元勇者「役目も終えて暇だから孤児院開いて安価でグダグダ過ごすぞ」 (95)

これまでのあらすじ


百年にも渡る人類と魔族の戦争は、一人の勇者の活躍によって終結した!

魔王は死亡し、魔族が支配していた土地を人類は取り戻した。

しかし!人類が勝利したことによって、改めて人類の愚かしさが白日の下に晒されることになったのだ!

護り続けてきた者が、今まで殺めてきた者よりも醜悪だと知った時、勇者は絶望した。

そして、悪意の凝縮体である王族たちを、勇者は殺めてしまった!

王族虐殺事件の真相は闇の中に消え、勇者は一人寂しく暮らしていた。

暇すぎてしょうがなかった勇者は街の求人広告を見て、思いついたのだ!

「そうだ、孤児院を開こう」

これは、そんなやべーやつのぐうたら孤児院経営物語である。


☆ルール

んなもんねーよ!好きに生きりゃいいんだよ上等だろ。

↓1、2に孤児の面倒を見てくれるシスター枠
↓3~5に迎え入れる孤児枠

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1556507637

魔王の孫娘

コミュ障で常にオドオドしている娘

内気でいつも本を読んでいる大人しい子

炎の四天王と氷の四天王の子供
能力を制御できない

孤児に姿を変えた神

書き方が悪かった気がする。この募集ではレス毎にキャラを募集する感じです。

主人公は名無しで行きますが、それ以外はそうは問屋が卸してくれませんのでお名前を頂きたく。
レス主が名前を決めてください。しばらく待って来なかったら、その時は安価で決めます。

アルセナ

>>6
デウス

>>4
ミラ

アルト

>>6
やっぱテオで

最終的に魔王(カオス)も王族(ロウ)も皆殺し……
つまりニュートラル勇者か

>>2
アルファウス
アルでいいアル

シスター枠
魔王の孫娘…アルファウス
コミュ障オドオド娘…アルセナ

孤児枠
内気本好き女の子…ミラ
炎と氷の四天王の子供…???
孤児に化けた神(男)…テオ

ざっとまとめるとこんな感じ。>>11はID違うので除外。
以上を踏まえてもう一度名前募集。
四天王の子供の名前を↓1に。決まったら書いていきます。

安価取ったのおれじゃないけどそれでいいなら
ローア

勇者は掲示板にチラシを貼り付け、孤児院として利用する教会に向かう。

とは言っても、某瞬間移動魔法を唱えるだけで済むのだが。魔法ってホント便利。

自宅は更地にし、態々街から離れた場所に建っている教会を自費購入した。余計な干渉を受けるわけにはいかないのだ。

「サイズは合ってるようだな。いい仕事をしてくれた」

孤児院だが、一応教会も兼任している形であるため、牧師服の着用は義務だ。立場上、神父でもあるし。

袖を通し、勇者は満足そうに頷く。よもや、嘗て世話になった神父に自分がなろうとは。

何より、満足したのはそのカッコよさだ。軽鎧も悪くはなかったが、ただそこにいるだけで様になる牧師服には負ける。

「近くの街全部に貼ってきたから…。明後日には結果が分かるだろ」

大欠伸をし、勇者はベッドに身体を預ける。仮初めではあるが、平和な世界。

その尊さをぼんやりと感じながら、眠りについた。

翌日。早朝だというのに、乱暴に玄関を蹴る音が聴こえてくる。

ここは勇者の家なるぞ。無礼を働くとはいったい何者の仕業だ。

寝惚け眼を擦りながら扉を開ける。そこにいた人物に、勇者は驚愕した!

「ふっふん。来てやったぞ、勇者!」

「…お嬢様。流石に無礼だと思います」

「む。ローアの顔の方が無礼だ!」

嘘だと信じたかったが、そこにいたのは魔族だった。見間違えるはずもない。

一人は魔王に連なる血筋の者で、もう一人は決戦時に殺めた四天王の面影を残している。恐らく子孫だろう。

何故、ここに。もしや、敵討ちに来たのだろうか。虚空から片手剣を取り出し、勇者は構えた。

「ストーップ!妾は戦いに来たのではない!お主の手伝いに来たのだ!」

「はい~!?敵対関係の人間を助けるなんておかしくないですか~!?っていうか助けるってなんですか~!?」

「孤児院を経営するのだろう!?そのお手伝いに決まってるではないか!」

「…オーケー。一旦落ち着こう。茶を出すから入ってくれ」

「焦っていたのはお主だ馬鹿者」

年上に向かって馬鹿とはなんだ馬鹿とは。

「お主より長生きしているが」

なん………だと………?

