線のままだからよ」

京介「さっきも言ったけど、ひとまず前向きに検討した方がいいと思うんだ」

沙織「…そうでござるな」

沙織「確かに、何をするにしても知らない事には何も始まらないでござるからな」

沙織「そこで!とうとう拙者の出番でござるな?」

京介「あぁ、そうだ。知り合いの女の子にエロゲー買うの手伝ってもらうなんて…我ながら狂ってると思うが」

京介「いつも桐乃に振り回されているだけで俺、この街の事全然分かってねぇんだよなぁ。未だに店の配置とか覚えきれてねぇしよ」

京介「どこから手を付けりゃいいのかさっぱりの状況だ」

沙織「ぐふふ。そういう事でしたら、このアキバマスターこと沙織・バジーナにお任せあれ!」

京介「アキバマスター」

沙織「ここは拙者にとって庭のような場所。おすすめの店なら幾らでも知っておりますから大舟に乗ったつもりで拙者についてきて下され!」

京介「悪いな、案内と相談役、頼んだぜ」

沙織「ふふふ。まぁそう畏まらなくても構いませぬって」

沙織「拙者、例え離れていてもお二人の力になれて凄く嬉しいのでござるよ」

沙織「先ほどから京介氏も仰っているではありませぬか。前向きになれと」

沙織「こういう時、ヒロインは謝られるよりも『ありがとう』って感謝の意を述べられた方が気持ちもいいし、好感度が上がりやすいのですぞ~?」ニコッ

京介「……そ、そうか。サンキュ、沙織」

沙織「デュフ、デュフフフ。さては今ドキッとしましたな?」

京介「な訳ねぇだろ!」

沙織「胸、ときめいちゃったんでしょ?ねぇ、ときめきクライシスなうなのでござろう?ねぇねえ!」

京介「るせえ!ときめかんわ!」

沙織「ここは、品揃えこそ他店と比べると見劣りいたしますがコストを極限にまで抑えた消費者のお財布に優しいお店でござるよ」

京介「…確かに、いつも行ってる所よりも1000円安いじゃねぇかよ」

京介「こんなんで利益出んのか…」

沙織「でゅふふ、そこをどうやりくりするのが経営者の腕の見せ所でござるよ」

沙織「さて、お目当てのモノはありますかな?」

京介「うーむ」



沙織「にゅおああ!?」

京介「ど、どうしたんだよ急に」

沙織「こ、これは先日登場した新作ガンダムのクリアカラーver…」

沙織「数量限定の期間限定で発売決定…!?これは是非とも入手したい…」グググ

京介「へぇ…良かったじゃん」

沙織「う…うぅ…でも拙者この日は先約がありましてここには来れませぬ…」ガックリ

京介「いや~流石に初日に売り切れるって事は…」

沙織「甘い、甘々ですな京介氏」

沙織「今や膨大な数のヤーの賊心が蔓延る大転売時代…」

沙織「販売開始時点で入店できないようではとてもとても…」

京介「んな馬鹿な話ある訳が…」

京介「……いや、ついこの間深夜にあの馬鹿に頼まれて寒い中数時間棒立ちしてたんだったわ」

沙織「せめてネット予約でも可能ならば救いはあったのですが…実店舗での販売という事ですし」

沙織「今回は諦めるしかありませぬな」

京介「それなら俺が代わりに買ってきてやろうか?」

沙織「え!?さ、流石にそれは…京介氏の手を煩わせる訳にはまいりませんよ!」

沙織「それにこれ、平日でござるし…」

京介「あー、そっか…………」

京介「…?」

沙織「ささっ、次のお店は参りましょうぞ!」

京介「あっ、お、おう。待ってくれー、沙織!」

京介「はぁ~,歩き疲れた」

沙織「まだ半分しか周り切っておりませぬぞ。京介氏」

京介「逆になんでお前はピンピンしてんだよ…買い物して両手に荷物抱えて歩いてんのに」

沙織「いやはや、こうしてサークルの皆とお出かけするのは久しいものですからな。ちょっとテンションが上がりまして」

京介「若いっていいねぇ、俺はもうあいつらみたいにはしゃぐ元気は出ないよ」

沙織「ふふふ。1番無茶苦茶をしなさっているお方がよく言う…」

沙織「それに、拙者は京介氏より歳上ですぞ」

京介「んーそういう訳で言ったんじゃねぇけど」

京介「……まぁそうだな…別に物であやせをわからせる必要性は無いのかねぇ」

京介「こういう、普通な感じのお店にあやせを連れてきて徐々にアキバに慣れさせるみたいなのもアリかもなぁ」

沙織「お、それは名案でござるな!ここならオタクに抵抗のあるあやせ氏でも気軽に入店
きらら「はーい、お帰りなさい!大佐、お兄ちゃん!!」

きらら「私ぃ、最近お兄ちゃんに会えなくてすっごく寂しかったよ~」

沙織「………」ジー

きらら「どうする?私とお風呂にする?私とご飯食べる?それとも…
京介「うん、とりあえずこの店は却下だな!」



京介(とまぁそんなこんなで色々ありながら沙織に言われるがままアキバ巡りを堪能した)

京介(いつもは桐乃の我儘でついていってる事がほとんどだからあまりこう、ゆっくり見る機会は無いんだけどよ)

京介(実際、自由気ままに散策してみるとそれなりに楽しい場所だなぁってなんとなくそう感じていった)

京介(もちろん、単にアキバがそういう場所だったんだってだけの話だとは思うんだけど、ちゃんとオタクじゃない俺に合わせて沙織は優しく、分かりやすく説明して、対応してくれていた)

京介(沙織がちゃんとサポートしてくれたおかげで今日一日楽しく周れたと思うと感謝しかできない)

京介(本当、桐乃と黒猫にはこういう所見習って欲しいって心底思う)

沙織「いやー周った周った!戦利品も大量にゲットでござる」

京介「お、おう、そりゃ何より、だな」

京介「俺はもう立ってるだけで精一杯だ…」

沙織「…なんというか、途中から拙者がただ楽しく買い物してるだけな気がするのでござるが…」

京介「いや~仕方ねぇよ。途中から思考力が停止したというか…何というか」

沙織「やはり、1日アキバをグルグル見回した位では良いプロモーションは思いつかないでござるか…」

京介「まぁな…でも実りはあったぜ。とりあえず俺でも知ってるようなゲームはいくつか確保した」

沙織「確か、しすしすの全年齢版はつい先日発売されたのでしたかな」

京介「ああ。どうせあいつ、帰ってきたら真っ先に買いに来そうなラインナップだったからな。それに全年齢版なら……」

京介「多分だがえっちなシーンはない、筈だ!」

沙織「………拙者が言うのもなんですが」

沙織「だとしてもカップルでも無い男女2人でエロゲーに勤しむシチュエーションというのは…」

沙織「何と言いますか、感無量…ですな」

京介「無理せず気持ち悪いって言ってくれていいんだぞ」

京介「俺だって自覚してるよ!そうだよ!おかしいよ!」

京介「妹が溺愛している妹モノのエロゲーをその妹の親友とぎこちなくプレイしようなんて提案する変態兄貴がこの世に居てたまるか!」

沙織「まぁまぁ…これも全て可愛い可愛い妹、きりりん氏の交友関係の復興の為でありますし、立派な努力だと…」

京介「思ってるの?」

沙織「………」

京介「ほら!断言できてねーじゃねーか!畜生!」

京介「こうなりゃやけだ。俺に恥をかかせたツケはきっちり払ってもらうぜあやせ」

京介「お前をエロゲーの虜にしてエロゲー漬けにしてエロゲーで犯しまくってやるもんねぐへへ」

沙織「あの、通報しますよ京介氏」

京介「はっ…いかんいかん。危うく帰らぬ人となるところだった…色んな意味で」

沙織「大丈夫でござるか?張り切ってるのは結構な事でござるが、若干テンパり気味で拙者ちと不安でござるよ」

京介「ああ。でも、大丈夫だ。これ以上お前の厚意に甘える訳にはいかねぇ」

京介「ちゃんとあやせに今日お前が語ってくれた熱意、ぶつけてやるからよ」

沙織「京介氏…」

京介「とにかく、今日はありがとうな」

京介「もし…機会があれば、桐乃抜きでもまた前みたいに皆で集まりてぇな」

沙織「….そうでござるな」

沙織「今度は黒猫氏も誘って……何なら、あやせ氏を連れてきてくださっても構いませぬぞ?」

沙織「他でもないきりりん氏のご親友ならば大大大大大歓迎でござる」

京介「へっ…考えとくよ。それじゃ、またな!」

沙織「うむ、健闘を祈っておりますぞ京介氏!」

日本人はカス民族。世界で尊敬される日本人は大嘘。

日本人は正体がバレないのを良い事にネット上で好き放題書く卑怯な民族。
日本人の職場はパワハラやセクハラ大好き。 学校はイジメが大好き。
日本人は同じ日本人には厳しく白人には甘い情け無い民族。
日本人は中国人や朝鮮人に対する差別を正当化する。差別を正義だと思ってる。
日本人は絶対的な正義で弱者や個人を叩く。日本人は集団イジメも正当化する。 (暴力団や半グレは強者で怖いのでスルー)
日本人は人を応援するニュースより徹底的に個人を叩くニュースのが伸びる いじめっ子民族。

日本のテレビは差別を煽る。視聴者もそれですぐ差別を始める単純馬鹿民族。
日本の芸能人は人の悪口で笑いを取る。視聴者もそれでゲラゲラ笑う民族性。
日本のユーチューバーは差別を煽る。個人を馬鹿にする。そしてそれが人気の出る民族性。
日本人は「私はこんなに苦労したんだからお前も苦労しろ!」と自分の苦労を押し付ける民族。

日本人ネット右翼は韓国中国と戦争したがるが戦場に行くのは自衛隊の方々なので気楽に言えるだけの卑怯者。
日本人馬鹿右翼の中年老人は徴兵制度を望むが戦場に行くのは若者で自分らは何もしないで済むので気楽に言えるだけの卑怯者。
日本人の多くは精神科医でも無いただの素人なのに知ったかぶり知識で精神障害の人を甘えだと批判する(根性論) 日本人の多くは自称専門家の知ったかぶり馬鹿。
日本人は犯罪者の死刑拷問大好き。でもネットに書くだけで実行は他人任せ前提。 拷問を実行する人の事を何も考えていない。 日本人は己の手は汚さない。
というかグロ画像ひとつ見ただけで震える癖に拷問だの妄想するのは滑稽でしか無い。
日本人は鯨やイルカを殺戮して何が悪いと開き直るが猫や犬には虐待する事すら許さない動物差別主義的民族。

日本人は「外国も同じだ」と言い訳するが文化依存症候群の日本人限定の対人恐怖症が有るので日本人だけカスな民族性なのは明らか。
世界中で日本語表記のHikikomori(引きこもり)Karoshi(過労死)Taijin kyofushoは日本人による陰湿な日本社会ならでは。
世界で日本人だけ異様に海外の反応が大好き。日本人より上と見る外国人(特に白人)の顔色を伺い媚びへつらう気持ち悪い民族。
世界幸福度ランキング先進国の中で日本だけダントツ最下位。他の欧米諸国は上位。
もう一度言う「外国も一緒」は通用しない。日本人だけがカス。カス民族なのは日本人だけ。

陰湿な同級生、陰湿な身内、陰湿な同僚、陰湿な政治家、陰湿なネットユーザー、扇動するテレビ出演者、他者を見下すのが生き甲斐の国民達。

冷静に考えてみてほしい。こんなカス揃いの国に愛国心を持つ価値などあるだろうか。 今まで会った日本人達は皆、心の優しい人達だっただろうか。 学校や職場の日本人は陰湿な人が多かったんじゃないだろうか。
日本の芸能人や政治家も皆、性格が良いと思えるだろうか。人間の本性であるネットの日本人達の書き込みを見て素晴らしい民族だと思えるだろうか。こんな陰湿な国が落ちぶれようと滅びようと何の問題があるのだろうか?

ガチャ

あやせ「こんにちは。お兄さん」

京介「よう、あやせ。今丁度お袋が買い物に行ったとこなんだ」

京介「誰も居ないから気にせず上がっていいぞ」

あやせ「はい、お邪魔します」


ガチャ

京介「じゃ、茶と菓子持ってくるからちょっと待ってろ」

あやせ「あ、その前にシスカリ始めちゃうのでPSP貸してください」

京介「あーー、えー、その事なんだが」

あやせ「?」

京介「今日はシスカリ禁止、お前」

あやせ「……え、えええぇ!?」

京介(…あれだけ嫌がってたエロゲー、ちょっと取り上げられただけでこうも取り乱すたぁ)

京介(あやせも随分毒されたなぁ)

あやせ「ど、どういう事ですかお兄さん!説明して下さい?r

あやせ「私、毎日シスカリが楽しみでここに来てるんですよ!?」

あやせ「本当はお兄さんにあれやこれやのセクハラをされるんじゃないかと恐怖に襲われてますけど、シスカリはやってて楽しいしいいストレス発散にもなるからグッと堪えてたんですよ!?」

京介(俺<<<<<シスカリなのかよ…)

あやせ「これじゃお兄さんの家に来た意味が無いじゃないですか!」

あやせ「それに、お兄さんに私をどうこうしろと言う筋合いも権利もありませんよね?」

あやせ「自分の立場、分かってるんですか?」

京介「ああ分かってるよ。お前がシスカリやってて楽しくて夢中なんだったら口出しする事なんてねぇよ。そうする必要もねぇ」

京介「…って最初は思ってたよ。でも、最近のお前は異常だ。モデルの仕事無い時は決まってここに寝そべってエロゲーしてんじゃねぇか」

あやせ「それが、何か文句でもあるんですか?」

京介「大ありだよ。お前、この間言ってたよな?適当な理由つけて加奈子が遊びに誘ってんの断ってるって」

あやせ「だって…それは、こっちの方が…お兄さんと遊ぶ方が楽しいから」

京介「そりゃ結構な話だがな…あやせ。当初の目的を忘れてねぇか?」

京介「桐乃が居ないから、これを機に桐乃を理解しよう。って始めたゲームだろ?」

京介「お前、シスカリに出てくる妹キャラの可愛さとか魅力はちゃんと分かったのか?」

あやせ「……それは」

京介「桐乃がシスカリにハマってんのはあくまでコレがかわいい妹同士の格闘ゲームだったからだ。別に格ゲー自体は好き好んでやってる訳でも無ぇんだよ」

京介「実際、半年以上プレイしてんのに大してランク上がってねぇしな」

京介「俺が薦めておいて、こんな事言う資格なんて無いと思うけど」

京介「ただひたすらに上手くなるだけじゃ、そこの認識がズレてると別の意味で話が噛み合わなくなっちまうんじゃねぇかな」

あやせ「…」

京介「お前だって、メルルのマシンガントーク一方的に聞かされて嫌な思いしただろ?」

京介「多分、シスカリで桐乃にボロクソに蹴散らしたってお前は楽しくても桐乃も楽しめねぇんじゃねぇかな」

あやせ「…確かに」

京介「それに、桐乃が居なくなって寂しいのは加奈子だって同じなんだ」

京介「あいつ、メルルのコスプレでかなり有名になっただろ?遊べる時間だって減った筈だ」

京介「それでも、少ない時間をやりくりしてお前と遊びたいって言ってるんじゃねぇか」

京介「それを無碍にして、桐乃が帰ってきた時に『加奈子を蔑ろにして桐乃の為にシスカリ練習したの』なんて言ってみろ」

京介「…多分ビンタの1発や2発かまして最悪絶交する羽目になるぜ」

あやせ「……」

あやせ「…そうですよね。お兄さんの仰る通りです」

あやせ「実は今日、加奈子から電話があって最近付き合いが悪いって怒られちゃって」

あやせ「大事な用があるからドタキャンは出来ないって粘り続けたら加奈子、渋々了承してくれて」

あやせ「悪い事しちゃったなって…後悔してます」

京介「ちょいとばかし口が悪いクソガキではあるけど、ああ見えて友達思いだったり案外寂しがり屋だったりするからな」

京介「今度会ったら、ちゃんと話して謝ってあげろよ」

京介「そうすりゃ加奈子もきっと許してくれるさ」

あやせ「はい」

あやせ「でも…そうすると今日は一体何を…」

京介「おう、今回は趣向を変えて…というか原点にかえりまして」

京介「これ」つ妹×妹~しすこんラブすとーりぃ~

あやせ「……えっと…何なんですか?これは」

京介「何って、エロゲーだよ?」

あやせ「な、ななななんでそういう事になるんですか!?」

京介「なんでも何も、前々からやるって2人で決めてただろ?」

京介「ていうか昨日まで堂々とエロゲーをしていた割にはひどい動揺ぶりだな」

あやせ「当たり前でしょう!?シスカリはその…パンチラとか……ギリギリのギリ私でも許せるレベルの卑猥さだったんですよ!」

あやせ「それってその…あ、あああのあか、ちゃんを作ったりとかその……えと」

あやせ「は、激しいシーンがあるえっちなゲームなんでしょう!?」

京介「んいや、こいつは最近出たばっかの全年齢版。店に並べられんようなえっちなシーンはないと思うぜ」

京介「プレイしてないから分かんねぇけど」

あやせ「なんで先に確認していないんですか!?」

京介「いやほら、言ったろ?どうせ苦しむなら1人でじゃなくてお前と一緒に苦しみたいって」

京介「先にプレイしちゃったら初体験の感触を共有できねぇじゃん」

あやせ「何ですかその文面だけ見ると異様にいやらしい言い回しは…」

あやせ「それに、そんな御大層な言葉並べて本当はえっちなゲームをプレイして恥ずかしがっている私を見て興奮したいだけでしょう!?」

あやせ「私には下衆なお兄さんの企てなんか全てお見通しですからね!」

京介「いや俺は別にそんな特殊なプレイで快感に浸れふようなヤバい性癖持ってないよ!?」

京介「確かに性欲は有り余っているけどごくごく普通の高校生よ!?」

京介「って何俺に変な事言わせるんですかこの変態っ!」

あやせ「知りませんよ!ただ勝手に自分から墓穴掘っただけじゃないですかこのアブノーマルシスコン!!」

京介「あ、あアあアブっ!?」

あやせ「童貞のお兄さんにはどうせ分からないでしょうけど女の子はそういうえっちな視線をすぐ捉えられるんですからね!」

あやせ「今日だけでお兄さん、私の胸5回はジロジロ見てました!」

京介「……5回じゃなくて3回だけだし」

あやせ「3回も見てんじゃないですかこの視姦魔ぁぁああっ!」バキッ

京介「べばぶ!?」ドサッ

京介「い、いてぇ…別に抜こうとしただけで抜いてねぇし…」

あやせ「視姦未遂じゃないですか!今すぐ訴えますよ!」

京介「というかなんでお前俺が童貞だって知ってるんだよ!」

あやせ「話を逸らさないでください?鈍臭くてヘタレなお兄さんが経験済みかどうかなんて火を見るより明らかです」

京介「火を見るより明らかなのか」ショボーン

あやせ「と、とにかくそんな嘘っぱちで友達を変な目でしか見れないお兄さんの言う事なんか信じられません!」

あやせ「シスカリやるからさっさとPSP寄越してください!」

京介「君さっきの話聞いてた!?」

あやせ「うるさいですね!それとこれとは話が別なんです!」

京介「別じゃない!」

あやせ「別です!」

京介「 別 じ ゃ な い ! 」

あやせ「 別 で す ! ! 」

京介「あーもうやかましいわ!」

京介「俺だってやりたくてこんな気持ち悪い妹モノのエロゲーなんてやらんわこん畜生!!!」

あやせ「……」

京介「……あっ」

あやせ「お兄さん…」

京介「あー、そのなんだ?今のは言葉のあやというか…禁断症状というか…」

あやせ「お兄さんは、桐乃が好きで好きでたまらない近親相姦上等のドシスコンなんですよね?」

京介「は、はぃぃ桐乃の事宇宙で1番愛しております~」

あやせ「そしてその満たされない欲望を、このいかがわしいゲームで消化しているんですよね?」

京介「え、えぇもう最近は溜まりに溜まっちゃって…」

あやせ「だから私にそんな嘘をついたんですよね?」

京介「いやもう仰る通りですよ~実妹に欲情なんてそんな気持ちの悪い事…」

あやせ「……やっぱり嘘じゃないですか」

京介「……あ~、えー…と」

京介「あ?」

あやせ「えっちなゲームが桐乃との愛の証云々って、全部嘘なんですよね」

京介「……そっか…」

京介「そういやお前、あの後すぐメールで言ってたもんな」

京介「『大ウソ吐きのお兄さんへ』だっけか」

京介「もしかしてアレ、最初から気づいて…」

あやせ「というか、あれで誤魔化せると思ったお兄さんの思考回路を覗いてみたい所ですよ」

京介「全くもってその通り」

あやせ「お兄さんは、私と桐乃の関係をどうにか直そうって自分から泥を被りに行ったんですよね?」

京介「泥…って程じゃねぇけどな」

京介「あの時もう似たようなやり口で有耶無耶にさせちまってたからなぁ…1名ほど」

京介「今更そのレッテルを貼られるのが1人増えようが大してダメージは増えないっつーか…まぁそう考えてた」

京介「まさかここまで毛嫌いにされるとは思っていなかったけど」

あやせ「あんな事言われたら、誰だって気味悪がりますよ…」

京介「否定できません!」

あやせ「演技だって…私達の為の嘘だって分かってたのに…」

あやせ「都合の悪い事に目をつぶって、お兄さんのご厚意に甘えてお兄さんを散々貶してしまいました」

あやせ「あの時は…本当に、申し訳なかったと思ってます」

京介「でも今は?」

あやせ「若干嘘なのかどうか私の中で怪しくなりつついます」

京介「ずこーっ!」

あやせ「日頃の行いのせいですよ、お兄さん」

あやせ「結構しよう~とか、マイラブリーエンジェル…でしたっけ?」

京介「ラブリーマイエンジェルあやせたん、だ。2度と間違えるんじゃないぞ」

あやせ「………きも」

京介「ごめん。ちょっと今のかわいかった。もう1回…」

あやせ「なんというか、そういうところですよ?お兄さん」

京介「そういうところ」

あやせ「………でも、お兄さんはこんな、散々な言われ方してもなんだかんだ言って私の話聞いてくれますよね」

あやせ「どうしてですか?」

京介「そりゃ当然、お前を愛しt
あやせ「えっと1・1…
京介「ちょっと話し合おうかあやせたん?」

あやせ「なんですか?お兄さん。話なら後でたっぷり聞いてあげますからとりあえずこの0のボタンだけ押させてくれませんか?」

京介「やめろやめろ!社会的抹殺反対!」

あやせ「…だったら真面目に答えてくださいよ、全く」

京介「……そりゃお前、その…アレだよ」

京介「お前が困ってるから助けてやりたいって…それだけの事だよ」

あやせ「…それは大前提でしょう。私がお兄さんに話を聞いてもらうのは困っているから、なんですから」

あやせ「お兄さんには困ってる私を助けて何かメリットでもあるんですか?それともそうせざるを得ない事情でもあるんですか?」

京介「うーん」

京介「…まぁ、ある種使命感に駆られているみたいな感じもあるけど」

あやせ「使命感、ねぇ…」

京介(拒否したら殺されそうなんて口が裂けても言えねぇ)

