【艦これ】赤城「お腹がへりました」 (28)
呉鎮守府 執務室
提督「あー……鋼材が足りねぇ……」ブツブツ
赤城「提督」
提督「いや、これ無理――ん? どうかしたのか?」
赤城「提督、おにぎりをたべましょう」
提督「は? いきなりどうしたんだ?」
赤城「さっき資材の状況を確認しに行ったじゃないですか」
提督「うん、いったな」
赤城「戦闘糧食あんなにあまってたらもったいないなぁって思ったんです。食べないと腐っちゃいますよ?」
提督「はっはっは……なんだ知らなかったのか? あれ、腐らないんだよ」
赤城「へ?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1561145291
提督「あれも一応は妖精さんの技術で作られた装備扱いだろ? たぶん、そこらへんの関係なんだろうけどどんなに時間がたっても出来たての状態なんだ」
赤城「……でも、ひょっとすると中身は腐っちゃうかもしれないですよ?」
提督「いやいや、一応、そういうことも確認してるって。お前たちの口に入るものなんだしな」
赤城「むー」
提督「そう膨れるなよ。そんなに戦闘糧食食べたかったのか?」
赤城「い、いえ、それは、まぁ……」
提督「? 小腹がすいたのなら確かこの辺に饅頭があったはず――」ガサゴソ
赤城「お饅頭!」
提督「ああ、この前、後輩からもらった奴なんだが――ああ、あった、あった」
赤城「お茶入れてきますね! 提督も一緒に食べましょう!」
提督「そうだな、俺も小腹が空いて――あ」
赤城「え……? なんですか、その不吉な『あ』って」
提督「いや、ちょっと確認してみたら賞味期限がな」
赤城「2、3日ぐらいなら誤差ですよ、誤差!」
提督「2週間も前なんだが」
赤城「うぐっ……! 大丈夫! 大丈夫です! きっと!」
提督「いやいや、もったいないけど止めたほうがいい。食べるにしても別のものにしよう」
赤城「駄目です。この戦時下にもったいないことは出来ません」
提督「う、うむ、そういわれると確かにそうなんだが……」
赤城「いただきます!」
提督「あ! お前、馬鹿!」
赤城「モグモグ……」
提督「ほら、ペッてしなさい! ペッて!」
赤城「ゴクン……美味しい! 提督、大丈夫、大丈夫です! ぜんぜん、食べられます!」
提督「ほ、本当か?」
赤城「はい! 何個でもいけちゃいます!」
提督「そ、そうか」
赤城「提督もおひとつどうですか? おいしかったですよ? あーん」
提督「いや、遠慮しておく。俺とお前では胃袋の強さが違いそうだしな、ははは……」
赤城「失礼な! ほら、あーん! あーん!」
提督「いや、いいって! それにここまで賞味期限過ぎてるとあんまり食べないほうがいいと思うぞ?」
赤城「ぶー、嫌です。いけずな提督のいうことなんて知りません!」
提督「はぁ?」
赤城「ふーん、だ」
提督「まったく……」
――翌日――
提督「おそい。赤城が時間に遅れるなんて明日はやりが降るな」
コン、コン
提督「? 入れ」
加賀「失礼します」
提督「ああ、加賀、いいところに来た。もう課業時間になってるというのに赤城が来ないんだ、なにか知らないか?」
加賀「……ええ、その説明に来ました。その、なんといいますか、昨日の深夜からお腹を壊してしまったようで……」
提督「はぁ……だからあれほど食べるなといったのに」
加賀「? 原因にこころあたりが?」
提督「まぁな。それよりもあいつがいないと執務にも支障をきたす。もし必要なら高速修復材をつかってもいいから、明石のところに行って診てもらってきてくれ」
加賀「高速修復材をですか? いくらなんでもそれは……」
提督「いいんだよ、すこし大げさに騒いだほうが赤城も反省できるだろうしな。それにお前も赤城がうー、うーと苦しんでるのは嫌だろ?」
加賀「……わかったわ」
提督「おう」
赤城「酷い目にあいました……」ゲッソリ
提督「これに懲りたらあんまり変なもの食べないようにしろよ」
赤城「ごめんなさい……」
提督「だいたい、2週間も前に賞味期限切れてる饅頭たべようとするのが自殺行為なんだよ」クドクド
赤城「……」
提督「悪くしてしまった俺が言うのもなんだが、もったいない精神にも限度がある。過ぎれば食い意地が張ってるとか、みっともないとか思われてしまうかもしれないぞ?」クドクド
赤城「……」
提督「この前も食べるなといっておいたのに私の弁当を食べてしまったじゃないか。これからは節制をこころがけてだな――」
――15分後――
提督「――というわけだ」
赤城「むー……でも、提督だって悪いじゃないですか」
提督「は? 俺が何かしたか?」
赤城「私にお饅頭隠してないで、二人で食べてればこんなことは起こらなかったんです!」
提督「そんな無茶苦茶な」
赤城「あーあ、提督が貴重な食料を悪くさせたりしなければこんなことにならなかったのになぁ」
提督「むむむ……」
赤城「なにが『むむむ……』ですか」
提督「確かにそういわれると俺も弱いな。今後は気をつける」
赤城「提督の気をつけるはあんまり当てにならないから心配ですねぇ。この前も北方鼠輸送作戦と北方航路海上護衛間違えてた遠征出してたじゃないですか」
提督「……いや、でも指示を出してすぐに気づいたから」
赤城「私が言わなかったら気づかなかったでしょ?」
提督「うぐっ!?」
赤城「やっぱり。心配ですねぇ――あ!」ピコーン!