安物の紅茶を淹れ、来客たちに振る舞う。苦情は一切受け付けませんので悪しからず。

「…しかし、哀れなものよな。世界を救った英雄が、こんな辺鄙な場所で孤児院を設立するなど」

「はっ…。小馬鹿にしに来たんなら、お引き取り願うが?」

「そのつもりはない。手伝いに来た、と言っただろう。務めを果たすまでは帰れんさ」

「魔王様の指示ですから」

あのアマ、生きてやがったのか。首を落としてバラバラにしたのに。

「お祖母様の命とあらば、妾も断れん故な」

「…まぁ、戦争は終わったんだ。魔族がどうとか、どうでもいいや」

「そこの…名前なんだっけ。四天王の隠し子的なやつは何のためにここに?」

「…私はローアです。能力の制御が出来ないので、勇者様のご教授を受けに参りました」

「…というのは建前でな。ローアも孤独な身なのは分かっているだろう?それはあまりにも可哀想でな」

「あー…。なるほど」

もしかしたら、寝首を掻かれてお陀仏になるかもしれん。

「お嬢様、冗談はお止めになってください」

「冗談だが、冗談ではない。力の制御は習得してもらうつもりではあるが、友を作ってもらうつもりでもある」

「…私には必要ありません。お嬢様さえいれば、それで」

「…というやつだ。つまらん女だが、仲良くしてやってくれよ。勇者よ」

「んー。俺は別にいいが、こいつがどうか」

「分別は弁えています。お気になさらず」

良く出来た子だと感心しながら、紅茶を飲み干す。砂糖が無いとそこまで美味くないな。

「…おぉっと。自己紹介がまだだったな。妾はアルファウス。気軽にアルちゃんと呼んでくれ」

「…ちゃん?さんの間違いだろ年上」

「ふっふっふ…。魔族の中ではまだ幼子よ!」

「さいですか。じゃあ、よろしく?アルちゃん」

「…おぉう。中々良い響きだな」

ニヘラと破顔するアルファウス。何だよ…結構可愛いじゃねぇか…。

「そういえば、だ。お主が勇者であること、他人に知られるわけにはいかないのだろう?」

「王族虐殺の件…妾たちにもしっかりと伝わっておる。事情はあれど、とんでもないことをしでかしたものだ」

「ふん…。他の国でも同じ事をやっているから意味が無いのは、解ってるさ」

「それでも、俺はそうするって決めたんだ。後悔はしてねぇから、口を出さないでくれ」

「ふっふん。妾はお主の行為を良いと思ったのだぞ。自業自得というやつだ。ざまあみろ王族共。ハハハハハ!」

会話になっていない気がするが、まあいいか。

夕方。適当に料理を用意して、酒を呷る。未成年のくせに飲むな?喧しいわ。

「妾にも一杯頼む。安物であろうと、酒は酒だ」

「ほい」

「………」

「おえっ…」

少し口を付けたと思ったら、蒼ざめた表情でそれを吐き捨てた。勿体無い。

「これ…酢になってるぞ!?」

「酸っぱいくらいで何言ってんだ。飲めたらそれでいいじゃんか」

「阿呆…。こんな不味いものを涼しい顔で良く飲めるな?こんなものを飲んだら、骨がふやけてしまう」

「酔っぱらえたらそれでいいんだよ。味なんか気にしない」

「アルコールが入っていないのに酔えるわけがない…」

「あるこーる?」

「…知らんのか」

「だって俺、学校とか通ってないし」

魔王討伐の旅に出たのが八歳の頃だ。子供だ何だと馬鹿にされたが、無視して戦い続けた。

結局、十年掛けて漸く目的を果たすことが出来た。その代償も大きかったが、今更気にしたところで喪ったものは返って来ないのだ。

しょうがなかったと、今では笑い話にしている。こんな歳で初等教育を受けるわけにもいかないし。

「…仕方ない。妾が教授してやろう」

「お前、結構お人好しだよな」

「誉め言葉として受け取っておこう。…して、妾に合う修道服は無いのか?」

「チンチクリンに合う服なんてあるわけないだろ」

「…今度、買い物に出かけるとするか」

そしてまた翌日。入所する人が決定する日が来た。誰も来ないなんてことは無いだろう。たぶん。

「待ってる間、トランプでもするか。ほれ、引け」

「…はずれですね」

「…あっ!?ババだとぉ!?」

一時間経過。

「まだ昼になってないし、これから来るだろ」

「スイーツは無いのか?」

「あるわけないだろ」

四時間経過。

「…来ませんね」

「まあ、胡散臭い男が開く孤児院など、あからさまにヤバいからな」

「…俺、そんな胡散臭い?」

「あのチラシを見る限りは」

八時間経過。

「…もう夕方なんですけど!?」

「御愁傷様です」

「食事の支度といこう。最悪、この三人で暮らしていくしかないな」

アルファウスが席を立つと同時に、扉がノックされる。蹴飛ばされないということは、マトモな人間がいるということだ。

脱兎の如く勇者は扉の前まで駆け、ゆっくりと開いた。

「はいいらっしゃい!入所する人たちですね?」

営業スマイルを浮かべる勇者。こういうのは慣れたものである。イメージ戦略が重要な時もあった。補給とか。

三人いた内の二人が頷く。一人は本で顔を隠した少女で、もう一人は自信たっぷりな少年だ。

「…んん???」

「どうしたぁ?俺の顔に何か付いてるか?」

「…気のせいか?」

どうしてか、目の前の少年が忌々しいクソ神とダブって見えた。そんなはずないよな、ハハハ。

「えーと。こっちがミラでこっちがテオ…で合ってる?」

「はい…」

「おう!」

「…んんん?????」

どこかの言葉でテオは神を表すはずだ。とんだ偶然もあるものだと勇者は呑気に思う…わけが無く。

「………」

冷や汗を流す勇者を見て、テオはニヤリと笑った。

(気付いたな?)