京介「でも、困っているお前を助けるメリットはちゃんとあるぞ」

あやせ「へぇ、何ですか?言ってみて下さいよ」

京介「お前と仲良くなれる」

あやせ「…は?」

京介「お前の抱えてる悩み解決してさ、少しでもお前の支えになってやって」

京介「そうしたらあやせも少しは俺の事、見直してくれるんじゃないかなってそう企んでる」

京介「そりゃ…結果的にややこしい事しちゃったり逆に悪化する事もあるけどよ」

京介「俺はお前といるのすげぇ楽しいから、だからどれだけ罵られても仲良くなりてぇって思ってるの」

あやせ「……結局かこつけて口説こうとしてるだけじゃないですか、きも…」

京介「そうかもしれねぇ。けど嘘でも演技でも無い俺の本心だ」

京介「お前にどれだけ嫌われようが、俺はお前を嫌ったりしねえ」

あやせ「………調子のいい事ばかり言うんですから、お兄さんは」

あやせ「今日、私お兄さんに言われてばっかりですね…」

あやせ「お兄さんに色々迷惑かけてるのに…」

京介「まぁ俺も悪気が無い事もないし人の事言えた立場じゃねぇけどな」

京介「いいんじゃねぇの?喧嘩する程仲が良いともいうし」

京介「それだけ本音を吐き出せる仲だって事なんだからよ」

あやせ「そう、ですか」

あやせ「そうですよね、えへへ…」

京介「……」

あやせ「…何かしんみりとした空気になっちゃいましたね」

あやせ「ちょっともう、疲れちゃいましたし早いですけどこの辺でお暇s
ガシッ

京介「おいサラッと何逃げ出そうとしてるんだねあやせ君?」

あやせ「に、逃げ出すなんて何をそんな人聞きの悪い…」

あやせ「というか何勝手に人の手首強く握りしめてるんですか?セクハラですよ?通報しますよ?」

京介「へっ。なんとでも言え。言っただろ。お前が何を言おうが俺は構いやしないってな」

あやせ「くっ…そんな虚勢を張ったところで」

京介「言い忘れたがな、このゲームはなぁアキバの事よく知らねぇ俺がお前の為にっつって女の子の友達に案内してもらって買ってきた戦利品なんだぞ!」

あやせ「ひっ…!?」

京介「オタクとはいえ、いい歳した女性と和気藹々とえっちなゲームを買いに来る男子高校生の気持ちを考えた方があるか!?お前はぁ!?」

あやせ「考えたくなんかありませんよっ!!この破廉恥童貞!!」

京介「俺がこんな目に遭ってるのにお前だけ恥ずかしいからやっぱやめますなんて言い訳通じると思ってんのか…?」

京介「今からたっぷり俺が受けた屈辱を味わわせえやる…」

あやせ「いやっ…やめて、誰か!誰でもいいから助けて~!」

京介「馬鹿め。お袋はさっき出かけたばっかって言っただろうが。誰も助けには来ない」

京介「安心しろ痛くはない、物理的な意味で」

あやせ「いや~!やっぱり嫌です!いやぁぁ!」

京介「お前のはじめては俺のものだぜ、あやせ」キリッ

あやせ「こんなしょうもないはじめてなんか要らないからぁぁああああ」

あやせ「いやああああああぁぁぁぁぁ」

PC< 妹×妹~しすこんラブすとーりぃ~!

京介「……やっぱりやめません?」

あやせ「あれだけ人を弄んで何を今更…」

京介「いや~…いざタイトル画面を目の前にすると…なぁ?」

あやせ「もうここまで来たらやぶれかぶれですよ」

あやせ「えっちなシーンが無いなら合法ですから、誰がプレイしても問題ないはずです」

あやせ「もし少しでもいかがわしい香りがしたら…」

京介「したら?」

あやせ「お兄さんを殺して私も後を追います」

京介「なんでたかがエロゲーでそんな壮絶な展開になっちゃうの!?」

あやせ「お兄さんこそ、それくらいの罪の意識は持ってください」

あやせ「ほら、始めますよ」


りんこ『アンタがあたしの兄貴?マジあり得ない。最悪なんですケドぉ~~』

みやび『今日からよろしくね、お兄ちゃん』

あやせ(どうなるんだろう、これから……)

ゲームの主人公の名前

あやせ『……えーと、りんこちゃん……って、呼べばいい?』

りんこ『キモ……慣れ慣れしくすんな』

あやせ『いや、あのさ』

りんこ『喋んな、むかつく、ばかじゃん』


京介「…お、ぉおぉ…」

京介「っの…野郎、何回やっても年齢制限解除されてもムカつく妹だなお前は!」

あやせ「……かわいい」

京介「はい?」

あやせ「このりんこって子、なんとなく桐乃に似てて可愛くないですか?」

京介「………なんで俺が妙にこいつに嫌悪感を抱くのか模範解答を出された気がするよ…」

あやせ「面白そうですね、このゲーム。りんこちゃんかぁ…ふふふ」

京介「…俺、取り返しのつかない事しちゃったかなぁ、コレ」

りんこ『これだけ言っても怒らないんだ?情けないやつ』

あやせ『……じゃあどうしろと?』

りんこ『死ねばいいと思うよ?あんたなんか、どーせ生きててもしょうがないでしょ?』

あやせ『な、なんだそれ……そこまで言われるほど、僕が何かしたのかよ』

りんこ『……』

あやせ『おまえな、これから一緒に暮らすんだろ?だったらもっと……』

りんこ『うっさい!他人のくせに、兄貴面しないでよ!』

あやせ「……」

京介「……」

あやせ「も~、りんこちゃんったらそんな事言わないでよ~」

あやせ「えへ、へ、えへへへへ」

京介「駄目だこいつ…早くなんとかしないと…」

京介(こんな感じにプレイ前の心配とは裏腹にしすしすを相当楽しんでいる様子のあやせ)

京介(このご満悦な表情見ろ。エロゲーやってる桐乃とそっくり、って完全一致だわ!)

京介(完っ全に堕ちてやがる…桐乃化しちゃってるよ!)

京介(しかもよりによってこのクソ腹立つりんこルートで興奮してんだ、意味わかんねぇぇ…)

京介(妹を持つ身にとってはこんなウザい妹にとてもじゃないが可愛さなんて見出せねぇよ)

京介(そして俺が不服そうな顔をする度に)

あやせ「……っ」

京介(なんかメンチ切ってくるんですよこの子、何なの!?)

京介(そりゃまぁ感性は同じだななんだなベラベラ喋っておいて、あやせを否定するような真似しちまってるのは悪いとは思うけどさぁ)

京介(この場合、あやせの感覚が一般人とずれてるだけなんじゃないですかねぇ!?ねぇ!?)

>>53

って完全一致だわ!→ってか完全一致だわ!

同じだななんだな→同じだのなんだの

です。



今年中に終わらそうと思ったけど無理だわ…

あやせ「今日はすごく楽しめました!ありがとうございます、お兄さん」

京介「お、おう…そう?」

あやせ「…?お礼言われるの、抵抗でもあるんですか?」

京介「い、いや…そんな事はねぇよ!?嬉しいよ!?滅茶苦茶最高!」

京介「ただ、なんというか…罪悪感というか………複雑だなぁ、と」

あやせ「???」

あやせ「まぁ、いいです。それよりお兄さん」

京介「ん、何?」

あやせ「このゲームってえっちなverもあるんですよね///」

京介「頬を赤らめてそんな事口走る女子中学生が居るかぁああ!?」

あやせ「桐乃は言いそうですけど」

京介「うるせぇ!あいつはJCじゃねえ!名状しがたいJCのような何かなんだよ!」

京介「お前もその同類になるんだぞ!?いいのか!?」

あやせ「仕方ないじゃないですか!好きになっちゃったものは好きなんです!何か文句でもあるんですか!?」

京介(数ヶ月前のお前に聞かせてやりたい)

あやせ「と、とにかくり、りんこちゃんの、え、ええっちなシーンが見たいんです私は!」

あやせ「このゲームはネット通販でも売ってるか聞いてるんです!」

京介「いや~…まぁありは、するけどよ」

京介「お前ん家でエロゲー宅配で頼むのやばくね?」

あやせ「両親が居ない時を見計らいます」

京介「そうでせうか…」

京介(無垢なあやせたんをこんな変態に染め上げてしまった僕をどうか赦してください、お義父さん、お義母さん…)

京介(不可抗力なんです!信じてください!)

京介「お盛んなのはいいけど、ちゃんと加奈子の相手もしてやるんだぞ!」

あやせ「分かってますって…」

京介(それから…あやせは家に来なくなった)

京介(ちゃんと俺ばっかに縋り付かずに加奈子の相手をしたり、自分の時間を大事にしたりしてるって、やっと安心できた)

京介(…まぁ若干、居なくなって寂しいとは思うけどよ、思うけどよ!)

京介(ちゃんと元通りの関係になってほっとしてる)



京介(と思いきや3日後)


京介「え、えーと、何だって?最近耳が遠くなってな」

京介「もう1回言ってくれ」

あやせ「何度も言ってるじゃないですか!」

あやせ「コンプしたんですよ、しすしす!」

あやせ「全年齢版も!通常版も!」

京介「…嘘、だろ?」

京介(んな阿保な…あんなボリュームを3日間でクリアできる訳ねぇだろ…)

京介(というか届くまでの時間考えるとプレイできる時間もっと短かったよな…それに全年齢版には追加シナリオが1、2つあるって聞いた)

京介(どうやったら2日ちょいでコンプ出来んだよぉぉ!?精神と時の部屋でも行ったの?何なの!?)

あやせ「いや~…やり応えありましたよ、コレ」

あやせ「特にりんこちゃんのベストエンドがとても感動して…うぅ…」

京介「そ、そうか…よ、良かったねぇ…はははは」

あやせ「あ、でもこの追加キャラのあさひちゃんは…なんというか、自分的にはイマイチでしたね」

京介「?なんでだ」

あやせ「りんこちゃんの友達で、りんこちゃんの事をすごく大事に想ってるみたいな…そこら辺の境遇は共感できる事があるんですけど」

あやせ「いかんせん…自意識過剰というか、被害妄想というか…」

あやせ「ちょっと気持ち悪いって、やってて引いちゃいました」

京介「………」

京介「俺達ってもしかして元はエロゲーのキャラかなんかじゃねぇのかなぁ」

あやせ「え、えぇ!?なんでいきなりそんな話に…」

京介「いや…まぁ……うん、分からない方が幸せな事もあるさ」

あやせ「何ですかその含みのある嫌な言い方は!」

京介(含むどころか俺が述べるまでも無くお前が暴露してくれた筈なんだが)

あやせ「という訳で、約束は果たしましたからこれでシスカリをやっても文句はありませんよね?」

京介「約束した覚えはないが…まぁいいんじゃねぇの?」

京介「これでシスカリと…しすしす、2つもエロゲーの話題が増えたじゃねえか」

京介「しすしす…というかりんこは桐乃も気に入ってたから話せるようになったと知ったらあいつもきっと喜ぶぞ」

あやせ「そうですか!やっぱり…そうなんだ…えへへ」

京介「やっぱり?なんだその分かったような言い方…」

あやせ「…」

京介「え?何?俺の顔に虫でも付いてる?」

あやせ「…そのせいで脳が腐って思考が鈍いのかもしれませんね…」

京介「例えの1つを真に受けないでくれる!?」

ピンポーン

あやせ「ひっ!?」クルッ

京介「ありゃ、お袋もう買い物から帰ってきたのか…?」

京介「ちょっと待ってろ」

あやせ「あっ…ちょっ、私隠れ
ガチャ

京介「はーい……ぃ!?」

沙織「おーーー!何やら賑やかな声がすると思えば…」

黒猫「どうやら先客が居たようね」

京介「沙織…それに黒猫も居るじゃねぇか!」

京介「よっ、久しぶり!」

黒猫「……ふん」

沙織「京介氏、黒猫氏もきりりん氏が居なくなって大分寂しがっていたのでござるよ~」

黒猫「何デタラメな事を言っているのよ…」

京介「そっかそっか…お前も心細かったんだなぁ、よしよし」ナデナデ

黒猫「にゃっ…何をしてるのこの下等種族が!」

京介「あー悪い悪いつい妹のノリで……あ」

沙織「ほほう。いつもはノリノリできりりん氏の頭を撫で回していると…」

京介「違う!誤解だ!話を聞いてくれ!」

あやせ「…」

あやせ「という訳で、約束は果たしましたからこれでシスカリをやっても文句はありませんよね?」

京介「約束した覚えはないが…まぁいいんじゃねぇの?」

京介「これでシスカリと…しすしす、2つもエロゲーの話題が増えたじゃねえか」

京介「しすしす…というかりんこは桐乃も気に入ってたから話せるようになったと知ったらあいつもきっと喜ぶぞ」

あやせ「そうですか!やっぱり…そうなんだ…えへへ」

京介「やっぱり?なんだその分かったような言い方…」

あやせ「…」

京介「え?何?俺の顔に虫でも付いてる?」

あやせ「…そのせいで脳が腐って思考が鈍いのかもしれませんね…」

京介「例えの1つを真に受けないでくれる!?」

ピンポーン

あやせ「ひっ!?」クルッ

京介「ありゃ、宅配か?桐乃が居なくなったから滅多に使う事はない筈なんだが…」

京介「ちょっと待ってろ」

あやせ「あっ…ちょっ、私隠れ
ガチャ

京介「はーい……ぃ!?」

沙織「おーーー!何やら賑やかな声がすると思えば…」

黒猫「どうやら先客が居たようね」

京介「沙織…それに黒猫も居るじゃねぇか!」

京介「よっ、久しぶり!」

黒猫「……ふん」

沙織「京介氏、黒猫氏もきりりん氏が居なくなって大分寂しがっていたのでござるよ~」

黒猫「何デタラメな事を言っているのよ…」

京介「そっかそっか…お前も心細かったんだなぁ、よしよし」ナデナデ

黒猫「にゃっ…何をしてるのこの下等種族が!」

京介「あー悪い悪いつい妹のノリで……あ」

沙織「ほほう。いつもはノリノリできりりん氏の頭を撫で回していると…」

京介「違う!誤解だ!話を聞いてくれ!」

あやせ「…

沙織「そこにいらっしゃるのが例のきりりん氏のご親友ですなぁ?」

京介「あ、あぁそうだ。えっと…」

あやせ「お兄さん、この人達は…?」

京介「どっから説明したもんか…」

京介「一応お前ら全員互いに面識はある筈なんだが…」

あやせ「………あっ、えっと…何でしたっけ夏、夏…」

沙織「あー!確かに、去年の夏コミの帰りにお見かけしましたなぁ!」

沙織「なるほどなるほど?色々と合点がいきましたぞ」

あやせ「あ、そう!それです!その時桐乃と一緒に居た…」

黒猫「そう、凄い格好のキモい連中よ」

あやせ「………」

沙織「………」

京介「おい…なんで対面して早々に空気悪くしてんだよ…」

黒猫「別に構わないでしょう。この言い方の方が印象に残りやすいのだし…」

京介「そういう話じゃなくてだな…」

黒猫「それとも、私達はお邪魔だったかしら?」

京介「…っあのなぁ!」

あやせ「ごめんなさい!」ペコ

沙織「!」

黒猫「!?」

京介「あやせ…」

あやせ「あの時は…まさか桐乃の友達とは知らずに、勝手な事を…」

あやせ「桐乃に、酷い事を言わせてしまいました…」

あやせ「私桐乃を…桐乃の友達を信じてあげられなかった…」

沙織「いえいえ、あやせ氏の境遇を考えれば無理も無い話」

沙織「我々自身、人に忌み嫌われてもおかしくない趣味の持ち主であると認識しておりますしな」

沙織「何を言われても、何が起こっても全て自己責任でござるよ。拙者達の世界では」

沙織「その為の18禁なのですから」

黒猫「まるでウチがエロゲー研究会のような言い草はやめてちょうだい」

黒猫「少なくとも私はそういう破廉恥なゲームに手を出したりはしていないのだから」

沙織「まぁまぁ、似たようなものでござるよ~」

沙織「拙者は幾度か経験済みでござるけどな、にゃははは」

黒猫「…嘘」

沙織「本気と書いてマジでござる。拙者の純潔はとっくに捧げてしまっているでござるよ」

京介「あー、やめろやめろ。話が脱線してるだろ」

京介「で、俺とあやせはこれからシスカリやるつもりなんだけどお前らは?」

沙織「おー!シスカリでありますか!実は今日、拙者達も持参してきたのでござる!」

京介「お、すげえ奇遇だな」

黒猫「シスカリの大会もそろそろ迫ってきているのだし…」

黒猫「少し練習しがてらあなたの部屋にお邪魔しようという話になったの」スタスタ…

京介「大会!?マジか…」スタスタ…

あやせ「……」

京介「おいあやせ!どうしたんだよ」

京介「やるんだろ?皆でシスカリ」ニコッ

あやせ「っ…」バァァ…

あやせ「は、はい!」

日本人はカス民族。世界で尊敬される日本人は大嘘。

日本人は正体がバレないのを良い事にネット上で好き放題書く卑怯な民族。
日本人の職場はパワハラやセクハラ大好き。 学校はイジメが大好き。
日本人は同じ日本人には厳しく白人には甘い情け無い民族。
日本人は中国人や朝鮮人に対する差別を正当化する。差別を正義だと思ってる。
日本人は絶対的な正義で弱者や個人を叩く。日本人は集団イジメも正当化する。 (暴力団や半グレは強者で怖いのでスルー)
日本人は人を応援するニュースより徹底的に個人を叩くニュースのが伸びる いじめっ子民族。

日本のテレビは差別を煽る。視聴者もそれですぐ差別を始める単純馬鹿民族。
日本の芸能人は人の悪口で笑いを取る。視聴者もそれでゲラゲラ笑う民族性。
日本のユーチューバーは差別を煽る。個人を馬鹿にする。そしてそれが人気の出る民族性。
日本人は「私はこんなに苦労したんだからお前も苦労しろ!」と自分の苦労を押し付ける民族。

日本人ネット右翼は韓国中国と戦争したがるが戦場に行くのは自衛隊の方々なので気楽に言えるだけの卑怯者。
日本人馬鹿右翼の中年老人は徴兵制度を望むが戦場に行くのは若者で自分らは何もしないで済むので気楽に言えるだけの卑怯者。
日本人の多くは精神科医でも無いただの素人なのに知ったかぶり知識で精神障害の人を甘えだと批判する(根性論) 日本人の多くは自称専門家の知ったかぶり馬鹿。
日本人は犯罪者の死刑拷問大好き。でもネットに書くだけで実行は他人任せ前提。 拷問を実行する人の事を何も考えていない。 日本人は己の手は汚さない。
というかグロ画像ひとつ見ただけで震える癖に拷問だの妄想するのは滑稽でしか無い。
日本人は鯨やイルカを殺戮して何が悪いと開き直るが猫や犬には虐待する事すら許さない動物差別主義的民族。

日本人は「外国も同じだ」と言い訳するが文化依存症候群の日本人限定の対人恐怖症が有るので日本人だけカスな民族性なのは明らか。
世界中で日本語表記のHikikomori(引きこもり)Karoshi(過労死)Taijin kyofushoは日本人による陰湿な日本社会ならでは。
世界で日本人だけ異様に海外の反応が大好き。日本人より上と見る外国人(特に白人)の顔色を伺い媚びへつらう気持ち悪い民族。
世界幸福度ランキング先進国の中で日本だけダントツ最下位。他の欧米諸国は上位。
もう一度言う「外国も一緒」は通用しない。日本人だけがカス。カス民族なのは日本人だけ。

陰湿な同級生、陰湿な身内、陰湿な同僚、陰湿な政治家、陰湿なネットユーザー、扇動するテレビ出演者、他者を見下すのが生き甲斐の国民達。

冷静に考えてみてほしい。こんなカス揃いの国に愛国心を持つ価値などあるだろうか。 今まで会った日本人達は皆、心の優しい人達だっただろうか。 学校や職場の日本人は陰湿な人が多かったんじゃないだろうか。
日本の芸能人や政治家も皆、性格が良いと思えるだろうか。人間の本性であるネットの日本人達の書き込みを見て素晴らしい民族だと思えるだろうか。こんな陰湿な国が落ちぶれようと滅びようと何の問題があるのだろうか?

