【SSコント】 オレオレ詐欺 (39)
「しめしめ。高齢者の電話番号リストが手に入ったぞ」
「ジジイババア騙すのは簡単だからな、さーて片っ端から電話してオレオレ詐欺で荒稼ぎさせて貰うかなっと」
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プルルル…
「はい、もしもし」
「あ、婆ちゃん?オレオレ、俺だよ」
「え、誰だい?」
「婆ちゃん、俺だってば」
「タカシ?タカシかい?」
「そうそう、タカシタカシ。いやーちょっと事故ちゃってさー、金が必要でー」
「タカシはそんな声じゃないよ」ガチャリ
「あっ、切られた!ちっくしょー、カンのいいババアだな」
「まぁいいや、次行こ次」
プルルル…
「もしもし?」
「あ、爺ちゃん?オレオレ、俺だよ」
「ん?誰だ?」
「爺ちゃん、俺だってば」
「アンドリューかい?」
「えっ、アンドリュー?」
「こっちに来たばっかで、道に迷ったのかい?」
「何だよ、留学生でも受け入れてるのかよ。面倒くせーな、じゃあ…イエースイエス、ワタシデース。アンドリューデース」
「アンドリューは香川県人じゃ」ガチャリ
「何だよ紛らわしいな!」
「ったく、どこの世界の香川県人だよ。自分の子供にアンドリューって名前つけて。
うどんとかつけてりゃいいだろ。しゃーねえな、次行くか」
プルルル…
「はい」
「あ、婆ちゃん?オレオレ、俺だよ」
「え、誰だい?」
「俺だよ婆ちゃん」
「ヨシオかい?」
「そうそう!ヨシオだよ。婆ちゃんさ、俺ちょっと事故ちゃって金が必要でー」
「ヨシオはポリネシア語で話すよ」ガチャ
「おい!何でお前ん家ポリネシア人が住んでるんだよ。どんな家なんだよ。
ポリネシア語なんて話せるわけねーだろ」
「くっそー、次は絶対引っ掛けてやるからな、覚悟しろよ」
プルルル…
「はい、もしもし」
「あ、爺ちゃん?オレオレ、俺だよ」
「ん?誰だ?」
「ほら、オレオレ、俺だって」
「カバのカバ夫かい?」
「何でカバなんだよ。カバが電話かけてくるわけねーだろうがよ」
「ん?じゃあ誰なんだい?」
「ったく、仕方ねーな…。えっと、カバってこう鳴くのか?カバ、カバカバカバ…」
「カバが電話かけてくるわけないじゃろ」
「じゃあ最初っから言うなよ」
「カバじゃなくてバカじゃな、はっはっは」ガチャリ
「上手い事言ってんじゃねーよ、腹立つなー」
「ったく、腹立つなぁ…次だ次」
プルルル…
「あ、もしもし?オレ、オレだ…」
「チェケラ!」
「ちぇ、チェケラ?」
「ヨーウ、ワツァーップ」
「な、何だ?ラッパージジイの家か何かかここ?」
「ヘイYO!YO!」
「よ、YO!YO!」
「セイYA!YA!」
「や、YA!YA!」
「BOOOOOON」
「ブーーーーーーン」
「レッツDANDANDAN!」
「ダンダンダン!やべっ、何だか楽しくなってきた」
「飽きた」ガチャリ
「飽きた、じゃねーよ!何だよせっかくノッて来たのに。そもそも何だったんだよ今のはよ」
「いいや、忘れよ。次だ次」
プルルル…
「はい」
「あ、婆ちゃん?オレオレ、俺だよ」
「え、誰だい?」
「俺だよ婆ちゃん」
「林家こん平さんかい?」
「何でこん平さんがお前んとこに電話かけてくるんだよ。お前はこん平さんの何なんだよ」
「じゃあ誰だい?こん平さんじゃなかったら切るよ」
「ったく仕方ねーな。じゃあ…チャンラーーーーン!今日も元気なこん平でーーーす!」
「似てない」ガチャリ
「うるせーよ。余計なお世話だよ。こっちだってやりたくてやってるんじゃねーよ」
「ちくしょー次こそは絶対引っ掛けてやるからな、こうなったらとことんやってやる」
