志熊理科「だって僕たち、友達だろ?」 (14)

「小鷹先輩、お茶が入りました」
「ああ、ありがとう」

はい、どうもどうも。皆さん、こんにちは。
隣人部の白衣の天使こと、志熊理科です。
えっ? キモいですか? はい、知っています。
理科の容姿が相対的に、他の女性と比べて劣っていることは、自分でもよくわかっています。
ですが、統計にも例外があるものでして。
目の前に座っている、目つきが悪いくすんだ金髪のヤンキーこと、小鷹先輩は、こう評します。

曰く、野山に咲く一輪の花のようだ、と。

「ケッ。いつの時代の口説き文句だっての」
「ん? なんか言ったか?」
「いえいえ、こちらのことです。それよりも、理科が淹れたお茶は、お口に合いましたか?」
「ああ、美味いよ。茶葉は何使ってるんだ?」
「それは、企業秘密です」

きゃぴっ! と、柄にもなく、可愛こぶります。
理科の年頃の女の子とは、こういうものです。
なにぶん理科は他とはかなりズレているので。
そのように振る舞えば、おかしくありません。

「ていうか、本当に腹減ってないのか?」
「小鷹先輩と過ごしているだけで、満腹です」
「せっかく、お前の分も作ってきたのに」
「そのお気持ちだけで、理科は嬉しいですよ」

只今の時刻は昼休みで、場所は理科室です。
この部屋は、勉強に使う教室ではありません。
理科だけの特別な部屋で2人っきりの空間です。
面倒見の良い小鷹先輩はお弁当を作ってきてくれましたが、理科はそれを食べませんでした。
理科も本当は、一緒に食べたかったのですが、今日に限っては我慢をする必要がありました。

理科の壮大な実験は既に始まっているのです。

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「小鷹先輩、お茶のおかわりは如何ですか?」
「ん? ああ、今のところはいいかな」
「そんなこと仰らずに、沢山飲んでください」
「そんなに気を使わなくていいって」

空になった湯呑みに、お茶のおかわりを注ごうとすると、やんわりと断られてしまいました。
もしや、理科の謀略に感づいたのでしょうか。

「あれ? おかしいな……」

いえ、違います。小鷹先輩の顔色が悪いです。
ついに、待ちに待った反応が現れたようです。
理科は興奮を抑えつつ容態を確認してみます。

「小鷹先輩、体調が悪いのですか?」
「あ、ああ。ちょっと、腹が痛くてさ」
「フハッ!」

おっと、理科としたことが科学者失格ですね。
こうなることは、わかりきっていたのですが。
ついつい、愉悦という名の笑みが溢れました。

「理科……?」

怪訝な面持ちの小鷹先輩に早口で提案します。

「お腹が痛いのでしたらオマルがありますよ」
「オマル?」
「はい。理科の愛用のオマルをお使い下さい」

事前に用意していたオマルを勧めたのですが。

「い、いや、遠慮しとくよ」
「そうですか……では、どうするんですか?」
「普通にトイレで済ませてくる」

理科は天才ですのでその考えはお見通しです。

「やめておいた方がいいと、理科は思います」
「なんでだ?」
「校内のトイレットペーパーは回収済みです」
「えっ?」
「こちらをご覧ください」

回収したトイレットペーパーの山を見せます。

「なんで、こんなことを……?」
「小鷹先輩の排泄が見たかったからです」

理由を述べると、小鷹先輩は、青ざめました。

「理科、冗談はよしてくれ」
「冗談ではありませんよ?」
「いくらお前だって校内のトイレ全部なんて」
「理科は授業中、とても暇ですので」
「まさか、本当に……?」
「はい。確認して頂いても構いませんけど?」
「……そんな余裕はない」
「そうでしょうね。間に合うとは思えません」

小鷹先輩にそんな時間的余裕は、ありません。

「……なあ、物は相談なんだけどさ」
「なんですか?」
「トイレットペーパーを1つ、貰えないか?」
「残念ながら、これは全部、理科のものです」
「そ、そこをなんとか……」
「小鷹先輩にあげるくらいなら、燃やします」