沙織「それで、あやせ氏はシスカリのプレイデータは如何程に」

あやせ「」スッ

黒猫「……」

沙織「た、たかっ高!?ランクがもうすぐ3桁行ってしまうではありませんか!」

沙織「拙者もそれなりにやり込んではいますが流石に200台までには到達しておりませぬ…」

黒猫「本当に今月始めたばかりなの…?あなた…」

あやせ「」ドヤァ

京介(こんな情けないラブリーマイエンジェルあやせたん、見たくなかった…)

沙織「これは…思わぬ伏兵!育成によっては化けますぞ黒猫氏!」

黒猫「まぁ…ステータスなんて所詮ただのお飾りよ」

黒猫「初期のランク上げなんて連勝していれば50位まではすぐ上がるわ」

あやせ「」ムスッ

京介「ま、まぁ…せっかくこうして集まったんだからよ、このメンバーで対戦してみようぜ」

沙織「ではでは、まずは拙者が早速お手並み拝見させて頂きまする」キリッ

京介「沙織か…こいつも、桐乃と同等かそれ以上の実力だ」

沙織「左様。いくらきりりん氏のご友人とて容赦はしませぬぞ…」ゴゴゴ

京介「手強ぇぞ。闘れるか?あやせ」

あやせ「愚問ですね。受けて立ちます」

沙織「オッホッホッホ。そうだ、拙者はこの左手だけで闘ってしんぜよう。そうすれば少しくらいは楽しm
~3分後~


沙織「負けた…」ボロボロ

京介「すげぇ…ほとんどダメージ受けてねぇじゃねえか」

あやせ「ま、まぁ?この位は当然です」

黒猫「ちょっと、腕が落ちたんじゃない?沙織」

沙織「そんな事無い…筈でござる。確かに一時期離れてはおりましたが…」

沙織「この数週間はランク上げに勤しんでおりましたぞ…」

黒猫「…ふーん」チラッ


沙織「黒猫氏ぃぃ!お頼み申すぅぅ…」ドババ

沙織「拙者の雪辱どうか貴方の手で晴らしてくだされぇぇ…」

沙織「おーいおいおい…」ドバババ

黒猫「…はぁ、分かったから」

黒猫「離れなさいっ」ドンッ
沙織「おろ」ドサッ

黒猫「ふふっ…下等な人間風情が、我が眷属を随分と可愛がってくれたものね」

黒猫「己の身の程も弁えられない畜生には、我が自ら天誅を下してやろう」ゴゴゴ…

京介「げっ…出たよ真打ち…」

あやせ「…お兄さん、何というかその、なんかキモいです。あの人」

京介「なんとなく気持ちは分からんでも無いが直球過ぎるからやめい!」

あやせ「えっと…黒猫さん、でしたよね?大丈夫…ですか?その、色々」

黒猫「ふふふ…心配には及ばないわ。私は冥界の使者、あなた達とは住む世界のレベルが違うのよ」

黒猫「それに…私は黒猫じゃない」

黒猫「私は…復讐の天使【闇猫】よ」ドンッ

あやせ「……」

あやせ「お兄さん、この人と対戦したくありません」

京介「そんな事言うなよ…こう見えて桐乃と仲良いんだぜ?」

あやせ「嘘!?」

黒猫「ふっ…この私があんなクソビッチスイーツ(笑)と仲良しですって?」

黒猫「冗談も程々にしなさい。あの女が居なくてせいせいする位だわ、全く」

あやせ「くそびっちすいーつ…???」

あやせ「それって…桐乃の事、ですよね」シュゥゥゥ

黒猫「だとしたら何だと言うのかしらスイーツ(笑)2号!」

黒猫「私と戦う勇気も無い腰抜けに発言権などある訳が無いでしょう」

あやせ「お兄さんやっぱりこいつ殺しましょうそうだそうしよう」

京介「待て、早まるな!ハイライトを消すな!戻ってこいあやせ!」

沙織「無駄でござるよ京介氏…あやせ氏(バーサクモード)は最早我々の手には負えぬ存在…」

沙織「拙者達には見守る事しかできませぬ…」

京介「呑気に解説なんかせず止めるの手伝いやがれぇええええっ!」

あやせ「喰らえっ!」

ドッ!

沙織「なっ…あの黒猫氏が防戦一方…」

京介「2割はもう削ってるぞ…」

京介「もしかしなくてもこれはワンチャン…」

黒猫「…」カチカチ…

あやせ「…!?」

シーン

あやせ(後ろに下がって急に止まった…?カウンター狙い…?)

あやせ「なら必殺技を…!」カチッ

ボオオッ!

黒猫「かかったわね」カチカチカチ

シュゥゥ

京介「なっ…!」

あやせ「吸収した…!?」

黒猫「魔導院レイカは、相手の必殺技が打たれる直前にあるコマンドを入力すればその相手の技…」

黒猫「つまりPPを吸収できるのよ」

沙織「なっ…そんな賣ワザが!?」

黒猫「まぁ知ってても打つコマンドが怠かったり発動条件が特殊すぎるものだし、あまり実用性は無いのだけれど」

黒猫「これで形勢逆転ね」ニヤッ

あやせ「何をっ…!」カチッ

黒猫「甘い」カチッ

ドガッ

あやせ「あ、ああっ!」<キャァァ

沙織「必殺技では無く、あえて防御が難しい強攻撃を繰り出すと…」

京介「PPは消費しちまうが、あやせの必殺技を吸収したからこれですぐには尽かなくなったからな…」

京介「おまけに…」

あやせ「なんでっ…攻撃、さっきまで当たってたのにっ!」カチカチカチ

黒猫「さっきまでのはほんの小手調べよ」

黒猫「もうあなたの攻撃の癖はおおよそ掴んだわ」カチカチ

あやせ「そんな…!」

京介「急に攻勢に転じやがった…もうHP3割以上削ってんぞ…」

沙織「あっという間に瀕死状態に…」

京介「なんてこった…」

黒猫「息巻いていた割には…所詮この程度かしらね」

あやせ「ぐ、ぐぐぅ…」

黒猫「どうしたの?ガードばかりしていては一向に勝負はつかないわ」

黒猫「潔く負けを認めたら?」カチカチカチカチ

あやせ「い、嫌です…ここまで来て連勝記録が途切れるなんて…」

あやせ「それに…」

あやせ「こんな、こんな痛々しい人に」

あやせ「邪気眼電波女なんかにやられる訳には行かないんですぅっ!」

沙織「邪気」
京介「眼…」

黒猫「でででっ、で電波女ですって…?」

あやせ(動きが止まった…!今だっ!)

あやせ「おりゃあああっ!」カチカチカチカチ

黒猫「し、しまった…」<キャアア

京介「よっしゃ!必殺技諸入ったぜ!」

沙織「コレで黒猫氏の体力は半分…しかし…」

黒猫「くっ…たかが技が1発2発掠っただけで調子に乗りすぎなのよ貴方…」

黒猫「戦況は依然として圧倒的不利に変わりは無いわ!」カチカチカチ

あやせ「それでも、負けたくないんですぅっ!!!」

沙織(ゲームを対戦してる2人の会話とは思えない…)

あやせ「うおおおおおっ!!」

京介「がっ、頑張れ!あやせ!!」

京介「負けんなぁっ!!!」

黒猫「…」



ピチューン

あやせ「…ぁ…ああ」<you lose…

京介「っかぁぁ…やっぱり強ぇな…黒猫」

沙織「いえいえ、ファインプレーでしたぞ。あやせ氏」

沙織「黒猫氏がHPを半分も削られる事なんてそうそうありませぬ」

沙織「大健闘でござるよ」

黒猫(…確かに)

黒猫(最初攻撃パターンを読むのにも手間取ったし、劣勢になった後も防御が硬くて中々決定打を出せずに長引いてしまった…)

黒猫(それに…)

黒猫「…ま、まぁ?たかが人間にしてはよく頑張った方じゃない?」クルッ

黒猫「称賛してあげない事も無いわ…よ……」
あやせ「」グルルルル

黒猫「…な、何なのこの禍々しいオーラは…」

黒猫「この私でさえ、気を抜けば呑み込まれかねない威圧感…」

黒猫「まさか、貴方人間に擬態した魔獣…!?」

京介「んな訳ねぇだろ…まぁ魔獣と同じ位怖ぇ奴ではあるけどよ…」

あやせ「もう1回!もう1回です!」

あやせ「納得いきません!再戦を要求します!!」

黒猫「いやいや…貴方今ので理解したでしょ?貴方と私の実力差がどれ程かけ離れているか…」

あやせ「さっきは本調子では無かっただけです!」

あやせ「貴方みたいなゴスロリ電波マシマシ女なんかに負ける訳ありません!!」

黒猫「ゴッゴス、でっででっ電波マ、ママママ…!?」

黒猫「さっきから言わせておけば…貴方は初対面の人間になんて態度を取っているの?」

あやせ「桐乃がよく愚痴をこぼしていたんです!」

あやせ「あの邪気眼電波女まじキモいしイタイしムカつくんですケド~」

あやせ「って!!!」

黒猫「っ…ふふふ。そう…成る程」

黒猫「貴方はあのクソビッチの遺影という訳…?」

黒猫「そんなに死にたいなら何度でも消し炭にしてあげるわ…」ゴゴゴ

あやせ「貴方はその消し炭にも劣る存在だという事を教えてあげます!」バチバチ…

京介「……」

京介「……長くなりそうだなぁ」<ワーワー

沙織「実況はひとまず置いておいて拙者達も対戦するでござるか…」<ギャーギャー

ついさっき確認したけどあれなんだな
沙織って黒猫と同じ中3→高1の設定なんだね

完全に抜けてたわ

歳上だって台詞は京介が沙織の素性を知らないからって事にしてください。
少なくともアニメだと作中で中学生だって発言をした事は無い…筈
アニメだといきなり沙織の住所知ってたような気がするけど小説ではそこらへんで深掘りされててもしかしてそこで知っちゃってるのかなぁ

~5分後~

あやせ「っ…、また負けた…」ガックリ

黒猫「ふふ。これで、ようやく自分の立場を理解したかしら?」<アーマケター

あやせ「まだ、まだです!もう1回戦いなさい!」<ヤッパサオリツエーナー

黒猫「ふっ…強情な輩だこと。まだ負けを認めないのかしら」<イヤハヤキョウシュクデゴザル

黒猫「いいわ。何度でも相手をしてあげる」<キョウスケシモナカナカ

~30分後~

あやせ「そんな…もう5回以上…」<ナニカタベルカ?

黒猫「あらぁ?さっきまでの威勢はどうしたのかしら?」<オ、デハアマイケイトウノモノゴショモウスルデゴザル

黒猫「身体の疲労が見てとれるわよ?」<アマイネ…タケノコノサトトカデイイカ?

あやせ「何を…私はまだまだ闘れます!!」<ムム…キョウスケシハタケノコハデゴザルカ

黒猫「その強がりはいつまで持つかしら…?」<コレハジックリハナシアウヒツヨウガアルデゴザルナ…

~100分後~

あやせ「まだ、まだです!もう1回…」<…デ、ココガコウナッテ

黒猫「はぁ…はぁ…貴方、まだやる気なの?」<ア、ア~!ナルホド!ヤットリカイシタ!

あやせ「当たり前です…貴方に勝つまで今日はPSPを離しません」<サオリハスゲーナ!ベンキョウモトクイナンダナァ

黒猫「ふ、ふふ…その神をも恐れぬSAN値の高さは褒めてあげるわ…」<イエイエ、セッシャマダチュウガクソツキョウシテマモナイミ

黒猫「褒めてあげるからちょっと休憩させなさい。流石に疲r
あやせ「いいえ今すぐ再戦です!今すぐ!」<ジュケンヲヒカエテイルキョウスケシニゴキョウジュデキルコトナドゴクワズカ

黒猫「ひ、ひぃっ…」<ヘーオマエチュウガクセイダッタンダ

京介「え!?中学生なの!?」

~3時間後~

あやせ「もう1回!もう1回です!」

あやせ「貴方の攻撃パターンは完全に読めました!次こそは勝てます!勝ちます!」

黒猫「いや…もう、無理、限界!いい加減お開きにしましょう…」

あやせ「勝ち逃げする気ですか!?自分が不利になった途端尻尾巻いて逃げるんですね!卑怯者!」

黒猫「これ以上お腹を空かせてる妹達を待たせる訳には行かないのよ」

黒猫「くどいわよ。もう帰らせて頂戴!」

あやせ「後1回!次は勝てそうな気がするんです!後1回だけですから!」

沙織(パチンコ店でよく聞きそうな台詞)

黒猫「とにかく駄目。体力的に私も限界」

あやせ「嫌です!後1回だけですから~!お願いしますー!」

京介「おいあやせ…そろそろいいだろ?もう50戦以上やってんじゃねぇか」

京介「こんなぶっ通しでやり続けたら身体壊れるぞ…」

あやせ「うるさいですね!この程度で壊れるなんてお兄さんの身体が軟弱なだけじゃないですか!」

京介「ぅぅ…俺心配しただけなのに逆ギレされたんですけど…」

あやせ「とにかくもう1回!」ガシッ
黒猫「やらないと言っているでしょう!」グイッ
沙織「お、御二方とりあえず落ち着いて…」
京介「もう埒あかねぇよ…」

ガチャ
大介「おい君たち」

「「「「」」」」ビクッ

大介「親睦を深めるのは大いに結構。だが度は過ぎるなよ」

大介「もうとっくに6時を過ぎている。女子中学生が1人で出歩いていい時間ではなかろう」

大介「それに…近所迷惑だからな」ギロッ

バタン

黒猫「」
沙織「」

あやせ「ぁばばあばあ…」ガグガク

京介「と、とりあえず帰ろ、な?あやせ」

あやせ「は、はい…お兄さん…」ギュッ

京介(ガクブルしながら袖掴むあやせたんかわいい)

沙織「先程はお見苦しい所をお見せてしてしまい申し訳ございませんでしたっ!」ペコリ

あやせ「す、すみませんでした…」

黒猫「ご…な、さい…」

佳乃「あー、いいのよいいの。気にしないで頂戴」

佳乃「こちらこそ、楽しんである所にウチの馬鹿旦那が口うるさくしちゃってごめんなさいね」

大介「ぬぬ」

沙織「いえいえ、拙者達が騒ぎ立てていたのは他ならぬ事実でござる」

沙織「京介氏やきりりん氏のご家族のご迷惑になっては元も子もありませぬ」

佳乃「きりりんし…?」

沙織「きりりん氏のハンドルネームでござる」

京介「あだ名みてぇなもんだよ。気にすんなお袋」

佳乃「そ、そう…」

大介「…君達は、全員桐乃の友人なのか?」

大介「新垣さんは桐乃から話を聞いているし、ある程度把握はしているつもりなのだが」

あやせ「あ、あははは…そう、なんですね…恐縮です。はははは…」

あやせ「…はぁ…」ガックリ

あやせ(そんな桐乃のお父さんに滅茶苦茶恥ずかしい所見られた…)

沙織「左様!沙織・バジーナこと拙者がこの【オタクっ娘あつまれー】コミュニティの管理人でござる!」

沙織「以後お見知り置きを…」

大介「ほ。ほう…よろしく、お願いします」

京介(おぉ…親父が圧倒されてる…ついていけてないだけなんだろうけど)

大介「それで…えー、君は」チラッ

黒猫「ひっ…!」

黒猫「ご、五更でっ…つもせんぱ…おせわに…ってますぅっ!」

京介(まぁあんな睨まれたらこんなキョドるのも無理ないわな…俺だって怖ぇもん)

京介(ってか地味に名前初めて聞いた)

大介「…先輩?君はもしや…」

黒猫「あっ…いえ、私は、その…このサークルに後から入ってきたので、その先輩後輩と言いますか…」

大介「ふむ…なるほど、よく分かった」

大介「時に君達」

大介「何故桐乃も居ないのにまだ尚この家に通い続けているんだ?」

大介「ここに来る理由は、何も無いだろう?」

沙織「そんな事はありませぬ」

沙織「きりりん氏がおらずとも、我々の黒一点、京介氏がいらっしゃるでござるからな」

沙織「彼と戯れるだけでもここへ参る価値はあるのでござる」

京介「沙織…」

沙織「それに…きりりん氏が居ないからここへは来ないは少々語弊がありますなぁ」

大介「何だと?」

沙織「きりりん氏が居ない時でも、こうして定期的に集まってきりりん氏の事を思いふけながら活動すべきでござる」

沙織「彼女との縁を途切れないように、また彼女がここへ帰ってこれるように」

沙織「そう思ってるのは何もあなた方ご家族のみではございません」

大介「……」

あやせ「私もです。桐乃が居なくても…いえ、桐乃が居ない時だからこそ桐乃の為に色々頑張っているんです」

あやせ「お兄さんは、そう言って私に元気づけたり、それを協力してくれました…」

黒猫「…ま、あんな女が居ない所で支障は無い、というか私にとっては都合がいいわ」

黒猫「でも、帰ってきた時、寂しがって泣きじゃくってる無様な姿だけはこの眼に焼き付けたい事だし…」

黒猫「別に私h
大介「京介」

京介「あ?」<エ?チョット?ワタシノハナシハ??

大介「桐乃は…いい友人達に恵まれたな」

京介「あぁ、本当に、そう思う」

沙織「いえいえ、これも全てきりりん氏の類い稀な魅力に惹かれて我々が勝手に行っている事」

沙織「いい友を持った…というのはこちらの台詞でござる」

大介「…参ったな。これは一本取られた」

大介「いつ日本へ戻ってくるか分からん。明日急に帰ってくるかもしれないし、予定通り1年後かもしれない。もし事が上手く運べばそのまま長期滞在する可能性もあるだろう」

大介「それでも、どうか桐乃の事をよろしく頼む」ペコッ

京介(親父が…頭を下げた!?)

沙織「こちらこそ、今後とも仲良くさせていただきとうございまする」

あやせ「は、はい…よろしくお願い、します…?」

黒猫「…ふん」

佳乃「ごめんなさいねぇ。何だか改まってはいるんだけど」
   
佳乃「お父さん、桐乃が居なくて寂しがってるだけだから」

佳乃「適当に書き流しちゃってちょうだい。ただのかまってちゃんだから」

大介「なっ…何を言っているんだ母さん。俺は別に娘の事など微塵も気にしてはおらん!」

佳乃「はいはい、ツンデレ乙。テンプレ乙」

大介「っつ…つんでれ!?て、て…何だと!?」

大介「母さんが桐乃から悪影響受けてどうする!」

京介「はー、賑やかなこった」<ギャーギャー

黒猫「物の見事にイチャついてるわね…微笑ましい事」

沙織「今日のネタにうってつけでござるなぁ~」

京介「今日?何かあったっけか」

沙織「いえ、今日はそばにするかうどんにするか迷っていまして…」

京介「そば?うどん?なんだ大晦日みたいな事言いやがって…」

黒猫「というかそろそろ帰りましょうよ。妹達にぶーたれかねないわ」

京介「ぶーたれるって今日日聞かねぇな」

大介「おい京介!」

京介「へ?なんだ?親父」

大介「新垣さんを自宅まで送ってやれ」

京介「は?」
あやせ「へ?」
黒猫「なっ!?」
沙織「ほ?」

大介「新垣さんはそちらの2人よりも歳下なのだろう?」

大介「そこまで距離が無いとはいえこんな田舎の夜道を1人で歩かせるのは少々不安だ」

大介「いつも桐乃が世話になっている事もある。責任を持ってお前が連れて行け、いいな」

京介「えーめんどくせー」

大介「行け、いいな」

京介「へいへいわかりやした~」

京介(あやせたんとの自転車デートktkr…ってかあわよくばお邪魔できるじゃん)

京介(ラッキー!!)