(ぶっ潰すぞクソ野郎)

「あ…あの…。私…子供たちのお世話に…あうぅ…」

誰にも声を掛けられない女の子は、すみっこでめそめそと泣いた。ちなみに、名前はアルセナと言うらしい。


勇者孤児院 Lv.1 居住可能人数 7名 資産???

↓1 自由安価

それぞれ自己紹介とかしてもらう

誰がどんな人か知らないまま暮らすのはどうかと思い、勇者は自己紹介するように全員に言う。

とはいえ、お手本が無いのに見ず知らずの人の前で何かが言えるはずもなく。

勇者は一肌脱ぎ、自己紹介を始めた。

「えー。俺は神父です。まあ、見ての通りのほほんとしてるんで、気軽に接してください」

可能な限りマトモっぽく振る舞った勇者。しかし、反応は芳しくなかった。

「妾はアルファウス。こう見えて、皆の世話をするシスターである」

「気軽にアルちゃんと呼んで構わんぞ」

椅子の上に立ち上がり、胸を張るアルファウス。子供にしか見えねぇな。

「し、シスターなら…次は…私ですね…」

「わ…わわ、私はアルセナ…です…。料理が得意…なので…後ほど…好きなものを教えて…いただけたら…あう…」

そこまで言ったアルセナは羞恥心に負けたのか、真っ赤な顔を俯かせる。これ以上は話しそうにない。

「私はローア。趣味も特技もありません。出来れば、皆さんもあまり私に関わらないでいただきたいです」

「またローアは~!仲良くしましょうと何故言えんのだ!」

「…出来ないからに決まっています」

無表情で言い返すローア。事情が事情だから仕方ないのかもしれない。

「…私はミラ…。好きなものは本を読むこと…」

それだけ言ったミラは深々とお辞儀をした。内気な人多過ぎない?三分の一だよ?

「トリは俺だな!俺はテオ!見ての通りか弱い子供だ!よろしくな!」

溌溂とした声で戯言を宣うテオ。お前みたいな子供がいるか。

何で魔族や神で半分が埋まっているのか。勇者は内心、頭を抱えていた。

特にテオ。お前神様だろ。とっとと天界に帰って仕事しろよ。


勇者孤児院 Lv.1 居住可能人数 7名 資産???

↓1 自由安価 もう翌日になってます

民芸品の発案と試作

共同生活が始まって最初の朝。特に事件が起こることは無かった。それが普通だが。

朝食を取った勇者は、羊皮紙を机の上に広げる。そして、他の全員を集めた。

「というわけで、第一回民芸品開発会議を始めたいと思います」

「どういうわけだ?」

「孤児院運営には金が必要だからな。一応貯金はあるが、仕事で稼いで得た金を充てた方がいいだろ」

他の孤児院でも、何かしらの産業を営んでいる場合が多い。

実を言うと、ここで使っている籠とかの日用品の殆どは、そういうものだったりする。

「でも、ここの設備で作れるものはありますか?手作業で作れるものなんて、かなり限られるでしょう」

「編み物とか…ですかね…?」

「うーん。俺が素材を集めてくれば、飾り物とかも作れるだろうが」

「素材集めか…。面白そうだ!」

「子供には任せられねえな。魔物に襲われちゃ一大事ってもんだ」

(お前、今は子供ってことを自覚しろよボケ)

(子供は好き放題出来る存在ではないのか!?)

(色々と面倒くさいんだよ。お前)

テレパシーで怒りをぶつけながら、勇者はクルクルと羽ペンを回す。意外と、考えるのも難しい。


↓1 どんな民芸品を作るか 同時にコンマで出来を判定 70以上だと翌日から販売開始

鉱石細工

「…これ…」

ミラが、本の一ページを見せてくる。そこには、鉱石を加工した綺麗な小物があった。

めっちゃむずそう。っていうか難しいに決まってるし、道具とかどうしましょ。

「鉱石細工か。ふむ…」

「ゆ…神父よ。ストックに使えそうな物はあるか?」

「あった…と思う。宝石類や水晶なら、鉱山や洞窟でよく拾ってたからな」

武器や防具を鍛えたり、資金調達をしたりで重要なアイテムだったから、それなりに蓄えていたはずだ。

いや、半分くらい売ったかもしれない。もし無かったら、また拾えばいいか。

地下倉庫から適当な物を見繕い、持ってくる。銀鉱石と水晶で良かっただろうか。

「作り方は…適当に削って、磨けばそれでいいのか?」

「さ、最初から手の込んだ物を作るのは…嫌な予感がします…」

「大丈夫大丈夫。失敗しても、痛むのは俺の懐と腹だけだから」

アルセナの予感は、見事的中することとなった。

「あっ」

「何粉砕しておる神父。…あっ」

「真っ二つですね…。わっ!?」

「火事だー!?大至急水を持ってこい!」

勇者は力加減を間違え水晶を粉々にしてしまい、アルファウスは鉱石を割ってしまう。

ローアは能力制御に失敗して、机を発火させてしまった。前途多難なんてものじゃない。

大急ぎで井戸から水を汲み、思いっきりぶっかける。水魔法なんか使えないからね、しょうがないね。

しっちゃかめっちゃかな惨状を見ながら、勇者は独り言ちる。

「もうちょい簡単なやつから始めた方が良かった」


勇者孤児院 Lv.1 居住可能人数 7名 資産 600(消費量100/Day)

