真姫「髪がまとまらない」 (13)

ザーーーーーッ

その日は雨だった。

真姫「ん…んん…ふぁ~。よく寝た」

ガチャ

真姫「おはよ…」

使用人「あら、おはようございます。今日は練習ですか?雨が降っていますが」

真姫「うん。室内でも出来る事はあるから。ママは?」

使用人「朝から病院の方に行ってますよ。さて、朝食を用意致しますね」

真姫「うん。ありがとう」

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使用人「所で…」

真姫「なあに?」

使用人「寝癖。凄い事になっています」

真姫「そう?雨降ってからかな」

使用人「朝食の準備の前にそちらの方を…」

真姫「ありがとう。でも大丈夫よ。これくらい自分で出来るから」

使用人「ですが…」

真姫「大丈夫だって。朝食の準備してる間に終わらせてくるわよ」

使用人「分かりました」

真姫「さてと。それじゃあ済ませちゃおうかな」

タッタッタッ

真姫「な、何よこれ!!?酷過ぎる…これ寝癖?」

使用人「大丈夫ですか?」

真姫「だ、大丈夫だけど。取り敢えずクシを通せば…クシが…絡まって…嘘でしょ…」

グイグイ

真姫「くぅ…えいっ!」

くるん

真姫「あれ!?えいっ!?」

くるん

真姫「伸ばしても伸ばしても…くるくるしちゃう…」

真姫「私の髪ってこんなに癖が強かったっけ?」

くるん

真姫「ああ…もう!!」

くるん

真姫「なんで直らないのよ!!!」

くるん

使用人「大丈夫ですか?」

真姫「大丈夫よ。どこかに寝癖直しがあったわよね?」

使用人「ここに」

真姫「ありがとう」

シュッシュッ

真姫「これで伸ばせば…」

くるん

真姫「あれ!?余計に…どうして…」

使用人「今日はあまりにも湿気が強いので天然パーマが…」

真姫「天然パーマって言わないで!ちょっと癖が強いだけだから!!」

使用人「申し訳ありません」

真姫「も~こんな前髪じゃ練習に行きたくない」

使用人「お休みしますか?」

真姫「髪の毛がまとまらないから休みたいなんて言えないわよ。あ~もう!!もう!!!」

使用人「帽子を被って行けば…」

真姫「制服に帽子なんて変じゃない」

使用人「じゃあ、縛って行くとか」

真姫「前髪を?」

使用人「ヤワラちゃんみたいで可愛いですよ」

真姫「よく分からないけど…それは最後手段で…」

ピンポーン

真姫「誰よ。こんな時に」

使用人「出てきます」

真姫「もぉ~。いやぁ。雨なんて大嫌い。大嫌い。大嫌い。こんなんで学校になんて行きたくなぃぃぃ」

凛「朝から大変だね」

真姫「本当よ……って凛?」

凛「おはよう!」

花陽「ま、真姫ちゃん…おはよう。なんか…あまりタイミングよくなかったよね」

真姫「ど、どういう事?」

凛「迎えに来たんだよ」

真姫「今日に限って…家まで…」

凛「うん。お陰で貴重な物が見れたにゃ」

真姫「えっ…」

凛「真姫ちゃんでも子供みたいに駄々をこねる事もあるだね!」

花陽「凛ちゃん…」

真姫「ちょっ…」カァァァァ

凛「赤くなった」

真姫「どうして入れちゃったのよ…」

使用人「ダメでしたか?」

真姫「ダメに決まってるじゃない!!!もういやぁぁぁぁ」

凛「まあまあ。これも何かの縁だと思って。凛達も手伝うから」

真姫「…本当?」

花陽「真姫ちゃんヘアアイロンとか持ってないの?」

真姫「え…」

使用人「ありますよ」

花陽「じゃあ、アイロンで伸ばせばいいんじゃないかな?」

真姫「それだわ!!花陽…ありがとう」

花陽「ううん。力になれて良かったよ」

真姫「私、これから朝ごはんだから。花陽の分も用意して貰うから」

花陽「本当!でも…真姫ちゃん気が付いてないかもだけど時間が…」

凛「大丈夫じゃないかな?どうせ穂乃果ちゃんもギリギリだし。真姫ちゃん家の朝ごはん楽しみだにゃ」

真姫「…凛も食べるの?」

凛「え?凛のは無いの?」

真姫「別に構わないけど」

使用人「持ってきました」

真姫「最初からこうすれば良かったのね」

花陽「真姫ちゃん普段使ってないんだね。てっきりヘアアイロンでセットしてるのかと思ってたな」

スーーー

凛「凄いにゃ。真姫ちゃんの髪の毛がみるみるストレートヘアになっていくにゃ」

花陽「だね。ストレートヘアの真姫ちゃんも可愛い!」

wktk

真姫「ふぅ。ちょっといつもと髪型が違うけど。さっきのよりは全然マシね」

凛「なんかストレートヘアの真姫ちゃんって凄い優しそうに見えるにゃ。ね?」

花陽「え?普段から優しいと思うけど…」

真姫「二人共。朝ごはんの用意出来たみたいだから。あっちで一緒に食べましょう」

花陽「ほ、本当にいいの?」

真姫「もちろん」

凛「わーーい!」

使用人「どうぞ」

真姫「ありがとう。それじゃあ頂きます」

凛「頂きま~す」

花陽「頂きます」

凛「にゃ~美味しいにゃ~」パクパク

花陽「そうだねぇ」もぐもぐ

真姫「花陽はともかく。凛は家で食べて来たのよね?」

凛「うん」

真姫「よく入るわね」

凛「別腹にゃ~」

真姫「何よそれ」

スゥーーー

凛「あっ!!」

くるん

凛「……かよちん、かよちん」

花陽「どうしたの?」

凛「真姫ちゃんの髪の毛が…元に戻って来てるにゃ」

花陽「え?」

凛「ほら見てかよちん」

花陽「だって…確かに伸ばしたはずなのに…」

使用人「湿気のせいですね。湿気がお嬢様の髪の毛をくるくるさせてるんです」

凛「なるほど」

真姫「なによ。人の顔を見てコソコソと。やっぱり私の髪の毛変?似合ってなかった?」

凛「似合って無いっていうかね」

真姫「何よ?」

凛「また前髪くるくるしちゃってるよ」

真姫「え?嘘?」

凛「嘘なんかつかないよ」

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