あやせ「お兄さん、よこしまな考えはやめておいた方がいいですよ。叫びますから」

京介「やめろやめろ!別に変な事考えてねぇから!」

大介「それと、さっきも言ったが仲良くなる分には良いが、ハメを外しすぎるなよ。いいな」

大介「仮にも受験生の立場なのだからな」

京介「へいへい、がっかりさせるようで悪いけどこいつらとエロゲーみたいなイベントとか起きっこねぇから安心しろよ親父」

沙織「そうでござるよ~拙者達は決して!ハメを外したり入れたりするような関係ではござらんからご安心を!」

沙織「お義父様っ!!!」

京介「…」

あやせ「……」

黒猫「………」

佳乃「…へぇ?ふーん」

京介「おい待てお袋。今の何気ない言葉であんたは何を察したってんだ?ん?」
大介「京介」

京介「はいっ!?」

大介「やはり貴様はここに残れ」

大介「どうやら再教育を施す必要があるようだ…」

京介「いぃぃ!?」

京介「おい!沙織!テメェ、ハメやがったな!?」

沙織「いや~何をおっしゃいます恭介氏。今のはただのスキンシップでござるよ」

沙織「それに、ハメるのは拙者ではなく、京介氏の役目ではありませぬか///」

京介「なっ……にをお前は…!!」

大介「貴様、覚悟はできてるんだろうな?」ゴゴゴ

京介「い、ぃぃいやぁ…早くあやせを帰してやらねぇと、なぁ、あは!あはは、あははは…」

ガシッ
あやせ「っ?」

京介「に、逃げるぞ…」

あやせ「あっ…ちょ、ちょっと!?///」グイッ

ダダッ

大介「おい、待たんか京介ぇっ!!!」

黒猫「…何を見せられているの、私は…」

沙織「いや~仲がよろしくて結構結構!」

黒猫「沙織も、なんであんな下らない悪戯を…」

沙織「いやはや、ちと拙者も見栄を張りたかったと言いますか…」

黒猫「はぁ?見栄?」

沙織「乙女の純情というやつでござる」

黒猫「…意味が理解できないわ」

佳乃「…若いっていいわねぇ、青春って感じ」

佳乃「あ、そうだ。2人共、お土産にお菓子、持ってってちょうだい」

黒猫「え、いえ…そんな滅相な…」

沙織「というか、拙者達普通に冷蔵庫漁ってしまっていますし…」

佳乃「いいのよ、大事な娘の大事な友達なら家族みたいなものだし」

佳乃「ほら、持ってって!」

黒猫「…では」

沙織「お構いなく…」

京介「…」ギコギコ…

あやせ「わわっ…」

京介「ちゃんと座ってろよ?そこまで飛ばさないとはおもうけど」

あやせ「は、はい…」

ギコギコ…

京介「…にしても危ないから送ってけ~なーんて言われちまったが」

京介「別にそこまで気配る必要無ぇとは思うがね…過保護にも程があんだろ」

京介「帰り道買い物とかしないの?」

あやせ「いえ…もう遅いですし、というか多分お母さんもお父さんも怒ってると思います」

京介「おおぅ…あやせたんのご両親、ね…考えただけでもぞっとすんな」

あやせ「何か言いました?」
京介「なんでもないですっ!」

京介「つーか、怒られるようなら俺からも説明しとくか?」

あやせ「えっ!?い、いいですよ…私がお兄さんそっちのけでシスカリやってて…こうして皆に迷惑かかっちゃってる訳ですし…」

あやせ「それに、その、誤解されると嫌じゃないですか!」

京介「…………」

京介「あー、でも確かに今ご挨拶する勇気はちょっと…」
あやせ「ふん!」ゴンッ
京介「あばっ!?」

京介「ちょっ…おま!何頭突きしてんだ!倒れるだろ!」

あやせ「それはこっちの台詞です!挨拶って、なな何を!」

京介「ふっ…そりゃ、俺とお前の将来を考えれば通過儀礼みたいなもんだろ?」

あやせ「そんな将来一生訪れないのでご安心を!」

京介「へいへい」

ギコギコ

あやせ「…」

あやせ「…お兄さん?」

京介「何だ?あやせ。また何か俺変な事言った?」

あやせ「あっ…いえ…まぁ、おかしな事と言われればそうですけど」

京介「あ?」

あやせ「沙織さん、の事なんですけど…」

京介「あ、そうだ。お前、今日2人と話してどうだった?」

あやせ「え、あぁ…沙織さんは口調はアレですけどとても優しい方でしたし話しやすかった…と言いますか」

あやせ「とにかくいい人でしたね」

京介「おお。そりゃ良かった。何たってあのサークルの中で唯一無二の常識人だったからな。俺とも話を合わせてくれるし」

京介「よく俺も桐乃の事とかで相談するよ。滅茶苦茶親切な奴なんだ」

あやせ「…そう、ですか」

京介「黒猫の方は…」

あやせ「嫌いです。お兄さんの次に嫌いな人間です」

京介「最下位キープなのね俺…」

あやせ「言動も行動も全てが痛々しいです!それに人を見下して煽るような
会話しかしてこないじゃないですか!」

あやせ「本っっ当にイライラしました!!」

京介「ま、まぁ…そう思うのも無理はねぇ、かな?」

あやせ「…それでも桐乃はあの子と仲が良いんですよね」

京介「おお。あいつはあいつであいつなりに優しい所あるんだよ。桐乃の事助けたりしてるから」

京介「桐乃の奴も、文句言いながら黒猫の事認めてるし」

京介「2人とも素直になればあんな険悪な雰囲気にはならない筈だがねぇ…」

あやせ「…あの、お兄さん」

京介「?」

あやせ「沙織さんとは…どういった関係なんですか?」

京介「は、はぁ!?」

あやせ「い、いいいえ、ちょっ、ちょっと気になった、だけで…」

京介「…もしかしてお前、さっきのアレ…真に受けてんの?」

あやせ「…ほんの少しだけ」

京介「いや!ねぇから!万に一つあり得ねえから!」

あやせ「そ、そうなんですか?」

あやせ「だって…私なんかよりスタイルいいし」

京介「いや…そりゃ確かに?お、おっぱいはでけぇかもしれねぇ…」

あやせ「……」ジーッ
京介「けどよ!けどですよ!」

京介「なんというか、ほらグルグルだろ!?あいつ!」

あやせ「お兄さんの好みドストライクじゃないですか」

京介「はぁ!?なんで!?」

あやせ「お兄さん、眼鏡かけた女の子のエッチな本を隠し持ってるって麻奈実お姉さんから聞いているんですからね!」

京介「いや!違う!違わないけど…それは違うの!」

京介「ああもう…麻奈実はなんでこうややこしくしてくれんの?」

あやせ「…それに、私の名前知ってたって事は」

あやせ「前言っていたえっちなゲームを一緒に買ってくれたって人は沙織なんですよね」

京介「あ、あぁ…まぁ、そうだな」

あやせ「……つまりえっちなゲームを一緒に買う程の間柄なんですよね」

京介「そこは沙織さんが私に対して寛容だって解釈にしてくれませんかね!?」

京介「普通アキバで一緒にえっちなゲーム買うカップルなんて居ませんよ!?」

あやせ「でもいつも桐乃と行ってるらしいじゃないですか。秋葉原」

京介「いや、その、それは…ってあーもう!」

京介「第一なんでそんな事聞くのあやせたん!?」

京介「こんなうっとおしい変態糞虫が離れて寧ろ嬉しいんじゃないの!?」

あやせ「……私、別に、そんな…つもりじゃ…」

京介「…あやせ?」

あやせ「………」

京介「…あやせ」

あやせ「?」

京介「俺はな…」

京介「例え童貞を奪われても!心はラブリーマイエンジェルあやせたんに捧げるって誓っt
あやせ「ふん!」ドゴッ
京介「ぶぼっ!?」

京介「だからなんで頭突きするの!?」

あやせ「ど、どど童貞なんて…なんでそういう破廉恥な発言をするんですか!」

あやせ「死んじゃえ!糞虫!ゴキブリ未満!」

京介「そこまで言うこた無いじゃないですか…」ガックリ

あやせ「……でも、そんなゴキブリ以下の変態に付き合ってあげるのなんて…」

あやせ「お兄さんだけ、なんですから…」

京介「………」

京介「え!?何!?今付き合ってるって言ったよね!!??」

あやせ「仕方ないからお兄さんの用事に付き合ってあげているの意味の付き合うですよ!」

あやせ「何調子に乗ってんですか!踏み潰してぶち殺しますよ!!」

京介「へっ。ゴキブリはしぶといんだ。潰せるもんなら潰してみやがれ~」

あやせ「お望みとあらば今すぐその性根を叩き直してあげます…」スッ

京介「あーこらやめなさい。洒落にならんから。蹴る君の方も危ないから、ね?」




京介(こうして、色々とあやせを取り巻く環境が激変していく中、3月が終わりを迎えた)

京介(新学期になって俺とあやせは3年生に。沙織と黒猫は晴れて高校生となった)

京介(しかも黒猫は俺と同じ学校に入学して、ゲーム研究会に入ったらそこで腐女子おっぱいと対決したり…)

京介(ま、それは別のお話にしとくか)

書き納めです。

と言おうと思ったらギリ間に合いませんでした。あけおめです。
一応3年生編?2年目編?も構想しています。

でも長くて書ききれなさそう…


とりあえず今後ともよろしくお願いします。

京介(学校が始まってからは回数こそ減ったものの、それでもあやせは週に2、3度ウチに遊びに来ていた)

京介(その度に一緒にシスカリやったり…新しいエロゲーのチャレンジをしたり…)

京介(我ながら、年下の女の子と何ちゅー事をしとるんだと時々思う事もあるがそれなりに楽しくやってた)

京介(…少なくとも俺はな。あやせがどう思っているとかは知らん!)

京介(徐々に打ち解け…始めている………)

京介(気はしなくもないんだが、どうだかねぇ…)

京介(この間なんかよぉ…)

ピンポーン

京介『よう、あやせ。今日も来てくれたのか』ガチャ

あやせ『まぁ、たまたま暇だったので…時間潰しにと…』

あやせ『ん?』チラッ

黒猫『あら、誰かと思ったら』

あやせ『う゛ぇっ』

黒猫『人の顔を見るなり奇声をあげて顰めるのはやめてもらえないかしら』

あやせ『き、奇声なんて出してませんし、別に顔だって普通ですっ!』

黒猫『どうだか』

あやせ『ぐ、ぐぬぬるるぅ…』

京介『きょ、今日は部活の発表の準備を手伝ってたんだよ…』

京介『ほら、前にも言ったろ?ゲーム研究会。黒猫の奴RPG作ってんだよ~』

京介『良かったらお前も見てくか?』

あやせ『は、はぁ?』

京介『どうだ、黒猫。少しでも多く反応聞けた方が参考になるだろ?』

黒猫『…まぁ、そうね』

黒猫『兄さんは身内贔屓が激しいというか…私への評価が甘々だし…』

黒猫『確かに第三者の意見としては参考にはならないわ』

京介『えぇ…』

黒猫『貴方なら率直な感想も聞けるだろうし…』

黒猫『い、いいわよ。ちょっと位なら見ても。減る物じゃないのだし』

あやせ『いいえ結構です!今日の所はここで失礼させていただきます!!』

黒猫『えぇ!?』

京介『おいあやせ…黒猫とそりが合わないのは分かるがこれも桐乃と仲良くなる為の一歩としてだな…』

あやせ『そういうのもう聞き飽きましたから!それじゃまた明日!!』

ドタドタ…

京介『…はぁ…』

京介(こんな風に最近は明らかにご機嫌斜めな様子だ)

京介(前も大概だったけど今はもっとイラつく頻度が高くなってる気がするんだよなぁ…)

京介(俺何かした?)

黒猫「私があなたの事を兄さんなんて呼んでたから嫉妬でもしたんじゃないのかしら」

京介「おい、モノローグに介入しちゃならんってお袋に習わんかったんか」

黒猫「ふふ。兄さんの顔が分かりやす過ぎるのよ」

黒猫「我が魔眼を使うまでもないわ」

京介「嘘ぉ?俺そんなに露骨に表れてた?」

黒猫「ええもうそれは…もう」

黒猫「あやせたんオーラがムンムン湧いて出てきているわ」

京介「自分で言っておいてなんだがその名前マジで気色悪いからやめろ!」

京介「そんな気味悪いオーラがこの世にあってたまるか!」

京介「それに、あやせが俺に嫉妬なんて天変地異が起こってもあり得ねぇよ」

京介「あいつ俺の事毛嫌いしてる事には変わりねぇんだし」

京介「俺の心は既にあやせに決めてるって何度も何遍も本人の前で宣言してるからな!」

京介「心配する要素皆無だろ~だはは」

黒猫「……そんな言葉を軽々しく使うから嫌われているんじゃないかしら」

京介「?何か言ったか?」

黒猫「何でも無いわよ。ハーレム兄さん」



黒猫「それで?その愛しい天使とやらとはあの後どうなったのかしら」

京介「かれこれ5日以上顔合わせてねぇよ…」

黒猫「ふぅん。まぁ友達と1週間会わない事くらい普通にあるわよ」

京介「そりゃそうかもしれねぇけどよ…何つーか」

京介「心の中がムズムズするというか、モヤモヤするというか…」

京介「とにかく落ち着かねぇんだよ」

黒猫「…重症ね」

京介「まぁでも最近あんまり相手してやれてねぇし…」

京介「俺からアクション起こしてみるっきゃ無いかぁ?」

黒猫「…逆に、突き放すという戦略もアリなんじゃないかしら」

京介「は?どういうこった」

黒猫「ショック療法というやつよ」

黒猫「最近面白そうなゲームを見つけてね…」ガサゴソ…

京介「ゲーム?エロゲーか?生まれてこの方エロゲーに興味なんか湧いた事無いぞ」

黒猫「でしょうね。でも…きっとコレを見たらそんな戯言もできなくなるわ」

スッ…

京介「…はぁ。ラブタッチ、ねぇ」

京介「特別惹かれるようなもんは無さそうだけど」

黒猫「 ページをめくってご覧なさい。あなたの望むモノがある筈よ」

京介「俺の望むものって…そりゃまた一体」ペラッ

京介「…こ、これは…!?」

黒猫「ふふ…それがあれば、いえ」

黒猫「その娘が居れば、スイーツ2号なんて不要でしょ」

京介「な、何を…こんなもどきにすらなってねぇ劣化コピー野郎なんか…」

黒猫「なら実際にやってみればいいじゃない」

京介「…………」




あやせ(あれから気まずくなってお兄さんの家に行かなくなったけど…)

あやせ(お兄さん、アレからメールの一通もくれない……)

あやせ(私が最近お兄さんへの当たりが強かったせいかな…)

あやせ(で、でもっ…今回に関しては明らかにお兄さんの不手際ですし…)

あやせ(別に…近づかなくなってくれてありがたい、とも思っていますし?)

あやせ「………………」

あやせ「まぁでもしょうがないですよね!」

あやせ「お兄さんの事ですからどうせ私に会えなくてショックで死んじゃうかもしれないですからね!」

あやせ「いくらあんな外道でもそんな事になって自殺教唆で訴えられたらたまったものじゃないですからね!」

あやせ「不本意ですがお兄さんの為に少しは顔を出してあげますよ!感謝してくださいね!」

あやせ「……という事で」

ピンポーン

あやせ「…………」

あやせ「…あれ、留守かな」

あやせ「でもお兄さんの部屋明かり付いてるし…」

ピンポンピンポーン

あやせ「……」トントン…

…ダダ
ドサッ<イテッ
ダダ…

京介「は、はい!?」ガチャ

あやせ「あ、お、お兄さん…お久しぶり、です」

京介「あ…な、何だ、あやせか…」

京介「ピンポン連打するから何事かと思ったわ」

あやせ「は?」

京介「お、てか久方ぶりじゃん。ほら、上がってけよ」

あやせ「………???」

あやせ(アレ…こんな、反応薄い…なんで?)

京介「ほら、適当に座ってくれ」ガチャ

あやせ「……は、はい」

あやせ(心無しか、前より部屋が汚いような…)

あやせ(一瞬慌てて部屋を整理したのかとも思ったけど…)

京介「じゃ俺飲み物と菓子持ってくるからよ」

あやせ「は、はい……?」

あやせ「…これ、何?らぶたっち…?」スッ

あやせ「あの、お兄さんこれ」

京介「お、早速見つけやがったな?」

京介「お目が高い!次にお前と一緒にやろうって思ってたエロゲーなんだよ~」

京介「あ。安心しろよ?PSP専用ソフトだから過激にえっちなシーンは無いぜ」

あやせ「は、はぁ…やけにノリノリですね、お兄さん」

京介「ったりめえだ。このゲームは、桐乃がハマる事間違いなし!」

京介「オタクじゃない俺でも楽しめるエロゲーなんだっ!」

あやせ「へ、へぇ…そうなん、ですね…ははは」

あやせ(何だろう。さっきから怪しい雰囲気が漂ってくる…)

あやせ(すごく嫌な予感しかしない…)

京介「よし、善は急げだ。早速やるぞ!」ピッ

あやせ(茶菓子…まぁいいか。お兄さんがそこまで夢中になるなんて…)

あやせ(一体どんな…)

あやか『オッス!あやかだよ♪今日もよろしくね!』

あやせ「」

京介「ん~、今日もよろしくね~あやかちゅわ~ん」チュッチュッ

あやせ 「 」

あやせ「お兄さん、何してるんですか?」

京介「何って…挨拶だよ挨拶」

京介「このゲームはな、こういうあやかちゃんみたいなかわいいヒロイン達とリアルな学園生活を送れるシステムなんだよ」

京介「ちゃんと現実の時間とリンクしててよ~」

京介「朝のお迎え、お弁当の分け合いっこ、下校イベント…ちゃんと時間毎に発生するんだぜ?」

あやせ「…へぇ…」

あやせ「つまりお兄さんはそのえっちなゲームを1日中やってたから私に会いに来なかったと…」

あやせ「そういう事なんですね」ギロッ

京介「あー、まぁそうだな。それでよ」

あやせ「!?そ、それでって…悪びれもなく…」

京介「ほら、あやかちゃんを見て何か思わねぇ?」スッ…

あやせ「はぁ!?……いえ普通の、ごく普通の二次元の女の子にしか見えないんですけど」

京介「ちっちっちっ…よく見ろ」

京介「この娘、あやせに似てるんだよ!」

あやせ「……は?」

京介「ほら、この可愛い顔、細くて綺麗な腕!」

京介「声だってほら!」<キャッ、キョウスケクンノエッチ!

