(事務所)
美波「プロデューサーさんに膝枕をしてもらうわよ! 夕美ちゃん!」カッ!
夕美「プロデューサーさんに膝枕をしてもらおうね! 美波ちゃん!」カッ!
2人「「やるよ!」」ガシッ!
文香「おはようございます……美波さん……夕美さん……普段の浅ましさ全開の願いと比べて……今日は随分とハードルを下げてきましたね……」ヒョコリ
美波「おはよう文香さん。今回の私たちは堅実さが売りなのよ」
夕美「おはよう文香さん。今回の私たちは確実な勝利を狙いにいくんだよ」
文香「ふむ……なるほど……目的が明確であることはわかりましたが……どうして数ある行為の中で膝枕を選んだのか……教えていただけますか……?」
美波「もちろんよ。あれは昨日のことでね……」
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(昨日・事務所)
P「お前は可愛いなぁ。よーしよしよしよし」ワシャワシャワシャ
芝犬「へっへっへっへっへっ」
コソリ
美波「(どうして芝犬が事務所にいるのかしら。夕美ちゃん)」ヒソヒソ
夕美「(取引き先の社長さんの犬だよ。優秀な人なんだけどすっごい愛犬家で仕事中も一緒。会議中だからプロデューサーさんに預かってもらってるんだってさ)」ヒソヒソ
美波「(世の中には変な人がいるわね)」ヒソヒソ
夕美「(だね)」ヒソヒソ
美波・夕美「「(まあ、それはさておき……)」」
P「あー、可愛い。よーしよしよしよし」ワシャワシャワシャ
芝犬「へっへっへっへっ」
美波・夕美「「(羨ましい……っ!)」」ギリギリ
(現在)
美波「芝犬だったのよ! プロデューサーさんの膝の上に頭を乗せて仰向けになっていた! 芝犬だったのよ! おのれ芝犬!」カッ!
夕美「芝犬だったよ! 芝犬なのに私たちを差し置いて膝枕だよ!? おまけにお腹を撫でられてたし! ずるいよ芝犬!」カッ!
文香「まさか嫉妬対象がワンコだとは……」
美波「許すまじ芝ドッグ」
夕美「ばんしに値するよ!」バ-ン!
文香「私が言うのもなんですが……そこは張り合わずとも良いのでは……?」
美波「でも文香さん! 文香さんだってされたいでしょう! 膝枕を!」カッ!
夕美「そうだよ文香さん! 文香さんは膝枕されたいと思わないのかな!」カッ!
文香「……」
美波・夕美「「どうなの!!」」ズイッ
文香「……」
文香「……されたいです」グッ
2人「「だよね!」」
美波「というわけで。今回はプロデューサーさんに膝枕をしてもらうわよ!」カッ!
夕美「してもらおう!」カッ!
文香「……レッツ膝枕」クワ-
(しばらくして)
美波「ではいつものように会議を始めます。今回の議題は『プロデューサーさんに膝枕をされるためにはどうしたらいいのか』です。よろしくお願いします」ペコリ
夕美・文香「「よろしくお願いします」」ペコリ
美波「今回は目的が決まっています。なので議題は目標達成のための手段が中心になります。夕美ちゃん、文香さん。何か意見があれば挙手をお願いします」
夕美「はい!」ピッ
美波「どうぞ」
夕美「プロデューサーさんに睡眠薬を盛れば簡単に膝枕してもらえるよ!」バ-ン!
文香「ふむ……それはグッドアイディアですね……冴えていますね夕美さん……」
夕美「えへへ〜。でしょ〜♪」ニコニコ
美波「そうね。私も素敵で素晴らしい提案だと思うわ。でも夕美ちゃんはプロデューサーさんの膝に頭を乗せるだけでいいのかしら」
夕美「うん? どういうことかな?」
美波「確かに薬で眠らせればプロデューサーさんの膝に頭を乗せて寝ることができるわ。でもプロデューサーさんが眠っていたら膝枕中に頭を撫でられるようなオプションが一切期待できなくなってしまうのよ」
夕美「!」
美波「もちろんプロデューサーさんの膝の上に頭を乗せて寝るだけでも幸せよ。でもほっぺをプニプニしてもらったり、髪を撫でられたりしたらもっと幸せな気分になれると思わないかしら」
夕美「思う!」バ-ン!
