citrus 柚子「芽衣!」 (93)
ゆず「おはよう」
めい「おはよう」
ゆず「朝ごはんここにおいておいたから」
めい「そう。朝早くからごめんなさい」
ゆず「いいってこれくらい。いつも朝早いんだから」
めい「それじゃあ、いただくわ」
ゆず「うん」
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ゆず「こうしてめいと過ごすようになってから…」
ゆず「どれくらい経っただろう」
ゆず「芽衣はいつも朝から出かけて帰ってくるのは夜で」
ゆず「私は私でご飯作ったり洗濯したりでいろいろと忙しい」
ゆず「今度芽衣と一緒にお出かけでもできたらなぁ」
ゆず「…ふぅ」
めい「それじゃあ、行ってくるわ」
ゆず「うん。行ってらっしゃい」
prrrr......
ゆず「ん、電話?」
ゆず「はるみんから」
ゆず「もしもし?」
はるみ「あ、ゆずっち、おはよう~」
ゆず「おはよう、どしたの?」
はるみ「今日暇だったら、どこか遊び行かないかな~と思ったんだけど、どう?」
ゆず「あぁ~。うん、いいよ、特に予定は無かったと思うから」
はるみ「おう、よろしく。じゃあ駅前で」
ゆず「よう。どこいく?」
はるみ「最近、新しくできたお店があってさ。そこに行こうと思うんだが」
ゆず「お、それはいいね」
はるみ「そこのパフェが超美味いらしくって、レッツゴーだ、ゆずっち」
ゆず「おう」
はるみ「ほぉ~色々な種類のパフェがあるな」
ゆず「ひなまつり限定パフェ…私これにする」
はるみ「じゃあ、あたしはオープン記念のパフェにする」
ゆず「うん」
ゆず「うわっ豪快っ」
はるみ「すげぇな。いただきます」
はるみ「あぁ。おいし~」
ゆず「うーん」
はるみ「ん、ゆずっち。どうしたの、食べないのか?」
ゆず「いや、それがぁ」
ゆず「いざパフェが来てみると、乗ってるひな人形が豪華すぎて食べるのが勿体ないっていうか」
はるみ「んんーわかる。確かに綺麗に作ってあるもんな、そのひな人形」
はるみ「でもそのひな人形、チョコとクリームでできてるんだろ。勿体無いし食べな」
ゆず「うん、そうだね。」
はるみ「そういえば、もうひな人形を飾る季節か」
はるみ「うちは、飾るような予定は無かったからな、忘れかけてたな」
ゆず「あはは」
はるみ「良かったら今度ひなまつりでもしないか?」
ゆず「いいね、それ乗った」
ゆず「最近忙しくて芽衣ともあまり話してなかったからなぁ」
ゆず「芽衣も一緒にいいかな?」
はるみ「おう。いいよ」
ゆず「ありがと。じゃあ芽衣にも言っておくね」
はるみ「分かった」
はるみ「あぁしかし、食べてると他にも食べたくなるな。他にも回りたいところがあるのだが」
ゆず「他にも食べたりするの?」
はるみ「昼食で行きたいところがある」
ゆず「げっ、そういえばまだ朝だった。パフェ食べ過ぎたかな」
はるみ「まっ、歩いていればまたお腹は空くって」
はるみ「他にも観光地に行きたいところあるし」
ゆず「今日は大忙しだな」
はるみ「わぁ、すごい人だかりだな」
ゆず「いつもはこんなに人いないよね」
はるみ「ゆずっち、あれあれ」
ゆず「ん?うわぁっ」
ジャアージャアー
ワァー!ワァー!
