シンジ「視聴者の皆さん、聞いてください」 (17)
シンジ「僕は今日アレですよ、皆さんご存知の使徒と戦ったわけですよ」
シンジ「皆さんもうご覧になったでしょう? 僕はあのエヴァンゲリオンに乗っていたシンジですよ」
シンジ「初号機のシンジですよ」
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シンジ「あの後に、僕はやっとこの病院に着いたわけですよ」
シンジ「そしたらもう身体痛くて、知らない天井でした。初めてエヴァに乗って、もう僕はヘトヘトですよ」
シンジ「さぁ寝ようかと思った時にミサトさんがやってきた。適当にあしらって、やっと寝れるって決まったのが12時ですよ、皆さん」
シンジ「僕が寝ようと思ったの、12時なんですよ。いいですか、12時に僕は布団に入って寝ようとしたんですよ」
シンジ「すると現れたのがこのヒゲなんですよ!」
ゲンドウ「wwwwwww」
シンジ「何の気か知らないけども、ヒゲが現れて、僕は別に何にも思ってないのに、『腹を割って話そう』とこの男は僕の部屋に乱入してきたわけです」
シンジ「僕は別に彼にわだかまりも何も持ってない。仲が良いですよ、尊敬してる父親です」
シンジ「別に彼と腹を割って話すことなんて何もないですよ」
シンジ「ところが彼は僕に『腹を割って話そう』と言って、何を話したいのか知らないが、僕の部屋に居座って、時計見てください。12時52分です」
シンジ「もうかれこれ彼は1時間僕の部屋を離れようとしないんですよ!そうでしょう?」
シンジ「それで僕は……それでね? 視聴者の皆さんまだ聞いてください」
シンジ「僕は再三『帰れ』って言ってるわけですよ」
シンジ「血の繋がった父親ですよ、実の」
シンジ「その父親にさっきから僕は『バカ野郎 帰れ!即刻帰れ!』と再三罵声を浴びせかけているにも拘らず、帰らないんですよ」
シンジ「そして僕は、苦肉の策で、このゲンドウの先生の、これもまたバカな男なんだけども、冬月さんに今電話をしたわけですよ」
シンジ「『父さんが帰らないから連れて帰ってくれ』と言ったら、その冬月さんは、皆さん何て言ったと思いますか?」
シンジ「『あぁそうか、わかったわかった。じゃあカメラ回そう』と言って、それで冬月さんは今カメラを回しているんです!」
冬月「wwwwwww」
ゲンドウ「wwwwwww」
シンジ「どうですか!視聴者の皆さん、おかしいでしょう!?この人たちは!」
シンジ「僕は寝かしてくれと言っているんですよ!」
ゲンドウ「私はね、今日の出撃で嫌な思いををさせてしまったみたいだから、心配で様子を見に来たんです」
シンジ「ああ、そうだったんだ」
ゲンドウ「怪我をさせちゃったからね」
シンジ「うーん、そうだね。それならそう言ってくれればいいんだよ」
シンジ「何もその、『腹を割って話そう』と息巻いて入ってこなくてもいいわけだろ?」
ゲンドウ「私はね、あらためてシンジくんに『大丈夫か』と。『父さんのこと嫌いにならないでね』と言いにきたんですよ」
ゲンドウ「そうしたらね、シンジくんがね、なんか私と『腹を割って話そう』って……」
冬月「wwwwwww」
シンジ「違うだろう!?それは全く違うだろ!?」
シンジ「いいかい、ある少年がだ、夜中の12時にだ、初めてエヴァに乗って疲れてる少年だ、その少年は」
シンジ「12時になってしまって寝ようとしているところに『腹を割って話そう』と言って入ってきた男が1時間居座ったんだよ」
シンジ「その男に『おい!帰れ!』と、言ったことは別に何の不思議もない」
ゲンドウ「だからね、シンジくんが怒ってないって言葉を私は聞いたらね……」クドクド
【 さらに5分経過 】
シンジ「はぁ……もう、わかりました。心配してくれたんですね? 僕のこと」
ゲンドウ「心配してますよ」
シンジ「わかりました。ということは、あ、絶対安静ですね。ああ、これはいけない。重傷ですから。早く寝ないと」
ゲンドウ「そうでしょ? 早く寝なさいって言いに来たんです」
冬月「wwwwwww」
シンジ「重傷なんだから早く寝なさいと言うことを、あなたは12時から1時間かけて僕に語ってくれたんですね。今やっとわかりました」
ゲンドウ「そういうことですよ」
シンジ「はい、ありがとうございました」
ゲンドウ「早く怪我を治さないと、復帰が遅れるからね。そもそもエヴァンゲリオンというのは……」クドクド
シンジ(寝かせろよ!!)