文香「素晴らしいです……危うく安易な手段に飛びついて膝枕を堪能する機会を失うところでした……さすが我らが痴……知将……美波さんです……」パチパチパチ
夕美「頼もしいよ! 美波ちゃん!」パチパチパチ
美波「ふふふ、ありがとう。それはそうと文香さんはいま痴将って言いかけたわね。聞き逃さなかったわよ。私は聞き逃さなかった。痴女の痴で痴将って言いかけていたわ」
文香「き、気のせいです……それよりも膝枕をしてもらうための議論を進めていきましょう……」キョドキョド
美波「そうね。文香さんの処遇は後に決めるとして本題に戻りましょう。薬に頼らずに膝枕をしてもらう方法として何かアイデアはあるかしら?」
文香「はい……」ピッ
美波「どうぞ文香さん」
文香「さりげなく……ごく自然な流れで膝枕をしてもらうというのはどうでしょう……?」
美波・夕美「「さりげなく?」」
文香「プロデューサーさんは……仕事の休憩中は事務所のソファに座っています……第1段階として……我々はそのタイミングでプロデューサーさんの隣に座るのです……」
夕美「私はプロデューサーさんを見つけるたびにいつも隣に座ってるよ♪」ハイッ!
美波「私も♪」ハイッ!
文香「私もです……ここは難なくクリアできそうですね……」
夕美「第2段階は?」
文香「第2段階は……そのまま……身体を傾けて膝枕です……」キラ-ン
美波・夕美「「!」」
文香「ふふふ……難しいことは何もありません……突然アイドルが横になったとして……プロデューサーさんは拒否をするでしょうか……いいえ……プロデューサーさんならば『まあいいか』と許してくれるはずです……そうなれば後はフィーバータイム……存分に膝枕の寝心地を楽しむことができます……」
夕美「す、すごい作戦だ……!」
美波「小細工抜きの攻めは盲点だったわ。画期的なアイデアね!」
文香「いかがでしょう……この作戦は……」
夕美「賛成!!」バン!
美波「採用!!」バン!
文香「では……明日、早速トライしてみましょうか……」キラ-ン
美波・夕美「「やろう!!」」
(次の日)
【12:30】
美波「(さて……いつもならこのくらいの時間にプロデューサーさんは休憩に入るはずよ……)」コソリ
夕美「(そうだね。早くこないかな♪)」ソワソワ
文香「(ところで……最初に誰が膝枕を堪能しますか……?)」
美波・夕美「「それはもちろん私ーーー」」
美波「ん?」
夕美「え?」
美波「まず私よ」
夕美「いやいや。私だよ?」
文香「……いえ、作戦立案者は私なのですから……私が最初の膝枕にふさわしいでしょう……」
美波・夕美「「ああん!?」」ガタッ!
文香「当然の権利だと思います……」キラ-ン
美波「待ちなさいBOOKOFFの古本。それはフェアじゃないわ」
夕美「そうだね。ずるいよ」
文香「ほほう……お二人とも……功績を残した人間に対して……敬意を払わないとおっしゃるのですか……?」
美波「それとこれとは話が違うわ!」カッ!
夕美「違うよ! 最初は私だもん!」カッ!
美波「それも違うわ。私よ!」
夕美「美波ちゃんは何もしてないじゃん!」
文香「してませんね……しかしひまわりも同じですよ……」
夕美「私は存在するだけで人類の役に立ってるから!!!」バ-ン!
文香「なんたる自己肯定感の塊……」
美波「思い上がりが甚だしいわね。そこで『待て』をしてなさい」ハッ
文香「美波さんもですよ……」
美波「わ、私がいないと議論がまとまらないじゃない! 私がいてこそのグループよ!?」
文香「思いあがるな……広島……」クワ-
美波「ひ、広島を馬鹿にしたわね!? こ、このぉー!」ペチペチペチ
文香「ぬぅぅ……暴力とは穏やかではありませんね……応戦です」ペチンペチンペチン
夕美「むぅー!」パシパシパシ
ギャ-ギャ-!!
ワチャワチャ!!