ゆず「うっ、ふ、噴水?めっちゃ水かかって来たぁ」
はるみ「これは噴水といえるのか?というか、新しく観光物が出来ていたんだなぁ。他にもいろいろあるかもしれないし、あっちにも行ってみよう」
ゆず「うん」
ゆず「これは…コーヒーカップ?」
はるみ「ぐるぐる回るやつか」
ゆず「ここ観光地といっても遊園地ではないと思うけど」
はるみ「へぇ、こんなものもできていたのか」
はるみ「せっかくだし、乗ってみる?」
ゆず「そうしますか」
ゆず「すごい。前に動き始めたよ」
はるみ「ぐるぐる回りはしないな。これはコーヒーカップではないのか?」
ゆず「んーじゃあ何だろう。ん?」
ゆず「うわぁ、何か浮き始めたよ」
はるみ「床が上がってるのか、なんだ?なんだ?」
ゆず「はるみん、景色が広く見えるよ」
はるみ「ほんとだな。観光地がよく見えるようにするものだったのか」
ゆず「コーヒーカップかと思ったけど、何かほっこりしたね」
はるみ「そうだな。こんなものもあるんだな。何かいろいろありそうだ」
はるみ「ゆずっち、今度はあっち行こう」
ゆず「うん」
ゆず「あぁ、いろいろ見て回ったけど、もう夕方か」
はるみ「結局、お昼も沢山食べたし、満腹満腹」
ゆず「今日は楽しかった」
はるみ「あたしも…ん?ゆずっち。あれ見てよ」
ゆず「ん?」
ゆず「あっ…」
ゆず「ひなまつり…」
はるみ「そうか。ここいらでもひなまつりに向けて何か販売してるんだな」
ゆず「人だかりができてたのは、ひなまつりが近いからでもあるみたいだね」
はるみ「あたし達もひなまつりするし、せっかくだから、見て回るか?」
ゆず「うん、芽衣の分も何かあったらいいし」
ゆず「じゃあ、まずはあっちから…」
はるみ「おう」
はるみ「うわぁ、外結構暗くなってるよ」
ゆず「ほんとだ、あ、もう芽衣が帰ってる時間」
はるみ「まじか、遅くなってごめんな。大丈夫か?」
ゆず「今日のご飯のおかずまだ買ってなかった」
はるみ「えっ、じゃあ早く買って帰ろう」
ゆず「ううん。帰り道のスーパーで買って帰るから、大丈夫」
ゆず「こっからは私1人で帰るよ」
はるみ「そうか、じゃあ気をつけて。ひなまつりのことは、また連絡するわ」
ゆず「うん、それじゃあ」
ゆず「うわぁ、ちょっと遅くなってしまったなぁ」
ゆず「ただいま~」
ゆず「ごめん、遅くなっちゃって。芽衣、もう帰ってるよね?」
ゆず「芽衣?」
めい「おかえり」
ゆず「あっ、ただいま。てか芽衣もおかえり、ごめん、ちょっと遅くなっちゃった」
めい「どこに行ってたの」
ゆず「ちょっとはるみんと出かけててね…ごめん今すぐご飯作るから」
めい「明日は早朝出でいないから」
ゆず「えっ?」
ゆず「分かった。じゃあ明日の朝の分もーーー」
ゆず「ってそうだ、ひなまつりのことも伝えとかないと」
ゆず「芽衣?」
ゆず「……あれ?」
ゆず「お風呂かな?」
ゆず「疲れてたんだね。明日にしよう」
めい「お風呂空いたから」
ゆず「あっ、ご飯出来たよ」
ゆず「いただきます」
めい「いただきます」
ゆず「もぐもぐ、うん」
めい「……」
ゆず「もぐもぐ…」
めい「……」
ゆず「……」
めい「……」
めい「ごちそうさま」
ゆず「うん。ごちそうさま」
ゆず「お皿は私が洗っておくから、いいよ」
めい「…わかったわ」
ゆず「……」