↓1 自由安価

何もなくとも腹は減るのだ
皆んなの料理適正調べを兼ねてご飯作り

小火騒ぎも収束し、一息入れる。特に働いたわけではないのだが、悲しいかな。

生きている限り、腹は減るものだ。何をしていなくても、悲しくても。いや、今が悲しいわけではないのだが。

「三日前までは一人分で良かったけど、今は六人分だからなぁ。大変だわ」

「俺が手伝ってやろうか?」

椅子に座ってろ。

「妾も手伝おう。やることが無いからな」

「…丁度いい。皆で一品ずつ作ってみるか」

幸い、材料と時間だけは無駄にある。多少失敗しても問題無いはずだ。


↓1~6 作る料理 コンマが料理スキルに 勇者、アル、ローア、アルセナ、ミラ、テオの順番に判定

パスタ

カレーライス

野菜スープ

アップルパイ

サラダ

カルパッチョ

【朗報】神、メシマズ共を救う

まだだ…まだゾロ目が残っている…!↓1コンマ分アルセナに補正だぁ!

高い

ほいよ

すまない

前菜とスイーツだけ食って主食はポイーで

先述しておくと、勇者の食生活は悲惨だった。元々の産まれも悪かったのもそうだが、魔王討伐時の支援も、戦闘関連にリソースを割いていた。

故に、満足な食事をすることはあまり無かった。現地調達は勿論のこと、普通であればまず食さないであろうゲテモノですら平気で食べていた。

だから、味が多少悪いくらいであれば、気にも留めない。酒が酸化してお酢になっていようが、構わず飲むのだ。

そんな男が作る料理がマトモなわけない。現に、今勇者が作っているのは、パスタだった何かだ。

「麺を茹でて、味付けした肉を乗せて…っと」

「な…何の肉ですか…?」

「ティターントード」

「………」

勇者は、そこら辺で摘み取ってきた野草と和えた肉を無造作に乗っけていく。下処理すらしていない肉から、キツい匂いが漂う。

「スパイスがあって助かった」

「給仕の仕事ばかりで、調理を担当してはいなかったのでご容赦ください」

「ま、マトモに料理が出来るの…テオくんと私…だけ…?」

「…何で、神父様は普通のお野菜を使わないの…?」

「料理の知恵をインストールしておいてよかった」

机の上に次々と置かれていく料理。その中でも、パスタからは禍々しいオーラが放たれていた。

食事が始まる。が、アップルパイとカルパッチョは目に見えて消費されていく。

辛うじて、カレーライスやサラダ、野菜スープにも手を付けていくのだが、表情は…アレだった。

「…何で俺の作ったパスタには、誰も箸を付けないんですかね」

「こんなゴミを食うやつがおるか」

「まあ、他の人の料理に比べたら負けるけど。それでも、食えないことは無くないか?」

「食えるかっ!?」

勇者は首を傾げながら、残った料理を全て食べ尽くした。お残しは許しまへんで。


勇者孤児院 Lv.1 居住可能人数 7名 資産 600(消費量100/Day)