P「(またなんか騒いでんな。あの清楚たち……)」
カチャッ
柚「あ、プロデューサーサンだ。休憩入ったんだねー♪」ニコ-
P「お疲れ様。柚。午前中ずっとデスクワークで肩凝っちゃったよ」コキコキ
柚「ふーん。だったら柚が揉んであげよっか♪」ワキワキ
P「お、いいの?」
柚「もちろん。マッサージの魔術師と呼ばれたアタシにどーんと任せたまえ♪」モミモミ
P「ありがとう。あー……気持ちいい」
柚「お客さん随分と凝ってますね(裏声)」モミモミ
P「毎日アイドルたちに振り回されてますから……」
柚「それは大変ですね。よし、あとで喜多見柚ちゃんを膝枕してみてください。きっと肩こりもすぐ治りますよ(裏声)」
P「膝枕で治るかなぁ」
柚「必ず治りますよ(裏声)」
P「よーし。ならやってみようか。カムヒア」
柚「わーい♪」ゴロ-ン
P「あ、なんか癒される」
柚「でしょ♪」ニマニマ
P「ほれほれ」プニプニ
柚「ンモー、ほっぺプニプニつつかないでよ〜♪」ニコニコ
キャッキャッ♪
美波「私が最初!」パシパシパシ!
夕美「私だよ!」パチンパチン!
文香「……私です」スパ-ン!
ギャ-ギャ-!
ワ-ワ-!
(1時間後)
3人「「「……」」」クッタリ
美波「……くだらない喧嘩をしてる間に……休憩が終わっていたわね。プロデューサーさんもいなくなっちゃったわ」シュ-ン
夕美「うぅ……しかも気付いたら柚ちゃんが膝枕されてたし……羨ましい……羨ましいよ……」シクシクシク
文香「得るものは何もありませんでした……やるせないです」ドンヨリ
3人「「「……」」」ハァ
美波「……2人とも。もう喧嘩をするのはやめましょう」
夕美「……うん。そうだね」
文香「賛成です……互いにいがみあっていても百害あって一利なし……協力していきましょう……」
美波「ええ! 今後は抜け駆け禁止! 3人で力を合わせて膝枕をされましょう!」カッ!
夕美「やろう!」カッ!
文香「やりましょう……」キラ-ン!
3人「「「プロデューサーさんに膝枕をされよう!!!」」」ガシッ!
美波「そうと決まれば切り替えね。まずは計画の見直しをしていきましょうか。さっきの問題点はなんだったかしら?」
夕美「はい」ピッ!
美波「どうぞ。夕美ちゃん」
夕美「プロデューサーさんに膝枕される順番を決めなかったことだよね!」
美波「その通り。でも仮に順番を決めていたとしても私たちは喧嘩をしないで済んだのかしら?」
夕美「うん? 先に決めておけば喧嘩はしないんじゃないの?」
文香「……いいえ……それは見通しが甘いと言わざるを得ません……浅ましい我々のことですから……恐らくは『美波さんの方が10秒長く膝枕をしてもらっていた』だの『頭を撫でてもらっていない』だの……膝枕をしてもらった後で細かい不満をぶつけあい……互いに理想の膝枕を求め合う膝枕戦争が勃発していたことでしょう……」
夕美「膝枕戦争」
美波「私もそう思うわ。今は『そんなことしない』と心から思っていても、きっと私たちは喧嘩をするのよ」
夕美「そ、そんなことないと私は思うよ! いざという時の私たちは一致団結して心を1つに……!」
美波「本当に、そう思う?」
夕美「……」
夕美「モチロンダヨ」
美波「じゃあ例えば、ある密室に夕美ちゃんとプロデューサーさんが閉じ込められているとしましょう。扉の外には私と文香さん。プロデューサーさんが『抱きついていいよ』って言ったら夕美ちゃんはどうするかしら?」
夕美「抱きつくよ!」バ-ン!
美波「ほら」
夕美「ごめん。私たちはいつだって戦争をする仲だったね」キッパリ
文香「もっとも……逆の立場であれば私も美波さんも抱きつくでしょうから……非難はできません……ここで大切なのは現実を直視することです……」
美波「そう。私たちは浅ましい。これを前提にした性悪説の考え方で計画を立てるべきよ」
文香「渡る世間は鬼ばかり……世の中に善意があると信じたり……誰かに善意を向けたりするのは個人の自由ですが……他者に善意を求めてはいけないのです……」
夕美「私。事務所の冷凍庫に限定アイスが入ってたらこっそり食べちゃうよ。ワルだもん!」フフン!