ゆず「疲れてたのかな?」
ゆず「お風呂入った~」
ゆず「芽衣大丈夫かな?ひなまつりのこともあるし、ちょっと話そう」
ゆず「芽衣~?」
めい「……」
ゆず「わっ、芽衣。洗濯物」
ゆず「そうだ、今日はるみんと出かけたっきりで、まだたたんでなかった」
ゆず「いいよ、私がやるから」
めい「…わかったわ」
めい「今日はもう寝るから」
ゆず「え?あっうん。おやすみ」
めい「おやすみ」
ゆず「……」
ゆず「よっぽど、疲れてたんだね」
ゆず「私も今日はもう寝ようかな」
ゆず「おっはよー!よく寝たぁ」
めい「おはよう」
ゆず「芽衣、もう起きてるの?」
めい「今日は早朝出だから」
ゆず「あっ、そういえば昨日そんなことも言ってた」
ゆず「お皿は私が洗っておくから、いいよ」
めい「そう…それじゃあ行ってくるわ」
ゆず「うん、行ってらっしゃい」
ゆず「……」
ゆず「芽衣大丈夫かな?」
ゆず「それに、まだ、ひなまつりのことも言ってなかったなぁ」
ゆず「今日の夕方にそれとなく聞いてみようかな」
ゆず「芽衣は芽衣で忙しいだろうし、私も今日は家事ちゃんとしなくちゃね」
ゆず「今日もがんばるぞー」
ゆず「ええと、今日の晩御飯はあれとこれと」
ゆず「うーん。少し食材が足らないから、買い物に行こうかな」
ゆず「それじゃあ近くのスーパーにでも行こう」
ゆず「もう少しでスーパーに着く」
まつり「あぁ~。ゆずちゃん」
ゆず「ん?あっ。まつり」
ゆず「どうしたの。こんなところで」
まつり「こんなところにいたんだね」
まつり「今日ゆずちゃんと遊ぼうと思ってたんだけど、連絡取る前に見つけちゃった」
ゆず「いや。そこは先に連絡するようにしろよ」
まつり「まぁ、用なら他にもあるんだけどね」
まつり「ゆずちゃんとも遊びたかったし、ちょうどお出かけ中みたいだからこれから一緒に遊ぼうよ」
ゆず「でも、買い物が」
まつり「えぇ?たまにしか会わないんだし、少しくらいならいいでしょ?」
ゆず「あぁ~わかった。じゃあ少しだけだからな」
まつり「わーい。じゃああそこの大きなお店に行こう」
ゆず「行くのはスーパーじゃなくて、大きなショッピングモールね」
ゆず「服屋さんか」
まつり「ゆずちゃん、これどう?」
ゆず「いいと思うよ」
まつり「そう?あっ。これはゆずちゃんに似合いそうだな」
まつり「あっちの服もよさそう」
ゆず「おい、まつり。服買いに来たわけじゃないんだから、あんまり見て回んな」
ゆず「って言っても、服見に来たんじゃ仕方ないか」
まつり「ゆずちゃん。こっちこっち」
ゆず「はーい」
ゆず「と言って、しばらく服を見ていたけども」
まつり「ゆずちゃん、これもよさそうー」
ゆず「周り服だらけになってる」
ゆず「まつり。確かに遊ぶと言ったけど、私は今日は家事をやるって決めて」
まつり「えぇ~?もうちょいもうちょい」
ゆず「でも」
まつり「えぇ~」
まつり「じゃああそこの喫茶店行こう」
ゆず「え?」
まつり「喉乾いたから」
ゆず「んー、わかった」
ゆず「ふぅ」
まつり「ゴクゴク…」
まつり「ふーん。」
ゆず「どうしたの?」
まつり「ゆずちゃん家事やってたんだね」
ゆず「あぁ。うん。芽衣の分も作らないといけないから」
まつり「芽衣さんは最近どう」
ゆず「仲良くやってるよ。昨日はちょっと疲れてたみたいだけど」