提督「……なんだその顔は」
赤城「いいこと思いつきました!」
提督「いや、もういいよ。執務を始めよう」
赤城「駄目です、ちゃんと聞いてください」
提督「気が乗らんなぁ」
赤城「そんなふうに言わないでください。本当に画期的なことかもしれないんです!」
提督「期待しないで聞こう」
赤城「言い方は気になりますがお教えしましょう。妖精さんに鎮守府の食べ物を全部、戦闘糧食みたいに腐らないようにしてもらうんです! そうすればこんな悲劇はもう二度とおきません!」フンス!
提督「なぁ、赤城、秋刀魚の刺身がふつうは何日持つか分かるか?」
赤城「へ?」
提督「実はな、もう秋の秋刀魚漁のときにそういったことは試みてるんだ。しかし、戦闘糧食ほどうまくはいかなず長くても一ヶ月ぐらいで食べれなくなってしまうんだよ」
赤城「でも、缶詰は――」
提督「缶詰は保存が利くに決まってるだろ」
赤城「うっ……それはそうですけど……でもちょっとでも保存が利くようになるならいいじゃないですか、やりましょうよ」
提督「いやいや、妖精さんも開発だとかで忙しいのにそんなことまでもしてもらうのはなぁ」
赤城「『そんなこと』程度のことじゃないです! もしこの鎮守府まで食料を運んでくる輸送船がやられたりしたときのためにも備蓄はある程度しておくべきです」
提督「うーん……確かになぁ」
赤城「ね? だから、どんなものがどれぐらい保存期間を延ばせるのか確認しておきましょうよ」
提督「……分かった。やってみるか」
赤城「さすが提督です!」
提督「それならどれぐらいで悪くなるのかは明石に計ってもらうとして、実験に協力してもらう艦娘を何人か決めないとな。……長波は決まりとして他にはだれかいいと思う艦娘はいるか?」
赤城「え? なんで長波を呼ぶんです? それに協力してもらう艦娘ってどういうことですか?」
提督「いや、料理するなら艦娘にしてもらうしかないだろ。俺はおにぎりとか簡単なものしか作れんぞ」
赤城「むむむ……私の目論見が……」
提督「? とにかく毎日、戦闘糧食の改修をしてもらってる長波ならなにか特殊な効果も期待できるかもしれない。それとの対比のためにももう一人ぐらいは艦娘を用意したいんだ」
赤城「むー……それなら川内とか足柄とかどうです? 料理上手らしいですよ」
提督「その二人なら俺ももうそんなに揚げ物食える年じゃないからな、川内にするか」
赤城「おじさんみたいですね」
提督「おじさんなんだよ!」
鎮守府 厨房
提督「――というわけで二人に集まってもらったわけだ」
川内「ふぁ……なるほどねー。提督が食べてくれるなら眠いけどちゃんとやろうかな」
提督「おい、まだお昼前だぞ」
川内「夜おきてるからね!」
提督「……うん、そうだな。長波もたのんだぞ」
長波「おう。まかせとけ! 戦闘糧食の改修で磨いた腕の振るい所ってな!」
赤城「……ちなみに戦闘糧食の改修ってどうやってやるんですか? 今度、私もやってみたいです」
長波「あー、やめたほうがいいっすよ。あれすっごい面倒くさいんですよね」
赤城「そういわずに後学のために教えてください」
長波「そりゃあかまわないんですけど……。いいっすか、お米っておんなじに見えて一粒一粒炊け方とか出来が違うんですよ。だから2つの戦闘糧食の美味しそうなところをわけていい感じに握りなおすんです」