↓1 自由安価

全員で教会の中を掃除しよう

ベタに畑仕事の準備、芋でも植えましょ

「しかし…汚いですね。この教会」

窓の桟を指でなぞるローア。指先には、うっすらと埃が付いていた。

「先週買ったばかりだからなぁ。掃除はある程度したんだが…」

「ふむ…。我が家が汚れていると、心も休まらんだろう。大掃除といこう」

そう言ったアルファウスは袖を捲る。乙女のような柔肌が露出した。傍から見れば、魔族には見えないだろう。

「拭き掃除と掃き掃除、食器洗い…と別れないといけませんよね…」

「書庫の掃除は…任せて…」

「俺は食器を洗おう!後は任せたぞ!」

各々の役割を果たすため、一時的に分かれる。最初の大仕事が掃除とは。

戦闘以外の共同作業は本当に久しぶりで、不思議な感覚がした勇者だった。


↓1コンマが70以上で掘り出し物を発見

そういうスキル持ってろ勇者たのむ

どうやら勇者は勘が鋭いようです。↓1に何があったか。聖遺物とかのとんでもないものでも、今回はいいとワイトは思います。

未来の見える水晶玉

「荷物。荷物。荷物。…前任者は何やってんだよ」

山のように積もっている荷物を破壊しながら外に出していく勇者。案の定、放置されている物の殆どがガラクタだった。

「…うわっ。何で女の裸体が書かれてるんだ」

「『幼女受胎』…?どういう意味だってばよ」

「…何かやべー気がするから捨てなきゃ」

ゴミを入れる麻袋に、謎の本を突っ込んでいく。何で同じようなやつが数十冊もあるんですかね。

「…お?」

木箱を開けていくと、また木箱が。それを開くと、また木箱が顔を出すマトリョーシカ状態。

何度も開けていくと、最後の一つの中には水晶玉がポツンと入っていた。

「何だこれ。街にいる占い師のアレと似てるな」

「えーっと。かしこみかしこみ…」

水晶玉を取り出し、地面に置いて両手を翳す。魔力を込めると、ぼんやりと何かが映った。

「…盗賊が…この教会に入った…?」

映されたビジョンは、大雨の降る深夜に複数の盗賊が教会を襲う様子だった。

「まさか、な」

作業を止め、水晶玉を別の箱に収納する。自分は占いとか出来ないから、どうせ嘘なんだろう。うん。

そう、目にしたビジョンから目を逸らした。


勇者孤児院 Lv.1 居住可能人数 7名 資産 600(消費量100/Day)

↓1 自由安価

テオに水晶玉のこと話す

深夜。他の人が寝静まっている中、ただ一人だけは薄明かりの下で本を読んでいた。

「夜更かしは感心しないな。テオ」

「すみませーん」

小馬鹿にするように謝罪したテオ。マジでぶん殴ってやろうか。

ニッコリと微笑んだまま、右の拳を見せる勇者。血管が浮き出ているのを見て、テオはわざとらしく肩を竦めた。

「やれやれ。神様相手にその態度とは、不敬じゃあねえか?」

「…この水晶玉。お前はどう思う?」

「無視かよ。それに、そんなことを子供に訊くのか」

「お前今神様だっつっただろが」

左手の人差し指で額をぐりぐりと押す。裾から出た手は、人の手を模した金属だった。

「んなこと言ったっけな。…なんて、とぼけるのは飽きた」

「それ、『観測』の権能が宿ってるな。占い師が使うのとは訳が違う」

「…ん?同じじゃあないのか?」

「占い師が使うのは『投影』だ。複数ある未来の一部を無造作に映すだけ。つまり、外れる可能性がある。というか寧ろ高い」

「何でもかんでも映すから、そんな未来があるんだなーって参考にすることしか出来ない」

「で、これは『観測』だ。最も起こる可能性が高い未来を『観測』することが出来るんだ」

「これに映された事象は、かなりの確率で訪れる。相当策を練って、対策していれば阻止できるって感じだ」

「…一応言っておくと、占い師は訓練してるからな。だから、未来を視ることが出来る」

「素人でも同じように出来るのが、その水晶玉だ。神様謹製の超貴重品だから、大事に扱えよ」

「へーい」

とんでもない掘り出し物を見つけたようだ。やったぜ。


勇者孤児院 Lv.1 居住可能人数 7名(現在6名居住) 資産 500(消費量100/Day)

↓1 自由安価 資産が増加/減少するのは朝を迎えた時です

畑仕事

「よいしょ…っと」

木箱いっぱいに詰まった荷物を置く。中に入っているのは、種芋や穀物の種子などだ。

「…栽培でもするのか?」

「ああ。何でもかんでも買ってちゃ、金がすぐ底を突く。ある程度は自給出来ないと、な」

「農具も幾つか買い揃えた。最低限のことは出来るはずだ」

多少資金を消費したが、必要経費として割り切ろう。最悪、また魔物を狩ったりダンジョンを探索すればいい。

「これ…書庫にあった『農業のキホン』…」

「おっ…。サンキューミラ」

本を開いて何が書いてあるか確認する。

「…りん?ちっそこてい?意味分からん」

知らない言葉の雨霰に頭をやられた勇者は、無言で本を閉じた。学校に行ったこと無いんだから分かるわけないだろ!

「えっと…。『芋などを先に栽培することで、土壌に栄養を補給する』と書いてますね」

「他には『貝殻は砕いて混ぜ込むことで、肥料としての役割を果たす』とも」

「貝殻?どっかの川か海に行かないと手に入らないな」

「一先ず、この無駄にある芋を栽培すれば良いだろうな」

「畑仕事か!面白そうだなー!」

「け、怪我しないように…気を付けてくださいね…」

力仕事となれば、働くのは男連中だ。テオには馬車馬のように働いてもらおう。


資産が100減少した。

↓1コンマが50以上で収入になります。

おりゃ

お前ってどのスレでも邪魔しかしないよな糞改行

「駄目みたいですね…」

「この雑草を全て取り除かないと、何も育たないじゃないですか」

ジャングルのように茂った雑草を刈り取る勇者。戦闘で鍛えたはずの身体から、悲鳴が上がる。腰が痛い。マジ痛い。

「おぉぉぉ…腰が…」

「年寄りじゃあるまい。ほれ、もうひと踏ん張りだ」

「い゛でぇんだよ゛ぉぉぉぉ!!!」

「…筋肉の使い方が違うから、仕方ない…のかもしれません」

「ミラ!水を一杯くれないか!」

「…はい」

「えーと…。その…。神父さん、大丈夫…ですか…?」

結局、畑仕事は雑草処理だけで終わってしまった。


次回畑仕事実行時に、確定で成功するようになった。

勇者孤児院 Lv.1 居住可能人数 7名(現在6名居住) 資産 500(消費量100/Day) 昼

↓1 自由安価

もう一回畑仕事

>>57
たった一声でなぜわかる?