ゆず「昨日は少しいろいろと疎かにしてしまったから、今日はちゃんとやろうと思ってたんだ」
まつり「ふ~ん」
ゆず「まつりは最近どうなの」
まつり「私は元気にやってるよ」
まつり「ちゃんと健康に過ごせていると思う」
ゆず「そうか」
まつり「あっ」
まつり「もうお昼だ」
ゆず「えっ」
ゆず「うわっほんとだ。もう12時」
ゆず「昼ご飯どうしよ。帰ってから食べるのもなんだし、う~ん」
まつり「じゃあ、私はもう帰るね」
ゆず「えっ?何か食べて帰らないの。ここお店あるし」
まつり「ゆずちゃんの家事あまり邪魔するわけにはいかないからね」
まつり「それに、今日は他にも用があって来てるから」
まつり「もうそろそろ行かなきゃだし」
ゆず「えっ」
ゆず「用ってなに?」
まつり「…バイト」
まつり「バイトしてるから」
ゆず「バイト」
ゆず「そっか、バイトか」
まつり「うん。ゆずちゃんともっと遊びたかったけど、私も用事があるから。またね、ゆずちゃん」
ゆず「待ってまつり」
まつり「なに?」
ゆず「バイトって、また変なバイトじゃ」
まつり「ちがうよー。全然普通のバイト」
まつり「ゆずちゃんが思うようなことは、もうしてないと思うよ」
ゆず「そう?」
まつり「うん、レストランでのお仕事だから」
ゆず「へぇ~」
まつり「それとも、お腹すいたなら」
まつり「私がバイトしてるお店に来る?」
まつり「ちゃんとバイトしてるから」
ゆず「うん…」
ゆず「そうだね、せっかくだし」
ゆず「おじゃまするよ、まつり」
ゆず「へぇ~」
まつり「いらっしゃいませ」
ゆず「ほんとにちゃんとバイトしてるみたい…だね」
ゆず「レストランかぁ」
ゆず「このレストラン、店内綺麗だし、メニューもいろいろあるし」
ゆず「こんなお店があったとわね」
まつり「ゆずちゃん」
ゆず「へっ?」
まつり「ゆずちゃんが頼んだ、ハンバーグ定食だよ」
ゆず「あぁ。ありがとう」
まつり「ふっふ。ごゆっくり、召し上がれ~」
ゆず「あはは…うん」
ゆず「私には普通に話しかけてくるけど、まあいいか」
ゆず「ああ~ハンバーグ定食」
ゆず「おいしそう~」
ゆず「お腹空いてるし、いただきます」
ゆず「んんーおいし~」
ゆず「やっぱ、ハンバーグ。さいこ~だわ」
ゆず「もぐもぐ」
まつり「ゆずちゃん」
ゆず「えっ?」
ゆず「まつり、どうしたの」
まつり「休憩もらっちゃった」
ゆず「あっそうなの?」
まつり「後が長いから先に休憩しろって言われてね」
ゆず「へぇ。夜までやってるの?」
まつり「たまたまだよ、いつもはそんなに長くやってない」
ゆず「そう」
まつり「それより、お腹すいてたでしょう。もう14時だから」
ゆず「あぁうん。移動してくるのに結構時間かかったからね」
まつり「んふふ。ごめんごめん」
ゆず「それより、少しびっくりしたなぁ」
ゆず「まつりがちゃんと働いてたなんて」
まつり「ん、ゆずちゃん、私のこと何か下品な人とでも思ってる?」
ゆず「いやぁ。そういうわけじゃ…」
ゆず「前は、何か変なバイトしてるって聞いてたから、ちょっと心配に思っただけだよ」
まつり「ふぅ…」
まつり「私だってちゃんと生活してるよ」
ゆず「うん。そうだよね」
まつり「今はもう、あまりそういうことは」
ゆず「へぇ。絶対、こっちのほうがいいよ」