美波「私もよ。友達の家に泊まる時、ちょっといいシャンプーもコンディショナーも遠慮なくガンガン使うわ。ワルだもの!」ドン!
文香「私もです……貸出期間を過ぎた本であっても……借りた図書館が遠くて返却するのが億劫に感じたら……1、2週間ほどは放置します……ワルですから……」ニタリ
夕美「私たちは悪だよ!」バン!
美波「悪ね!」バン!
文香「邪悪と言っても過言ではないでしょう……フハハハ……」クワ-
美波「ではこれを踏まえた上で私たちはどのようにプロデューサーさんに膝枕をしてもらったらいいのかを考えましょう」
夕美・文香「「合点!」」
美波「では次に進みましょう。計画で重要なのは3人の公平性を保つことです。きっちりと秒数を計測したり、まったく同じ体験をすることは難しいから3人が『フェアだ』と納得できるような方法が望ましいわ」
夕美「プロデューサーさんが3人いたらいいのにね。そうしたらみんなで心置きなく膝枕してもらえるのに」ウ-ン
文香「……志希ちゃんや晶葉ちゃんを頼ってみますか?」
美波「確かにあのマッサイ(マッドサイエンティストの略)たちなら『プロデューサーさんが分身する薬』だとか『アンドロイドプロデューサーさん』を発明してくれるかもしれないね」
夕美「名案かもね!」
文香「そうと決まれば善は急げ……電話をしてみましょう……」
ポピパピ...トゥルルルルル...ピッ!
ハロ-マッサイ
カクカクジカシガデキマスカ?
志希『ごめん。アタシでも分身はちょっと難しいかなぁ』
ポピパピ...トゥルルルルル...ピッ!
ハロ-マッサイ
カクカクジカシガデキマスカ?
晶葉『金もかかる。時間もかかる。すまないが今すぐにとはいかないな』
ピッ
文香「とのことです……プロデューサーさんを増やす方法は現実的ではありませんね……」ム-
美波「うん。仕方ないわ」
夕美「困ったなぁ。頼りにしてたのに……」ウ-ン
文香「具体的な方法ではないのですが……膝枕の順番に関して案を一つ考えました……」ピコ-ン
美波「何かしら。ぜひ聞きたいわ」
文香「目隠しです……3人に目隠しを装着して……プロデューサーさんに膝枕をしてもらうのです……そうすれば誰がどれくらいの時間を膝枕されているかはわかりません……いがみ合いや争いは失われます……」
美波「なるほど」フム
夕美「でも目隠しをしてる私たちにわざわざプロデューサーさんが膝枕してくれるような状況なんてあるのかな?」
美波「そうね。そんな状況は作れるはず……あっ、閃いたわ!」ピコ-ン!
文香「閃きが早いですね……」
夕美「どんな方法なのかな!」
美波「晶葉ちゃんの力を借りるのよ。まず地下室を『無言のまま3人のアイドルを膝枕しないと出られない部屋』に改造してもらいます。そしてプロデューサーさんをおびき寄せる。私たちは目隠しを装着して待機する。これでプロデューサーさんが膝枕をせざるを得ない完璧なシチュエーションになるわ!」カッ!
夕美「す、すごい! 完璧な作戦だよ! 美波ちゃん!」パチパチパチ
文香「やはり頼りになるのは美波さんです……よっ大統領……よっ痴将……」パチパチパチ
美波「ふふふ。ありがとう♪ でも2度はないわよ文香さん。許さないわよ文香さん。誰が痴将なのかしら」ガシッ
文香「ちょ……待っ……ぐぅぅぅっ……ぐぅっ……ぎ、ギブです……き、キマってますぅゔぅぅ……」バタバタバタバタ
夕美「たいへんだ。文香さんにプロレス技がかけられちゃってる」
美波「おらァァァッ!」ギリギリギリ
文香「ふ、ふみぃぃっ……っ……!」バタバタバタバタ
(しばらくして)
ポピパピ...トゥルルルルル...ピッ!