安価下

資産に反映するの忘れてた。


数時間の休憩を挟み、畑仕事を再開する。回復力が高くて助かった。

「えんやこーらえんやこーら」

「流石ゆう…神父だ。少し休むだけですぐ完全復活する」

「私たちは何もしなくて良かったですね」

「て、テオくーん…!そろそろ休憩しないと…」

「大丈夫だアルセナ!俺はまだまだいけるぞー!」

「…太陽が眩しい…。本が読めない…」

男二人の尽力もあって、雑草の殲滅と種植えを終了した。暫くしたら、結果も分かるだろう。

「美味い作物が出来れば嬉しいけどな」

「それは、妾たちの努力、そして運に懸かっている。今はただ、願うだけだ」

一仕事を終えた後の水は美味かった。身体に冷水が沁みるわぁ~。


勇者孤児院 Lv.1 居住可能人数 7名(現在6名居住) 資産 400(消費量100/Day) 夕方/夜

↓1 自由安価 同時にコンマ判定。70以上だと収入が100にランクアップ。69以下は収入50。

ミラと一緒に本を読んで色々と知識を得る

「ふーむ…」

梟の鳴き声と、ページを捲る音だけが聞こえる教会。その音源は勇者の読む本だった。

「分からん。聞いたことのない言葉ばっかりだ」

教本を閉じ、背もたれに身体を預ける。学の無いポンコツ頭に、専門的な知識が入っていくわけがなかった。

「やっぱり、小学校に通うべきなのかねぇ。教える側の神父が、何も知らないってのも大問題だ」

「しかし、孤児院を経営しながら通うのも…。それも大人が…。ううむ」

冷水にチビチビと口を付け、ランプの灯を消す。月明かりに照らされた勇者の髪が、白く煌めいた。

「…神父様…?もう、皆寝てるよ…?」

「大人はやることがあるからいいんだよ。そう言うミラだって、夜更かししてる」

「う…。私のことは兎も角、神父様は何をしてたの…?」

「勉強だ。つっても、こんなダメダメな頭に知識は何一つ入らないんだがな」

空になったコップを流しに置き、勇者は牧師服を脱ぐ。

「今日は店仕舞いだ。ミラもさっさと寝なさい。大きくなれませんよー」

「あ…あの…!」

ミラが、ずいっと一歩前に出る。本で隠れてはいるが、頬に赤みが差しているのは分かった。

「わ…私で良ければ…一緒に勉強する…けど…?」

目を逸らしながら、そんなことを言うミラ。クッソ可愛いんですけど。

勇者も、微笑しながらそれに答えた。

「…そっか。じゃあ、お願いするよ。隣に座ってくれ」

「う、うん…!」

トコトコと近寄り、隣の椅子に座るミラ。再度灯りを点け、仄かな光の下で本を読み続けた。

「すぅ…すぅ…」

「…寝た、か。まだ子供だから、仕方ないな」

船を漕ぐミラを背負い、勇者は子供たちの寝室に向かう。穏やかな寝息が耳を擽った。

思えば、ミラは自分と打ち解けようとしたのかもしれない。内気な子があんなことをするには、何かしらの理由があったはずだ。

「…駄目だね俺は。子供に気を遣わせるとは」

ミラを布団に移し、自室に戻る。そして、思いっきり右頬を殴った。

とんでもなく大きな鈍い音が響いたが、誰も目を覚ましていないと思う。

窓から夜空を見上げる。美しい半月が、雲の合間から顔を出していた。

「…こりゃ、明日は一雨来るかな」

勇者の推測通り、夜が明ける前から土砂降りとなった。


勇者孤児院 Lv.1 居住可能人数 7名(現在6名居住) 資産 350(消費量100/Day) 収入 50/Day 朝 大雨

↓1 自由安価

雨漏りがしたので屋根を修理することにしたが、屋根裏部屋に隠し部屋があるのを発見する

日が射さない朝。雨音で目を覚ました勇者は、牧師服を着る。

欠伸をしながら聖堂に出ると、子供やシスターたちがてんやわんやとしていた。

「ふぁぁ…。どしたー?」

「ああ…神父さん…。あれを見てください…」

「あっ」

アルセナが指差した先には、ほんの僅かな亀裂が。そこから水が滴り、大きな水溜まりを作っていた。

よく見ると、雨漏りしているのは一箇所だけではなく、そこかしこから漏れ出していた。

「うへぇ…。急いで修理しないとな。梯子はあったか?」

「あそこだ。棒で降ろさないと上がれんようだな」

「落ちたら危険だな。俺がやって来る」

「気をつけてください」

「あいよ」

勇者は釘とトンカチ、大量の木板を抱え、梯子を上っていった。

「ほいとんてんかん…と」

板で亀裂を塞ぎ、釘で固定していく。床を塞いだら次は、屋根の亀裂を塞いでいく。

数はあったが、単純な作業で済むものだったため、そう時間は掛からなかった。のだが…。