ゆず「私ちょっとほっとした」
まつり「んふふ」
まつり「それより今日は楽しかったな」
まつり「ゆずちゃんと遊べたし、こうしてバイト先でもお話しできて」
まつり「また、遊ぼうね、ゆずちゃん」
ゆず「うん」
ゆず「あっ、そうだ」
ゆず「まつり、今度ひなまつりしない?」
まつり「えっ?」
ゆず「今度、はるみんと、芽衣も一緒にひなまつりする予定だから」
まつり「へぇ~」
ゆず「よかったら、まつりもおいでよ」
まつり「うん。行く~」
ゆず「じゃあ、はるみんにも伝えとくね」
ゆず「…っと、そうだった、私買い物してたんだった」
ゆず「早く帰らないと…ごめん、まつり、また連絡するから!それじゃ!」
まつり「うん」
まつり「……」
まつり「…大丈夫かな?」
ゆず「やべー、買い物もしてたら少し遅れた」
ゆず「芽衣も、もう帰ってるかな」
ゆず「…でも、はるみんと、芽衣と、まつりとひなまつりか」
ゆず「みんなで集まるとワクワクする」
ゆず「芽衣最近忙しいみたいだし、ひなまつりの話もすれば、ぱっと疲れも飛ぶよね」
ゆず「よし、晩御飯の時に芽衣に話そう」
ゆず「ただいまー!」
ゆず「芽衣、帰ってる?」
ゆず「今日はちょっとした話があるんだけーーー」
めい「………」
ゆず「あぁ芽衣、おかえり。帰ってたんだ、今すぐご飯作るから、待ってーー」
めい「どこに行ってたの」
ゆず「えっ、あ、うーんと」
ゆず「食材買いに行ってたら、まつりに会っちゃって」
ゆず「ごめん…洗濯物もまだだった…ね」
めい「あまり言いたくはないけど」
めい「一緒に生活してるのだから、家事のこと疎かにしてもらったら困るわ」
ゆず「う、うん、ごめん」
めい「明日は早朝出でいないから」
ゆず「う
ガチャッ…バタンッ!
ゆず「……」
ゆず「……芽衣?」
ゆず「……」
ゆず「少し怒らせちゃったかな」
ゆず「…食事作らなきゃ」
ゆず「それから食事中も話すことなく、お風呂に入って芽衣はもう寝て」
ゆず「起きてるのは私一人か」
ゆず「……」
ゆず「まだ洗濯物出しっぱなし…」
ゆず「たしかに、ここ最近芽衣は忙しいのに、家事疎かにしてたら」
ゆず「芽衣が怒るのも無理ないよね」
ゆず「明日はちゃんと家事して、芽衣に謝ろう」
ゆず「…よっ、せっ」
ゆず「……」
ゆず「…ふぅっ。洗濯物も終わったー」
ゆず「私も、もう寝よう」
ゆず「芽衣…は、もう寝てるよね」
めい「……」
ゆず「おやすみ、芽衣」
めい「……」
ゆず「……」
めい「……」
ゆず「……ん」
ゆず「…もう朝か」
ゆず「ふぅ…」
ゆず「昨日は芽衣を怒らせてしまったし、今日は家事ちゃんとやらないと」
ゆず「よし」
ゆず「ファイトだ、私」
ゆず「おはよう、芽………」
ゆず「……あれ」
ゆず「芽衣がいない」
ゆず「……」
ゆず「そういえば、早朝出って言ってたし、もう、起きてるのかな」
ゆず「芽衣?」
ゆず「おはようー」
ゆず「……洗面所にもいない」
ゆず「リビングかな」
ゆず「芽衣。朝ご飯食べた…って」
ゆず「おわんが水に浸けてある」
ゆず「……」
ゆず「…そっか」
ゆず「芽衣、もう出かけたんだね」
ゆず「……」
ゆず「朝ご飯食べよう」
ゆず「いただきまーす」
ゆず「もぐもぐ」
ゆず「もぐ…もぐ…」
ゆず「……」
ゆず「…………」
ゆず「んがーーー!」
ゆず「もやもやする」
