イケメン「……君が好きだ」美少女「……え?」男「やべぇ変な玩具の音がとまんねぇ」 (419)

vipから来ました。(´・ω・`)


5スレ目に投下してた分から、
こちらに投下していきます。


4スレ目
3スレ目
2スレ目
1スレ目

なぜにVIP
珍しい
そしてなぜVIPからこっちに

らきすた

何か昔に比べて安価スレ多いな

ヌポーン…

はよ

>>2
SSスレに荒らしと煽りが来て
折角だから面白そうだしと思って手を出したら
5スレ目で荒らしから埋め立てされそうになったのよー(´・ω・`)

さっきはパー速に行って見ようと思ったけど
パー速見たらSSはSS速報VIPにって書いてあったから行って

で、SS速報VIPに行ったら今度は、
アダルト、グロテスクはRにって書いてあったので(´・ω・`)

そこまでグロとかアダルトでは無いと思うけど
念のために。(´・ω・`)

荒しというか…

遅筆過ぎた>>1もあれだけどな
まぁ後は投下待つのみ

うーむ、これは何といいますか…

本人も中々アレだな

まあその……面白半分で絡んでみたら
気づいたら連投されてて
しかもそれがスマホで手動で連投してそうって気づいて

何かこう、つい色々とけしかけてしまった俺も悪いのは確かです(´・ω・`)

それは否定しないです。
荒らしに構うヤツも荒らしってのもありますし。

まあでも最後のvip、楽しかったです。

いつまで自分語りが続くの?SS書かないならVIPに帰れば

てす
ここってsage進行ですかね?

>>10
まあ色々と面倒な性格だなと自覚はしとりますー

ただ、元から居る住人の邪魔をする気は無いので、
自分が来た事が迷惑ならそう言って貰えれば

時間経ってからだと、
言われても去り辛いので

>>12
自分自身が元からのここの住人ってワケじゃないから
最低限は説明必要かなと

一から投稿してくれるとうれしい

まぁ雑談垂れ流そうがエタらなけりゃいいわ

>>13
特にルール無いけど基本的にsage
上がってても特に問題ないけど気にする人は気にする

>>16
分かりましたsage付けておきます

ヌポーンマダー?

何処までRかは知らないけどsageと一緒にsagaも入れると良いよ
オナニーとか殺す、死ねとか規制されずに書き込める

>>15
最初の書き込みのリンクから読めるぞ

あと
元のスレで保守してくれてた人
ありがとう

sage saga
の使うと良いよと言う件、教えてくれてありがとうございます。


元スレの5スレ目に投稿してた分からとは>>1で書きましたが、
投稿は一からの方が良いのかな……?

うわぁ前スレ見てきたら相当やばい奴じゃんこいつ

飲み会の所からでいいんじゃない?

昔風のVIPPERであり
かつそういう露悪的なスタイルに確固たる自負を持ってるのかな

そういうのハナクソどうでもいいから話の続きはよかけ

>>22
ヤバイって言いたいのは分かったけど、
じゃあ、どうして欲しいワケ?

>>23
その辺りからって事なら……では最初の>>1の通りに
五スレ目の最初の所から投下して行きたいと思います

五スレ目の元スレはコピペ連投とかあって
見辛いと思いますので

ただ単に煽り耐性が低いせいで反応を面白がられてるだけか

男「……だからってなぁ」

白髪少女「なんだ? もしかして、怒ってるのか?」ジィッ

男「いや怒りはしないが……」

白髪少女「……なら良い。悪いな。少しからかって見たくなっただけだ」

男「そういうのは、惚れた相手にでもやるべきだと思わないか?」

白髪少女「それは私もそう思うぞ?」

男「なんだその返答は。答えになってないぞ」

白髪少女「いいや、答えになっているさ」ジィ

白髪少女「人の好意に鈍感なのはワザとか?
       それとも、素でそうなのか?
       人の好意は素直に受け止められるようにならないと、
       いつか皆から嫌われてしまうぞ? ん?」

男「……さぁな」


……


……

時間は夕暮れ時。

今日行う予定にしていた飲み会、
その会場となった居酒屋の前に、
他の人より一足先に到着すると、
イケメンは息を大きく吸い込んだ。


――今日だ。
――今日こそ、美少女を手に入れる。
――自分の仕業だとバレないようにする為に、
――人伝いに今日の飲み会に美少女を誘い込む事に成功した。


イケメンは逸る気持ちを抑えながら、
ポケットに手を当てた。
その中には、フツメンから貰った粉が入っている。
そう、意識を朦朧とさせるあの薬が……。


これを上手く美少女に飲ませる事が出来たなら、
後は強引に男女の関係に持ち込むだけである。

それがいけない事だとは分かってはいる。
しかし、後の事はどうともでなる、と言うフツメンの誘惑の言葉が、
イケメンの自制心の枷を外していた。


イケメン「……どうしても、君が欲しい。
      こんなに誰かを好きになったのは、
      はじめてかも知れない」

ぽつりとそう呟いてから、
イケメンは居酒屋の中に入ると、
予約名を伝えて抑えた部屋と入っていく。


イケメン「……ちょっと早く着き過ぎたかなって思ってたので、部屋が大丈夫で良かったです」

店員女「つい今さっき準備が終わった所なんですよー。
     大部屋なので、先に準備してたのもありますけどー。
     ……ところで、それにしてもお兄さんかっこいいですねー」チラチラッ

イケメン「それ、言われ慣れてますね」

店員女「そ、そーですか」

イケメン「はい」

>>20
ここで見られれば手間ないなって
とりあえずよんでくる

店員女「あ、あはは……えーと、そう言えばお一人、
     先に到着されている方が居ます。
     準備終わる寸前くらいにお越しになられた方で」テクテク

イケメン「誰だろう……」テクテク

店員女「……あっ、ここです」ピタッ

店員女「それでは、私はこれで」ペコリ スッ

イケメン「どうも……」

店員の会釈に会釈で返し、
イケメンは部屋のドアを開けた。
すると、


フツメン「いよう、待ってたぜい」


――静寂の中にただ一人、フツメンが座していた。


イケメン「……先に一人居るって、お前か」

フツメン「何だ俺じゃ嫌か? あーそっかそこは美少女を待ってたワケだ」

イケメン「まあな」

フツメン「正直だねぇ。嫌いじゃないよ、そういうの」

イケメン「……一応、礼は言っておくよ。この薬」

フツメン「おう持って来てたか。いいぞ、使え使え」

この場面からだと薬使って女犯そうとするやばいやつが出るSSだと思われそう

その通りじゃないかな…

ヌポーン再登場しないのか?

>>32
中国マフィアのくだり無い分DQN感が強いような···
事実なのはそうなんだけど

最初からして無理やりしようとしてたような

イケメン「ああ、有難く使わせて貰う」ニチャ

フツメン「最高のスマイルだね。色々と、しっかり吹っ切れた感じだ」

イケメン「お前のお陰だ」

フツメン「そう言われると照れるねぇ。まあ座れよ」隣ポンポン

イケメン「分かった」ガタッ

フツメン「……なあ所で、実は俺が一番先に来てた理由なんだがな。
      お前と最初に会おうと思ってな。
      多分お前は早めに、それこそ一番乗りな勢いでくると思ったからよ。

      はじめて薬を使うんだ。
      そういう時、人はそうなりがちだしな。
      ……俺のこの推察には疑う余地はないぜ?
      現にお前は俺を除けばこうして一番乗りだ」

イケメン「俺に関しては当たってるし、
      どうのこうの言うつもりは無い。
      それより、俺と最初に会いたかったって……どういう事だ?」

フツメン「そうだなそうだな、本題から入らないとな。……こいつをやろうと思ってな」スゥッ

イケメン「何だこの粉……貰った薬とは違うけど」ジロジロ

フツメン「俺からの応援品」

イケメン「……は?」

フツメン「まあまあ、聞け。
     この薬はな一瞬興奮剤みたいなものだ。
     脳へ刺激を与えて、
     人の攻撃的な側面の感情を何倍にも増幅させる。

     ……いざ意識が朦朧とした美少女を見た時に、
     お前の気持ちに迷いが出るかも知れない。
     これは、その迷いを断ち切ってくれる。
 
     女を犯すと言うのは、
     男の攻撃本能や支配欲に直結する部分だからな。
     役に立つさ」

イケメン「……ありがたい事はありがたいけど、効果あるのか……?」

フツメン「ある、断言するね。
     今日のニュースで連続殺人犯の報道してたよな?」

イケメン「やってたな。正気を失ってたとか、興奮してたとか……」

フツメン「そいつが使ってたのが、コレ」指サシ

うんちぷり

イケメン「お、おいそれ冗談……だよな?」

フツメン「冗談なわけ無い。
      本当だ。
      で、出所はそっちの薬と同じで○クザだ」

イケメン「出所じゃなくて、
      それ使ったら迷いを断ち切る云々じゃなくて、
      単に殺人鬼みたいになるって事じゃ……」

フツメン「……そうとは限らない。
      これは攻撃的な側面を刺激する、と言ったろ。

      だから殺人犯は多分、
      そういった部分の攻撃性を刺激されるような、
      そんな事があったハズだ。

      馬鹿にされたとか、煽られたとか、
      あるいは社会への憤りかも知れないが。

      要は使う時と場所を弁えろって事だ。
      ナイフと同じだと思えば良い。
      料理に使うか、人殺しに使うか、それを決めるのは自分自身だ」

イケメン「……それは、確かに」

フツメン「お前は違うだろ?
      あくまで、美少女を犯す時に迷いを断ち切る為であって、
      決して人殺しへの迷いを切る為に使うわけじゃない。
      ……な?」

イケメン「……お前の言う通りだ」

フツメン「分かってくれて嬉しいよ。それじゃほら、水と一緒に」ススー

イケメン「ああ、分かった。よし――」ゴクリンコ 

イケメン「――飲んだぞ。……でも、あんまり変わった気はしない」

フツメン「そんなすぐに効果が出るわけないだろ。
      時間が経てば徐々に効いてくる」ッハハッ

イケメン「そ、そうか」

過去分のコピペなのになんでこんなに時間かかってんの?

フツメン「まあともかく、飲んでくれて良かったよ。
      せっかく用意したんだ。
      飲んでくれなくちゃ、こっちも気落ちするしな。

      何せお前の為に用意したんだから」

イケメン「悪いな、助かるよ……。
      そういや、金とかは大丈夫なのか?
      あの薬もこれもタダで貰ったけど……」

フツメン「気にするなよ。
     同士の為だから、別に良いんだ」

イケメン「同士って、友達から同士に格上げされたのか? 俺」ハハッ

フツメン「……さぁな」

イケメン「まあでもそういう言い方もアリだな。仲間って感じがしてくる」

フツメン「とにかく、頑張れよ。ほら、段々集まってきた」

ザワザワ
ザワ……


イケメン「ああ、そ――美少女、発見。……早速行ってくる」

フツメン「おう行ってこい」


ザワザワ

美少女 ドーモ
学生男 ヤベーカワイイー
学生女 ダヨネー
学生男2 今回レベルタケー

ザワザワ

学生男3 ネェネェ カレシイルノ?
美少女 ソウイッタコトニハ オ答エ出来マセン
美少女 アト私 スグ帰リマスノデ 用事アリマスノデ
学生男2 ソンナコト言ワナイデサー


イケメン「おい――悪いんだけどその子は俺が予約済みだ。どいて貰おう」オラオラ


学生男 ナンダヨ イケメンノ オ手ツキカヨ
学生男2 マジカー アッデモ 美少女サン 嫌ガッテソウ
学生男3 俺ラニモ チャンス マダアルナ


美少女「……げっイケメン君。いるってのは聞いてるけど、こっち来なくて良い」ボソッ

イケメン「ほら……こっち来な」グイッ

美少女「ちょ――顔だけ出してすぐ帰る予定だから、放して!
     今さっき適当に皆に挨拶したし、後もう帰るし」

イケメン「そんな事言わないでさ」

美少女「……はぁ?」


学生男 何カ 喧嘩シテル
学生女 痴話喧嘩……?
学生女2 チョットソウイウノトハ違イソウダケド


友少女「……ちょ、ちょいとお二人さん、周りの目が」

美少女「……だって私もう帰るのに」

イケメン「それじゃ折角に来たのに楽しく無いだろ」

美少女「楽しいとか楽しくないとか、そういうの今日求めてない」ハァ

友少女「――と、取りあえず何か飲むか食べるかくらい、してこ……ね?
     イケメン君の言う折角来たってのはその通りだし、
     それなら大丈夫でしょ……?」ネ? ネ?

美少女「約束が違う……」

友少女「お願い、ね? ね? 友少女2もそう思うよね?」チラッ

友少女2「あんまり振って欲しくない時に振ってくるねぇ。でもまあ折角だし、ね」

友少女2「顔だけ出して、ちょっと食べるか飲むかして、あと帰るで良いんじゃない?」

イケメン「ほら、友達もそう言ってるし」

美少女 イラッ……

友少女「な、何でイラついてるのか分からないけど、抑えて抑えてー」アタフタ

友少女2「……彼氏彼女じゃないって本人の談、ウソだと思ってたけど、
      これ見る限り、本当だったんだねぇ」ボソッ

友少女「友少女2! 何呟いてんのか知らないけど、あんたも手伝ってよぉ」チラッ

友少女2「そうは言ってもね。
      本来の顔を出すって約束は果たされてるし。
      折角だからっては思うし進めるけど、
      無理強いは出来ないかな……」


イケメン「……はぁ、もう分かったよ」ヤレヤレ

美少女「物分り良くて助かる」

イケメン「でもせめて、飲み物くらいは飲んでってくれよ」

美少女「お酒飲めないからパス」

イケメン「この際、お酒じゃなくても良い。頼むよ」スッ

美少女「あなたから受け取りたくない」

イケメン「じゃあ、友達経由なら良いのかな?
      ……ちょっと俺の代わりに渡して」ズイッ

友少女2「え? 私? ……うーん、美少女も飲み物ぐらい飲もうよ。
      折角持ってきてくれたんだし。
      飲み物に罪は無いよ?
      それにこれお酒じゃないから。匂いしないし」

美少女「……」ブスッ

友少女2「ほーら」ズイッ

美少女「……本当にお酒じゃない?」

友少女2「うん、違うよ」

美少女「じゃあ飲む」ヒョイ

やっときたか

5スレ目に投下してた分はこれで全部だ
ここから先は書いた都度に投下する



>>24
ハイ、続き書きます……

あと、露悪的なのは否定しません

自身の悪い所は余程で無い限り
隠そうとする方が疲れるし
何より下手に取り繕って隠して
それが暴かれた時
大体面倒な事になるので……

>>26
煽り耐性は確かに無いかも知れない
しかもその上、煽ってくる人を逆におちょくったりしたら
どう反応するんだろう、と思って絡んでしまう時がある

ぶっちゃけネットやらない方が良いタイプの人間だと自分でも思う

>>39
ほんのちょっとだけ文章直してました

なるほど
ちょくちょく見直してるのか

まさか埋め立てを煽ってる間に1レス分も書き溜めしてなかったとは思ってなかった

これは酷い

>>46
これ
わざわざ移転先見つけて来たけどがっかりだわ

ゴクゴク……ゴクッ……


イケメン「……もう一杯ぐらい、行けそうだね。もう一つ持ってこよう」

友少女2「え、えぇ? さすがにもう無理じゃないかな……本人帰る気満々だし……」

友少女「う、うん。まさかこんなにイラつくなんて思わなかったし……」

イケメン「頼むよ。後で顔が良い男を何人か紹介するから」

友少女「――そ、それホント?」

友少女2「食いつくねぇ。
      まあ友少女は結構顔重視するもんね。
      ……でも、私は友情の方が大切なタイプだから」

友少女「何言ってんのよ! 
     友情が大切なら逆にここで引き止めないと
     こういう所で付き合いが悪いって思われたら、
     あの子だって後で大変よ。
     変な陰口とか叩かれるかも知れないし」

友少女2「……それは、そうかも知れないけど」

友少女「それに別に今日一日くらい良いじゃない。
     別に毎回って言ってるんじゃないんだし」

友少女2「それは、まあ確かに……」ウーム

友少女「次からは美少女の意思を尊重する、って事にしない?
     今回はもう来ちゃってるし、
     少しの間でも参加させるなら、
     今日が良いと思う」

友少女2「うーん……」

友少女「美少女とだけじゃなくて、私との間にも友情あるでしょー」

友少女2「はぁ……分かった」

友少女「――って事で♪」

イケメン「ありがとう。それじゃあ、もう一杯分持ってくるよ」テク

テクテク
テク

イケメン グラス ヒョイ

イケメン(……なんとかなりそうだ。そして――)キョロキョロ

イケメン(――よし、誰も見てないな)袋ビッ 

サラサラ……
カチャカチャ…

イケメン(……しかし、何が早く帰るだよ。
      くそがっ。
      すぐ帰すなんて、とんでもないっての。

      ……なるべく早めにこれを飲ませて、
      効果が出るまでは引き止めないとな)クルッ…

イケメン(ところで、お酒が駄目は予想外だったな。
     できればお酒に入れタカったんだけど……。
     まあ仕方ない。
     お酒じゃなくテも効果は出るそウだし)ド……クン……

イケメン(そうダ。効果が出ルなら、途中はどうでも良イ。
     どんな手段を使ってデも、手に入れル、ンダ……?) ドクッドクッ

ドックドック……

イケメン(アレ……? し、心臓、心ナしか、鼓動が早イ、様ナ……)

イケメン(い、いヤ、気のセヒだロウ……)

デクテク……

イケメン「オ待タせ。ジャあ、こレ、美少女に渡してあゲて」スッ

友少女2「え? また私? 今度は友少女が渡し――」ヤダナァ

イケメン「――ヤレヨ」

友少女2「……え? う、うん」ビクゥッ

イケメン「アリがとウ」

友少女2「な、何かいきなり雰囲気変わった……?」

イケメン「ソンナ事、無いヨ……」

友少女2「で、でも何か目が血走ってるよ……?
      ね、ねぇ、友少女もそう思うよね?」グイグイッ

友少女「何よ」

友少女2「イケメン君、何か様子がおかしいよね……?」

友少女「えー、そうかな? ちょっとお酒入り始めただけじゃないの?」

友少女2「そのせい……なのかな。
      でもそういうのとは違うような気がしなくも無いんだけど」

友少女「とにかくさっさと飲ませちゃおう」

友少女2「はいはい……」テクテク

友少女2「美少女ー、あともう一杯くらい飲んできなよー。
      これもお酒じゃないし、
      会費は男性もちでタダで飲めるんだしさー)

美少女「もう帰りたいんだけど」ブッスゥ

友少女2「その前にまずこれ飲んでさ。
      ほら、お酒の匂いとかもしないでしょ?」ズズイッ

美少女「……確かに、お酒ではないようだけど」クンクン

友少女2「だからほら、飲んじゃって飲んじゃって。
      タダだから、タダ」ネ? ネ?

美少女「何そのタダ押しは……分かった分かったから。じゃあこれも飲むから」ヒョイ

ゴクリンコ……

ここは静かで自分のペースで出来そうだ。
あともうちょっと頑張って続き書く(´・ω・`)

と言うか、少し行が多くても大丈夫なんだな……。
ありがたい。

正直投下ペースが遅いのは悪いと思ってる
でもそこまで早くは書けないしすぐにも変われないので
今の所は自分のペースでやってくよ(´・ω・`)

ガイジやんけ

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念のために言っとくけど、ここは5chやなくて外部サイトだからな
運営も違う
知らんぞどうなっても

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SS速報なんて5chよりもザルやぞ
金の亡者荒巻の管理放棄を舐めんなよガイジ

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ビッカスのお客さんやし荒巻のクソっぷり知らないんやろなあ

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ええ事教えたる
ちゃんと管理してる掲示板で書きたけりゃ深夜で書くことやな
あそこならちゃんとした管理人が管理してるで

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とにかくこんなクソスレがSS速報にあっちゃ邪魔だからここから出ていくまで荒らし続けるで

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>>102
と言うか
外部サイトまでついてくる事自体がありえん
取りあえず明日に警察行ってくるけど
5chの中ならそういう文化もあるから許容するが
それ以外は駄目だわルール違反

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日付変わってるから今日か
取りあえず行ってくる

>>112
最初からSS速報に居たんだよなあ…
VIPからの余所者がお前や

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昨日の埋め立てはSS速報の住民だったのか?
SS好きじゃないとSSスレ開かないだろうし変な話でもないのか

というかわざわざツールの使い方勉強したのか
真面目だなあ

>>116
言い訳は聞かん
行くと言ったら行く

>>53から>>54
流れで確定

あと
vipの時のIDとレスした時間も全て控えてる
控えてるのはwifi使ってる場合に
時間が分かれば何時にどこから繋いだか分かる証拠になるから

こいつVIPでも埋め立てられてたの?
ほんと嫌われ者だな

>>124
どうでもいい
マジで頭にきたから
警察行く
そんだけだ

>>127
それはスレ主の好きなようにしたらいいと思う
ただ昨日手動で埋め立ててたやつが今日ツール使ってるって無駄な努力してるなって思っただけ

>>128
うん
無駄な努力より
マジでど頭に来てる

正直ついてくるかもって思ってたから
vipのIDと時間、あとはログも控えてて良かった
ここと違って
今の5chは串使えないだろ
端末特定が恐らく可能

うーんでもこれ何かの罪になるのか?とは思う
もしなるならほとんどのスクリプト使い逮捕されてそうだけど

>>130
俺に特定してこれをしている、と言う事が問題
いわゆるストーカー法が2017年に改正されて
ネットも対象になってる

>>131
そうなのか知らなかった

さっきもレスしたが、
俺は5chの中ならそれも文化や伝統の一つだから許容するが
それ以外なら絶対に許さない

当たり前だろ
ネットでも最低限のルールを守ってこそ、だ
それを破るなら俺も徹底的にやるだけ

まあ普通のSNSで粘着されたら嫌だしここもそんなもんか

何か連投止まってるようだけど
先に言っとくけど
止めたぐらいじゃ俺の腹の虫は収まってないからな

「あっやばいかも。取りあえず一旦止めて怒ってるのが治まるまで待とう」って感じで
謝りもしねぇ態度にさらに腹が立ってる状態だから

まあ頑張れよ
俺も徹底的に頑張るからさ

取りあえずSSは完結させると言った以上、
ここのSS速報で完結までは書く

最終的にここに移ったのは
荒らしに対処する方法が無いからではなくて
荒らしを含めた文化的な背景が5ch(旧2ch)に存在しているからに他ならない

どうしても荒らしが収まらないのであれば
引くべき移るべきは俺の方であるべきだからだ

でもそれはあくまで5ch(旧2ch)内に限定した話
離れたらもうそれ関係無い


取りあえず後1レス分書いて投下したら寝る
今日は早めに寝る
昼に警察行かなきゃならないからな

お疲れさま
こんな状況で言うのも何だけど続き読めるのは嬉しいよ

ちょっと>>50だけど
」が)になってたりでおかしい部分あるから訂正する。
台詞修正とかもちょっとあるけど、ストーリー上の修正は無いです


↓で、これが訂正版


ドックドック……

イケメン(アレ……? し、心臓、心ナしか、鼓動が早イ、様ナ……)

イケメン(い、いヤ、気のセヒだロウ……)

デクテク……

イケメン「オ待タせ。ジャあ、こレ、美少女に渡してあゲて」スッ

友少女2「え? また私? 今度は友少女が渡し――」ヤダナァ

イケメン「――渡セヨ」

友少女2「……え? う、うん」ビクゥッ

イケメン「アリがとウ」

友少女2「な、何かいきなり雰囲気変わった……?」

イケメン「ソンナ事、無いヨ……」

友少女2「で、でも何か目が血走ってるよ……?
      ね、ねぇ、友少女もそう思うよね?」グイグイッ

友少女「……何よ」

友少女2「イケメン君、何か様子がおかしいよね……?」

友少女「えー、そうかな? ちょっとお酒入り始めただけじゃないの?」

友少女2「そのせい……なのかな。
      でもそういうのとは違うような気がしなくも無いんだけど」

友少女「そんな事より、美少女にさっさと飲ませちゃおうって。
     飲ませる役は……渡されたのはあんただから、もっかい任せたっ!」

友少女2「えぇ……まあ、しょうがないか。

      ……ねえ美少女、あともう一杯くらい飲んでいかない?
      これもお酒じゃないし、
      会費は男性もちでタダで飲めるんだしさー」

美少女「……そんな事言われても、もう帰りたいんだけど」ブッスゥ

友少女2「その前にまずこれ飲んでさ。
      ほら、お酒の匂いとかもしないでしょ?」ズズイッ

美少女「……確かに、お酒ではないようだけど」クンクン

友少女2「だからほら、飲んじゃって飲んじゃって。
      タダだから、タダ」ネ? ネ?