あらかじめ理科は灯油を用意しておきました。

「ま、待て! 早まるな! 話し合おう!」
「小鷹先輩に選択肢はありません」
「わかったから、火事だけは起こすな!」

ライターをちらつかせると素直になりました。

「理科の言うことを聞く気になりましたか?」
「言う通りにする前に、ひとつ聞かせてくれ」
「はい、なんでしょう?」
「どうして俺にこんなことをするんだ?」
「実験の一環……と言うより、前段階ですね」
「えっ?」
「さあ! ちゃっちゃと済ませましょう!」

半ば強引に小鷹先輩をオマルに座らせました。

「小鷹先輩、いつでも出していいですよ」
「出せるか!」

オマルの中身を凝視していたら怒られました。

「やはり、見られていると、出ませんか?」
「当たり前だろ!」
「では、理科は背中に抱きつくことにします」

背後に回って小鷹先輩の背中に抱きつきます。

「お、おい! む、胸が当たって……!」
「理科に胸など存在しません。嫌味ですか?」

お仕置きにグリグリ擦りつけてあげましょう。

「あるから! ちゃんと胸あるから!」
「はて? 気のせいではありませんか?」
「そんなわけないだろ!」
「まあ、理科も一応、生物学的には女ですし」
「知ってる! 知ってるから!」
「たまにはそんな主張も必要かと思いまして」
「主張しなくてもわかってるから!」

小鷹先輩にわからせてから実験を続行します。

「小鷹先輩、耳をかじってもいいですか?」
「やめてくれ。頼むから」
「かじられると、出てしまいますか?」
「そんなこと、言わなくてもわかるだろ」
「怖いのですか?」
「……怖いよ」
「どうしてですか?」
「それは……」
「理科に嫌われるのが、怖いんですか?」
「……ああ、そうだよ」

俯く小鷹先輩を見て心拍数が跳ね上がります。

「理科は決して、小鷹先輩を嫌いませんよ」
「本当か……?」

不安そうな小鷹を、僕は友達として、励ます。

「だって僕たち、友達だろ?」
「理科……!」

感激に打ち奮える小鷹先輩は隙だらけでした。

「あむっ!」
「ふぁっ!?」

耳をかじると小鷹先輩はすぐに漏らしました。

「ユ、ユニヴァァァアアアアアスッ!!!!」
「フハッ!」

特性の下剤入り粗茶の効き目は、抜群でした。

「フハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

はしたない哄笑を響かせて、愉悦に浸ります。
だって、小鷹先輩ったらユニヴァースなどと。
理科のツボにピッタリのワードを叫ぶなんて。
嗤ってしまうに決まっています。ズルいです。

「うぅ……俺は、汚れちまった……!」
「いいえ。小鷹先輩、それは違います」
「えっ?」
「先輩のお尻の中はこれで綺麗になりました」
「理科……?」
「早速、理科の実験に付き合って貰いますよ」

これにて準備完了。愉しい実験の始まりです。

「まずはこちらをご覧ください」
「へっ?」

呆然とする小鷹先輩の前で制服を脱ぎました。

「うわっ! な、何やってんだよ!?」
「別に、見ても構いませんよ?」
「俺が構うんだよ! 早く服を着ろ!」
「平気です。服の下にスク水を着てますので」
「は?」

何を期待していたんですかね小鷹先輩ってば。

「もしかして、全裸だと思いました?」
「……からかうなよ」
「でも、スク水に白衣も良いものですよ?」

白衣を着ると小鷹先輩の顔が赤くなりました。

「……良い。すごく、良い」
「気に入って貰えて、理科嬉しいです」
「ていうか……そんなことよりも、理科」

その場で回ってみせると、気づいたようです。

「どうかしましたか?」
「そのスク水の尻のところ、どうしたんだ?」
「ちょっと通気性を改善してみました」
「穴が空いているように見えるんだけど……?」
「見えるのはお尻の穴だけなので、セーフです」
「これは、セーフ、なのか……?」