ゆず「たしかに最近家事疎かになりかけてたけど」
ゆず「ごちそうさま!」
ゆず「お皿洗って」
ゆず「洗濯物洗って」
ゆず「干して」
ゆず「晩御飯のおかずがないから材料買いに」
ゆず「行くけど」
ゆず「誰もいないけど、『いってきます』」
ゆず「確かに芽衣はいつも忙しいのに」
ゆず「私は家事を疎かにしてしまって、芽衣に迷惑をかけた」
ゆず「それは、ごめん」
ゆず「でも、私はーーー」
ゆず「なにも、私を無視しなくてもいいじゃんかよ」
prrrrr…
ゆず「ん、電話…」
ゆず「…はるみんからだ」
ピッ
はるみ「あぁ。ゆずっちー?」
ゆず「はるみん?」
はるみ「この前のひなまつりのことなんだけど」
ゆず「あっ。うん」
はるみ「うちでやろうかとも考えたんだけど、どうも都合が悪いみたいでさ」
はるみ「今度近くでひなまつりする場所おさえて、そこでしようかと考えたんだが、それでいいか?」
ゆず「うん」
はるみ「わかった。それで決まりな」
はるみ「それで、どう。ゆずっちの方は、来れるか?」
ゆず「あぁ。ごめん、芽衣にはまだ聞いてない」
ゆず「あ、それから、まつりも行くことになったんだけど、いいかな」
はるみ「あぁそうなのか?」
はるみ「あいつもあまり会ってなかったからな」
はるみ「…わかった。じゃあ一応4人で予約取るから。取れたらまた連絡する」
ゆず「ありがとう、はるみん」
はるみ「いいって。じゃあゆずっちの方も聞いとけよ?」
ゆず「うん。わかった」
はるみ「じゃ、またな」
ゆず「うん」
ゆず「ありがとう、はるみん」
ゆず「はるみんのお陰で少し元気出た」
ゆず「芽衣と、はるみんと、まつりと」
ゆず「久しぶりに4人で集まってひなまつりするんだから」
ゆず「やっぱり私はこうして集まるのがいいと思う」
ゆず「今日は帰ったら芽衣に謝って話そう」
ゆず「よし、晩御飯のおかずもばっちり」
ゆず「今日は早く帰れそうかな」
ガヤガヤ…ガヤガヤ…
ゆず「あっ。ひなまつりの限定販売やってる」
ゆず「何か芽衣にいいものあったら買っていこうかな」
ゆず「っと、いけない、いけない。いつもこうやって遅くなるんだから」
ゆず「さっき、はるみんと約束したし、今度は芽衣にもひなまつりのことちゃんと聞いとかないと」
ゆず「今日は真っ直ぐ帰って、」
ゆず「限定販売の変わりに飛びっきりの晩御飯を作ろう」
ゆず「よし」
ゆず「……」
ゆず「……ん?」
ゆず「え、いまの…」
ゆず「芽衣…?」
ゆず「……」
ゆず「…うん」
ゆず「やっぱり芽衣がいる」
ゆず「どうして、こんなところにいるんだろう。」
ゆず「芽衣は早朝出で、夕方まで忙しくて帰ってこれないはず」
ゆず「こんなところには居ないはずなのに」
ゆず「それに、誰か一緒に歩いてる?」
ゆず「誰と…いるんだろう」
ゆず「芽衣と男の人が歩いてる」
ゆず「……えっ」
ゆず「芽衣は今忙しいはずなのに」
ゆず「男の人と話しながら、歩いてる」
ゆず「………………えっ」
ゆず「…うそ」
ゆず「…意味……分かんない」
ゆず「歩いてたの芽衣だったよね」
ゆず「どういうこと、どういうこと?」
ゆず「ああ、わけわかんない」
ゆず「…でも、もし私が見たのが芽衣だったら」
ゆず「私は…」
めい「ただいま」
ゆず「あぁ、おかえり」
めい「……」