美少女「何そのタダ推しは……んもう、分かった分かったから。じゃあこれも飲むから」スッ

ゴックン……

美少女「……」カラン

友少女2「普通にジュースでしょ?」

美少女「うん……」

友少女2「……機嫌悪いの、治してよ。
      友少女の方は分からないけど、
      私は美少女の事を信じるからさ」

美少女「……何の話?」 ン?

友少女2「イケメン君が彼氏じゃないって話。

      最初はただ恥ずかしがってるのかなって思ってたけど、
      さすがに今さっきの諸々を見たら、
      もうそういう風には疑えないよ。

      美少女の言ってる事が本当なんだって思えたから。
      そういう関係じゃないって言葉。

      多分……イケメン君が美少女にご熱心で近づいてくるから、
      そういう関係に見えなくもなかったってだけなのかなって」

美少女「……気づくの遅い」

友少女2「ごめんって。許して」

美少女「……」

友少女2「……お願い!」

美少女「……わかった」ハァ

友少女2「許して貰えて良かった……。
      それじゃあ、お詫びってわけじゃないけど、
      今のうちにこっそり帰っていいよ。

      帰りたいんでしょ?

      最初はトイレに行ったとか誤魔化して、
      時間経ったら帰ったみたいってそれとなく私から伝えとくから」ウィンク パチン

美少女「……良いの?」

友少女2「そりゃからかう時もあるけど、
      大事な友達だもん。

      多分このまま残ってたら、
      どんどん帰り辛くなるだろうし、
      ストレスにしかならないよ。

      友少女は違う考えのようだけど……。
      まあ、あれはあれで正しいとは思うから、
      一回頷いては見たけどさ……
      でも考え直して見るとちょっと、
      やっぱりそれは違うんじゃないかなって思うし」

美少女「……」

友少女2「それに、イケメン君、何か雰囲気おかしいし……」

美少女「……ありがと」

友少女2「じゃあほら、こっそり今の内に……」スススッ


……


……

美少女が秘密裏に帰路についてから、
少しだけ時間が流れると、
イケメンが美少女の姿が一向に見えない違和感に気づいた。

最初はトイレに行ったと聞かされて居たのだが……、
それにしても長すぎるのだ。
なのでイケメンは、今日の美少女の動向を教えてくれていた、
友少女2に訊ねて見る事にした。

イケメン「美少女、トイレ長クナイか?」フゥフゥ

友少女2「美少女……? ああっ、さっき――」

――帰っちゃったかも。

と、その言葉を聞いた瞬間だった。

イケメンは自らの心と頭の中が、
瞬間的に沸騰するような熱気を帯びるのを感じた。
自分でも理由や理屈は分からない。
ただ、分かっている事は、
ある感情がマグマのように気泡を作っては蒸気を上げ始めた、と言う事のみだった。


――獲物が逃げた。
――欲しくて欲しくて堪らない獲物に逃げられてしまった。
――ナんデ? ナンデ?
――オレノ獲物、逃げタ、ナのにドウシテ、コイツハ平気ソウ?
――ソノ顔ガムカツク……コレハ……許セナイ!


その治まらない激しい感情は怒り。
もはやそれは制御する事すら叶わない。
相手は誰だって良かった。
ただ、壊したくなったのだ。
誰でも良いから壊したくなったのだ。

だからイケメンは近くにあった菜箸を手に取ると――


友少女2「……え?」


――友少女2の眼球を貫いた。


友少女2「ア゛ッ――アア゛アア゛ァ゛!」


辺りには一人の女の叫びが響き渡る。
すると当然にその場に居た全員がそれに驚き、
声の方を向いた。

「……っ」
「……何、何が起きたの」

ある者は声を失い、
ある者の状況の整理が追いつかず……。

しかし、それらも無理からぬ事であろう。

そこにあった光景は、
眼から大量の血を流して床に転がった友少女2と、
血塗れの菜箸を片手に満面の笑みを浮かべるイケメンと言う、
まるでホラー映画の一幕のような状況であったからだ。

1レス分と言いながら
なんとか書けたので2レス投下しました。

あとは一旦休みます。
続きの執筆予定ですが、
遅くとも今日の夜には戻って来れると思いますので、
その時に書きながらの都度投下になります。

では。

やっと進んだ
頑張れ

警察って…それ体当たり取材じゃんwwwやるなぁ

>>143
そこに気づくとは…

なんかどんどんクソスレ化してるなぁ…VIPでやるの止めたんだから荒らすなよと思う一方こんなので警察動くわけないだろって

免許の更新とかも警察署なんだけどそういうのは想像出来なかったんかな?

こりゃ話終わらねーわ

sage忘れた
悪い

>>146
頭に来たから警察行くとか徹底的にやるとかストーカー規制法とか言ってるじゃん
これで免許更新とかだったらそれはそれでやべぇよ

うえっ……

もし荒らしが嫌ならおーぷんVIPか創作の方に行くといいぞい
そこならアク禁が出来る
ついでに自演防止も出来る

この騒動がなかったらこんな過激な展開になったんだろうか
憎しみがSSに投影されている気がする

見てるぞ

そろそろか?

この騒動って言うけど、煽り返していたのも事実だしよくわからんわ

こわい

外部サイトで荒らしとか度胸あんな

管理放棄されてID加速中に荒らし尽くされてる掲示板で何を今更

ぶっちゃけ警察とか管理人頼みにしてないで自衛出来るおーぷん派生の掲示板に行くべきだよな
あそこならアク禁機能付いてただろ確か

戻ってきた
今から続き書いて
出来た都度に投下していくよー


>>155
煽り返しというか
>>11で言った通りに面白半分の側面もあったけど
もう一方では抑止を考えてって面もあったよ
あれ以上に酷くなられても困った

別サイトに移るか
移らないで止めるか
もしくはそのまま気にせず初志貫徹で続行か
ってのも、悩んでたし

○○って言ってるヤバめな人にキモいって言われるなんて~

って感じで必死チェッカーを見てしたレスも少しあるけど
取りあえずこっち来んな
こっち来たらお前のレス出すぞって遠まわしに言ったって面もある

落ち着けよのお茶つきAAに関しても
同じような感じだな

ただ何か
色々と俺の予想とは違う方向にスレが進んで行って
荒らしの人が俺の事を

携帯で自演してるだろ

とかって恐らく本気で言い出したのを見て
俺は半分は抑止の為とは言え、
ヤバい奴に絡んでしまったのではないか?
とは思った
何せ俺は自演など一度もしたことが無い


そして最後らへんの複数スレ立てに関しては
多分真面目に相手するにしても無視するにしても
この荒らしは変な方向に妄想してくるだろうなと思ったから、
いっその事5ch内での遊びって雰囲気を出そうと思った結果だよ……

で、その後に5chとは違う外部サイトの速報に行くことで
この遊びは終わりなって暗に伝えたつもりだったんだけど・……
伝わってなかったようで


でも言葉で言っても伝わらないだろうしなぁ……

そうやって長文雑談するから荒らしに漬けこまれるってわかってないんだろうなあ
煽り耐性0スルースキル0でどうしようもないんだから物理的に荒らしシャットアウト出来るアク禁機能付きのところで好き放題雑談しながら書けばいいじゃん
お前に荒れないように書く能力なんて無いよはっきり言って荒れる要素てんこ盛りだもん

創作発表
https://engawa.open2ch.net/mitemite/

ニュー速VIP
https://hayabusa.open2ch.net/news4vip/

これが上で話題に出てるアク禁出来る掲示板な

荒らしに絡んで抑止力()とか馬鹿じゃねえの
荒らしはスルーが基本で構ったら荒らし大喜びだぞ

なんでこんな豆腐メンタルがSS速報に来たのか謎だわ
下手すりゃ本家2chより民度悪いぞここ

>>161
>>162
まあまあ許してよ
というかまだ移動するの面倒くさい

結局警察の件はどうなったの?

なんかVIPとかなんJから移住してくるやつって例外なく臭いよな
彡(゚)(゚)「無能力者のワイと能力者達が共に生きる?」
こいつもヤバかったわ

そりゃそれぞれ拠点のVIP、なんJから追い出されてる連中なんだしまともなわけないだろ

長編だとしつこくこっちに移れって荒らす奴が出て来るから弱気な人はこっちに逃げる

大抵こういう奴は自己顕示欲お化けが多いからな
上のなんJの作者も創作板の後深夜に移動して暴れてて叩かれてたろ

>>165
その事だけど
SSと関係ないから今後触れない事にしようと思う
雑談で出すにしても面倒くさくなりそうだし

ただまあ、
悪くない結果になりそうだなって感じ

すっげぇどうでもいい
ss書かんなら消えてくれ

そこはハッタリでも警察が動いたって吹かせよ
濁したら動いてないのがバレて荒らしが調子に乗るだけだぞ
まあこんなんで動く訳がないけどな

>>170
まあ本当に何らかの処罰があるならかなり踏み込んだ話になるだろうし
匿名掲示板で話すようなことでは無いかもしれない
でもこのくらいの出来事で警察が動くって意外だったな

喋れば喋るだけ反感買うタイプっていうか、多少気付いてるみたいだけど直す気ないからどっちにしろ一緒っていうか
これからは二行以内に収まること以外話さないようにした方がいい

ここまでの流れでなんで荒らされたのかって大体察せるのが凄いわ
荒れるべくして荒れたんだろうな

マトモだろうがマトモじゃなかろうが
俺はSSを完結させたいからさせるし
取りあえず荒らしは黙ったし
>>170で言った通りに後はもう触れない

と言うことで続き書く

荒らされると読む側も読みづらいんだわ
やめろとは言わないが、そこも理解して欲しい

もう二度とSS以外のこと喋るんじゃねえぞ

変な奴ばっかSS速報に流入してきてゲンナリだわ
早く書くなら書いて完結させてさっさとVIPに帰ってくれ邪魔だ

でこのバイオレンスな展開からどう納まるんだろうな

みんなが望んでんのはSSの続きであってお前の過去も荒らしとのじゃれ合いもどうだっていい
素直にSSだけ書いてれば賞賛もあったろうになぜ敵を作ろうとする

手より口が動くっていうのはありがちという感じもする
本人の性格だろうな

本当に煽り耐性が無いのね
これは玩具になるのは仕方なし


しかし、そんな周囲の様子にイケメンは気づく事が出来ず、
何度も何度も手に握った菜箸で友少女2の突き刺した。


イケメン「アァアアアァァァァ!!」ガスッ ガスッ

友少女2「――痛゛ッイ、何゛、な゛ん゛で」ビクッビクッ……


イケメンの執拗な攻撃は、
眼球だけに留まらず、
口腔、腹部とあらゆる箇所に至った。


学生男「――や、やめろって!」


唖然とした光景から、
呆けていた意識をどうにか取り戻した男性の一人が、
その陰惨な光景を止めに入った。

そして……それに触発されたのか、、
釣られるように続々とその場の人物たちが意識を取り戻し、
その中の特に男性陣が、
イケメンの取り押さえに加わった。


学生男2「――何考えてんだよ」ガシッ
学生男3「――おい、冗談じゃ通じねぇってこれ!」グイッ
学生男4「そうだぞ! おい、誰か救急車と警察呼べ!」
学生女「う、うん」スマホッ

イケメン「ハ、ハナ゛ゼェ!」グググッ

学生男2「やべぇ力強ぇ……」グッ
学生男3「数人がかりで抑え付けてんのに……」

イケメン「ウガアアアアッ!」ガバッ

学生男2「――ぎゃ」ドガンッ
学生男3「――うぁ」ドカッ


暴れるイケメンによって、
取り押さえにかかっていた男性たちが、
次々に投げ飛ばされた。

細身であるイケメンの見た目からは、
考えられないほどの腕力であり、
あまりに異様だった。


イケメン「邪魔ヲ、ジャマを、するナァ……!
      アアアア゛!
      ド……コダ! ドコに居るンダ! アアアアッ!」

イケメンは自らの頭を激しくか掻き毟ると、
急に今度は怒りではなく、
意中の女性である美少女の事で頭がいっぱいになってしまい――
――探しに行く事を決意した。

「――ウォアァっ!!」

イケメンは近くにあった椅子を使って窓ガラスを殴り割ると、
ものの数秒であっと言う間に闇夜に溶けて行った。
     

――おい、お前ら大丈夫か!
――いやああああああ!
――これ酷ぇよ……。


この惨事を引き起こしたイケメンは、
既にこの場から消えてしまっている。
しかし一方で、悲鳴や混迷は残り続け、
この状況の衝撃に耐えられず、
吐いてしまうような女の子も居るくらいであった。


友少女2「……」ビグッピクッ

もはや言葉を発する事すら出来ないのか、
友少女2は体中から血を垂れ流して、
ただ痙攣しているだけとなっている。


友少女「ちょ、ちょっと……ねぇ」

友達である友少女は、
友少女2に近づくと、その体をさする。

突然の事態に硬直して、
身動きすら取れないでいた友少女だったのだが、
今になってようやく体に自由が戻ってきたのだ。


友少女「酷い怪我……で、でも大丈夫だから。
     い、今救急車来るから、呼んだって人がいるから……。

     ……なんで、なんでこんな事に……」ウゥッ


友少女は嗚咽混じりに大粒の涙をこぼす。
しかしそれを慰める者も励ます者も一人として居らず、
ただ立ち尽くすばかりが大勢であった。

警察と救急車が到着するまでの間に、
どうすれば良いのか、
何を言えば良いのか、
何もかもが誰にも分からなかったから。

でも――、一人だけ。
誰もが気づかなかったが、
この状況の中で一人だけ、
特に取り乱した様子もない男が居た。

フツメン「……こうなっちゃったか。
     一応改良版だったんだけどなあ、あの薬。
     まあ良いテスターにはなってくれたよ。
     
     ……まだまだ、売り物にはならなさそうだ」

フツメンは落ち着き払った様子でぼそりと呟くと、
酒の入ったグラスに静かに口をつける。

酒の味は苦い。
今回の結果も苦い。
同じだねえと独りごちた。

夜から書く言うて
今から書く言うてもう何時間経ってんの

……


同日の夜 繁華街

テクテク
テク……フラァ

美少女(何だろう、凄く眠い……というか、眠いってよりぷつぷつと意識が途切れる)フラフラッ

美少女(……気疲れしちゃったのかな?
     まあでもこんな状態になるなら早く帰れて良かった。
     もしもあそこに居たままこんな状態になったんじゃ、大変だ。
     友少女2には後でお礼言っとかないと……)フラフラ……



帰路について少し経ってから、
美少女はどうにも自分の容態が変な事に気づいていた。

まるで明晰夢でも見ているかのような感覚で、
自分自身、
きちんと自宅マンションに帰れるのだろうか?
と不安になってくるぐらいに意識が朦朧とするのである。

ふらふらと千鳥足にも似た足取りで、
時折壁に手を当てて休みながら進む。

しかし、どんどん状態は悪化していって、
とうとうとすれ違う人とぶつかってしまった。

なるべく当たらないように歩いていたハズなのだが、
それすらもままならなくなっているのだった。


美少女「……あっ、ご、ごめんなさい」ペコリ

キャバ嬢「こっちこそ……」ズビッ

美少女(……何だろう、服も化粧も……華やかな人だな。
     夜のお仕事してる人なのかな……。
     でも、なんで泣いて、るんだろう……。
     ……いや、そん、なことより、早くお家、に帰らな……い……と)

フラフラ……
フラ……

……ドタンッ

キャバ嬢「私も気をつけてなかっ――ちょ、ちょっと、なになに、なんで倒れたの!?」ビクッ

美少女 ハァハァ…… ガクッ……

キャバ嬢「やだちょっと……起きて起きて」頬パンパンッ

美少女 ハッ

美少女「す、すみません……」

キャバ嬢「救急車呼んだ方が良い?」

美少女「い、いえ、……ちょ、ちょっと休めば……」

キャバ嬢「でも、危ないと思うけど……酔っった感じでも無いのに、
      意識障害っぽい感じするんだけどさ。
      何か変な薬やってたりとかしない?」

美少女「い、いえ、そんなことないです……」

こういう形で出会うとはな

キャバ嬢「……本当に?
      変な薬やってるから救急車呼ばれたくないとか、
      そういうワケじゃない?」

美少女「……ほ、本当、です」ハァハァ

キャバ嬢「……はぁ、分かった。信じる。
      それじゃあ取りあえず私の職場に来なよ。
      休む所くらいはあるから」

美少女「い、いいんですか……?」

キャバ嬢「気にしなくて良いよ。
      ほら、肩貸して」スッ

美少女「あ、ありがとう、ございます……」ガ……ガシッ……



それから、キャバ嬢の職場まで向かう間、
美少女は自分がこうなるまでを話した。

飲み会に顔だけ出して、
ジュースを一杯二杯飲んで帰ろうとして、
今こうなっている、と。
だから自分でも何でこうなっているのか、
分からない、と。

自身の容態が容態なので、
上手く説明出来たかは、
美少女にも少し不安であったが、
なんとか伝わりはしたようだった。


キャバ嬢「なるほどね……」

美少女「は……い」

キャバ嬢「……でもそれさ、もしかしてなんだけど」

美少女「……?」

キャバ嬢「そのジュースに何か盛られてたんじゃない?」

美少女「……え?」

キャバ嬢「結構居るよ。そういう男。
      好奇心でやってみたいと思ってなのか、
      それ使えば上手くヤレると思ってるのか、
      それはわかんないけど、
      とにかく、そういうのを使う男は結構居る」

美少女「……そん、な」

キャバ嬢「私ねキャバで働いてるの。
       だから、色々な男を見てきたから」

美少女「……」

キャバ嬢「絶対とか百パーっては言わないけど、
       でもあなた男ウケしそうな可愛い感じだし、
       多分私の予想当たってると思う。

       早く帰って正解だよ。
       協力してくれた友達には……感謝しないとね」

美少女「……それ、は、。は、い」フラァッ

キャバ嬢「おっと――危ない」カシッ

美少女「う、ぅぅ……」

キャバ嬢「あともうちょっとだから、
      ほら看板見えてきたから、
      頑張って」

ちょっと>>189のこの部分、修正します


飲み会に顔だけ出して、
ジュースを一杯二杯飲んで帰ろうとして、
今こうなっている、と。
だから自分でも何でこうなっているのか、
分からない、と。


こっちで


男女混同の飲み会に顔だけ出して、
ジュースを一杯二杯飲んで帰ろうとして、
引止めに合いそうになったけど、
友達が協力してくれて上手く帰れる事になって、
その帰り道が――ちょうど今で、突然この症状が出始めた、と。

だから自分でも何でこうなっているのか、
分からない、と。


キャバ嬢は店まで辿り着くと、
表の入り口からでは無く、
裏の従業員出入り口から中へと入っていった。

――何だ今日はお前休みのハズだ――うわっ、どうした!
――あっ、店長。……ちょっと色々あって、この子休ませたいの。
――いま仮眠室空いてる?
――あ、空いてはいるが……。
――借りるよー。

キャバ嬢は店の人と幾らか会話を挟むと、
美少女の事を仮眠室まで連れて行ってくれた。
その中には誰も居ない。
ただ、ブランド物の香水の匂いが微かに漂って来た。


キャバ嬢「ほら」ドサッ

美少女「あぅ……」グタッ

キャバ嬢「何も遠慮しなくて良いから、早く寝ちゃいな。
      ちょっと香水臭いかも知れないけど、
      それは我慢してよ」

美少女「あ、ありがとう、ござ、います」スゥ……スゥ……

キャバ嬢「……おやすみ」

美少女 スゥスゥ

キャバ嬢(……しっかし可愛い寝顔だねぇ)ツンツン



ウ~


キャバ嬢「……ん? 何の音だろ」テクテク 窓カチンッ ギッ


ウゥ~~ゥ~

ウ~~! ウゥ~


キャバ嬢「パトカーのサイレンか……」


キャバ嬢がふと耳に捉えたのは、
パトカーのサイレンだった。

ただ、繁華街では特に珍しい光景では無くて、
随分と慣れ親しんだ音でもあった。

ゆえに、「またか」くらいにキャバ嬢も思って、
窓を閉め直そうとしたのだが――

――続け様に聞こえてきた拡声器からの言葉に、
その手を止めた。


『住民、通行人の皆さま、注意喚起のお知らせです。
 外出をお控え下さいますよう、お願い申し上げます。
 最近は凶悪な事件も増えております。
 なるべく人目の無い所は避け、
 早めにご自宅へお戻り頂きますようお願い申し上げます』


キャバ嬢「……何この注意喚起、はじめて聞くんだけど」

仮眠室の扉 ガチャ

キャバ嬢「――誰? って、店長?」クルッ

店長「おう俺だ。それでどうだ、その娘の具合は」

キャバ嬢「すぐ寝ちゃった。
      寝顔は苦しそうに見えないから、
      多分大丈夫だと思う。

      っていうかそれより、
      何か変な注意喚起流れてるんデスケド」

店長「さぁな。それは俺にも分からない」ウーン

執筆今日は頑張ってんな

一旦ここで中断します
続きは後ほど戻って来てから書きます

そうだよ
SS投下に関係ない書き込みはそれぐらい簡略でいいんだよ
頼むから最初の時みたいに関係ない事グダグダ書くんじゃねえぞ

見てるぞがんばえー

1はヌポーン気に入ってるの?
それとももう要らんだろって感じ?