赤城「え? そんな面倒な……」
長波「つっても任務ですからね」
赤城「は、はぁ、なるほど。ちなみにあまったお米は?」
長波「煎餅にしたりリゾットにしたりいろいろっすね」
赤城「銀蠅です! 銀蠅ですよ、提督!」
提督「べつにそれぐらいいいじゃないか」
赤城「そんな……それなら私が今日からは戦闘糧食の改修をします!」
提督「……改修失敗で二つともお前の腹の中に消えてなくなるのは勘弁してくれ」
赤城「そ、そんな、こと、しませんよ?」
提督「……よし! まずはなにをつくってみるか。川内はなにか希望はあるか?」
川内「別になんでもいいよ? 提督の好きなものつくったげる」
提督「お、そうか? いやー、なにがいいかなぁ」
長波「あー、もりあがってるとき悪いんだけどさ、川内と違って私はそんなにレパートリーないからな」
提督「ん? そうなのか?」
長波「おう。面倒なのは無理」
提督「……じゃあ、最初はお約束どおりカレーにするか」
長波「ああ、それならさすがに作れるぜ! 期待しておいて!」
提督「うん、それじゃあ料理を始めて――」
ガラッ!
比叡「カレーを作るんですか!?」
提督「……やだなぁ、そんなわけないだろ。なぁ!」
赤城「ええ、ええ、その通りです!」
比叡「嘘です! 実はちゃんと聞こえてました! 私もいっしょにつくります!」
提督「……おい、どうするんだよ」
赤城「私にどうするといわれても……」
比叡「いまこそ必殺の比叡カレーを司令にもおみせしましょう!」フンス!
提督「……分かった。比叡も作ってくれて構わない」
比叡「よっし! 気合入れていきます!」
赤城「ちょっ!?」
提督「た・だ・し! 俺も手伝うからな!」
比叡「えー? 大丈夫ですよ、任せてください!」
提督「任せられねぇから言ってるんだよ!? とにかく、手伝うからな」
比叡「ちぇー」
提督「はぁ……それじゃあ材料は間宮にいってある程度取り揃えてあるので好きに使ってくれ」
川内「量はどうすんの?」
提督「この後、ほかの料理も実験するんだから少なめにしてくれ」
川内「はーい」
提督「……よっし、それでは調理開始だ!」
比叡「それじゃあ、まずはカレーに入れるお野菜の皮をむいていきましょう!」
提督「ジャガイモ、人参、たまねぎか……野菜のチョイスは普通――」
比叡「そしてこれとこれとこれとこれもいれます!」
提督「待った!」
比叡「……なんですか?」
提督「意義ありだよ! 矛盾してる! 俺たちはカレーを作るんだよな!?」
比叡「ええ、そうですよ?」
提督「なんでカレーに大根いれるんだよ!? おでんじゃねぇんだからやめようって」
比叡「ふっ……知らないんですか? カレーに大根っていがいとあうんですよ? ってどこかで見ました」ボソッ
提督「嘘、だろ……? 赤城」
赤城「はい、はい。どうしました?」
提督「カレーに大根っていれていいのか?」
赤城「うーん……まぁ、お野菜ですしあうんじゃないですか? ほら野菜カレーってありますし。カレーはたいてい、なに入れても大丈夫――うん、大丈夫なはずです」
提督「えー……とてもそうは思えないんだけど……」
比叡「さぁさぁ、細かいことはいい置いておいてつくっていきましょう!」
提督「う、うむ……しかし、ナスにズッキニー、トマト、インゲン、レンコンと野菜だけですごい量の具だな。こうして皮をむくだけで手が青臭くなりそうだ……」スルスル