めい「少し疲れたから先にお風呂入ってもいいかしら」
ゆず「うん、…いいよ」
ゆず「……」
ゆず「いつも通り…?だね」
ゆず「芽衣がお風呂上がったら、今日の調子はどうだったのか聞こう」
ゆず「そのときに私が見たあのこともそれとなく…」
めい「上がったわ」
ゆず「わーーー!!!」
めい「どうしたの?」
ゆず「め、芽衣さん、お風呂、上がったんですね」
めい「えぇ」
ゆず「ええと、そのぉ」
めい「…?」
めい「晩御飯を食べたいのだけど」
ゆず「えっ?あぁうん。もうできるから待ってて」
ゆず「いただきます」
めい「いただきます」
ゆず「……」
めい「もぐ…」
ゆず「…あ、あのさぁ」
めい「…?」
ゆず「今日…エビフライ…作ったんだよね」
めい「えぇ、おいしいわ」
ゆず「ソースも…自分で…作ってみたんだよね」
めい「そう。それも…おいしいわ」
ゆず「……」
めい「…?」
めい「どうしたの」
ゆず「えっ、いやぁ…そのぉ…」
めい「何かあるなら、言ってくれないかしら」
ゆず「あぁ、うん…」
ゆず「そう…だよね…」
ゆず「芽衣……今日…」
ゆず「今日…」
めい「…?」
ゆず「……」
ゆず「ごめん、トイレ行ってくる」
ゆず「何やってるんだろう、わたし」
ゆず「でも…でも……」
ゆず「何で男の人と一緒にいたのかなんて、聞けないじゃんか」
ゆず「私が見たのは芽衣だったと思う」
ゆず「それは見間違いじゃないと思う」
ゆず「じゃあ一緒に歩いていた男の人は…」
ゆず「何で芽衣は平然としてるんだろう…」
ゆず「……」
ゆず「…ダメだ」
ゆず「聞こうと思っても」
ゆず「芽衣の顔見て、聞けない」
ゆず「結局私は芽衣に聞くことなく」
ゆず「次の日になって芽衣は出かけて」
ゆず「家は私1人になった」
ゆず「あの後、芽衣が最後に私に言ったのは」
ゆず「明日は早朝出でいないから、ということだけ」
ゆず「芽衣…」
ゆず「早朝出ってどこへ行くの?」
ゆず「芽衣は忙しくしてるんじゃないの?」
ゆず「あぁ、もう分かんない」
ゆず「……………はぁ」
ゆず「もともと私もそうだった」
ゆず「男の人と話そうとするのが普通で」
ゆず「だから、芽衣がそうするのは何もおかしいことじゃなく、普通のことなのかもしれない」
ゆず「女の人が男の人と話すのが普通なんだ」
ゆず「そう…だよね」
ゆず「あは、あははは」
ゆず「あっはっはっ」
ゆず「おっもしろい、当たり前のことじゃん、あっはっは」
ゆず「あーあ。もう少し気楽に生きよう」
ゆず「そうですよねー、そうですよねー。前いた友達ともそんな話ばっかだったし、それが普通だよね」
ゆず「あたし今まで何してたんだろ、また友達作らないと」
ゆず「あたし疲れてたんじゃないかな」
prrrrr……
prrrrr……
ゆず「……」
prrrrr……
prrrrr……
prrrrr…
ピッ
はるみ「あ、もしもし、ゆずっちー?」
はるみ「ひなまつりの予約取れたから連絡したぞー」
ゆず「ぅ…」
ゆず「…はるみ…ん」
はるみ「ん?どう?予定分かった?」
ゆず「…うぅ」
はるみ「……」
ゆず「…わたしっ」
はるみ「…どうした、なんかあった?」
ゆず「グスッ…グスッ…」
はるみ「よしよし、ゆずっちーがんばったな」
ゆず「うぅ…」
はるみ「何かあたしまで泣けてくるよ、ほんと」
ゆず「……うん、ありがと」