疑り深い小鷹先輩にわかりやすく説明します。

「理科のメスシリンダーは隠れてますので」
「メスシリンダー?」
「メス(女性)のシリンダー(円筒)です」
「ただの下ネタじゃねぇか!」

憤慨する小鷹先輩は初心でとても可愛いです。

「小鷹先輩はお尻の穴に興奮する人ですか?」
「そんな特殊な趣味はないけど……」
「でしたら、何も問題はありませんよね?」
「そう言われると……そうかも、知れないな」
「お尻の穴に興奮する方が、おかしいんです」
「そ、そうだな! うん! 理科の言う通りだ!」

これで理論武装は完璧です。チョロいですね。

「というわけで、小鷹先輩」
「なんだ?」
「理科のお尻の穴をよく見てください」

よく見えるようにお尻のお肉をくぱぁします。

「何か入っているのが見えますか?」
「あ、ああ。たしかに見えるけどこれは……?」
「試験管です」

理科はお尻に、試験管を突っ込んでいました。

「なんでまた、試験管なんて……?」
「この試験管の中に、水素を注入します」
「ふむ」
「そして火をつけた線香を中に入れますと」

ポンッ! と、水素が燃焼して水になりました。

「おおっ!」
「この燃焼時の衝撃が癖になるんですよ」
「そうなのか?」
「気になりますか?」
「そう言われると、ちょっと気になるな」
「ちょうど、ここにもう1本試験管があります」
「用意がいいな」

白衣のポケットから、試験管を取り出します。

「もしよろしければ、試してみますか?」
「でも、試験管なんて挿れたことないし……」
「大丈夫です。理科に全て、お任せください」

順調且つ、快調に、実験は進行しております。

「小鷹先輩、もっと力を抜いてください」
「んなこと言われたって……」
「怖がらなくても平気です。痛くありません」

幸い、小鷹先輩は痔持ちではなく健肛でした。

「理科はとっても幸せです」
「いきなりどうした?」
「だって、小鷹先輩の初めてを頂けるなんて」
「誤解を招くようなことを言うな!」
「えっ? ヴァージンじゃないんですか!?」
「ヴァージンだよ! 当たり前だろうが!!」
「てっきり、理事長に奪われたのかと……」
「そしたらすぐに学校を辞めてるっての!」

軽口を交わしながら気をほぐすのが大切です。

「理科に奪われても辞めないでくださいね?」
「……辞めるわけ、ないだろ」

なんですかこの人。可愛すぎてたまりません。

「素敵な思い出になるように、善処しますね」
「ああ、よろしく頼む」

僕は小鷹に、手を差し伸べて、優しく微笑む。

「手、繋ごっか?」
「っ……あ、ああ」

赤面して手を重ねる小鷹と、恋人繋ぎをした。

「僕とずっと友達でいたい?」
「お、俺は……理科、お前と……」
「おっと、そこまでだよ」
「ぬあっ!?」

小鷹が余計なことを言う前に試験管を挿れた。

「り、理科! もっと優しくしてくれ!」
「今のは小鷹先輩が悪いんですよーだ」

まったく。小鷹先輩は油断も隙もありません。

「理科は男友達として一緒に居たいのに」
「んなこと言ったって……」
「それより、お尻の具合はどうですか?」
「ん? ああ、意外と平気みたいだ」
「では、もっと奥まで挿れちゃいますね」
「ぬあぁああぁあっ!?!!」

さっきの罰として、メリメリねじ込みました。

「よしっと。初めてならこんなものですかね」
「く、口からなんか出そうだ……」
「理科は口から何か出した経験はありません」

人体はそこまでやわには出来ていませんので。

「落ち着きましたか?」
「ああ……もう平気だ」
「では、水素を注入しますね」
「試験管が割れたりしないのか?」
「試験管は頑丈に出来ているので平気ですよ」

少なくとも、腹圧程度ではビクともしません。

「では、燃焼させますね」
「あ、ああ……頼む」
「怖がらなくても平気ですってば」

ゆっくり線香を試験管に挿入して、ポンッ!