【 さらに40分経過 】
ゲンドウ「……というわけです。わかりました?」
シンジ「そうですね、エヴァについて、よぉぉぉーくわかりました」
ゲンドウ「そうでしょ? 頑張ってね、シンジくん」
シンジ「頑張りますよ。次はやりますよぉ。やりますよぉ、次は」
シンジ「そのためにも、たっぷり寝て。やりますよぉ、そりゃあ。いよーし、よしよしよし……。どうやって使徒をやっつけようかなぁ」
ゲンドウ「じゃあそのあたりのイメージトレーニングもしながらwwwwゆっくり休んでください」
冬月「おやすみなさいwwwwwwww」
シンジ「おやすみなさい」 ノシ
シンジ( はぁ、やっと寝られる )ゴソゴソ
シンジ「Zzzz……」
―― ガチャガチャッ ウィーン
シンジ「あれ? どしたの」
冬月「いや、鍵をねwwwwww」
ゲンドウ「この部屋の鍵と自分の部屋の鍵を間違えて持ってきちゃったwww」
シンジ「ああそう……」
( 5分後 )
ゲンドウ「wwwwwww」
冬月「wwwwwww」
シンジ「帰りなさいよ!」
シンジ「何でまた居座るんだよ!? 帰りなさいよ自分の部屋に」
ゲンドウ「いやぁ、だってまだねぇ。腹を割って話してないし」
シンジ「腹を割ってって……あ、そうだ。綾波は?」 ピコーン
シンジ「綾波とも腹を割って話してみたくない? 父さん」
ゲンドウ「レイ? あー、レイね」
シンジ(綾波には悪いけど、ヒゲを押し付けよう)
綾波「こんばんわ」ガチャ
ゲンドウ「シンジくん、レイと話したいって言ってたから。連れてきたよwwww」
冬月「wwwwwww」
シンジ「」
シンジ「ごめんねぇ、綾波。こんな遅くに」
レイ「寝てたのだけど、このヒg……司令が、ガンガンガンガン!ってドア叩いてきたから何事かと思って」
シンジ「まったくこのヒゲは」 ジロリ
ゲンドウ「シンジくん、やっぱり私に対して何かあるんじゃないの?」
ゲンドウ「だからやっぱり腹を ――」
シンジ「腹を割って話そうって? そういって僕のところに……ねぇ綾波、こいつがね、僕のところに来たのは12時ですよ」
シンジ「腹を割って話すことなんてもう無いでしょう!?」
ゲンドウ「でも、せっかくゼーレの方々が来てくださってるのに」
シンジ「ごめんなさいね、わざわざ来てくださって」
ゼーレ「何か不満があるのかい? シンジくん」
シンジ「いやいや、ゼーレの皆さん聞いてくださいよ。この男はね? 12時ですよ、この男が僕の部屋に来たのは」
シンジ「おかしいですよ。パイロット寝かせないってんだから」
シンジ「話すことないって言ってんのに『腹を割って話そう』っていうんですよ!?」 ドンッ
ゼーレ「なるほど。不満があるわけだ」
ゼーレ「我々もいるんだからさ、この際不満ぜんぶ言おうよ」
ゼーレ 「 腹 を 割 っ て 話 そ う 」
シンジ「」
シンジ「……いやいやいや」
シンジ「不満なんてなんもないですよ。僕はネルフが大好きだし、怪我だって平気だし、エヴァに乗るのも何の不満もない」
シンジ「もう何も問題ない!問題ない!」
ゲンドウ「本当に? やっぱり腹を ――」
シンジ「問題ない!オールクリアです!」
シンジ「 ノ ー プ ロ ブ レ ム ッ !」
シンジ「もうね、何も問題なし。スッキリしました。迷いが消えました」
ゲンドウ「“消えた”ってことはやっぱり迷いがあったんじゃないの?」
ゼーレ「迷いがあったんだったら、ちゃんと ―― 」
シンジ「いやいやいや!それがだからね、すべて解消されました!オールクリアです!」
ゲンドウ「本当に?シンジくん、顔が問題ありの顔だけど」
冬月「wwwwwww」
シンジ「そんなことありませんよ、不満なんてありませんよ」
シンジ「僕は一生、エヴァンゲリオンします!」
おわり
くすっとした
水道ノリほんとすこ
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