プルルル…
「はいもしもし?」
「あ、爺ちゃん?オレオレ、俺だよ」
「ん?誰だ?」
「ほら、オレオレ、俺だって」
「人気アイドルのエリリンちゃんかい?」
「俺って言ってるじゃねーかよ。これが女の声に聞こえるのかよ。そもそも何でアイドルがお前の家に…」
「どうしたんじゃエリリンちゃん?」
「もういいや。(裏声)そうでーす、大人気アイドル、エリリンでーす」
「キモ」ガチャリ
「キモ、じゃねーから。お前がやらせたんだろうがよ。確かにキモかったのは認めるけどよ」
「アッタマきた。次こそはぜってー、ぜってー引っ掛けてやる」
プルルル…
「はいもしもし?」
「あ、爺ちゃん?オレオレ、俺だよ」
「ん?誰だ?」
「ほら、オレオレ、俺だって」
「トニー谷さんかい?」
「チョイスが渋すぎなんだよ。名前ぐらいしか聞いたことねーよ。モノマネすら不可能じゃねーかよ」
「とっくに亡くなっとるよ」ガチャリ
「ったく、年寄りはこれだから…もっとヤングの文化を学べよ」
「ったくどうなってんだどいつもこいつも…次だ次」
プルルル…
「はい」
「あ、婆ちゃん?オレオレ、俺だよ」
「え、誰だい?」
「俺だよ婆ちゃん」
「ビーズの稲葉さんかい?」
「よっしゃあ来た来た!俺の得意なのが!」
「ん?どうしたんだい?」
「あいや、何でもない。ちょっと待ってて…ウ、ウン!そしてー羽ーばたく、ウルトラソウッ!」
「18点」ガチャリ
「うるせーよ。自信あったんだからせめてもっといい点つけろよ。
あとせめてハイ!ってやれよ。何だか胸がモヤモヤするじゃねーかよ」
「あー腹立つ。あー腹立つ。次こそぜってー引っ掛けてやるからな」
プルルル…
「はいもしもし?」
「あ、爺ちゃん?オレオレ、俺だよ」
「ん?誰だ?」
「ほら、オレオレ、俺だって」
「ルパン3世かい?」
「ふぅーーーーじこちゃーーん」
「まーまー似てる」ガチャリ
「反射的にやっちまったけど。似てたなら切るなよ。ならもうちょっと色々要求してこいよ。折角なんだからさ」
「ちっくしょー腹立つ。あー腹立つ。次はぜってー引っ掛けてやっからな、覚悟しとけよ」
プルルル…
「はい」
「あ、婆ちゃん?オレオレ、俺だよ」
「え、誰だい?」
「俺だよ婆ちゃん」
「ペニーワイズさんかい?」
「ハァイーー、ジョオジィーーー。ポン、わーん。ポン、ぺーん。てれれれピヨピヨピヨ」
「あたしゃジョ-ジじゃないよ」ガチャ
「そんなのこっちだってわかり切ってんだよ。じゃあ他にどうしろってんだよ。
これ以外にやりようがあるなら俺に教えてくれよ」
「あームカつく!腹立つー…次、次だ!」
プルルル…
「はいもしもし?」
「あ、爺ちゃん?オレオレ、俺だよ」
「ん?誰だ?」
「ほら、オレオレ!俺だって」
「m・c・A・Tさんかい?」
「ボンバヘッ!ボンバヘッ!」
「燃え立つようなーあっつい魂ー」ガチャ
「ボンバヘッ!さぁ次だ次!」
プルルル…
「はいもしもし?」
「あ、爺ちゃん?オレオレ、俺だよ!」
「ん?誰だ?」
「ほらオレオレ!俺だって!」
「セリーヌディオンかい?」
「エンダァァァァーーーーーー!イヤーーーーーーーー!」
「ウィーーーラーブミッチューーウーー!ヒューーーウウーーーー!」
「それはホイットニーヒューストンじゃ」ガチャリ
「あーーーっ!しまったぁぁーーー!」
END
以上でした
依頼出してきます
こん平さんあたりから笑いが堪え切らんかった
テンポよくて読みやすかった乙乙
なんか本当に誰かがやっててもおかしくなさそうな雰囲気
斎藤さんアプリ思い出した
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