「…何だ、これ。どーして、こんなところに漆喰が?」

不自然に、一部分だけ漆喰で固められた場所があった。

人が二人ほど入りそうな箱が壁に付けられており、勇者が相対している場所だけが漆喰塗れになっているのだ。

「隠し部屋、か。こんな教会によくもまあ」

勇者は剣を召喚し、漆喰を切り取る。簡単に外れた漆喰は、闇のような何かに包まれて消滅した。

「さて、中には何があるんですかねぇ?」

ランプを片手に、勇者は中に潜入した。


↓1 何があったか。もしくは、どんな部屋か。

中央に魔法陣があり光ってる

隠し部屋に入った勇者は、ランプに灯を灯そうとした。が、その必要は無かった。

部屋の中心には魔法陣があり、それが発光していたのだ。

「魔法陣…?しかも、これ…起動準備が済んでるのか…?」

専門知識があれば、この魔法陣の稚拙さに気付ける。しかし、勇者にはそんなものは無い。

使えるか、使えないか。その判断が出来る程度だ。

「…血を垂らせば、既に組み込まれている術式が作動するのか。いったい何の術式だ…?」

こんなところに隠しているのだ。マトモなものじゃないだろう。

怖い物見たさもあるのだが、もし危険な代物だった場合は。子供たちに危険が及んでしまう。

「それだけは御免だね…。さて、どうする…」

魔法陣の前で胡坐を掻き、勇者は思案した。


↓1 起動させるかどうか。起動させる場合は、同レスと↓2でコンマ判定とかを実施。


↓1コンマ

01~10:ブービートラップ(全滅ルート)
11~50:転移術式(下記のコンマ判定)
51~99:召喚術式(↓2に召喚されるキャラを。神様以外ならまあ何でも)
00:突如流れるボス戦の音楽


↓2コンマ

01~15:魔界。ベリーハードモード。
16~50:どっかの孤島。サバイバルが始まる。
51~99:近所の街。特に問題は無い。
00:天界。勇者が神になる。

南無三!

錬金術士

南無三は、仏教語「南無三宝(なむさんぼう)」の略。 「南無」はサンスクリット語「namas(ナマス)」や、仏典に用いたパーリ語「namo(ナモ)」の音訳で、「帰命」「帰依」「信じてよりすがる」を意味する。

今更過ぎるけど早い話が「イェス」と言う解釈でー…

どんな錬金術師なのだよ(困惑)

↓1に特徴とか名前(無くてもいい)とか

どんな錬金術師なのだよ(困惑)

↓1に特徴とか名前(無くてもいい)とか

眼鏡の知的美人だが、ロマンを追い求め過ぎて、常識を犠牲にした女性
名前はマイナ

>常識を犠牲
あっ…料理担当増えないみたいっすね…

連投なってた。エラーほんとひで。


「…まずは、これがどういうやつか確かめないとな」

試しに軽く触れてみる。パチッと音を立て、勇者の腕を弾いた。

「罠ではない、か。単純に魔力の干渉で反発しただけだな」

「それに、魔法陣が動き出した。最初から動いてるのは『転移』か『召喚』のどっちかだが…」

『転移』の場合は、魔法陣内のもの全てを飛ばす都合上、膨大な魔力を要する。

そのため、目も開けてられないほどの光量になる。だが、目の前のものはそこまで光っていない。

状況証拠しか無いが、そこから推測するにこの魔法陣は『召喚』だ。

「…なら、起動しても問題無いな。余程の化け物が来ない限り、殺せるし」

剣で指を軽く斬り、一滴の血を垂らす。血が魔法陣全体に広がっていくが、血の容積を考えるとあり得ないことだ。

…そんなことに意識が向くような男じゃないんだなぁこれがぁ。

「うおっまぶしっ」

剣を構えるのも束の間。一瞬だけ魔法陣が輝く。そして、僅かな衝撃波が発生する。

部屋中を微震させ、魔法陣は消滅した。その渦中には。

「…あら?実験の途中に意識が無くなったと思ったら…。ここはどこかしら?」

「うーん、重大事故!」

何故人間が召喚された。こういうので呼び出されるのって悪魔とかそんな感じのやつじゃないのか。

「そこのお兄さん?」

「ほい」

「ここはどこ?」

「ホニャララ街の近くの教会兼孤児院です」

勇者の返答を聞いた女性はうんと頷き、胸元から取り出した結晶を踏み砕いた。厭な予感しかしねぇ。

「これで良し。じゃあ、ここに住ませてもらうわね」

「ちょっと待てや。今何したんだオイ」

「実験場を爆破しました♪これで証拠は全部消えて無くなったのです…!」

「資料は全部頭の中に入ってるので情報漏洩を防ぐ意味でも施設を完膚なきまでに破壊するのは効果的だし目的自体人においそれとは言えないものだから寧ろ不測の事態に備えて対策をしてない方が脳に異常があると思われてもしょうがな」