このスレ読み始めた時はヌポーンが縁結びの道具になって結ばれるほのぼの短編SSかと思ってたけどこうなるとはなあ
長編SSも普通に面白いけど

不穏すぎる

戻りました
今から書きつつ出来た都度に投下します

おかえりー

キャバ嬢「何か……嫌な感じ」

店長「嫌な感じって何だ?

    いつも何かしら起こってるだろ、
    繁華街なんて。

    ……問題が起きてない日の方が珍しい」

キャバ嬢「それはそうだけど……」

店長「それより、ほらっ」ポイッ

キャバ嬢「わわっ……!」アタフタ


店長が投げてきた何かを、
あたふたしながらもキャバ嬢が受けtると、
それは缶コーヒーだった。


キャバ嬢「缶コーヒー?」

店長「まあ飲めよ」

キャバ嬢「何急に……」

店長「お前の目」

キャバ嬢「……え?」

店長「……さっきその子を抱えて入ってきた時、
   泣いた跡があるって気づいた。
   何かあったのか?
   その子が関係してるのか?」

キャバ嬢「これは……この子は関係ないよ。
      ただ、ちょっとその前に色々あっただけ」ゴシゴシ

店長「……ふぅん」

キャバ嬢「ただ、上手く行かないなって……。
      自分なりに頑張って見たんだけど、
      何でだろって……」

店長「お前馬鹿だもんな。
    何を頑張ったのか分からないが、
    頑張って空回りしたんだろうなってのだけは分かる」

キャバ嬢「……何よその言い――」

店長「でもまあ、良い女だよ。
    変に頭が回るような女より、
    一生懸命馬鹿でも頑張る女の方が、
    ずっとずっと良い」

キャバ嬢「――かた……」

店長「……俺は店の女を全員ちゃんと見てる。
    だから、お前の良い所もきちんと見ている。

    後輩に優しくしてる所も見てるし、
    寒い中でも店のために、
    別にやらんで良いって言ってんのに、
    外で客引きやってくれてんのも知ってる」

キャバ嬢「……」

店長「だから、男の一人二人、忘れろ」

キャバ嬢「……なんでいきなり男だって断定すんのよ」

店長「え? いやだって、
    休憩時間中にニヤニヤしながらラインしてるし、
    仕事終わりにもニタニタしながらラインしてたし、
    どう見ても彼氏か、
    もしくは惚れた男がいるなって思ってた。

    で、具合悪そうなその子が関係ないってなると、
    それかなって思ってな」

すごいことになってる

キャバ嬢「……うざ」

店長「まあ言いたくないなら無理には聞かないさ」

キャバ嬢「そうしてちょーだい。

      ……ってか、そう言えばさ、
      私缶コーヒーよりホットレモンとかミルクティーが良いんだけど」

店長「贅沢を言うな」

キャバ嬢「ちゃんと店の女の事見てるって言うなら、
      そういうのもちゃんと見てるもんでしょー」

店長「……自販機でもコンビニでも売り切れてたんだよ」ポリポリ

キャバ嬢「ふーん……」

店長「……まあでも、
    缶コーヒーが嫌なら、熱燗でも持ってくるか?
    店にあるし、それなら用意出来るぞ。
    レモンかはちみつでも混ぜといてやるよ」

キャバ嬢「……お酒は良いや。
      一応今日はオフだから、
      お酒からは離れるよ、そんな日くらい。

      だから売り切れだって言うなら、
      良いよ別に缶コーヒでも」

店長「……そうか」


自身のつっけんどんな態度に怒るわけでも無く、
やれやれ、とでも言いたげに、
煙草の煙をくゆらせ始めた店長を見て、
キャバ嬢は心の中で、「ありがとう」と小さく呟いた。


……それから。
ちっ、ちっ、と時計の針が進む音だけが部屋の中に響いた。

先ほどまで外から聞こえてきていた、
パトカーのサイレンや注意喚起を呼びかける声は、
もう今は無い。

窓から見える繁華街の景色も、
気がつけば今まで通り、
いつも通りのものに戻っていた。

世界と言うのは時間が経てば――何事もなかったのように進む。
誰もが大きな事件の事ですら、忘れてしまう。

しかしそれは……自らが当事者では無いからだ。

こういった騒動の内側に居た人間たちの心には、
忘れえぬ傷跡が残る。
得てして、そういうものなのだ。



つい先ほど眠りに落ちた美少女が、
今回の騒動の顛末として、
友少女2の死亡と、
興奮したまま通り魔となり、
複数人を殺害して捕まったイケメンの事を知ったのは、
翌朝のニュースによってであった。


……



午前六時。

大きな欠伸と共に、男は目を覚ました。
男は重い眼を擦りながら起き上がろうとするが、
どうにも体が重くて仕方が無い。


男「……」フム


眠れない理由はあった。
昨日、白髪少女に言われた言葉が、
喉の奥に刺さった小骨のような、
そんな違和感となって残っていたのだ。


『人の好意に鈍感なのはワザとか?
それとも、素でそうなのか?
人の好意は素直に受け止められるようにならないと、
いつか皆から嫌われてしまうぞ』


男「……鈍感、なんだろうか?
  でも確かに俺は、
  キャバ嬢からの好意に気づけていなかった。

  客観的に見れば、
  鈍感以外の何者でもないかも知れない……。

  もっと人の好意に素直に、か。

  ……そう言えばキャバ嬢だけじゃなくて、
  正社員女からも頻繁に連絡が来ていた。

  もしかしたら俺に好意があるんだろうか?」


男はふと、
頻繁に心配の連絡をくれる、
正社員女の事を思い出した。


男「確かめて見るか。
  だから……今度は俺から連絡してみよう。
  文面は分かりやすくハッキリ、

  【俺の事、好きなの?】

  で、良いだろう。
  間違ってたら、
  変なヤツとか思われるかも知れないけど、
  それはしょうがないな」スッスッ

極端にはしるやっちゃな

男「……よし、送った。
  何かしらの返事がそのうち来るだろう」


ラインを送ったのを確認してから、
男は朝の支度をする事にした。
洗面台で顔を洗い、
コーヒーを淹れて啜りながら、
テレビの電源を点ける。


男「……」ズズッ


――おはよーございまーす!
――ニュースの前に、はい、いつものコーナーに入ります!
――大好きにゃんこです!
――今日の猫ちゃんはこちら○○さんのご自宅のにゃんこです~


男「猫か……。
  嫌いでは無いが、
  好きでも無いんだよな。
  どっちかと言うと、犬派」

白髪少女「――ふぁあああ……何だ、猫がどうした?」ペタペタ

男「今日のにゃんこってのがテレビでやってるんだけど、
  これ見ててさ、
  俺はやっぱり猫より犬の方が好きなんだよなあって思ったっていうか」

白髪少女「……そうか。私も同じだな」

男「何が?」

白髪少女「猫より犬の方が好きだ」

男「そうなのか」

白髪少女「ああ、猫も嫌いでは無いが、
       選べと言われたら犬を選ぶな。
       
       ……さて、朝食は今から作るから、
       少し待っててくれ」

男「分かった。悪いな」

白髪少女「気にしなくて良い。
      やりたくてやっている事だ。
      やりたくない時はちゃんと言うよ」

男「……そうか」

この二人とは分かり合えぬようだ

スレタイの登場人物が欠けてしまった

白髪少女「……そう言えば、開業の書類もなんとかしないとな」

男「ああ、そうだな。
  後で役所に聞きに行かないとな。
  必要な書類が何なのかとか、
  書き方とか。
  一緒に行こう」

白髪少女「……」ジィッ

男「どうした?」

白髪少女「なんでもない」フイッ トテトテ

男「……何だってんだよ。
  まあ良い。
  ニュースの続きでも見るか」ズズッ



――それでは、本日のニュースに入ります。
――えー、その、まず最初にお伝えする事件なのですが、
――こちらは……とても痛ましい事件になります。
――昨夜の○○時頃なのですが、
――とある男子大学生による連続殺人事件が起きました。

――こちらの犯人である大学生なのですが……、
――彼は昨夜に飲み会に誘われて、
――複数の大学生で集まるコンパに顔を出し、
――そちらの最中に突如として、同じ参加者である女子大生に対し、
――近くにあった菜箸で、体中を突き刺し殺害したそうです。

――えー、そしてですね、
――その後、こちらの犯人である男子大学生、
――彼は雄たけびを上げながら街へと繰り出し、
――若年、中年、ご老人の男女等の通行人を無差別に襲い、
――通報を受け駆けつけた警察官に取り押さえられるまでの間に、
――最終的に計十三名の尊い命を奪ったとの事です。

――いったい何が彼をこうさせたのか?

――彼の在籍している大学は、日本の最高学府でもある、
――○○大学であり、
――家庭環境も円満で、裕福な家庭、
――友人関係にも問題は無く、
――ルックスも一見してこう悪くは無いような、
――えーその、
――こういう凶悪な事件を起こす動機が無さそうな……人物なのですが……。

――ただですねぇ、その、警察発表によると、
――新種の薬物の投与が疑われていると言う事で……。
――えー、続報が待たれております。


コメンテーター ――薬物ねぇ。興味本位で手を出したんじゃないの?

コメンテーター2 ――あー、そういう大学生、確かに居るわねぇ。
コメンテーター2 ――大事に育ててくれた親に悪いと思わないのかしらねぇ。

コメンテーター ――ねぇ? 一生懸命に育てて何不自由ない生活送らせて、
コメンテーター ――それなのにコレですよ。ただの殺人鬼じゃないですか。
コメンテーター ――親からすれば、たまったもんじゃないですよ。

コメンテーター2 ――でも最近こういう事件多いですホントにぃ。
コメンテーター2 ――そもそも昨日って言うと、これの他にもありましたよねぇ?
コメンテーター2 ――連続殺人犯のニュースゥ……。

コメンテーター ――確かそっちまだ捕まってないんでしょ?
コメンテーター ――どうなってんのぉ、ニッポン!


男「酷い事件だな――って言うか、この大学生どこかで見覚えが……。

  うーん……。

  ……あー駄目だ、思い出せない。
  何かどこかで見た事あるような気がするんだけどなあ」ウーム

菜箸でそこまで無双できるのか

男「しかし薬物か……。

  白髪少女が言うには、
  人は望んで壊れる、
  その為に薬物に手を出すだったな。

  ……この大学生も、
  壊れる事を望んでいたのかな。
  壊れた方が楽になれるか、
  もしくは壊れることで、
  何かの後押しとしたかったのかも知れないな」


ル……ルッ ピ……コ……リン

男「ん?
  正社員女からのラインの返事か。
  ……さて、どんな返事が帰って来たかな」


男はつい先ほどに自分が出した問いに、
正社員女が答えてくれたものだと思って、
ラインを開く。
しかし、そこにあった文面は予想外なものであった。


正社員女――先に謝罪致します。
正社員女――申し訳ございません。
正社員女――ただいまこの返事を書いている私は、
正社員女――正社員女の親になります。

正社員女――突然ですが、
正社員女――娘は昨夜、急逝しました。

正社員女――失礼ながら、貴方と娘とのラインの今までを
正社員女――かいつまんでですが、たった今見させて頂きました。

正社員女――どうやら貴方は娘とは親しくされて居られた様子で、
正社員女――なのでもし宜しければ、昨夜の事を、
正社員女――詳しくお話させて頂きたいと思います。

正社員女――ご都合の良い日時を、お伝え頂ければと。

正社員女――これはお願いなのですが、
正社員女――出来れば火葬の前にお会いしたいです。
正社員女――娘の顔を、
正社員女――最後の顔を見に来てやって頂ければと。



男「……は?」


そこにあった文面は
正社員女の訃報を知らせる、
彼女の親からのものだった。

思わず男は手に持っていたスマホを、
床に落としてしまう。

これ何かの冗談なのだろうかと、
そう思えてならなかった。
けれども、正社員女はこういう類の冗談は言わない人なのだと、
それぐらいは男にも分かっていた。


白髪少女「朝食出来たぞって言おうと思ったら……。
       どうしたんだ?
       スマホ床に落として」ヒョイ

男「いや、ちょっと……」

一旦ここで中断です。
続きは後ほど戻って来てからです。

よりによって殺されたか

うーわまじかよ

そんな…

性格の悪さと文章力の低さの悪い部分が表れてる
話序盤のテイストであれば問題にならなかった部分が展開が大きく変化してから物凄い悪さしてる

これは地味にきついな

……こっからハッピーエンドなるか?

ここから怒涛の復讐パートになるんだきっと

社会の暗部の闇と対決する!みたいな話にはならんでほしい

もし、そういう構想であるなら早めに明かしてほしい

細かいけど

「~して見た」「やって見よう」

のような「見」の使い方が気になる

戻ってきました
今から続き書きつつ出来た都度に投下していきます

まだか

白髪少女「ちょっと、等と言う感じの表情では無いように見えるが?」

男「……」

白髪少女「何かあったんだな?
       私には話せないか……?」


白髪少女に問われて、
男はこの連絡について話すべきか否か悩んだ。

それは、これが白髪少女には関係の無い事だったからだ。
二人に面識があるわけでも無く、
あくまで男にとっての個人的な繋がりの人物でしかない。

ただ、そうだとしても、
特別に隠す意味がある連絡なわけではない。

男は幾秒か悩む。
しかし、最終的には説明をすると言う答えに至った。
隠す必要がない事を、
隠す意味は無いだろう、と。


男「……実はな」


そう切り出して話し始めた男の説明を、
白髪少女は黙って頷いて聞いてくれた。
それから全てを聞き終えてくれたうえで、


白髪少女「……であるならば、この後すぐにでも話を聞きに行くべきだろう」


と、助言をしてきた。


男「この後すぐ、か……」

白髪少女「気になるのだろう?
       顔を見れば分かる。
       であれば、話を聞きに行った方が良い。
       後で後悔しないようにする為にも、だ。
       長引く前に色々な気持ちを整理して、次に進んだ方が良い」

男「……そう、か」

白髪少女の言葉は、
どこか男の心の中にすとんと落ちた。
だから、


男「分かった。今からでも行けるかどうか、聞いてみる」


ラインを通して正社員女の両親へ、

今からでも大丈夫です。
お伺いしても宜しいでしょうか。

と言う旨を伝えた。

それから、
まもなくして返ってきた返事は、
了承を告げる言葉で綴られている。

正社員女の親――ありがとうございます。
正社員女の親――場所は○○大学病院になります。
正社員女の親――総合受付の方にお話を通しておきますので。
正社員女の親――妻ともども、お待ちしております。


男は言葉にし難い気持ちを抱えながらも、
白髪少女の言う言葉の通りに、
後悔しない為にも、
気持ちを整理する為にも、
外出の準備を早々に終えて、
正社員女の親に会う為に、
大学病院へと向かう事にした。


白髪少女「私はここで待っていよう。気をつけてな」


自分は待っていると、
そう言った白髪少女の声音が、
男の耳には酷く優しく聞こえた。


……



○○大学病院 入り口

ザワザワ
ザワ


男「えーと……。
  大きな病院って人が多いんだよな。
  総合受付、総合受付……あった。

  ――すみません」

病院の総合受付「はい。
           本日はいかがなされましたか?
           診察を希望の方でしょうか?

           えーと、診察の場合、
           初診であれば紹介状が必要になります。
           再診の場合は診察券が必要となります。

           当窓口では診察のご予約等はお承り出来ませんので、
           受診をされる希望の科の窓口に、
           直接ご提示頂いて――」

男「あー、そうではなくて。
  昨夜事件に巻き込まれた、
  正社員女さんと言う方が、
  こちらに緊急搬送され、
  お亡くなりになられたと思うのですが……」

病院の総合受付「昨夜の……失礼ですがもしかしたら、
           あなたは記者か何か……ですか?」ウン?

男「いえ違います。
  彼女とは知人で……。
  彼女の両親とこちらで会う約束をしていまして。
  お話通っておりませんか?」

病院の総合受付
「ぁあ……貴方が。
 ええ、はいお伺いしております。
 お待ち合わせ頂いている方は、
 現在霊安室の方に居られます。
 道順は案内板にそって進んで頂ければ着きますので」


男「いえ、こちらこそ……まぎらわしい言い方をしてしまったかも知れません」

病院の総合受付
「……た、大変失礼致しました」ペコーリ

男「では」


会釈を交わして、
男は言われた通りに案内板にそい、
霊安室方面へと足を運んだ。

そして進むにつれ、
騒がしかった入り口とは違い、
徐々に人気が無くなってくる。

まもなくして霊安室の場所まで辿り着くと、
長いすに腰かける、憔悴しきった様子の初老の男女が一組見えた。

男はこの男女を見て、
すぐに正社員女の親だと気づいた。
その顔に正社員女の面影を見たからだ。


男「すみません……」

正社員女の父
「はい……」

男「男と申しますが……正社員女さんのご両親でお間違えは?」

正社員女の父
「あなたが……えぇはい。私が正社員女の父です。
 お待ちしておりました。
 こちらが家内です」

正社員女の母 ……ペコリ

男「色々とお忙しい中とは存じますが、
  この度はお時間を作って頂き、
  ありがとうございます」

正社員女の父
「いえ、こちらこそ。
 それでその……よろしければですが、
 お話をする前に一度、
 娘の顔を見てやってください。
 綺麗なものです」

男「……」


誘われるがままに、
男が霊安室の中へと入ると、
そこには、
ぴくりとも動かない正社員女が、
静かに安置されていた。


男「確かに……綺麗ですね」

顔だけが見えるように安置されていたのだが、、
そこから見える正社員女の寝顔は、
生気が無いせいかまるで人形のようで、
確かに……綺麗だった。


正社員女の父
「えぇ綺麗です。
 でも顔だけです。
 顔だけなんです……。
 体の方は……ぼろぼろで」ウゥ

正社員女の母 ウッ……


ポタ、ポタ……と涙が床に落ちる音が響く。

名前が長い人の台詞の場所を一段下げにして見ました
途中でもしかしたらスマホだと見辛いかも、と思ったので……

すみません、一旦中断です
今回スローペース過ぎて申し訳ないです
戻ってきたら続き書きます
なるべく早めに戻って来たいと思います

このペースでVIPに書いてたら荒れるわな

まぁここなら関係ないが

戻りました
今から続き書きつつ
いつも通りに出来た都度投下します

読んでるぞ

でも中国マフィア(とフツメン)はもう出なくていいよ

内容に指図しだしたら書かなくなるぞ

正社員女の父
「どうして、どうして娘が……」ウゥッ


正社員女の両親は、
父母ともに溢れる涙滴を、
拭う事しか出来ない様だった。

娘の死に顔と再び直面する事で、
亡くなってしまったのだ、と言う現実と、
否が応にでも向き合う事になるからだろう。


男には分からなかった。
何を言えば良いのか、
何を思えば良いのか、
それすらも……。

今はただ。
男の脳裏には、
あの日の事が思い浮かんでいた。

あの日……二人で一緒にお酒を飲んだ夜の事が。



――あー遅-い。

――おぶっておぶっておぶってぇ~。

――だいじょーぶでありまーす! たいちょー。

――……泊まってきなよ。



男「……」


今更思い返した所で、
どうにかなる事でも無いけれど、
それでも少しだけ二人の距離が縮まったこの日の事が、
男には忘れられない。

指図する気はないから大丈夫
ただの希望

中国マフィアはもう出なくていいよ

せっかく布石打っておいたのに回収しないでほしいってそんな滅茶苦茶な

イタリアンマフィアと中国マフィアは伏線じゃないの?