京介「お前と全く同じ!このリボン取っちまったら完全にあやs
あやせ「ふんっ!」ズドッ
京介「へぼら!?」ドサッ

あやせ「な、ななな何を言ってるんですかあなたは!!」

あやせ「たかったかがゲームの女の子を私なんかに見立てて、その上セクハラしてえっええっちな声をあげさせるなんて!」

あやせ「自分でやっていて虚しいとかみっともないとか思わないんですか!気持ち悪い!」

京介「そこだ、そこだぞあやせ!」ビシッ

あやせ「はぁ?今度は何ですか!?」

undefined

京介「このゲームはぶっちゃけ妹要素は薄い!」

京介「だが!あやせと瓜二つの姿を持つこのあやかちゃんを見れば、きっと桐乃は釘付けになる!」

あやせ「な、なんでそう言い切れるんですか!」

京介「お前と桐乃は親友だからだ!」

あやせ「そういうの、都合のいいように使っていい言葉じゃないと思うんですけど…」

京介「だが、あやかちゃんとお前には決定的な違いがある!」

あやせ「は、はぁ…それは一体」

京介「それは…」

京介「暴力的であふか否かだぁあああいだいいだい離して下さいあやせたん!?」ガシッ
あやせ「どういう事ですかっ!それって私が乱暴で嫌な女って言いたいんですか!?本当に最低ですねお兄さん!!」ギリギリ…

京介「ギブギブストップ!とりあえず落ち着け!」

あやせ「ちっ」ドサッ

京介「いてぇ……とにかく、俺としてはお前にその極端な性格を直してほしいんだよ」

あやせ「はぁ!?」

京介「お前だって桐乃に対して優しいし、友達思いってのは俺も、あいつ自身理解はしてる」

京介「だけどな、感情の起伏が激しいんだよ。俺は割と許容してるけどお兄さんだから~って普通は今みたいに蹴っていいわけねぇし掴み掛かるのもNGだ」

あやせ「ぁ…ぃぇ…それは…」

京介「別に、あやせは桐乃に対して暴力を振るう事はねぇと思うがオタク関連の話になると急に冷たくなるだろ?」

あやせ「だからこうしてえっちなゲームへの抵抗を少なくするためにお兄さんのお家に来てるんじゃないですか…」

京介「違ぇよ。そういう話じゃねぇ」

京介「確かにお前はこの1、2ヶ月でエロゲーに対する偏見は薄れてきた筈だ。でも俺が言いてぇのは何もエロゲーの話じゃねえ」

京介「今後、桐乃と関わっていく中で、あいつがお前の意にそぐわない行為に至ったとしてちゃんとそれを受け入れてられるかどうか…」

あやせ「…っ」

京介「あやかちゃんは俺達プレイヤーに対して基本的に否定な事は言わねぇ。だから相手してて癒されるし、気分がこう…スッとするんだよスッと」

京介「お前だって魅力的な奴だよ。それこそ、あやかちゃんなんかに負けねぇくらいに!」

京介「だからこそ、そういう小さな部分が浮き彫りになっちまうと思う」

あやせ「浮き彫りって…」

京介「当然、あやかちゃんはゲームの中の女の子だからプレイヤーを否定なんかするわけねぇ。桐乃に対してうんうん頷くだけじゃただのロボットだ」

京介「完全にあやかちゃんを再現しろなんて無茶苦茶な事は言わねえからとりあえずこいつを進めて、それでお前の足りない所を埋めていこう」

京介「そうすりゃ、桐乃が帰ってこのゲームをプレイした時…」

桐乃『うひょ~!あやせたんマジ天使!うへへ…二次にも三次にも推しが…』

京介「とまぁこうなる事間違いなし」
あやせ「なりませんね断言します」

あやせ「……要するに、好き嫌いが激しい私にもう少し寛容になれという事ですか?」

京介「そういう事~」

京介「十人十色とも言うし、今後黒猫以上に嫌だな~って思う奴と嫌でも関わる必要が出てくるかもしれねぇしさ」

京介「そういうのも兼ねて、な?」

あやせ「……分かり、ました」

あやか『うん、あやかだよ♪いっしょに行こ♪』

あやか『…え?だ、だって……』

あやか『早く京介くんに会いたかったから…えへへ』

京介「ぐふ、ぎゅふ…でゅふふふ」

京介「マジ萌えるんですケド。くふふ」

あやせ「……」

京介「はい、あやせ!今の言ってみろ」

あやせ「は、はぁ!?」

京介「こういう細かな仕草とか話し方でも、桐乃の評価に関わってくるかもしれねぇだろ?」

京介「ほら、今みたいにグッと来る感じでオネシャス!グッと来る感じの!」

あやせ「グッとって…え、えぇと…」

あやせ「あ、あやせだよ…?ぃっしょにぃ…だ、だって、早く…ぇと、会いたかったから……」

あやせ「ぇへ、えへへへへへ………」

あやせ「ど、どうですか?」

京介「駄目だ駄目だ!気持ちが全然こもってねぇ!声こもらせてもダメなのよ!?」

あやせ「気持ちを込めろって!お兄さんに対してこんな恥ずかしい台詞言える訳ないでしょう!?」

あやせ「これが私の限界ですっ」プイッ

京介「お前…だからそういうなぁ…」

京介「まぁいいや、次は俺の名前読まなくていいからしっかり真似するんだぞ」

あやせ「」イラッ

あやか『あの……わたし…わたしね……』

あやか『ずっと京介くんのこと、好きだったの』

あやか『もう、あなたなしじゃ…生きていけない』

あやか『すき……』

あやか『…大好き』

京介「おひょぉ~♪たまらん!」

あやせ「…」イライラ

京介「はい、どうぞ」

あやせ「…っ…あの…その…ワタシズットアナタノコトシュキ…」

京介「声が小さい!もっと心を込めて…」

あやせ「えっと…あの……私、すっと…ずっとあな、あなたの事…………」

あやせ「って言えるか死ねぇええっ!!!」ズドッ
京介「?お゛あ」グルグフ
ドサッ

京介「な、何故だ…何故俺は宙回転させられるような蹴りを入れられているんだ」

あやせ「そっそれはこっちの台詞です!言わせて聞かせておけば私にいやらしい事を言わせてセクハラしてるだけじゃないですかお兄さん!」

あやせ「立派な性的虐待ですっ!!!」

京介「虐待って…俺は別にそんなつもりでやってる訳じゃねぇって言ってんだろ?」

京介「お前がそうやって過剰な反応をするから…」

あやせ「無理矢理知り合いの女の子に告白まがいの台詞を吐かせる男なんて居ますか!?私じゃなくたって桐乃も!誰だって気持ち悪がります!」

あやせ「頭沸いてるんじゃないですか!?」

京介「だからって…だからそういう言い方じゃなくてよ!」

あやせ「うるさい!変態!死んじゃえ!」

あやせ「嫌なものは嫌ですし!無理なものは無理なんです!」

あやせ「これ以上嫌がらさせをするようなら本当に通報
京介「いい加減にしろあやせ!!!」

あやせ「ひっ…」ビクッ

京介「だから!俺は!口を開けばすぐ否定する暴言を吐くお前のそれを直せって言ってんだよ!」

京介「別に告白してねぇから怒ってる訳じゃねぇ!ちゃんとあやかを演じられりゃそれでいいんだよ!!」

京介「お前に頼んだ台詞がたまたまそういうシチュエーションだっぢけだっつーの!!」

あやせ「なら普通わざわざそこをチョイスせずに別のシーンを選ぶでしょ!?私にはわざとこんな恥ずかしい台詞を言わせてるとしか思えません!!」

京介「あのなぁ…たかがゲームの真似をするだけだろ?俺に告白する訳じゃないじゃん?」

あやせ「なっ…」

京介「別に俺はさぁ、お前に嫌われるって分かってるし?そんな事あり得ないって十中八九分かってるし?」

京介「コレはあくまでリハーサルというかデモンストレーションみたいなもんだろ?別に俺もお前も緊張するこたねぇだろ…」

あやせ「はぁ!?何言って…」

京介「まぁ緊張するのも分かるけどよぉ…別に相手を俺に想定するんじゃなくて桐乃にしたって構わねぇだろ?」

京介「お前はさぁ、一々大袈裟なんだよ。加奈子とか桐乃の肩を持つ訳じゃねぇけどさぁ」

京介「もう少しこう相手に合わせるとかしないと友達に嫌われ
バチンッ



京介「……いてぇ」

あやせ「…ぅっ…ひぐっ……」

京介「あやせ…?お前なんで泣いて」
あやせ「うるさい!喋るな!!!」

京介「……ご、ごめんって。別にそんな強く言うつもりはなくて」

京介「俺はただ、桐乃の…お前の為に」

あやせ「桐乃がこんな私を気に食わないから変われって言うんですかっ!!!」

京介「っだから…俺はそこまでは」

あやせ「言ってるじゃないですか!あやかは良い。お前はダメだって、今日ずっと私の事を否定してるじゃないですかっ!!!!」

あやせ「お兄さんはいつも、いつもそう!」

あやせ「何かあればすぐに私に許容を、妥協を求めてくる!!」

あやせ「桐乃のオタク趣味がバレた時も何も知らない私に受け入れろって言ったし」

あやせ「メルルの時だって無理矢理えっちな衣装を着てコスプレの大会に出ろって半ば脅してたし…」

京介「いや別にアレは脅してねぇって…」

あやせ「私からしたら脅してるようにしか見えないんですよっ!!!」

京介「っ…」

あやせ「今回もそう…桐乃の為に、嫌かもしれないけど…一緒にえっちなゲームをやって、桐乃を知っていこうってそう言ったのに…」

あやせ「お兄さんの事信じて、嫌だけど…それはお兄さんも同じだって……そう思って我慢してきたのに!!!」

京介「いや、あのさ…」
あやせ「そうですもんね、お兄さんはいつもかわいいかわいい妹の為に身を粉にして働いてるんですもんね!」

あやせ「どうせ私なんか…他人の事なんか桐乃に比べたらどうでもいいとしか思ってないんでしょ!!?」

京介「んな訳ねぇだろ!!!」

あやせ「じゃあなんで私を否定するんですかっ!!!!」
あやせ「なんで私に自分を変えろなんて軽々しく無茶な事を言ってくれるんですか!!??」
あやせ「今の私が嫌いだからなんじゃないですか!!?ねぇ、ねぇ」
あやせ 「 ね ぇ ! ! ! 」

京介「っ…」

あやせ「お兄さん、言ってましたもんね。あやかの方が魅力的だって」

京介「あやか『も』だろ!?だから別に…」

あやせ「ゲームの女の子と同列に考えられている時点で論外ですし、お兄さんは私『も』!魅力的だって言ったんですよ?」

あやせ「こんなとってつけたような言い方されたら…誰だって…ひぐっ…嫌になるに決まっでるじゃなぃですが…」

京介「いやだからさ…泣くなって…」

京介「俺もちょっとさっきのは言い過ぎた事もあったよ…だから…」スッ

バチッ

あやせ「触るなっっ!!!!!」

京介「いてっ…」

あやせ「は、はは…いいじゃないですか。良かったですねぇ。私なんかよりも優しくて可愛くてよっぽど良い女の子と出逢えて!」

あやせ「そんなに液晶画面と睨めっこしたいなら一生そうしていればいいじゃないですかっ」スタッ…

京介「ちょっ…待てってあやせ!!!」

あやせ「待ちませんもういいですもう2度とお兄さんの家には来ません顔も合わせませんいいえ会いたくないです死ぬまで絶対に」スタスタ…

京介「待て!話を聞いてくれ!俺はお前の
あやせ「人の気も知らないで何勝手に自分語りしてるんですか?気色悪いですよ?」

あやせ「死ねばいいのに」

京介「………………」

あやせ「さようなら。最低のお兄さん」ガチャ

バタン

京介「……」


ドサッ

京介「……ぁ……ァゃ……アャ……せ…」

京介「…」ボーッ

大介「おい京介」

京介「っ!な、何だよ親父…」

大介「…考え事をするのは勝手だが脳だけでは無く箸も動かせ箸も」

大介「時間は有限。最近たるんでいるぞ」

京介「……」

京介「ごっそさん」ガタッ

スタスタ

佳乃「……浮かない顔してるわね、京介…何かあったのかしら」

大介「さぁ。俺の知った事ではない」



京介「……」シーン

京介「死ねばいいのに…かぁ」

京介「そりゃ今まで何遍も言われてきたけど」

京介「あんなガチトーンで刺されたのは初めてだよ…」

京介「はぁ…あいつ、俺の事本当に嫌いになっちまったのかなぁ」

京介「もう、俺と話したくねぇのかな…」

京介「折角………仲良く、なれたと思った、のに…」ジワッ…

ガチャ

京介「ぇあぅぁあ゛いだ!?」アセアセ

黒猫「…何してるの先輩」

京介「……黒猫…」

沙織「お邪魔しております~」ヒョコッ

京介「お前らいつの間に…」

黒猫「さっきから何度もインターホン鳴らしてたわよ…」

沙織「京介氏の母上殿が対応してくださったのです」

京介「そっか…悪い事したな」

黒猫「…それで?一体どうしたのかしらその情けない面は…」

京介「………」

京介「…人生相談があるんだ」



黒猫「へ~…それで発狂して出てった訳」

沙織「以来あやせ氏にはお会いできていない、と…」

京介「…」コクリ

沙織「まぁ…今回ばかりは京介氏に非があると言わざるを得ませんなぁ」

沙織「悪ノリが過ぎたというか…何というか」

京介「はぁ…だよなぁ」

京介「ラブタッチが面白くて…ついヒートアップしちまって…」

沙織「ふふふ。普段からきりりん氏にあれだけ説教している京介氏ですが…」

沙織「やはり血は争えないという事でござるな」

京介「いや…マジで言う通りだ。面目ねぇ」

黒猫「くっ…くふふ……」

黒猫「こうもまぁ見事に我が術中にはまるなんて…」

黒猫「予想以上の成果ね…」

京介「は?術中?なんだそれ」

沙織「黒猫氏は最近仲睦まじい御二方に嫉妬しておりましてなぁ」

沙織「まぁちょっとした悪戯をぶぶっ
黒猫「な、何を出任せ言っているの貴方は…」ググッ

京介「???」

黒猫「それで…貴方はあの淫乱とどうしたいの?先輩」

京介「そりゃ…寄りを戻すっつーか、なんというか」

京介「とにかくまた一緒に遊びてぇよ。そんだけだ」

京介「…でも、今回あやせマジでキレてたし」

京介「これ以上下手に手出したら桐乃の方にも飛び火がかかるかもしれねぇし…」

沙織「迂闊に行動に移せぬと…」

京介「俺にはもうどうすりゃ良いのか分かんねぇよ…」

京介「もうあいつに関わらねぇ方がいいのかな……」

黒猫「…」

黒猫「もし私がその女の立場で、貴方にそんな事言われたら呪い殺す所よ」

京介「呪っ」

黒猫「あの子だって…好きで怒ってる訳じゃないでしょう」

黒猫「貴方の事を本当に心の底から嫌っているのだとしたら…」

黒猫「『人の気も知らないで』なんて言葉口に出さないと思うわよ」

京介「…はぁ?」

京介「それってただ単に嫌がっているだけじゃねぇの」

黒猫「それはどうかしらね」

黒猫「あの女、嫌な物は嫌ってはっきり意思表示する性格だし…」

黒猫「実際普段から何度も煙たがっている素振りは見られたでしょう?」

京介「いや、それは…そうだけど…うーん」

沙織「つまり、黒猫氏はあやせ氏が怒っている理由が別にあると?」

黒猫「まぁそんな所かしら」

黒猫「ただの魔女としての勘だし、鵜呑みにしろとは言わないけれど」

黒猫「少なくともそれだけの原因でスイーツ(笑)2号が貴方にそんな事を口走るとは思えないって…それだけよ」

黒猫「ついこの間も言ったでしょ?あの子、少し機嫌悪そうだったって」

京介「……あ、まぁ…言われて、みれば」

黒猫「堪忍袋の尾が切れたのは、その諸々が積み重なった結果じゃなくて?」

京介「も、諸々でせうか…」

黒猫「とにかく、嫌われた原因がどうであれ、今後あの女との関係をどうするのかであれ…」

黒猫「何にしても貴方の勝手でしょうけど付けてしまったツケを払う位はしないと後味が悪いでしょう?貴方も、彼女もね」

黒猫「改めて話し合ってみたら?まぁ、話すだけが解決への糸口とは限らないでしょうけど」

京介「そうか…うーん、でもな」

京介「何というか、心当たりが無さすぎるというかありすぎるというか…」

京介「普段なら蹴りの1発位でなぁなぁにしてくれるあやせがここまで根に持つ位だからかなりやらかしてはいる筈なんだが…」

京介「こう、言い方はアレなんだが何をどう謝りゃいいのか俺にはよく分からん」

沙織「では京介氏は自分があやせ氏に対しどんな罪を犯したのか、具体的に答える事はできるでござるか?」

京介「そうだな…」

京介「プロポーズを今月5回もしたし、あやせの谷間を多分10回は見たな…跡そうそうどさくさに紛れて手を握ろうとしたり…」

黒猫「…」

沙織「京介氏…」

京介「な、何だ!その目は!何かその可哀想な生き物を憐れむような目で見る目は!!」

黒猫「いえ、ただ早急に浄化する必要性があるなと思っただけよ」

京介「人を悪魔扱いにするのはよしてちょうだい!!」

黒猫「そうして欲しいなら人として最低限の道徳心を持って相手と接するようにしてちょうだい」

京介「善処しまふ…」

沙織「収集がつかないでござるなぁ…」

黒猫「もしあの子が怒っている理由がどうしも分からないというのなら…」

黒猫「『何故怒っているのか』ではなく『何をしたら悲しむのか』を考えてみたら良いんじゃないかしら」

京介「それってほぼ同じじゃね?」

黒猫「似て非なるものよ」

黒猫「それに、こちらの方が幾分分かりやすいでしょう?」

京介「…まぁ、でもな…」

黒猫「貴方達は友達なんでしょ?」

京介「…」

黒猫「出会って日が浅い私達が何を言おうと説得力に欠けるわ」

黒猫「でも貴方は違う、でしょ?」

京介「……友達、ね」

黒猫「まぁ、本当はこんな話私達なんかではなくあの渡米妹に相談すべきなんでしょうけど」

京介「っっったいにやだっ!!」

京介「隙あらば借り作って倍以上のリターン請求するぞあいつ!」

京介「あんなのに頼るなんて死んでもごめんだね!」

沙織「散々な言われようでござる…」

京介「…それに、あいつはさ…」

京介「知らねぇ土地で、誰にも頼れねぇで…1人で弱音吐かずに頑張ってんだ」

京介「兄がそんな妹に頼ってどうする」

沙織「…ごもっともな話でござる」

京介「何だかちょっと…ほんのちょっぴりだけど元気が湧いてきたわ」

京介「ありがとな、黒猫、沙織」

黒猫「別に…私はシスカリしたいだけで貴方の心配を…」ブツブツ

沙織「拙者はほぼ出る幕が無かったでござるが…」

京介「それでもちゃんと話聞いてくれるだけでも安心するんだよ」

京介「お前らには感謝してるんだぜ?」

沙織「いや~それ程でも~うへへ」

京介「…あやせが嫌がる事……か」

キーンコーンカーンコーン

京介「ふああ…ぁあ」

京介(とは言ってもあいつが嫌がる事ってなんだ?)

京介(やっぱりセクハラか?セクハラなのか?)

京介(ただただセクハラの度が過ぎただけなのか?)

京介(逆にそれ以外であやせの機嫌損ねた事は無い…筈。俺が見る限り)

京介(精々桐乃のオタク趣味がバレた時位だわなぁ)

京介「うーん…」トントン

赤城「おいどうした高坂。浮かない顔して」

京介「あ?いや…ちょっと考え事をな」

赤城「ほほう成る程成る程…さてはお前田村さんに愛想を尽かされたなぁ?」

京介「はぁ?」

赤城「そりゃまぁ仕方ねぇよ。お前いっつも田村さんに冷たかったんだもん」

赤城「最近部活にも入りやがって一緒に居る時間も減っちまっただろ?馬鹿だなぁ」

赤城「せめて田村さんも誘うとかよぉ…」

京介「待て待て待て。お前は色々と誤解をしている」

京介「別に俺は麻奈実とそういう仲じゃねえし、かと言って仲が悪い訳でも無ぇし、ゲー研はそれこそ無理矢理付き合わせる訳にはいかねぇだろうが」

京介「麻奈実はそういうの興味0だし」

赤城「んな事はねぇだろうよ」

赤城「内容とか関係なく田村さんはお前と楽しく部活でイチャイチャしたいって思ってるぜ?きっと」

京介「無い!断じて無い!天地が100回ひっくり返ってもあり得ないね!」

赤城「てめ…そういう事言うからなぁ…」

京介(あー、面倒くせ。また赤城の悪い癖が発動しやがった…)ガミガミ

京介「……」

京介「…なぁ赤城」

赤城「あ?」

京介「女の子がキレやすい事って何かね」

赤城「はぁ?何の話だそりゃ」

京介「いやそのまんまだよ。訳もなく突然ふてくされちまってんの」

京介「……と俺の友達が言っていた」

赤城「…ほぉ…へぇ、そうかそうか」

京介(あ、ダメだ誤魔化せてないわこれ)

京介「んだよその訳知り顔は」

赤城「いやぁ?別にぃ?」

赤城「無粋な漢でも時が流れりゃ成長するもんなんだなと」

京介「しばき倒すぞ」

赤城「お~?そんな態度取ってもいいのかぁ?」

赤城「愛する田村さんの心取り戻したくねぇのかよ」

京介「愛してねぇし心を鷲掴みした事もないわ!」

赤城「…」

京介「いや!愛してる!心の底から愛しております!」

赤城「よーしよしよし。お前の覚悟は受け取った」

赤城「相談に乗ってやろう」

京介(こいつロクな死に方しねぇぞ。いや俺がさせねぇ)

赤城「で、何だその悩み事とやらは」

京介「いや、さっき言った通りなんだけど」

赤城「へ?」

京介「だから、突然女の子がブチ切れて口聞かなくなってくれたんだよ!それだけだ」

京介「それで…どうして怒ってんのかな、と」

赤城「いや意味わかんねぇよそれ…いや分かりはするけど」

赤城「そん時の状況を詳しく言ってくれなきゃ答えようがねぇよ」

京介「いや、それは…その…その時の事で怒ってるわけじゃねぇっていうか…なんつーか」

赤城「はぁ?」

京介(2人でエロゲーやってる最中に言い合いになったなんて言えるわけがない…!)