比叡「あれ? 司令、ピューラーはいいんですか?」
提督「包丁で出来る。それはお前が使え」スルスル
比叡「へぇ、以外ですね」
提督「一人やもめだからな、これぐらいはできるようになるんだよ」
比叡「なるほど。寂しい理由ですね!」
提督「余計なお世話だよ!」
――15分後――
比叡「皮はむきおわりましたね。次はきっていきましょう」
提督「おい! そのイカはどこからだした!?」
比叡「え? 冷蔵庫ですよ?」
提督「野菜カレーだろ!? シーフードはいい!」
比叡「えー? わがまま言わないでくださいよ」
提督「わがままなのはお前のレシピだよ! なんでもかんでもつっこめばいいってもんじゃない!」
赤城「ええ、それに素人がシーフードを入れると生臭くなるって話ですし、自重した方がいいんじゃないですか?」
比叡「しかたないなぁ。じゃあ、蛸に――」
提督「それもシーフードなんだよ! いいから、野菜を切るぞ!」
比叡「ちぇっ、まぁいいですよ。これぐらいで比叡の必殺カレーの味は落ちませんし」
提督「お、おう」
比叡「あ、司令、お野菜は大きめにきってくださいね」
提督「大きめってどれぐらい?」
比叡「これぐらいです」ザクッ
提督「いやいや、大きい、大きすぎる! 三文の一ぐらいにしかなってねぇよ!?」
比叡「えー、でも榛名はこれぐらいおっきいほうがいいっていってましたよ?」
提督「お、お世辞だよ、お前にあわせてくれてんだよ! それにそんなおおきいと煮込む維持間が大変だろ。これぐらいにしておけって」
比叡「うーん……納得いかないなぁ」
赤城「……ちなみになんで最初どもったんですか?」
提督「気にしないでくれ」
赤城「?」
――1時間後――
提督「疲れた……」
赤城「お疲れさまでした。なんとか食べれるものが完成したようでなによりです」
川内「ねぇねぇ、それよりも提督、そのエプロンどうしたの? かわいいのもってるからびっくりしたよ」
提督「お、わかる? このぷかぷか丸の可愛さ」
川内「ぷかぷか丸? ねぇ、それよりもそれって誰かにもらったの?」
提督「自腹だよ、自腹」
川内「へぇー、ふーん……そうなんだぁ」
提督「? どうしたよ、変に笑ったりして」
川内「んーん、なんでもない!」
提督「そうか? それじゃあ早速妖精さんに加工をお願いしてみるか」
赤城「ええ、3名ほど来てもらってますから料理を加工してもらえるように説得をお願いします」
提督「う、うむ……あまりこっちを見ないように」
艦娘一同「?」
提督「……」ケイレイ!
妖精A「……」チョコチョコ
提督「……」ウデマワシー
妖精B「……」トコトコ
提督「……」ブンブン
妖精C「……」ボー
提督「……」ジャンプ、ジャンプ
妖精ABC「……」コクリ
提督「ふぅ……おわったぞ」
赤城「……なんですか今の?」
長波「やばい部族のダンスって感じだったよな」
比叡「いやー、ごめんなさい。きついです」
川内「あ、あはは……」
提督「見るなっていっただろ!? 言葉が通じねぇんだからボディランゲージしかないんだよ! 完全に意思疎通が出来んなら武蔵みたいなまるゆとか大和みたいな利根型はこの世に一隻も建造されてないんだよ!」
赤城「……な、なるほど」
提督「くっ! とにかく妖精さんは――」
妖精A「……」バーナー
川内「!?」
妖精B「……」フアイアー!