「はいストップ。言葉のラッシュ攻撃はやめなされ」

出会って数秒で察するイカれ具合。こいつ絶対頭の螺子何本か外れてるわ。

「…まあ、説明はしなきゃならないよな。かくかくしかじか」

「四角いムーブ…と。状況は理解出来たわ」

「じゃあ、ここで実験させてもらうわね」

「どうしよう。無性に達磨斬りしたくなってきたんだけど」

こいつ、この状況を何とも思ってねぇ。寧ろ、楽しんでる節がある。

少しでも目を離したら、絶対に子供たちやアルファウスを実験に使う。それくらいイカれてる女だ。

顔も良いのになんて勿体無い女。ふむふむ、名前はマイナか。ご丁寧に俺の顔面に書いてくれてありがとうございます。

「…マジでどうしよう」


↓1 このやべーやつをここに幽閉するかシスター枠で受け入れるか。何か別の方法でも可能。

勇者の全力で上下関係を格付けし妙な事させないようにしとこう

「…はぁ」

あまり手荒な真似はしたくないが、致し方無い。今回は不可抗力としよう。

如何にかして、この女を制御しなければならない。それが出来るほど、マトモなやつには見えないが、それでも。

子供たちに危害を加えさせることだけは、絶対にさせない。最悪、殺すことも厭わない。

「…とりあえず、あんたに警告だ。俺の指示には従ってもらうぞ」

「急にこっちに来たり、こんなことを言ったりで申し訳ないとは思ってる。だが、こっちにも護るべきものがあるんでな」

「断る、と言ったら?」

「その命の保障は出来ないな」

勇者の右眼が黒く光り、辺り一面を闇の如き何かが蠢く。片手剣も妖しく輝き、紫電を纏い始めた。

「へぇ…。面白い魔法ね」

「それに、その剣は聖剣じゃなかったかしら。伝承とは外見が異なるけれど」

「俺の説明ならしてやるよ。イエス、ノー。それ以外の返答は聴かない」

「………」

さて、この非力っぽい女はどう出るかな。


↓1コンマが51以上で普通に快諾。50以下だと教会が半分壊れて、一般人孤児やシスターに追加の判定が。

k

非常識ェ…

「…遅い…ですね…」

「神父様…。何してるんだろ…」

雨漏りが収まっても一行に戻ってこない勇者に、孤児たちは不安を募らせる。

「…何をやっているのだ。あの男は…」

「悍ましい魔力ですね…。これが、勇者様の…魔力とでも…」

「…ほー。やっぱ、人間を辞めたのか?」

人ならざる者は、常人には分からない変化を察知していた。無論、それが良くないことであることも。

「…不味いっ!」

アルファウスが吼える刹那、教会の屋根が吹き飛んだ。降り注ぐ無数の瓦礫は、アルファウスの結界に防がれる。

「げほっ…!この化け物女…!どんだけイカれてんだよ!?」

「うふ。うふふふふ。あの伝説の勇者と渡り合えてるのねぇ、私!」

マイナの服は破れ、上半身が露出している。しかし、情欲を掻き立てるようなものは無かった。

コズミックホラーな生物と同化しているような異形が、そこにはいた。相対する勇者も、右腕の皮膚が消滅していた。

「…もう、隠し事もクソも無いな」

出来ることなら、見られたくなかった。だが、もう遅い。

ならば、恥も外聞も気にすることはない。正真正銘の全力で、ぶっ殺す。

光と闇の良い所取りをした勇者の魔法は、マイナの全身を切り刻んでいく。

絶望が作り出した、勇者の魔法。それは、卑怯としか言えないもの。

「お前が光だろうと闇だろうと、この魔法は問答無用で弱点を抉り取る」

「俺がイカれたからこんな魔法になったのか。こんな魔法が生み出されたからイカれたのか。もう分からねぇけどよ」

「今はとりあえず、あんたが邪魔だ。消えろ」

光のように疾く、闇のように容赦なく蝕む、悪夢のような魔法。

「凄い、凄い凄い凄い凄い凄い!こんな魔法、初めて…!」

全身を切り裂かれ、削り取られながらも、マイナは恍惚とした表情のまま消えていった。最期まで、頭の螺子が外れていた女だった。

「…ああ。終わった」

そう、終わった。こんな光景を見て、普通の人が逃げ出さない筈も無い。

細やかな夢が崩れたのを感じながら、孤児たちの方を見る。


↓1コンマが70以上でアルセナ残留、↓2コンマが60以上でミラ残留。

たのむ…

二人とも残留してほしい

(土下座)

錬金術師のキャラ出した人だけどこんなことになるとは思わなかった…
できれば巻き戻してほしい…

このまま行くと、別の場所で再開するか直接終了するかの二択でヤンス。

というわけで多数決。二票入ったやつでいきます。

1:とりあえず先に進んでみよう。
2:巻き戻しや!
3:もう一度ニューゲーム!

2

2

再開したい場所を↓2に該当するレス番をオナシャス。

>>75の錬金術師のキャラ設定からやり直しで
本当にすみません

>>92

キャラ設定自体をやり直すってことでいいのかな?↓1に>>73と同じルールの安価を。

有能だがドジで自作の魔法陣に閉じ込められていた
幼児体系だか歳はかなりいってる

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