京介「だからその…一般的な女の子が敏感な所というか…デリケートな部分っつーの…」

赤城「…一女子のベターな地雷って事か?要するに」

京介「まぁ多分、そういう事だと思う」

赤城「っかぁ…内容が抽象的すぎるし第一そんなもん俺に聞いてどうするんだよ」

京介「お前が事あるごとに茶々入れてくるからそういうのに詳しいと思っただけだよ」

赤城「んな訳ねぇだろ…俺は彼女いない歴=年齢だぞこの野郎…」

赤城「お前と住む世界のレベルが違うんだよ!くそぉ」

京介「……威張って言うもんじゃねぇしむしろ自虐ネタだしというかそんな台詞どっかで聞いた事あるな…」

赤城「まぁそうだな…カップルでよく揉める事っつーとやっぱり忘れ事じゃねぇの?」

京介「記念日ぃ?」

赤城「ほら、初めて手を繋いだ日~とか初めて遊園地に行った日~とかよ」

赤城「女子ってそういう些細な事にも神経尖らせてるもんだぜ?」

京介「はぁ…そうかいそうかい」

>>101
赤城「まぁそうだな…カップルでよく揉める事っつーとやっぱり記念日とかの忘れ事じゃねぇの?」

って事でお願いします

スタスタ…

京介「っはぁぁ…」

京介(あれから色々聞いてはみたもののどれも当てはまりそうにねぇなぁ)

京介(あの役立たず…ただ恥晒しただけじゃねぇかよ…)

京介「やっぱラブタッチの事謝るしかねぇのかなぁ…門前払いされそうだけど」

京介「……」サッ

京介「い…いかんいかん。あん時の名残でラブタッチ熱が蒸し返しそうだ…」

京介「…………あやかたんに癒してもらおうかな…もうこれ」

京介「綺麗さっぱり忘れた方が…」プルルル

京介「あ…?誰からだ…」パカッ

京介「…麻奈実か」ピッ

京介「もしもし?」

麻奈実『あっ…京ちゃん。部活終わった?』

京介「おう。今帰ってるとこ」

京介「悪いな。いつもなら途中まで一緒について行ってやってるんだが」

麻奈実『ううん。いいのいいの。京ちゃん黒猫さんとか他の皆と仲良くやれてて何よりだし』

麻奈実『そういう京ちゃんこそ、帰る時に寄り道ばかりしてるんじゃないのかな~とか迷子になっちゃってるんじゃないかな~って私心配してるんだよ?』

京介「お前は俺のお袋か」

麻奈実『うん!』

京介「うん!じゃねぇわ!即答すな!」

麻奈実『えへへ~。やっぱり京ちゃんとお話してると楽しいな~』

京介「……で、何だ?わざわざそんな事言う為に電話かけてきたんじゃねぇだろ?」

麻奈実『あ~……えっと、あのね、京ちゃん…』

麻奈実『あやせちゃんの誕生日なんだけど…』

京介「………え?」

麻奈実『…その様子だと…やっぱり知らなかったんだ』

京介「そりゃおま…知ってる訳無いだろ。そういう間柄でもねぇし…」

京介「桐乃はいねぇし、加奈子とも滅多に会わねぇし…」

麻奈実『今月の初め…5/2ね、あやせちゃんの誕生日でそれで…』

麻奈実『あやせちゃんすご~く楽しみにしてたんだけど』

麻奈実『それから話す時ちょっと元気無いなぁって思って…その時は気にしてなかったんだけど…』

麻奈実『まさか…って思ってね』

京介「え?いやいや初耳だよ俺!?」

京介「麻奈実知ってたの!?」

麻奈実『うん。ウチのお菓子をプレゼントしたんだ~』

京介「嘘だろ…なんで俺に教えてくれなんだ!?」

麻奈実「だって…京ちゃんの事だから知らない筈無いだろうしん』

麻奈実『そういう事に首を突っ込むのは無粋かと思って触れてなかったんだよ…』

京介「変な所で気使うねお前!」

麻奈実『へ、変な所じゃないよ…だって京ちゃんにとっては大事な…』

京介「あーもう、分かった!分かったから!」

京介「とにかく教えてくれてサンキューな。ちょっと考えてみるわ」

麻奈実『え?そ、そう…ならいいんだけど』

京介「それじゃあな」

麻奈実『うん。じゃあね』

ピッ

京介「…知らなかった……あやせの誕生日今月だったのかよ…」

京介「沙織のプレゼントとか部活の出し物で手一杯でそんな事想定してなかったぞ…」

京介「部活始めてあやせと会う回数少なくなったのも丁度そこら辺だったからなぁ…てっきりそれ絡みで機嫌損ねてるのかと…」

京介「あの野郎の助言もあながち間違ってなかったって事かよくそ!」

京介(にしてもどうしたもんか…)

京介(今更何か言っても聞いてもえるかどうか怪しいし、遅ぇし…)

京介(というかあやせがそんな事で拗ねるか?普通…)

京介(別にそんな事知らなくてもおかしくないしというか知ったら知っていたで『キモ!通報します!』の一点張りな気もする…)

京介(考え過ぎじゃないか?わざわざ蒸し返す事は……)

京介「……でもそんな事言い訳にしてなぁなぁなされる方が嫌、かなぁ…」

京介「少なくとも俺は気分悪くなる…かも」

京介「何か文句は言われるかもしれねぇけどこの間の詫びも含めて何か渡すか…」

京介「……女の子への誕生日プレゼントね……」

京介「さっぱり分からん!」クワッ

京介「せめてあやせの好きな傾向が分かりゃなぁ………」

京介「………またあいつかぁ?」

加奈子「っかぁぁ…疲れた」

加奈子「ライブはまぁいいんだけどさぁ…っぱあのオタク共の相手すんのは精神的に来るわぁ…」

あやせ「お疲れ様、加奈子」

加奈子「あ~、あやせー、茶ー」

あやせ「自分でやりなさい」

加奈子「けっ。ドケチ」

あやせ「加奈子ぉ?」

加奈子「さ、さぁてとかなかなちゃんはそろそろ支度を済ませてお家へ帰らなければいけない時間なのです~」ガサゴソ

あやせ「寝惚けたこと言わない!今日は先方へのご挨拶もあるでしょ!?」

加奈子「え~マジ?知らねぇwww」

加奈子「加奈子そういう暗記モノ無理なんだわ」

あやせ「昨日もここに来た時も散々予定確認したでしょうが…」ググッ

加奈子「ってかめんどいからキャンセルしていい?それ」

あやせ「いい訳ないでしょ!!いい加減にしないと蹴り殺すよ加奈子!!」

加奈子「まぁまぁそうカリカリしなさんなって…」

加奈子「彼氏に振られたが何かしんねーけどさ、あれだべ?」

加奈子「最近キレ気味っしょ。怒るとシワ増えるべ~」

あやせ「余計なお世話だよ…!」

あやせ「はぁぁ…なんで私が加奈子のプロデューサーみたいな事してるんだろう…」

加奈子「プロデューサーっつーかもはやオカンだわなw」

あやせ「か~な~こぉぉおお!?」

加奈子「おっ」プルルルル

加奈子「もしもし~」ピッ

あやせ「…っ~」

加奈子「うん?うんうん」

加奈子「あ~いいよ。加奈子その日空いてるし、うん」

あやせ(誰と話してるの…?)

加奈子「うん、かしこま~。ほんじゃまたね~」ピッ

あやせ「…加奈子、今かかってきたの誰?」

加奈子「ん~、デートのお誘い」ガサゴソ

あやせ「へ~そうなんだ。デートね…デー

あやせ「はあああああっ!?」

~数日後~

あやせ「………」

あやせ「」キョロキョロ

<ママーヘンナヒトイルー
<シラナイフリシトキマショ

あやせ(くっ…マスクにサングラス…ブカブカの帽子…)

あやせ(側から見ればただの変質者じゃない…)

あやせ(で、でも加奈子がデートなんて言うから…)

あやせ(というか加奈子の男友達なんて聞いた事無いし)

あやせ(まさかとは思うけど…)

あやせ「……っ!居た…」

加奈子「あー、まだかなぁ」

ダダダ

加奈子「ん?」

京介「すまねぇ!遅れて悪かった!」

加奈子「んいや。加奈子も今来たとこだし気にすんな」

あやせ(やっぱりぃぃいぃ)

あやせ(お兄さんの馬鹿ぁっ!わ、わわ私を差し置いて…)

あやせ(……ふんっ!べ、別にあんなキモオタドスケベセクハラ野郎なんかに興味無いし?)

京介「で、今日はどこから回るんだ?」

あやせ「……」ジーッ

加奈子「んーと…」

あやせ(…き、聞こえない…!流石にこの距離からじゃ聞き取れない…)

あやせ(かと言ってこれ以上近づくのも…)

京介「じゃ、行くか」

加奈子「おー!」

スタスタ

あやせ「あっちょっ…待って!場所聞けてない!」ダダッ

<ナニアレストーカー?
<コエー

加奈子「これとかどーよ」

京介「うーん…」

京介「ちょっと地味…というかもう少しこうなんつーかなぁ…」

京介「日常的に使えそうなやつがいいんだよなぁ。ただのプレゼントとしてのプレゼントじゃなくてよ」

加奈子「注文細けぇな…」

あやせ「」ヒョコッ

あやせ(内容はあまり聞き取れないけど…)

あやせ(2人で楽しく買い物してる……っ)グググ

あやせ(あの加奈子が!男っ気が微塵も無いあの加奈子が!異性の人と戯れてる…)

あやせ(何よりその相手がお、おおおに、お兄さんだなんて…)

あやせ(私が駄目だと分かった途端他の女に移るなんて本っ当に最低です!!)

あやせ(………楽しそうだなぁ、本当に)

加奈子「なー腹減った。飯行こうぜ飯」

京介「そうだな。何処がいい?」

加奈子「お?奢ってくれんの?」

京介「お前にゃ色々世話になってるからな。この位しねぇと」

加奈子「へへ~。マネージャーには色々貸しを作ってやってるからなぁ」

加奈子「飯の1杯や2杯で精算できると思うなよ~?」

京介「一応忠告するがそうやって調子乗って食いまくるとブクブク太るぞ~?」スタスタ

加奈子「んだと~!?加奈子は成長期真っ盛りのアイドルだからいくら食っても良いんだよバーロー!」スタスタ…

あやせ「…」<マテー!

スタスタ…

あやせ(…あれからもう5時間以上街をぶらぶらしてるけど…)

あやせ(まだ買い物するの…?)

あやせ(というか回ってる店舗の数の割に全然買ってないけど…)

加奈子「なぁ~いい加減決めろよな~」

加奈子「優柔不断な男はモテないべ?」

京介「そうは言ってもよ…」クシャクシャ

京介「なんというかどれもピンと来ねぇんだよ」

加奈子「加奈子が選んでやってるモン全部そうやってケチつけてんじゃねーかよ!」

加奈子「あたしだって真剣に考えて提案してやってんだぜ?」

京介「いや、分かってるし滅茶苦茶ありがたいんだよ、正直助かってる」

京介「でも、最低限俺の中のあやせが納得しねぇんだ」

加奈子「はぁ?何言ってんのお前…」

京介「とにかく、これじゃ駄目なんだ。もっとこう…あいつが満足してくれるような物じゃねえと…」

加奈子「……まぁ、気持ちは…分からなくもねぇけどよ」

加奈子「そうは言ってももう夜だべ?そろそろ閉まっちゃうお店も出始めるけど」

京介「…まぁ、そうだな」

京介「加奈子、お前はもう今日帰れ」

加奈子「はぁ!?なんで!?」

京介「親御さんが心配するだろ?流石にこれ以上俺の用事に付き合わせられねーよ」

加奈子「付き合わせるって…何水臭い事言ってんだよ!別に多少遅くなったって姉貴にいくらでも言い分作れるしよ…」

京介「それでも、これ以上お前の迷惑をかけたくねぇ」

加奈子「……何だよそれ…」

あやせ(…何か、喧嘩してる?)

加奈子「へいへいわーったよ。邪魔者はとっととトンズラするに限るね」

京介「いやおま…そういうつもりじゃ!」

加奈子「どうだか、人を1日パシリにしてその言い草は流石のいしもどうかと思うね」スタスタ…

京介「ちょっ待てよ!」

加奈子「……」スタスタ

京介「加奈子ぉおおおっ!!!」

あやせ「ひっ!?」ビクッ

加奈子「…」ピタッ

京介「今日滅茶苦茶楽しかったからなぁぁあっ!!」

京介「また頼むかもしれねーけどよろしくなぁああっ!!!」

加奈子「………けっ」

京介「!」

加奈子「調子のいい事ばっか言いやがってあのクソマネージャー…」フリフリ…

京介「…手を振ってくれるって事はまぁ、そういう事なんだろうな」フリフリ…

加奈子「…ったく……」

加奈子「?」チラッ

あやせ「……………」

加奈子「…」ジーッ

加奈子「気のせいか。あやせみてーな奴が居ると思ったんだけど」

加奈子「ま、人のデートにコソコソ尾けるようなキメー奴じゃねーしなアイツ」スタスタ…

あやせ「…そっか…」

あやせ「やっぱりお兄さん、私の事忘れたいんですね」

あやせ「私との思い出、無かった事にしたいんですよね…」

あやせ「そうですよね…私お兄さんに酷い事ばっかりして……」

あやせ「私なんかと……もう関わりたくないですよね………」ポロボロ…

あやせ「…帰ろう」ゴシゴシ

あやせ「加奈子もお兄さんと仲良くなってくれれば私の負担も減るし、2人とも幸せだもんね、そうだよね…」クルッ

あやせ「これでいいんだ……これで………」

ガシッ

あやせ「えっ…」

京介「お前…あやせか?」

あやせ「………ぅ…ぅぅ」

京介「…え、あ、人違い?」

京介「すみません!誤解でし
ばぼっ!?」バキィッ
ドサッ

あやせ「気安く触るなこの変態!!」

京介「な……んだよ…やっぱりあやせじゃねえか!それならそうと早く答えろよ…本当に俺セクハラ野郎に成り下がっちゃうじゃん!」

京介「さっきチラッと見えたから急いで追いかけたんだぞ!?」

あやせ「ふん!名実ともに立派な犯罪者予備軍じゃないですか!」

京介「予備軍で済ませてくれるあたりまだ温情を感じる俺は感覚が麻痺してるのだろうか…」

あやせ「…ごめんなさい。ごめんなさい…」

京介「へ?」

あやせ「私がいつもこうだから…乱暴で自分勝手だから……嫌気がさしたんですよね?」ポロポロ

あやせ「おまけにストーカーまがいな事して…本当に私って最低、だ…」ゴシゴシ…

京介「あやせ…泣いてん、のか?」

あやせ「あれから帰って…冷静に考えて、お兄さんにあんな酷い事を言って…」

あやせ「次お兄さんに会った時どんな顔をすればいいのかなって…なんて言葉をかければいいのかって…」

あやせ「っ考えても考えてもよく分かんなくなって…頭の中がグチャグチャになって…ひっぐ…」

あやせ「どうずればいいがなって…っ!」

京介「……ああもういいって!そんなに泣くな」

京介「眼圧上がっちまうぞ?」ナデナデ…

あやせ「え…」

京介「………ごめん!」ペコッ

京介「俺もあん時俺も淫らな思いが無かった訳では無いっつーか、なんというか」

京介「とにかくふざけが過ぎた!俺もお前を傷つけちまった」

京介「だから俺の方から…謝らせてくれ……っ」

あやせ「……」

あやせ「…で、でもお兄さんは加奈子とデートして…私はそれの邪魔を…」

京介「は?え?何?デート!?」

あやせ「加奈子が自分からそう言ってましたけど」

京介「……あの野郎、後で覚えてろ…」

あやせ「???」

京介「…こほん」

京介「あのな、あやせ。俺はお前の誕生日プレゼント探すのを加奈子に手伝って貰っただけだ」

京介「卑しい思いなんてこれっぽっちも無いから!な!?」

あやせ「……誕生日」

あやせ「…お兄さん、私に意地悪してたんじゃなくてやっぱり知らなかっただけだったんですね」

京介「おう…その、何というか色々悪かったな」

京介「俺もあやせが機嫌悪いのはいつもの事だからってそこまで気にしてなくてよ…」

あやせ「い、いえそんな…確かにちょっと……ほんのちょびっとだけですよ!?がっかりはしましたけど…」

あやせ「……よくよく考えると教えてもいない私の誕生日を知っていたらそれはそれで怖いなと」

京介「一応知る機会とか術は何度もあったのよ!?たまたま知らなかっただけだから!」

京介「そんな目で見ないで!」

あやせ「…」

あやせ「でも、お兄さんはそんな私の為に貴重な1日を無駄に潰しちゃったなんて…」

京介「無駄なんかじゃねぇよ。デートじゃねぇけど加奈子とブラブラ歩くの楽しかったし」

京介「それにこうやってまたあやせと話せるようになったんだ。それだけでお釣りが来る位だぜ」

あやせ「………お兄さん」

京介「何はともあれ…」

京介「誕生日おめでとう、あやせ」

あやせ「…ふふ」

あやせ「もう、待ってたんですからねお兄さん」

あやせ「…ありがとうございます」ニコッ

スタスタ…

京介「…さっきあんな事言っといてなんだけどよぉ」

京介「本当にどこも行かなくて良かったのか?無駄足だったんじゃねぇの?」

あやせ「お兄さんがもう暗いからさっさと帰れって言うからじゃ無いですか」

京介「いやだからそれは1人での話で行きたい所がありゃ俺がついていくって…」

あやせ「お兄さんは今年受験生でしょう?夜遊びなんかしてる場合じゃありません」

あやせ「それに……お兄さんと2人きりで買い物とか、その…」

京介「その?」

あやせ「凄く気持ち悪いじゃないですか」

京介「ナチュラルに言ってくれるね!躊躇する必要あったの!?今!」

あやせ「うるさいですね…気持ち悪いものは気持ち悪いじゃないですか」

京介「うぅ…いくら俺だってそこまで言われちゃ泣くぞ…しくしく」

あやせ「…その割には顔がニヤけてません?」

京介「んなこたぁない!」

あやせ「はぁ…そうですか」

京介「……」

あやせ「……」

京介「悪いなぁ。あやせ」

あやせ「?」

京介「1日中店歩き回ったのにお前のプレゼント買ってやれなかった」

あやせ「……いつもその位謙虚でいて欲しいんですけどねぇ、お兄さん」

京介「るせい」

あやせ「…別に。いいです」

あやせ「こうしてお兄さんと仲直り…なのかな」

あやせ「できたし…それに」

あやせ「お兄さんが妥協せず、私のプレゼントをやっきになって探していたの…」

あやせ「私、知ってるんですから」

京介「…あやせ」

あやせ「だからいいんですっ」

あやせ「ただし、それも含めてちゃんと埋め合わせしてもらいますからね!」ニッ

京介「へいへい」

京介(…でもなぁ……やっぱり何でもいいから物として渡さないと…スッキリしねぇというか、けじめがつかないというか…)チラッ

京介「…………」ピタッ

あやせ「?どうしました?お兄さん」

京介「…少し待ってろあやせ」ダダッ

あやせ「え、お兄さ…ちょっと!?」

あやせ「…お兄さん血相変えてまた似たようなお店に入っていったけど」

あやせ「どうしたんだろう…」

ウィィ…

あやせ「!」

京介「…ふぅ。滑り込みセーフ…」

あやせ「ちょっとお兄さん!急に1人で走ってまた私を置いて一体どういう
京介「まぁまぁまぁ…たんまたんま」

京介「…ちょっとだけ目つぶってくんね?」

あやせ「はぁ!?なんで…」

京介「いいから!早よ早よ!察してくれ!」

あやせ「さ、察せって…全く意味の分からない…」グッ

あやせ「これでいいですか?」

京介「よーし…いいって言うまで開けるなよ…」

あやせ「………」

あやせ(うぅ…髪弄ってる……気持ち悪………ん?)カチッ

あやせ(何か…当たってるような…)

京介「うん、いいぞ。見てみろ」つガラケー(内カメ)

あやせ「……っ!」パチッ

京介「じゃーん」

あやせ「これって…桐乃の…」

京介「おう。まぁうろ覚えだしちょっとデザイン違ってるかもしれねぇけどよ」

京介「さっきたまたま見かけてさぁ。どうだ、綺麗だろ?ヘアピン」

あやせ「……それ普通に付けた人が聞くんじゃないんですかね」

京介「馬っ鹿お前、あやせは何着ても似合うし可愛いし天使だから最初から聞く意味無ぇだろ?」

あやせ「…うぇぇ」

京介「露骨に引くこた無いと思うよ!?」

あやせ「ふふ…」

あやせ「いえ…嬉しいですよ。桐乃とお揃い…えへへ」

あやせ「大事にしますから、私」

京介「…そっか。良かった」

京介(こうしてわだかまりもとけて、あやせとエロゲーを営む日々が帰ってきた)

京介(流石にラブタッチはしばらく厳禁ってきつく叱られちまったけど…まだ色々と教えられてない所もあったってのになぁ)

京介(まぁなんだかんだ色々騒がしくしてたんだが…)



スタスタ…

京介「…ふぁあああ」

麻奈実「何だかいつもよりおねむさんだね~、京ちゃん」

京介「そりゃま、最近徹夜続きだからな…流石にあくびの1つや2つ出るわな」

麻奈実「また部活のお仕事?」

京介「そんなとこだ。あいつら…ってか赤城妹がとにかく新作出そうってうるさくてよ~」

麻奈実「ちゃんとお勉強もできてる?最近その…京ちゃん……おおお女の子と遊ぶ事が多いから…」アセアセ…

京介「バッキャロー。そりゃ前提条件だ。この間の模試だってそれなりの成績は残してんよ」

京介「ま、油断は禁物だけどな」

麻奈実「そ、それならいいんだけど…」

麻奈実「……」

京介「?どした?麻奈実」

麻奈実「あ、ごめん。ちょっと忘れも…用事思い出しちゃった!あはは…」

京介「おいおい…まめな麻奈実が抜けるなんて珍しい事もあるんだか」

麻奈実「ごめんね~。今日は先帰ってて!」

京介「いや今日は部活も無ぇし…普通に待つけど?」

麻奈実「だーめ。そしたらあやせちゃん待たせちゃうでしょ?」

京介「…あっ…」

麻奈実「えへへ~。じゃあね、京ちゃん」ダダッ

京介「あ!ちょ!麻奈実!!」

京介「……っはぁぁ。なんだ、気遣わせちまったかなぁ…」ポリポリ

プルル

京介「ん…?メール…?」パカッ

京介「…桐乃!?」ピッピッ

京介「…っ!!」

桐乃『アンタに預けたあたしのコレクション全部捨てて』

京介「捨ててって…あの馬鹿断固として連絡も寄越さなかった癖に何をふざけた事を抜かしとるんじゃ…」ピッピッ

京介「…」プルルルル

<おk
京介「メール来て即見たのに留守な訳あるか!!」ピッ

京介「どういうこった…」

プルルル

京介「はいはいはい、今度は何だ!?」ピッ

京介「あやせ…?」

ピッ

京介「へいもしもし」

あやせ「あっお兄さん!?良かった…繋がった…!』

あやせ『今喋れます!?』

京介「お、おう…かなり慌ててんな…」

あやせ『ええ。かなり急を要します』

京介「……桐乃の事か?」

あやせ『え?なんで分かったんですか!?』

京介「お前が気になる事といや9割方桐乃絡みだろ?」

あやせ『い、いえ…そんな事は…なくもないですけど』

京介「…それに、ちょっとこっちも今面倒な事が起きてな…」

あやせ『……もしかしてお兄さんにも?』

京介「まぁ多分、似たような事だな。それで、どうした?」

あやせ『私自身、桐乃と直接コンタクト取った訳じゃないですし…聞き耳立てただけですから、聞き間違いなんて可能性もあるとは思うんですけど』

京介「な、なんだよ…勿体ぶらずに言ってくれ」

あやせ『…私実は今お兄さんのお家にお邪魔しているんですけど…』

あやせ『さっき一階でお兄さんのお父さんとお母さんがなんというか…言い争ってて…』

あやせ『お父さんが言うには「桐乃に今までのトロフィーや賞状を捨てろってメールが送られた」って…』

京介「トロフィーも!?…あいつ、何考えてんだ……!?」

京介「それで?なんで親父がお袋と喧嘩してんだよ」

あやせ『それが…その、お義父さ…お兄さんのお父さん、仕事休んで桐乃の所へ行くって言って聞かない…らしいんですよ』

京介「あ~…成る程」

京介「それでお袋が止めてると」

あやせ『はい…私が聞く限り、そういう事なんじゃないかと…』

京介「……まぁ、親父を説得させるのは後にするとして…」

京介「問題は桐乃がなんでこんな事言い出したのかだよなぁ」

あやせ『…』

京介「まぁその…言っちゃ悪いけどよ、『エロゲーは見られると恥ずかしいからやっぱり捨てろ!』っていうのは10億歩譲って納得してやるよ。してねぇけど」

京介「あいつの事だからそんな事絶対あり得ねぇけどよ」

京介「トロフィーとか賞状捨てたいってのは甚だおかしな話だと思わねぇ?」

京介「なんで桐乃が今まで頑張ってきた勲章とか証を捨てる必要があるんだよ…訳わかんねぇ」

あやせ『桐乃、陸上やる為にアメリカに行ったんですよね?』

京介「あ、あぁ…うん。その筈」

あやせ『もしかして、あっちで何かあって…それで……』

あやせ『それで陸上が嫌になっちゃったとか…』

京介「んな…そんな馬鹿な話があるかぁ!桐乃はああ見えてなぁ…」

あやせ『分かってます!分かってますよ!』

あやせ『桐乃は速いし、誰かに負けるとは思わないし…』

あやせ『仮に負けたとしても簡単に挫けるような子じゃないって…十分、理解してますよ…』

京介「あやせ…」

あやせ『でも…桐乃、私達にだんまり決め込んじゃって…勝手にでてっちゃって』

あやせ『それでも連絡をせざるを得ないって…相当切羽詰まっている状況なんじゃないのかなって……』

あやせ『そう思うんです』

京介「…………」

京介「とは言ってもよぉ…今の俺達にはどうする事もできねぇよ」

京介「あいつは今アメリカに居るんだ。気軽に会って話せる距離に居ねぇ」

あやせ『で、でも…』

京介「勿論捨てはしねぇよ。トロフィーもエロゲも」

京介「あいつもガキじゃあるめぇし…何日か経てばほとぼりも冷めるだろ」

あやせ『そう、ですかね…』

京介「そういうもんなの。とりあえず折り入った話はまたウチで、な?」

あやせ(は、はい…』

京介「……」ピッ

京介「大丈夫だ。大丈夫。いつものあの馬鹿の気まぐれだ」

京介「放っておけばその内風化するさ…」

京介「だってあいつは、俺と違って優秀なんだから」




ガチャ

京介「たでーま」バタン

京介「…」ガヤガヤ

京介「俺学校出る前から喧嘩してるって言ってたのにまだ終わってねぇのかよ…」

京介「…?」キョロキョロ

京介「あやせの靴見当たらねぇな…」

京介「もしかして帰っちゃった?やべえ。急いで帰ってきた筈なんだが…」


ガチャ

大介「…なんだ。帰ってきていたのか。京介」

京介「おう……まぁ、な」

佳乃「ちょっと京介!聞いて頂戴。桐乃が…」

京介「なんか色々捨てろって囃し立てられたんだろ?」

佳乃「え…何で知って…」

京介「俺も同じクチだからだよ。だから急いで帰ってきたの」

佳乃「そ、そう…まぁそれなら、良くないけど」

佳乃「それでお父さん、会社休んで桐乃に会いに行くって」

京介「はああ!?」

佳乃「同期や部下の人達にも迷惑かかるし止めろって言ってるのに聞く耳持たないのよ…」

大介「たかが1、2日抜ける程度で支障をきたすような腑抜けた連中ではない。ちゃんと了承も得た」

佳乃「そりゃお父さんが威圧かけて首を横に振る人なんて滅多に居ないってば…」

大介「とにかく大丈夫なものは大丈夫なんだ!俺の仕事先の心配などするな!」

佳乃「だったら桐乃の事を信じなさいって言ってるでしょ!あの子だっていい歳した子だし、こういう周り巻き込むような気分屋だって分かってるでしょ!?」

佳乃「しばらく様子見てれば桐乃も冷静になるだろうし…」

大介「歳がどうだろうと子は子だ!!何かなければあんなものを捨てろなんて罰当たりな発言は冗談でもせん!!!」

大介「俺には分かる!!」

佳乃「あーもう…アンタからもなんか言ってちょうだい京介!」

京介「…うーん」

>>120の修正

ガチャ

大介「…なんだ。帰ってきていたのか。京介」

京介「おう……まぁ、な」

佳乃「ちょっと京介!聞いて頂戴。桐乃が…」

京介「なんか色々捨てろって囃し立てられたんだろ?」

佳乃「え…何で知って…」

京介「俺も同じクチだからだよ。だから急いで帰ってきたの」

佳乃「そ、そう…まぁそれなら、良くないけど」

佳乃「それでお父さん、会社休んで桐乃に会いに行くって」

佳乃「同期や部下の人達にも迷惑かかるし止めろって言ってるのに聞く耳持たないのよ…」

大介「たかが1、2日抜ける程度で支障をきたすような腑抜けた連中ではない。ちゃんと了承も得た」

佳乃「そりゃお父さんが威圧かけて首を横に振る人なんて滅多に居ないってば…」

大介「とにかく大丈夫なものは大丈夫なんだ!俺の仕事先の心配などするな!」

佳乃「だったら桐乃の事を信じなさいって言ってるでしょ!あの子だっていい歳した子だし、こういう周り巻き込むような気分屋だって分かってるでしょ!?」

佳乃「しばらく様子見てれば桐乃も冷静になるだろうし…」

大介「歳がどうだろうと子は子だ!!何かなければあんなものを捨てろなんて罰当たりな発言は冗談でもせん!!!」

大介「俺には分かる!!」

佳乃「あーもう…アンタからもなんか言ってちょうだい京介!」

京介「…うーん」

京介「親父…いくらなんでも過保護じゃねぇの?」

大介「何だと?」

京介「お袋の言う通りさ、桐乃は自分で必要な金やりくりして自分の意思でアメリカに飛んだんだよ」

京介「そりゃ日本じゃねえし勝手が違う事もあるとは思うけどよ…」

京介「ちょっとやそっとの事でへこたれるような奴じゃねーだろ?あいつは」

大介「…」

京介「だからもう少しだけ見守ってやっても…」

大介「知るか」

京介「知るかって…おま」

大介「俺は支度で忙しい。無駄話なら帰ってきてからいくらでも聞いてやる」スタスタ…

佳乃「あっ…ちょっとあなた!」

京介「……」




ガチャ

京介「…はぁぁ」ボフッ

京介「……」ゴロゴロ…

京介「アメリカ、ねぇ…」

京介「そりゃ親父はいいかもしれねぇけどさぁ…」

京介「俺が直接会いに行くのは現実的じゃ、ねぇよなぁ…」

京介「そりゃまあ?留学黙ってた件とかあいつに聞きたい事や言いたい事はいくらでもあるけどよ」

京介「俺別に英語が得意って訳じゃねぇし」

京介「アメリカの事だって全然知らねぇし?」

京介「学校休むのも怠いし?評定に響くし?」

京介「第一俺受験生だしさぁ?そういうのに時間割くのもアレだし?」

京介「それにあいつ、俺の事心底嫌ってるんだし?行ったらむしろ迷惑だし?絶対あいつ俺の事見たらさぁ…」

桐乃『キモ!こんな所まで追っかけて来んな!死ね!帰れ!土に還れ!』

京介「って罵倒するに決まってるんじゃんねぇ…」

京介「…親父が行こうが行くまいが関係ねー」ゴロッ

京介「俺の知ったこっちゃねー」

京介「コレはあいつの問題なんだから」




「……介!京介!」ユサユサ

佳乃「京介!夕食もうできてるわよ!」

京介「おへ」

佳乃「ったく…帰ってきて早々寝っ転がって」

佳乃「風邪引いても知らないわよ?」

京介「わり、お袋。疲れてたのかいつの間に…」ゴシゴシ…

京介「親父は?」

佳乃「…要らないって」スタスタ…

京介「そっか……」

京介「…あやせも電話かけたっきりだし、後で色々謝んねぇとなぁ…」パカッ

京介「!黒猫……」ピッ

京介「やべえ…6回掛かってる!?」ピッピッ

プルルルル

黒猫『……何?』ピッ

京介「あ、黒猫…悪い!家帰って即寝落ちしちまったみてーでさ~」

京介「無視してたとか、そんなんじゃねえから、な!?本当にすまん!」

黒猫『いいわよ…あなたはそういう事する人じゃないって重々承知の上だし』

京介「で、何だ?部活の話か?それともサークルで何か…」

黒猫『聞いたわよ。あの妹が何か騒いでいるらしいじゃない?』

黒猫『賞状だのゲームだのを捨てろと喚き散らしているとか』

京介「え、おま…なんでそれ……」

京介「まさかあやせが何か言ってたのか?」

黒猫『さぁ?悪いけど一々言葉を交わした下民の事なんか覚えてないの。私に聞かないで頂戴』

京介「下民て…」


黒猫『で、どうするの?』

京介「は?どうするって…」

黒猫『そのままの意味なのだけれど』

黒猫『まさか、あの女の言う通り妹の私物を捨てるなんて言うんじゃないでしょうね?』

京介「んな事する訳ねぇだろ!」

黒猫『あっそう…それで?結局どうするの?』

京介「は、はぁ?意味わかんねぇよ…何が言いたいんだ?黒猫」

黒猫『それはこっちの台詞よ…』

黒猫『あの生意気百リコン変態オタクが自分のゲームやグッズを捨てるって宣言しているのよ!?』

黒猫『普通何があったかとか聞きたいとは思わないの!?』

京介「そりゃそうだろ…あいつに聞きたい事も言いたい事も山程あらぁ」

黒猫『ならなんで連絡を取ろうともせずに呑気に寝惚けているのかしら』

京介「なんでって…そりゃ生理現象に勝るものなんてねぇだろ。睡魔に勝てるか!」

黒猫『はぐらかすんじゃないわよ!貴方は!学校の後輩を妹の代わりに見立てて優越感に浸って[田島「チ○コ破裂するっ!」]するような重度のシスコンでしょ!?』

京介「違う!全てにおいて違う!!」

黒猫『………』

京介「…まぁ、その…1、2割は事実…?なのかな?」

黒猫『…貴方は、今まであの女を甘やかしてきた』

黒猫『する必要も、義理も 理由も無いのに』

黒猫『本人が頼んですらいない事も勝手に自分から突っ込んで、救いの手を差し伸べた!』

黒猫『なのに…なのになんで貴方は今!見て見ぬふりをしているの!?あの子が心配じゃないの…!?』

京介「そりゃ…色々、思う所はあるけどさ」

京介「身近にいるのといないのとじゃ話が別だろ」

京介「俺は日本で、桐乃はアメリカだ。何もできねーじゃねーか」

黒猫『ええ。それが?何?』

黒猫『魔界に迷い込んだわけでもなく。地獄に堕ちたわけでもない』

黒猫『居る場所も分かって、そこへ行く手段もわかって、少し手を伸ばせばそれが可能な筈の貴方がどうして彼女に会おうとしないのか聞いてるのよ!』

京介「いや…だから行く必要がっつーかそもそも行く余裕が無いっつーか、なんつーか」

黒猫『で、どうするの?』

京介「は?どうするって…」

黒猫『そのままの意味なのだけれど』

黒猫『まさか、あの女の言う通り妹の私物を捨てるなんて言うんじゃないでしょうね?』

京介「んな事する訳ねぇだろ!」

黒猫『あっそう…それで?結局どうするの?』

京介「は、はぁ?意味わかんねぇよ…何が言いたいんだ?黒猫」

黒猫『それはこっちの台詞よ…』

黒猫『あの生意気百リコン変態オタクが自分のゲームやグッズを捨てるって宣言しているのよ!?』

黒猫『普通何があったかとか聞きたいとは思わないの!?』

京介「そりゃそうだろ…あいつに聞きたい事も言いたい事も山程あらぁ」

黒猫『ならなんで連絡を取ろうともせずに呑気に寝惚けているのかしら』

京介「なんでって…そりゃ生理現象に勝るものなんてねぇだろ。睡魔に勝てるか!」

黒猫『はぐらかすんじゃないわよ!貴方は!学校の後輩を妹の代わりに見立てて優越感に浸ってオナニーするような重度のシスコンでしょ!?』

京介「違う!全てにおいて違う!!」

黒猫『………』

京介「…まぁ、その…1、2割は事実…?なのかな?」

黒猫『…貴方は、今まであの女を甘やかしてきた』

黒猫『する必要も、義理も 理由も無いのに』

黒猫『本人が頼んですらいない事も勝手に自分から突っ込んで、救いの手を差し伸べた!』

黒猫『なのに…なのになんで貴方は今!見て見ぬふりをしているの!?あの子が心配じゃないの…!?』

京介「そりゃ…色々、思う所はあるけどさ」

京介「身近にいるのといないのとじゃ話が別だろ」

京介「俺は日本で、桐乃はアメリカだ。何もできねーじゃねーか」

黒猫『ええ。それが?何?』

黒猫『魔界に迷い込んだわけでもなく。地獄に堕ちたわけでもない』

黒猫『居る場所も分かって、そこへ行く手段もわかって、少し手を伸ばせばそれが可能な筈の貴方がどうして彼女に会おうとしないのか聞いてるのよ!』

京介「いや…だから行く必要がっつーかそもそも行く余裕が無いっつーか、なんつーか」

黒猫『……じゃあ、なんでそんな悲しそうな声出しているのよ』

黒猫『本当は今すぐ会いに行きたい位不安なんじゃないの…?』

京介「…それは…そうかも、しれねぇ…けど」

黒猫『では一体何が貴方の脚を踏み留まらせていると言うの?』

京介「……俺は、さ…正直な所、あいつにはここに帰ってきて欲しいって思ってる」

黒猫『…』

京介「あいつが1人で心配ってのは勿論あるけどさ」

京介「それ以上になんつーかさ、俺の中の何かがすっぽり空いちまった感覚があってさ」

京介「ぶっちゃけ生きた心地がしなかった」

京介「多分、あやせの言う通りあっちで何か良くない事が起こって…だから色々焦ってるんだと思う」

京介「今、俺が説得したらすんなり桐乃も戻ってくるんじゃねぇかなって…馬鹿みたいな期待してる」

黒猫『ならなんで…』

京介「あいつは…桐乃は、一度決めた事は絶対に曲げないタチでさ…」

京介「それが災いして身体ぶっ壊しちまう事もある位だけどよ」

京介「だから俺が止めてやらなきゃ…守ってやらなきゃって、その…最近はそう…思ってる、と思う」

京介「でもさ、そうしていく内にあいつが諦めちゃっていいんだって、俺みたいに自分に自信が持ってなくなって…妥協していくようになっちゃって」

京介「それこそ、後少しで手が届く所を掴んで引き戻して俺が勝手にあいつの限界を決めつけて…」

黒猫『……でも…』
京介「分かってる…分かってるよ!俺が滅茶苦茶今大袈裟なこと言ってるって!」

京介「今回留学蹴ったら2度と走れねぇなんてんなアホな話があってたまるか!」

京介「そりゃそん時はそういった奴をぶん殴って、土下座して、何をしてでもあいつをまた陸上に出させる!」

京介「でも…でもよ!俺がそういう事やっていく内にああ諦めても家族が何とかしてくれるからいっかって逃げ道作っちまって!あいつの可能性を縮めちまってんじゃねーかって!」

京介「役に立とうって…支えているつもりが逆に桐乃の足枷になってるんじゃねーかって……」

京介「俺、もう……桐乃の顔見てなんて声かけりゃいいのか…よく分かんねえんだよ……!」

京介「色々考えたら…怖くなっちまって……」

黒猫『……はぁ』

黒猫『本当に馬鹿ね。大馬鹿よ、あなた』

京介「…?」

黒猫『あなたが過去にあった事とか私にはよく分からないし、知りたいとも思わないけど』

黒猫『これだけは言ってあげる』

黒猫『あなたとあの子は違う』

京介「……」

黒猫『胸を張ってしんらいできるならそれで良し』

黒猫(あなたはあの子の兄なんだから』

黒猫『妹と付き合いが1番長いのはあなたの筈なんだから、あの子の事は1番よく分かっている筈』

黒猫『何も文句は言わないわ』

黒猫『…でも、本当に僅かでも引っかかる事があるなら迎えに行ってあげなさい』

黒猫『それが彼女の為であり、同時にあなたの為でもある……』

黒猫『私はそう思う』

京介「…………………」

京介「そっか…そうだよな」

京介「俺ちょっと気が動転してた…かも」

黒猫『そう…それで?』

黒猫『答えは出たの?』

京介「……決まってんだろ」ニコッ

京介「出張版【人生相談】。上等だこの野郎!」

黒猫『……はぁ』

黒猫『本当に馬鹿ね。大馬鹿よ、あなた』

京介「…?」

黒猫『あなたが過去にあった事とか私にはよく分からないし、知りたいとも思わないけど』

黒猫『これだけは言ってあげる』

黒猫『あなたとあの子は違う』

京介「……」

黒猫『胸を張って信頼できるならそれで良し』

黒猫『あなたはあの子の兄なんだから』

黒猫『妹と付き合いが1番長いのはあなたの筈なんだから、あの子の事は1番よく分かっている筈』

黒猫『何も文句は言わないわ』

黒猫『…でも、本当に僅かでも引っかかる事があるなら迎えに行ってあげなさい』

黒猫『それが彼女の為であり、同時にあなたの為でもある……』

黒猫『私はそう思う』

京介「…………………」

京介「そっか…そうだよな」

京介「俺ちょっと気が動転してた…かも」

黒猫『そう…それで?』

黒猫『答えは出たの?』

京介「……決まってんだろ」ニコッ

京介「出張版【人生相談】。上等だこの野郎!」

すいません。今日はちょっとお休みです…
更新ペースクソ遅になったのに相変わらず誤植が多いですがお許しを…

コンコン

京介「親父、居るか?」

大介「何だ。俺は明日の準備で忙しい」

大介「お前の無駄話を聞く余裕など無いとあれ程…」
ガチャ

京介「ほらよ」ピラッ

大介「…何だこれは」

京介「何ってこの間の模試」

大介「……むぅ、まぁ…いいんじゃないか?それで何g
京介「ん」ピラッ

大介「…今度はなんだ」

京介「この前の中間試験の結果」

大介「…いや、うむ。お前が勉学を怠っていない事は分かった」

大介「だからなんで俺が忙しい時にこんなk
京介「」つ携帯

大介「これは…」

麻奈実『分かったよ。京ちゃんが居ない間の分の授業の内容はちゃんと私が書き留めておくから』
赤城『他でも無い親友の頼みだ。何が何だか分からんが欠席した時の勉強内容なら後でいくらでも教えてやるわ!』
赤城『ただし見返りとして瀬奈ちゃんn
ピッ

京介「…俺はよ、ちゃんと今自分がやるべき事は分かってるし」

京介「仮に迷ったとしてもちゃんと俺に道標を教えてくれる頼もしい奴らがいる」

大介「何が言いたい」

京介「ぶっちゃけそういうのって親父より俺の方が適任じゃね?」

大介「………」

大介「ふんっ!」バキッ

京介「おべふ!」ドサッ

大介「ふん。親に対して随分な態度を取るな」

大介「何様のつもりだ?」

京介「く、いてぇ…何故急に殴るし…」

大介「あまりに苛つく態度だったものでな、つい本気で殴ってしまった」

京介「つい殴ってしまったじゃねー!それでも警察官がこのヤロー!」

大介「…はぁ、全く」

大介「お前の腑抜けた態度を矯正しようと、その石頭に拳を振るったせいで」

大介「右手が痺れて思うように動かせん」

京介「…親父……」

大介「この状態で桐乃の所まで俺が1人で行くのは厳しそうだ…」

大介「……貴様、あれだけ大口を叩いたんだ」

大介「発言に責任は、持つんだぞ」

京介「……」

京介「ったりめぇだろ!」ニコッ

京介「任せとけ!」

ダダッ

大介「…本当は他人に迷惑をかけずに休日に行けと突っ込みたい所だが…」

大介「俺も人の事は言えんしな…」

大介「全く。手間のかかる奴らだ。本当に」

翌日


京介「…………とまぁ意気揚々と出陣したのはいいものの…」

京介「いざ飛ぶとなるとビビってきたぞ…おおぅ」プルプル

京介「適当に荷物詰め込んでほぼ勢い任せで来ちまったからな…」

京介「えーと…荷物検査は……」スタスタ…

京介「……ん?」チラッ

あやせ「……」

京介「あ…あやせ!?」

京介「おーい、あやせ!」ダダッ

あやせ「!?お、お兄さん!?」クルッ

京介「よう」

京介「一瞬見間違いかと思ったけど…なんだ、やっぱりお前だったのか」

京介「お前その荷物……まさか」

あやせ「………」

あやせ「仕方ないじゃないですか」

あやせ「お兄さんはああ言っていましたけど、私は不安で不安で夜も眠れなくて…」

あやせ「ヘタレなお兄さんの代わりに私が迎えに行ってあげようって急いで準備してきたんですから」

京介「お前学校は…?」

あやせ「お兄さんが言えた事ですか」

あやせ「それに私ははお兄さんと違って………」

あやせ「いえ、この話は今は控えておきます」

京介「???」

あやせ「とにかく!あー…もう」

あやせ「ここまで来たら一蓮托生です!不本意ですがお兄さんについていってあげます!」

京介「よっしゃあ!夢にまで見たあやせたんとの海外旅ごおぶっ!!」バキィッ
あやせ「旅行じゃ無いだろうが!!」

<オニイサンドコニノルンデスカ?
<オレココ
<ウワッオナジキタイノトナリノセキ…
<ソリャオレタチハウンメイノアカイイトデムスバレホゴハッ!?(ドッ

~数時間後~



京介「……っああ!やっと着いた!」

京介「かれこれ半日以上かかっちまったけど…」

京介「来たぞ!自由な国アメリカーー!!」

あやせ「あの、恥ずかしいから大声出すのやめて下さい。冗談抜きで」

京介「お前の反応が薄すぎんだよ!お前だって来るの初めて……」

あやせ「……」

京介「…じゃないわよね。すげぇ手慣れてたもん」

あやせ「まぁ家が家ですから、何かと飛ぶ機会は何度かありましたけど」

京介「えーと、それで…確か桐乃のいる施設は確か…」ピラッ

グイッ

京介「えっおい?ちょっと!?何引っ張ってんのあやせたん!?」ズルズル…

あやせ「別に地図で調べる必要なんて無いですから。つべこべ言わず私について来てください」ズルズル…

あやせ「もう待たせちゃっているんですから!」

京介「待たせてって…いや誰よ?ここに知り合いでも居たの?」

「…あっ。来た来た」

「おーい!あやせちゃん!こっちよー!」フリフリ…

あやせ「すみませーん!少し遅れてしまいましたー!」

「…えっと…あれ、かしら」

「隣にいる人はあなたの…彼さん?」

京介「はい。私達ただ今絶賛婚約ぢゅべばっ!?」ガッ

あやせ「出まかせ言うな!!」

「あはは…まぁいいわ。貴方も乗ってちょうだい」

「つまる話はまた後で」

~数時間後~



京介「……っああ!やっと着いた!」

京介「かれこれ半日以上かかっちまったけど…」

京介「来たぞ!自由な国アメリカーー!!」

あやせ「あの、恥ずかしいから大声出すのやめて下さい。冗談抜きで」

京介「お前の反応が薄すぎんだよ!お前だって来るの初めて……」

あやせ「……」

京介「…じゃないわよね。すげぇ手慣れてたもん」

あやせ「まぁ家が家ですから、何かと飛ぶ機会は何度かありましたけど」

京介「えーと、それで…桐乃のいる施設は確か…」ピラッ

グイッ

京介「えっおい?ちょっと!?何引っ張ってんのあやせたん!?」ズルズル…

あやせ「別に地図で調べる必要なんて無いですから。つべこべ言わず私について来てください」ズルズル…

あやせ「もう待たせちゃっているんですから!」

京介「待たせてって…いや誰よ?ここに知り合いでも居たの?」

「…あっ。来た来た」

「おーい!あやせちゃん!こっちよー!」フリフリ…

あやせ「すみませーん!少し遅れてしまいましたー!」

「…えっと…あれ、かしら」

「隣にいる人はあなたの…彼さん?」

京介「はい。私達ただ今絶賛婚約ぢゅべばっ!?」ガッ

あやせ「出まかせ言うな!!」

「あはは…まぁいいわ。貴方も乗ってちょうだい」

「積もる話はまた後で」

ブルル…

京介「……えっとそれで、どちら様…なんでしょうか?あなたは」

「申し遅れました…こちらを」スッ

京介「はぁ…」つ名刺

京介「…エターナル…なんか見た事ある会社…ってか、え!?社長!?」

あやせ「藤真美咲さん。世界各国に飛び回っては様々な化粧品を開発し提供する…」

あやせ「私達の業界で知らない人は居ないと言って差し支えないでしょう」

京介「え、じゃあ…何?あれ?藤真さんはその…桐乃やあやせの上の人…って事?」

あやせ「まぁ、厳密には違いますけど…お世話になっている事には変わりませんし似たような感じなのかな」

藤真「ふふ…それにしても驚いたわよ」

藤真「興味本位で誘ってみたら、グイグイ来ちゃうんだもの。俄然やる気が出るわ」

京介「…えっと、話が上手く呑み込まないんですけど」

藤真「あ~、お兄さん知らないんでしたっけ。あやせちゃんはね…」

あやせ「そ、その話はまた後で!ね!?お願いします藤真さん…」

藤真「ん~、まぁそうね。あなたに伝える必要がある訳でもないし」

藤真「ただし、条件…分かっているわよね?」

あやせ「…はい」

京介「……???」

藤真「まぁまぁ、今日の所は話だけ聞いててくれればいいから」

藤真「それに……」

藤真「聞いた所、あなたの行動次第で私も方針を変える可能性が無きにしも非ず…だし」




キキィィ…

藤真「ほら、着いたわよ」

あやせ「わぁ…」

京介「親父やお袋に資料で説明されてはいたが…改めてすげえな、色々」

京介「洒落てるじゃん。ここに桐乃が…」

藤真「まぁ…しばらく立て込むだろうし3時間後にまた来るわ」

藤真「とりあえず今日はウチで泊まっていきなさい、あやせちゃん」

あやせ「あ…は、はい」

京介「え?何お前日帰りじゃないのね…」

あやせ「まぁ…桐乃と話す以外にも用事がありますし」

藤真「貴方はどうするの?一緒に来る?」

京介「いやぁ…桐乃とちょっと話してすぐ帰るつもりだったんで着替えも何も用意してないもんで…」

京介「あまりご迷惑をおかけしたくないと言いますか…」

藤真「何よ~つれないわね。私は興味あるわよ」

藤真「天才美少女モデル、高坂桐乃の実兄…その実態」

京介「い、いやぁ…俺はそんな妹みてぇな大層な事は…」

京介「と、とにかく今日はありがとうございました!」ガチャ

藤真「ふふ。食えない男ね。あなたもそう思うでしょ?」

あやせ「…えぇ、まぁ…」

藤真「………」

藤真「もう、そんな辛気臭い顔しないで?貴方も行くんでしょ?桐乃ちゃんを迎えに」

あやせ「……」

藤真「例の件も、よろしくね」

あやせ「はい…」ガチャ

はい

コンコン

桐乃「はーい…」ガチャ

京介「よっ」

桐乃「っ!?あ、あんた…」

京介「久しぶり…元気そうで何より」

あやせ「…桐乃」ヒョコ

桐乃「あ、あやせ!?なんであんた達ここに来て…」

京介「そりゃお前、あんなメール見たら誰だって驚くだろうが」

桐乃「だからって…わざわざこっちに来なくても……2人共、学校あるのにさ」

京介「そういうお前こそ、なんでこんな所に居るんだよ。今ってまだ部活とかそういうのやってる時間帯なんじゃねーの?」

桐乃「……」

京介「意地でも話さねー気か」

桐乃「うっさい。こっち来んな。ってか2度とくんなし」

京介「あ~あ。そうかいそうかい残念だ」

京介「せっかくお前の為にこいつを持ってきてやったってのに」ゴソゴソ

桐乃「あぁ?」

京介「じゃじゃーん。しすしす全年齢版」

桐乃「あ、あんたっ…それってか全って…」

京介「お前が居ない間に発売されたんだよ。感謝しろよ?俺がわざわざ買ってきてやったんだぜ?」

京介「あーあ!お前が喜ぶと思って持ってきたのにな!酷い言い草だな!」

京介「一緒にしすしすらぶすどぶっ」ガシッ

桐乃「ば、馬鹿!叫ぶな!日本語分かる奴も居るんだから!タイトル読み上げんな!」チラッ

あやせ「…」ジーッ

桐乃「……っ……あーもう分かった!分かったわよ!入れりゃいいんでしょ入れりゃ!?」

あやせ「お邪魔します…」

京介「広いな…って思ったけどベッド2つあるのな」

京介「あれか。ルームメイトいる感じなのな」

桐乃「そ。あたしより年下でもうめちゃくちゃ可愛いおにゃのこでさぁ~」クネクネ

京介「……」

桐乃「…少なくともそんな部屋に妹の持ってる妹モノのエロゲーを片手に海渡ってくるアホに白い目で見られる筋合いは無いんだケド」

京介「うーん。正論」

あやせ「お兄さん…」

桐乃「…え、で?何?」

桐乃「まさかとは思うけどそんな部屋であたしとエロゲーやろうっての?」

京介「じゃなきゃ持ってこないでしょうが」

桐乃「はぁぁ!?」

桐乃「え?あたし言ったよね?それ全部捨てろって!」

桐乃「それを何がどう解釈したら海外に居るあたしの所にまで来てやろうって考えになんの!?」

桐乃「どんだけ打ち所が悪い頭のぶつけ方したらそんな思考回路になる訳?」

桐乃「そ、それにあやせが居る目の前でやれってアンタ自分で何言ってんのか分かって…」

あやせ「」スッ

桐乃「…あやせ、ナニソレ」

あやせ「何って…シスカリだけど」ニコッ

京介「おっ。流石あやせ。俺と考えている事全く一緒だばっ!?」グイッ

桐乃「アンタ…コレどういう事?」

桐乃「何であやせがシスカリなんて持ってんのよぉおっ!?」

京介「い、いだいいたい!コレには深い深~い事情がばっ!?」ブンブン

桐乃「嘘こけ!どうせあやせにロクでもない事吹き込んだに決まってるし!」

桐乃「あたしの知ってるあやせを返せ!このセクハラ狂い!!」ブンブンブンブン

京介「なんじゃそのあだ名は!」

あやせ(…どこかで見た事のあるようなないような…デジャヴ?)




SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/

京介「お前なぁ、これがお前にとってどれだけ大事なモノか分かってんだろ!?」

桐乃「分かってるよ。だからアンタに捨てろっつったの」

京介「いや意味分からんわ!」

桐乃「アンタが分かる必要無いの」

桐乃「アンタは、あたしの、言う事さえ聞いてればいいんだから」

京介「ふざけんな俺はてめーの召使いでもましてや飼い犬でもねぇ!」

桐乃「………?」

京介「え?何さも当然みたいな顔してんの?馬鹿なの!?馬鹿なのですか!?」

あやせ「????」

京介「お前もなんで首傾げてんだよ…俺の事どう思って…」

あやせ「ただのシスコン強姦魔ですけど」

京介「本当お前ら気が合うね相性ばっちしだよ畜生!!」

京介「あのなぁ桐乃!メダルとか、賞状とかなら100歩譲ってまだいいよ!」

京介「ぶっちゃけそんなもん捨てた所で大会の結果が無くなる訳でもねぇし、お前がそうしてぇならそれでいい!」

京介「でも、こいつに関しちゃ俺は納得がいかん!」つしすしす

桐乃「……え?普通逆じゃないの?」

京介「俺がこの1年弱どれだけお前に…こいつに振り回されてきたと思ってんだ…!」プルプル…

京介「お前のせいで変な奴らが絡んでくるわお前を庇う為にありもしないレッテルを貼られるわ…」

京介「俺がこんな身も心もすり減らしててめーに捧げてやったってのにそんな無下にされてたまるかこん畜生!」

京介「理不尽だ!意義あり!」

桐乃「んな大袈裟な…」

京介「大袈裟じゃねえ!お前は…俺のこの一年を否定する気かつってんだよ!」

桐乃「…」

京介「お前が…お前が滅茶苦茶楽しそうにしてて、大事そうにしてて…だから俺が身体張ってたんじゃねぇか!」

京介「なのに…その、なんだ……とにかくむしゃくしゃするんだよ!軽々しくそんな事言われるとよ!」

京介「ただでさえ俺に何の一言も無く勝手に家出ていきやがって腹たってるってのによ!」

京介「文句じゃなくてもっと他に俺達に言うべき事があるだろ!?」

桐乃「…」

あやせ「桐乃、私も知りたい」

あやせ「桐乃が留学黙ってた事。それに…」

あやせ「私と同じくらい大切にしてた…えっちなゲームを捨てろって言った理由」

桐乃「………」

あやせ「…」

京介「分かったよ。言わなくてもいいから…」

京介「せめてやり切ってないゲーム消化してから結論を出せ」

京介「しすしす。行く直前にちょっとやっただけだろ」

京介「流石に捨てれねぇよ…夜中に自転車漕いでわざわざ買ってきたんだぜ?」

桐乃「…分かった」


カタカタ…

桐乃「おっかしいなぁ…また普通のエンディング…」

桐乃「どうやったらお迎えできるの~あさひちゃ~ん」

京介「野郎すぐにエロゲーモードに切り替わりやがった」

あやせ「桐乃。りんこちゃんに出掛けた事を誤魔化すイベントあったでしょ?」

桐乃「うん」

あやせ「あそこ正直にあさひちゃんと海に行ったって言わなきゃ」

桐乃「え!?マジ!?殺されないそれ!?」

あやせ「別に殺しはしないでしょ…桐乃は…」

桐乃「いやまぁ…そりゃ私は……」

桐乃「ってな、何言ってんの!?あやせ!」

あやせ「え?ほら、りんこちゃんって桐乃と似てか…かわいいし」

桐乃「かわってええ!?」

京介(すげー微笑ましい)

あやせ「そ、それに!桐乃だってお兄さんに嘘つかれた方が殺意湧いてこない!?」

桐乃「それはそう」

京介「すげー恐ろしい」

桐乃「おひょ~ついにあさひちゃんと結ばれた~」

桐乃「最っ高!エロいよ~……」

桐乃「え!?おめでた!?おめでたエンドなの!?」

桐乃「やっば追加キャラなのに待遇がいいっていうか…」

桐乃「まぁでもエロいからいっかでへへへ…」

桐乃「…」チラッ

あやせ「?どうしたの?桐乃」

桐乃「いや、なんというか…引いちゃってないかなって」

あやせ「……うーん」

あやせ「正直怖いなってちょっと思ってる」

桐乃「」

あやせ「でもね…私もこのゲームやって単なる卑猥なゲームじゃなくて、ストーリーが面白かったりヒロインが可愛かったり…」

あやせ「私もやってて楽しかったから、桐乃がハマっちゃうのもなんとなく分かるかなって」

桐乃「…そっか」

桐乃「このバカの受け売りによっちゃタダで日本に帰らせないつもりだったケド」

京介「タダで帰らせない」

桐乃「…あやせもあたしの好きモノ、理解してくれて嬉しい」

あやせ「……ふふ」

桐乃「よーしそれじゃ最後にあさひちゃんのバッドエンド回収しよ~っと」カタカタ

あやせ「え」
京介「い」

桐乃「…?どしたの?2人共」

あやせ「え、えっと…もう攻略は終わったんだからこっちは終わりでいいんじゃない?」

あやせ「ほら、私シスカリ持ってきたからさ、一緒にやろうよ~あはは」
アセアセ

京介「そうだぞ桐乃!シスカリもあれから色々アプデしてなぁ!」

京介「それにあやせの奴、滅茶苦茶強くてよぉ!」アセアセ

桐乃「いやいや何言ってんの。確かにか弱い妹が可哀想な目に遭うのは見てるこっちも心が痛むけど」

桐乃「なんかこう、主人公とヒロインの葛藤というかさ!普通のエンディングじゃ味わえない背徳感があるわけよ!」グッ

あやせ「そうは言うけど…」

桐乃「エンディング全回収せずにエロゲーハンターを名乗れるかぁっ!」

桐乃「いざ行かん!」カチッ

桐乃「あ、ありのままに今起こった事を話すぜ…」

桐乃「あたしはクラナドをやっていると思っていたらいつのまにかゲームがスクールデイズにすり替えられていた!」

桐乃「何を言ってるか分からねーと思うがとりあえず一言」

桐乃「あさひちゃん、恐ろしい子…」ガクブル

あやせ「だから言ったのに…」

桐乃「いや何というか…途中から匂わせてたっていうかもしかしたら~って予想できてたけど」

桐乃「こんな、えっちなゲームのえっちな部分抜いたただの妹モノのギャルゲーで後味が悪いというかやばいエンディングがあるとは思わないでしょ!?」

桐乃「やー、怖いわ~」

桐乃「でも何というか、究極的に尽くしてくれるヤンデレ妹ってのもまた乙なものを感じますなぁくへへ」

桐乃「まぁ現実では絶対会いたくないけど」

京介「お前なぁ」

桐乃「あー面白かった」

京介「…それで?気は変わったか?」

桐乃「…………」

桐乃「楽し、かった」

桐乃「最初は、寂しくて辛くてもすぐにそれに慣れちゃうから大丈夫かな…って軽く考えちゃってたけど」

桐乃「善善そんな事なかった」

桐乃「何日経っても何ヶ月経っても、エロゲーやりたいって気持ちは変わらないし……」

桐乃「あやせとか、皆と馬鹿みたいに騒いで遊びたかった」

あやせ「桐乃…」

京介「何かあったんだな」

桐乃「…別に、何も無い」

桐乃「何も無かったからこそあんたらに連絡出来なかったワケ」

京介「はぁ?」

桐乃「留学に使うお金はそりゃ、あたしが立てたんだし?あたしが何に使おうがあたしの勝手な訳だけど」

桐乃「半ば強引に押し倒したし、それなりの成果はあげなきゃって思ってたの」

桐乃「だからその、あんたらにはサプライズ…みたいな?」

桐乃「ちゃんと結果残せたんだよって…胸張って言えるまでは何も話さない事にしたの」

桐乃「その方がやる気も出るし…自分の中だけでもけじめをつけたかったから」

京介「…それで?結果は…」

桐乃「……最初はさ、あたしも慣れない土地で実力をフルで発揮できないだけなんだろうなって…」

桐乃「軽い気持ちで考えてた…でも……」

桐乃「1週間経っても、1ヶ月経っても…ずっと、頑張ってる、筈なのに…」

桐乃「あんた達に何も言えないままズルズル引っ張っちゃって、焦ってきちゃって!それで、怖くなって…」

桐乃「それで、今日、コーチからやすめって…無理言われて…っ…」グスッ

京介「桐乃…」

あやせ「大丈夫、大丈夫だよ…桐乃」ナデナデ

桐乃「っ…あやせぇ…」

京介(…サプライズだとか、けじめだとかそういう問題じゃねーだろって今すぐ1発殴ってやりてぇ所だけど)

京介(こいつはこいつなりに考えて、必死に今まで頑張ってきたんだよな…)

京介(桐乃はどれだけ無茶苦茶でも曲がった事だけは絶対しねえ性分だって…俺は知ってるから)

京介(だからあやせも、怒らに怒れねぇんだしな…)

京介「なぁ桐乃。お前はどうしたいんだ」

京介「皆お前を心配してる。帰ったって誰も咎みゃしねぇ」

京介「このまま頑張ってみるか、それとも引き返すか…」

桐乃「…っ……分かんない、分かんないよぉ…」

桐乃「あんたはそう言うけど、あんだけお父さん達に息巻いといてこのザマだって…」

桐乃「少なくともあたしは恥ずかしいし、悔しいし、嫌だし…」

桐乃「でも、これ以上自信無くしたらあたし…あたし………」

あやせ「……」ナデナデ

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このSSまとめへのコメント

1 :  MilitaryGirl   2022年04月19日 (火) 22:51:19   ID: S:597zGi

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