ゆず「まつりとも約束したから、絶対、ひなまつりする」
はるみ「おう、その意気だ」
まつり「私も応援するよ、ゆずちゃん」
ゆず「まつりっ?」
まつり「谷口先輩からゆずちゃんのこと聞いたから、心配になって来たんだよ」
まつり「がんばって」
ゆず「…わかった」
ゆず「…わたしがんばる!」
はるみ「私らも一緒に行くよ」
はるみ「来たぞ、ゆずっち。大丈夫だ、あたしらがついてる」
ゆず「うん、ありがと」
まつり「ゆずちゃん、がんばって」
ゆず「うん、がんばる」
ゆず「芽衣!」
めい「…?」
めい「どうしたの」
ゆず「…ぅ」
ゆず「あたし…」
ゆず「……」
ゆず「芽衣…」
ゆず「この間はごめん」
ゆず「いろいろと、家事疎かにし過ぎた」
ゆず「でも、まだ芽衣と一緒にいたい」
ゆず「だから、一緒にいれないかな」
ゆず「家事とかも、ちゃんとするから」
めい「……ゆず」
めい「えぇ。私からもお願いするわ」
ゆず「芽衣…」
はるみ「やった」
まつり「ふっ、応援した甲斐がありましたね」
めい「でも何か勘違いしてないかしら」
ゆず「えっ?」
めい「最近の事といい、こうして人を呼んで集まってるのを見ていると、何かこのようなことを招くようなことをしたかしらと、不思議に思うわ」
ゆず「えぇ、だってこの前芽衣が男の人と歩いてるの見かけたから、てっきり、芽衣がその人と仲良くなっちゃったのかと」
めい「私は現場担当の仕事で仕事担当の人と現場を出歩いていただけで、何もしてないわ」
めい「たしかに最近、慣れない仕事をして疲れていたけど、誤解を招いたなら私にも問題はあるかもしれないわね。ちゃんとゆずに話せていなかったことは謝るわ、ごめんなさい」
ゆず「なんだ、そうだったのか、ほっとしたぁ」
はるみ「なんだ、心配してたのはあたしらだけだったってことか。まっ、無事ならいっか。あたしはほっとしたよ」
まつり「私たちは平常運転だったみたいだね」
ゆず「せっかくのところ悪いんだけど、今からうちでパーティしない?」
はるみ「私は別にいいよ、ひなまつりの予約キャンセルはできるからさ」
まつり「私も別に~」
めい「ひなまつり?」
ゆず「そうそう、芽衣にはまだ話せてなかった」
ゆず「私たち、ひなまつりをしようと思って最近話してたんだけど、ずっと芽衣には話せてなくて、芽衣も一緒にどうかな」
めい「いいわよ」
はるみ「ひゃっほーい」
まつり「もう、ひなまつりなんだからあまり騒がないでください」
ゆず「あはは」
ゆず「…あぁでもまだ少しほっとしてる」
めい「柚子」
ゆず「芽衣?」
めい「まだ落ち着かないの?」
ゆず「うん、ちょっとだけ…」
めい「じゃあ私からも何か言わないと、清算できない?」
ゆず「…?」
ゆず「芽衣?」
めい「これ」
ゆず「これは…」
めい「昨日帰りに買ってきたの、昨日渡すつもりだったのだけど渡しそびれて。今お渡しするわ」
ゆず「わぁ、ありがと芽衣!」
ゆず「そうだ、私からも芽衣にプレゼントがあるんだ、これ、はるみんと出かけた日に買ったんだ」
ゆず「じゃじゃーん!」
めい「ふふ。ありがとう。今日はいい1日になったわ」
はるみ「ひなまつりだ~」
まつり「わ~い」
完
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