赤城「全然、つたわってないじゃないですか!?」
川内「バーナーで料理燃やしちゃってるじゃん!」
提督「いや、あれでいいんだ。戦闘糧食やサンマ料理の時もあんな感じだった」
赤城「えぇ……」
妖精A「……」デキタヨ
提督「……」サッサッ
提督「出来たらしい。じゃあ明石のところに持っていくか」
川内「はーい」
赤城「え? 食べないんですか?」
提督「……実験が最優先だからな。食べるのは明日データが出てからだ」
赤城「えー……」
――翌日――
鎮守府厨房
ガラッ
長波「わ、わりぃ! 訓練で遅れちまった!」
赤城「遅いですよ!」
長波「す、すんません……」
川内「まぁまぁ、神通の訓練じゃしょうがないんじゃない?」
赤城「む。しかし、時間厳守は絶対――」
提督「お前もこの間、遅れただろ」
赤城「うぐっ!? あ、あれは不可抗力といいますか……」ゴニョゴニョ
提督「はぁ……全員揃ったし、結果を教えてくれ」
明石「はい! 結果から先に言いますと1日でははっきりしたことはいえないのですが、一週間ぐらいはこのまま置いておいてもおいしく食べられる状態を保てると思います」
明石「それに皆さんの作ったカレーのすべてが同じような数値を出しているので、作った艦娘や諸々の保存条件は料理の保存状態に影響は与えないみたいですね」
川内「え? つまり冷蔵庫に入れも常温で放置しても保存期間は変わらないってこと?」
明石「そういうことです」
長波「うへー……なんか、不気味だな。本当に食べて大丈夫なのかよ?」
明石「いえいえ、皆さんもこれと同じ条件のものはもう食べてるじゃないですか」
長波「は?」
提督「秋の秋刀魚料理のことだよ」
長波「マジかよ!?」
明石「マジです。今までの傾向から見て食べ物を妖精さんに加工してもらった場合は料理の種類で悪くならない日数が決まるのかもしれません。シチューは何日、ハンバーグは何日みたいな感じで」
提督「なるほどなぁ。赤城言われてなんともなしに初めて見たが色々と試してみてもよさそうだな」
赤城「それより早く食べてみませんか?」
提督「……明石、量が減っても大丈夫なのか?」
明石「うーん……戦闘糧食の改修の件を考えれば大丈夫だと思いますよ。改修の度に絶対に同じ量ってことはないはずですから」
長波「そりゃあそうだわな。そこまで正確にやってたら一日まるまるかかりそうだもん」
提督「よし、それじゃあ比叡のカレーから食ってみるか」
赤城「怖いものは先に処理したい、と」ヒソヒソ
提督「……本人には悪いけど、そういうこと」ヒソヒソ
比叡「はい! 気合入れて作ったので絶対に美味しいと思います!」フンス!
明石「あ、じゃあ、私はこれで――」ガシッ
提督「明石も食べていくよな」
明石「え、いや、それは――」
提督「な! 一人でも増えればほかの量が減るし!」
明石「は、はい……」
比叡「 さぁさぁ、よそいましたよー! 皆さん、どうぞ!」ベチャア
提督「いや、こうしてあらためてみるとなんかあれだな……」
川内「うん……多分、野菜入れすぎなんだよ。だからこんなに水っぽくなっちゃったんじゃないかな?」
長波「ま、まぁ、スープカレーってのもあるし……」
川内「味の想像はつくけど――」チラツ
比叡「……さぁ、遠慮せずにどうぞ!」ワクワク
川内「はぁ……たべないわけにはいかないよねぇ。いただきまーす」
明石「い、いただきます」
赤城「モキュモキュ……うーん……」
提督「いつの間に食べてたんだよ……。しっかし、比叡の料理なのに躊躇ないなぁ」
赤城「いえいえ、盛っていただいたらすぐ食べないと冷めちゃうかもしれないじゃないですか」
提督「だから、冷めないよう――まぁ、いいか。いただきます」
提督「――うん、やっぱり薄いな」
川内「モグモグ――うーん、もうちょっとルー足したりしたらいい感じだったかな」
長波「あー、なんつーか、健康に良さそうな味だよな」
明石「ただ、動いた分は塩分を取らないといけないので私たちにはちょっと……」モキュモキュ
比叡「むむむ……やっぱりシーフードをいれるべきだったのかなぁ」
川内「いやいや、それは絶対にやめてよかったですって」
比叡「えー? イカとかイクラとかいれたらおいしくなったと思うんだけど」
赤城「断言できます、これは提督がただしかったと」
明石「ええ、ええ。本当に」
長波「いやー、これは提督、マジでいい仕事したわ」
提督「だろ?」
長波「そんなに得意げにするほどじゃないけどな」
提督「いや、本当につかれたんだって報われてよかったよ……」
明石「まぁ、比叡さんの料理で食べられるものが出来ただけ成功という見方もできますし……」
比叡「うー! 納得できません! もう一回! もう一回、作り直しましょう!」
提督「やめてくれぇ!」
一旦、ここまでになります。
残りはあと2回に分けて投下予定です。
みんな楽しそうで何より
乙です
私は幻を見ているのか?
乙
なんか懐かしい空気だな
たしかに、懐かしい
期待
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません