アイドルマスターミリオンライブ!のSSです。
地の文があります。
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「彼シャツするわよ!!」
「どうした?」
「どうしたの?」
「どうしたんですか?」
「ど、どうしたの?」
「四人が四人とも冷静に突っ込んでくると流石に堪えるわね」
こんにちは。青羽美咲です。
朝食はきちんと食べたはずなのですが、そろそろお腹が空いてきちゃったな~とぼんやり考えていた十一時頃、莉緒さんがバーンと音を立てそうな勢いで扉を開けたと思ったら、「彼シャツ」なるものをするそうです。
「シャツ」を「する」って何だろう? と思っていたら私以外の四人が素早く突っ込みました。順にプロデューサーさん、このみさん、風花さん、歌織さんです。私はワンテンポ遅れたので突っ込めませんでした。やっぱり芸能人ってすごいなぁ~。
高く掲げられた莉緒さんの手には綺麗に畳まれてパックされたワイシャツが掴まれています。あれが「彼シャツ」なのでしょうか。あれ? でも莉緒さんが今手に持っているワイシャツって、
「莉緒さん、そのシャツ、男物じゃないですか?」
「そうよ、彼シャツだもん」
「莉緒ちゃん、それは彼シャツじゃなくて『新品の男物のシャツ』よ」
「もうっ、細かいところは良いの! とにかく、男の子ってダボダボのシャツを着る女性が好きでしょ? って話よ!」
「うわぁ莉緒さん雑ですね」
「安心して、後で風花ちゃんにもやらせてあげるわ♪」
「どうして!?」
この会話のテンポ。さすが芸能人だなぁ~と感心しているとプロデューサーさんがこっそり給湯室にフェードアウトしようとしていました。
「プ」
「プロデューサーさんは彼シャツって知ってますか?」
「ひっ!」
莉緒さんが声を掛ける一瞬前に、逃げるプロデューサーさんを止めたのはなんと歌織さんでした。好奇心は猫を殺すと言いますが、この場合は歌織さんという名の猫ちゃんの自殺だと思います。
プロデューサーさんの首がギギギ……と鈍い音を立てながらこちらを振り返ります。そのまま喉の奥から「シラナイナァ……」と空冷ファンが回るような微かな声が漏れてそのまま給湯室へとギギギ……とスライドして行こうとしていました。
「プロデューサーくん、逃がさないわよ! 私のセクシーな彼シャツ姿で、プロデューサーくんをたじたじにさせちゃうんだから!」
あぁ……。プロデューサーさんと歌織さんを除く三人が予想していた通りの台詞を莉緒さんが唱えました。思えばプロデューサーさんはいつも何かに巻き込まれているような気がします。断れば良いのでしょうが、断ったら断ったで莉緒さんは無理矢理巻き込んでくるのであまり意味がありません。あ、これ断れば良いわけじゃないですね。
セクシーと聞いてこのみさんは乗り気になっているようでした。風花さんがそんなこのみさんの様子を若干呆れ気味に眺めています。それでもこの場からは離れようとしない風花さん。優しいですね。
歌織さんはと言えば、着たことの無い男物のシャツに興味深々のようでした。そういえば歌織さん、オペラセリアの衣装を渡された時も人一倍はしゃいでたなぁ。はしゃぎすぎて当初の予定ではクールなだけだったオスカーの脚本がちょっと変わったもんなぁ。
「じゃあ私は着替えてくるから、プロデューサーくんはそこで待ってね? 美咲ちゃん、プロデューサーくんが逃げないように監視してて♪」
「いや、俺はそろそろ昼ご飯に……あ、美咲ちゃん。偶には外にランチ行かない?」
「私はお弁当なので」
「そう……」
「ミートボールあげますから」
「ありがとう……」
プロデューサーさんは観念したように鞄の中からコンビニの袋をガサガサと取り出しました。朝買ってきてましたもんね。
このみさん、風花さん、歌織さんと言えば慣れた様子でまたお喋りを再開していました。きっと飲み会の時でも莉緒さんはこんな感じなんだろうな、と仲の良さが想像できます。慣れとも言います。嵐の前の静けさとも言います。
「どう、プロデューサーくん!」
「かっこいい」
「わぁっ、莉緒さん格好良いです!」
「なんでぇ!?」
発起人である莉緒さんが彼シャツなるものを纏って登場しました。少し大きめのサイズのようですが、シワがピシッと伸びた新品のシャツは見ているだけでもスッキリした印象です。いつの間に用意したのか、シャツの裾からチラリと見えるショートパンツは、莉緒さん自慢のスラリと長い脚を一際強調し、その抜群のスタイルを際立たせています。
「どうして……」
「莉緒さん、それサイズいくつですか?」
「え? 男性モノのLサイズだけど……」
「適正サイズを若干オーバーしてるくらいですね」
「えぇ……」
莉緒さん、背高いですもんね。
よく見ると確かに肩幅はサイズオーバーのように見えますが、それでもそういうファッションのように見えてしまうのは、莉緒さんの立ち姿の綺麗さ、自信に満ちた表情がなせる業でしょうか。確かに、男性サイズではサイズが合わない首回りとか、袖口を見てみると女性らしさを感じますが、当のプロデューサーさんはというと
「そういえば悠利役も好評だったもんな、またそういう仕事考えてみるか……」
なんて呟いてるものだから莉緒さんは困り顔。そうしてしおらしくしていると途端に可愛らしく見えてきますね。歌織さんが何だか着てみたそうにウズウズしていますが、歌織さんも165cmありますから多分同じような感じになるかと思います。そう伝えると残念そうにしていました。可愛いなぁ。
「それなら……」
莉緒さん、私、歌織さんがチラリと同じ方向を向きました。そこで後頭部に手を当てて胸を張っているこのみさんじゃないです。風花さんです。
「えっ、私ですかぁ!?」
「だって私だとダボダボにならないんだもん~。風花ちゃんお願い!」
「どうして私じゃないのよ!」
「このみ姉さんだとホラ、もう少し小さいサイズじゃないとずり落ちちゃうでしょ」
「それが良いんじゃないのよ!!」
「いや、ダメでしょ」
流石のプロデューサーさんにも若干の焦りが見られます。
「でも私、前にボタンが付いている服を着ちゃうと……」
「あっ……」
全員が何かを察しました。本人は出来る限り言わないようにしているつもりだと思いますが、実質ぜんぶ言っちゃってます。凄いですね。私とこのみさんは虚空を見つめながら視線を落としました。
「じゃあほら、服着たままで良いから、その上から着ちゃってよ!」
「そ、それなら……」
風花さんの今日の服装はベージュのニットと、冬らしい重ための生地で織られたカーキ色のマキシスカート。そのスカートならきっとシャツコーデも似合うハズです。普段から可愛らしい恰好をすることが多い風花さん、シャツを着たらどんな風になるのかなぁ~楽しみだなぁ~。
「えっと、これで良いのかな…?」
「あれ?」
「これって……」
「なんだか普通の……あっ!」
そう、男性モノは、というか殆どの服は胸の部分に余裕を持たせていません。シャツで無理矢理押し込められた風花さんの巨山連峰はその圧力にも負けずにボタンを押し返し、普通ならば余るはずの裾を持ち上げていました。
「風花ちゃんのおっぱいが大きすぎるから悪いのよ」
このみさんが静かに言いました。様々な感情が込められていました。歌織さんは相変わらず彼シャツというものがよく分からずオロオロしています。可愛いなぁ。
「あっ、じゃあボタンを開けて着れば良い感じになるんじゃない? こうやって……」
「きゃっ、ちょ、ちょっと莉緒ちゃん」
「わっ!」
莉緒さんの驚きの声に負けず劣らずの勢いで、押し込められていた風花さんのおっぱいが前方に飛び出しました。ボタンで何とか繋ぎ止められていたシャツの前面は虚しく左右に道を開け、ベージュに包まれた泰豊を左右から挟み込み、その稔りを讃えます。
「風花さんのおっぱいが大きいのが悪いです」
私も静かに呪詛を唱えました。プロデューサーさんはずっと目の前のパソコンにだけ目を遣っていて、瞬きをするのを忘れていたのか目が充血していました。
「寄越しなさい! 私が本当の彼シャツってものを魅せてあげるわっ!」
そう言いながらこのみさんは風花さんが羽織っていただけのシャツを奪い取り、ドアの向こうへを駆けだして行きました。ここで着ないってことはきっと今頃着替えてるんだろうなぁと思いました。