カクカクジカシガデキマスカ?
晶葉『まかせろ楽勝だ! すぐに取りかかろう!』
ピッ
美波「というわけで作ってもらえることになったわ♪」ニコニコ
夕美「やったぁ! これで膝枕してもらえるね♪」ニコ-
文香「やりましたね……これで作戦は完璧です……たどり着くまで長かったですね……」ジ-ン
美波「そうね。でも後は待つだけ。私たちの苦労は報われるのよ♪」
夕美「2人とも!」ガシッ!
文香「美波さん……夕美さん……」ガシッ
美波「やったわ!」ガシッ!
アハハハハ♪
トゥルルルルル...トゥルルルル...
美波「あ、電話だわ。もしもし。みなみです」ピッ
晶葉『頼まれていたものが完成した。地下室に集まってくれ』
美波「早すぎないかしら!?」ガ-ン!
夕美「すごいね晶葉ちゃん。驚きのあまり美波ちゃんが何の面白みもない淡白なツッコミをしてるよ」
文香「たまには良いではないですか……さ、行きましょう……」
(5分後)
トコトコトコ...
3人「「「こんにちはー」」」
晶葉「よく来たな。ポンコツたち!」
美波「ふふふ。恥ずかしがらずにお姉ちゃんって呼んでもいいのよ♪」
夕美「私も夕美お姉ちゃんって呼ばれたい!」バ-ン!
文香「……私は先輩呼びを所望します」キラ-ン
晶葉「そういうところだぞ。まあいいとにかく私の発明品を見てくれ! 我ながらいい出来なんだ!」
【膝枕しないと出られない部屋】テテ-ン!
美波「ありがとう。晶葉ちゃん♪」ニコニコ
夕美「これで夢の膝枕タイムを満喫できるよ♪」ニコニコ
文香「ありがとうございます……心より感謝しています……♪」ニコ-
晶葉「気にするな! それで報酬についてだが……」
美波「ええ。晶葉ちゃんにはプロデューサーさんの家にあったAlexaよ。これに細工をすればプロデューサーさんの行動データを収集できるわ」
晶葉「ほほう。これは良いものだ」
夕美「改造し終わったら私たちがプロデューサーさんの部屋に戻しておくからね♪」
晶葉「助かるよ。ところでお前たちはどうやって助手の部屋に」
文香「……」チャラリ...クイクイッ
晶葉「理解した。ピッキングだな」
美波「最近、みんなでピッキング教室に通ってたの」
夕美「私たち準一級の資格を持ってるんだ!」エッヘン!
文香「筋が良いと先生に褒められます……このまま順調に進めば怪盗の資格も取得できるようです……」
晶葉「私も相当だがお前たちも大概だな。まあいい。あとは好きにしろ。説明だが、最初に部屋に入った者が『膝枕をする側』に設定されるようになっている。もしも膝枕を望むならまずは助手を部屋に入れるんだな」
3人「「「はーい」」」
晶葉「では私は失礼する。このAlexaを徹底的にイジらねばならないからな♪」トテトテトテ
3人「「「ありがとう晶葉ちゃん」」」
バイバ-イ!
美波「よし! あとはプロデューサーさんを閉じ込めるだけよ!」カッ!
夕美「そうだね! おびきよせよう!」カッ!
文香「楽しみです……」キラ-ン
3人「「「レッツ膝枕!!!」」」ガシッ
(しばらくして)
P「……何なんだろう。美波から来たこのメッセージは」
【地下室にマンモスがいます。見に来てください】ド-ン
P「こんなの気になるに決まってるじゃねえか。おっと……この部屋か」
カチャッ
P「……マンモスは、いないな。でもなんだここ? カウチやらソファやらベッドやらが置いてあるけど……」
P「おーい美波。いないのかー?」キョロキョロ
バタン!
P「!?」
美波「ようこそ我々の領域(テリトリー)へ……」フフフ
夕美「もう逃げられないよ!」バ-ン!