「フハッ!」
「おっ?」

なんだ、小鷹。なかなか見込みがあるじゃん。

「1発で愉悦を漏らすなんて、やるじゃん」
「そ、そうかな? ……へへっ」
「もっかいやる?」
「あ、ああ……やってみる」

水素を注入してから、線香を入れて、ポンッ!

「フハハッ!」
「どう? 愉しいでしょ?」
「たしかに、愉しいな、これは」
「何回でもやってあげる!」

ポンッポンッポンッ! と、何度も燃焼すると。

「フハッ! フハハハッ! フハハハハハッ!!」
「いい感じだよ、小鷹! ほら、もう一回!」
「フハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

素晴らしい哄笑だ。これにて免許皆伝ですね。

「さて、小鷹先輩」
「ふぅ……どうした?」
「試験管を抜くまでが、実験ですからね」
「ま、待ってくれ、理科」
「問答無用です! そりゃ!」
「ぬぐあっ!?」

一気に抜き取るとビクンビクン痙攣しました。

「どうでしたか、女の子の気分は?」
「心底、男に生まれて良かったと思えた」
「ええ、そうでしょうとも」

僕だって、小鷹と同じ、男に生まれたかった。

「出産なんて、こんなものじゃないですよ」
「なんだか、経験があるような口ぶりだな」
「あ、あるわけないだろっ! 小鷹のバカ!」

想像に決まってる。僕は、ヴァージンだもん。

「小鷹」
「ん?」
「僕の代わりに、小鷹が産んでよ」
「はあっ!? そんなの不可能だろ!」
「今の医学は進んでるから理論上は可能だよ」
「どうやって男が産むんだよ!?」
「腹腔内に受精卵を入れて、育てるんだ」
「んな、無茶苦茶な……」
「まあ、結局は外科手術で取り出すんだけど」
「究極の難産じゃねぇか……」

残念ながら、小鷹に自然分娩は不可能なのだ。

「でも、それも1つの責任の取り方じゃない?」
「責任って?」
「難聴系、ハーレム主人公の、責任だよ」

意地悪く言うと、小鷹は苦い顔をして黙った。

「とはいえ、隣人部には当て嵌まりませんが」
「どうして当て嵌まらないんだ?」
「だって理科以外は皆、産みたいでしょうし」

夜空先輩を始め星奈先輩も、幸村くんだって。
マリアさんも。もしかしたら小鳩さんだって。
皆、みーんな、小鷹先輩のことが大好きです。

「皆、小鷹先輩に孕ませて欲しいみたいです」
「その言い方だとまるで俺が最低みたいだな」
「小鷹先輩は最低の難聴野郎ですけど何か?」
「いえ……なんでも、ありません」

罵倒され落ち込む小鷹先輩に優しく諭します。

「だから、理科の赤ちゃんを産んでください」

すると、複雑そうな顔で、質問してきました。

「どうして、そこまで俺を孕ませたいんだ?」

鈍感な小鷹に対し、僕は呆れて、命令をする。

「小鷹」
「なんだ?」
「今だけは許すから、難聴になって」
「はあ? 意味がわからないぞ」
「いいから」

ポカンとする小鷹に、僕は本音を、告白した。

「小鷹のことが、好きだから、孕ませたいの」

すると小鷹はしれっとした口調でこう言った。

「えっ? なんだって?」

これでいい。理科は、そんな小鷹先輩が好き。
僕は、そんな小鷹みたいな男友達が大好きだ。
だからこそ僕たちは、ずっと友達で居られる。

孕ませたい程、好きな友達と、ずっと一緒に。


【僕は大好きな友達を孕ませたい】


FIN

この物語はフィクションです。
試験管をお尻の穴に挿れるのは、大変危険ですので絶対に真似をしないでください。
くれぐれも、お身体を大切に。

これもアナルシリーズだったのかよ

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