決して二人はそこまで深い仲ではない。

ただの元同僚で、
ただちょくちょく連絡を取り合うような、
そんな薄っぺらい関係。

……ただ、もしかしたらその先が。
あるいは今回の件が無ければ、
もしかしたら、その先があったかも知れなくて。

男は自分自身が、
彼女の事を好いていたかは分からなかった。
でも、そもそも男は、
彼女の事を何も知らなかった。

言えることは一つしかなくて、
それを知る為の機会を未来永劫に、
突然に奪われてしまった、と言う事だけ。

男はどうにもやるせない気持ちになり、
ふと、自らの人生に対して、
嘆きや憤りをぶつけたくなった。


男(なんでいつも……突然なんだ。
  嫌な事はいつだって、どうして突然なんだ。

  親父が俺を祖父の所に置いて、
  どこかに行ったのも突然だった。

  祖父が亡くなって、
  言葉も分からない日本に、
  母親が俺を連れて来たのも突然で……、
  ついこの間に仕事をクビになったのも突然なんだ。

  だから、今回の事だって突然の事で。

  いつだって突然に、心を乱されて行く……)


考えれば考える程に、
男は頭を掻き毟りたくなる衝動に駆られる。


正社員女の父
「……どうかお話させて下さい。
 娘がどうしてこうなったのか。
 知っていて欲しいんです」


すすり泣く声混じりの、、
正社員女の父の言葉が、
男の背中に投げかけられた。

そしてそのお陰で、
現在に一番に苦しんでいるのは、
自らではなくて、
この二人なのだと男はハッとさせられる。


男(……そうだ。
  俺の過去は今はどうでも良い既に過ぎ去った事だし、
  今回の事で一番に行き場が無く悲しんでいるのは、
  ご両親であるこの二人なんだ)


男は自らの気持ちを無理やりに落ち着かせる。
そしてそれから、
正社員女の父の話に耳を傾ける事にした。

構想はあるんだろうが対決方向にもってって欲しくないな

戦うタイプじゃない男が巻き込まれても面白くない

うーん鬱展開

男「はい……お伺い致します」

男が短く頷くと、
正社員女の父は、
ぽつり、ぽつりと話し始めた。


正社員女の父
「……昨夜に起きた、
大学生による連続殺人事件は知っていますか?」

男「今朝方ニュースで拝見しました。
  何でも計13名の方が亡くなられたとか言う……」

正社員女の父
「ええ。その事件です。
 ……娘はその事件の犠牲者の一人でした」


昨夜の事件の犠牲者だった。
しかしその言葉を聞いても、
男の顔色が変わる事は無かった。

それは……話の切り出しが、
事件を知っているかどうかから始まったがゆえに、、
もしかして、と勘付いたからだった。

それに、総合受付で記者と間違われたのも、
そうであれば辻褄が合っていたと言うのもある。

正社員女が事件の被害者だからこそ、
それを嗅ぎ付けた記者か何かと一瞬間違えたのだろう。


そして、正社員女の父による話がまだ続く。


正社員女の父
「……娘は昨夜に買い物に出ていたようで、
 その時に運が悪くも、
 連続殺人犯に遭遇してしまったそうです。

 連続札事犯は、
 近くにあった鈍器のようなもので、
 何度も何度も娘を殴打したらしく……。

 しかもその後に、
 何か女性の名前を叫びながら、
 街の……人の往来がある場所で、
 泣き叫ぶ娘が死ぬその時まで、
 辱めたとの事でっ……。

 先ほど娘の体がボロボロだと言いましたが、
 そういう事なんです。
 肉体的にも酷いもので、女としての尊厳も……。

 ……一応警察からは、その事に関して、
 メディアには報道に配慮をするように、
 内容の放送はしないように圧力をかけると、
 そう言われましたが……
 ……そういう事じゃないっ。

 ――殺してやりたい。
 その大学生とやらを、
 私のこの手で殺してやりたいっ……」ウゥ

やっぱつれえわ

そりゃつれえでしょ

一旦休憩挟みます
仮眠取ります頭痛い

下痢便

拝見しましたは違うだろ
男も親御さんの張りつめた空気に当てられたかな?

しかしイケメン、単に狂気の殺傷じゃなく
四肢損壊と致命傷をくわえてから死ぬまで犯すとか狂ったにしては徹底してるな

温度差すごい

休めたので続き書きます

切切と語られる詳細に、
男は顔を顰める。

事件に巻き込まれた可能性には考えが及んでも、
さすがにその内容がここまでの惨事であったとは、
思いも付かなかったのだ。

男の口からは言葉が出ない。
ただ……同時にその瞳に涙が浮かぶ事も無く。

思い出はあるけれど、
知らない仲では無いけれど、
自分は彼女の人生に足を踏み込んでは居ないし、
踏み込まれても居ない。

結局はそこまでの関係。
つまりはそういう関係。

だから、自分が涙を見せるのは、
何か違う気がしていた。


男(……俺は薄情なのかも知れないな)


そう呟いた男の心中を、
見つける事が出来る人物は、
果たしているのだろうか。


正社員女の父
「……悔しくて、悔しくて仕方が無い。

 娘のラインを見て分かりました。
 あなたが気づいていた通りに、
 娘はきっとあなたの事が好きだった。

 親だから、分かります。

 ……もしも娘が生きている間に、
 あなたがそれを知っていたら、
 どういう答えを出したのかは分かりません。

 しかし結ばれるにしろ敗れるにしろ、
 それを喜んだり悲しんだりして、
 普通の女として生きていく未来が娘にはあったハズなんだ。
 
 ……全て奪われてしまった」


正社員女の父の口から、
あのラインの返事を伝えられる。
俺の事が好きなのか、
と言うあのラインの返事が。

しかし……もうそれが続く事は無い。

何の変哲も無い恋物語は、
始まる前に既に終わってしまったのだ。


それから、この後。
いくらかの会話を挟んだ後に、
男はお悔やみの言葉を告げてから、
正社員女の両親とは別れる事とした。


男「……雪だ」


男が総合病院の外に出ると、
あと一ヶ月二ヶ月で春になると言うのに、
小さな雪がちらちらと降り始めていた。

それはまるで、
世界が春の訪れを拒んでいるかのようだった。

けれども、
いくら世界が拒もうとも、
時は過ぎるし季節は必ず巡る。

そうなるように、
世界は出来ているのだ。

帰路についた時に男は、
途中にあった花屋の店先で、
ミモザの花が売られている事に気づいた。

ミモザの花は春を訪れを知らせる花だ。
アカシアの花。


男「もうそんな季節か……」

店員女「……ん? お兄さんモミザに興味があるの?」

男「いやミモザの日が近いなと思って……」

店員女「ありゃー珍しい。
    知ってるんだそれ。
    私は花扱ってるから知ってるけど、
    日本じゃ全然知ってる人がいない日だよそれー」

男「ふーん……」

店員女「そもそも春の花は日本じゃ桜だしね……。
    
    ……で、ミモザ買うの?
    香りも良いんだよミモザは」スンスン

男「知ってる。
  香水にも使われてるしな。
  ……そうだな、それじゃあ一束貰おう」

店員女「ありあとーございまーす」


それから、
てきぱきと包装されたモミザを受け取ると、
男は再びゆっくりと歩き出す。


男「さて……」


日ごろの感謝を込めて贈る花。
誰に渡すかは、もう決めている。

今日は正社員女の両親と会い、
本人の死に顔とも会った。
釈然としない気持ちは少し残るものの、
男は今の自分の気持ちには、
少しだけ向き合えた気がしていた。

そしてそれはきっと、
あの女のお陰に違いは無い。

――気持ちを整理して、次に進んだ方が良い。

その言葉に後押しされたから、
足を運べて、それが出来て、
だからこそ男は思う。

――花を贈ろう。
――感謝を込めて。


ちらちらと降り始めていた雪は、
良く見れば宙で溶けてしまったり、
路面や建物に触れて溶けている。

そう……世界がいくら拒もうと。
春は必ず訪れる。

……




美少女「……」


それを見た時、
美少女は言葉が出てこなかった。

キャバクラの仮眠室で起きた後、
自分が目覚めるまで待っていてくれたキャバ嬢が、
世間話を挟みつつ点けてくれたテレビ。

ちょうどそこでやっていたニュースで、、
信じられない出来事が報道されていたのだ。

イケメンによる通り魔事件の発生と、
友少女2がそれの最初の犠牲者になっていた、
という内容の報道である。


美少女「……なんで」


呆ける、とは正にこの事だろう。
瞼をぐいと上げて、口は半開き。
その状態のまま、
美少女は静止してしまっている。


キャバ嬢「……知り合いか何かなの?」


美少女の様子を訝しんだキャバ嬢が、
眠そうな眼を擦りながら、
訊ねて来た。


美少女「……いえ、どっちも知ってる人、なので」

キャバ嬢「どっちもって、この犯人と被害者の両方……?」

美少女「はい。というか、この飲み会に私顔出してました。
    ただ、この事件が起きる前に店からは出ちゃって……」

キャバ嬢「そっか……。でも、早く出て本当に正解だったね。
     この犯人どうやら薬物の疑いがあるようだし、
     多分やっぱり盛られてたよ、何か」

美少女「……」

キャバ嬢「……ん? どうしたの?」

美少女「……その、この被害者の女の子、
    私が昨日帰るのに手伝ってくれた子なんです。

    でも、その時はこんな事件起きそうじゃなくて、
    だから私よくわからなくて、
    なんでこんな事になってるのか、
    全然わからなくて……」キョロキョロ

美少女(なんで……こんな事。
    ……も、もしかして私が帰るのを手伝ったのが、
    バレたからって事……?

    イケメンが私に執心なのは知ってるけど、
    でも、こんな事まで普通しない……)


考えれば考えるほど事態が飲み込めず、
美少女の目の焦点が、
纏まらない考えと比例するかのように、
合わなくなっていく。

だが、そんな止まらなくなりそうな動揺を、
止めてくれた人が居た。
キャバ嬢だ。


キャバ嬢「ちょ、ちょっと落ち着きなさいってば」背中バンバンッ

美少女「……っ」

キャバ嬢「ショックなのは分かるけど、
     あなたは関係無いでしょ。
     だってこれが起きる前に帰ったんだから」

美少女「……でも」

キャバ嬢「……何かあるの?」

美少女「私……この犯人の男の子から執着されてました。
    昨日も何か変な絡み方されて……、
    それだけが理由じゃないんですけど、
    早く帰りたかった理由の一つでもあって……。
    それで、それを気にかけてくれた子がこの子で」

キャバ嬢「……なるほど。
     それが昨日言ってた、
     顔だけ出して帰ろうとしたって事の理由なのね」

美少女「はい……。
    それでその……もしかしたら、
    私を帰してくれた事がバレて、
    巻き込まれたんじゃないかな、って……」

キャバ嬢「……何かこう、
     色々と考えちゃうのは分かるけど、
     でもそれは少し自意識過剰じゃない?
     いくらなんでもさ。

     確かにあなた可愛いけど、
     そこまで相手を狂わせるとなったら、
     それだけじゃ不十分だし。
     意図的に相手を狂わせない限り無理だって。

     ……それとも、そんなにあなた性格悪いの?」

美少女「いえ、そんな意図的にだなんて……」

キャバ嬢「ならたまたまでしょ。
     あなたが気にする事じゃ――」


と、その時だった。
美少女の携帯が鳴る。
相手は見知らぬ番号であった。


美少女「誰だろう……すみません、ちょっと電話出ます」

キャバ嬢「……分かった」

美少女「……もしもし」


――あっ、突然のお電話失礼します。
――○○警察署の××と申します。


美少女「えっ……警察、ですか?」


――はい、そうです。
――それでえーと、実は少しお話が聞きたくてですねぇ……。
――お時間の良い時に○○警察署まで来て頂けますか?

見てるぞ

うーん…

今のところ最悪のルートぶっちぎってるように見えるけど打開できるのこれ

感想はおわってからでもおそくないぞ

今のところ良くなるルートは見えんがまぁ完結してくれれば


美少女「……」


――あの、もしもし?


美少女「は、はい……」


――来て頂けますよね?


美少女「……な、何でですか?」


――ですから、お話が聞きたいんですよ。


美少女「……」


――もしもーし?


美少女「……そ、そんな事言われても。
    話せる事なんてほとんどないです」


――無いなら無いで良いんですよ。
――ただ、こちらが聞いた事に答えて頂きたいだけなので。


美少女「で、電話じゃ駄目ですか……?」


――ちょっとそれは……。
――すみません、直接来て頂けますか?
――無理なようなら、
――都合の良い時間だけ教えて頂ければ、
――こちらからお伺いしますが……。


美少女「……」


――もしもし?
――あのー、どちらが宜しいですか?


美少女(……どうしよう。
    なんで? なんで警察が私に話しがあるの?)血の気サァァァァ

キャバ嬢「……様子おかしいけど、どうかしたの?」

やばっ寝落ちしてた
すみませんでした
今から続き書いて出来た都度投下します

初代スレから見てるぞ
俺も特にレスはしないけどROMってる奴は結構いるだろうから完結まで応援してるから頑張って

美少女「……け、警察からの電話で、私と話がしたいって」

キャバ嬢「ふーん……一応は昨日その飲み会に出てたからって事じゃないの?」

美少女「……え?」

キャバ嬢「それって多分全員に聞いてるんじゃない?
     あとは執着されてたってのが本当なら、
     それについても色々聞きたい事もあるのかもだし」

美少女「色々って……?」

キャバ嬢「だからどういう性格だったとか、
     怪しい薬……やってたっぽいし?
     それについて何か聞いてたりしないか、
     とかじゃないの?」

美少女「そ、そっか。そうですよね……別にびびる必要無いですよね」

キャバ嬢「……まあ何にしろ、
     行かないより行った方が良いと思うけどね。
     渋ると、逆に何かあるのか?
     って思われるかもだし」

美少女「……確かに。
    あ、ありがとうございます。
    早めに行ってみる事にします」

キャバ嬢「ん? うん」


――もしもーし!
――もしかして……来れないって今遠出とかしてます?
――電波悪い所とかに居られるのですか?


美少女「す、すみません。もう大丈夫です」


――あっ、はい。
――それで…・…。


美少女「行きます。行きますので……」


――本当ですか?
――ご協力ありがとうございます。
――では、いつごろ来られますか?


美少女「……じゃあもう今日とかでも良いですか?
    早めに済ませたいので、
    午前中とかでも大丈夫ですか……?」


――わかりました。
――では、こちらまで来たら、
――○○課の××に呼ばれて来たと言って下さい。
――それでは、お待ちしてますので。
――失礼しますねー。

プツッ


美少女 ……フゥ。

キャバ嬢「……まあ、頑張って」

美少女「……はい」


答えられる事なんてほどんとない。
何かも聞かれても、
何も分からないのだから、
分からないと言うだけ。

だから変に心配したり臆病になる事なんて無い。

美少女はこの時、
そう思っていた。

だから、まさか自分も――薬物の摂取を疑われているなんて。

美少女は今の時点で、
それに気づく事や勘付く事が、
出来なかった。




……




美少女「……え? ど、どういう事ですか!?」


張り上げるような美少女の声が、
警察署内に響き渡る。

言われた通りに警察署に赴き、
入り口の所で電話の通りに伝えたら、
個室へと通されたまでは良かった。
それは話を聞く為と考えれば、
特段変な事でも無いので、
美少女も気には留めなかったのだ。

だから問題はそこでは無く。
美少女がこうも声を張り上げたのは、
部屋の中に入ってそうそう、
刑事だと名乗る男から、
開口一番に言われた言葉のせいだった。


――早速で悪いんだけど、
――話をする前に薬物検査を受けて欲しい。


そう、なにやら刑事は、
美少女に薬物の疑いをかけているようなのだ。


美少女「意味が分からないんですけど!?」


刑事「まぁまぁ落ち着いて下さいよ」

美少女「落ち着けません!
    話を聞くだけって、
    電話で言ってたじゃないですか!
    なのになんで話の前に薬物検査って、
    私がそんな疑いをかけられなきゃいけないんですか!」

刑事「……あのね、本当ちょっと落ち着いて。
     これはあの場に関わっている全員にね、
     受けて貰ってるの、ね?
     昨夜の事件の事は知ってるよね?」

美少女「それは……今朝ニュースで……見ましたけど」

刑事「なら、言いたい事は分かるよね?
   あの犯人の男の子は薬物を使ってた。
   それはもう確定してる。
   他に服用しているような子が居ないか、
   我々は確かめなきゃいけないわけだ」

美少女「……」

刑事「何もやましい事が無いなら、
   協力してくれるよね?

   ……と言うかこれは、君の為でもあるんだよ?」

美少女「私の……為?」

刑事「薬を服用してないって言うのが分かれば、
   君はたまたまあそこに行ただけの女の子だ。
   それ以上は何も詮索しない事を誓おう」

美少女「何ですかその言い方……」

刑事「……犯人の男なんだけど、
   昨夜一般人も殺害している。
   まあ薬の作用による極度の興奮状態だったわけだけど、
   その中に女性が居たんだ」

美少女「……それが何なんですか」

刑事「……彼はその女性が絶命するまでの間に、
   君の名前を叫びながら、
   性的暴行を加えていてね」

美少女「――っえ?」

刑事「えーと……それに、
   一番最初に殺害された女子大生。
   友少女2ちゃんって言う女の子。

   ……この子、君の友達だったそうだね?

   何て言えば良いのかな。
   君――すごく関係者っぽいよね」

美少女「ちがっ――違います、私は」

刑事「うん、私もそう思うよ。
   こんなに可愛い女の子が、
   片棒担いでたとか思えないし。

   だから……検査しようよ」


ごめんなさい
ちょっと読み辛いので訂正します。

>>262
↓の部分

刑事「薬を服用してないって言うのが分かれば、
   君はたまたまあそこに行ただけの女の子だ。
   それ以上は何も詮索しない事を誓おう」

美少女「何ですかその言い方……」

刑事「……犯人の男なんだけど、
   昨夜一般人も殺害している。
   まあ薬の作用による極度の興奮状態だったわけだけど、
   その中に女性が居たんだ」

美少女「……それが何なんですか」

刑事「……彼はその女性が絶命するまでの間に、
   君の名前を叫びながら、
   性的暴行を加えていてね」


これを↓に訂正します。


刑事「薬を服用してないって言うのが分かれば、
   君はたまたまあそこに居ただけの女の子だ。
   それ以上は何も詮索しない事を誓おう」

美少女「何ですかその言い方……」

刑事「……犯人の男なんだけど、
   昨夜一般人も殺害している。
   その中に女性がいてね」

美少女「……それが何なんですか」

刑事「まあ彼は薬の作用による、
   極度の興奮状態ではあったけれど、
   ……ともかくその被害女性が絶命するまでの間に、
   君の名前を叫びながら、性的暴行を加えていたんだよ」


では続き書いていきます。

美少女「私は違う……関係無い……」

刑事「だから、それを証明する為にも必要なんだよ?

   ……さっきも言ったけど、
   これは君の為でもあるし、
   何より証明が出来れば、
   それ以上の詮索はしないよ。

   今回我々が追っているのは、
   その薬物だからね」

美少女「……」

刑事「もしも君が使っているのだとしたら、
   それをどこで手に入れたか、
   教えて貰わないと行けない。

   どうやら男の子の方は、
   喋る気が無いようだからね。

   嫌な思いをさせているとは分かっているけれど、
   我々は市民の安全を守らないと行けないんだ。

   君らの関係性に違法や害意が絡んでいないか、
   確かめる必要があるんだよ」

美少女「……しょ」

刑事「ん?」

美少女「証明が出来れば、良いんですね……?」

刑事「うんそうだね」

美少女「……分かりました。検査しましょう」

刑事「おおっそう言ってくれると助かるね」


美少女からすれば、
疑われた、と言う事実が、
どうにも釈然としない気持ちにさせる。

友達の訃報に悲しむ暇もなく、
それところかその訃報の原因に、
自らが関与しているのでは無いか等と思われて、
穏やかな気持ちになる事など出来ない。

ただ、このまま反発だけしていても、
よりその疑いを強めるだけ。

だから美少女は、
苦々しい気持ちになりながらも、
検査を了承して――


美少女(……でも待って。薬物……?
    そう言えば昨日、
    私が具合悪くなったのって、
    何か薬盛られてた可能性があるんだよね?

    ……じゃあもしかして、
    検査したら陽性反応とかが出るんじゃ……)ハッ


――自らに薬物反応が出る可能性に、気づいた。

「昨夜一般人も殺害して~」
って言い回しからすると一般人以外も殺害してるの?


美少女(ど、どうしよう……)

刑事「じゃあ早速検査なんだけれど、
   これは尿検査になるね。

   他人の検体を出されると困るから、
   一応本人のだと確認出来るようにして置くんだけど……。

   まあ女性警官にその辺りは頼むから安心して――」

美少女「い、いや……」ブンブンッ

刑事「――へ?」

美少女「検査は嫌……」

刑事「いやいや今さっき分かったって……」

美少女「――っ!!」ダッ


美少女は、
もしも反応が出たら……と言う恐怖に勝てず、
気がつくと勢い良く扉を開けて走って逃げ出した。


刑事「――ま、待ちなさい!」


当然に後ろからは刑事が追いかけてくる。
しかし、美少女は脇目も振らずに全力疾走し、
そのまま警察署から出ると、
街中の雑踏に紛れて行った。


美少女「どうしよう、どうしよう……逃げちゃった。
    絶対もっと疑われる事になっちゃうよ……」


人ごみに紛れ進む美少女の目尻には、
大粒の涙が浮かんでいる。

……どうするのが正解だったのか?

まだ社会にも出ていない、
一大学生でしかない美少女に、
その答えが分かるわけなんて無かった。

もっとも、こういった事柄の正解など、
仮に大人だったとしても、
分かるものなど一人として居ないのだが……。

美少女は走りながら、
スマホを手に取った。


美少女「……助けて。誰か助けて。……男さん」


不安と焦りに押し潰されそうになりながら、
美少女はふと思い出したかのように、
想い人の名前を呟きながらラインを開いた。



……
………
……




男がミモザの花束を片手に帰宅すると、
玄関口に派手な色のシャツを着た、
顔も体もゴリマッチョな男性が立っていた。
見知らぬ男である。


ゴリマッチョ
「ちっ、俺のとっておきの隠れ家が……。
 くそが、いつの間にこんな事になっちまったんだ?