勘の良いプロデューサーさんは「じゃあ俺はちょっと外回りに……」と席を立とうとしたところで歌織さんに「もう少しだけ一緒に見ていきませんか?」と止められていました。本心から言われると弱いみたいです。彼は無言で着席しました。
「見なさい! これが本物のセクシーよ!」
「きゃー! このみ姉さん可愛い~!」
「初めて白衣を着た幼女ですね」
「えっ、このみさん、下履いてます……?」
バーンと良い勢いでドアを押しのけたこのみさん。男性用Lサイズのシャツはこのみさんの鎖骨を大きく曝け出しながら、膝頭ほどまで裾を伸ばしていました。このみさんはさっきまで膝上のミニスカートとタイツを履いていたはず。今のこのみさんの腰のあたりにはそのような膨らみはありません。つまり……。
「履いてないわよっ!」
「何やってるんですかぁ! 良い大人が! 白昼堂々!」
プロデューサーさんがついに吠えました。そうですよね、この場で最も法的に立場が弱いはプロデューサーさんです。ついに顔を大きな手の平で覆って、そのまま下に俯いてしまいました。そのポーズなら目が乾燥することも無さそうですね。
「このみさん、すごく大胆……!」
歌織さんに至っては口を手で覆いながら大きな目を見開いています。可愛いけど大丈夫かなこの人。
「ほら、プロデューサーくんが狼狽えてるわよ! 彼シャツでセクシー大作戦、成功ね!」
「ふふーん! 私のあまりのセクシーさに直視出来ないのかしら?」
「露出狂の類だと思うんですけど……」
風花さんはちゃんとこのみさんを直視しています。さすが、慣れているのでしょうか。とても恐ろしいのがこの空間には成人した者しかいないということです。高校生が部室で燥いでいるわけではないです。職場です。
「こんにちは~、あっ! このみさん可愛いー♪」
もう一人成人が増えました。ルンルンとスキップをしながらこのみさんに近づくと、断りもせずに腰をむんずと掴みました。
「えっ?」
「たかいたかーい♪」
「あっ」
スポッ
麗花さんが勢いよくこのみさんを持ち上げると、小気味良く布が擦れる音と、垂直に落下した足の裏が同時に地面に着地する音。麗花さんの腕には皺の無い綺麗なワイシャツ。直立不動のこのみさん。たくさんの肌色。
「きゃああああああ!!!!」
「歌織ちゃん! プロデューサーくんの目をつぶして!」
「うわあぁぁぁもう俺がいないとこでやってえぇぇぇえ」
「えっ、あっ」
「わぁっ、このワイシャツ良いですね。私も着ちゃおうっと♪」
765プロは今日も賑やかでアットホームな職場です。
おわり
終わりました。HTML依頼出してきます。彼シャツは、良いぞ。
大きいワイシャツの中のこのみさんカワイイ
乙です
>>2
百瀬莉緒(23) Da/Fa
http://i.imgur.com/t6YXbhI.png
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馬場このみ(24) Da/An
http://i.imgur.com/8F1FGcc.png
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桜守歌織(23) An
http://i.imgur.com/HAO7vrU.png
http://i.imgur.com/KVwTmSV.png
豊川風花(22) Vi/An
http://i.imgur.com/u5vnLaN.png
http://i.imgur.com/KOEI0aZ.jpg
青羽美咲(20) Ex
http://i.imgur.com/N78dpoq.png
>>11
北上麗花(20) Da/An
http://i.imgur.com/vRD1VQp.png
http://i.imgur.com/uBQTkek.png
乙
このみ姉さんでもまだ大きいので、育でお願いします
乙
内容もだけど美咲ちゃのモノローグという形式も個性的で面白い
>>13
相変わらずの仕事の早さ
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