文香「お覚悟を……プロデューサーさん……おっと……」ヨロヨロ
美波「だ、大丈夫かしら!? 文香さん!?」オロオロ
夕美「目隠ししてるから見えないけど怪我してない!?」オロオロ
文香「へ、平気です……足元が見えなくてつまづいただけですから……」ヨタヨタ
P「……」
P「なんで3人とも目隠ししてるの?」
美波「話せば長くなります」キリッ
夕美「要点だけ話すね。プロデューサーさん。ここから出るためには私たち3人を膝枕しなきゃダメなんだよ♪」ニコ-
文香「ついでに膝枕をしている間は無言でなければいけません……誰を膝枕しているかは他の2人には知られてはいけないのです……」
P「なるほど。意味がわからない」
美波「わからずともわかってください!」カッ!
夕美「さあ!」カッ!
文香「膝枕を……」キラ-ン
P「……」
P「はぁぁぁ……」
美波「た、ため息ついてます!?」
夕美「ゆ、柚ちゃんには膝枕してたのに!」
文香「不公平です……」ブ-ブ-
P「なんていうかね。反応に困る」
美波「こういうのは考えたら負けですよ」
夕美「私もそう思う」
文香「心のままに……カモン……」
P「よぅし。わかった。お前たちに膝枕していくぞー。覚悟しろー」ワ-
3人「「「やったー♪」」」ワ-イ
キャッキャッ♪
(後日)
美波「膝枕。最高だったわね♪」ニマニマ
夕美「そうだね。頑張って計画を練った甲斐があったね♪」ニマニマ
文香「これまでにない充実感です……またしてもらいたいものですね……♪」ニマニマ
美波「また地下部屋に閉じ込めちゃおうか♪」
夕美「うん! やろう!」
文香「やりましょう……何度でも……♪」
テロリンッ
美波「あ、プロデューサーさんからメッセージ……」
P『地下部屋は封鎖したぞ。今回は見逃すけどあそこは物置だから勝手に改造するな』
3人「「「」」」
【しばらく悲しみにうちしがれてた】
終わり
おまけ
P「……」
美波「膝枕……♪」ゴロ-ン
P「せい」クイ-
美波「きゃっ。もうっ、耳たぶを引っ張らないでください♪」ニマニマ
P「ははは」
美波「幸せ……♪」クテ-ン
夕美「美波ちゃんが膝枕してもらってるだけのシーンだなんて需要ないよ!」カッ!
文香「そうだそうだー……引っ込めタレ目ー……田舎に帰って広島焼きでも焼いてろー……」ヤ-イ
美波「部外者は黙ってて!!!」カッ!
P「そろそろやめていい?」
美波「あと5分だけお願いします!」ガシッ!
おまけ
P「Alexa。テレビ付けて」
Alexa『はい。池袋晶葉様の番組ですね』
P「いやそうじゃなくて。ドラマが始まるから日テレに……」
Alexa『池袋晶葉様が出演しているドラマですね。検索します』
P「いやだから今からやるドラマが観たいんだよ」
Alexa『池袋晶葉様の……』
P「あのマッサイ俺のAlexaになんかしやがったな!?」ガ-ン!
【後日、ちょっと強めに叱られた】
終わり
以上です。
お読みいただきありがとうございました。
Pをおびき寄せるためのメッセージでマンモスを使うことを閃いた時は自分が天才じゃないかと思いました。「マンモスがいるよ」なんて言われたら誰だって見に行くでしょう。見に行きません?
それはさておき。前作の投稿から約1ヶ月経ち、その間に色々なことがありました。スマブラSPでヨッシーに目覚めたり、ポケモン8世代が発表されたり、「やったことないけどFEとシレン買ってみるか」と決意したり、「お前」呼びのメイドと吸血鬼が現れたりと盛りだくさんです。トレンドが絶え間なく移り変わっていました。
特に話題になっていたのは新人2人の件。初っ端から声がついていたということもあり賛否両論あったような気がします。が、僕は「可愛いからいいべ」と歓迎の立場です。口の悪い(ポンコツ)メイドとそれを温かい目で見守るお嬢なんてディスる要素がないでしょう。そのうち千夜のSSは書く予定です。
ぐだぐだと書きましたがこれで今回はシメます。
今回は期間は開きましたが大体隔週を目安に投稿していく予定です。では
柴犬な
柴犬だからな
柴犬だからなぁ!?
ゾイドマンモスがいるだけとかなら……
乙
この柴犬、黒くて夕美Pだったりしないか?
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