 ……ホームレスが住み着いたって感じじゃねぇなぁ。
 はぁ……持ち主居たって事かよ。

 でも、やべぇなどうする。
 ただでさえ今冤罪で追われてんのによぉ。
 隠れる場所ここ以外にもう思い当たんねぇんだよな。

 ったく、誰がラリって通り魔殺人なんかするかっつぅんだよ」


何かぶつぶつと呟いている様子だが……、
ともかく、どうにも怪しさしか無い男性であるが、
用事があっての来訪の可能性もゼロでは無いので、
男は話しかける事とした。


男「……何か用ですか?」

ゴリマッチョ
「んお? あんた……ここの持ち主か?」

男「持ち主って言うか、住んでるけども」

ゴリマッチョ
「……そうか」

男「で、何か用でも?」

ゴリマッチョ
「いや……用っちゃ用なんだが、
 もう終わったっつーか。
 懐かしさを感じたと言うかだな」

男(……懐かしさ?
  もしかして前に、
  ここに居た事ある人なのか?

  いや、でもここ来た時だいぶ寂れてたよな?

  前に居た事ある人だとすると、
  良い歳をしてる人だと思うんだけど。
  でもこの人、
  俺とあんまり変わらないか、
  少し上くらいに見える人なんだよな……。

  まあ聞いて見れば分かるか)


ゴリマッチョ
「うーん……」ウム

男「えーと、もしかして……前に住んでた人とか?」

ゴリマッチョ
「まあそう言えばそうだな」

男(……あー、住んでた人なんだ)

ゴリマッチョ
「誰もいねぇから、いざと言う時の隠れ家に認定してたんだ」

男「えっ……?」

ゴリマッチョ
「……ん?」

男「誰もいないから隠れ家……?」

ゴリマッチョ
「んおっ、そうだな……やべーなあ不法占拠だな!」ダッハッハッ


誰も居なかったから、
勝手にいざと言う時の隠れ家に認定していたと、
悪びれもなくゴリマッチョは言った。
男は自分の頬が引き攣るのを感じる。


男「い、いや笑い事じゃ……」

ゴリマッチョ
「そうだな、笑い事じゃねぇな。
 ……悪かった。
 誰か居るなら、もう勝手はしねぇ」

男「いや居なくても勝手したら駄目でしょ……」

ゴリマッチョ
「そいつはそうなんだが、
 俺にもちょいと差し迫った、
 のっぴきならねぇ事情ってヤツがあってな」

男「……事情?」

ゴリマッチョ
「ああ、ちょっと追われててな」


ふぅむ、と顎を撫でたゴリマッチョを見て、
男は何やら言いようの知れぬ、
嫌な予感のようなものを感じた。

なんとなく、
この男と関わったら駄目な気がしてならない。
追われているだなんて、
まともな人間では無いだろうし、
服装の派手さもどことなくその筋の者を感じさせる。

聞き返しておいて何なのだが、
男は早めにこの男を追い払った方が良い気がし始めていた。
何も聞かないうちに、
知らない他人のままで終わらせるのが吉であろう、と。

だがしかし、
男が制止をかけるよりも早く、
ゴリマッチョの口の方が動く。


ゴリマッチョ
「昨日起きた連続通り魔殺人事件、知ってるか?
 そいつの……二件あったと思うんだが、
 そのうちの大学生じゃねぇ方の通り魔、
 それに俺間違われてんだ」

男「へ、へぇ……」

男は思わず渇いた笑みを浮かべる。
予想が当たっていたのである。
この男は疑いようもない、ヤバイやつだった。

そして……話を聞いてしまった以上、
何も知らぬ分からぬ他人同士では無くなってしまう。


ゴリマッチョ
「……俺じゃねぇんだ。
 ハメられたんだ」

男「ハ、ハメられた……?」

美少女の思考が若干まーんさん

よく逃げ出せたな

>>271
白髪少女√なら問題ない

あれを見てた女友達が生きてるんだからな

1は生きてて2が死ぬのほんと胸糞

すみません遅れました
今から続き書いて出来た都度ごと投下します

その前にちょっと違和感あった部分を訂正です。

>>270
↓この部分、

男は思わず渇いた笑みを浮かべる。
予想が当たっていたのである。
この男は疑いようもない、ヤバイやつだった。

そして……話を聞いてしまった以上、
何も知らぬ分からぬ他人同士では無くなってしまう。


これを↓で。

男は思わず渇いた笑みを浮かべる。
どうやたら予想は当たってしまったようだ。
この男は疑いようもない、
ヤバイやつだった。

しかし……話を聞いてしまった以上、
何も知らぬ分からぬ他人同士では無くなってしまう。

ちょくちょく文章の訂正入ってすみません。

正直なところ他にも直したい所はいっぱいありますが、
なるべく話を進めるほうを優先したいと思うので、
ぱっと見てすぐに違和感あると気づいた文章とかだけ訂正してます。

では続き書いていきます。

ゴリマッチョ
「そうなんだよ。
 俺はそんな真似はしねぇってのに……。
 絶対そんな真似だけはやらねぇんだよ。

 ……ああいや、すまねぇ。いきなりこんな話して。

 見ず知らずのあんたにこんな事言っても、
 どうにかなるこっちゃねぇのは分かってんだけどな……」

男「……まあその、それはその通りだけど。
  でも、口から出てしまった言葉はもう引っ込められない。
  言ってしまった事を後悔してもしょうがないだろ」

ゴリマッチョ
「あんた優しいな」

男「そうでも無いけどね」

ゴリマッチョ
「そんなことはねぇさ。

 ……まあでも、本当にすまねぇ。
 結構俺も参っててな」

男「……大変そうなのはなんとなく分かる。

  まあその、
  手伝うとか協力する云々は置いておいて、
  ひとまず詳細ぐらいなら話を聞いても良いが……?」


男としては正直、
このゴリマッチョを追い払いたい、
そんな気持ちでいっぱいではある。

だがしかし……、
中途半端にでも事情を耳にしてしまった以上、
中身を聞かないというわけにも行かない。

面倒くさい厄介事である気配を如実には感じるが、
多少でも事情を知ってしまえば、
どこかから飛び火が来る可能性が、
低いながらに考えられた。

知ってしまった――と言う事実そのものが、
飛び火の矛先になる可能性を孕んでいるのだ。

そして……だからこそ、
関係を持つかどうかはひとまず横に置いて、
詳細は知っておく必要があると言えた。

どこまでを知っているか否かで、
いざという時の対処の幅に違いが出てくるのである。

何も知らなければ、
もしも万が一があったとしても、
本当に知らないのだから、
まったく分からないで押し通せるのに……と、
男は舌打ちの一つでもしたい所だった。


ゴリマッチョ
「……良いのかよ」

男「話聞くだけなら。……念押しするけど、話聞くだけなら」

ゴリマッチョ
「……でも今さっきも言ったが、
 あんたにゃあ関係ねぇ話ではある」

男「知ってしまったってだけ、
  で火の粉が飛んでくる可能性もあるだろ?
  詳細聞いておけば、
  そういう時にも良い手が浮かぶかも知れない」

ゴリマッチョ
「そう言えばそうか……。
 つい愚痴っちまっただけな気がしてたが、
 確かに何かあるってのが無いとも言い切れん。

 ……巻き込んじまったか」

男「何もない可能性のが普通に高いし、
  あくまで最悪の場合だろ巻き込まれるって」

ゴリマッチョ
「……本当にあんた優しいねぇ。
 初対面だけど、
 そいつだけは分かる」

男「分かったから、上がっていきなよ」

ゴリマッチョ
「……分かった。そいじゃあ、ちょいとお邪魔するぜ」ドカドカッ


男はため息混じりに、
ゴリマッチョを三階の居住スペースに招き入れる。
すると、部屋の中に入った途端に、
洋菓子の甘い匂いが漂ってきた。


ゴリマッチョ
「……何だ良い匂いがするな」

男「確かに」

白髪少女
「おっ、戻ってきたか。
 ちょうど良い時間に帰ってきたな。
 食べて貰おうと思ってお菓子を作っていたぞ」トテトテ

男「……それ、アマレッティか?
  小さい頃に良く食ってたな」

白髪少女
「口に合えば良いんだが――ん?
 ところで……その手に持ってるミモザと、
 後ろの見知らぬ男は誰だ?」

男「花はお前にだ。
  ミモザの日も近いしな」

白髪少女
「……良いのか?」目パチクリ

男「日ごろの感謝って言うのを、
  形にしておこうと思っただけだよ。
  その為のミモザの日だろ」

白髪少女
「嬉しい事をしてくれるな。……ありがとう」

男「で……後ろの男はちょっと話を聞く為に上がって貰ったんだ」

白髪少女
「……なるほど、お客さんって事だな。
 では紅茶の一つでも入れるとしようか。
 待っていて貰えるか?」

ゴリマッチョ
「あ、あぁ俺は別に構わねぇが……」

白髪少女
「大した手間ではない。
 気にする必要はない」

ゴリマッチョ
「……」

男「……どうかしたの?」

ゴリマッチョ
「いや……綺麗な人だなと思ってよ」

男「そうか」

ゴリマッチョ
「いい女を手に入れたんだな」

男「……手に入れたってわけでもないけど」

ゴリマッチョ
「そうなのか? 
 でも見た感じ、
 一緒に住んでるんだろ?
 なら手に入れたも同然じゃねぇか。

 ……それとも何だ、
 顔は似てねぇけど兄妹とか?」

男「そういうわけでも無い」

ゴリマッチョ
「……って事は何か訳ありか。
 まあ野暮な詮索はしねぇさ」

男「そうしてくれると助かる。
  ……さて、じゃあ座ってくれ。
  話を聞こう」


男が座るように促すと、
ゴリマッチョはまるで我が家の椅子に座るかのように、
勢いよく腰掛けた。

見た目通りに豪快というか無遠慮と言うか……。

まあ気にしてもしょうがない事であるんだけれどと、
男は息を軽く吐くと対面に座った。


男「……で、ハメられたって言う話だけど」

ゴリマッチョ
「ああ、そうだった。
 その話をするんだった。

 ……ただ、それについて話す前に、
 これは先に言って置きたいんだが……。

 俺は正直言ってあんまり頭が良くねぇ。

 だから、もしかしてあまり要領を得ない、
 そんな説明になっちまうかも知れねぇんだが、
 そこは許してくれ……」

男「別に気にしないよ」

すみません。
一旦ここまでです。
今日は特に用事等が無いので……、
早めに続き書きに戻って来れると思います。

見てるよー

戻ってきました。
今から続き書きます。

ゴリマッチョ
「……助かる。それじゃあ、ぼちぼち話すとするか」


そう言うとゴリマッチョは鼻から大きく息を吐き、
どこか遠くを見つめて、経緯を話し始めた。


ゴリマッチョ
「俺はな……とある二次団体の組の構成員だったんだ。
 そこは昔堅気の義理と人情に厚い良い組で、
 特に親父がそうだったよ。
 まあ組の雰囲気を決めるのは頭だ。
 当然っちゃ当然だがな。

 ……まあともかく、でも、だからこそな、
 皆がそういう親父を慕ってた。
 義理人情を忘れねぇ人で、
 俺もそいつに救われて組員になったもんで、
 同じように慕ってた。

 だけどよ……親父も年寄りだった。
 少し前にあの世に逝っちまってな。
 まあ皆で悲しんで、
 ド派手に葬儀もしてやったんだ」


……薄々勘付いてはいたものの、
この発言で男は確信を得た。

間違いなくこいつはヤ○ザなのだと。

ゴリマッチョがたった今捲った袖の下に、
綺麗なお絵描きがしてあったのも、
それの裏づけと言えるだろう。

どんどんヤバいの出てるな


男(ヤバイやつだとは思ってたけど、
  まさかその筋の人って言う方向性のヤバイだったか……)


自分の額に冷や汗が滲み出るのを感じつつも、
男は黙ってゴリマッチョの話の続きを聞いた。


男「……」

ゴリマッチョ
「……で、そんな風に親父とのお別れを済ませた後の事だ。
 次に誰が頭をやるか、と言う跡目の話になるんだが、

 順当に行けば……そいつは俺だった。

 俺が親父に拾われたのが十五の時で、
 こう見えてかなりの古株だからな。
 それに――若頭っていう立場だったから、
 誰もがそれに異なんか唱えやしねぇ。

 上の方の組織のお偉方も、
 それが伝統だ、と。

 だが……俺は考えに考え抜いた結果、
 降りる事にした。
 
 何せ今は時代が時代だからよ、
 昔のやり方じゃあ、
 まかり通らねぇ事も多くなったんだ。

 俺は昔のやり方しか出来なくて、
 言わばそいつは化石みてぇなもんで、
 だが、それじゃあもう駄目なんだ。
 
 昔のやり方に拘ってたら、
 必ずいつか組は無くなる。
 でも俺はそれしか出来ねぇ。
 だからこのまま行けば、
 俺が跡目を継げば、
 おそらく大切な場所が、
 ……俺のせいで無くなっちまうと思ってよ。

 そいつだけは……耐えられなかった。

 だから、頭が良くて時代を取り込んでいけるような、
 そんなヤツに譲る事にした。

 けどよ、そいつが間違いだった。
 その選択が全ての間違いの始まりだったんだ……」

なかなか話が進まないな


ゴリマッチョの眉間に皺が寄った。
どうやら、ここから話が急展開するらしい。

と、その時だった。
剣呑とした雰囲気を和らげるような匂いが漂う。
先ほど作ったと言っていたアマレッティと、
淹れたての紅茶を白髪少女が持ってきたのだ。


白髪少女
「……待たせた」


「……美味いしいな。
 折角持ってきてくれたんだし、
 あんたも食べると良い」パクッ

ゴリマッチョ
「……頂こう」


一口含むと、
ゴリマッチョの頬が幾らか緩む。


ゴリマッチョ
「ははっ……この菓子、美味ぇな。
 ただ紅茶の方はな……こんなお上品な飲み物、
 飲んだ事ねぇや」

男「あまり馴染みは無いだろうから、
  飲めないなら無理はしなくて良い」

ゴリマッチョ
「出されたもんだ、きちんと飲むさ――お、おおう。
 抹茶とか麦茶と全然違うな……香りが強い」

白髪少女
「……そういう飲み物だ。
 その香りが気持ちを落ち着けたりする」

男「先ず香り、とも言うしな」

ゴリマッチョ
「そういうもんなのか……。
 お洒落だな」

男「お洒落ってわけでもないけどね。
  まあ、そういうイメージが付いちゃってるのは否定しないけど」

白髪少女
「……ところで」

男「ん?」

白髪少女
「真剣な話のようだが……私は居ない方が良いか?」

男「……俺はどっちもで良いけど、
  あちらさんが嫌かどうかだな」チラッ

ゴリマッチョ
「俺か……? 俺は別に居て貰っても構わねぇが」

男「だそうだ」

白髪少女
「……それでは、同席させて貰おうか」

>>288-289
ワロタ

語りを通してのキャラ描写が1の得手なのか拘りなのかわからんが
男が典型的なやれやれ系(本来関わらないままでいられる事に首をつっこんでいく)でないことを祈る


そう言ってから、
白髪少女は男の隣に座り、
それを確認した男が、
ゴリマッチョに話の続きを促した。


男「……それじゃあ続きを」

ゴリマッチョ
「分かった。
 で……確か、代目を別のやつに譲った、
 って所まで話したよな?」

男「ああ、そこまで聞いた」

ゴリマッチョ
「じゃあその続きからだな。

 ……まあその、それで、
 俺は代目を譲った当初なんだが、
 ある意味安心しきっててな。

 さっきも言った通り、
 みんな親父の事慕ってたから、
 やり方が変わったって、
 時代が過ぎたって、
 親父の説いた心のありようだけは、
 絶対に変わらねぇんだってさ。

 ……あいつに任せれば、
 親父の心意気を残したまま、
 組を維持出来ると思ってた。

 俺は適度に見守りつつ、
 何か事が起きたら、
 力づくで助けてやるくらいの気持ちだったな。
 俺は馬鹿だが喧嘩だけは自信がある。
 それぐらいなら、
 組の為ならお安い御用だったからな。

 ……まあその、このやり方で、
 これからは上手くやってけるんだって、
 俺は思ってたんだ。

 ……だが、あいつはそれを裏切ってくれた。

 あいつは実際に組長を襲名して、
 それからすぐに薬の売買に手を出し始めた。
 これは資金源として重要だって言ってな。

 けどよ、そいつは……親父がもっとも嫌ってたもんでもあった。

 ……親父は昭和初期産まれでよ。
 若い頃に戦前戦後を経験してる。
 その時にヒロポン――当時の麻薬を使って、
 おかしくなっちまったヤツを何人も見てきたらしい。

 だからアレに手を出したら終わりだ、と。
 俺たちがアレを扱う事も何があっても許さない、と。
 そう常々言ってたものでもあった」

男「……」

白髪少女
「……」

あいつだよなあたぶん
組長とかマジかよ

深刻な話なのにゴリマッチョでなんか感じが変になる

キン肉マンとかの方がいいのか

禿頭で上半身風船みたいに膨れてる奴だろ
龍が如くの嶋野みたいな

すみませんちょっと一旦中断です、
午前中には戻ってきます。

戻ってきました。
今からぽつぽつ続き書いてきます。

舞ってた

現時点では男と関係ないこの長話、今日で終わるんだろうな…

ゴリマッチョは話をダラダラ勿体ぶるからウザすぎる


ゴリマッチョ
「だから……当然に俺は咎めた。
 そいつだけはやっちゃいけねぇんだろ、と。

 お前だって親父の葬儀で泣くぐらいに、
 慕ってたじゃねぇかよってよ。
 なら、不義理するような真似するんじゃねぇよってな。

 ……だがそしたら。

――親父の事は慕ってたが、
――それでもそのやり方まで良しとするわけじゃねぇ、
――こいつは利益になるんだよ、
――組の未来の為なんだよ。

 なんて……言い返されちまって、
 はっ、俺も短気だからよ、
 すぐに喧嘩になっちまった。

 その結果は当然……腕っ節が強い俺が勝ったが、
 それから組はぎくしゃくしちまった。

 ……で、そのうちに、
 あいつは変な中国マフィアのガキとつるむようになってな。
 薬を良く買ってくれるお得意さんらしいが、
 どうにもそいつは色々と怪しすぎた。

 ただ金が欲しくて薬が欲しい――って感じじゃあなかった。

 ……俺はすぐに進言しようと思ったよ。
 これは面倒な事になるって直感したからだ。
 だが、それはすぐに思い止まった。
 今更俺の言う事なんて聞きゃあしねぇだろうし、
 無理に言えばまた喧嘩になるからな。

 だから……俺は中国マフィアのガキの尻尾を掴む為に動く事にしたんだ。
 化けの皮さえ剥いじまえば、
 俺がそれを暴けば、
 少しは俺の話に耳を傾けてくれると信じて。

 そして――その最中に起きたのが連続通り魔の事件だった。

 最初は物騒な事件が起きただけだと思ったが、
 内容を見りゃあ薬の可能性があると来たもんだ。

 何か嫌な予感がした。

 そこで俺は馴染みの情報屋に連絡を取って、
 色々と話を聞いてみる事にしたんだが……。

 そしたら出てきた」


男「……出てきた? 何が」


ゴリマッチョ
「連続通り魔に関わる一連の流れが、だ。
 うちの組が関わってた。
 通常の薬の五倍の値で買うってそのガキに言われて、
 開発中止になった危険な薬をどっかから仕入れて、
 大量にそのガキに売ったらしい、と」

ゴリマッチョ
「……それが、今回の事件で使われた麻薬だ」


男「……」


ゴリマッチョ
「そんで――それを聞いた瞬間、
 俺は気づいたら激怒して組に乗り込んでた。

 何のつもりだ!
 金の為に変な薬を世の中にバラまいて、
 連続殺人鬼を作るのが、
 俺らの在り方なのか!

 って、暴れまくってやった。
 壁なんか穴だらけになっちまったし、
 窓ガラスも全部割れちまったし、
 辺り一面血みどろにしてやって……で、その内に警察が来たよ。

 まあ俺としても、
 やっちまったって感はあった。
 すげぇ音はしたから、
 近所の誰かが通報したのかってよ。

 ただ、あくまでこれは組内での揉め事だ。
 だからお宅には関係ねぇよって、
 警察に丁重にお引取り願おうと話をしようと思ったら、
 俺にワッパかけようとしてきやがった。

 連続通り魔事件の容疑者として拘束します、って言葉と共にな。

 俺は一体何の事か分からなかったね。
 ただ、その光景を見て、
 あいつが笑った。
 そして俺にだけ聞こえるように、
 耳元で言った。


――もうあんたは必要ねぇんだ。
――大人しく豚箱にでも入っててくれ。
――最近……イタリアマフィアも入国してるって話もあった。
――目的は分からねぇが、俺らの領分を侵す可能性がある。
――その場合は抗争に必要な武器を買う金が要る。
――あんたのやり方じゃあ、
――この先やってけねぇんだ。


 ……この時ハメられたんだって、
 前々からそのつもりだったのかってよ、
 薬で利益を得るついでに、
 俺の事も消し去るつもりしてやがったのかって、
 いくら馬鹿な俺でも理解して、
 全身の力が抜けるような気分だった。
 いくら喧嘩したって、
 家族みてぇなもんじゃねぇか。
 ハメるなんて……」


うっうっ、とゴリマッチョは涙ながらに語る。
余程裏切られたのが堪えたのだろう。


男「……なるほど。
  で、どうにかしてそこから逃げ出して、
  勝手に隠れ家認定していた家に来た、と」

ゴリマッチョ
「……おうよ。
 何せやってねぇんだ。
 誰かの身代わりで捕まるならともかく、
 こんな捕まり方は納得行かねぇって、
 すぐに気取り直して、
 そのまま警官殴り倒して逃げ出したんだ。

 でよぉ、隠れながら薬中の真犯人を探すつもりしてたんだ。
 そいつ見つけて冤罪を晴らすつもりしてた……」



鼻水をすすり、
大粒の涙を流すゴリマッチョを見て、
男はこの人物が段々とかわいそうに見えてきた。
とは言え……話は聞くだけと言ったし、
そのつもりをしていたので、
どうこうは出来ないが……。

と、思っていると、
おもむろに白髪少女が口を挟んできた。



白髪少女
「……すまん。今の話で少し気になる部分があった」

ゴリマッチョ
「お、おう? なんだよ」ズビィ

白髪少女
「お前はいわゆるジャパニーズ・ヤク○で間違いないな?」


ゴリマッチョ
「そうだが……。し、しかし何だその言い方。
 お前さん外国人か何かか……?
 そういや顔もどことなく日本人ぽくねぇ感じの、
 ハーフみてぇな美人だが……」


白髪少女
「日本語は喋れるが、確かに生まれは日本ではない。

 ……まあそれはともかくとして、
 先ほどの話にあった入国したと言うイタリアマフィアについてだ。

 それがジャパニーズ・ヤ○ザの領分を侵すと、
 そう考えられている、と言ったな?」


ゴリマッチョ
「……目的が分からねぇから、
 そうかも知れねぇって思ってるのは、
 確かに居るかも知れねぇってだけだがな。

 俺は組では……言った通りに、
 ぎくしゃくしちまってたから、
 情報入って来なくて、
 俺も情報屋から聞いて始めて知った話だ。

 ただありえなくはねぇ話だろうな。
 一時期ロシアのマフィアが進出して来ようとした時もあったし、
 中国マフィアだって……今は住み分け出来てるが、
 いつどうなるか分からねぇ。
 海外勢は動きが読み辛ぇ……」


白髪少女
「……動きを読む必要などない。恐らくその心配はいらない」

ゴリマッチョ
「あ……?」キョトン

白髪少女
「大方そのイタリアマフィアは、
 日本に居る息子の顔でも見に来ただけだ」フッ

ごめんなさい。
またまた訂正です。


この発言↓を

ゴリマッチョ
「……目的が分からねぇから、
 そうかも知れねぇって思ってるのは、
 確かに居るかも知れねぇってだけだがな。

 俺は組では……言った通りに、
 ぎくしゃくしちまってたから、
 情報入って来なくて、
 俺も情報屋から聞いて始めて知った話だ。

 ただありえなくはねぇ話だろうな。
 一時期ロシアのマフィアが進出して来ようとした時もあったし、
 中国マフィアだって……今は住み分け出来てるが、
 いつどうなるか分からねぇ。
 海外勢は動きが読み辛ぇ……」



↓に訂正です。ゴリマッチョの発言がおかしすぎました。ごめんなさい。


ゴリマッチョ
「……まあ俺もワッパかけられそうな時に、
 新しい組長のそいつにちらっと言われただけで、
 良くはわからねぇが……。

 ただありえなくはねぇ話かも知れねぇがな。

 一時期ロシアのマフィアが進出して来ようとした時もあったし、
 中国マフィアだって……今は住み分け出来てるが、
 いつどうなるか分からねぇ。
 海外勢は動きが読み辛ぇ」

>>304での訂正の発言は>>303のゴリマッチョの発言の訂正です。
すみません。
情報屋のくだりでイタリアマフィア云々は入れるか迷ったのですが、
結局入れずに代わりに新組長の発言にして、
ついさっきの事なのにそれを忘れて続き書いてしまったせいです。
許して下さい。

それでは続き書いていきます。

このあと美少女からのラインを見る場面になるんだろうが
その場の状況がどうであれ、落ち着かせて警察に戻るよう促す以外の選択肢なくね
なんなら一緒にいくとか、そこからなにがしか展開はあるにせよ

ぬぽーん


ゴリマッチョ
「何でそう言い切れるんだ……?
 知り合いか何かなのか?」

白髪少女
「……いや、そんな感じがすると思っただけだ。
 だが、ただの予想だと思ってくれるな。
 私のこの言葉は信じて良い言葉だと約束しよう」

ゴリマッチョ
「……詳しくは言えねぇ訳でもあるって感じだな。
 まあウソ言ってるように見えねぇし、
 信じても良いっちゃ良いけどよ」

白髪少女
「そうしてくれると助かる」

男「……」

男(……結構ハッキリ事柄を言うハズの白髪少女が、
  妙に変な言い方をするな……。

  何かあるのか?
  イタリアマフィアと。

  そう言えば元々は親父に助けられたんだったよな。
  親父も確か基本的な活動拠点がイタリアだったハズだ……。
  その繋がりから考えれる事とすれば――
  
  ――イタリア、オヤジ、マフィア。

  ……んん? んんん!?
  ……いや、まさかな?

  でも妙に親父は羽振りが良さそうだよな。
  白髪少女に大金持たせてたようだし。
  普通の仕事してたら、
  こんな金持ってるか……?)


男の脳裏にはふと、
自らの父親の素性についての考察が巡った。
まさか……と思う気持ちが強くなり始め――

――るるっ、とスマホがラインの着信を告げる音を発した。

……何だこんな時に、
と男が思いながらにラインを開くと、
それは美少女からの助けを求める連絡だった。


――男さん。
――突然の連絡ごめんない……。
――でも今、凄く大変で。
――助けて欲しいんです……。


男「……え? 助けて欲しい?」

vipのやつ落ちてから見てなかったけどここに移動してたのか


漠然とした「助けて」に、
一体どういう事なんだと、
男は事情が飲み込めなかった。

だから、ひとまず何が助けてなのか、
それを尋ねて見る事に決める。


――どうしたの。


と、男がラインを送ると、
すぐさまに返事が返ってきた。


――何て説明したら良いのか……。
――でもこのままだときっと、
――私ひどい目に合っちゃうんです。
――男さんに会いたい、会いたいです……。


どうやら美少女は、
冷静さを欠いているようだった。
助けてという強い思いが前面に出て、
詳しい事情は語ってはくれない。
恐らく焦りや不安が先に出て、
こちらの意図がきちんと通じていないのだ。

これは……直接会って聞くしかないかも知れない。
男はそう思った。
しかし同時に、これに自分が首を突っ込むべきなのか、
と言う思いも抱かずには居られなかった。

男からすれば美少女はただの元お隣さんだ。
それなのに、どうして自分に助けての連絡をするのか。
そんな自分よりもまず先に、
しかるべき相談すべき人や場所があるように思えるのだが……。

それを考えると、
男としても何も考えずに今すぐ行くとは言い辛い。



男「……」

白髪少女
「……急にどうした?」

ゴリマッチョ
「そうだな。何だスマホをじっと見てよ」

男「……いや実はたった今こんなラインが来てな」



自分では少し判断がし辛い。
そう思った男は、この二人に意見を貰おうと思い、
ラインの連絡を見せた上で、
美少女との関係性やこの連絡に対する自らの考えを述べた。



ゴリマッチョ
「なるほど……まあお前の考えは分からんでもない。
 だがこの文章見る限り――」

白髪少女
「――助けてを言おうと思って、
 最初に頭の中に思い浮かんだのが、
 男だと言う事では無いか?」

ゴリマッチョ
「だろうな……」

白髪少女
「これは……頼るべき者が他に居るのにという話ではなくて、
 誰を頼りたいか、と言う話だ。
 お前はただのお隣さんだと思っているかも知れないが、
 相手は違うかも知れない」

男「は……?」

すみません一休みします。
午前中には戻ってきます。
ようやく長々としたゴリマッチョのこれまでの経緯話が終わりました・・・。


これだけ時間割いたからには役に立って欲しいなゴリマッチョ

>男「は……?」

ブレねえなwww
こういうとこ好感触

ゴリマッチョは既に指名手配されてる筈なんで、
家ならともかく屋外で行動を共にするのはない
一度別れるのか、それとも美少女からの連絡を機に家に置いていくか

戻ってきました
ぼちぼち続き書きつつ出来た都度投下します

すみません
ただでさえ遅いのに
今日はさらにちょっと時間かかってます

PCの電源が途中で勝手に落ちるようになってしまいまして・・・
夜までにはなんとかしますので・・・

本当に申し訳ないです・・・

よし、ひとまずなんとかなったので、
続き書きます

舞ってたぬぽーん


ゴリマッチョ
「は? 、って事もねぇだろうに。
 ……朴念仁なのかい?」

男「誰が朴念仁だよ……」

白髪少女
「お前だお前。
 と言うかこの様子だと、
 私が前に言ったことを覚えていないな?」

男「前……? 何か今回に関係ある事、喋ってたっけ?」

白髪少女
「……覚えてないなら良い。

 しかし……想いが明らかに分かる女からの連絡を、
 こうも鈍感に無碍にするか。 
 ふふっ……私も前にああは言ったものの、
 考え直して見ればこれは逆に、
 案外と安心出来るかも知れないな。

 絶対に間違いは起きないだろうから、
 安心して送り出せる」

ゴリマッチョ
「……据え膳食わぬを恥と思って無さそうだ」

男「……何か良く分からないが、
  馬鹿にされてる気はする」

白髪少女
「馬鹿になどしていない。
 むしろ好ましいと思い始めている」

ゴリマッチ
「隣に居る女から見ればそら好ましいだろうなぁ……」


呆れたような二人の声に、
どうしてそうなるのかと、
男はどうにもそれが理解が出来なかった。

ただこのままだと、
自らの胸内に苛立ちが募りそうなのだけは分かったので――、


男「……何でも良いんだけど、
  結局これどうしようかね」


――無理やり話を戻す事にした。

すると、男の雰囲気を機敏に感じ取ったのか、
白髪少女がその表情を真剣なものに戻して、
それを見たゴリマッチョも続いた。


白髪少女
「ふむ、どうしたら良いか、か……。

 そうだな……男の好きにしたら良いさ。

 私はお前が助けに行くと言うなら協力するし、
 行かないと言うのであれば、
 何もしないだけだ。

 助けての状況が良く分からないから、
 それに対しての意見や助言も出来ない。

 なら、助けを請われたお前の判断に倣うだけだ」


男「……なるほど」チラッ


ゴリマッチョ
「んお? 俺か?
 俺も……何とも言ねぇな。
 そもそもその女の事も良くわからねぇ。

 まあただ……女から助けてって言われたんなら、
 助けに行けば良いんじゃねぇかなとは思うが。

 ……話も聞いてもらったし、
 お返しと言ったら何だが、
 もしも行くなら用心棒ぐらいの事はするぜ?
 何があるか分からねぇからな。

 ……恐らく遅かれ早かれ、
 俺は指名手配されちまうから、
 それまでの間になっちまうけどよ」


男「指名手配……そう言えばあんたは、
  今かなり危険な状況なんだよな。

  ……別に俺は話を聞いただけだし、
  変に恩に着る必要はないぞ?
  話を聞いておいた方が良いって言う、
  こっちの都合もあったしな。

  ……あんたは何も気にせず、
  後は自分の身を案じて、
  逃げるなり何なりすれば良い。

  ……変に意見貰おうなんてして、
  引き止める見たいになって悪かった」


ゴリマッチョ
「……別に悪いなんて思う必要はねぇさ。

 ……にしても、
 後は逃げて良いだなんて、
 そいつはありがたい提案だ。

 ただ……それをそのまま受け取っちまったら、
 俺も男が廃るってもんだ。

 恩と言うかこいつは義理って言う方が正しいな。

 でよ……その義理ってヤツを気にしなくなったら、
 俺は極道として胸張れねぇんだ。

 だから、話聞いて貰った分は何かする。
 もしも行かねぇんだとしたら……、
 欲しい情報のひとつでも情報屋から買って来てやるさ」


男「……いやでも、そんな事言われてもなぁ」ウーム

白髪少女
「……まあ何にしろ、
 行くにしろ行かないにしろ、
 早めに決断した方が良いとは思うぞ」

男「そいつはそうだ。
  さすがに無視は不誠実だしな……。

  どうでも良い連絡ならそれもありだが、
  今回みたいな連絡の場合は、
  無視は無しだろうとは思ってる」

LINE見て助けに行こうと決断するだけで時間かけすぎだろ…


白髪少女
「であれば、早めに決めるんだな」

男「分かってる……」


男が決断を下したのはおよそ五分後だった。
そこまで時間が掛かったわけではないが、
多少は悩んだせいもあるのか、
体感時間としてはその倍くらいあるように男には感じられた。


白髪少女
「……決めたようだな」

ゴリマッチョ
「さ、どっちにするんだ?」


男「――助けに行こうと思う」

白髪少女
「……そうか。分かった」

ゴリマッチョ
「よーし……そうと決まれば俺も用心棒でついてくよぉ」

男「……何か嫌って言ってもついてきそうな雰囲気。
  はぁ……取り合えず断るのは諦めるけど、本当に良いの?」

ゴリマッチョ
「自分なりのルールで決めた事だ。
 よっぽどの事がねぇ限り撤回はしねぇさ」

男「……分かった。頼りにしてるよ」

ゴリマッチョ
「任せろ」パシッ

白髪少女
「それでは私も準備をしてこよう。
 と言っても、動きやすい服装に着替えるだけだがな」

男「了解。……じゃあ俺はその間にラインの返事でも送っとく」




……


そこそこ楽しみに追ってはいるが
ゴリマッチョはもう指名手配されてるだろ
本人が認識してないだけで

美少女もそうだが
冷静な判断ができなくて自滅的により窮地に陥っていく展開は続くと白ける

         ,r"´⌒`゙`ヽ
       / ,   -‐- !、

      / {,}f  -‐- ,,,__、)
    /   /  .r'~"''‐--、) <どうか許してやってくれ、
  ,r''"´⌒ヽ{   ヽ (・)ハ(・)}、 彼はゴリラなんだ
 /      \  (⊂`-'つ)i-、

          `}. (__,,ノヽ_ノ,ノ  \
           l   `-" ,ノ    ヽ
           } 、、___,j''      l

寝落ちしてました・・・
夜に戻ってきます
それから続き書きます

戻ってきました
今からぼちぼち続き書きつつ出来た都度に投下です

すみません、ぼちぼちとは言いましたが、、
ちょっと今回は書き始めた後に色々あって続きが書けず結局投下出来ませんでした……。
起きたら続き書きます。
本当に申し訳ない……。


……



まだ日の光はあるものの、
空に浮かぶ太陽が、
確かに西へと傾いているのが分かる。


美少女「……男さん、男さん」


路地裏で座り込んでいた美少女は、
男の名前を呟きながら、
ぎゅっとスマホを握って座り込んでいた。


美少女「……早く返事してよぉ」


実は美少女が「助けて」のラインを送ってから、
男からの返事がまだ来てはいない。

まだ見てはいないのか、
それとも無視されているのか……。

美少女の胸内に不安や恐怖が渦巻き始める。

そして……いよいよと空が夕焼け色に染まり始めた頃、
不意にるるっとスマホが鳴った。
それはラインの返事を告げる音だった。
返事の送り主は男。


――分かった。
――今どこに居るの?
――これから向かう。


短い文章であったが、
美少女は思わず目の端に涙を溜めた。

すみませんやっぱり寝る前に一応、
少ないですが書いた所まで投下しておきました……。

指名手配が二人に増えた

――私のお願いが届いた。
――男さんは私の事を助けてくれる。


そう思うと、
溜まった涙が溢れて流れ出し始めた。


美少女「……男さん」


安心と安堵に呑まれて、
美少女は震える手で自らの居場所を伝える。


美少女(――もう怖いものなんて無い。男さんに会えたなら)


連絡がついたからだろうか?
美少女は気持ちは高揚し、
徐々に大きくなっていく。


美少女
(男さんが来たら……どうしようかな。
 ……思い切って抱きつこうかな?

 不安で寂しい自分と、
 それを救いに来た男さんていう絵面は、
 随分と雰囲気が良いと思う)


こんな事を考えてしまうくらいに、
美少女の頭の中は、
ふわふわとし初めていて――

――しかし、世の中はどうにも上手くは行かないらしい。

男が到着したのは、
夜の帳が落ちた頃だ。

近づいてくる人影に気づいて美少女が顔を上げると、
そこには男が立っていた。

男は眉根を寄せて、
少し困ったような表情だったけれど
それも不思議と愛おしく感じる。


男「……で、何があったの?」


美少女の脳奥に、
男の色気のある低い声が響いて、
思わず瞼がとろんと緩んでしまった。

どうやら美少女は自分自身が思っている以上に、
彼にイカれてしまっているらしい。


美少女「……」


もしかしたら警察がまだ自分を捜してて、
そのうちに指名手配とかも、
されてしまうかもしれない。

けれど美少女にとっては、
そんなのは今はどうでも良くなっていた。

ここはもう二人のセカイ。
誰の邪魔も入らないセカイ。


美少女「……」

男「……ん? どうしたの?」

美少女「来て、くれたんですね……」

男「そりゃあ行くって伝えたし……。
  もしも行けないなら、行けないってちゃんと伝えてる」

美少女「……嬉しい」


美少女はおもむろに立ち上がると、
潤んだ瞳で、
少し戸惑い気味の男に抱きつこうとして――

――その足をピタリと止めた。


男の後方から、
こちらに向かって歩いてくる二人の人物が見えて、
その内の一人の方に見覚えがあったがゆえに、
立ち止まったのだ。

筋肉質なゴリラのような男と、
白髪の女性の二人。

美少女の記憶にあって見覚えがあるのは、
後者の白髪の女だ。


美少女
(確かこの女は……。

……男さんがまだお隣さんだった頃に、
部屋に転がり込んで泊まり始めた、
男さんの優しさにつけこんだクソみたいな女……)


白髪少女「……おい! 探し人は居たのか!?」

男「ん? ああ居た!」


親しげに男に声を欠けた白髪の女は、
さも当然と言うように、男の隣に並び立つ。

まるで……そこが自分の居場所だとでも言わんばかりに。


白髪少女
「なら良かったな。……ところで、大丈夫そうなのか?」

男「……何か泣きそうな顔してるけど、
  取りあえずは大丈夫そうだ」

白髪少女
「そうか……。それで……合流したは良いが、
 これからどうする? 場所を移すか?」

男「……そうだな。ここで話も何だしな」

どう見てもメンヘラですありがとうございました

薬残ってるの疑うレベル

>>1どこ行った?もうほぼ丸一日音沙汰ないぞ?

全員薬中

ごめんなさい色々ありました
続き書きます

美少女の発狂待機

白髪少女
「よし……ではそうと決まれば移動するか。
 ……そう言えば、だいぶ冷えてきたな」

男「まだ夜は冷えるからな」ズビッ

白髪少女
「……ふふっ、私のマフラーを使うと良い」スッ

男「悪いな……」


白髪少女がそう言って男の首にマフラーを巻くと、
当然に二人の顔が近づいた。
それは、あとほんの少し動けば、
お互いの唇が触れてしまうくらいの接近で。
それは一見すると、
二人の心の距離の近さを表しているかのようにも見える。


――コイツ、邪魔ダヨネ。


一部始終を見せつけられた美少女の胸内に、
ふと、どす黒い感情が沸き起こった。


美少女「……」


先ほどまでは緩んでいたその目元が、
今はきつく締め付けるように細められていて、
その内にあった瑞々しい潤んだ輝きが……一瞬の内に渇いて淀んでいった。

スマホを握る美少女の手に力が入り、
ぱきり、とケースの角が幾らか欠けた。



ゴリマッチョ
「……おいおい、今の黙って見てたが、
 助けに来たお嬢ちゃん放って二人仲良くは良くねぇだろ」ハァ


美少女
(……誰か分かんないけど、良いこと言うじゃんクソゴリ)


ゴリマッチョ
「まったく……」

男「え……? いや別にそんなんじゃ……」

白髪少女
「……男の言う通りだ。そんなつもりでは」

ゴリマッチョ
「やれやれ……。
 ほれお嬢ちゃん、何があったのかは知らねぇが、
 もしも疲れてて歩くのも辛いとかって状態なら、
 良かったら俺が肩貸すぞ?」

ゴリマッチョが元ヤッさんとはいえ、穏健派だったし、この中では一番の常識人だな

ゴリラいいやつだなあ

ゴリマッチョ一番まともじゃん
男本当に見損なったわ


そう言って、
ゴリマッチョが美少女に手を差し出してくる。

苦虫を噛み潰したような笑顔を見る限り、
彼は初対面にも関わらず、
美少女の事を案じてくれているのが分かる。

だが……、


美少女「いえ、大丈夫ですので」


美少女はそう言って、
差し出された手を取る事は無かった。


――私ガ欲シイノハ、アナタジャ無イ。


先ほどから、
人間としてはあまり褒められた事ではない、
そんな言葉ばかりが美少女の心の中で蠢く。


ゴリマッチョ
「……そうかい。そうだな。
 助けに来た王子様は俺じゃねぇもんな」


やれやれと後頭部を引っ掻きながら、
ゴリマッチョがそんな事を呟いたのが、
美少女の耳に入った。


美少女(その通りだよ、私の王子様は……)

切なげにきゅっと唇を結ぶと、
美少女はゴリマッチョの横を素通りして男に近づき、
白髪少女との間に割り込む形で、
強引にその腕を絡めた。


男「な、何……?」

美少女
「怖かったので、本当に怖くて不安で……こうしてると落ち着けそうで……」


安堵を恐怖の入り混じった表情を作りつつ、
美少女はそこまで言ってから、
ちらり、と白髪少女に怜悧な視線を向けた。


――この男は自分のモノなのだから、
――変に仲良くなったり誘惑しないで。
――もしも邪魔立てするなら――
――タダジャ済マサナイヨ……。


と、言外にそう訴えかける。

しかし……睨まれた白髪少女は、
特に表情を変えるでもなく、
片眉を上げるだけに留めて来た。


白髪少女
「……そんなに怒らなくても良いでは無いか」


その余裕そうな表情が、
美少女の奥底に燻る夜色の火種を、
激しく煽る。


――本当ムカツク。
――コイツ、消シテモイイヨネ?


実の所……警察から逃げた段階で、
美少女の心は行動と同じく既にパニックになっていた。
そして、そんな風に乱れた心の安定を求めた先が男であり、
もはやそれは今の美少女にとっての全てになりつつある。

だから気づけなかった。
美少女は気づけなかった。

自分が狂い始めているのだ、と言う事に。

>>1は登場人物不幸にしないと気が済まない病気でも抱えてるの

>>344
虚淵にも言ってやってくれ

寝落ちしてました
今から続き書きます

舞ってたぬぽーん


春の訪れに、
季節外れに咲いたのは、
セイヨウキヅタのツルの花……。


毒を宿したその実が花を
開く時とは秋の中。


伸びたツタは絡んで離れず、
あなたに誓うよ――永遠の愛。




……



……





今はもう夜だからか、
署内の人間もだいぶ少なくなったようだった。
先ほどまで壁越しにも聞こえていた話し声が、
あまり聞こえなくなって来ている。

……ただ、そのせいか、
時たまばちっと音を立てて点滅する蛍光灯が、
酷く脳裏に焼きつく。


イケメン
「……」


留置所の中で、
イケメンはじっと……己の手のひらを見つめていた。

自分の犯したとされる罪について、
イケメンはどうにも実感が湧かずに居たのだ。

気分が凄く高揚していた事は覚えている。
けれど、何をしたかまでは記憶が曖昧で……。


イケメン
(全然思い出せない……。
 もしかして、あの薬の影響かな……?

 確かにあの時は自分が自分じゃないみたいな感じだった……。

 そうだよ――薬だ。
 俺が色々やらかしたとしても、
 悪いのは薬であって俺じゃない。

 だって、薬がなければ俺は普通の人だ。
 だから俺は悪くなんてないんだ。

 つまり……実質上は薬が犯罪を犯したようなものだろう。

 全て何もかも薬のせいで、
 何度でも言うけど俺は何ひとつ悪くなんてない)

イケメン
「……ははっ、警察も馬鹿だなあ。
 俺じゃなくて薬を捕まえないと駄目なのになあ」


焦点の合わない瞳で、
イケメンは呪詛のように言葉をぶつぶつ呟き続ける。
すると、一人の刑事が部屋の中に入ってきた。


刑事「……」


無言の刑事はどうにも険しい表情でこちらを見据えてくる。

だが……イケメンにはその理由が分からず、
何でそんな顔をするんだろうと不思議に思い、
頭の上に疑問符を乗せた。

もう、ぬぽーんもぬぷーんもねえ…

>>349
一応出番は考えてはいます・・・
中々出せないだけで忘れてはないです・・・

そして、当然にその理由を尋ねようとして、

イケメン
「どうしたんですか?
 そんなに怖い顔し――」

刑事「――クソガキ、黙れ」


ぐい、と胸倉を掴まれた。


イケメン
「なっ、何するんですか?
 暴力は駄目ですよ」

刑事「暴力は駄目だぁ? ……お前そんなこと言える立場かよ」


刑事は寄せた眉根を緩める事なく、
イケメンを睨み付ける。

イケメンは「ハァ」とため息をひとつ付いた。


イケメン
「刑事さん……あなた勘違いしてますよ。
 俺じゃない、悪いのは薬ですよ。
 こんな事件を起こしたのも、
 真犯人もすべて薬なんです。
 捕まえるべきは俺じゃなくて薬なんですよ」

刑事「……頭おかしくなったフリか何かか? 
   そうすれば許されるとでも思ったか?」

イケメン
「だから、許されるも何も俺はそもそも悪くない」

刑事「……まあ良いさ。どれだけ狂ったフリしようが、お前は間違いなく死刑だよ」

イケメン
「死刑だなんて……俺は最高学府の学生ですよ?」

刑事「……それがどうした?」

イケメン
「……法曹界には俺の大学のOBが沢山居ます。
 だから、俺が悪くないという言葉を信じてくれるハズ。
 死刑になんてならないですよ。
 それ所か有罪にもならない」


イケメンは酷く落ち着いた様子で、
ぺらぺらと言葉を吐き出した。

喋りながら思い出していた事は、
最初に薬を渡された時のフツメンとのやり取りだった。


――なあ、法曹界には俺らのOBが多いんだぜ?
――自分の後輩、守りたくなるのが人間だろ?

スローペースで毎日申し訳ないです
夕方には戻って続き書きます


>>1のペースで大丈夫だよ


だがこれは……、
決して今回のような事件の、
その揉み消し方を指した言葉では無い。
普通に考えれば分かる事ではある。

しかし、今のイケメンの思考はどうにも正常では無かった。


刑事「……ふざけるのもさぁ、大概にしようよ」


イケメンは自らが喋り終えた後に、
これで刑事も理解するだろうと思っていたのだが、
表情を見るとさらに怒りを溜めたように見える。

あと一押しが足りなかったのだろうか?

そう考えたイケメンは、
今度は親の存在について言及した。


イケメン
「それに俺の親をご存知ですか? 官僚ですよ官僚」

刑事「ああ、そいつはもう知ってるよ」

イケメン
「俺は官僚の子ども。その俺が信じて貰えないのはおかしいでしょ」

刑事「……」

イケメン
「日本の中枢に居る人間の子ですよ?
 つまり俺を疑うということはこの国そのものを疑うって言うのと同じです。

 そんな馬鹿馬鹿しい事出来るわけがない。

 ……刑事さん、もうこんな所に俺を閉じ込めるのは止めましょう。
 何の得にもならない」

刑事「……それ、親の前でも言ってみろよ。ちょうど来ている」


刑事は鬼の形相で笑うと、
扉を開けてイケメンの両親を招き入れた。

スーツ姿の初老の男性と、
歳相応の服装をした妙齢の女性。

刑事の言葉に嘘偽りはなく、
その二人はイケメンの両親だった。

イケメンは一瞬きょとんとしたものの、
すぐに父親に向かって乾いた笑みを向けた。


イケメン
「父さん……官僚なんだから早くなんとかしてよ。
 まあ別に俺は裁判になっても負けるわけないけど、
 でもそんな労力も勿体ないし――」


と、そこまで言った所で、
すぱん、とイケメンの頬がぶたれた。
ぶったのは他の誰でもない……イケメンの父。


イケメンの父
「お前っ――何だその言い方は! 自分が何をしたのか分かっていないのか!?」

イケメン
「と、父さん……?」

イケメンの父
「いいか……? お前のした事は、お前のした事は……っ」


……イケメンの父は、
頬をぶった瞬間に怒号を見せたかと思えばすぐに一転して、
今度は大粒の涙を止め処なく流し、がくりと膝を落とすと、
イケメンの脚に縋り付いた。


イケメンの父
「どうして、どうしてこんな事をぉぉ……」



イケメンの父が泣きじゃくり始めると、
傍で見ていた母親も、
ハンカチで顔を覆い咽び泣いた。


イケメン「えっと……」


イケメンは言葉に詰まった。
両親が来た事については、
一瞬戸惑ったものの、
いずれは来るだろうとは思っていたので、
特に不思議はない。

だからそれではなくて、
イケメンにとっての予想外は、
自らの足に縋り付いて泣く父親と、
鼻を啜るように泣く母親の行動だった。


刑事「……これを見ても、まだ言えるか?」


イケメンは刑事に言葉を返せなかった。

言えますよ、と言いたかったけれど、
口が動かなかった。

良くは分からないけれど、
ずしりと重い何かが、
そんな何かが自らを蝕んでいく感覚に陥り始めていたのだ。

正常では無かった思考が、
少しずつ戻り始める。

振り続けるメトロノームにもいつか終わりがくるように、
緩やかに、徐々に……。

そしてやがて、


イケメン「ア゛……ア……アアアッ・・・…アアア゛ア゛ア゛ア゛ー!!」


全てを正常な思考で理解してしまった瞬間に、
一気に許容量を超える罪悪感が流れ込み、
それにあわせて自らの犯した罪の詳細を鮮明に思い出した。


親子三人の慟哭が響く……。


刑事「……やっと受け入れるか。

   これで……薬の出所を素直に吐いてくれると良いが。

   ……あの逃げた女子大生についても、
   いったいどう関係なのか、
   吐いて貰わねぇとな。

   まったく……最近は嫌んなる事件ばかりだよ」ボソッ



………
……


……
………

>>353
ありがとう



小洒落たカフェの一角で、
男達は美少女の話の一通りを聞いた。

大学生による飲み会から、
警察署から逃げだすまでの一通りを。



男「なるほど……」

白髪少女「ふむ……」

ゴリマッチョ「そいつぁ……」



経緯を聞いて、
納得したかのように男達は頷いた。
特にゴリマッチョは、
自分と重なる部分があるのか、
しきりに顎をさすっては深く息を吐く。


男「……あんたと似たような感じだな」チラッ

ゴリマッチョ「そうだな」

美少女「え? 似たような……とは?」

男「いや実は……このガチムチも犯人じゃないのに疑いを掛けられてるそうなんだよ」

美少女「……そう、なんですか」

男「うん……あと、それでその……ちなみになんだけど」

美少女「はい?」

男「……いつまで腕を組んでるつもりなの?」

美少女「えっと……駄目ですか?」

男「駄目って言うか何て言うか……」



男はゴリマッチョとの類似点がある事を指摘しつつ、
美少女がしきりに絡めてくる腕についても言及した。

何せ移動した時に絡めてきて以来、
ずっと解こうとしないのだ。


白髪少女
「ははっ、役得か何かだと思えば良いのでは無いか? ん?」フフッ


からかうような白髪少女の言葉に、
男が所在無さげに眉根を寄せると、
何を思ったのか美少女がその言葉に噛み付いた。


美少女「……からかうの止めて貰って良いですか?」キッ

白髪少女
「すまない。悪気があったわけでは」フフッ

美少女「何ですか? その表情イラッと来ますね」

男「あの……今そんな事で争ってる場合じゃないと思うんだけど。なんでそんな事で争うの」

白髪少女
「ああいや、私はそんなつもりはないんだ」

美少女「はぁ? 何ですかその自分は悪くない突っかかる私が悪い見たいな言い方」

男「あのだから……」


……どうにもこの二人は相性が悪いらしい。
移動の途中でも、
どことなくそういった節は見え隠れしていたものの……、
まさかここまでとは男も思い至らなかった。


美少女の一連の流れは聞いた。
だから、今からはこれからどうするか、
と言う事について、
話をしなければならないと言うのに……。

緊張感がどうにも足りない気がする、
と男が口元を歪ませるていると、
ゴリマッチョが救いの手を差し伸べてくれた。


ゴリマッチョ
「まあまあ落ち着こうや。
 ひとまずこれからどうするかについて、
 話をしよう。

 あんちゃんも早くその話をしてぇよな?」

男「あ、ああ。結構急を要する話だしな」

美少女「わ、私は別に話を逸らしたかったワケじゃ……」

白髪少女
「ふむ……そうだな。大事な話だな」

美少女「は? だから何その自分は悪くな――」

白髪少女
「――このままでは男も困ってしまう。
 それは私の本意ではない」

美少女「――っ」



男「……すまない。助かる」

白髪少女
「……いや、良いんだ。
 そこのお嬢さんも、色々と気が立っているのだろう。
 配慮出来なかった私が悪いんだ」チラッ フフッ

美少女「……」青筋ピクピクッ



ゴリマッチョ
「――さ、さっ、それじゃあどうするかだな。
 あんちゃんはどうすれば良いと思う?」

男「え……? 俺?」

ゴリマッチョ
「……なんでい、駄目か?」

男「俺より……あんたの方が詳しいんじゃないのか?
  まがりなりにもヤク○なんだろ。
  この手の事の治め方とか知ってそうだけど」

ゴリマッチョ
「そりゃそうだが、そうは言ってもなあ……。
 俺も今じゃ追われてるかもな身の上だ。
 間違われて追われる事を何とか出来る方法知ってるなら、
 自分の方なんとかしてるって」

男「それもそうか……」

よし、今日はなるべく進められるように頑張るぞ(`・ω・´)

追いついた、支援

見とるで…

この先の展開にあまり心引かれないが
物語に動きがあるのを松


ゴリマッチョ
「って事で、何か良い方法考えつかねぇか?」

男「うーん。良い方法ねぇ」


ううむ、と男はしばし悩む。
しかし、良い考えなどそう簡単には思いつくワケもなく、
無情にも時間だけが過ぎて行った。

そして、ようやくの思いで出てきた結論は、


男「……警察に行って、事情やその時の気持ちをきちんと伝えるしかないんじゃないかな」


今一度、改めての説明を警察にした方が良い、
と言う物だった。

今回の美少女の件に関しては、
真犯人が別に居るとかそういう類の事では無いのだから、
警察に恐らく与えたであろう誤解を解かない限り、
終わりが無い。

だから、早めにきちんと誤解は解いた方が良いと言う、
非常にシンプルな解決方法を思い至ったのである。



ゴリマッチョ
「……それでなんとかなるかね」

男「大丈夫だと思うけどね。

  あんた見たいな背景があるならまだしも、
  そうじゃないなら話くらいきちんと聞いてくれるだろ」

ゴリマッチョ
「それもそうか」フゥ

男「……とまあ、これが最善だと思うんだけど、どうかな?」チラッ

美少女
「……男さんが、そうしろって言うなら」

男「そうしろって言うならって……別に強要するわけじゃない。
  君が誤解を解くのを嫌がるなら無理にとは言わないし」

美少女
「ご、誤解を解くのはそうしたいって思います。
 なので別に、い、嫌ってわけじゃないです、けど……」

男「けど?」

美少女
「……ひ、一人で行くのは嫌です。……勇気出ないです」

男「……なるほど、わかった。俺で良ければ付いていくよ」

美少女
「良いんですか……?」

男「別に構わないよ」

美少女
「あっ、じゃ、じゃあ行きます!」


男が小さく頷くと、
ゴリマッチョと白髪少女も倣うように頷く。
どうやら、どちらも異存は無いようだ。


男(……まあ仮に反対されたところで、
  これ以上に良い方法は今の所思いつかないけどな)


――と、その時だった。


男(……ん?)


男はふと、目線の先にある、
奥の方の席に座っている男性客の様子、
それがおかしい事に気づいた。

呼吸を荒げながら、
何か粉状の薬のようなものを口に含み、
コーヒーで喉の奥へと流し込んでいる。

一見して……不審者と言って良いかも知れない。


白髪少女
「……どうかしたのか?」

男「ああいや、あそこに座ってる男性客なんだが……」

白髪少女
「ん……? あれか」

ゴリマッチョ
「なんだ? 何か変な客でも――うおっ、ありゃあ……」

美少女
「……やだぁ、何か怖いです」男の腕ギュ




不審者―――フシュウ、フシュウ、フシュウウウ……―――ハァハァ




白髪少女
「……かなり強い薬でキメてしまっているように見えるが」

ゴリマッチョ
「ように見える、じゃなくて正にそうだろ。つか、こんな店中で堂々とかよ……」

美少女
「……」ギュウウ

男「早めに出るか……。巻き込まれると――」

白髪少女「――伏せろ!」グイッ


ゆっくりと男が席から立とうとした瞬間、
男は白髪少女に頭を掴まれ、
強引にテーブルの下に引きづり込まれた。


そして幾秒も経たない間に、
タタタタタッ、と言う発砲音が聞こえた。


――キャアアアア!
――ウワアアッ……アッアッ……。
――何ガッ、何ガオキ――ウゲッ………。


人々の悲鳴が聞こえる。
一体何事だと男は目を瞬かせていると、
遅れてゴリマッチョと美少女がテーブルの下に潜り込んで来た。


ゴリマッチョ
「な、なんだァ……?」

美少女
「……き、急に、何これ」ガクブル

男「何が起きてるんだ……」

白髪少女
「どうやらあの薬をキメてた男がテロを起こしているようだ」

ゴリマッチョ
「……冗談じゃねぇや」

白髪少女
「いかんな。
 だいぶ血走った目をしていた。
 見境が無い様子だ。

 このままでは……こちら側に来るのも時間の問題だろう。
 ただ現状こちらに銃火器は無し、分が悪い」

ゴリマッチョ
「……何だか随分と慣れてる感じだな」

白髪少女
「郷国ではこのような事は日常茶飯事であったからな」

ゴリマッチョ
「随分とおっかねぇ所の産まれだこと」

男「……そんな話は今は置いておいて、今はここから逃げないと」

白髪少女
「……そうだな。
 それが一番だ。

 だが、逃げるにしても気づかれたら終わりだ。
 完全な隙が必要になる」

ゴリマッチョ
「隙ねぇ……武器持ってる相手にそれを求めるのはちとキツいんじゃねぇかな」

男「……なら俺が囮になろう。
  その間に白髪少女は美少女を連れて逃げてくれ」

ゴリマッチョ
「わーお、男前ェ」

男「こんな時にからかうな。
  それで……やってくれるか?」チラッ

白髪少女
「……突然何を言う? ……本気か?」

男「本気だ。
  何しろ現状それが適任だろう。
  白髪少女の郷里での詳しい話は前に聞いた。

  正直……嫌なこと思い出させるようで悪いんだが、
  こういった場面に慣れてるだろう?」

白髪少女
「それは……」

男「あのラリパッパが自暴自棄の単独犯なら良いが、
  もしもそうではなくて仲間が居た場合、
  守りながらの逃走は素人の俺には厳しい。

  ……適任は場慣れしてる白髪少女しかいないんだ」

白髪少女「……」

ゴリマッチョ
「……何だかあんちゃんも落ち着いてるなァ。
 まあ得たいの知れねぇ俺の話を聞いてくれたぐらいだし、
 肝は据わってると思ってたがよ……。

 ……というか、話の腰折るようで悪いんだが、
 俺の事忘れてねぇか?」

男「……忘れてないよ。
  で、あんたにも悪いけど、
  ここで俺と一緒に残ってくれると助かる。
  荒事得意そうだし」

ゴリマッチョ
「……用心棒するって言っただろ。
 まだ期限内だよ」

男「……そっか。……ありがとう。
  ……よし、それじゃあ白髪少女にもう一回聞くが、頼めるか?」チラッ

白髪少女
「……もしも嫌だと言ったら?」

男「……困ってしまうな」

白髪少女
「……私の見立てでは、あれは単独犯の可能性が高い。
 であればこそ、男と私の役割を変える、
 と言う提案をするとしたらどうする?
 場慣れしている私が、
 より危険な方を担うと言う提案だ」

男「……単独犯ならそれはそれで良いさ。
  と言うかむしろ好ましいな。
  危険な役割をお前に頼まなくて済む」

白髪少女
「……」

男「悩んでる時間はもうあまり無くてだな……」

白髪少女
「……はぁ。わかった……。
 ただし、一つ約束してくれ」

男「何だよ」

白髪少女
「必ず生きてまた会う、と」

男「……善処しよう」

いったん寝ます

なんだかきな臭くなってきたな しかも国内で
まぁ最初からか

ピエールおはよー

よし


白髪少女
よし「……では逃げるタイミングは私の判断で決めさせて貰う」

男「……頼んだ。

  あと……そうだな、手伝い料じゃないが、
  あとで何か一つくらいなら言う事を聞くから、
  考えておくと良い」

白髪少女
「……ふふっ、そうか。それでは何か考えておく事にしよう」

男「俺に出来る範囲の事でな。
  さて……それじゃあそろそろ動くとするか」

ゴリマッチョ
「話は終わったか。……よし、で、どういう風に囮になる?」

男「いきなり飛び出しても蜂の巣だろうし、
  こういうのを使う」



男はそう言うと、
テーブルの上に置いてあった灰皿を手に取った。



男「これ以外にも、他のテーブルにも色々あるだろ?
  そいつらをぶん投げながら抑えに行く」

ゴリマッチョ
「シンプルだねぇ。分かりやすくて助かるぜ」

男「それ以外に方法も無い」

ゴリマッチョ
「……ちげぇねぇ」

男「んじゃ、俺がこいつ投げたらスタートって事で」

ゴリマッチョ
「あいよ」


男は一呼吸置いて、
灰皿を投げる体勢に入る事に決める。
……が、その前に、
目を瞑って小刻みに震える美少女が視界に入ったので、
軽く声を掛けた。


男「……白髪少女の言う事をちゃんと聞くんだよ?
  仲が良くは無さそうだけど、
  それは今は抑えてね。

  ……お願いね」

美少女「……おね、がい、ですか?」

男「そう、お願い。……守れる?」

美少女「……まも、れます」コク

男「良い子だ」ワシワシッ


美少女が頷いたのを見て、
男は美少女の頭をわしゃわしゃと撫でる。

すると美少女の頬は真っ赤になり、
いくらかは安心も出来たのか、
震えが止まったようだったのだが……。

しかし、男はそれに気づく事無く、
1、2、3と小さく数えてから、
身を乗り出して灰皿を投げつけ走った。


不審者――ウ、ウガァアアッ!?――

おきたった



男の灰皿は不審者には当たらず、
その近くを通り過ぎただけたった。
が、驚きを与えるには十分だったようだ。

銃の発砲が一瞬止み、
一体何事かと不審者の目が大きく開いている。


男「――よし」


作戦の効果が有用であった事を噛み締めながら、
男は次々にモノを投げながら近づいていく。


ゴリマッチョ
「――ったく、チャカなんぞどっから持ってきたんだかよ」


呆れたような声を出しながら、
ゴリマッチョも男に続いた。


不審者――ウガガガッ!!――


二人がモノを投げつけながら不審者へと近づくと、
ようやくこちらの意図に気づいたのか、
不審者が怒りをあらわにした表情になり、
発砲を再び開始した。

狙いは当然に男とゴリマッチョの二人。


男「――おっと」

ゴリマッチョ
「あぶねぇっ」


向けられた銃口を見て、
男とゴリマッチョはすぐさまに物陰やテーブルの下へと隠れた。

――次の瞬間。

銃弾が床や壁、物に当たる音が響く。


男「……一気に行けるかもとは思ったんだけど、そう上手くは行かないか」



出来れば一瞬で決めたかったなと、
男はため息をつきながら、
自身が元居たテーブルの下を見やった。

するとそこにはもう、
白髪少女も美少女も居なかった。
どうやら上手く逃げおおせてくれたらしい。



男「……あいつすげぇな」

ゴリマッチョ
「何をぶつくさ言ってるんだ」

男「ちゃんと逃げてくれたようで、安心したなってだけだ」

ゴリマッチョ
「……おお、本当だな。やるなあ、あのネェちゃん」



男は安堵しつつ、
口元をぐにぐにと動かしながら、
不審者の様子を見やる――

――と、それと同時に銃口がこちらに向く。


タタタタッ。


男「――っ」


慌てて再び男は物陰に隠れる。
間一髪の所であった。
銃弾が頬を掠めている。


男「くそ……」

ゴリマッチョ
「やっこさんも必死だねぇ」


はーあ、と首を横に振りつつ、
ゴリマッチョが物を投げつけると、
ガンッと鈍い音がした。


不審者――ググッ……ウゴグッ――


呻き声が聞こえる。
どうやら不審者の頭部に当たったらしく、
ちらっと様子を見ると、
よろめいているのが分かった。


男「命中したなぁ」

ゴリマッチョ
「――しゃあ、一気に行くか!」

男「はいよ」


男とゴリマッチョの二人は、
この機を逃すまいと、
一気に距離を詰めて抑えにかかった。

男が不審者の脚を抑え、
ゴリマッチョが背後から羽交い絞めつつ、
銃を取り上げ放り投げ、そのまま倒れこむ。


男「――よっしゃ」グググッ

ゴリマッチョ
「――ハッハー、終わってみれば案外楽だったぜぇ」ギチギチ

男「……このまま警察来るまで押さえつけておくか」


多少は不安があったが、
意外となんとかなったなと、
二人は互いに目配せをした。

どちらもが軽く笑んでいるのは、
二人掛かりで抑えているのだから、
そう易々とは振り解けないだろうと、
もう決着は着いたと、
そう思っているからだ。

だが……、


不審者――ウガウルッ! アガウアウッ!――


不審者の力は予想以上に強かった。
あるいは薬物の影響で、
肉体のリミッターと言うものが外れているのかも知れない。

薬物あるある


ゴリマッチョ
「んだっ、こいつっ!」

男「なんて力してんだよっ!」


男は全力で押さえつけにかかっていたし、
ゴリマッチョもまたそうであろう。

だがしかし、
不審者の抵抗はそれを上回りつつあった。

ミシミシと体の軋む音を響かせつつ、
不審者はゆっくりと体勢を立て直し始めた。


男「――くそっ」

ゴリマッチョ
「――腕の一本でも折っとくか」


ゴリマッチョが舌打ち交じりに、
不審者の腕に力を込めると、
鈍い音と共にその腕があらぬ方向に折れ曲がった。


ゴリマッチョ
「痛ぇだろ? これでちったぁ大人しく――」


――だが、不審者は一瞬顔を歪ませたものの、
すぐさまに激昂し、
折れた腕を鞭のように振るって攻撃としてきた。


不審者――ウガッ、ウガガガガッ!――

ゴリマッチョ
「……ぐっ」


折れているせいか、
不審者の腕は不規則な軌道を描き、
ゴリマッチョの顔面に強打した。


ゴリマッチョ
「な、なんちゅうヤツだ……」


うぅ、とゴリマッチョがよろけ、
そして不審者はその隙を逃さなかった。
思い切り暴れて二人の拘束から逃れてしまったのだ。


男「――いっつぅ」

ゴリマッチョ
「く、くそがっ……」


二人と不審者の視線がかちあう。
薬物の影響なのか、
不審者の瞳は真っ赤に血走っていたのが分かった。


ゴリマッチョ
「……こいつぁ、押さえつけるのは無理そうだな」

男「……なるほど、って事は警察が来るまでの間、
  喧嘩するしかないって事か。

  ……この肉体の限界超えてそうなヤツと」

ゴリマッチョ
「そうなるな。……しかも殺さないように、だ。
 殺しちまったらこっちも悪モンになる」

男「……銃を取り上げたのがまだ救いか」


肉体の損壊をものともしない人間と殴り合いの喧嘩などしたくない。
誰だってきっとそう思うだろう。
しかし、やらざるを得ないのである。
だから――警察が来るまでの間。
男とゴリマッチョの二人は、狂った男と戦い続けた。



………
……
……
………



白髪少女は美少女を連れて店の外に出ると、
辺りを警戒した。


白髪少女
「……人影も無く、どこかに待機している様子も見受けられない」


単独犯である可能性が高い、
という白髪少女の読みはどうやら当たっていたようだ。
怪しい人影や気配の類は読み取れない。


白髪少女
「しかし油断は禁物だな。……はぐれないように私の後をついてくると良い」


白髪少女は美少女に向かってそう告げる。
だが……告げられた美少女の表情は、
どうにもよろしくないものだった。


白髪少女
「なんだ? どうした?」

美少女
「え、えらそうに言わないで。
 私があなたについていくのは、
 男さんがそうしろって言うからってだけだから……」


先ほどの現場から少し離れたからだろうか?
美少女からは極度の怯えは消えていて、
代わりに恋敵に対する勝気な部分が戻りつつあるようだ。

まったく、と白髪少女は頭を引っ掻く。


白髪少女
「私に対して敵対心を持つのは別に構わない。
 だがそれは後にしてくれ。
 今はそういう時では無いのだ」

すみません一旦寝ます。
起きたら再開します。

よし!

よしとか言いなら書けずに朝を迎えてしまった・・・
なんとか2レス分くらいは今から投下出来るように頑張ります

がんがれ



白髪少女から深いため息が出る。

自身が良く思われていないのは既知ではある。
が、こういった事態においては、
そういう態度は取って欲しくは無かったのだ。

恋に溺れやすい若き乙女だとしても、
さすがに幾らかの物事の分別は出来るであろうと、
そう踏んではいたのだが……。


仕方あるまいと呟くと、
白髪少女は実力行使に出る事に決めた。
大胆に美少女に近づき、
その髪の毛を掴んで思い切り引っ張ると、
低い声音で耳元で囁く。


白髪少女
「……いい加減にしろよ、牝豚。

 そんなガキみたいな事を言ったりやったりするから、
 お前はあいつから相手にすらされんのだ」

美少女
「っ……な、何を知った風な口を。
 相手にされてないなんて、
 そんなこと無いんだからッ……」

白髪少女
「いいや、されていないさ。
 そうだな……それを証明してやろう。

 ほら、これを見てみろ」


白髪少女はゆっくりと目を細めると、
懐の中から一枚の写真を取り出した。
一人の男の子が、
老齢のイタリア人と一緒に映っている写真だ。
男の子は満面の笑みで老人と手を繋いでいる。


美少女
「な、なに急に……」

白髪少女
「あいつの小さい頃だ。
 お前はこの場所がどこか分かるか?」


美少女
「……え?」

白髪少女
「答えられないだろう。
 では次に……、
 一緒に映っている老人との関係は分かるかな……?

 ああいや――分からないだろうな。
 知らないだろう。
 ちなみに……当然だが私は全て知っている。
 私はあいつの事を深く知っているよ。

 だがお前は、私が知っているあいつの事を何ひとつ知らないようだ。

 つまりあいつはお前に自身の事を言っていない、という事だな。
 ……で、そのザマをどう解釈すると相手にされている、となるのだ?」


まるで写真も情報も、
男本人から受け取ったかのように語りながら、
白髪少女は畳み掛ける。

これらは実際は、
男からではなくてその父親からのものである。
だが、それを教えてやる義理は無い。


美少女
「……う、うそつかないでよ」

白髪少女
「うそなんかじゃない。
 なんなら、この写真が本物かどうか、
 後で男に直接見て貰うか?

 ……これが本物だと分かったらお前はどうするんだろうなぁ。
 それでもウソだとでも喚くか?」


白髪少女が挑発するように言葉を紡ぐと、
美少女は大きな涙を目の端に溜め始めた。


美少女
「……なん、で」

白髪少女
「ん?」

美少女
「なんで……私を追い詰めるの。

 あんたなんか死ねば良い!
 早く死んで消えて!」

白髪少女
「なんで私がお前に命令されて死ななきゃならないのだ?」

美少女
「だって邪魔なんだもん。
 あんたが居なきゃ、
 きっと全部上手く行ってたんだもん。

 ……あんたが居なきゃ男さんともっと仲良くなれたし、
 仲良くなれてたら、
 あんな飲み会の誘いもいくら友達に言われても、
 一生のお願いされても断ったし、
 そしたらこんな事になんてならなかった……。

 だから全部あんたが悪い!」

白髪少女
「……とんでもない言いがかりだな」

sage進行したいならそれでもいいけどsage外した方がスレが上に行くから読まれやすくなるよ
作者はフィルターを外すためのsagaだけでok

美少女がまーんさんのほうが多少読みごたえあるな

おきたった

>>383
わかりました

この速度でよくVIPでやろうと思ったな

>>386
すみません
速報来てスレが基本まず落ちないって知って
ペースがvipに居た頃よりかなりのんびりになってしまいました


白髪少女が眉根を寄せると、
反抗するかのように、突然に美少女が暴れだした。

美少女はお返しとばかりに白髪少女の髪の毛を引っ張ると、
その頬に平手打ちを何度も何度もぶつける。

美少女
「……言いがかりなんかじゃないっ。

 ……ねえ、お願いだから死んでよ。

 ――死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで
 ――死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで
 ――死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで」


美少女は呪詛のように「死んで」と繰り返す。
抑揚のない声音が、
この女の異常性を現しているかのようだった。


白髪少女
「くそがき……」


白髪少女は正直な所、
平手打ちを避けようと思えば避けれた。
だが、煽ったのは自分であるから、
こうなった場合には、
多少は我慢しようと考え避けなかったのである。
そして……その上で、

これでお互い様にしよう。
手打ちにしよう。

と、こう話を持っていくつもりをしていたのだが……、
しかしまさか、美少女が――ここまで急激に病的になるとは、
さすがに白髪少女にも予想がつかなかった。


美少女
「死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで」


美少女は口から「死んで」を漏らしつつ、
すぐ隣に見えた食器店、
その店先にあるワゴンの中の商品――
――金属製のフォークを手に取ると、
白髪少女の顔を突き刺そうとしてきた。


白髪少女
「そ、それは洒落にならん……」

友2も浮かばれねえな…



白髪少女は頬を引きつらせると、
一瞬のうちに美少女の腕を掴んで捻り、
無理やりにフォークを手放させ、
その勢いのままに美少女の体を地面に押さえ付けた。


美少女
「死んで死んで死ん――っぅ」

白髪少女
「――やめるんだ」


淀みのない随分と鮮やかな手口であるが、
もとより日本に来る前から、
ある程度の荒事は経験をしてきたのが白髪少女だった。

突然の凶行には驚いたものの、
その相手が素人である美少女であるならば、
この程度の制圧は造作も無い事である。


美少女
「――放して、放して! あんた殺すんだから!」


押さえ付けられながらも、
美少女の敵意は止まらず、
一体どうしたものか、と白髪少女は悩んだ。

手を放せば再び襲ってくる事は容易に想像出来る。
しかしかと言って、押さえ付けたまま、と言うワケにも行かないだろう。

通行人がちらちらとこちらを見ている事からも分かるが、
この状態を維持では、あまりに人目に触れすぎるのだ。

一旦寝ます。
すみません。
色々考える事があってこれまたいつも以上のスローペースとなってしまいました……。

よし、今日は少し頑張ろう


どうにも頭が痛くなりそうだと思いつつ、
白髪少女は未だに騒ぎ続ける美少女を見やった。


――放して!
――放せよ!
――泥棒猫!


その言葉と共に、
怨嗟の篭ったような、
ギラついた酷く暴力的な瞳が、
白髪少女を射抜く。

どうやら……ちょっとやそっとでは大人しくなる気が無いらしい。

白髪少女
「疲れたりしないのか? ある意味凄いな……」


白髪少女は一際大きなため息を吐くと、
「仕方ない」と呟き、自らの腕を美少女の首に回した。


美少女
「なっ、何す――」

白髪少女
「騒ぎ続けるのであれば、こうする他には無い……」


白髪少女は、きゅう、と美少女の首を一瞬の内に絞める。


美少女
「あ――あっ……ァっ――ぅ」


首を絞められて、
美少女は声にもならない声を漏らし、
その瞳から徐々に光が失わせていく。


白髪少女
「……別に殺しはしない。安心しろ」


美少女の意識が完全に落ちた事を確認して、
ヤレヤレと首を横に振ると、
徐々に野次馬が集まりだしていたことに白髪少女は気づいた。


白髪少女
「――見世物ではない」


白髪少女が、キッ、と強めの視線を送ると、
野次馬は蜘蛛の子を散らすようにバラけて行って――

――ふと、肩をポンポンと叩かれた。

一体何だ、と白髪少女が振り返る。
するとそこには、
前掛けエプロンを着けた、
どこかの店の女性の店員が居た。

女性の店員は、
少し迷った顔をしながらも、
こう切り出してきた。


女性店員
「そこのフォークなんですけど、うちの商品なんですよね。

 男の取り合いか何か分からないですけど、
 勝手に使わないで頂けると……。

 あと……もうあれ商品にならないので……買ってくれますよね?」


白髪少女の眉がハの字になった。


………
……
……
………



パトカーが窓の向こうに見えた時、
息を荒げていた男とゴリマッチョの二人は、
ほっと胸を撫で下ろした。


男「よ、ようやくか……」


戦闘開始をしてから、
およそ十分~二十分くらい経ったが良い所だ。

しかし、男の体感時間はその何倍もあった。


ゴリマッチョ
「……やっとか。ったく、もう俺らボロボロだっつの」


ゴリマッチョと男両名の体は、あざだらけの傷だらけだった。
まあ……こちらは殺さぬよう手加減しているが、
薬でキマってリミッターも外れてる不審者は、
一切の手加減をしてこないのだから、それも致し方は無いのだが。

男「……」

男がちらりと見やると、
不審者はまだまだ元気そうだった。
折れた腕をプランプランと振り回しながらも、汗一つ掻いていない。


不審者――ウゴルガッ ウガガガッ!――


不審者が威勢良くこちらに投げ飛ばしてきた椅子を避けながら、
男は血が流れ出している鼻を指で擦った。


男「なんて体力だよ……ああいや、薬でキマってるからか」

ゴリマッチョ
「薬、か……。
 ただの薬にしちゃあ何かヤベェけどな。
 普通の薬じゃここまでなんねぇよ。
 こいつが使ってる薬……、
 もしかしてだが、
 連続殺人犯の使ってたのと同じじゃねぇか?」


男「あんたの組が関わってたって言う、
  例の薬を使ってるって事か?

  ……まあ、ありえなくはないか」


男は思い出す。
確かゴリマッチョは言っていた。
自らの属していた組が、
中国マフィアのガキに危険な薬を大量に売った、と。


男「……って、待てよ」


ゴリマッチョの過去の発言について振り返っていると、
ふと、男はある可能性について思いついた。


ゴリマッチョ
「あん? どしたい」

男「あんた確か、無罪の為にも連続殺人犯追ってるんだよな?」

ゴリマッチョ
「そうだが……」

男「こいつがそれだって可能性、あるんじゃ……」


男は目の前の不審者の事をさして、そう言った。
そう――男が思いついた可能性とは、
目の前の不審者が、
ゴリマッチョの追っている連続殺人犯と同一人物である可能性だ。


男「ありえなくは無いだろう。
  明らかにおかしい薬を使っていて、
  こうして似たような事件を起こしている」


男が辺り見回すと、
血を流しながら床に倒れている人がそこかしこに居るのが見えた。
呻いている人も居れば、ピクリとも動かない人も居る。
恐らく死者も出ているだろう。

これは間違いなく惨状で、
あるいはこれを引き起こした不審者が、
以前に報道された連続通り魔と同一人物だとしても、
何ら違和感が無くもある。


ゴリマッチョ
「……言われて見りゃあ、そうかも知れねぇな」


男に指摘されて、
ゴリマッチョの眉間に皺が寄った。

男の精神どうなってんだ


男「警察の調べた結果次第だが、
  もしかしたら疑いが晴れるかもな」

ゴリマッチョ
「……そうだな。
 疑いが晴れりゃあ、
 俺もこそこそ警察に追われんでも――」


と、ゴリマッチョはそこまで言って、
突然に言葉を飲み込み、
その様子を怪訝に思った男は「どうした」と訊ねた。

すると、


ゴリマッチョ
「いやあのよ……今、外に警察居るよな?」

男「いるな」


男が窓の外を眺めると、
警察が突撃準備を始めているのが分かった。


ゴリマッチョ
「……だよな。
 で、俺思ったんだけどよ、
 いまおそらく追われているであろう俺の面を、
 知ってる警官が一人でも居たらヤバくねーか?」


ゴリマッチョの疑問に、
男は一瞬押し黙った。

――と、次の瞬間。

店内の四方八方から、
警官が流れ込むように突撃してくると、
一目散に不審者に突っ込んで行った。


不審者――ッ! ウガガガグッ!――


やはり警官と言うからには、
捕縛術にも精通しているのだろうか。
複数人掛かりではあったものの、
警官たちはあっというまに不審者を取り押さえてしまう。


警官1「ハイ確保ー」

警官2「ちっ、何か嫌な予感すると思ったら、ラリってるだろコイツ」

警官3「鎮静剤持ってこーい」


それは非常に見事な手際だった。

警官たちは不審者の首筋に注射器を、
恐らく言葉から察するに鎮静剤を、
息のつく間もなく不審者の首筋に打ち込んだ。


不審者――ウギギギッ、ギギッ……――


徐々に不審者の威勢は弱くなり、
やがてぐったりと泡を吹いて力を失う。

……何とも随分とあっさりと、
短くも長い戦闘が終わりを告げた。

男とゴリマッチョの二人が、
その一瞬の様子をただただ眺めていると、
警官の一人がこちらに声を掛けてきた。


警官4「えーと、あなた達は……状況から察するに、もしかして犯人を?」


男「……え? あっ、あぁ……まあそうですね。
  被害が出ないようにって色々頑張ってました」


警官4「おおっ、そうでしたか。感謝致します。

    ……ところで、それであればなんですが、
    色々とこうなった状況の前後とか詳しく聞きたいので、
    少しお怪我もされているようなので、
    病院で診て頂いてもらった後で大丈夫ですので、
    良かったら署の方に来て頂ければ――ん?

    隣のあなた……」


警官は半眼になると、
隣のゴリマッチョの顔を訝しげに見つめた。


ゴリマッチョ
「な、なんだい……」

警官4「ああいえ、どこかで見た顔だなと……」


どうやら、
先ほどゴリマッチョの言いかけた不安は当たっていたようで、
顔を見知ってる警官が居たらしい。

ただ、どうにもまだ確信が持てていないようではあるが。


ゴリマッチョ
「き、気のせいだろう。
 それより……ほら、もう事件も解決だし、
 俺らは帰るとするよ」


ゴリマッチョは、
まだ完全にはバレていない事を機敏に感じとったらしく、
「気のせい」と言う魔法の言葉を駆使して、
この場の乗り切るつもりをしているようだった。


そして……案外とそれは上手く行った。


店内には未だ死傷者が結構居る事もあってか、
警官はそこまで熱心に思い出そうとはしなかったのだ。


警官4「そうでしたか……確かに気のせいかも」

ゴリマッチョ
「お、おうよ。」

警官4「……では、ひとまず改めて感謝を」


警官はそう言うと、
敬礼のポーズを取り、
急ぎ死傷者の救助や確認へと行動を移し始めた。

去り際に、
×○署でお待ちしておりますので、
という一言を残して。


ゴリマッチョ
「危ねぇ危ねぇ……」


警官からの疑いを何とか切り抜けた事で、
安堵したのか、
ゴリマッチョは大きく息を吐いた。


ゴリマッチョ
「なんとかなったぜ……」

男「まあでも、後で署に来いって言ってたけど」

ゴリマッチョ
「良かったら、だろ?
 俺はあんま行きたくねぇから行かねぇ。
 まあその……今回のこいつが真犯人だってなったら、
 行ってやらんでも無いがな」

男「ふーん……」

ゴリマッチョ
「で、そっちはどうすんだい。行くのか?」

男「何か面倒くさそうだから、
  正直行きたくないけど、
  でも……明日には一応は行くよ。
  行かない事で何か変な憶測立てられても困るし」

ぬぽーん

ごめんなさい
少しお休みします
再開がちょっと未定になります……

失踪キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

おうちゃんとお務めしてこいよ

薬なんかに手を出すから……

どうせなら書きためとけ

こんなんでよくVIPに立てたな

もとはVIPだったな
場所変えて正解というか元来こんなスレ立てたのが不正解というか

というか中断するならHTML化してもいいのでは
このスレも荒らしとかで読みづらくなってるしそもそも中途半端なところから始まってるし
再開する時に新スレ立てて最初から貼るのが一番良さそう
凄いめんどくさいだろうけど

そんなことしたら、もう書かないのでは?

どっちみちもう書かない可能性の方が高いでしょ

すげえ遅筆だな

もう書くつもり無いだろうな

書かないんだったらスレの処理くらいはしていけよ
ここは勝手には落ちないんだから

2か月くらい書き込み無かったら落ちるよ

何が最後まで書くだよ
荒らしてた奴が正解だったわけだ

生存報告です。
html化の依頼出します。

書き溜めて完結させてから次回はスレ立てします。

依頼出して来ました。


元気でな

ダメだったか

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